なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
(0) 遊技領域を有する遊技盤に配設された入賞装置と、前記入賞装置に遊技球を入賞させる入賞誘導手段とを備えた遊技機において、
前記入賞誘導手段は、前記入賞装置に遊技球を入賞可能な開状態と、前記入賞装置に遊技球を入賞不可能な閉状態とに可変されるものであり、
遊技球が入球可能な第1入球手段と、
前記第1入球手段への遊技球の入球に基づいて、前記入賞誘導手段の開口領域を抽選する領域抽選手段と、
遊技球が入球可能な第2入球手段と、
前記第2入球手段への遊技球の入球に基づいて、前記入賞誘導手段を前記領域抽選手段での抽選結果に従った開口領域で開閉動作させる動作制御手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(0)に記載の発明によれば、入賞装置は、遊技領域を有する遊技盤に配設されており、入賞誘導手段は、入賞装置に遊技球を入賞可能な開状態と、入賞装置に遊技球を入賞不可能な閉状態とに可変される。領域抽選手段は、第1入球手段への遊技球の入球に基づいて、入賞誘導手段の開口領域を抽選する。動作制御手段は、第2入球手段への遊技球の入球に基づいて、入賞誘導手段を領域抽選手段での抽選結果に従った開口領域で開閉動作させる。したがって、入賞誘導手段の開口領域が変化し、入賞誘導手段の開閉動作の変化に面白みをを持たせることができる。つまり、大当たり状態になる過程を種々設けることができ、当該入賞誘導手段の種々の開閉動作過程で大当たり状態を発生させることができる。また、入賞誘導手段の開閉動作が遊技者にとって有利な状態になる可能性があるので遊技者はより高い期待感を持って遊技を楽しむことができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
(1) 前記(0)に記載の遊技機において、
さらに、前記第2入球手段への遊技球の入球に基づいて、前記入賞誘導手段の開閉回数を抽選する回数抽選手段を備え、
前記動作制御手段は、前記第2入球手段への遊技球の入球に基づいて、前記入賞誘導手段を前記領域抽選手段での抽選結果に従った開口領域および前記回数抽選手段での抽選結果に従った開閉回数で開閉動作させる
ことを特徴とする遊技機。
前記(1)に記載の発明によれば、回数抽選手段は、第2入球手段への遊技球の入球に基づいて、入賞誘導手段の開閉回数を抽選する。動作制御手段は、第2入球手段への遊技球の入球に基づいて、入賞誘導手段を前記領域抽選手段での抽選結果に従った開口領域および回数抽選手段での抽選結果に従った開閉回数で開閉動作させる。したがって、入賞誘導手段の開口領域および開閉回数が変化し、入賞誘導手段の開閉動作の変化に面白みを持たせることができる。つまり、大当たり状態になる過程を種々設けることができ、当該入賞誘導手段の種々の開閉動作過程で大当たり状態を発生させることができる。また、入賞誘導手段の開閉動作が遊技者にとって有利な状態になる可能性があるので遊技者はより高い期待感を持って遊技を楽しむことができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
(2) 前記(0)または(1)に記載の遊技機において、
前記入賞誘導手段は、その開口領域として、前記入賞装置を正面視した場合に前記入賞装置の左側から遊技球を入賞させる左側領域と、前記入賞装置を正面視した場合に前記入賞装置の右側から遊技球を入賞させる右側領域とを備え、
前記領域抽選手段は、前記入賞誘導手段の開口領域を、左側領域、右側領域、左側領域と右側領域が同時に開口する両側領域、左側領域と右側領域が交互に開口する一連の交互領域のうち、いずれかの領域を抽選することを特徴とする遊技機。
前記(2)に記載の発明によれば、領域抽選手段の抽選により、入賞誘導手段が開口する領域は左側領域、右側領域、左側領域と右側領域が同時に開口する両側領域、左側領域と右側領域が交互に開口する一連の交互領域のうち、いずれかの領域に抽選されるので、遊技者は、抽選される領域に狙い定めて遊技球を打ち込むことができる。したがって、遊技者の遊技球発射操作の能力次第で、利益を受け易くすることができるので、遊技者自身の能力によって利益が得られたと感じることができ、遊技に面白味を感じ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(3) 前記(0)から(2)のいずれかに記載の遊技機において、
さらに、前記領域抽選手段での抽選結果を表示する領域表示手段を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(3)に記載の発明によれば、領域表示手段は、領域抽選手段での抽選結果を表示するので、遊技者は、当該抽選結果を目視することができ、遊技球を打ち込む方向を容易に認識することができ、遊技者は、領域抽選手段での抽選結果に従った入賞誘導手段の開口領域に供給するべく遊技球の発射操作を行うことができ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(4) 前記(3)に記載の遊技機において、
前記領域表示手段は、前記領域抽選手段での抽選結果としての前記入賞誘導手段の開口領域が、左側領域、右側領域、左側領域と右側領域が同時に開口する両側領域、左側領域と右側領域が交互に開口する一連の交互領域のうち、いずれであるかを表示することを特徴とする遊技機。
前記(4)に記載の発明によれば、領域表示手段は、領域抽選手段での抽選結果としての入賞誘導手段の開口領域が、左側領域、右側領域、左側領域と右側領域が同時に開口する両側領域、左側領域と右側領域が交互に開口する一連の交互領域のうち、いずれであるかを表示するので、入賞誘導手段の開口領域が、左側領域、右側領域、左側領域と右側領域が同時に開口する両側領域、左側領域と右側領域が交互に開口する一連の交互領域のいずれかであるかを容易に認識することができ、遊技者は、領域抽選手段での抽選結果に従った入賞誘導手段の開口領域に供給するべく遊技球の発射操作を行うことができ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(5) 前記(3)または(4)に記載の遊技機において、
前記領域表示手段は、前記入賞誘導手段の近傍に備えられていることを特徴とする遊技機。
前記(5)に記載の発明によれば、領域表示手段は、入賞誘導手段の近傍に備えられているので、遊技者は、領域表示手段での抽選結果と入賞誘導手段とを同時に見ることができる。したがって、瞬時に入賞誘導手段と領域表示手段との状態を認識することができ、入賞誘導手段の開口領域に供給するべく遊技球の発射操作を行うことができ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(6) 前記(3)から(5)いずれかに記載の遊技機において、
前記領域表示手段は、前記入賞装置に備えられていることを特徴とする遊技機。
前記(6)に記載の発明によれば、領域表示手段は、入賞装置に備えられているので、入賞装置に備えられた入賞誘導手段と領域表示手段とは近い距離に備えられ、遊技者は、領域表示手段での抽選結果と入賞誘導手段とを同時に見ることができる。したがって、瞬時に入賞誘導手段と領域表示手段との状態を認識することができ、入賞誘導手段の開口領域に供給するべく遊技球の発射操作を行うことができ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(7) 前記(3)または(4)に記載の遊技機において、
前記領域表示手段は、前記入賞誘導手段に備えられていることを特徴とする遊技機。
前記(7)に記載の発明によれば、領域表示手段は、入賞誘導手段に備えられているので、遊技者は、領域表示手段での抽選結果と入賞誘導手段とを視線を移すことなく同時に見ることができる。したがって、瞬時に入賞誘導手段と領域表示手段との状態を認識することができ、入賞誘導手段の開口領域に供給するべく遊技球の発射操作を行うことができ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(8) 前記(0)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
さらに、前記回数抽選手段での抽選結果を表示する回数表示手段を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(8)に記載の発明によれば、回数表示手段は、回数抽選手段での抽選結果を表示するので、回数抽選手段での抽選結果である入賞誘導手段の開閉回数を目視することができ、開閉回数が容易にわかることになる。遊技者は、入賞誘導手段の開閉回数中に遊技球を入賞装置に入賞させるべく遊技球の発射操作を行うことができ、遊技を楽しむことができる。したがって、興趣性を向上させることができる。
(9) 前記(0)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記動作制御手段は、前記回数抽選手段による抽選後から所定期間経過後に前記入賞誘導手段の開閉動作が開始されるように制御する開始制御手段を備え、
前記所定期間とは、遊技者による遊技球の打ち込み方向が変更可能な時間を少なくとも有している期間であることを特徴とする遊技機。
前記(9)に記載の発明によれば、回数抽選手段による抽選後から所定期間経過後に入賞誘導手段の開閉動作が開始されるので、遊技者は、当該所定期間の間に遊技球の打ち込みたい方向に遊技球発射操作を変えることができる。したがって、遊技者は入賞誘導手段が動作する前に遊技球の打ち込む準備をすることができ、入賞誘導手段の開閉動作に対応することができ、入賞誘導手段の開閉を狙って遊技球を打ち込めるという面白みのある遊技を体験でき、入賞装置への遊技球入賞による利益を得易くできる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(10) 前記(0)から(9)のいずれかに記載の遊技機において、
さらに、前記第1入球手段に入球された遊技球を前記第2入球手段の方に案内する通路部を備えたことを特徴とする遊技機。
前記(10)に記載の発明によれば、通路部は、第1入球手段に入球された遊技球を第2入球手段の方に案内するので、第2入球手段の方に案内された遊技球がこの第2入球手段に入球することがある。第2入球手段に入球すると、領域抽選手段での抽選結果に従った開口領域で入賞誘導手段を開閉動作させたりするので、入賞誘導手段での開口領域抽選のみならずその抽選後の開口領域での入賞誘導手段の開閉動作の実行という遊技利益を遊技者は得ることができる。したがって、遊技者は、遊技球が第1入球手段に入球されると第2入球手段にも入球するのではないかと期待し、遊技に面白みを感じることができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(11) 前記(10)に記載の遊技機において、
さらに、前記通路部の出口と前記第2入球手段との間には、前記第2入球手段への遊技球の入球を調整するための調整手段が備えられていることを特徴とする遊技機。
前記(11)に記載の発明によれば、調整手段は、第2入球手段への遊技球の入球を調整することができるので、第2入球手段に入球することを容易にするか否かの調整をすることができる。したがって、調整手段での調整により、遊技球が第2入球手段へ入球し易いという遊技者にとっての有利状態や、遊技球が第2入球手段へ入球し難いという遊技者にとっての不利状態が生じ、遊技者は、有利になっている調整手段を探す楽しみがある。その結果、興趣性を向上させることができる。また、調整手段での調整により、第2入球手段に入球することを容易にするか否かの調整をすることができるので、第2入球手段への入球し易さを種々に設定した遊技機を実現でき、遊技機を設置する遊技場(ホール)側などの要求に応じた遊技機を実現できる。
(12) 前記(0)から(11)のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1入球手段は、前記遊技盤の右側遊技領域に備えられていることを特徴とする遊技機。
前記(12)に記載の発明によれば、第1入球手段は遊技盤の右側遊技領域に備えられており、遊技者は領域抽選手段での抽選を受けたいがために第1入球手段への遊技球の入球を試みる。つまり、遊技盤の右側遊技領域に遊技球を打ち込み、第1入球手段への遊技球の入球を狙うことになる。ところで、一般的な遊技者は遊技盤の左側領域に遊技球を打ち込むことが多く、右側領域は、遊技として使われることが少なく、遊技盤全体が有効活用されていない場合があったが、本発明によればこのようなことがない。つまり、遊技盤の右側領域に打ち込むことは、遊技者にとって有利に働くことが期待できるため、遊技盤の右側領域を積極的に使用するし、遊技盤の右側領域での遊技球の挙動などに楽しみが増えることになる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(13) 前記(0)から(12)のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1入球手段は、複数個備えられていることを特徴とする遊技機。
前記(13)に記載の発明によれば、第1入球手段は複数個備えられているので、複数個の第1入球手段のいずれかに入球することで領域抽選手段での抽選が行われる。つまり、領域抽選を行う機会が増えることになり、遊技者は、有利な状態になることをより以上に期待することができる。したがって、さらに興趣性を向上させることができる。
(14) 前記(0)から(13)のいずれかに記載の遊技機において、
前記第2入球手段は、複数個備えられていることを特徴とする遊技機。
前記(14)に記載の発明によれば、第2入球手段は複数個備えられているので、複数個の第2入球手段のいずれかに入球することで回数抽選手段での抽選が行われる。つまり、回数抽選される機会が増えることになり、遊技者は、入賞誘導手段がより多く開閉することをより以上に期待することができる。したがって、さらに興趣性を向上させることができる。
(15) 前記(14)に記載の遊技機において、
前記第2入球手段は、前記遊技盤の左側、中央、右側の3箇所にそれぞれ設けられ、
前記回数抽選手段は、前記遊技盤の中央の前記第2入球手段への入球の場合の方が、前記遊技盤の左側および右側の前記第2入球手段への入球の場合と比べて遊技者にとって有利な抽選がされるように制御することを特徴とする遊技機。
前記(15)に記載の発明によれば、第2入球手段は、遊技盤の左側、中央、右側の3箇所にそれぞれ設けられている。回数抽選手段は、遊技盤の中央の第2入球手段への入球の場合の方が、遊技盤の左側および右側の第2入球手段への入球の場合と比べて遊技者にとって有利な抽選がされるように制御するので、遊技者は、より有利な抽選を得るべく、遊技盤の中央の第2入球手段への入球を狙うことができ、遊技盤の中央の第2入球手段に遊技球を打ち込むという楽しみを備えた遊技機を提供できる。また、遊技盤の中央の第2入球手段を、遊技盤の左側および右側の第2入球手段と比べて入球し難くした場合には、第2入球手段により大きな遊技価値を設定できる。
(16) 前記(0)から(15)のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1入球手段または前記第2入球手段に遊技球が入球されると、所定数の賞球の払い出しを行う払出制御手段を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(16)に記載の発明によれば、払出制御手段は、第1入球手段または第2入球手段に遊技球が入球されると、所定数の賞球の払い出しを行う。したがって、第1入球手段への入球を契機とする領域抽選手段での抽選結果または第2入球手段への入球を契機とする回数抽選手段での抽選結果が遊技者にとって不利になった場合でも、遊技者は、第1入球手段または第2入球手段への入球に対する所定数の賞球の払い出しを得ることができるので、遊技球の賞球分だけ遊技できる時間が増えるという利益を得ることができるし、遊技球の賞球分だけ大当たり状態獲得に向けた遊技を行えるという利益を得ることができる。
(17) 前記(0)から(16)のいずれかに記載の遊技機において、
左右一側部側を中心に左右他側部側が開閉可能となるように構成され、遊技盤を支持した遊技機本体と、
前記遊技盤の前面に設けられたレール部材により略円形状に区画された遊技領域と、
前記遊技機本体の前面側にて前記左右一側部側を中心に前記左右他側部が開閉可能となるように支持され、閉鎖状態において前記遊技領域を視認可能な視認窓を有した前面扉とを備え、
前記遊技機本体の前記左右一側部には長尺状の補強部材を上下方向へ延びるように設けられるとともに、前記遊技機本体の前記左右他側部には前記遊技機本体及び前面扉の開放を禁止するように旋錠する旋錠装置を設け、
該旋錠装置は前記遊技機本体の前記左右他側部に上下方向へ延びるようにかつ上下方向へ移動可能となるように設けられた長尺状の連動部材と、前記遊技機本体の前記左右他側部のうち前記遊技領域の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられ前記連動部材を上側又は下側への移動により前記遊技機本体の旋錠が解除されるとともに、前記連動部材の上下他方への移動により前記前面扉の旋錠が解除されるように構成し、
前記遊技盤を前記遊技機本体の幅内において前記補強部材及び連動部材を左右に振り分けて配置するための領域を残した幅となるように形成するとともに、前記遊技盤の左右両側部には前記遊技機本体の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように部分的に凹部を形成し、さらに、前記レール部材のうち、前記遊技領域の最大幅となる位置を、前記遊技盤の左右端位置に至るように配設することにより、遊技領域を拡張したことを特徴とする遊技機。
前記(17)に記載の発明によれば、遊技盤の左右両側部は、遊技機本体の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように部分的に凹部を形成している。レール部材のうち遊技領域の最大幅となる位置を、遊技盤の左右端位置に至るように配設する。したがって、遊技領域が広くなり、遊技領域の自由度を向上させることができる。その結果、興趣性の向上を図ることができる。
(18) 前記(0)から(17)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(18)に記載の遊技機によれば、興趣性に優れたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)するものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された入賞装置(可変入賞手段や特定入賞口など)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。但し、図2では便宜上、下皿ユニット13が内枠12から取り外された状態を示している。
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に詳細に説明する。
外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。例えば、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できない。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
内枠12の構成を図3も用いて詳細に説明する。図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。
内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、後述する樹脂ベース20と、この樹脂ベース20の後側に取り付けられる遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と発射モータなどで構成されている。なお、上述した遊技球発射装置38が本発明における遊技球発射手段に相当する。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように、その右側が下皿15に片持ち支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃え難くなっている。
また、前面枠セット14は、図2に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠セット14は内枠12の外側壁(リブ)12b(図3参照)内に嵌まり込むようにして取り付けられている。つまり、この前面枠セット14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠セット14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のもの)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠セット14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
ここで、前面枠セット14は、少なくとも遊技球発射ハンドル18に干渉しないようにして本パチンコ機10の下方に拡張して設けられており、具体的な数値を示すと、パチンコ機10の下端から前面枠セット14の下端までの寸法(図1のH1)は、既存の一機種で例えば約201mmであるのに対し、本パチンコ機10では30mm程小さく、約172mmとなっている。また、これに伴いパチンコ機10の下端から上皿19までの寸法(図1のH2)も小さくなっており、既存の一機種では例えば約298mmであるのに対し、本パチンコ機10では261mmとなっている。かかる構成では、上皿19の位置を下げたことにより、球貸し装置のノズル部と上皿19との距離が大きくなって貸し出される遊技球のこぼれ落ちなどが懸念されるが、本実施例では、当該ノズル部からの遊技球を受ける部分(向かって左側部分)で上皿19の周囲壁の一部を高くした(図1の高壁部19a)。これにより、上皿19の位置を下げた構成にあっても貸し遊技球のこぼれ落ち等の不都合が解消されるようになっている。なお、高壁部19aの高さ寸法は、上皿19の下げ寸法に見合うものであればよく、本実施例では25mmとした。
図3に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。
次に、図4を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30は、盤面下方の左右両側に配置された第1始動口31a,31bと、盤面下方の真ん中に配置された第2始動口33と、盤面中央に配置された入賞装置40と、入賞装置40の上部に配置されたデジタル表示器60と、入賞装置40の左右両側に配置された複数(本実施例では2個)の普通入賞口39a,39bと、いずれの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するアウト口36となどを備えている。これらの第1始動口31a,31b,第2始動口33,入賞装置40,普通入賞口39a,39b等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。
図4に示すように、入賞装置40は、上部にて左右一対となるように配置された羽根41a,41bを有しており、この羽根41a,41bは羽根駆動装置49(図6参照)によって開閉動作が駆動される。この羽根41a,41bが開くと遊技球は入賞装置40内へ入賞することが可能となり、この羽根41a,41bが閉じると遊技球は入賞装置40内へ入賞することが不能となる。
また、本実施例のパチンコ機10は、図6に示すように、パチンコ機10全体を制御するメイン制御装置70を備えている。図6は、本実施例のパチンコ機10の電気的接続を例示するブロック図である。
第1始動口31a,31bは遊技球が通過したことを検出可能な第1始動口通過センサ32a,32bを備えており、この第1始動口通過センサ32a,32bは遊技球の通過を検出するとその検出信号をメイン制御装置70へ出力し、後述する回数抽選部202(メイン制御装置70の一機能)で羽根41a,41bの開閉回数の抽選を行い、メイン制御装置70はその抽選結果に応じた回数だけ羽根41a,41bを開閉させる。また、第2始動口33も同様の第2始動口通過センサ34を備えており、この第2始動口通過センサ34は遊技球の通過を検出するとその検出信号をメイン制御装置70へ出力し、後述する回数抽選部202(メイン制御装置70の一機能)で羽根41a,41bの開閉回数の抽選を行い、このメイン制御装置70はその抽選結果に応じた回数だけ羽根41a,41bを開閉させる。
図4に示すように、入賞装置40は、その上部箇所に、羽根41a,41bが開くことで当該入賞装置40に入球された遊技球の通過を検出する装置入賞検出センサ44が配設されている。また、入賞装置40には、所定のキャラクタ形状に形成され絶えず上下動を行う移動体42が設けられている。この移動体42が上方位置(図4参照)にあるときと、移動体42が下方位置(図示省略)にあるときとでは、入賞装置40内の下方位置の回転体への遊技球の供給ルートが異なるようになっている。この回転体には、Vゾーンと呼ばれる特定領域に供給するために遊技球を収容する特定収容部が設けられており、この特定収容部に遊技球が収容されると、当該収容された遊技球がVゾーンに供給され易くなっている。また、回転体には特定収容部以外の普通収容部も設けられており、普通収容部に収容された遊技球はVゾーンに供給されないようになっている。前述のVゾーンには、V検出センサ43が配置されており(図6参照)、Vゾーンに入賞された遊技球を通過検出する。なお、上述した羽根41a,41bは本発明における入賞誘導手段に相当する。
図4に戻り、デジタル表示器60は、特別遊技のラウンド回数を表示したり、1回のラウンドにおいて入賞装置40内に入賞した遊技球のカウント数を表示したりするものである。このパチンコ機10では、通常の遊技状態で遊技球がVゾーンを通過したときに遊技者にとって有利な遊技状態に移行して最大16ラウンドの特別遊技が行われる。
普通入賞口39a,39bは、遊技球が入賞したことを検出可能な普通入賞検出センサ39c,39d(図6参照)を備えており、この普通入賞検出センサ39c,39dは遊技球の入賞を検出するとその検出信号をメイン制御装置70へ出力する。
アウト口36は、入賞装置40や普通入賞口39a,39bなどに入賞しなかった遊技球を遊技盤30の裏面から図示しない遊技球回収樋へと導くための入口である。
遊技盤30には、この他、発射された遊技球を円弧上に導くレールユニット50や遊技盤30の左右の肩部に配置されたランプ風車35,入賞装置40の左右下方に配置された風車37なども取り付けられている。また、遊技球をガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数の釘も遊技盤30に配置されている。
ここで、レールユニット50などについて説明する。また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、図3に示す奥面50aについての遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。この実施例では、レールユニット50の少なくとも左側を遊技盤30に強固に締結するために、レールユニット50の左側はその右側よりも多いネジで遊技盤30に締結されているので、レールユニット50の左側についての遊技盤30への密着性を上げることができ、遊技球の球飛びを良くすることができる。レールユニット50の左側が遊技盤30に対してぐらついているとこのレールユニット50に出射された遊技球の勢いが当該ぐらつきにより吸収されてしまうからである。
さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
内レール51及び外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図4のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図4のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の高さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
また、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車37、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、入賞装置40の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、さらに風車37、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置38から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置38の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置した。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタ68が取り付けられている。前面枠セット14を内枠12から開放した状態(図3の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られた証紙などのシール(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
また、図3に示すように、内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
図3に示すように、内枠12の上側には、前面枠セット14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠セット14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。また、前面枠セット14が閉じられると、図5に示す前面枠セット14の金属製の補強板132,131が図3に示す内枠12の一対の金具92に接触するようになっており、前面枠セット14のアースが確保されている。
ここで、前述した前面枠セット14について、図1,図5を参照しつつより詳細に説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の入賞装置40も比較的上方に配置することができるようになっている。前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール52の左端部はもちろん、内レール51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
また、図1に示すように、前面枠セット14の左側の小窓107付近を前面側(図1の紙面手前側)に必要以上に突出しないようにしている。こうすることで、パチンコ機10の左側に設けられたカードサンドの球貸し装置から直接に上皿19に遊技球を貸し出す際に、当該球貸し装置のノーズ部(いわゆる象の鼻)の先端排出口を好適に上皿19の上方位置に位置させることができ、当該球貸し装置のノーズ部から貸し出される遊技球を上皿19で受けることができる。
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。このように補強板132,133の連結部に樹脂パーツ135を介在させているので、ノイズが補強板131〜134でループすることを防止できる。また、図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内外のレール52,53により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置38より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うようにして前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール52のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
さらに、レールカバー140の裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた状態において、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール52にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させにくくなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。
ここで、メイン制御装置70について図6を用いて説明する。メイン制御装置70は、図6に示すようにCPU72を中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPU72には電源を供給する電源回路73の他に、各種処理プログラムを記憶するROM74や一時的にデータを記憶するRAM76,時間計測を行うタイマ77,所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78,入出力処理回路80がバス79によって接続されている。メイン制御装置70には、始動口通過センサ32a,32b,34からの検出信号や、装置入賞検出センサ44からの検出信号や、V検出センサ43からの検出信号や、普通入賞検出センサ39c,39dからの検出信号などが入出力処理回路80を介して入力される。また、メイン制御装置70からは、1対の羽根41a,41bの開閉を駆動する羽根駆動装置49への駆動信号や、デジタル表示器60の表示制御を司る表示制御装置45への制御信号や、賞球の払い出しを司る払出制御装置46への制御信号や、スピーカ48が接続された音声制御装置47への制御信号や、図示しない各種ランプへの点灯信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
次に、こうして構成されたパチンコ機10の動作について、通常の遊技状態と、特別遊技状態とに分けて説明する。
(1)通常の遊技状態
通常の遊技状態では、一対の羽根41a,41bは閉鎖状態である。メイン制御装置70は、普通入賞口39a,39bに遊技球が入賞すると普通入賞検出センサ39c,39dから検出信号が入力されるのでその検出信号に応じて払出制御装置46(図6参照)に指令を出力して所定数の賞球の払い出しを行わせる。また、メイン制御装置70は、第1始動口31a,31bを遊技球が通過すると始動口通過センサ32a,32bから検出信号が入力されるので、後述する抽選を行いその抽選結果に応じた回数だけ羽根41a,41bを開閉させるように羽根駆動装置49を駆動する。また、メイン制御装置70は、第2始動口33を遊技球が通過すると始動口通過センサ34から検出信号が入力されるので、後述する抽選を行いその抽選結果に応じた回数だけ羽根41a,41bを開閉させるように羽根駆動装置49を駆動する。なお、1回につき羽根41a,41bが開放状態となる時間は約0.9秒である。なお、この開放時間を0.9秒以外の任意の時間に変更してもよい。
羽根41a,41bが開放状態のときに遊技球が入賞装置40内に入いると、メイン制御装置70は、装置入賞検出センサ44から検出信号が入力されるのでその検出信号に応じて払出制御装置46に指令を出力して所定数の賞球の払い出しを行わせる。入賞装置40内に入った遊技球は、当該入賞装置40内の下方位置の回転体の特定収容部に供給された場合には、当該収容された遊技球はVゾーンに供給され易くなっており、当該回転体の普通収容部に供給された場合には、当該普通収容部に収容された遊技球はVゾーンに供給されないようになっている。Vゾーンに供給された遊技球はV検出センサ43に検出され、メイン制御装置70は、通常の遊技状態のときにV検出センサ43からの検出信号を受けると、大当りフラグを「0」から「1」に変更して、遊技者にとって有利な別遊技状態(後述)になるように制御する。なお、大当りフラグは、初期設定時には通常の遊技状態であるため「0」にリセットされ、通常の遊技状態において遊技球が入賞装置40内のVゾーンを通ってV検出センサ43によって検出されたときに「1」にセットされ、特別遊技状態が終了したときに「0」にリセットされるフラグである。
(2)特別遊技状態
特別遊技状態に移行すると、メイン制御装置70は、羽根駆動装置49を駆動して羽根41a,41bを18回開閉させるが、その間に、入賞装置40内に所定数(ここでは10個)の遊技球が入賞するか、Vゾーンを遊技球が通過してV検出センサ43に検出されたときには、開閉動作が18回に満たない場合であっても羽根駆動装置49に指令を出力して羽根41a,41bを閉鎖状態とする。また、この間に遊技球がVゾーンに入ってV検出センサ43に検出されたときには、メイン制御装置70は15回を限度として上述した特別遊技状態を継続させる。なお、特別遊技状態が限度回数行われた後か、特別遊技状態が継続されなかったときには、通常の遊技状態に戻る。また、入賞装置40内に10個の遊技球が入賞したか否かは装置入賞検出センサ44からの検出信号が入力される毎にカウントアップしていきそのカウント値が10個になったか否かによって判定する。
次に、本発明のパチンコ機10のさらなる特徴部分の構成について図7〜図9を用いて以下に説明する。図7は遊技盤の裏面図、図8は入賞装置40の外観斜視図、図9(a)〜(d)は入賞装置40の羽根41a,41bの開口領域変更動作説明図である。
図4に示すように、遊技盤30には、入賞装置40や第1始動口31a,31bや第2始動口33の他に、さらに抽選用入賞口204a,204bが備えられている。また、図6に示すように、抽選用入賞口204a,204bへの遊技球の入球に基づいて、入賞装置40の羽根41a,41bの開口領域を抽選する領域抽選部201を備えている。
まず、抽選用入賞口204a,204bについて、図4を用いて説明する。図4に示すように、抽選用入賞口204aは、遊技盤30を正面視した場合に、遊技盤30の左側中段の箇所に配設され、抽選用入賞口204bは、遊技盤30の右側中段の箇所に配設されている。遊技球発射装置38から遊技領域へ打ち込まれた遊技球のいくつかは、抽選用入賞口204a,204bのそれぞれに入力されることがある。抽選用入賞口204a,204bに入球された遊技球は、図7に示すように、遊技盤30の裏面にある抽選入賞検出センサ205により遊技球が入力通過したことが検知される。また、図6に示すように、抽選入賞検出センサ205で検知された信号は、入出力処理回路80、バス79を介してメイン制御装置70に送られ、メイン制御装置70にあるCPU72の領域抽選部201において、入賞装置40の羽根41a,41bの開口領域を抽選する。抽選された結果は、メイン制御装置70にあるRAM76などにより保存される。なお、上述した抽選用入賞口204a,204bは本発明における第1入球手段に相当し、上述した領域抽選部201は本発明における領域抽選手段に相当する。
領域抽選部201で抽選される羽根41a,41bの開口領域としては、左側領域(図9(a)参照)と、右側領域(図9(a)参照)と、左側領域と右側領域が同時に開口する両側領域(図9(c)参照)、左側領域と右側領域が交互に開口する一連の交互領域(図9(d)参照)の4種類がある。つまり、左側領域が抽選された場合は、図9(a)に示すように、羽根41aのみ開くことになる。右側領域が抽選された場合は、図9(b)に示すように、羽根41bのみ開くことになる。両側領域が抽選された場合は、図9(c)に示すように、羽根41a,41bの両側開くことになる。また、交互領域が抽選された場合は、図9(d)に示すように、羽根41aが開閉し、その後、羽根41bが開閉することになる。ここで、羽根41aが開閉し、その後、羽根41bが開閉することで、1回の開閉動作が終了したことになる。また、左右交互の領域が抽選された場合、最初に羽根41aが開閉することになっているが、最初に羽根41bが開閉するように設定してもよい。
さらに、パチンコ機10は、図6,図8に示すように、羽根41a,41bの開口領域抽選結果を表示する領域表示器207を備えている。つまり、羽根41a,41bの開口領域についての抽選結果は、入賞装置40の上部にある2つ平行に並んだLED(発光ダイオード)からなる領域表示器207により表示される。また、図8に示すように領域表示器207は入賞装置40に備えられている。つまり、領域表示器207は羽根41a,41bの近傍に備えられている。具体的には、領域表示器207は、図9(a)〜(d)に示すように、羽根41a,41bの開口領域抽選結果を表示する。つまり、図9(a)に示すように左側領域抽選時には、領域表示器207の左側のLEDが常時点灯し、領域表示器207の右側のLEDは常時点消灯する。図9(b)に示すように右側領域抽選時には、領域表示器207の左側のLEDが常時消灯し、領域表示器207の右側のLEDは常時点灯する。図9(c)に示すように両側領域抽選時には、領域表示器207の左側および右側の両方のLEDがする。図9(d)に示すように交互領域抽選時には、領域表示器207の左側と右側のLEDが、点灯、消灯を時間的に、交互に繰り返すことになる。なお、上述した領域表示器207は本発明における領域表示手段に相当する。
さらに、パチンコ機10は、図6に示すように、第1始動口31a,31bへの遊技球の入球に基づいて、入賞装置40の羽根41a,41bの開閉回数を抽選する回数抽選部202を備えている。
ここで、第1始動口31a,31bと第2始動口33について、図4を用いて説明する。図4に示すように、第1始動口31aは、遊技盤30を正面視した場合に、遊技盤30の左側下段の箇所に配設され、第1始動口31bは、遊技盤30を正面視した場合に、遊技盤30の右側下段の箇所に配設され、第2始動口33は遊技盤30の中央下段の箇所に配設されている。遊技球発射装置38から遊技領域へ打ち込まれた遊技球のいくつかは、第1始動口31bと第2始動口33のそれぞれに入力することがある。第1始動口31a,31bに入球された遊技球は、第1始動口通過センサ32a,32bにより入球検知され、第2始動口33に入球された遊技球は、第2始動口通過センサ34により入球検知される。第1始動口通過センサ32a,32bの検知信号および第2始動口通過センサ34の検知信号は、入出力処理回路80、バス79を介してメイン制御装置70に送られ、メイン制御装置70にあるCPU72の回数抽選部202により、羽根41a,41bの開閉回数を抽選する。つまり、回数抽選部202は、第1始動口通過センサ32a,32bまたは第2始動口通過センサ34への遊技球の入球に基づいて、羽根41a,41bの開閉回数を例えば1〜9回のうちのいずれかとする抽選を行う。この羽根41a,41bの開閉回数抽選結果は、メイン制御装置70のRAM76に書き込まれる。また、回数抽選部202は、第2始動口33への入球に基づく回数抽選の場合の方が、第1始動口31a,31bへの入球に基づく回数抽選の場合と比べて、羽根41a,41bの開閉回数が多くなるように抽選する。例えば、第1始動口31a,31bに入力された場合は、回数抽選部202は、1回から3回までの回数を抽選し、第2始動口33に遊技球が入力された場合は、回数抽選部202は、4回から9回までの回数を抽選する。具体的には、回数抽選部202は、第1始動口用の乱数カウンタC1と第2始動口用の乱数カウンタC2とを備えている。第1始動口用の乱数カウンタC1は、「1」,「2」,「3」と順にカウントアップし、再び「1」に戻って同様にカウントアップするものであり、第1始動口31a,31bへの入球した時(第1始動口通過センサ32a,32bでの入球検出時点)の第1始動口用の乱数カウンタC1の値を羽根41a,41bの開閉回数の抽選結果とするものである。例えば、第1始動口31a,31bへの入球した時の第1始動口用の乱数カウンタC1の値が「2」であれば、羽根41a,41bの開閉回数は2回となる。第2始動口用の乱数カウンタC2は、「4」,「5」,…,「9」と順にカウントアップし、再び「4」に戻って同様にカウントアップするものであり、第2始動口33への入球した時(第2始動口通過センサ34での入球検出時点)の第2始動口用の乱数カウンタC2の値を羽根41a,41bの開閉回数の抽選結果とするものである。例えば、第2始動口33への入球した時の第2始動口用の乱数カウンタC2の値が「8」であれば、羽根41a,41bの開閉回数は8回となる。なお、上述した回数抽選部202は本発明における回数抽選手段に相当する。
遊技球が第1始動口31a,31bに入球されると第1始動口通過センサ32a,32bにより検知され、遊技球が第2始動口33に入球されると第2始動口通過センサ34により検知され、これらの検知された信号は、メイン制御装置70に送られる。そこで、RAM76に保存されている領域抽選部201で抽選された結果を読み出し、CPU70の実行制御部203により、バス79、入出力処理回路80を介して羽根駆動装置49を制御し、羽根駆動装置49に従って羽根41a,41bが抽選結果に応じた開口領域および開閉回数で開閉動作をする。
さらに、実行制御部203は、回数抽選部202による抽選後から遊技者による遊技球の打ち込み方向が変更可能な時間を少なくとも有している所定期間(例えば5秒)経過した時に入賞装置40の羽根41a,41bの開閉動作が開始されるように制御する開始制御機能(本発明における開始制御手段に相当する)を備えている。当該開始制御機能は、メイン制御装置70のROM76に記憶された所定のプログラムをCPU72で実行させることにより実現されている。なお、上述した第1始動口31a,31bおよび第2始動口33は本発明における第2入球手段に相当し、上述した実行制御部203は本発明における動作制御手段に相当する。
さらに、羽根41a,41bの開閉回数の抽選結果は、CPU70の実行制御部203により、バス79、入出力処理回路80を介して表示制御装置45を制御し、7セグメント式LEDとした回数表示器208に羽根41a,41bの開閉回数を数字表示する。例えば、羽根41a,41bの開閉回数が7回であれば回数表示器208に「7」を表示する。なお、上述した回数表示器208は本発明における回数表示手段に相当する。また、この7セグメント式LEDに替えて9個のLEDを採用するようにし、LEDの点灯個数で羽根41a,41bの開閉回数を表示するようにしてもよい。つまり、羽根41a,41bの開閉回数が7回であれば7個のLEDを点灯させることで、遊技者に羽根41a,41bの開閉回数が7回であることを知らせるのである。また、回数表示器208として液晶などを採用し、液晶表示するようにしてもよい。
ところで、遊技盤30の抽選用入賞口204a,204bに入球された遊技球は、次に説明する遊技球通路210を通って、第1始動口31a,31bの方に案内されるようになっている。ここで、遊技球通路210について、図7を用いて説明する。遊技球通路210(通路部に相当する)は、樹脂などにより構成され、遊技球を抽選用入賞口204aまたは抽選用入賞口204bから遊技盤30の裏側を通り第1始動口31a,31bの遊技盤面上側に配設されている排出口211まで案内するためのものである。すなわち、遊技球が抽選用入賞口204a,204bに入球すると、遊技盤30の裏側の遊技球通路210の所定箇所に設けられた抽選入賞検出センサ205を通過し、排出口211から遊技盤30の表側に出るようになっている。つまり、図7に破線で示す経路で進む。図4に示すように、排出口211と第1始動口31a,31bとは同一直線上(図4に示す一点鎖線で示す直線)に配置されており、排出口211から排出された遊技球が、第1始動口31a,31bに向って落下していくようになっている。
さらに、図4に示すように、遊技球通路210の出口である排出口211と第1始動口31a,31bとの間には、第1始動口31a,31bへの遊技球の入球を調整するための調整手段としての2本の釘212が備えられている。この2本の釘212を調整することで、排出口211から排出された遊技球を第1始動口31a,31bに入球し易くしたり、反対に入球し難くしたりできる。
メイン制御装置70は、第1始動口通過センサ32a,32bや第2始動口通過センサ34や抽選入賞検出センサ205での検知信号を受けると、払出制御装置46に払い出し指示を与える。払出制御装置46は、メイン制御装置70からの指示に基づいて、第1始動口通過センサ32a,32bや第2始動口通過センサ34や抽選入賞検出センサ205への入球に対する所定数の賞球を払い出す。
ここで、羽根41a,41bの開口領域および開閉回数抽選についての動作説明をする。なおここでは、遊技球は抽選用入賞口204aに入球し、遊技球通路210を通過し、排出口211から排出され第1始動口31aに入球するものとして説明する。上述したように遊技球が抽選用入賞口204aに入球され、抽選入賞検出センサ205を通過すると検知された信号により領域抽選部201で領域抽選される。その結果は、領域表示器207により表示される。その後、遊技球が第1始動口31aに入球され、第1始動口通過センサ32aを通過すると検知された信号により回数抽選部202により回数抽選される。その結果は、回数表示器208により表示され、回数抽選されてから一定期間(例えば5秒)後に、領域抽選部201と回数抽選部202とで抽選された抽選結果を実行制御部203の指示により羽根41a,41bを開閉動作することになる。具体的には、領域抽選結果が右側領域で、回数抽選結果が3回であった場合には、羽根41bが開閉動作を3回連続で繰り返すことになる。ここで、羽根41bが開放状態となる時間は、例えば0.9秒である。また、領域抽選結果が交互領域で、回数抽選結果が5回であった場合は、羽根41aが開閉し、次に、羽根41bが開閉するこれを1回として、5回連続で繰り返すことになる。
上述したように、本実施例の遊技機によれば、遊技盤に配設される入賞装置40と、入賞装置40に遊技球を入賞させる羽根41a,41bとを備え、羽根41a,41bは、入賞装置40に遊技球を入賞可能な開状態と、入賞装置40に遊技球を入賞不可能な閉状態とに可変されるものであり、遊技球が入球可能な抽選用入賞口204a,204bと、抽選用入賞口204a,204bへの遊技球の入球に基づいて、羽根41a,41bの開口領域を抽選する領域抽選部201と、遊技球が入球可能な第1始動口31a,31bおよび第2始動口33と、第1始動口31a,31bおよび第2始動口33への遊技球の入球に基づいて、羽根41a,41bを領域抽選部201での抽選結果に従った開口領域で開閉動作させる実行制御部203とを備えているので、羽根41a,41bの開口領域が変化し、羽根41a,41bの開閉動作の変化に面白みをを持たせることができる。つまり、大当たり状態になる過程を種々設けることができ、当該羽根41a,41bの種々の開閉動作過程で大当たり状態を発生させることができる。また、羽根41a,41bの開閉動作が遊技者にとって有利な状態になる可能性があるので遊技者はより高い期待感を持って遊技を楽しむことができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
また、回数抽選部202は、第1始動口31a,31bおよび第2始動口33への遊技球の入球に基づいて、羽根41a,41bの開閉回数を抽選する。実行制御部203は、第1始動口31a,31bおよび第2始動口33への遊技球の入球に基づいて、羽根41a,41bを前記領域抽選部201での抽選結果に従った開口領域および回数抽選部202での抽選結果に従った開閉回数で開閉動作させる。したがって、羽根41a,41bの開口領域および開閉回数が変化し、羽根41a,41bの開閉動作の変化に面白みを持たせることができる。つまり、大当たり状態になる過程を種々設けることができ、当該羽根41a,41bの種々の開閉動作過程で大当たり状態を発生させることができる。また、羽根41a,41bの開閉動作が遊技者にとって有利な状態になる可能性があるので遊技者はより高い期待感を持って遊技を楽しむことができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
また、領域抽選部201の抽選により、羽根41a,41bが開口する領域は左側領域、右側領域、左側領域と右側領域が同時に開口する両側領域、左側領域と右側領域が交互に開口する一連の交互領域のうち、いずれかの領域に抽選されるので、遊技者は、抽選される領域に狙い定めて遊技球を打ち込むことができる。したがって、遊技者の遊技球発射操作の能力次第で、利益を受け易くすることができるので、遊技者自身の能力によって利益が得られたと感じることができ、遊技に面白味を感じ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、領域表示器207は、領域抽選部201での抽選結果を表示するので、遊技者は、当該抽選結果を目視することができ、遊技球を打ち込む方向を容易に認識することができ、遊技者は、領域抽選部201での抽選結果に従った羽根41a,41bの開口領域に供給するべく遊技球の発射操作を行うことができ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる
また、領域表示器207は、領域抽選部201での抽選結果としての羽根41a,41bの開口領域が、左側領域、右側領域、左側領域と右側領域が同時に開口する両側領域、左側領域と右側領域が交互に開口する一連の交互領域のうち、いずれであるかを表示するので、羽根41a,41bの開口領域が、左側領域、右側領域、左側領域と右側領域が同時に開口する両側領域、左側領域と右側領域が交互に開口する一連の交互領域のいずれかであるかを容易に認識することができ、遊技者は、領域抽選部201での抽選結果に従った羽根41a,41bの開口領域に供給するべく遊技球の発射操作を行うことができ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、領域表示器207は、羽根41a,41bの近傍に備えられているので、遊技者は、領域表示器207での抽選結果と羽根41a,41bとを同時に見ることができる。したがって、瞬時に羽根41a,41bと領域表示器207との状態を認識することができ、羽根41a,41bの開口領域に供給するべく遊技球の発射操作を行うことができ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、領域表示器207は、入賞装置40に備えられているので、入賞装置40に備えられた羽根41a,41bと領域表示器207とは近い距離に備えられ、遊技者は、領域表示器207での抽選結果と羽根41a,41bとを同時に見ることができる。したがって、瞬時に羽根41a,41bと領域表示器207との状態を認識することができ、羽根41a,41bの開口領域に供給するべく遊技球の発射操作を行うことができ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、回数表示器208は、回数抽選部202での抽選結果を表示するので、回数抽選部202での抽選結果である羽根41a,41bの開閉回数を目視することができ、開閉回数が容易にわかることになる。遊技者は、羽根41a,41bの開閉回数中に遊技球を入賞装置に入賞させるべく遊技球の発射操作を行うことができ、遊技を楽しむことができる。したがって、興趣性を向上させることができる。
また、回数抽選部202による抽選後から所定期間経過後に羽根41a,41bの開閉動作が開始されるので、遊技者は、当該所定期間の間に遊技球の打ち込みたい方向に遊技球発射操作を変えることができる。したがって、遊技者は羽根41a,41bが動作する前に遊技球の打ち込む準備をすることができ、羽根41a,41bの開閉動作に対応することができ、羽根41a,41bの開閉を狙って遊技球を打ち込めるという面白みのある遊技を体験でき、入賞装置への遊技球入賞による利益を得易くできる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、遊技球通路210は、抽選用入賞口204a,204bに入球された遊技球を第1始動口31a,31bおよび第2始動口33の方に案内するので、第1始動口31a,31bおよび第2始動口33の方に案内された遊技球がこの第1始動口31a,31bおよび第2始動口33に入球することがある。第1始動口31a,31bおよび第2始動口33に入球すると、領域抽選部201での抽選結果に従った開口領域で羽根41a,41bを開閉動作させたりするので、羽根41a,41bでの開口領域抽選のみならずその抽選後の開口領域での羽根41a,41bの開閉動作の実行という遊技利益を遊技者は得ることができる。したがって、遊技者は、遊技球が抽選用入賞口204a,204bに入球されると第1始動口31a,31bおよび第2始動口33にも入球するのではないかと期待し、遊技に面白みを感じることができる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、釘212は、第1始動口31a,31bおよび第2始動口33への遊技球の入球を調整することができるので、第1始動口31a,31bおよび第2始動口33に入球することを容易にするか否かの調整をすることができる。したがって、釘212での調整により、遊技球が第1始動口31a,31bおよび第2始動口33へ入球し易いという遊技者にとっての有利状態や、遊技球が第1始動口31a,31bおよび第2始動口33へ入球し難いという遊技者にとっての不利状態が生じ、遊技者は、有利になっている釘212を探す楽しみがある。その結果、興趣性を向上させることができる。また、釘212での調整により、第1始動口31a,31bおよび第2始動口33に入球することを容易にするか否かの調整をすることができるので、第1始動口31a,31bおよび第2始動口33への入球し易さを種々に設定した遊技機を実現でき、遊技機を設置する遊技場(ホール)側などの要求に応じた遊技機を実現できる。
また、抽選用入賞口204a,204bは遊技盤の右側遊技領域に備えられており、遊技者は領域抽選部201での抽選を受けたいがために抽選用入賞口204a,204bへの遊技球の入球を試みる。つまり、遊技盤の右側遊技領域に遊技球を打ち込み、抽選用入賞口204a,204bへの遊技球の入球を狙うことになる。ところで、一般的な遊技者は遊技盤の左側領域に遊技球を打ち込むことが多く、右側領域は、遊技として使われることが少なく、遊技盤全体が有効活用されていない場合があったが、本発明によればこのようなことがない。つまり、遊技盤の右側領域に打ち込むことは、遊技者にとって有利に働くことが期待できるため、遊技盤の右側領域を積極的に使用するし、遊技盤の右側領域での遊技球の挙動などに楽しみが増えることになる。その結果、興趣性を向上させることができる。
また、抽選用入賞口204a,204bは複数個備えられているので、複数個の抽選用入賞口204a,204bのいずれかに入球することで領域抽選部201での抽選が行われる。つまり、領域抽選を行う機会が増えることになり、遊技者は、有利な状態になることをより以上に期待することができる。したがって、さらに興趣性を向上させることができる。
また、第1始動口31a,31bおよび第2始動口33は複数個備えられているので、複数個の第1始動口31a,31bおよび第2始動口33のいずれかに入球することで回数抽選部202での抽選が行われる。つまり、回数抽選される機会が増えることになり、遊技者は、羽根41a,41bがより多く開閉することをより以上に期待することができる。したがって、さらに興趣性を向上させることができる。
また、第1始動口31a,31bおよび第2始動口33は、遊技盤の左側、中央、右側の3箇所にそれぞれ設けられている。回数抽選部202は、遊技盤の中央の第1始動口31a,31bおよび第2始動口33への入球の場合の方が、遊技盤の左側および右側の第1始動口31a,31bおよび第2始動口33への入球の場合と比べて遊技者にとって有利な抽選がされるように制御するので、遊技者は、より有利な抽選を得るべく、遊技盤の中央の第1始動口31a,31bおよび第2始動口33への入球を狙うことができ、遊技盤の中央の第1始動口31a,31bおよび第2始動口33に遊技球を打ち込むという楽しみを備えた遊技機を提供できる。また、遊技盤の中央の第1始動口31a,31bおよび第2始動口33を、遊技盤の左側および右側の第1始動口31a,31bおよび第2始動口33と比べて入球し難くした場合には、第1始動口31a,31bおよび第2始動口33により大きな遊技価値を設定できる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、領域抽選部201と回数抽選部202とを設けているが、領域抽選部201だけ設けるようにしてもよい。
(2)上述した実施例では、2個の抽選用入賞口204a,204bを備えているが、1個または3個以上の複数個の抽選用入賞口を備えるようにしてもよい。
(3)上述した実施例では、抽選用入賞口204a,204bは、遊技盤30の左右両側に備えられているが、右側だけに設けてもよい。つまり、遊技盤30の右側領域に抽選用入賞口204bのみを設けた状態とする。この場合には、遊技者は領域抽選部201での抽選を受けたいがために抽選用入賞口204bへの遊技球の入球を試みる。つまり、遊技盤30の右側遊技領域に遊技球を打ち込み、抽選用入賞口204bへの遊技球の入球を狙うことになる。ところで、一般的な遊技者は遊技盤30の左側領域に遊技球を打ち込むことが多く、右側領域は、遊技として使われることが少なく、遊技盤全体が有効活用されていない場合があったが、前述した実施例および本変形例によればこのようなことがない。つまり、遊技盤30の右側領域に打ち込むことは、遊技者にとって有利に働くことが期待できるため、遊技盤30の右側領域を積極的に使用するし、遊技盤30の右側領域での遊技球の挙動などに楽しみが増えることになる。その結果、興趣性を向上させることができる。
(4)上述した実施例では、2個の第1始動口31a,31bを備えているが、1個または3個以上の複数個の第1始動口を備えるようにしてもよい。
(5)上述した実施例では、領域表示器207はLEDにより領域表示をしているが液晶などを採用し、液晶による文字で領域表示をするようにしてもよい。
(6)上述した実施例では、羽根41a,41bの開口領域についての抽選結果を、入賞装置40の上部にある2つ平行に並んだLEDである領域表示器207で表示しているが、領域表示器207を羽根41a,41bに備えて表示するようにしてもよい。例えば、左側領域が抽選された場合は、羽根41aに備えられた領域表示器207であるLEDが点灯することになり、交互領域が抽選された場合は、羽根41a,41bに備えた領域表示器207が交互に点灯することになる。つまり、領域表示器207は、羽根41a,41bに備えられているので、遊技者は、領域表示器207での抽選結果と羽根41a,41bとを視線を移すことなく同時に見ることができる。したがって、瞬時に羽根41a,41bと領域表示器207との状態を認識することができ、羽根41a,41bの開口領域に供給するべく遊技球の発射操作を行うことができ、遊技を楽しむことができる。その結果、興趣性を向上させることができる。