本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
(0)遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技盤の所定箇所に配設され、遊技球の入球または通過を検出する遊技球検出手段と、前記遊技球検出手段での遊技球検出に基づいて、遊技領域に打ち込まれる遊技球とは別の複数個の特定球を放出する放出手段と、前記放出手段により放出された複数個の特定球を配列させる配列手段と、前記配列手段での複数個の特定球の配列状態に基づいて、遊技者にとって有利な遊技状態となるか否かを判定する判定手段とを備えていることを特徴する遊技機。
前記(0)に記載の発明によれば、遊技盤は、遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する。遊技球検出手段は、遊技盤の所定箇所に配設され、遊技球の入球または通過を検出する。放出手段は、遊技球検出手段での遊技球検出に基づいて、遊技領域に打ち込まれる遊技球とは別の複数個の特定球を放出する。配列手段は、放出手段により放出された特定複数個の遊技球を配列させる。判定手段は、配列手段での複数個の特定球の配列状態に基づいて、遊技者にとって有利な遊技状態となるか否かを判定する。したがって、遊技者が遊技盤に打ち込んだ遊技球とは別の複数個の特定球の配列により、遊技者にとって有利な遊技状態となるか否かを判定することができる。つまり、遊技者にとって有利な遊技状態となるか否かの過程で、遊技球の入球の有無および遊技球自体の流れによる面白さという点だけでなく、放出された複数個の特定球がどのように配列されるのかを、遊技者は楽しむことができる。したがって、遊技者にとって有利な遊技状態となるか否かにおける遊技の興趣性を、さらに向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供することができる。また、遊技者にとって有利な遊技状態となるか否かの判定は、パチンコ機内部で予め決められたものであるかのような感じを受けることはなく、遊技に違和感を覚えず、面白味が減退することもない。その結果、遊技の興趣性を向上させることができる。
(1) 前記(0)に記載の遊技機において、
前記放出手段と前記配列手段とは、前記遊技盤に備えられていることを特徴とする遊技機。
前記(1)に記載の発明によれば、放出手段と配列手段とは、遊技盤に備えられているので、遊技者は、放出手段により放出される複数個の特定球を遊技盤で見ることができ、さらにこの放出手段により放出された複数個の特定球が配列される過程を遊技盤で見ることができる。したがって、遊技者が容易に見ることができる遊技盤で、通常では見ることができない複数個の特定球が配列される過程を見ることでき、さらに、特定球が配列された状態を容易に確認することができ、遊技に面白味を感じ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(2) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)に記載の遊技機において、
特定球は、材質が金属からなる金属特定球と、材質が非金属からなる非金属特定球とがあり、
前記金属特定球と前記非金属特定球とは外観が異なり、
前記複数個の特定球は、前記金属特定球と前記非金属特定球とを少なくとも一つは備えていることを特徴とする遊技機。
前記(2)に記載の発明によれば、金属特定球は、材質が金属からなる。非金属特定球は、材質が非金属からなる。金属特定球と非金属特定球とは、外観が異なる。複数個の特定球は、金属特定球と非金属特定球とを少なくとも一つは備えている。したがって、複数個の特定球において、遊技者はこの外観の異なる2種類の複数個の特定球を見分けることができる。また、金属と非金属の違いによる異なる挙動を見ることができる。つまり、遊技者はこの2種類の複数個の特定球での多様な挙動について面白みを感じることができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(3) 前記(2)に記載の遊技機において、
前記判定手段で遊技者にとって有利な遊技状態成立と判定される、前記配列手段での前記複数個の特定球の配列状態に対応する有利配列状態を表示する有利配列表示手段を備えることを特徴とする遊技機。
前記(3)に記載の発明によれば、有利配列表示手段は、判定手段で遊技者にとって有利な遊技状態成立と判定される、配列手段での複数個の特定球の配列状態に対応する有利配列状態を表示する。したがって、遊技者は、判定手段で有利な遊技状態と判定される、配列手段での複数個の特定球の配列状態に対応する有利配列状態を容易に認識することができ、遊技を行っている期間、特に配列手段で特定球が配列される過程にある場合には、有利配列表示手段に表示されている有利配列状態を確認し、有利な遊技状態になることを期待しながら、特定球が有利配列状態と同一の配列状態になるか否かの過程を楽しみながら遊技を行うことができる。つまり、遊技者は、特定球が有利配列状態と同一の配列状態になるか否かの過程を楽しむことができ、遊技球が所定の入賞口に単に入賞することで有利な遊技状態になるという従来遊技機に比べて、有利な遊技状態になることをより長い期間期待することができ、遊技の楽しみを増すことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(4) 前記(3)に記載の遊技機において、
前記有利配列表示手段は、前記配列手段の近傍に備えられ、
前記有利配列表示手段と前記配列手段とは、表示される複数個の特定球の配列が同じ方向であることを特徴とする遊技機。
前記(4)に記載の発明によれば、有利配列表示手段は、配列手段の近傍に備えられている。有利配列表示手段と配列手段とは、表示される複数個の特定球の配列が同じ方向である。したがって、遊技者は、配列手段に特定球が配列される過程にある場合に、遊技者は、有利配列表示手段で表示されている表示を容易に見比べることができる。つまり、視線を大きく変更することなく、有利配列表示手段と配列手段を見ることができ、特定球が有利配列状態と同一の配列状態になるか否かの過程をより集中でき楽しむことができる。
(5) 前記(3)または(4)に記載の遊技機において、
遊技者により操作される操作手段と、
前記判定手段で遊技者にとって有利な遊技状態成立と判定される、前記配列手段での前記複数個の特定球の配列状態に対応する有利配列状態を、遊技者による前記操作手段の操作に基づいて変更する配列変更手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(5)に記載の発明によれば、配列変更手段は、判定手段で遊技者にとって有利な遊技状態と判定される、配列手段での複数個の特定球の配列状態に対応する有利配列状態を、遊技者による操作手段の操作に基づいて変更することができる。したがって、遊技者は、操作手段を操作することで、有利配列状態を変更することができる。つまり、遊技者は、揃い易いと思う有利配列状態や好みの有利配列状態に変更するなど、有利な遊技状態獲得について、より積極的に参加することができ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(6) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記放出手段は、
前記複数個の特定球を収容する収容手段と、
前記収容手段から前記複数個の特定球の放出を開始するための放出開始手段とを備え、
前記放出開始手段は、前記遊技球検出手段での遊技球検出に基づいて、前記収容手段に収容された前記複数個の特定球の放出を開始することを特徴とする遊技機。
前記(6)に記載の発明によれば、放出手段は、収容手段と放出開始手段とを備え、収容手段は、複数個の特定球を収容する。放出開始手段は、収容手段から複数個の特定球の放出を開始する。放出開始手段は、遊技球検出手段での遊技球検出に基づいて、収容手段に収容された複数個の特定球の放出を開始する。したがって、放出手段は、遊技球検出手段での遊技球検出に基づいて、収容手段に収容された複数個の特定球を放出開始手段により放出を開始することができる。つまり、放出手段は、遊技球検出手段での遊技球検出がされた場合のみに複数個の特定球の放出を開始することができ、遊技者はこの遊技球検出手段での遊技球検出が行われるように遊技球を打ち込むことで、有利な遊技状態獲得のみならず、放出手段による複数個の特定球の放出という特定球の挙動についても面白味を生じさせることができ、遊技の楽しさを感じることができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(7) 前記(6)に記載の遊技機において、
前記収容手段は、収容されている複数個の特定球が外部から視認可能なものとしていることを特徴とする遊技機。
前記(7)に記載の発明によれば、収容手段は、収容されている複数個の特定球が外部から視認可能なものとしている。したがって、遊技者は、収容手段に収容されている複数個の特定球が並べられている順番を容易に認識することができる。つまり、これら複数個の特定球が並べられた順番に収容手段から放出され、その後に配列手段で配列されるので、遊技者は、収容手段に収容されている複数個の特定球が並べられている順番に基づいて、配列手段に配列される複数個の特定球の順番を予想することにより、結果として、判定手段で遊技者にとって有利な遊技状態となる判定がされることが増え、遊技の興趣性を向上させることができる。
(8) 前記(6)または(7)に記載の遊技機において、
前記収容手段に収容された特定球の個数が所定数であることを検出する収容数検出手段と、
前記収容数検出手段での検出に基づいて、前記収容手段に収容された複数個の特定球を放出する放出位置に当該収容手段を移動する収容手段移動装置と
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(8)に記載の発明によれば、収容数検出手段は、収容手段に収容された特定球の個数が所定数であることを検出する。収容手段移動装置は、収容数検出手段での検出に基づいて、収容手段に収容された複数個の特定球を放出する放出位置に当該収容手段を移動する。したがって、放出手段は、収容手段に所定の複数個の特定球を確実に収容し、さらに、放出位置から収容手段に収容された複数個の特定球を放出することができる。つまり、収容手段に複数個の特定球が収容されていない状態でこの収容手段が放出位置に移動することを防止できる。言い換えれば、収容手段に収容された特定球に過不足がある状態で当該収容手段から特定球が放出されるという不具合を防ぐことができる。
(9) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記配列手段は、前記放出手段により放出された特定球を受ける受球部を備え、
前記受球部は、その特定球が転動可能な転動領域が平面視で円形で、かつ、その中心がその外周縁よりも低くなった逆円錐部材であって、前記逆円錐部材の所定箇所に特定球を排出する排出孔が形成されたものであることを特徴とする遊技機。
前記(9)に記載の発明によれば、配列手段の受球部は、放出手段により放出された特定球を受ける。受球部は、その特定球が転動可能な転動領域が平面視で円形で、かつ、その中心がその外周縁よりも低くなった逆円錐部材であって、逆円錐部材の所定箇所に特定球を排出する排出孔が形成されたものとしている。つまり、受球部に放出された特定球は、平面視で円形の逆円錐部材上を渦巻き状に回転し、排出孔から排出されるという経路で流下する。したがって、遊技者は、受球部に放出された特定球が、この受球部上で渦巻き状に回転して排出孔から排出されるという特定球の挙動を見ることができる。つまり、遊技者は、受球部での特定球の挙動に面白味を感じ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(10) 前記(9)に記載の遊技機において、
前記受球部は、前記転動領域での特定球の転動に変化を与える変化付与手段を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(10)に記載の発明によれば、受球部の変化付与手段は、放出手段により放出されて転動領域を転動する特定球に変化を与える。つまり、放出手段から放出された順番通りに複数個の特定球が受球部の排出孔から排出されるのではなく、変化付与手段によって転動領域を転動する特定球に変化が与えられるので、受球部の排出孔から排出される複数個の特定球の順番が変わり、配列手段での複数個の特定球の配列に関してより面白味を持たせることができ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(11) 前記(10)に記載の遊技機において、
前記遊技球検出手段での遊技球検出に基づいて操作が有効となるものであって、遊技者による操作を受ける操作手段を備え、
前記変化付与手段は、前記操作手段の操作に基づいて、前記転動領域での特定球の転動に変化を与え得る動作を行う
ことを特徴とする遊技機。
前記(11)に記載の発明によれば、操作手段は、遊技球検出手段での遊技球検出に基づいて操作が有効となるものであって、遊技者による操作を受ける。変化付与手段は、操作手段の操作に基づいて、転動領域での特定球の転動に変化を与え得る動作を行う。したがって、遊技者は、操作手段を操作することで変化付与手段を動作(駆動)させることができ、積極的に特定球に変化を与えて、遊技者にとって利益を得るように狙うことができ、遊技を楽しく感じることができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(12) 前記(10)に記載の遊技機において、
前記遊技球検出手段での遊技球検出に基づいて操作が有効となるものであって、遊技者による操作を受ける操作手段と、
前記操作手段の操作に基づいて前記変化付与手段を駆動するか否かを決定する決定手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(12)に記載の発明によれば、操作手段は、遊技球検出手段での遊技球検出に基づいて操作が有効となるものであって、遊技者による操作を受ける。決定手段は、操作手段の操作に基づいて変化付与手段を駆動するか否かを決定する。したがって、遊技者は、操作手段を操作することにより変化付与手段を駆動するか否かを決定することができる。つまり、遊技者は、自ら積極的に変化付与手段を駆動させたい場合と自ら積極的に変化付与手段を駆動させたくない場合との何れの遊技に対する意思を反映することができ、遊技選択の自由度を持たせることができる。また、遊技者は、遊技者自ら変化付与手段を操作すると選択した場合は、積極的に特定球に変化を与えて、遊技者にとって利益を得るように狙うことができ、遊技を楽しく感じることができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(13) 前記(9)から(12)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記配列手段は、前記受球部の前記排出孔から排出される複数個の特定球をその順番に受け入れる筒状体であって当該受け入れた順に特定球を線状に並べた状態となる配列筒を備え、
前記配列筒は、その内部に線状に並べた状態の特定球が外部から視認可能なものとしていることを特徴とする遊技機。
前記(13)に記載の発明によれば、配列筒は、受球部の排出孔から排出される複数個の特定球をその順番に受け入れる筒状体であって、当該受け入れた順に特定球を線状に並べた状態とする。配列筒は、その内部に線状に並べた状態の特定球が外部から視認可能なものとなっている。したがって、配列筒に配列された複数個の特定球の配列状態と有利配列表示手段に表示される有利配列状態とを見比べることができ、配列筒での特定球の配列状態が有利配列表示手段での有利配列状態に一致した場合には、遊技者にとって有利な遊技状態が成立したことがわかる。また、仮に配列筒での特定球の配列状態が有利配列表示手段での有利配列状態に一致しなかった場合であっても、その不一致の程度を知ることができる。つまり、配列筒での特定球の配列状態が有利配列表示手段での有利配列状態に対して何個違っていたのかがわかり、外れ自体をランク分けでき、外れに対しても多様性を持たせることができる。
(14) 前記(13)に記載の遊技機において、
前記放出手段から前記配列手段に放出された特定球の通過を検出する通過検出手段と、前記放出手段から前記配列手段に放出された金属特定球の通過を検出する金属特定球通過検出手段とを対応付けて、前記配列筒の特定球の入力側に配設し、
前記判定手段は、前記通過検出手段および前記金属特定球通過検出手段での検出信号に基づいて前記通過検出手段で検出された特定球が金属特定球であるか否かを検出し、かつ、前記通過検出手段での検出信号に基づいて前記放出手段から前記配列手段に放出された特定球の個数が所定数に達したことを検出することにより、前記配列筒での複数個の特定球の配列状態を特定することを特徴とする遊技機。
前記(14)に記載の発明によれば、配列筒の特定球の入力側には、放出手段から配列手段に放出された特定球の通過を検出する通過検出手段と、放出手段から配列手段に放出された金属特定球の通過を検出する金属特定球通過検出手段とを、対応付けて配設している。判定手段は、通過検出手段および金属特定球通過検出手段での検出信号に基づいて通過検出手段で検出された特定球が金属特定球であるか否かを検出し、かつ、通過検出手段での検出信号に基づいて放出手段から配列手段に放出された特定球の個数が所定数に達したことを検出することにより、配列筒での複数個の特定球の配列状態を特定する。したがって、配列手段(配列筒)での複数個の特定球の配列状態を特定する手段を好適に実現することができる。
(15) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(14)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記配列手段で配列された複数個の特定球を回収する回収手段と、
前記回収手段で回収された特定球を前記放出手段に搬入する特定球搬入手段を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(15)に記載の発明によれば、回収手段は、配列手段で配列された複数個の特定球を回収する。特定球搬入手段は、回収手段で回収された複数個の特定球を放出手段に搬入する。したがって、放出手段から放出された複数個の特定球は、配列手段で配列される。その後、回収手段は、配列手段で配列された複数個の特定球を回収する。そして、特定球搬入手段は、回収手段で回収された複数個の特定球を放出手段に搬入する。つまり、放出手段→配列手段→回収手段→特定球搬入手段→放出手段へと複数個の特定球を循環させて有効利用することができ、少ない特定球の使用で遊技を行うことができる。その結果、遊技に必要な構成品を少なくすることができる。
(16) 前記(15)に記載の遊技機において、
前記放出手段と前記回収手段と前記特定球搬入手段とを複数系統備えていることを特徴とする遊技機。
前記(16)に記載の発明によれば、放出手段と回収手段と特定球搬入手段とを複数系統備えている。したがって、一方の放出手段から複数個の特定球が放出された直後であって当該放出手段に複数個の特定球が未だ準備されていない状態であっても、他方の放出手段にて複数個の特定球が放出可能に準備されているので、特定球の放出行為が連続する場合にも対応することができる。つまり、複数系統の放出手段の内、一方の放出手段から複数個の特定球が放出され、判定手段で判定された後、直ぐに次の判定を行うための他方の放出手段を動作させることができ、複数個の特定球を使用する遊技において、判定手段で判定する時間を短い間隔で行うことができる。つまり、時間当たりに判定手段で判定される回数が増えることになり、遊技者にとって有利な状態になる可能性が高くなる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(17) 前記(16)に記載の遊技機において、
前記配列手段で配列された複数個の特定球を、その特定球を放出した放出手段に属する前記回収手段に回収されるように、前記配列手段で配列された複数個の特定球の排出先を切り替える切換手段を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(17)に記載の発明によれば、切換手段は、配列手段で配列された複数個の特定球を、その特定球を放出した放出手段に属する方の回収手段に回収されるように、配列手段で配列された複数個の特定球の排出先を切り換える。したがって、配列手段で配列された複数個の特定球を、その特定球を放出した放出手段に戻すように排出先を切り換えることができる。つまり、複数個の特定球が放出されて存在しない系統の放出手段に当該特定球を戻すようにすることができる。
(18) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(17)のいずれか一つに記載の遊技機において、
遊技球が通過あるいは入球可能な、抽選用入球手段と第1入球手段と第2入球手段とを備え、
前記抽選用入球手段への遊技球の通過あるいは入球に基づいて、前記第1入球手段を動作させるか否かの抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第1入球手段を動作させる第1動作制御手段と、
前記第1入球手段への遊技球の通過あるいは入球に基づいて、前記第2入球手段を動作させる第2動作制御手段と、
前記第2入球手段が動作され、遊技球の入球または通過を検出する前記遊技球検出手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(18)に記載の発明によれば、遊技球が通過あるいは入球可能な、抽選用入球手段と第1入球手段と第2入球手段とを備え、抽選手段は、抽選用入球手段への遊技球の通過あるいは入球に基づいて、第1入球手段を動作させるか否かの抽選を行う。第1動作制御手段は、抽選手段の抽選結果に基づいて第1入球手段を動作させる。第2動作制御手段は、第1入球手段への遊技球の通過あるいは入球に基づいて、第2入球手段を動作させる。遊技球検出手段は、第2入球手段が動作され、遊技球の入球または通過を検出する。したがって、抽選用入球手段への遊技球の通過あるいは入球を契機として行われる抽選手段での抽選結果により、第1入球手段が動作するか否かが決まり、さらに第1入球手段,第2入球手段が動作することに基づいて、遊技球検出手段で検出されることになる。つまり、遊技者は、遊技球検出手段で検出させるために、抽選用入球手段,第1入球手段,第2入球手段を用いた、さらに多様な遊技が行われることになり、遊技者は、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(19) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(18)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技球検出手段は、遊技球の入球または通過を可能とする第2入球手段に備えられ、前記第2入球手段は、複数個備えられていることを特徴とする遊技機。
前記(19)に記載の発明によれば、
遊技球検出手段は、遊技球の入球または通過を可能とする第2入球手段に備えられ、第2入球手段は、複数個備えられているので、複数個の遊技球検出手段の何れかに入球または通過をすることで、放出手段で複数個の特定球を放出することができ、判定手段で判定する機会が増えることになる。したがって、遊技者にとって有利な遊技状態となることをより期待することができる。つまり、興趣性を向上させることができる。
(20) 前記(18)に記載の遊技機において、
前記抽選手段で抽選された結果を表示する抽選表示手段を備えることを特徴とする遊技機。
前記(20)に記載の発明によれば、抽選表示手段は、抽選手段で抽選された結果を表示する。したがって、遊技者は抽選手段でされた抽選結果を見ることができる。つまり、遊技者は、第1入球手段が動作するか否かを容易に認識することができ、その後、遊技者にとって有利な状態が続くことになり、より期待をもって遊技を行うことができる。その結果、遊技者は遊技を楽しむことができ、興趣性を向上させることができる。
(21) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(20)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(21)に記載の遊技機によれば、興趣性に優れたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)するものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された入賞装置(可変入賞手段や特定入賞口など)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。但し、図2では便宜上、下皿ユニット13が内枠12から取り外された状態を示している。
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に詳細に説明する。
外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。例えば、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できない。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
内枠12の構成を図3も用いて詳細に説明する。図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。
内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、後述する樹脂ベース20と、この樹脂ベース20の後側に取り付けられる遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と発射モータなどで構成されている。なお、上述した遊技球発射装置38が本発明における遊技球発射手段に相当する。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように、その右側が下皿15に片持ち支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃え難くなっている。
また、前面枠セット14は、図2に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠セット14は内枠12の外側壁(リブ)12b(図3参照)内に嵌まり込むようにして取り付けられている。つまり、この前面枠セット14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠セット14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のもの)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠セット14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
ここで、前面枠セット14は、少なくとも遊技球発射ハンドル18に干渉しないようにして本パチンコ機10の下方に拡張して設けられており、具体的な数値を示すと、パチンコ機10の下端から前面枠セット14の下端までの寸法(図1のH1)は、既存の一機種で例えば約201mmであるのに対し、本パチンコ機10では30mm程小さく、約172mmとなっている。また、これに伴いパチンコ機10の下端から上皿19までの寸法(図1のH2)も小さくなっており、既存の一機種では例えば約298mmであるのに対し、本パチンコ機10では261mmとなっている。かかる構成では、上皿19の位置を下げたことにより、球貸し装置のノズル部と上皿19との距離が大きくなって貸し出される遊技球のこぼれ落ちなどが懸念されるが、本実施例では、当該ノズル部からの遊技球を受ける部分(向かって左側部分)で上皿19の周囲壁の一部を高くした(図1の高壁部19a)。これにより、上皿19の位置を下げた構成にあっても貸し遊技球のこぼれ落ち等の不都合が解消されるようになっている。なお、高壁部19aの高さ寸法は、上皿19の下げ寸法に見合うものであればよく、本実施例では25mmとした。
図3に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。
次に、図4,図14を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図である。図14は、遊技盤の構成を示す斜視図である。遊技盤30は、盤面中央に大きく配置した大当たり判定装置40と、盤面下方の真中に配置された始動口31と、さらに、始動口31の下方には、大入賞口200を備え、また、遊技盤30は、盤面中段の左右両側に抽選作動ゲート39a,39bと、始動口31,大入賞口200などの入賞口に入らなかった遊技球を回収するアウト口36となどを備えている。また、大当たり判定装置40の上部には、大当たり作動入賞口33が備えられている。これらの始動口31,大当たり判定装置40,抽選作動ゲート39a,39b等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。
また、本実施例のパチンコ機10は、図6に示すように、パチンコ機10全体を制御するメイン制御装置70を備えている。図6は、本実施例のパチンコ機10の電気的接続を例示するブロック図である。
抽選作動ゲート39a,39bは、遊技球が通過したことを検出可能な抽選作動ゲート検出センサ39c,39dを備える。図6に示すように、この抽選作動ゲート検出センサ39c,39dは、遊技球の通過を検出するとその検出信号をメイン制御装置70へ出力し、後述するメイン制御装置70のCPU72の機能の一部に対応する抽選部201で始動口31を動作させるか否かの抽選を行う。また、メイン制御装置70は、その抽選結果に応じて、始動口31の始動口羽根駆動装置207により羽根41a,41bを開閉動作させる。また、始動口31は、遊技球が通過したことを検出可能な始動口通過センサ32を備えている。始動口通過センサ32で遊技球の通過を検出するとその検出信号をメイン制御装置70へ出力し、大当たり判定装置40内の大当たり作動入賞口33を動作させる。大当たり作動入賞口33は、遊技球が通過したことを検出可能な大当たり作動入賞口通過センサ34を備えている。この大当たり作動入賞口通過センサ34は、遊技球の通過を検出するとその検出信号をメイン制御装置70へ出力し、大当たり作動入賞装置40を動作させる。
図4に示すように、大当たり作動入賞装置40は、大当たり作動入賞口通過センサ34での遊技球検出に基づいて、遊技領域に打ち込まれる遊技球とは別の複数個の特定球を放出する放出部202と、放出部202により放出された複数個の特定球を配列させる配列部203とを備え、また、メイン制御装置70のCPU72の機能の一部に対応するものとして、配列部203での複数個の特定球の配列状態に基づいて、遊技者にとって有利な遊技状態となるか否かを判定する判定部204とを備えている。
抽選作動ゲート39a,39bは、遊技球が通過したことを検出可能な抽選作動ゲート検出センサ39c,39d(図6参照)を備えており、この抽選作動ゲート検出センサ39c,39dは遊技球の入賞を検出するとその検出信号をメイン制御装置70へ出力する。
アウト口36は、始動口31や大当たり作動入賞口33などに入賞しなかった遊技球を遊技盤30の裏面から図示しない遊技球回収樋へと導くための入口である。
遊技盤30には、この他、発射された遊技球を円弧上に導くレールユニット50や大当たり判定装置40の左右下方に配置された風車37なども取り付けられている。また、遊技球をガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数の釘も遊技盤30に配置されている。
ここで、レールユニット50などについて説明する。また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、図3に示す奥面50aについての遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。この実施例では、レールユニット50の少なくとも左側を遊技盤30に強固に締結するために、レールユニット50の左側はその右側よりも多いネジで遊技盤30に締結されているので、レールユニット50の左側についての遊技盤30への密着性を上げることができ、遊技球の球飛びを良くすることができる。レールユニット50の左側が遊技盤30に対してぐらついているとこのレールユニット50に出射された遊技球の勢いが当該ぐらつきにより吸収されてしまうからである。
さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
内レール51及び外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図4のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図4のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の高さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
また、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車37、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、大当たり判定装置装置40の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、さらに風車37、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置38から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置38の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置した。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタ68が取り付けられている。前面枠セット14を内枠12から開放した状態(図3の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られた証紙などのシール(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
また、図3に示すように、内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
図3に示すように、内枠12の上側には、前面枠セット14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠セット14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。また、前面枠セット14が閉じられると、図5に示す前面枠セット14の金属製の補強板132,131が図3に示す内枠12の一対の金具92に接触するようになっており、前面枠セット14のアースが確保されている。
ここで、前述した前面枠セット14について、図1,図5を参照しつつより詳細に説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の大当たり判定装置40も比較的上方に配置することができるようになっている。前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール52の左端部はもちろん、内レール51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
また、図1に示すように、前面枠セット14の左側の小窓107付近を前面側(図1の紙面手前側)に必要以上に突出しないようにしている。こうすることで、パチンコ機10の左側に設けられたカードサンドの球貸し装置から直接に上皿19に遊技球を貸し出す際に、当該球貸し装置のノーズ部(いわゆる象の鼻)の先端排出口を好適に上皿19の上方位置に位置させることができ、当該球貸し装置のノーズ部から貸し出される遊技球を上皿19で受けることができる。
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。このように補強板132,133の連結部に樹脂パーツ135を介在させているので、ノイズが補強板131〜134でループすることを防止できる。また、図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内外のレール52,53により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置38より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うようにして前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール52のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
さらに、レールカバー140の裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた状態において、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール52にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させにくくなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。
ここで、メイン制御装置70について図6を用いて説明する。メイン制御装置70は、図6に示すようにCPU72を中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPU72には電源を供給する電源回路73の他に、各種処理プログラムを記憶するROM74や一時的にデータを記憶するRAM76,時間計測を行うタイマ77,所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78,入出力処理回路80がバス79によって接続されている。メイン制御装置70には、始動口通過センサ32,大当たり作動入賞口通過センサ34からの検出信号、金属特定球通過検出センサ205,通過検出センサ206からの検出信号、抽選作動ゲート検出センサ39c,39dからの検出信号などが入出力処理回路80を介して入力される。また、メイン制御装置70からは、始動口31の1対の羽根41a,41bの開閉を駆動する始動口羽根駆動装置207、大当たり作動入賞口33の1対の羽根41c,41dの開閉を駆動する大当たり作動入賞口羽根駆動装置208、大入賞口200の開閉を駆動する大入賞口駆動装置209への駆動信号や、有利配列表示部231,抽選表示部216の表示制御を司る表示制御装置45への制御信号や、賞球の払い出しを司る払出制御装置46への制御信号や、スピーカ48が接続された音声制御装置47への制御信号や、図示しない各種ランプへの点灯信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
次に、本発明のパチンコ機10のさらなる特徴部分の構成について図7〜図9を用いて以下に説明する。図7は大当たり判定装置40を動作させる構成を示すブロック図、図8は大当たり判定装置40での特定球の流れを示すブロック図、図9は大入賞口200を動作させる構成を示すブロック図である。
図7に示すように、遊技盤30は、遊技球が通過可能な抽選作動ゲート39a,39b、遊技球が入球可能な始動口31、大当たり判定装置40を備えている。メイン制御装置70は、抽選作動ゲート39a,39bに遊技球が通過したことに基づいて、始動口31を動作させるか否かの抽選をする抽選部201と、この抽選部201での抽選結果に基づいて、始動口31を動作させる制御を行う動作制御部210(始動口動作制御部211)とを備え、さらに、始動口31に遊技球が通過したことに基づいて、大当たり作動入賞口33を動作させる動作制御部210(大当たり作動入賞口動作制御部212)とを備えている。
まず、抽選作動ゲート39a,39bについて、図4,図6,図7を用いて説明する。図4に示すように遊技盤30の盤面中段の左側には抽選作動ゲート39a,右側には抽選作動ゲート39bが備えられている。図7に示すように、抽選作動ゲート39aには、抽選作動ゲート検出センサ39c,抽選作動ゲート39bには、抽選作動ゲート検出センサ39dが設けられ、遊技球が抽選作動ゲート39a,39bを通過したことを検出する。図6に示すようにこの検出を示す抽選作動ゲート検出信号は、入出力処理回路80,バス79を介して抽選部201に出力される。なお、上述した抽選作動ゲート39a,39bは本発明における抽選用入球手段に相当する。
抽選部201は、図6に示すようにメイン制御装置70のCPU72の機能の一部に対応するものであり、抽選作動ゲート検出センサ39c,39dからの抽選作動ゲート検出信号の入力に基づいて、始動口31の羽根41a,41bを動作させるか否かの抽選を行う。また、結果として始動口31の羽根41a,41bを動作させる抽選がされた場合は、この抽選結果を示す動作抽選信号を、バス79,入出力回路80を介して、表示制御装置45に出力する。また、抽選部201は、動作抽選信号を動作制御部210の始動口動作制御部211に出力(抽選部201と同じCPU72内での処理)する。なお、上述した抽選部201は本発明における抽選手段に相当する。
抽選表示部216は、図4に示すように、遊技盤30の盤面下方の真中に配置された始動口31の上部に備えられた、1〜9までの数字を表示することができる7セグメントのLED(発光ダイオード)である。図7に示すように、抽選表示部216は、表示制御装置45からの動作抽選信号の入力に基づいて、抽選部201で抽選された結果を表示する。例えば、抽選表示部216で表示される表示が0〜9までの場合に、「7」が表示された場合は、遊技者にとって有利な状態である始動口31の羽根41a,41bが開閉させることを示す。また、それ以外の数字である0〜6および8,9が表示された場合は、遊技者にとって有利な状態にはならず、例えば、始動口31の羽根41a,41bは開閉されない。
始動口動作制御部211について、図6,図7を用いて説明する。図6に示すようにメイン制御装置70のCPU72の機能の一部に対応するものであり、図7に示すように、抽選部201からの動作抽選信号の入力(抽選部201と同じCPU72内での処理)に基づいて、始動口31の羽根41a,41bを開閉させる制御信号を出力する。例えば、始動口動作制御部211は、この羽根41a,41bを1.8秒間開状態にさせる開閉動作を行うように制御信号を始動口31の始動口羽根駆動装置207に出力し、この始動口羽根駆動装置207により羽根41a,41bを開閉させる。なお、始動口31の羽根41a,41bの開状態を1.8秒間として説明したが、1.8秒間に限定されるものではなく、1.8秒間以外の期間において、羽根41a,41bを開状態とするようにしてもよい。なお、上述した始動口動作制御部211は本発明における第1動作制御手段に相当する。
始動口31について、図7を用いて説明する。図7に示すように、始動口動作制御部211からの制御信号の入力に基づいて、始動口31の羽根41a,41bを開閉させ、遊技盤30に打ち込まれた遊技球が入球可能となっている。また、始動口31には、始動口通過センサ32が備えられ、遊技球が始動口31を通過(入球)したことを検出する。この始動口通過センサ32での検出は、始動口通過信号として動作制御部210の大当たり作動入賞口動作制御部212に出力される。なお、上述した始動口31は本発明における第1入球手段に相当する。
大当たり作動入賞口動作制御部212について、図6,図7を用いて説明する。図6に示すようにメイン制御装置70のCPU72の機能の一部に対応するものであり、図7に示すように、始動口通過センサ32からの始動口通過信号入力に基づいて、大当たり作動入賞口33の羽根41c,41dを開閉させる制御信号を出力する。例えば、大当たり作動入賞口動作制御部212は、この羽根41c,41dを1.8秒間開状態にさせる開閉動作を行うように制御信号を大当たり作動入賞口33の大当たり作動入賞口羽根駆動装置208に出力し、この大当たり作動入賞口羽根駆動装置208により羽根41c,41dを開閉させる。なお、大当たり作動入賞口33の羽根41c,41dの開状態を1.8秒間として説明したが、1.8秒間に限定されるものではなく、1.8秒間以外の期間において、羽根41c,41dを開状態とするようにしてもよい。なお、上述した大当たり作動入賞口動作制御部212は本発明における第2動作制御手段に相当する。
大当たり作動入賞口33について、図4,図7を用いて説明する。図4に示すように、大当たり作動入賞口33は、大当たり判定装置40内の中央上部に突出して配置されている。また、図7に示すように、大当たり作動入賞口動作制御部212からの制御信号の入力に基づいて、大当たり作動入賞口33の羽根41c,41dを開閉させ、遊技盤30に打ち込まれた遊技球が入球可能となっている。また、大当たり作動入賞口33には、大当たり作動入賞口通過センサ34が備えられ、遊技球が大当たり作動入賞口33を通過(入球)したことを検出する。この大当たり作動入賞口通過センサ34での検出は、大当たり作動入賞口通過信号として動作制御部210の放出部開始動作制御部213に出力される。なお、上述した大当たり作動入賞口33は本発明における第2入球手段に相当する。上述した大当たり作動入賞口通過センサ34は本発明における遊技球検出手段に相当する。
放出部開始動作制御部213について、図6,図7を用いて説明する。図6に示すようにメイン制御装置70のCPU72の機能の一部に対応するものであり、図7に示すように、作動入賞口通過センサ34からの大当たり作動入賞口通過信号に基づいて、大当たり判定装置40の放出部202から特定球が放出することを示す放出開始信号を放出部202の放出開始部217に出力する。
次に、大当たり判定装置40について図4を用いて説明する。図4に示すように、大当たり判定装置40は、遊技盤30の盤面中央に大きく配置されている。さらに、大当たり判定装置40内の中央上部に突出して、羽根41c,41dの開閉動作により遊技球が入球可能となる大当たり作動入賞口33を備え、さらに、大当たり判定装置40内の上部左右の両側に、大当たり作動入賞口33に遊技球が入球することに基づいて特定球を放出する放出部202と、大当たり判定装置40内の中央部上下方向に、放出部202から放出された特定球を配列する配列部203と、大当たり判定装置40内の左右両側の上下方向に特定球を配列部203がある下部から、放出部202がある上部へ特定球を上昇させる特定球搬入部218とを備えている。
さらに、大当たり判定装置40は、図4に示すように、放出部202と配列部203で配列された複数個の特定球を回収する回収通路部227と、回収通路部227で回収された特定球を判定部204に搬入する特定球搬入部218とを2系統備えている。また、配列部203で配列された複数個の特定球を、その特定球を放出した放出部202に属する回収通路部227に回収されるように、配列部203で配列された複数個の特定球の排出先を切換る切換部232を備えている。なお、配列部203で配列されるのに必要な複数個の特定球を、それぞれの放出部202に属するように2組備えられている。なお、上述した回収通路部227は本発明における回収手段に相当する。
放出部202について、図4,図7を用いて説明する。図4に示すように、放出部202は、複数個(例えば、5個)の特定球を収容する収容部219と、収容部219から複数個の特定球の放出を開始するための放出開始部217とを備えている。なお、特定球を、例えば5個として説明しているが、5個以外の複数個の特定球を用いるようにしてもよい。なお、上述した放出部202は本発明における放出手段に相当する。
収容部219について、図14を用いて説明する。図14は、遊技盤30の構成を示す斜視図である。図14に示すように、収容部219は、特定球搬入部218から搬入された複数個の特定球を収容する構成になっている。具体的には、例えば、大当たり判定装置40に備えられた2系統の放出部202のうちの1系統である左側に備えられた収容部219は、左側が右側より少し高くなるように傾斜が付けられており、左側の特定球搬入部218から搬入された特定球をこの傾斜により、右側に転動する。また、右側には上下に細長い板が備えられ、特定球はこの板により収容部219から放出されないようになっている。この収容部219は、透明な材質(例えば、プラスチックなど)からなり、収容された複数個の特定球を視認可能となっている。ここで、図2に示すように、パチンコ機10の遊技盤30に対応する前面部分は、ガラス137からなり、このガラス137は、透明で遊技盤30を視認可能とすることから、遊技者は、パチンコ機10の外部から収容部219に収容されている複数個の特定球を視認することができる構成になっている。なお、上述した収容部219は本発明における収容手段に相当する。
なお、図14では、説明のために特定球を15個図示しているが、実際の特定球はそれぞれの放出部202に属するように2組(ここでは、10個)備えられている。
放出開始部217は、図7に示すように、大当たり作動入賞口通過センサ34での遊技球検出を契機として出力される放出開始動作制御部213からの放出開始信号の入力に基づいて、複数個の特定球の放出を開始する。なお、上述した放出開始部217は本発明における放出開始手段に相当する。
配列部203について、図4を用いて説明する。図4に示すように、配列部203は、放出部202から放出された特定球を受ける受球部220と、受球部220の排出孔236から排出される複数個の特定球をその順番に受け入れる筒状体であって当該受け入れた順に特定球を線状に並べた状態となる配列筒221とを備えている。
受球部220は、放出部202から放出された特定球が転動可能な転動領域が平面視で円形で、かつ、その中心がその外周縁よりも低くなった逆円錐部材であって、逆円錐部材の所定箇所に特定球を排出する排出孔236が形成されており、例えば、クルーンと呼ばれるようなものである。さらに、受球部220には、転動領域での特定球の転動に変化を与える回転妨害装置222を備えている。この回転妨害装置222は、特定球の転動に変化(妨害)与える妨害棒238が備えられている。
また、回転妨害装置222の妨害棒238は、遊技者の所定の操作により動作可能とする場合(遊技者操作可能状態)と、パチンコ機10により予め決められた動作を行う場合(遊技者操作不可能状態)とがある。回転妨害装置222の妨害棒238の動作を遊技者により操作可能とするか否か(遊技者操作可能状態とするか遊技者操作不可能状態とするか)は、大当たり作動入賞口33へ遊技球が入球し、大当たり作動入賞口通過センサ34での検出に基づいて、操作を有効とする操作部230の操作により遊技者が、遊技者操作可能状態または遊技者操作不可能状態のどちらかを決定するメイン制御装置70のCPU72の機能の一部に対応するものである決定部237によりできるようになっている。
具体的には、図15を用いて説明する。図15は、回転妨害装置を遊技者により動作させる否かを決定する構成を示すブロック図である。図15に示すように、大当たり作動入賞口通過センサ34で遊技球が通過されたことを検出してから、大当たり判定装置40の放出部202から特定球が放出されるまでの所定期間(例えば、10秒間)に、大当たり作動入賞口通過センサ34での検出に基づいて、メイン制御装置70のCPU72により音声制御装置47がスピーカ48から所定の音声出力をするように制御を行う。例えば、遊技者にスピーカ48により「妨害棒操作が必要の場合は1のボタンを、妨害棒操作が必要でない場合は2のボタンを押して下さい」など遊技者に、操作可能状態または遊技者操作不可能状態のどちらかを選択するように音声出力する。
さらに、この音声を聞いた遊技者は、後述する図10に示すように、パチンコ機10の上皿19に備えられた操作部230の押しボタン230aを押すと遊技者操作可能状態が選択され、押しボタン230bを押すと遊技者操作不可能状態が選択されることになる。この時、操作部230の操作は、1回限り有効とする。また、操作部230での操作に基づく信号を決定部237は入力し、決定部237はこの信号に基づいて操作可能状態または遊技者操作不可能状態のいずれかを決定し、操作可能状態と決定された場合は、操作部230での操作を有効とするようにCPU72内で処理される。なお、所定期間内に遊技者が操作部230の押しボタン230aまたは押しボタン230bを押さなかった場合は、遊技者操作不可能状態となる。また、操作部230の押しボタン230aを押すと遊技者操作可能状態、押しボタン230bを押すと遊技者操作不可能状態を選択するようにしているが、操作部230の押しボタン230a〜230eの何れかの押しボタンと遊技者操作可能状態および遊技者操作不可能状態を対応させるようにしてもよい。
遊技者自身により操作することが可能である場合の妨害棒238の動作について図15を用いて説明する。決定部237で遊技者操作可能状態であると決定され場合は、CPU72の内部処理として、操作部230からの操作を有効とする。ここで、図15に示すように、遊技者による操作部230の操作に基づく信号は、メイン制御装置70のCPU72の機能の一部に対応するものである回転妨害装置制御部239に出力される。この回転妨害装置制御部239は、回転妨害装置222の妨害棒駆動部240を制御し、妨害棒238を動作させる。例えば、この妨害棒238の動作は、操作部230の押しボタン230aを押している間は、受球部220の内部(特定球を妨害可能とする領域)の所定位置まで妨害棒駆動部240により駆動され、押すことを止めると停止する。また、操作部230の押しボタン230bを押している間は、受球部220の外部(特定球を妨害できない領域)の所定位置まで妨害棒駆動部240により駆動され、押すことを止めると停止する。遊技者は、この操作部230の押しボタン230aおよび押しボタン230bを操作し、妨害棒238を動作させ受球部220の転動領域を転動する特定球に変化を与えることにより後述する有利配列表示部231に表示されている複数個の特定球の配列状態と同じになるように受球部220の排出孔236から排出されることを狙うことができる。
妨害棒238がパチンコ機10自体により予め決められた動作を行う場合について説明する。この妨害棒238は操作部230の押しボタン230bを押し、遊技者操作不可能状態を選択した後に、一定間隔(例えば、5秒周期)で、受球部220の内部(特定球を妨害可能とする領域)と受球部220の外部(特定球を妨害できない領域)とを往復運動するように妨害棒駆動部240により駆動される。例えば、放出部202から複数個の特定球が次々に放出され、この妨害棒238が受球部220の転動領域を転動する特定球に当たりに変化が与えられた場合は、この変化により複数個の特定球が、放出部202から放出された順番と受球部220の排出孔236から排出される順番とが異なることを可能とする。なお、上述した配列部203は本発明における配列手段に相当する。なお、上述した回転妨害装置222は本発明における変化付与手段に相当する。なお、上述した決定部237は本発明における決定手段に相当する。
次に、大当たり判定装置40で使用される特定球は、遊技盤に打ち込まれる遊技球とは、別の遊技球であり、特定球は、材質が金属からなる金属特定球223と、材質が非金属からなる非金属特定球224とがある。例えば、金属特定球223の材質は、鉄,銅からなるものがあり、遊技球表面は、クロムめっき処理などが施され、外観は銀色になっている。例えば、非金属特定球224の材質は、セラミック,プラスチック,ガラス,ゴムなどが用いられ、外観はこれらに着色(例えば、赤色)することにより、遊技者はこの色により非金属特定球224と金属特定球223とを見分けることができる。また、非金属特定球224に使用する材質をセラミック,プラスチック,ガラス,ゴムなどから選択することにより、これらの材質によって異なる非金属特定球224の動きを行わせることができる。また、複数個の特定球は、金属特定球223と非金属特定球224とを少なくとも一つは備えている。例えば、金属特定球223を2つ、非金属特定球224を3つとする。
また、配列筒221は、複数個の特定球をその順番に受け入れる筒状体の内部に線状に並べた状態の特定球が外部から視認可能なものとなっている。また、放出部202から放出された特定球の通過を検出する通過検出センサ206(例えば、発光部と受光部とを備えた透過型の光検出センサ)と放出部202から放出された金属特定球223の通過を検出する金属特定球通過検出センサ205(例えば、金属に反応する反射形の光検出センサ)とを備え、さらに複数個(例えば、5個)の特定球を一時的に配列が固定されように、固定部225(ストッパ)が備えられている。
通過検出センサ206と金属特定球通過検出センサ205とは、それぞれを対応付けて、配列筒221の特定球の入力側に配設されている。また、金属特定球通過検出センサ205で検出されたことを示す金属特定球検出信号と通過検出センサ206で検出されたことを示す通過検出信号は、入出力処理回路80,バス79を介して後述する判定部204に出力される。これら金属特定球検出信号と通過検出信号により通過した特定球が金属であるか否かおよび特定球が通過した数がわかり、メイン制御装置のCPU72での処理の結果として、複数個(この場合、5個)の特定球での、2つの金属特定球223と3つの非金属特定球224の配列がわかる。
固定部225は、メイン制御装置70のCPU72の機能の一部に対応する動作制御部210の固定部動作制御部214により、動作制御される。例えば、配列筒211で特定球が一時的に配列が固定され、その後、後述する判定部204で判定された後、判定部204は判定終了を示す信号を固定部動作制御部214に出力し、この固定部動作制御部214からの制御に基づいて、固定部駆動装置226は固定部225を動作させ、複数個の特定球が開放される。その後、複数個の特定球が全て開放される時間、例えば3秒後に、固定部駆動装置226は、配列筒211で特定球が一時的に配列が固定されるように固定部225を動作させる。なお、複数個の特定球が全て開放される時間を3秒としたが、3秒以外の時間にしてもよい。
さらに、切換部232は、複数個の特定球を所定の排出先の回収通路部227へ導く切換棒と、この切換棒を駆動させる切換駆動装置とを備えている。切換駆動装置は、放出部開始動作制御部213からの信号に基づいて動作を行うようになっている。なお、上述した切換部232は本発明における切換手段に相当する。
特定球搬入部218は、配列部203で配列され、回収通路部227からの複数個の特定球を、放出部202で放出させるために下部から上部に移動させるものである。具体的には、特定球搬入部218は、円筒状の透明な筒状部材の円中心から偏心した箇所に回転軸を配設し、この筒状部材の内面と回転軸との距離のうちで広い部分は遊技球がおよそ入る程度(遊技球の直径よりもやや大きい程度)となっており、回転軸は軸心周りに軸外部方向に突出するように螺旋状に帯状体が巻かれたものとした螺旋器を備えている。また、特定球搬入部218は、螺旋器の回転軸を回転動作させるための回転駆動装置を備え、回転軸を回転動作させることにより、特定球を下部から上部に移動させる。つまり、回転軸と筒状部材との距離のうちで広い部分は遊技球1個分程度となっており、回転軸を回転させることで当該回転軸に螺旋状に巻かれた帯状体も追動して行き、遊技球が回転軸の帯状体上に乗った状態で上へ移動していくようになっている。なお、上述した特定球搬入部218は本発明における特定球搬入手段に相当する。
また、大当たり作動入賞口33は、放出部202の収容部219で収容した複数個の特定球が所定数(この場合、5個)であることを検出する収容数検出部228と、収容数検出部228で検出されたことに基づいて、複数個の特定球を放出する放出位置に収容部219を移動する収容手段移動装置229とを備えている。収容数検出部228は、光検出センサで通過した球を検出する。また、収容手段移動装置229は、この検出された数を計数して、所定数(この場合、5個)になった場合に駆動装置により移動を行う。また、特定球搬入部218で下部から上部に移動した複数個の特定球は、放出部202の収容部219により収容されるが、この時の収容部219の高さは、複数個の特定球を放出するときの高さよりも低い位置にある。そこで、収容手段移動装置229は、複数個の特定球を放出することができる放出位置まで移動(上昇)できるようになっている。また、放出部202で複数個の特定球を放出した後に、特定球搬入部218で下部から上部に移動した複数個の特定球を放出部202の収容部219で収容する収容位置まで移動(下降)できるようになっている。なお、上述した収容数検出部228は本発明における収容数検出手段に相当する。
次に、大入賞口200を動作させる構成について、図9を用いて説明する。図9に示すように、判定部204は、配列部203からの信号と、予め設定されている遊技者にとって有利な遊技状態成立と判定される、配列部203での複数個の特定球の配列状態に対応する有利配列状態またはこの有利配列状態の変更を行う配列変更部235からの信号に基づいて判定を行い、判定した結果を大入賞口動作制御部215に出力する。大入賞口動作制御部215は、大入賞口200が所定の動作を行うように制御するような構成になっている。また、予め設定されている有利配列状態または変更された有利配列状態は、有利配列表示部231で表示される。
さらに、判定部204について詳細な説明をする。判定部204は、メイン制御装置70のCPU72の機能の一部に対応するものであり、配列部203での複数個の特定球の配列状態と、予め設定されている遊技者にとって有利な遊技状態と判定される有利配列状態とに基づいて、遊技者にとって有利な遊技状態となるか否かを判定する。
具体的に判定部204は、配列部203の通過検出センサ206および金属特定球通過検出センサ205での検出信号に基づいて通過検出センサ206で検出された特定球が金属特定球であるか否かを検出し、かつ、通過検出センサ206での検出信号に基づいて放出部202から配列部203に放出された特定球の個数が所定数(例えば、5個)に達したことを検出することにより、配列筒221での複数個(5個)の特定球の配列状態を特定する。この特定された配列状態である特定配列状態と、メイン制御装置70のROMに予め設定されている有利配列状態または配列変更部235により変更された有利配列状態とを比較し、同じ配列であると判定された場合には、大入賞口動作制御部215に同じ配列であることを示す同配列判定信号を大入賞口動作制御部214に出力(判定部204と同じCPU72内での処理)する。なお、メイン制御装置70のRAM76では、ROMに予め設定されている有利配列状態を一時的に保存し、さらに配列変更部235により有利配列状態が変更された場合は、この変更された有利配列状態を一時的に保存する。さらに、CPU72は、このRAM76に保存されている有利配列状態を随時読み出して判定の処理を行う。また、判定部204は、表示制御装置45に有利配列表示部231で有利配列状態を表示させることを示す信号を出力する。なお、上述した判定部204は本発明における判定手段に相当する。
操作部230について、図10を用いて説明する。図10は、操作部230が備えられたパチンコ機を示す図である。図10に示すように、操作部230は、遊技機の上皿19の右側に備えられた押しボタン230a〜230eにより構成されている。また、この押しボタン230a〜230eのそれぞれ近くには、1〜5の数字が記載され、遊技者は、1〜5の押しボタンがあると認識することになる。また、押しボタン230a〜230eは、後述する図11に示すように、有利配列表示部231の有利配列設定表示部231a〜231eの表示に対応されたものである。遊技者がこの操作部230の押しボタン230a〜230eを押すと、メイン制御装置70のCPU72の機能の一部に対応する配列変更部235に、押された押しボタン230a〜230eに対応した信号を出力する。なお、操作部230は、押しボタンとしたが、遊技者により操作を受ける押しボタン以外のスイッチなどであってもよい。なお、上述した操作部230は本発明における操作手段に相当する。
配列変更部235は、操作部230から信号に基づいて、RAM76に保存されている有利配列状態の変更を行う。例えば、押しボタン230aに対応する、RAM76に保存されている有利配列状態(有利配列表示部231の有利配列設定表示部231aの表示)が金属特定球223に設定されている場合は、操作部230の押しボタン230aを押すことにより、操作部230から押しボタン230aを押したことを示す信号が配列変更部235に出力される。配列変更部235では、RAM76に保存されている有利配列状態を非金属特定球224に設定を変更することができ、さらに、配列変更部235は、有利配列表示部231の有利配列設定表示部231aの表示変更を示す信号を表示制御装置45に出力し、表示制御装置45の表示制御に基づいて、有利配列表示部231の「有利配列設定表示部231aの表示は、非金属特定球224を示す表示(例えば、赤色)に変わる。なお、上述した配列変更部235は本発明における配列変更手段に相当する。
大入賞口動作制御部215は、図9に示すように、メイン制御装置70のCPU72の機能の一部に対応するものであり、判定部204からの同配列判定信号の入力(判定部204と同じCPU72内での処理)に基づいて、大入賞口200が所定の動作を行うように大入賞口駆動装置209を制御する。例えば、大入賞口200が開く動作を開始させ、開始から30秒間または、大入賞口200に遊技球が10個入球されるまでの間、開状態を続け、その後閉状態にする制御を行う。また、この動作を1ラウンド(1回区切りの動作)とし、15ラウンド続けるように制御される。
大入賞口200は、図4に示すように遊技盤30の中央下部に備えられ、大入賞口動作制御部215からの制御に基づいて、図14に示すように、大入賞口200に備えられている長方形の大入賞口板233が、大入賞口駆動装置209により開閉動作を行い、開状態の場合に遊技球を入球することができるようになっている。
有利配列表示部231は、図4に示すように、遊技盤30の上下方向に長い長方形であり、配列部203の近傍に備えられ、有利配列表示部231と配列部203とは、表示される複数個の特定球の配列が同じ方向である。また、判定部204で遊技者にとって有利な遊技状態成立と判定される、配列部203での複数個の特定球の配列状態に対応する有利配列状態を液晶表示にて表示する。さらに、有利配列表示部231は、左側に有利配列を表示する複数個の特定球に対応する5個の表示部がある有利配列設定表示部231a〜231eと、有利配列設定表示部231a〜231eの5個の表示部に対応した番号を下から順に「1」から「5」まで表示させる番号表示部がある。さらに、番号表示部の右側には、通過検出センサ206での検出に基づいて特定球が配列筒211にあることを表示する表示部が5個ある入球表示部が備えられている。例えば、配列筒211に特定球が2個有る場合は、下から2個の表示部の部分が、例えば、緑色に発光する。なお、それ以外の部分は発光されない。
この有利配列表示部231の有利配列設定表示部231a〜231eは、判定部204のRAM76に一時的の保存されている有利配列を表示制御装置45からの表示制御に基づいて表示される。また、有利配列表示部231の有利配列設定表示部231a〜231eは、配列部203で配列される金属特定球223,非金属特定球224の色と有利配列表示部231で表示される金属特定球223,非金属特定球224に対応する表示色と似た色とする。例えば、配列部203で配列される金属特定球223に対応する有利配列表示を白色、また、配列部203で配列される非金属特定球224に対応する有利配列表示を、赤色とする。また、有利配列表示部231と配列部203とは、表示される複数個の特定球の配列が同じ縦の方向であり、有利配列表示部231で表示された有利配列と配列部203で配列された複数の特定球は、容易に比較することができるようになっている。なお、上述した有利配列表示部231は本発明における有利配列表示手段に相当する。
次に、大当たり判定装置40での特定球の流れについて図8,図11,図12(a),図12(b),図13を用いて説明する。図8は、大当たり判定装置での特定球の流れを示すブロック図である。図11は、特定球が放出されていない状態を示す大当たり判定装置40の概略正面図、図12(a)は、受球部220に特定球がある状態を示す大当たり判定装置40の概略俯瞰図、図12(b)は、特定球が放出された状態を示す大当たり判定装置40の概略正面図、図13は、特定球が配列筒211にある状態を示す大当たり判定装置40の概略正面図である。
図8を用いて、大当たり判定装置での特定球の流れを説明する。図8に示すように、放出部202の収容部に収容されている特定球は、放出部開始動作制御部213からの制御信号に基づいて、配列部203の受球部220に放出される。受球部220での特定球は、回転妨害装置222により回転に変化が与えられ場合があり、さらに配列筒221に向かう。特定球は、配列筒221の通過検出センサ206,金属特定球通過検出センサ205を通過し、一時的に特定球が固定さる。その後、固定された特定球は、開放され回収通路部227を通り、特定球搬入部218に向かう。特定球は、特定球搬入部218により、放出部202の収容部219に搬入されるような流れになっている。
さらに、具体的な特定球の流れを説明する。図11に示すように、左側の放出部202の収容部219は、大当たり判定装置40で、大当たりか否かを1回判定するのに使用される複数個の特定球(金属特定球223が2個,非金属特定球224が3個)を収容している状態である。また、この収容部219は、収容手段移動装置229により、特定球を放出可能な放出位置に移動された状態であり、放出開始部217(ストッパ)により配列部203に放出されるのを止められている状態である。また、右側の放出部202の収容部219は、特定球搬入部218からの特定球を収容する収容位置にあり、特定球が4個(金属特定球223が2個,非金属特定球224が2個)収容され、残り1個の非金属特定球224は、特定球搬入部218により、下部から上部に上昇している状態である。また、有利配列表示部231の有利配列設定表示部231a〜231cは、非金属特定球224を示す表示がされ、有利配列設定表示部231d〜231eが金属特定球223を示す表示(この場合は、白色)がされている。なお、図11では非金属特定球224を示す表示を黒色で表示しているが、実際の表示は、非金属特定球224の色に対応させた色、この場合は赤色で表示されている。
次に、図12(b)に示すように、左側の放出部202の収容部219に収容された特定球が放出開始部217(ストッパ)が上に上がることにより、特定球は、配列部203の受球部220(クルーン)に流れていき、5個の特定球のうち2個が受球部220に載っている状態である。また、5個の特定球のうち1個は、配列筒211にある状態である。また、この時、有利配列表示部231の入球表示部の表示は、一番下にある1個の表示部が緑色に点灯している。また、右側の放出部202は、大当たりか否かを1回判定するのに使用される複数個の特定球が、収容部219で収容されている状態である。また、図12(a)に示すように、受球部220では、特定球が上部から下部に回転しながら流下している。また、回転妨害装置222は、受球部220の内部(特定球を妨害可能とする領域)に動いた状態であり、回転妨害装置222の妨害棒238が特定球に当たることにより、特定球に変化を与える。その後、受球部220下部に備えられた孔に特定球が入球し、通過検出センサ206と金属特定球通過検出センサ205とを通過した後に配列筒211に到達する。
次に、図13に示すように、5個の特定球は、配列筒211の固定部225(ストッパ)で特定球を一時的に配列が固定されている。また、有利配列表示部231の入球表示部の表示は、5個の表示部が緑色に点灯している。また、配列部203の配列筒211には、下から1,2,5番目に非金属特定球224(赤色)、下から3,4番目に金属特定球223(白色)がある。なお、この状態は、有利配列表示部231の有利配列設定表示部231d〜231eの表示と配列部203の配列筒211との表示が異なるので、判定部204では、大入賞口200を動作させない判定となる。また、図示されていないが、その後、固定部駆動装置226により固定部225を動作させ、5個の特定球を開放し、切換部232で切り換えられた回収通路部227(この場合は、右側の回収通路部227)に向かい、特定球搬入部218に到達する。また、右側の放出部202の収容部219は、5個の特定球を収容し、収容手段移動装置229により放出可能な放出位置にある。
次に、判定部204で大入賞口200を動作させると判定された場合の特別遊技状態について、説明する。特別遊技状態に移行すると、メイン制御装置70の大入賞口動作制御部215は、大入賞口駆動装置209を駆動させ、大入賞口板233を30秒間開状態にさせるが、その間に、所定数(ここでは10個)の遊技球が入賞(入球)を遊技球が通過して大入賞口検出センサ234に検出されたときには、開状態30秒間に満たない場合であっても大入賞口駆動装置209に指令を出力して大入賞口板233を閉状態とする。さらに、メイン制御装置70は特別遊技状態を継続させる。また、この継続される動作(回数)は、回転妨害装置222の妨害棒238を遊技者により操作したか否かによって異なり、具体的には、決定部237で遊技者操作可能状態と決定された場合は、最大10回まで継続可能であり、遊技者操作不可能状態と決定された場合は、最大15まで継続可能である。なお、特別遊技状態が限度回数行われた後、通常の遊技状態に戻る。また、大入賞口200内に10個の遊技球が入賞したか否かは、メイン制御装置70に大入賞口検出センサ234からの検出信号が入力される毎にカウントアップしていきそのカウント値が10個になったか否かによって判定する。
さらに、特別遊技状態終了後から抽選部201での抽選が10回までの期間(時短時)においては、抽選部201で抽選される結果として、始動口31が開くことが多くなる抽選がされる、例えば、抽選が2回されると1回は始動口31が開く確率になる。なお、この時短時の始動口31が開く確率を換えるようにしてもよい。
上述したように、本実施例の遊技機によれば、遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤30と、遊技盤30の所定箇所に配設され、遊技球の入球または通過を検出する大当たり作動入賞口33と、大当たり作動入賞口33での遊技球検出に基づいて、遊技領域に打ち込まれる遊技球とは別の複数個の特定球を放出する放出部202と、放出部202により放出された複数個の特定球を配列させる配列部203と、配列部203での複数個の特定球の配列状態に基づいて、遊技者にとって有利な遊技状態となるか否かを判定する判定部204とを備えているので、遊技者が遊技盤30に打ち込んだ遊技球とは別の複数個の特定球の配列により、遊技者にとって有利な遊技状態となるか否かを判定することができる。つまり、遊技者にとって有利な遊技状態となるか否かの過程で、遊技球の入球の有無および遊技球自体の流れによる面白さという点だけでなく、放出された複数個の特定球がどのように配列されるのかを、遊技者は楽しむことができる。したがって、遊技者にとって有利な遊技状態となるか否かにおける遊技の興趣性を、さらに向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
また、特定球は、材質が金属からなる金属特定球223と、材質が非金属からなる非金属特定球224とがあり、金属特定球223と非金属特定球224とは外観が異なり、複数個の特定球は、金属特定球223と非金属特定球224とを少なくとも一つは備えているので、複数個の特定球において、遊技者はこの外観の異なる2種類の複数個の特定球を見分けることができる。また、金属と非金属の違いによる異なる挙動を見ることができる。つまり、遊技者はこの2種類の複数個の特定球での多様な挙動について面白みを感じることができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、判定部204で遊技者にとって有利な遊技状態成立と判定される、配列部203での複数個の特定球の配列状態に対応する有利配列状態を表示する有利配列表示部231を備えるので、遊技者は、判定部204で有利な遊技状態と判定される、配列部203での複数個の特定球の配列状態に対応する有利配列状態を容易に認識することができ、遊技を行っている期間、特に配列部203で特定球が配列される過程にある場合には、有利配列表示部231に表示されている有利配列状態を確認し、有利な遊技状態になることを期待しながら、特定球が有利配列状態と同一の配列状態になるか否かの過程を楽しみながら遊技を行うことができる。つまり、遊技者は、特定球が有利配列状態と同一の配列状態になるか否かの過程を楽しむことができ、遊技球が所定の入賞口に単に入賞することで有利な遊技状態になるという従来遊技機に比べて、有利な遊技状態になることをより長い期間期待することができ、遊技の楽しみを増すことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、有利配列表示部231は、配列部203の近傍に備えられ、有利配列表示部231と配列部203とは、表示される複数個の特定球の配列が同じ方向であるので、遊技者は、配列部203に特定球が配列される過程にある場合に、遊技者は、有利配列表示部231で表示されている表示を容易に見比べることができる。つまり、視線を大きく変更することなく、有利配列表示部231と配列部203を見ることができ、特定球が有利配列状態と同一の配列状態になるか否かの過程をより集中でき楽しむことができる。
また、遊技者により操作される操作部230と、判定部204で遊技者にとって有利な遊技状態成立と判定される、配列部203での複数個の特定球の配列状態に対応する有利配列状態を、遊技者による操作部230の操作に基づいて変更する配列変更部235と、を備えているので、遊技者は、操作部230を操作することで、有利配列状態を変更することができる。つまり、遊技者は、揃い易いと思う有利配列状態や好みの有利配列状態に変更するなど、有利な遊技状態獲得について、より積極的に参加することができ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、放出部202は、複数個の特定球を収容する収容部219と、収容部219から複数個の特定球の放出を開始するための放出開始部217とを備え、放出開始部217は、遊技球検出手段での遊技球検出に基づいて、収容部219に収容された複数個の特定球の放出を開始するので、放出部202は、大当たり作動入賞口通過センサ34での遊技球検出に基づいて、収容部219に収容された複数個の特定球を放出開始部217により放出を開始することができる。つまり、放出部202は、大当たり作動入賞口通過センサ34での遊技球検出がされた場合のみに複数個の特定球の放出を開始することができ、遊技者はこの大当たり作動入賞口通過センサ34での遊技球検出が行われるように遊技球を打ち込むことで、有利な遊技状態獲得のみならず、放出部202による複数個の特定球の放出という特定球の挙動についても面白味を生じさせることができ、遊技の楽しさを感じることができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、収容部219は、収容されている複数個の特定球が外部から視認可能なものとしているので、遊技者は、収容部219に収容されている複数個の特定球が並べられている順番を容易に認識することができ、これら複数個の特定球が並べられた順番に収容部219から放出され、その後に配列部203で配列されるので、遊技者は、収容部219に収容されている複数個の特定球が並べられている順番に基づいて、配列部203に配列される複数個の特定球の順番を予想することにより、結果として、判定部204で遊技者にとって有利な遊技状態となる判定がされることが増え、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、収容部219に収容された特定球の個数が所定数であることを検出する収容数検出部228と、収容数検出部228での検出に基づいて、収容部219に収容された複数個の特定球を放出する放出位置に当該収容部219を移動する収容手段移動装置229とを備えているので、放出部202は、収容部219に所定の複数個の特定球を確実に収容し、さらに、放出位置から収容部219に収容された複数個の特定球を放出することができる。つまり、収容部219に複数個の特定球が収容されていない状態でこの収容部219が放出位置に移動することを防止できる。言い換えれば、収容部219に収容された特定球に過不足がある状態で当該収容部219から特定球が放出されるという不具合を防ぐことができる。
また、配列部203は、放出部202により放出された特定球を受ける受球部220を備え、受球部220は、その特定球が転動可能な転動領域が平面視で円形で、かつ、その中心がその外周縁よりも低くなった逆円錐部材であって、逆円錐部材の所定箇所に特定球を排出する排出孔236が形成されたものであるので、遊技者は、受球部220に放出された特定球が、この受球部220上で渦巻き状に回転して排出孔236から排出されるという特定球の挙動を見ることができる。つまり、遊技者は、受球部220での特定球の挙動に面白味を感じ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、受球部220は、転動領域での特定球の転動に変化を与える回転妨害装置222を備えるので、放出部202から放出された順番通りに複数個の特定球が受球部220の排出孔236から排出されるのではなく、回転妨害装置222によって転動領域を転動する特定球に変化が与えられるので、受球部220の排出孔236から排出される複数個の特定球の順番が変わり、配列部203での複数個の特定球の配列に関してより面白味を持たせることができ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、大当たり作動入賞口通過センサ34での遊技球検出に基づいて操作が有効となるものであって、遊技者による操作を受ける操作部230と、操作部230の操作に基づいて回転妨害装置222を駆動するか否かを決定する決定手段とを備えているので、遊技者は、操作部230を操作することにより回転妨害装置222を駆動するか否かを決定することができ、遊技者は、自ら積極的に回転妨害装置222を駆動させたい場合と自ら積極的に回転妨害装置222を駆動させたくない場合との何れの遊技に対する意思を反映することができ、遊技選択の自由度を持たせることができる。また、遊技者は、遊技者自ら回転妨害装置222を操作すると選択した場合は、積極的に特定球に変化を与えて、遊技者にとって利益を得るように狙うことができ、遊技を楽しく感じることができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、配列部203は、受球部220の排出孔236から排出される複数個の特定球をその順番に受け入れる筒状体であって当該受け入れた順に特定球を線状に並べた状態となる配列筒221を備え、配列筒221は、その内部に線状に並べた状態の特定球が外部から視認可能なものとしているので、配列筒221に配列された複数個の特定球の配列状態と有利配列表示部231に表示される有利配列状態とを見比べることができ、配列筒221での特定球の配列状態が有利配列表示部231での有利配列状態に一致した場合には、遊技者にとって有利な遊技状態が成立したことがわかる。また、仮に配列筒221での特定球の配列状態が有利配列表示部231での有利配列状態に一致しなかった場合であっても、その不一致の程度を知ることができる。つまり、配列筒221での特定球の配列状態が有利配列表示部231での有利配列状態に対して何個違っていたのかがわかり、外れ自体をランク分けでき、外れに対しても多様性を持たせることができる。
また、放出部202から配列部203に放出された特定球の通過を検出する通過検出センサ206と、放出部202から配列部203に放出された金属特定球223の通過を検出する金属特定球通過検出センサ205とを対応付けて、配列筒221の特定球の入力側に配設し、判定部204は、通過検出センサ206および金属特定球通過検出センサ205での検出信号に基づいて通過検出センサ206で検出された特定球が金属特定球223であるか否かを検出し、かつ、通過検出センサ206での検出信号に基づいて放出部202から配列部203に放出された特定球の個数が所定数に達したことを検出することにより、配列筒221での複数個の特定球の配列状態を特定するので、配列部203(配列筒221)での複数個の特定球の配列状態を特定する手段を好適に実現することができる。
また、配列部203で配列された複数個の特定球を回収する回収通路部227と、回収通路部227で回収された特定球を放出部202に搬入する特定球搬入部218を備えているので、放出部202から放出された複数個の特定球は、配列部203で配列される。その後、回収通路部227は、配列部203で配列された複数個の特定球を回収する。そして、特定球搬入部218は、回収通路部227で回収された複数個の特定球を放出部202に搬入する。つまり、放出部202→配列部203→回収通路部227→特定球搬入部218→放出部202へと複数個の特定球を循環させて有効利用することができ、少ない特定球の使用で遊技を行うことができる。その結果、遊技に必要な構成品を少なくすることができる。
また、放出部202と回収通路部227と特定球搬入部218とを2系統備えているので、一方の放出部202から複数個の特定球が放出された直後であって当該放出部202に複数個の特定球が未だ準備されていない状態であっても、他方の放出部202にて複数個の特定球が放出可能に準備されているので、特定球の放出行為が連続する場合にも対応することができる。つまり、複数系統の放出部202の内、一方の放出部202から複数個の特定球が放出され、判定部204で判定された後、直ぐに次の判定を行うための他方の放出部202を動作させることができ、複数個の特定球を使用する遊技において、判定部204で判定する時間を短い間隔で行うことができる。つまり、時間当たりに判定部204で判定される回数が増えることになり、遊技者にとって有利な状態になる可能性が高くなる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、配列部203で配列された複数個の特定球を、その特定球を放出した放出部202に属する回収通路部227に回収されるように、配列部203で配列された複数個の特定球の排出先を切り換える切換部232を備えているので、配列部203で配列された複数個の特定球を、その特定球を放出した放出部202に戻すように排出先を切り換えることができる。つまり、複数個の特定球が放出されて存在しない系統の放出部202に当該特定球を戻すようにすることができる。
また、遊技球が通過あるいは入球可能な、抽選作動ゲート39a,39bと始動口31と大当たり作動入賞口33とを備え、抽選作動ゲート39a,39bへの遊技球の通過あるいは入球に基づいて、始動口31を動作させるか否かの抽選を行う抽選部201と、抽選部201の抽選結果に基づいて始動口31を動作させる始動口動作制御部211と、始動口31への遊技球の通過あるいは入球に基づいて、大当たり作動入賞口33を動作させる大当たり作動入賞口動作制御部212と、大当たり作動入賞口33が動作され、遊技球の入球または通過を検出する大当たり作動入賞口通過センサ34と、を備えているので、抽選作動ゲート39a,39bへの遊技球の通過あるいは入球を契機として行われる抽選部201での抽選結果により、始動口31が動作するか否かが決まり、さらに始動口31,大当たり作動入賞口33が動作することに基づいて、大当たり作動入賞口通過センサ34で検出されることになる。つまり、遊技者は、大当たり作動入賞口通過センサ34で検出させるために、抽選作動ゲート39a,39b,始動口31,大当たり作動入賞口33を用いた、さらに多様な遊技が行われることになり、遊技者は、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、抽選部201で抽選された結果を表示する抽選表示部216を備えるので、遊技者は抽選部201でされた抽選結果を見ることができ、遊技者は、始動口31が動作するか否かを容易に認識することができ、その後、遊技者にとって有利な状態が続くことになり、より期待をもって遊技を行うことができる。その結果、遊技者は遊技を楽しむことができ、興趣性を向上させることができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、受球部220は、放出部202から放出された特定球が転動可能な転動領域が平面視で円形で、かつ、その中心がその外周縁よりも低くなった逆円錐部材であって、逆円錐部材の所定箇所に特定球を排出する排出孔236が形成され、受球部220に放出された特定球は、平面視で円形の逆円錐部材上を渦巻き状に回転し、排出孔236から排出されるようになっていたが、受球部220は、横一列に複数個の特別遊技球を並べることができ、さらに、横一列に並べた複数個の特別遊技球を一度に流下させ、複数の釘が配設された流下経路部を通過した後に、配列筒221に導かれるようにしてもよく、遊技者は、複数個の特別遊技球が流下経路部を流下する様子を見ることができ、さらに興趣性を向上させることができる。
(2)上述した実施例では、決定部237での決定により遊技者が回転妨害装置222を駆動するか否かが決められていたが、決定部237を備えず、操作部230の操作に基づいて、回転妨害装置222が転動領域での特定球の転動に変化を与え得る動作を行うようにしてもよい。その結果、遊技者は、操作部230を操作することで回転妨害装置222を動作(駆動)させることができ、積極的に特定球に変化を与えて、遊技者にとって利益を得るように狙うことができ、遊技を楽しく感じることができ、興趣性を向上させることができる。
(3)上述した実施例では、大当たり作動入賞口33を一つだけ、備えるようにしていたが、大当たり作動入賞口33を遊技球の入球または通過を可能とする大当たり作動入賞口33に備え、大当たり作動入賞口33は、複数個備えるようにしてもよい。その結果、複数個の大当たり作動入賞口33の何れかに入球または通過をすることで、放出部202で複数個の特定球を放出することができ、判定部204で判定する機会が増えることになり、遊技者にとって有利な遊技状態となることをより期待することができ、興趣性を向上させることができる。
(4)上述した実施例では、なお、抽選表示部216は、LEDを1個使用して表示するようにしたが、1個に限定されず複数個備え、0〜9までの数字以外の数字を表示するようにしてもよい。また、抽選表示部216で表示される遊技者にとって有利な状態を示す数字を「7」の1つだけとしたが、「3」,「5」,「7」など複数の数字を遊技者にとって有利な状態を示す数字としてもよい。さらに、抽選表示部216は、LEDを備えるようにしていたが、LEDに代えて液晶を用いて液晶表示するよにしてもよい。
(5)上述した実施例では、金属特定球223の材質を鉄,銅、非金属特定球224の材質をセラミック,プラスチック,ガラス,ゴムとして説明したが、金属特定球223をこれら以外の金属、非金属特定球224をこれら以外の非金属を用いるようにしてもよい。
(6)上述した実施例では、配列部203と特定球搬入部218を結ぶ回収通路部227と、特定球搬入部218と、放出部202とを2系統備えるようにしていたが、2系統以外の複数系統備えるようにしてもよい。
(7)上述した実施例では、放出手段から放出するのは、複数個の特定球であったが、球以外で転動することができる形、例えば、多角形などであってもよい。