(実施例)
(1)非接触センサによる演出球の識別
本実施例の遊技機においては、遊技領域に特定の演出領域が区画されている。この演出領域には、複数種類の転動媒体を転動させる転動通路が設けられている。「転動媒体」は、遊技球であってもよいし、遊技球とは別に設けられた演出専用の演出球であってもよい。あるいは、メダル等の転動可能な遊技媒体であってもよい。この転動媒体は、遊技の状態を示す複数のパラメータのうち少なくとも一つを、その転動態様によって示唆する。例えば、大当りの期待度の高さを転動媒体の外観(配色)、転動経路、転動方向、位置等により示唆するものでもよい。
その複数種類の転動媒体は、光の反射率が互いに異なる。これらの転動媒体は、光の反射率が互いに異なるよう互いに異なる配色がなされたものでもよし、光の反射率が互いに異なるよう互いに異なる材質からなるものでもよい。あるいは、配色と材質との組合せにより光の反射率が異なるものでもよい。
一方、転動通路の所定位置に測定点が設定され、その測定点を中心に互いに異なる位置にの光センサがそれぞれ配置されている。それらの光センサはいずれも反射型センサであり、それぞれがその測定点に位置する転動媒体に向けて投光可能とされるが、同種の転動媒体について反射光の受光感度が互いに異なるように設けられる。これらの光センサは、同種の転動媒体について反射光を検出可能な距離である検出距離が互いに異なるものであってもよい。その場合、それらの光センサを測定点から等距離においても反射光の受光感度を互いに異ならせることができる。あるいは、同種の転動媒体について検出距離が互いに同等の複数の光センサを、測定点を中心とする直線距離が異なるように配置することにより、同種の転動媒体について反射光の受光感度が互いに異なるようにしてもよい。
このような構成により、転動媒体の種類によってこれを検出できるセンサと、検出できないセンサが存在する。本実施例ではこれを利用し、複数の光センサによる検出有無の組合せに基づいて複数種類の転動媒体のいずれが測定点に位置したかを判定する。そして、その判定結果に基づいて遊技制御を実行する。このような構成によれば、例えば色や模様が異なる複数種の演出球のいずれが測定点に位置したかを、カラーセンサを用いるまでもなく、複数の光センサにて検出できるようになる。現状においては、カラーセンサを一つ設けるよりも複数の光センサを設けるほうが安価になる傾向にあるため、転動媒体の検出装置を低コストに実現することが可能となる。
具体的には、演出領域に特定転動通路、可動役物、可動収納機構、入出規制機構が設けられる。特定転動通路は、転動の開始位置から導かれた転動媒体が往復転動可能に構成され、その中間部に転動媒体が落入可能な連通孔を有する。一方、可動役物は、少なくとも一つの収容部を有する。その収容部は、可動役物の作動により上記測定点に対応する特定位置に駆動されると、連通孔に連通して転動媒体を受け入れ可能な状態となる。役物制御手段は、その可動役物を動作させることによりその収容部に収容された転動媒体を転動の終了位置に移動させる。その転動終了位置に導かれた転動媒体は、可動収納機構によって再び転動の開始位置へと運搬される。このような構成により、転動媒体の循環機構が実現される。
可動収納機構は、転動媒体の種類が対応づけられた複数の収納室を有し、転動終了位置に導かれた転動媒体を、その種類に対応した収納室に収納し、その収納室を移動することにより転動媒体を転動の開始位置へ運搬する。この転動媒体の移動に際しては、可動収納機構と入出規制機構とが連携する。入出規制機構は、その初期状態においては、転動の開始位置における収納室からの転動媒体の排出と、転動の終了位置における収納室への転動媒体の収納とを規制する。一方、その動作状態においては、排出および収納のうち少なくともいずれかの規制を解除する。これにより、各転動媒体が適切なタイミングで転動を開始し、また転動を終了するようになる。
このような構成において、複数の転動媒体は、それ自体が演出に供するため、それぞれいずれの種類であるかが遊技者から視覚的に識別可能となるよう互いに外観が異なる媒体として形成される。そして、複数の転動媒体のうち、決定された演出内容に対応する種類の転動媒体が選択的に転動されることで、遊技の状態を示す特定のパラメータが示唆される。可動収納機構および入出規制機構は、可動役物の収容部が収容した転動媒体の種類の判定結果に基づき、その転動媒体の種類に対応する収納室を転動の終了位置へ移動させて転動媒体を収納させる。なお、演出領域は、遊技球の混入、演出媒体の外部流出、遊技者の接触などに起因する不具合を防止するために、その領域外部との間で物体の流入および流出を防止できる程度に密閉された空間として形成されるのが好ましい。
このような構成では、可動役物の収容部に対し、決定された演出内容にしたがった転動媒体を収容させる必要がある。このため、上述の複数の光センサにより、収容部に収容される転動媒体の種類が判定可能となる構成は有用である。なお、測定点を可動収納機構の側に設定し、複数の光センサを配置してもよい。これにより、各収納室に対応する転動媒体が収納されているかを判定することができ、万が一対応しない場合には、可動役物、可動収納機構、入出規制機構の作動を連携させることにより、正規の対応関係で収納し直すよう保守ができる。特に、演出領域が密閉された空間となる構成においては、手動での保守が困難となるところ、上述の複数の光センサによる検出と各機構の連携とにより、その保守動作を自動的に行うことができ、得られるメリットも大きい。
(2)非接触センサによるステージ部の特定球検出
本実施例の遊技機においては、また、遊技領域に第1領域と第2領域が設けられ、遊技媒体が第1領域から第2領域へ転動可能となっている。そして、その遊技媒体が第1領域と第2領域のいずれにあるかを一つの光センサにより検出可能な構成を有する。この光センサは、第1領域の所定位置と第2領域の所定位置とを結ぶ直線上に光軸を有し、遊技媒体の有無を検出する。判定手段は、その光センサによる遊技媒体の検出継続時間の長さに基づいて、遊技媒体が第1領域と第2領域のいずれにあるかを判定する。その判定結果に基づいて遊技制御が実行される。
具体的には、転動通路と可動役物が設けられる。転動通路は遊技媒体が往復転動可能であり、第1領域を形成する。転動通路の中間部には遊技媒体が落入可能な連通孔が設けられる。一方、可動役物は少なくとも一つの収容部を有する。その可動役物の作動により収容部が特定位置に駆動されると、連通孔に連通して第2領域を形成し、遊技媒体を受け入れ可能な状態となる。上記光センサは反射型のセンサであり、特定位置に駆動された収容部に対して上記連通孔とは反対側に配置される。すなわち、転動通路の連通孔と、可動役物の収容部と、光センサとが一直線上に配置される。光センサは、特定位置の方向に投光し、転動通路の連通孔を通過する遊技媒体、または転動通路から連通孔を介して収容部に収容された遊技媒体の反射光を受光することにより遊技媒体の存在を検出する。
このとき、検出された遊技媒体が転動通路を往復転動中のものであれば、その遊技媒体が連通孔近傍に位置する時間は短くなる。したがって、光センサによる遊技媒体の検出継続時間も短くなる。一方、検出された遊技媒体が収容部に収容されたものであれば、その遊技媒体は収容部に静止する。したがって、光センサによる遊技媒体の検出継続時間は長くなる。本実施例ではこれらの関係を利用し、光センサによる検出があった場合、その検出継続時間が予め定める判定基準値未満であれば遊技媒体が第1領域にある、つまり転動通路を転動中であると判定する。一方、その検出継続時間が判定基準値以上であれば、遊技媒体が第2領域にある、つまり収容部に収容されていると判定する。遊技媒体が第2領域にあると判定されると、可動役物が駆動され、その収容部に収容された遊技媒体が移動する。遊技媒体が第1領域および第2領域のいずれにあるかに応じて異なる演出が実行される。
このように、光センサの検出継続時間に基づいて遊技媒体の位置を検出することにより、2つの領域のいずれに遊技媒体が位置するのかを一つの光センサにより検出することが可能となる。すなわち、検出箇所の数に対して光センサの設置数を少なくすることができ、遊技媒体の検出装置を低コストに実現することができる。
より具体的には、遊技媒体として演出用の媒体である複数の転動媒体が設けられる。転動媒体は、その転動態様により遊技の状態を示す特定のパラメータを示唆するものである。遊技領域の所定位置には、転動媒体が転動する領域として区画された演出領域が設けられる。演出領域には第1領域および第2領域が含まれ、さらに可動収納機構と回転体機構が設けられる。可動収納機構は、転動媒体を収納するための収納室を有し、転動終了位置に導かれた転動媒体をその収納室に収納し、その収納室を移動することにより転動媒体を転動の開始位置へ運搬する。その転動の開始位置には転動通路がつながっている。回転体機構は、転動媒体を一時的に収容する複数の収容室を有する。この回転体機構が駆動されると、転動媒体が収容された収容室が所定の回転軌道上を移動し、転動終了位置に導かれる。そして、このときの回転体機構の回転態様と、複数の収容室のいずれに転動媒体が収容されるかの態様のうち少なくともいずれかの態様によって遊技の状態が示唆される。
このような構成によれば、光センサの検出継続時間に基づいて転動媒体が転動通路を往復転動中であるのか、または収容室に収容されているのかを、一つの光センサにより検出することが可能となり、転動媒体の検出装置を低コストに実現することができる。
以下、本実施例の詳細について説明する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、後述する演出を制御する手段によって遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、演出球循環装置300、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
始動口62は、遊技球の入球が当否抽選を実行する契機となる入球口であって、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62に設けられた拡開機構63(いわゆる電動チューリップ)を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。拡開機構63は、始動口62の開口部上部に設けられた二つの羽根部材で構成され、閉鎖時は始動口62の真上から落下する遊技球だけが入球できる程度の狭い開口幅となる。一方、拡開機構63が拡開された開放時は始動口62の開口幅が拡がることとなり、始動口62の真上だけでなくその近傍を落下する遊技球も始動口62へ誘導でき入球容易性が向上する。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、始動口62へ入球があるたびに実行される。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を開放させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに開始される特別遊技において「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66は、例えばアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の設置個数としては、一つだけ設置する構成に限らず、複数個の大入賞口66を設置してそれぞれを遊技状態等に応じて使い分ける構成としてもよい。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示装置である。特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の判定結果に対応した図柄である。特別図柄192の変動表示が停止したときの図柄態様が、あらかじめ当りと定められた図柄であった場合に、その停止図柄が表示されたタイミングが大当り発生タイミングとなる。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。本実施例においてセグメントの組合せで表される特別図柄192は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって特別図柄表示装置61へ表示されることにより、特別図柄192の図柄変動表示が実現される。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、特別図柄表示装置61を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の特別図柄192を表現してもよい。
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄190を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄190は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄190の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイなどの高精細なドットマトリクス型表示装置で構成されるが、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は拡開機構63を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。このとき、通常状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止し、後述する入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、拡開機構63が所定時間拡開される。拡開機構63の開放時間は、例えば通常状態では0.1秒間であり、入球容易状態では6秒間である。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64および演出球循環装置300が設けられる。センター飾り64は、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出球循環装置300は演出に用いるために動作させる装置であって、内部に演出球322が循環し、その循環の態様によって大当りの期待度の高さを示唆する。演出球循環装置300はセンター飾り64および演出表示装置60の左下方に設けられる。演出球循環装置300の内部には演出球322が転動する転動路が設けられ、遊技領域52の特定位置に区画された演出領域を形成しており、その中を演出球322が循環する。遊技領域52の左下部には、特別図柄保留表示装置20が設けられ、その対称位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に普通図柄保留表示装置22が設けられている。
特別図柄保留表示装置20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
普通図柄保留表示装置22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出表示装置60の上方には遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する操作入力手段であり、その操作入力の内容に応じて演出内容等に変化が加えられる。操作ボタン82は、下球皿16の左方の外壁面に設けられる。操作ボタン82は、十字キー82aと選択キー82bで構成され、十字キー82aは上下左右4つのボタンにより主に4つの方向を指示するために用いられ、選択キー82bは主に選択や決定を指示するために用いられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。特別図柄192は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって特別図柄192が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄192および装飾図柄190の変動が停止される。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口66が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口66の開閉ないし単位遊技が所定の複数回数、例えば15回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって特別遊技が終了される。これに対し、当否抽選が小当りと呼ばれる結果に該当した場合は小当り遊技が実行される。小当りは、当否抽選の判定結果としては外れに含まれる結果である。小当り遊技は、一部の種類の特別遊技と類似の態様にて実行される単位遊技である。ただし、小当り遊技として実行される単位遊技は1回だけであり、複数回数の単位遊技が実行される特別遊技とは異なる。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである特別図柄192および装飾図柄190の変動時間短縮(以下、適宜「時短」という)が開始される。特別図柄192および装飾図柄190の時短は、特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。特別図柄192および装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
特別図柄192および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長が実施されることにより始動口62への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。拡開機構63の開放延長は、拡開機構63の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、始動口62への入球容易性も増すため、始動口62への入球数が増加する可能性も高い。したがって、特別図柄192および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長という3つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても始動口62への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである当否抽選の確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。当否抽選の確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。当否抽選の確変は次の大当りが発生するまで継続されるが、変形例として、所定の限定的な回数の図柄変動がなされたときに終了する構成であってもよい。本実施例においては、確変が開始されるときに同時に特別図柄192および装飾図柄190の時短や入球容易状態も開始されるが、変形例として時短や入球容易状態の開始を伴わない確変が実行される場合があってもよい。
図2は、演出球循環装置300の内部構造と演出球循環装置300が有する回転体により演出球322を移動させる状態を示す。演出球循環装置300は、回転体機構302、筒状転動路304、入出規制機構306、可動収納機構308、収納路310、転動規制機構312、押出機構314、駆動機構316、入出規制機構用ガイドレール318、可動収納機構用ガイドレール320を有する。演出球循環装置300は、その内部に転動媒体としての複数の演出球322が循環しながら転動する演出領域を形成している。演出領域は遊技領域52に区画たれた領域であって、その演出領域はその外部の領域との間で物体の流入および流出を防止できる程度に密閉された空間として形成されている。すなわち、演出球322は演出球循環装置300の外部の領域に流出することはなく、また、外部の領域から遊技球が混入することもなければ遊技店店員や遊技者が演出球循環装置300の内部に手や道具を入れて演出球322などの内部の物体に触れることもできない構造となっている。
なお、本図および図3、4では演出球循環装置300の内部構造として入出規制機構306、可動収納機構308、押出機構314、入出規制機構用ガイドレール318、可動収納機構用ガイドレール320といった演出球322の収納部分が表出した状態を記載している。しかし、実際は図1に示すようにこれら収納部分を覆い隠すカバーが装着されて収納部分の内部はほぼ視認できない。一方、筒状転動路304、回転体機構302、収納路310といった転動部分には遊技者からも視認できる透過性の高い部材が用いられ、これら転動部分の部材を通して演出球322の転動する様子が遊技者から視認できる。
演出球322は、遊技の状態を示す複数のパラメータのうち少なくとも一つを、その転動する態様によって示唆するための演出用の媒体である。本実施例では、演出球322の転動態様により大当りの期待度の大きさを示唆する予告演出の一つとして機能する。筒状転動路304は、演出球322が転動する通路を形成する透過性の高い筒状の部材であり、この中を転動する演出球322の様子が透過し、その様子や演出球322の種類を遊技者は視認できる。筒状転動路304の中央下部には演出球322が通過して落下可能な落下口304a(「連通孔」として機能する)が設けられている。3つの演出球322は、それぞれいずれの種類であるかが遊技者から視覚的に識別可能となるよう互いに外観が異なる媒体として形成される。また、3つの演出球322は、後述する光センサにて検出が可能となるよう所定の反射率を有する材質からなり、また、それぞれいずれの種類であるかが後述の光センサの検出状態から判定可能となるよう互いに反射率が異なる媒体として形成される。本実施例では、3つの演出球322をいずれも樹脂材(例えばPP:ポリプロピレン)を球状に加工し、着色コーティングをして得ている。第1演出球322aには白色の配色がなされ、第2演出球322bには黄色の配色がなされ、第3演出球322cには赤色の配色がなされている。このような配色の違いから、光の反射率が第1演出球322a>第2演出球322b>第3演出球322cの順に高くなっている。
可動収納機構308は、第1演出球322aを収納する第1収納室308a、第2演出球322bを収納する第2収納室308b、第3演出球322cを収納する第3収納室308cを有する。可動収納機構308は、可動収納機構用ガイドレール320に沿って上下にスライドが可能であり、駆動機構316によって上下に駆動されてその位置が制御される。第1〜3収納室308a〜cのうちいずれかが転動の終了位置にあるときに演出球322がその収納室に収納される。転動の終了位置にある状態とは、本図にて図示するように可動収納機構308が可動収納機構用ガイドレール320に沿った下方に位置した状態であるが、3つの収納室のうち一度に一つの収納室が転動終了状態に置かれ得る。転動の終了位置の左方には右方へ発光して反射光を受光する光センサからなる収納センサ324が設けられ、収納センサ324は転動の終了位置にある収納室からの反射光の検出により演出球322の収納有無を検出する。3つの収納室についてそれぞれ転動の終了位置に置かれたときに収納有無を検出する。
本実施例では、第1収納センサ324a、第2収納センサ324b、第3収納センサ324cが設けられ、これら3つの収納センサ324の検出有無の組合せに基づき、第1演出球322a、第2演出球322b、第3演出球322cのいずれが収納されたかを判定する。すなわち、3つの収納センサ324が、同種(同色)の演出球322について反射光の受光感度が互いに異なるように設けられるため、いずれの演出球が収納されるかによって3つの収納センサ324による検出有無の組合せパターンが異なる。これを利用し、転動の終了位置にある収納室にいずれの演出球322が収納されたのかを判定する。この検出手法の詳細については後述する。
また、3つの収納室のうちいずれを転動終了位置に置くかで可動収納機構308の停止位置は異なるため、可動収納機構308の制御としてはいずれの収納室を転動終了位置に移動させるかによって動作幅も異なる。この状態から可動収納機構308を駆動すると、収納室は可動収納機構用ガイドレール320に沿って上方向に移動することにより、その収納室に収納された演出球322を転動の開始位置へ運搬する。転動の開始位置にある状態とは、可動収納機構308が可動収納機構用ガイドレール320に沿った上方に位置した状態である。転動開始位置についても3つの収納室のうち一度に一つの収納室だけが転動開始位置に置かれ得る。また、3つの収納室のうちいずれを転動開始位置に置くかで可動収納機構308の停止位置は異なるため、可動収納機構308の制御としてはいずれの収納室を転動開始位置に移動させるかによって動作幅も異なる。このように可動収納機構308の停止位置は、転動終了位置の3箇所と転動開始位置の3箇所あり、合計で少なくとも6箇所となる。
入出規制機構306は、可動収納機構308からの演出球322の排出と可動収納機構308への演出球322の収納を規制する機構である。入出規制機構306は、入出規制機構用ガイドレール318に沿って上下にスライドが可能であり、駆動機構316によって上下に駆動されてその位置が制御される。入出規制機構306は、図示する状態は初期状態であり、入出規制機構用ガイドレール318に沿った最下部に置かれた状態である。その初期状態においては、転動の開始位置に置かれた収納室からの演出球322の排出を排出シャッター306aが規制すると同時に、転動の終了位置に置かれた収納室への演出球322の収納を収納シャッター306bが規制する。すなわち、排出シャッター306aと収納シャッター306bは一体的に入出規制機構306として形成されているため、排出と収納を同時に規制することとなる。一方、入出規制機構306は、その動作状態においては入出規制機構用ガイドレール318に沿って上方へスライドされ、排出シャッター306aが排出口を開放し、収納シャッター306bが収納口を開放することにより、排出および収納の規制を同時に解除することとなる。なお、変形例においては排出シャッター306aと収納シャッター306bとが別々に制御でき、それぞれ異なるタイミングで開閉できるよう機構的に分離する形で入出規制機構306が構成されてもよい。
押出機構314は、収納室から演出球322を排出させるために、図でいう収納室の左側から右側の排出口に向けて演出球322を背後から円弧軌道で押し出すように動作する杵状部材314aを有する機構である。杵状部材314aは、入出規制機構306が動作状態となって排出口と収納口を開放した後、さらに入出規制機構306が可動収納機構用ガイドレール320に沿って上方へスライドして最上部に達するときにこれと連動して杵状部材314aが左から右へ演出球322を押し出す動作をする。このとき、杵状部材314aが収納室を貫通するように侵入することで入出規制機構306の上下方向の軌道と杵状部材314aの左右方向の円弧軌道とが交差する。したがって、入出規制機構306が動作状態にあるときは押出機構314も連動することで可動収納機構308の動作を干渉する位置状態となり得る。
回転体機構302は、円周方向に回転可能な略円盤状の部材と、その円盤面において中心から放射状に90度ごとの4位置に設けられる4つの収容室302a〜dと、を有する。各収容室は、略半球型のカップ状部材であり、演出球322を受けて一時的に収容できる。ただし、その収容状態は演出球322の略半分が収容されて残りの略半分が露出する形となる。各収容室の間は円弧状に形成された係止片にて間隙が埋められており、演出球322は各収容室にのみ収容され得るよう構成される。回転体機構302は時計回りと反時計回りのいずれも可能であり、予告演出パターンに定められた通りに回転動作や反転動作をする。その回転動作の態様によって遊技の状態を示す情報として大当りの期待度の高さを示唆する。回転体機構302の中心点と落下口304aの間には、上方に発光して反射光を受光する光センサからなる収容センサ326が設けられる。収容センサ326はその上方に位置する収容室からの反射光の検出によって演出球322の収容有無を検出する。4つの収容室についてそれぞれ収容センサ326の上方に置かれたときに演出球322の収容有無が検出される。
収納室から排出されて筒状転動路304を転動した演出球322は、回転体機構302が有する4つの収容室302a〜dのいずれかが落下口304aの直下にあるときその収容室へ落下して一時的に収容される。収容室が落下口304aの直下にないときは係止片に係止されるため、収容室の間には演出球322は落下しない。4つの収容室のうちいずれに演出球322が収容されるかによって大当りの期待度の高さを示唆する。各収容室のそれぞれについて大当りの期待度の高さを示唆するために、その外観に違いが設けられている。第1収容室302aには一本線が模様として描かれ、第2収容室302bには二本線、第3収容室302cには三本線、第4収容室302dには四本線が描かれており、線の本数が多いほど大当りの期待度が高いことを示唆する。本図では、第1演出球322aが第1収容室302aに収容された状態で回転体機構302が右回りに回転軌道上を移動して運搬される様子が示される。回転体機構302の左方には、回転体機構302の収容室と可動収納機構308の収納室を結ぶようにこれらの間に収納路310が形成されている。このように、回転体機構302は演出球322の排出から収納までの転動通路の一部を実質的に形成することとなる。
転動規制機構312は、図示するように、その初期状態において回転体機構302の収容室に収容された演出球322が収納路310に隣接する位置におかれたときに可動収納機構308の収納室に向かって転動することを規制する。また、その動作状態においては収容室と収納路310の間を開放することにより転動の規制を解除する。このように回転体機構302の収容室と可動収納機構308の収納室を結ぶ収納路310は、その可動収納機構308の側を入出規制機構306の収納シャッター306bにより開閉され、回転体機構302の側を転動規制機構312により開閉される。
なお、可動収納機構308を始めとする収納部分は、いわゆるワープゾーンと類似する外形で形成され、通常ワープゾーンが設置される位置に設けられている。一方、筒状転動路304は、ワープゾーンに接続されたいわゆるステージと類似する外形で形成され、通常ステージが設置される位置に設けられている。これにより、演出球322が排出されて筒状転動路304を転動する様子は、遊技球がワープゾーンを通じてステージに現れるのと類似する形で遊技者にも違和感のない演出として実現できる。
図3は、可動収納機構308から演出球322を排出させる状態を示す図である。本図は可動収納機構308が可動収納機構用ガイドレール320に沿って上方までスライドした状態であって、3つの収納室のうち第1収納室308aを、第1演出球322aが転動を開始する位置まで移動させた状態を示す。この状態で入出規制機構306が入出規制機構用ガイドレール318に沿って上方にスライドすると、排出シャッター306aが上方に移動することにより、第1収納室308aと筒状転動路304の間を結ぶ排出口が開放されて第1演出球322aの転動の規制が解除される。さらに、入出規制機構306が最上部へスライドすることで、これに連動して動作する押出機構314の杵状部材314aが第1演出球322aを背後から押し出す動作をする。これにより、第1演出球322aが筒状転動路304に押し出されて図のように転動を開始する。
本図の状態では、収納シャッター306bが上方へ移動することにより収納路310の可動収納機構308の側が開放されており、収納路310の回転体機構302の側にある転動規制機構312を閉鎖しておくことで回転体機構302からの演出球322の転動を規制する。
図4は、回転体機構302の収容室から可動収納機構308の収納室へ演出球322を収納させる状態を示す図である。本図は可動収納機構308が可動収納機構用ガイドレール320に沿って下方に位置した状態であって、3つの収納室のうち第1収納室308aを、第1演出球322aが転動を終了する位置まで移動させた状態を示す。この状態で入出規制機構306が入出規制機構用ガイドレール318に沿って上方にスライドすると、収納シャッター306bが上方に移動することにより、第1収納室308aと第1収容室302aの間を結ぶ収納路310の可動収納機構308の側が開放されて第1演出球322aの収納の規制が解除される。さらに、転動規制機構312が下方へスライドして収納路310の回転体機構302の側が開放される。これにより、第1演出球322aが第1収容室302aから第1収納室308aへ転動し、第1収納室308aに収納された時点で転動が終了する。転動規制機構312を初期状態の位置に戻して収納路310の回転体機構302の側を閉鎖し、入出規制機構306を最下部にスライドして収納シャッター306bにより収納路310の可動収納機構308の側を閉鎖する。
次に、演出球を検出するためのセンサの配置構成および検出方法について説明する。
図5〜図7は、収納センサ324の配置構成および検出方法を示す図である。図5は収納センサ324の配置構成を示し、図6は収納センサ324の検出特性および検出方法を示し、図7は収納センサ324による具体的検出態様を示している。図5に示すように、収納センサ324は、可動収納機構308の収納室に対して収納路310とは反対側に配置される。第1〜第3収納センサ324a〜cは、収納室に収納される演出球322から互いに等距離となるよう、演出球322の収納位置を中心とする仮想円上(二点鎖線参照)に配置され、かつその演出球322の中心にそれぞれの光軸が向く角度にて設置される。第1〜第3収納センサ324a〜cは、同種(同色)の演出球322について反射光の検出距離が互いに異なる。その結果、これらの収納センサを演出球322から等距離に配置しても、反射光の受光感度が互いに異なる。
すなわち、図6に示すように、第1演出球322aは、配色がC1(本実施例では白色)であるために反射率がXで最も高く、図5に示した配置構成では第1〜第3収納センサ324a〜324cの全てにより検出される。一方、第2演出球322bは、配色がC2(本実施例では黄色)であるために反射率がYの中程度であり、第1,2収納センサ324a,bでは検出されるが、第3収納センサ324cでは検出されない。第3演出球322cは、配色がC3(本実施例では赤色)であるために反射率がZで最も低く、第1収納センサ324aでは検出されるが、第2,第3収納センサ324b,cでは検出されない。
このような特性を利用し、転動終了位置にていずれの演出球322が収納されたかを判定する。すなわち、演出決定手段132は、第1〜第3収納センサ324a〜324cの全てにより検出がなされた場合、種別Aの第1演出球322aが検出されたと判定する。一方、第1,2収納センサ324a,bにより検出され、かつ第3収納センサ324cにより検出されなかった場合には、種別Bの第2演出球322bが検出されたと判定する。第1収納センサ324aにより検出され、かつ第2,第3収納センサ324b,cにより検出されなかった場合には、種別Cの第3演出球322cが検出されたと判定する。このように、本実施例では複数の光センサを用いることにより演出球322の種別を判定することができ、高価なカラーセンサを用いる必要がなくなる。なお、いずれの収納センサによっても検出されなければ、いずれの演出球322も収納されていないと判定する。
このような構成により、可動収納機構308の各収納室と、収納された演出球322の種別との対応関係に間違いがないか、つまり各演出球322が正規の収納室に収納されているか否かを判定することができる。演出球循環装置300が正常に動作していれば、図7(a)〜(c)に示す正常な検出状態となり(図中点線は不検出を示す)、第1収納室308aに第1演出球322aが収納されていると判定され、第2収納室308bに第2演出球322bが収納されたと判定され、第3収納室308cに第3演出球322cが収納されていると判定される。万が一収納室と演出球とが対応しない場合にはエラー判定がなされ、後述する保守動作にて修正される。
図8および図9は、収容センサ326の配置構成および検出方法を示す図である。図8は収容センサ326の配置構成および検出方法を示し、図9は収容センサ326の検出状態に基づき実行される処理を示している。図8(a)に示すように、収容センサ326は、回転体機構302における中心寄りの固定部(非回転部)に配置されている。このため、いずれかの収容室(図示の例では第1収容室302a)が回転体機構302の上死点に位置すると、筒状転動路304の落下口304aと、その収容部と、収容センサ326とが一直線上に配置される。なお、各収容室の底部には、演出球の下部を露出可能な程度の開口部302eが設けられている。収容センサ326は、上方に投光し、演出球322からの反射光を受光することによりこれを検出する。すなわち、図8(b),(c)に示すように、筒状転動路304を往復転動する演出球322、または筒状転動路304から収容部に落下して収容室に収容された演出球322を検出する。なお、本実施例では、いずれの演出球322についても検出が可能となるよう、収容センサ326として第1収納センサ324aと同種のもの、つまり受光感度が比較的高い光センサを採用している。
ところで、図8(b)に示すように演出球322が筒状転動路304にて往復転動をしている間は、収容センサ326による演出球322の検出は間欠的となり、短時間の検出を繰り返すようになる。一方、図8(c)に示すように演出球322が収容室に収容されると、収容センサ326により演出球322が継続的に検出される。本実施例ではこれらの関係を利用した検出判定を実行する。すなわち、演出決定手段132は、図9(a)に示すように、収容センサ326による検出継続時間tが判定基準値t1以上であれば(t≧t1)、演出球322が収容部に収容されていると判定し、予め設定した収容フラグをオンにする。一方、収容センサ326による検出がなされたものの、その検出継続時間tが判定基準値t1未満であれば(0<t<t1)、演出球322が筒状転動路304にて往復転動中であると判定し、予め設定した転動フラグをオンにする。演出球322の検出がない間は、両フラグともオフにされる。なお、判定基準値t1については、実験等により適切な値を設定する。例えば、演出球322が筒状転動路304から収容室へ落入する直前の検出継続時間を複数回サンプリングし、その平均値または最大値に所定の安全率をかけた値を設定してもよい。このように、収容センサ326の検出継続時間に基づいて演出球322の位置を検出することにより、筒状転動路304または回転体機構302の収容室のいずれに演出球322が位置するのかを一つの光センサにより検出することが可能となる。
このように筒状転動路304または収容室のいずれに演出球322が位置するかが判定可能であることを利用し、演出球322の位置および動作に基づく演出がなされる。具体的には図9(b)に示すように、演出球循環装置300の作動に合わせて遊技者の期待感を煽る特殊予告演出が実行される。この特殊予告は、演出球322が収納室から筒状転動路304へ排出する前はいずれの演出球322が排出されるかを煽り、演出球322の排出後、回転体機構302に収容される前はいずれの収容室に収容されるかを煽り、収容室への収容後は回転体機構302がどのような回転態様となるかを煽る演出である。この特殊予告は、演出表示装置60における特有の演出表示と特有の音声出力を伴う。
その特殊予告の過程で転動フラグがオンになると、その都度、特殊予告αが付加的に実行される。この特殊予告αは、筒状転動路304における演出球322の往復転動中にその演出球322が落下口304aに差し掛かるごとに、つまり転動フラグがオンにされるごとに特定の短い効果音を繰り返し出力するものである。本実施例では、筒状転動路304に排出された演出球322が種別Aであれば特殊予告α1を実行し、種別Bであれば特殊予告α2を実行し、種別Cであれば特殊予告α3を実行する。これらの特殊予告αは効果音の種類が互いに異なり、大当りの期待度は特殊予告α1<α2<α3とされている。
また、その特殊予告の過程で収容フラグがオンになると、その都度、特殊予告βが付加的に実行される。この特殊予告βは、演出球322が収容室に収容されたこと、つまり収容フラグがオンにされることを契機に特定の比較的長い効果音を出力するものである。本実施例では、収容室に収容された演出球の種別とその収容室の種別との組合せに応じて異なる特殊予告βが実行される。なお、第1〜4収容室302a〜dは、それぞれ種別a〜dとされる。図示の例では、演出球が種別Aであり収容室が種別aであれば特殊予告β1が実行される、といった具合に特殊予告β1〜β8が設定されている。これらの特殊予告βは効果音の種類が互いに異なり、大当りの期待度は特殊予告β1<β2<β3<β4<β5<β6<β7<β8とされている。転動フラグおよび収容フラグがいずれもオフであれば、特殊予告α,βは実行されない。なお、特殊予告α,βについてさらに細分化し、抽選によりいずれかを決定するようにしてもよい。
図10は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や演出球循環装置300の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による判定結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って演出球循環装置300や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図11は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、演出球循環装置300のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。なお、演出球循環装置300からは、収納センサ324や収容センサ326等の検出信号が入力される。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や演出球循環装置300、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への入球を契機に、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112が当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当りの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
当否抽選手段112は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための開放抽選として抽選値を取得する。当否抽選手段112は、開放抽選の抽選値と当否結果の対応関係が定められた当否テーブルを保持し、その当否テーブルを参照して開放抽選の当否結果を決定する。通常状態においては1/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照し、入球容易状態においては250/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
当否抽選手段112は、当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
図12は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。当否抽選手段112は、本判定としての当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。当否抽選手段112による当否抽選においては、通常時には図12(a)の通り、当否抽選値が0〜399の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には図12(b)の通り、大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜399の範囲に該当する場合だけでなく、400〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。大当りに該当した場合、15R大当りと2R大当りのいずれとなるか、および、確変を伴うか否かは、特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、当否抽選手段112が取得する当否抽選値が65000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図11に戻り、当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄のかたちで変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。当否抽選手段112は、図柄変動を開始するタイミングにおいて、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
当否抽選手段112は、始動口62への入球タイミングにおいては、事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。事前判定処理の結果は一時的に保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信される。そのため、サブ基板104の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。先読みの処理としては、後述するように当否判定、図柄判定、パターン判定の判定結果のすべての情報をサブ基板104に送信して先読み処理として使用する構成としてもよい。または、サブ基板104が、受信した情報のうち一つまたは二つの判定結果のみを使用する構成としてもよい。その他、確変や時短、入球容易状態などの遊技状態に応じて、受信した情報の使用有無や使用する情報の種類を決定してもよい。また、メイン基板102での処理として、遊技の状態に応じて、事前判定の可否、事前判定結果送信の有無、事前判定または事前判定結果送信を行なう情報の種類を適宜設定してもよい。
図13は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。当否抽選手段112は、この事前当否判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜399」の場合は大当りを示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「400〜2999」の場合は通常状態であれば外れであるが確変状態であれば大当りであることを示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜64999」の場合は外れを示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「65000〜65535」の場合は小当りを示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選手段112は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。なお、変形例として、当否抽選値の範囲と判定結果の対応関係として、一つの当否抽選値の範囲に複数の判定結果が対応付けられる関係が定義されてもよい。この場合、実際の当否結果とは異なる判定結果となる可能性があるが、必ずしも実際の当否結果とは一致しない不正確な判定結果を意図的に設定することがある対応関係としてもよい。
図11に戻り、図柄決定手段114は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。図柄決定手段114は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。図柄決定手段114は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による開放抽選の判定結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、開放抽選の判定結果を普通図柄のかたちで普通図柄表示装置59に変動表示させるために、開放抽選の判定結果に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が始動口62の拡開機構63を所定時間拡開する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
図14は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図14(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図14(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図14(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。図柄決定手段114は、本判定としての図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図14(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は確変を伴う15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「0〜99」に対応付けられる。種類「1」は確変を伴う2R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられる。種類「2」〜「4」は確変を伴わない15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「150〜189」に種類「2」が対応付けられ、「190〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。
図14(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図14(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、事前図柄判定においても図9のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1の抽選または第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
図11に戻り、変動パターン決定手段115は、特別図柄表示装置61および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得するパターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定してメイン表示制御手段118へ送る。変動パターン決定手段115は、図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、変動パターン決定手段115は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルを保持する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図15は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。変動パターン決定手段115は、本判定としての変動パターン判定において本図の変動パターンテーブルを参照する。変動パターン決定手段115は、当否判定結果が外れのときは図15(a)に示される外れ用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15R大当りのときは図15(b)に示される15R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図15(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
図15(a)においては、パターン抽選値0〜10には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値11〜20には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値21〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。また、外れ用の変動パターンテーブルは保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、通常状態を例とするその詳細は後述する。
図15(b)においては、パターン抽選値0〜120には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値121〜240には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図15(c)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図16は、外れ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブル210においては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、保留制御手段116による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、保留制御手段116による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212には、保留制御手段116による当否抽選値の保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214、第3欄216、第4欄218に、保留制御手段116による当否抽選値の保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218が保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、外れのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがその分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。なお、本図の第2欄214、第3欄216、第4欄218の各パターン抽選値範囲の割合と第1欄212におけるパターン抽選値範囲の割合を比較するために、第1欄212のパターン抽選値範囲の割合を示す破線を第2欄214、第3欄216、第4欄218に描いている。
第1範囲222には、抽選値が0から10までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が11から20までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から10までのパターン抽選値と抽選値が11から20までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が21から255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218にはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし外れ」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212では、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214では、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲より小さい。また、第3欄216および第4欄218では「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし外れ」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし外れ」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が0から1、2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなし外れ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。
第3欄216に対応付けられた「リーチなし外れ」の変動パターンは、第1欄212、第2欄214に対応付けられた「リーチなし外れ」よりも変動時間が短い、いわゆる「短縮変動」の変動パターンである。また、第4欄218に対応付けられた「リーチなし外れ」の変動パターンは、第1欄212、第2欄214に対応付けられた「リーチなし外れ」よりも変動時間が短く、第3欄216の「短縮変動」よりもさらに変動時間が短い、いわゆる「超短縮変動」の変動パターンである。
図17は、事前パターン判定で参照される事前パターン判定テーブルを模式的に示す図である。変動パターン決定手段115は、当否結果が外れの場合に図17(a)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜10」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「11〜20」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「21〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
変動パターン決定手段115は、当否結果が15R大当りの場合に図17(b)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜120」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「121〜240」の場合はその旨を示す「5」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「241〜250」の場合はその旨を示す「6」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「251〜255」の場合はその旨を示す「7」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
変動パターン決定手段115は、当否結果が2R大当りまたは小当りの場合に図17(c)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜122」の場合はその旨を示す「8」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「123〜255」の場合はその旨を示す「9」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。変動パターン決定手段115は、以上のようにパターン範囲を設定するたびにその値を保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
図11に戻り、変動パターン決定手段115は、普通図柄の変動表示時間を決定する。通常状態においては変動表示時間を60秒に決定し、入球容易状態においては変動表示時間を6秒に決定する。
保留制御手段116は、始動口62へ新たな入球があって新たに当否抽選が実行されるときにそれ以前の入球ないし抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな入球に基づく図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。本実施例では4個を上限に当否抽選値を保留球として記憶する。ここでいう当否抽選値は、当否抽選値、図柄抽選値、変動パターン抽選値を含む。保留制御手段116は、事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を保留球としてさらに記憶してもよい。ただし、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を記憶してもよい。保留制御手段116はさらに、当否抽選手段112により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ特別図柄保留表示装置20、普通図柄保留表示装置22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の判定結果を、変動パターン決定手段115により決定された変動パターンにしたがって特別図柄192の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、それ以前になされた当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。メイン表示制御手段118は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値を変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、15R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。15R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を約0.5秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、15R大当りと同様の開放態様で大入賞口66を開放させてもよい。
特定遊技実行手段122は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態および入球容易状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、図柄決定手段114により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態および入球容易状態は、特別図柄192の変動表示回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。ただし、同時に確変状態へ移行した場合は確変状態が続く限り時短状態および入球容易状態も継続される。すなわち、次の大当りが発生するまで継続される。このように時短状態および入球容易状態の終期は遊技状態に応じて定まる。時短状態においては、特別図柄192の変動表示時間が概ね短くなるよう、変動パターン決定手段115が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段116による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段116による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、拡開機構63の開放延長が実施される。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否抽選手段112による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段132は、当否抽選手段112から受け取る当否の判定結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、変動パターン決定手段115により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータからいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出し、その変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による当否の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。本実施例では、さらに予告演出において演出球循環装置300を動作させる。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。また、各予告演出パターンには、3つの演出球322のうちいずれを排出して循環させるか、4つの収容室のうちいずれに演出球322を収容させるか、回転体機構302をいずれの態様で回転させるか、の組合せについて定められている。これらの組合せによって大当りの期待度の高さが示唆される。
演出決定手段132は、当否の判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否の判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。また、循環させる演出球322の種類と、収容する収容室の種類と、回転体機構302の回転態様と、の組合せのうち、示唆する大当りの期待度が相対的に高い態様ほど、当否抽選が大当りの場合に高い確率で選択され、示唆する大当りの期待度が相対的に低い態様ほど、当否抽選が外れの場合に高い確率で選択される。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否の判定結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動開始コマンドを受け取ったときに新たな図柄変動を開始させる。
演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。演出表示制御手段134は、予告演出パターンにしたがって、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力、演出球循環装置300による予告演出などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい演出球循環装置300を演出的に動作させる。より具体的には、役物制御手段136は、演出決定手段132による決定にしたがって可動収納機構308、入出規制機構306、回転体機構302、転動規制機構312、押出機構314の動作を制御する。本実施例では、予告演出の一環として演出球循環装置300を動作させるため、役物制御手段136は演出決定手段132が選択した予告演出パターンに定められた演出球循環装置300の動作内容にしたがって制御する。予告演出パターンには、転動させて循環させる演出球322の種類、収容する収容室の種類、および回転体機構302の回転態様の組合せが定められている。演出球循環装置300の動作を制御するプログラムには、指定された種類の演出球322を排出させ、指定された収容室に収容し、指定された回転態様にて回転移動させ、最後に同じ収納室に収納させる過程が定められている。この一連の過程の間、他の演出球が重複して排出されないように制御することで、演出球はつねに同時に1個しか排出されず、転動しない。また、排出された演出球を必ず同じ収納室に収納させることで、演出球の入れ替わりも生じない。
<基本動作条件>
役物制御手段136は、以下の基本動作条件にしたがって演出球循環装置300の動作を制御する。
(1)可動収納機構308の基本動作条件
入出規制機構306が初期状態以外の状態にあるときは、役物制御手段136は可動収納機構308を動作させない。すなわち、役物制御手段136は、入出規制機構306が演出球322の排出および収納を規制する初期状態であることが確認できた場合に限り可動収納機構308を動作させ、初期状態以外の状態、例えば入出規制機構306が動作を開始していて排出シャッター306aまたは収納シャッター306bが少しでも開いていれば可動収納機構308を動作させない。したがって、役物制御手段136は、可動収納機構308を動作させる命令を受け取った場合、入出規制機構306が初期状態であることを確認できた場合に限り可動収納機構308を動作させる命令を実行する。
役物制御手段136は、駆動機構316による入出規制機構306の制御状態、例えば制御ステップ数などの情報を取得することにより、少なくとも入出規制機構306が初期状態である最下部に位置するか否かを確認することができる。もし入出規制機構306が初期状態にない状態であれば、入出規制機構306が上方へスライドして排出口と収納口を開放させた状態にある可能性もあれば、さらに最上部へスライドして押出機構314の杵状部材314aによる演出球322の押出が動作している可能性もある。あるいは、入出規制機構306が最下部の閉鎖状態と上方の開放状態との間に位置している可能性もある。いずれの場合でも、入出規制機構306が初期状態にないとすれば排出口と収納口が開放されている可能性があるため、可動収納機構308を動作させることで、排出口からの意図しない排出や、収納口を通じて収納室以外の箇所への落下が生じるおそれがある。また、杵状部材314aが動作中であれば可動収納機構308と杵状部材314aが交差した状態で可動収納機構308を下方向に移動させることになるため、押出機構314および収納室を破損させる原因となり得る。これらの不具合を回避するために、基本動作条件(1)が規定される。なお、変形例として、役物制御手段136は入出規制機構306の初期状態以外の位置状態を制御ステップ数などによってさらに取得できる構成でもよく、例えば入出規制機構306が開放状態となる位置以上にあることが確認された場合にだけ可動収納機構308の動作を禁止する制御をしてもよい。
(2)入出規制機構306の基本動作条件
可動収納機構308が有する3つの収納室のすべてが転動の開始位置と終了位置のいずれにもないときは、役物制御手段136は入出規制機構306を動作させない。すなわち、役物制御手段136は、第1収納室308a、第2収納室308b、第3収納室308cのいずれかが転動の開始位置または終了位置にあることを確認できた場合に限り入出規制機構306を動作させ、確認できない限り入出規制機構306を動作させない。また、転動規制機構312が初期位置である閉鎖状態以外の位置にあるときは、役物制御手段136は入出規制機構306を動作させない。すなわち、役物制御手段136は、転動規制機構312が収納路310の回転体機構302の側を閉鎖していることを確認できた場合に限り入出規制機構306を動作させ、確認できない限り動作状態とみなして入出規制機構306を動作させない。したがって、役物制御手段136は、入出規制機構306を動作させる命令を受け取った場合、可動収納機構308が転動の終了位置または転動の開始位置にあることを確認でき、かつ、転動規制機構312が初期状態にあることを確認できた場合に限り入出規制機構306を動作させる命令を実行する。
役物制御手段136は、駆動機構316による可動収納機構308の制御状態、例えば制御ステップ数などの情報を取得することにより、少なくとも可動収納機構308の3つの収納室のいずれかが筒状転動路304に隣接する転動開始位置にあるのか、収納路310に隣接する転動終了位置にあるのか、あるいはそれらの位置にないのかを確認することができる。もし収納室が収納路310に隣接する状態でないときに、収納シャッター306bを開放してしまうと演出球322が収納室に収納されずに可動収納機構308の外に落下してしまうおそれがある。こうした不具合を未然に確実に回避するために基本動作条件(2)が規定される。
(3)転動規制機構312の基本動作条件
可動収納機構308が有する3つの収納室のすべてが転動終了位置以外の位置にあるときは、役物制御手段136は転動規制機構312を動作させない。また、入出規制機構306が全開状態でないとき、すなわち入出規制機構306が初期状態や半開きのときは、役物制御手段136は転動規制機構312を動作させない。さらに、回転体機構302が有する4つの収容室のいずれかが収納路310に隣接する位置にあることとなる90度ごとの4つの位置状態のいずれかにないときは、役物制御手段136は転動規制機構312を動作させない。したがって、役物制御手段136は、転動規制機構312を動作させる命令を受け取ったときは、可動収納機構308が転動の終了位置にあること、入出規制機構306による収納の規制を解除する全開状態であること、および、回転体機構302のいずれかの収容室が90度ごとの収納路310に隣接する近傍位置にあること、をすべて確認できた場合に限り転動規制機構312を動作させる命令を実行する。
役物制御手段136は、回転体機構302の制御状態の情報を取得することにより、少なくとも回転体機構302の4つの収容室が、落下口304aの直下の位置を初めとする90度ごとの4箇所に位置しているか否かを確認することができる。もし収納口の位置に収納室がなく、収納シャッター306bも開放されておらず、演出球322を収容する収容室が収納路310に隣接する位置にない状態で転動規制機構312を動作させても、演出球322が収容室から転動しないか、演出球322が収納路310に留まってしまうか、収納室に転動せずに収納室外に落下してしまうだけである。これらの不具合を未然に確実に回避するために基本動作条件(3)が規定される。
(4)回転体機構302の基本動作条件
転動規制機構312が演出球322の転動を規制する初期状態以外の位置にあるときは、役物制御手段136は回転体機構302を動作させない。すなわち、役物制御手段136は、回転体機構302を動作させる命令を受け取ったときは、転動規制機構312が転動を規制する初期状態であることが確認できた場合に限り回転体機構302を動作させる命令を実行する。
役物制御手段136は、転動規制機構312の制御状態の情報を取得することにより、少なくとも転動規制機構312が収納路310の回転体機構302の側を閉鎖する初期状態にあるか否かを確認することができる。もし転動規制機構312が初期状態になく収納路310が開放された状態で回転体機構302を回転させてしまうと、転動規制機構312を動作させるタイミングと無関係に収容室から演出球322が収納路310へ転動してしまうおそれがある。しかも収容室と収納路310の間で演出球322が挟まって不具合を生じさせるおそれもある。このような不具合を未然に確実に回避するために基本動作条件(4)が規定される。
図18は、演出球を用いた予告演出として演出球循環装置300を制御する過程を示すフローチャートである。図19は、可動収納機構308および回転体機構302の基本制御条件を示すフローチャートである。図20は、入出規制機構306および転動規制機構312の基本制御条件を示すフローチャートである。図18において、所定の予告演出パターンにしたがい、役物制御手段136が演出決定手段132または演出表示制御手段134から演出球循環装置300の制御実行を開始するコマンドを受け取った場合(S400のY)、コマンドに指定された特定種類の演出球322が収納された収納室を転動開始位置へ移動開始させるために可動収納機構308の制御を開始する(S402)。ここで、S402における可動収納機構308の基本動作条件(1)として、図19(a)に示すように入出規制機構306が初期状態にあるか否かを確認し、初期状態以外の状態である場合(S430のN)、入出規制機構306が動作中でなければ動作させ(S431)、初期状態となるまで繰り返しS431を実行して待機し(S430のN)、初期状態であることが確認できた場合は(S430のY)、可動収納機構308を動作させる(S432)。なお、S431の動作は後述の図20(a)に示す入出規制機構306の基本動作条件(2)にしたがう。
図18に戻り、指定された収納室が転動開始位置に到達していなければ到達まで待機し(S404のN)、転動開始位置に到達した場合(S404のY)、入出規制機構306を開閉動作を実行する(S410)。この開閉動作は、入出規制機構306を最上部までスライドして全開状態とし、押出機構314を動作させた後で入出規制機構306を最下部にスライドして閉じる動作である。これにより、入出規制機構306に連動する杵状部材314aによって収納室から演出球322が押し出され、排出される。筒状転動路304を転動する演出球322は、落下口304aの位置にて回転体機構302の係止片に係止された状態で落下口304aの直下に収容室が来るのを待つ。ここで、S410における入出規制機構306の基本動作条件(2)として、図20(a)に示すようにいずれかの収納室が転動の開始位置または終了位置にある状態以外の状態である場合(S450のN)、可動収納機構308が動作中でなければ動作させ(S451)、収納室が転動の開始位置または終了位置の状態になるまで繰り返しS451を実行して待機する(S450のN)。いずれかの収納室が転動の開始位置または終了位置の状態であることが確認できた場合(S450のY)、転動規制機構312が初期状態以外の状態である場合は(S452のN)、転動規制機構312を動作させ(S453)、初期状態となるまで繰り返しS453を実行して待機する(S452のN)。転動規制機構312が初期状態であることが確認できた場合は(S452のY)、入出規制機構306の動作を開始する(S454)。なお、S451の動作は図19(a)に示す可動収納機構308の基本動作条件(1)にしたがい、S453の動作は後述の図20(b)に示す転動規制機構312の基本動作条件(3)にしたがう。
図18に戻り、コマンドに指定された回転体機構302における特定の収容室を落下口304aの直下へ移動させるために回転体機構302の制御を開始する(S411)。ここで、S411における回転体機構302の基本動作条件(4)として、図19(b)に示すように転動規制機構312が初期状態以外の状態である場合(S440のN)、転動規制機構312が動作中でなければ動作させ(S441)、初期状態となるまでS441を実行して待機し(S440のN)、初期状態であることが確認できた場合は(S440のY)、回転体機構302を動作させる(S442)。なお、S441の動作は後述の図20(b)に示す転動規制機構312の基本動作条件(3)にしたがう。
図18に戻り、演出球322が落下口304aを落下して回転体機構302の収容室に収容されていなければ収容されるまで待機し(S412のN)、収容室に収容されたことが確認できた場合は(S412のY)、回転体機構302の回転動作を開始させ(S414)、コマンドに指定された収納室、すなわち演出球322が排出された収納室と同じ収納室を転動終了位置へ移動開始させる動作をする(S416)。ここで、S414における回転体機構302の基本動作条件(4)として、上述の図19(b)を実行する。また、S416における可動収納機構308の基本動作条件(1)として、上述の図19(a)を実行する。
演出球322を収容した収容室が収納路310の近傍位置に到達していなければ到達まで待機する(S418のN)。収容室が収納路310の近傍位置に到達した場合(S418のY)、収納室が転動終了位置に到達していなければ到達まで待機する(S420のN)。転動終了位置に到達した場合(S420のY)、入出規制機構306を開ける動作を実行し(S422)、転動規制機構312を開ける動作を実行し(S424)、転動規制機構312を閉じる動作を実行し(S426)、入出規制機構306を閉じる動作を実行する(S428)。S422およびS428における入出規制機構306の基本動作条件(2)としては、上述の図20(a)を実行する。S424およびS426における転動規制機構312の基本動作条件(3)としては、図20(b)に示すようにいずれかの収納室が転動終了位置にある状態でなく(S460のN)、可動収納機構308が動作中でなければ可動収納機構308を動作させ(S461)、転動終了位置にある状態になるまでS461を実行して待機する(S460のN)。転動終了位置にある状態の場合(S460のY)、収納シャッター306bが全開状態でない場合は(S462のN)、入出規制機構306が動作中でなければ動作させ(S463)、収納シャッター306bが全開状態になるまでS463を実行して待機する(S462のN)。収納シャッター306bが全開状態となった場合は(S462のY)、いずれかの収容室が90度ごとの位置状態でない場合(S464のN)、回転体機構302が動作中でなければ動作させ(S465)、90度ごとの位置状態となるまでS465を実行して待機する(S464のN)。90度ごとの位置状態である場合は(S464のY)、転動規制機構312を動作させる(S466)。なお、S461の動作は図19(a)に示す可動収納機構308の基本動作条件(1)にしたがい、S463の動作は図20(a)に示す入出規制機構306の基本動作条件(2)にしたがい、S465の動作は図19(b)に示す回転体機構302の基本動作条件(4)にしたがう。以上のような基本動作条件にしたがいながら演出球循環装置300の各部を制御することで、互いの干渉や演出球322の収納室外への落下、各部の破損などを未然に回避することができる。万が一、制御上の不具合があったとしても、また、万が一、遊技機に対して想定外の外部圧力や操作が加えられた場合でも、基本動作条件にしたがうことで不測の故障を予防できる。S400において、演出球循環装置300の制御実行を開始するコマンドを役物制御手段136が受け取っていないときはS402からS428までの制御をスキップする(S400のN)。
<初期化動作>
ぱちんこ遊技機10の電源投入時は、役物制御手段136は演出球循環装置300に関して初期化動作を実行する。この初期化動作とは、演出球循環装置300に含まれる入出規制機構306、可動収納機構308、回転体機構302、転動規制機構312の位置状態を初期化するためにあらかじめ定められた動作である。しかし、ぱちんこ遊技機10の電源を投入する状況とは、通常の手続で電源投入がなされた状況と例外的な電源投入の状況とがある。通常の手続による電源投入は、例えば遊技店の営業終了時間に遊技店員が正規の手順でぱちんこ遊技機10の電源を終了させた場合におけるその翌日の営業開始前などの状況における電源の投入である。例外的な電源投入の状況は、遊技店における停電や電源の瞬断に起因する突然の電源強制終了後などの状況における電源投入である。後者の場合、正規の手順でぱちんこ遊技機10の電源終了動作がなされないまま、何らかの動作状態のままで強制終了され、次の電源投入時にその強制終了の状態から電源供給が再開されることとなる。そのため、役物制御手段136は電源投入時にまずは正規の手順で終了されているか、強制終了されているかを判別する必要がある。そして、電源投入時においては演出球322の転動状況や、可動収納機構308、入出規制機構306、転動規制機構312、回転体機構302などの動作状況に応じた初期化のための動作を実行する。
例外的な強制終了を考慮すると、ぱちんこ遊技機10の電源投入時における演出球322および演出球循環装置300が置かれた状況としては、大きく分けて4つの状態が考えられる。すなわち、演出球322が収納室に収納された状態である第1の状態と、演出球322が収納室から排出される途中の状態である第2の状態と、演出球322が収納室に収納される途中の状態である第3の状態と、第2の状態と第3の状態の間の状態である第4の状態である。
第1の状態は、第1演出球322a、第2演出球322b、第3演出球322cのすべてが第1収納室308a、第2収納室308b、第3収納室308cにそれぞれ収納されて排出シャッター306aおよび収納シャッター306bが閉じられた状態である。可動収納機構308の位置状態は初期状態または動作状態のいずれも含まれる。
第2の状態は、第1収納室308a、第2収納室308b、第3収納室308cのいずれかが演出球322の転動開始位置にあり、排出シャッター306aは排出口を閉じた状態ではない。いわば半開きの状態であってこれから演出球322が排出されようとしていた状態、全開状態ではあるが杵状部材314aがこれから押し出そうとしていた状態、押し出す途中の状態、押し出した直後の状態、押し出した後で排出シャッター306aを閉じる途中の半開き状態などが考えられる。
第3の状態は、第1収納室308a、第2収納室308b、第3収納室308cのいずれかが演出球322の転動終了位置にあり、収納シャッター306bは収納口を閉じた状態ではない。いわば半開きの状態または全開の状態であってこれから転動規制機構312が開いて演出球322が収納されようとしていた状態、収納はされたが収納シャッター306bを閉じる前の状態、収納シャッター306bを閉じる途中の半開き状態などである。
第4の状態は、収納室から演出球322が排出されて排出シャッター306aおよび収納シャッター306bは閉じられた状態である。なお、第4の状態として、例えば演出球322が収納路310に滞留した状態は通常考えられない。上述した「基本動作条件」にしたがって演出球循環装置300が制御される限り、収納室が転動終了位置になく収納シャッター306bも開いていない状態では転動規制機構312が開かれることはないためである。
役物制御手段136は、以上の4つの状態のうち、ぱちんこ遊技機10の電源投入時において第2の状態または第3の状態の可能性があることが確認できた場合は可動収納機構308の所定の初期化動作の実行を規制する。また、第2の状態または第3の状態を解消する所定の動作を実行してから可動収納機構308の初期化動作を実行する。
役物制御手段136は、ぱちんこ遊技機10の電源投入時において入出規制機構306の状態を最優先で確認する。入出規制機構306が演出球322の排出および収納を規制する初期状態以外の状態であることが確認できた場合は、第2の状態または第3の状態の可能性があるものと判定する。この場合、役物制御手段136はいったん可動収納機構308の所定の初期化動作の実行を規制し、可動収納機構308の位置に応じた手順にて入出規制機構306の初期化動作を実行することにより第2の状態または第3の状態を解消する。その解消の後で可動収納機構308の初期化動作を実行する。
図21は、演出球循環装置300の初期化動作の過程を示すフローチャートである。演出球循環装置300の初期化動作が開始されると、まず最優先で入出規制機構306が初期状態であるかを確認し、初期状態であることが確認できた場合は(S470のY)、少なくとも演出球322の排出中や収納中での電断に起因する電源投入ではないと判定して以降の中断状態の解消動作をスキップして通常の初期化動作に移行する(S490)。入出規制機構306が初期状態ではなかった場合(S470のN)、すなわち入出規制機構306が全開または半開きであった場合は、第2の状態または第3の状態を解消するために以降の各種中断状態の解消動作に移行する。
まず可動収納機構308のいずれかの収納室が転動開始位置にあった場合(S472のY)、演出球322の排出中、すなわち排出直前から直後までの間における電断に起因する電源投入であったと判定して入出規制機構306を初期化(S488)してから通常の初期化動作に移る(S490)。S488における入出規制機構306の初期化動作は、入出規制機構306を全閉状態と全開状態との間で上下に往復動作させる処理と、全開状態で押出機構314の杵状部材314aを動作させる処理とが含まれる。この場合の入出規制機構306の動作もまた、図20(a)に示す入出規制機構306の基本動作条件(2)にしたがう。S488において入出規制機構306の初期化動作を実行することにより、転動開始位置にある収納室に演出球322がまだ残っていた状態での電断であれば入出規制機構306を全開にさせて杵状部材314aで押し出すことにより排出を完了させて入出規制機構306を全閉状態にできる。また、転動開始位置にある収納室から演出球322が排出された直後の状態での電断であったなら、入出規制機構306を全閉状態にして排出を終了させることができる。以上のような排出中断状態の解消動作を経て通常初期化動作(S490)へ移る。
次にいずれかの収納室が転動開始位置ではなく(S472のN)、転動終了位置にあった場合は(S474のY)、少なくとも演出球322の収納中、すなわち収納直前から直後までの間における電断に起因する電源投入であったと判定する。ここで、転動規制機構312が初期状態であった場合(S476のY)、S488と同様に入出規制機構306の初期化動作を実行した上で(S478)、入出規制機構306を開く状態にし(S480)、転動規制機構312の初期化動作を実行し(S482)、入出規制機構306を閉じた状態にする(S484)。S482における転動規制機構312の初期化動作は、転動規制機構312の全閉状態と全開状態との間で上下に往復動作させる処理を含む。この場合の転動規制機構312の動作もまた、図20(b)に示す転動規制機構312の基本動作条件(3)にしたがい、入出規制機構306の動作もまた、図20(a)に示す入出規制機構306の基本動作条件(2)にしたがう。以上のような収納中断状態の解消動作を経て通常初期化動作(S490)へ移る。
S476において転動規制機構312が初期状態でなかった場合(S476のN)、すなわち転動規制機構312が全開または半開きであった場合は、上述の基本動作条件(3)にしたがって制御されている限り入出規制機構306が少なくとも初期状態であることはないため、S478およびS480のような入出規制機構306を動作させる処理を経ずにS482と同様の転動規制機構312の初期化動作を実行してから(S486)、入出規制機構306の初期化動作を実行して入出規制機構306を閉じる(S488)。以上のような収納中断状態の解消動作を経て通常初期化動作(S490)へ移る。
S474において収納室が転動終了位置になかった場合(S474のN)、入出規制機構306が開いているにもかかわらずすべての収納室が転動開始位置にも転動終了位置にもなかった例外的な状況であると判定する。この場合、S476からS482をスキップして入出規制機構306を閉じることにより(S484)、少なくとも入出規制機構306の開放状態を解消してから通常初期化動作(S490)へ移る。以上のような解消動作を経たS490の通常初期化動作の後、保守動作を実行する(S492)。
図22は、図21におけるS490の通常初期化動作を詳細に示すフローチャートである。通常の初期化動作としては、少なくとも演出球322の排出中状態や収納中状態の解消動作が必要ないかすでに解消済みであることを前提に以下の制御がなされる。まず、可動収納機構308の初期化動作を実行し(S530)、各収納室に演出球322が収納されているか否かを検出し(S532)、回転体機構302の初期化動作を実行し(S534)、各収容室に演出球322が収容されているか否かを検出する(S536)。ここで、すべての収納室から演出球322が検出された場合(S538のY)、いずれの収容室にも演出球322が検出されなければ(S540のN)、役物制御手段136は、入出規制機構306の初期化動作を実行して(S544)、入出規制機構306を開き(S546)、回転体機構302の初期化動作を実行して(S548)、入出規制機構306を閉じる(S550)。これにより、例えば図15のS470のYによりまだ入出規制機構306や回転体機構302の初期化が済んでいない状況でも入出規制機構306および回転体機構302の初期化が担保される。また、いずれかの収納室に空きがあった場合(S538のN)、収納の準備処理として、空いている収納室を転動終了位置に移動させ、演出球322が収容されている収容室を収納路310に隣接する位置に移動してS544へ移行する(S542)。この状態でS544〜S550の制御をすることにより演出球322が収納路310に転動して収納室に収納される。以上の動作により通常の初期化動作が完了する。
なお、S538で全収納室に演出球322が検出された上で、S540においていずれかの収容室でさらに演出球322が検出された場合(S540のY)、演出球322を検出するセンサの不具合または誤検出、あるいはプログラムの誤動作といった例外的な状況であると考えられるため、初期動作を中断して所定のエラー処理を実行する(S552)。
<保守動作>
演出球循環装置300は、遊技領域52からの遊技球混入、演出球322の外部流出、遊技者の接触などに起因する不具合を防止するため、少なくとも外部ないし遊技領域52との間で物体の流入および流出を防止できる程度に密閉された空間として形成されている。また、第1演出球322a、第2演出球322b、第3演出球322cは、第1収納室308a、第2収納室308b、第3収納室308cからそれぞれ排出され、それぞれ再び第1収納室308a、第2収納室308b、第3収納室308cに収納される。いずれかの演出球322が排出された後は必ず排出元の収納室を転動終了位置へ移動させ、その間は他の演出球322を排出させないことで、それぞれの演出球がつねに同じ収納室から排出されて同じ収納室に収納されることを担保する。
しかしながら、何らかの外部圧力や誤動作といった想定外の事態によって複数の演出球が転動してしまったり、いずれかの演出球が正規の循環軌道から外れてしまったり、異なる収納室に収納されてしまったりする例外的な事態を100%防止することは難しい。そのような万が一の事態が発生してしまった場合でも、演出球循環装置300の演出領域は上述の通り密閉されているため、例えそのような不具合を遊技店店員が手作業で解消したくとも、演出球循環装置300の内部にアクセスして部品に接触することが困難なため解消できないことになってしまう。そこで、本実施例では、ぱちんこ遊技機10の電源投入時に通常初期化動作に引き続き、保守動作を実行する。
図23は、保守動作における演出球循環装置300の制御過程であって図21のS492を詳細に示すフローチャートである。この保守動作においては、まず、第1収納室308aを転動終了位置へ移動させる(S560)。そして、収納センサ324の検出に基づいて現在収納されている演出球322の種別を判定し、それが第1収納室308aに対応するものであるか否か、つまり収納室と演出球とが整合しているか否かを確認する(S562)。この確認を第2収納室308bおよび第3収納室308cについても順次実行する(S564のN)。そして、全ての確認が終了したとき(S564のY)、収納室と演出球との対応関係が全て整合していれば(S566のY)、S568〜S590の処理をスキップし、保守動作終了処理を実行する(S592)。例えば、正常である旨を演出表示装置60に表示する。
一方、いずれかの対応関係が整合していない場合には(S566のN)、不整合と判定された収納室のうち、最も上段側にあるものを転動開始位置へ移行させる。そして、いずれか空いている収容室が落下口304aの直下へ位置するまで回転体機構302を動作させ(S570)、入出規制機構306を動作させる(S572)。これにより、排出シャッター306aの開閉および押出機構314が動作することで収納室の演出球が押し出されて排出される。そして、収容センサ326によりその収容室に演出球が収容されたことが検出されると(S574のY)、その収容室の種別と演出球の種別を記憶しておく。なお、この演出球の種別については上述した整合性を確認する段階で判明しており、収容室の種別については内部的に把握されている。このS568〜S576の処理を、不整合の収容室がなくなるまで繰り返し実行する(S578のN)。この処理を継続する場合、後続する演出球は、先の演出球が収容された収容室を90度回転させることにより落下口304aの直下へ移動した収容室に収容されることになる。なお、本構成においては収納室が3つ、演出球が3つであるため、不整合の収容室が一つであることはあり得ないため、S568〜S576の処理は、2回または3回実行されることになる。
このようにして不整合と判定された収容室の全てから演出球が排出されると(S578のY)、続いて可動収納機構308を駆動し、最初に収容室に収容された演出球に対応する収納室を転動終了位置へ移動させる(S580)。そして、回転体機構302を動作させて先に演出球が収容された収容室を収納路310の位置に移動させる。続いて、役物制御手段136は入出規制機構306を動作させて収納シャッター306bを開き(S584)、転動規制機構312を動作させて開閉する(S586)。転動規制機構312が開かれたときに、収容室から演出球が収納室に収納されるので、役物制御手段136は入出規制機構306を動作させて収納シャッター306bを閉じる(S588)。以上のようなS580〜S588の制御を後続の演出球322についても実行し、3つの演出球322がすべて収納室に収納されたことが確認できたときにS560に戻り(S590のY)、収納室と演出球との整合性を再度確認する。そして、収納室と演出球との対応関係が全て整合したことが確認できれば(S566のY)、保守動作終了処理を実行する(S592)。
図24は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入球した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当り遊技の制御処理を実行し(S17)、S10の入賞処理においてセットされた賞球数により各種の入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図25は、図24におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。始動口62に入球があった場合(S20のY)、始動口62に対応する賞球数をセットし(S22)、保留制御手段116による保留数が4未満であるか否かを参照してさらなる保留が可能な状態であれば(S24のY)、当否抽選値を取得する(S26)。その当否抽選値に基づいて当否判定する事前判定処理を実行し(S28)、当否抽選値を保留制御手段116に保留する(S30)。S20において始動口62への入球がない場合はS22からS30までの処理をスキップする(S20のN)。S24において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合はS26からS30までの処理をスキップする(S24のN)。
一般入賞口72に入球があった場合は(S32のY)、一般入賞口72に対応する賞球数をセットし(S34)、一般入賞口72への入球がないときはS34をスキップする(S32のN)。大入賞口66に入球があった場合は(S36のY)、大入賞口66に対応する賞球数をセットし(S38)、大入賞口66への入球がないときはS38をスキップする(S36のN)。
図26は、図25におけるS28の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、事前当否判定テーブルを参照して事前当否判定を実行し(S40)、その判定結果として当否範囲を示す値を設定し(S42)、事前図柄判定テーブルを参照して事前図柄判定を実行し(S44)、その判定結果として図柄範囲を示す値を設定し(S46)、事前パターン判定テーブルを参照して事前パターン判定を実行し(S48)、その判定結果としてパターン範囲を示す値を設定する(S50)。以上のように設定された事前判定結果の値が、保留の個数とともに一時的に保存され、サブ基板104の図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信される(S52)。
図27は、図24におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理は、サブ基板104における先読み処理が実行され(S250)、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行(S252)、サブ基板104における装飾図柄変動処理の実行(S254)が、繰り返し処理されることとなる。
図28は、図27におけるS250の先読み処理を詳細に示すフローチャートである。いわゆる先読みによって得られる情報に基づいてどのような演出をサブ基板104において実行するか、また事前判定結果がどのような結果の場合にその結果に応じた演出を実行するかといった基準は、ぱちんこ遊技機10における遊技性の設計に応じて種々考えられる。本実施例においては、「スーパー1」の変動パターンが選択されたことを事前判定処理の結果に基づいてあらかじめサブ基板104側でも認識し、予告演出により大当りの期待度が高いことを演出的に示唆することとする。
サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から事前判定結果を受信した場合(S260のY)、演出表示制御手段134は事前判定結果とともに受信した当否範囲、パターン範囲および保留数の情報に基づいて、その時点での保留数が予告演出の実行に必要な回数以上の図柄変動が確保される保留数となっており(S264のY)、事前判定により設定された当否範囲の値が「1」でパターン範囲の値が「4」の場合、すなわち確変状態であるか否かにかかわらず大当り確定となり、「スーパー1」を伴う場合(S266のY)、事前演出設定をオンにする(S272)。一方、その当否範囲の値がこれと異なる値であっても(S266のN)、事前判定により設定された当否範囲の値が「3」でパターン範囲の値が「1」の場合、すなわち外れ確定にはなるが「スーパー1」を伴う場合にも(S268のY)、事前演出設定をオンにする(S272)。
S268において当否範囲の値とパターン範囲の値が該当しない場合は(S268のN)、S272をスキップする。保留数が所定数に満たない場合は(S264のN)、S266からS272までの処理をスキップする。事前判定処理の結果を受信していない場合は本図のフロー全体をスキップする(S260のN)。なお、本図の例では、事前判定により設定された当否範囲とパターン範囲に基づいて事前演出設定をオンすべきか否かを決定する。変形例としては事前判定結果として送られる当否範囲およびパターン範囲のいずれかの情報を用いて事前演出設定をオンすべきか否かを決定してもよいし、事前演出設定をオンするか否かを別途抽選で決定してもよい。本実施例では、通常時か確変時かを問わず当否判定の結果が大当りとなる値の場合、すなわち大当り確定の場合に事前演出設定をオンにする例を示したが、確変時にのみ大当りとなる場合、あるいは小当りとなる場合に事前演出設定をオンにするようにしてもよい。あるいは、15R大当りまたは2R大当りのときに、事前演出設定をオンにするようにしてもよい。
図29は、図27におけるS252の特別図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S60のN)、保留制御手段116により当否抽選値の保留がなされている場合(S70のY)、当否抽選手段112が保留制御手段116から当否抽選値を読み出してあらためて特別図柄192の当否を判定し(S72)、図柄決定手段114が特別図柄192を決定し(S74)、変動パターン決定手段115が特別図柄192の変動パターンを決定し(S76)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して特別図柄192の図柄変動を開始する(S77)。保留制御手段116により抽選値の保留がなされていない場合はS72からS77までの処理をスキップする(S70のN)。
すでに図柄変動表示が開始されている場合(S60のY)、特別図柄の図柄変動表示を処理し(S78)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S80のY)、変動停止コマンドをサブ基板104へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S82)、本図のフローを終了する。図柄表示の停止タイミングに達していない場合はS82の処理をスキップして本図のフローを終了する(S80のN)。
図30は、図27におけるS254の装飾図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S280のY)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S282)、新たな変動演出パターンを決定する(S284)。また、新たな予告演出パターンを決定する(S285)。ここで、事前演出設定がオンになっていた場合(S286のY)、上述した特殊予告演出の内容を設定して事前演出設定をオフに戻す(S292)。S286において事前演出設定がオンになっていなかった場合はS292をスキップする(S286のN)。その後、装飾図柄の変動表示を開始するとともに予告演出が決定されているときは予告演出を開始する(S296)。予告演出として演出球循環装置300を用いた特殊予告演出の実行が決定されている場合は、図18の制御を開始する。メイン基板102から変動開始コマンドを受信しなかった場合はS282からS296をスキップする(S280のN)。
すでに装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S298のY)、その図柄変動や予告演出の表示処理を実行し(S300)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S302のY)、S282で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで変動表示を停止する(S304)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときはS304をスキップし(S302のN)、変動表示が開始済みでないときはS300からS304をスキップする(S298のN)。
図31は、図30におけるS296において特殊予告演出が開始された場合の演出制御処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、転動フラグがオンであれば(S600のY)、その転動フラグをオフにしたうえで(S602)、特殊予告αを実行する(S604)。なお、特殊予告αの決定については、図9(b)に関して説明した通りである。転動フラグがオンでなければ(S600のN)、S602およびS604の処理をスキップする。また、収容フラグがオンであれば(S608のY)、その収容フラグをオフにしたうえで(S610)、特殊予告βを実行する(S612)。なお、特殊予告βの決定については、図9(b)に関して説明した通りである。収容フラグがオンでなければ(S608のN)、S610およびS612の処理をスキップする。
図32は、図24におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否の判定結果が大当りであった場合(S90のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口66の開放処理を実行する(S100)。このとき、設定された大当り演出の表示も開始する。大入賞口66が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、特別遊技を開始して(S94)、その開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し(S110)、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、特定遊技、すなわち確変、時短、および入球容易状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図33は、図32におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、通過フラグを一律にオフにするとともに開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口66を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図34は、図32におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口66を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口66を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口66への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。15R大当りの場合は、その開放開始から30秒の経過であり、2R大当りの場合は、その開放開始から0.5秒の経過である。ただし、0.5秒の開放は極めて短いため、10球以上の入球はもちろん、入球そのものが困難である。その大入賞口の開放と同時に遊技球を打ち出したとしても入球困難であるため、大入賞口66の極短開放が行われる2R大当りについては、大入賞口66の開放前にその開放を予測して遊技球を打ち出す必要がある。一方、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から30秒の経過である。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施例においてこの継続上限回数は15回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図35は、図24におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否の判定結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口66の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S162)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当り遊技を開始して(S154)、2R大当りと同様の開始デモ演出の表示を開始し(S156)、本処理を一旦終了する。
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S178)。終了デモ演出が終了していない場合は(S176のN)、S178の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、本図のS152以降のフローをスキップする。
図36は、図35におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口66の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図37は、図35におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口66を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、大入賞口66の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
尚、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、複数の実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせることも可能である。
(変形例1)
図38は、変形例に係る収容センサ326の配置構成および検出方法を示す図である。上記実施例においては、図8に示したように、収容センサ326を一つの光センサにて構成する例を示した。変形例においては、図38に示すように、収容センサ326として複数の光センサを設け、それらの検出結果の組合せにより演出球の存在のみならず、種別も判定可能となるようにしてもよい。
すなわち、本変形例では、収容センサ326として上記実施例の収納センサ324と同様の構成を採用する。収容センサ326は、第1収容センサ326a、第2収容センサ326b、第3収容センサ326cを含む。第1〜第3収容センサ326a〜cは、上死点に位置した収容室に収容される演出球322から互いに等距離となるよう、演出球322の収容位置を中心とする仮想円上(二点鎖線参照)に配置され、かつその演出球322の中心にそれぞれの光軸が向く角度にて設置される。第1〜第3収容センサ326a〜cは、同種(同色)の演出球322について反射光の検出距離が互いに異なる。その結果、これらの収容センサを演出球322から等距離においても、反射光の受光感度が互いに異なる。本変形例では、第1収容センサ326aとして第1収納センサ324aと同種の光センサを採用し、第2収容センサ326bとして第2収納センサ324bと同種の光センサを採用し、第3収容センサ326cとして第3収納センサ324cと同種の光センサを採用している。本変形例によれば、回転体機構302の収容室に収容された演出球322についてもその種別を判定することができる。このため、上述した保守動作においても、各収容室に収容された演出球322の種別を直接判定することが可能となる。
(変形例2)
図39は、他の変形例に係る収容センサ326の配置構成および検出方法を示す図である。図39(a)は収容センサ326の周辺構成を示す部分拡大図であり、図39(b)は図39(a)のA−A矢視断面図である。本変形例においては、図38に示した変形例と若干異なり、収容センサ326の一つを回転体機構302の背面側に設置する。すなわち、本変形例では、第1,第2収容センサ326a,bを、上死点に位置した収容室の下方にやや離間して配置するとともに、第3収容センサ326cをその収容室の背部に配置する。この場合、筒状転動路304を往復転動する演出球322は、開口部302eの直上よりもややずれた位置にて検出される。このような構成により、3つの収容センサ326の投光および反射光が互いに干渉することをより確実に防止できるようになる。
(変形例3)
図40は、他の変形例に係る収納センサ324の配置構成を示す図である。上記実施例においては、図5に示したように、第1〜第3収納センサ324a〜cとして、同種の演出球322について反射光の検出距離が互いに異なるものを採用する例を示した。本変形例では、第1〜第3収納センサ324a〜cとして、同種の演出球322について反射光の検出距離が互いに同等の複数の光センサを採用する。そして、それらの収納センサ324を収納室に収納される演出球322から互いに直線距離が異なるように配置することにより、同種の演出球322について反射光の受光感度が互いに異なるようにしている。このようにしても上記実施例と同様に、3つの収納センサ324の検出結果の組合せパターンにより演出球322の種別を判定することができる。
(変形例4)
図41は、他の変形例に係る収納センサ324の検出特性および検出方法を示す図である。上記実施例においては、図6に示したように、3つの演出球322の配色を異ならせることにより、光の反射率が互いに異なるようにする例を示した。本変形例では、3つの演出球322の材質(球そのものの材質、または球の表面にメッキをした場合の表面の材質など)をそれぞれMA,M2,M3と異ならせることにより、光の反射率がx〜zとなり、互いに異なるようにしている。なお、遊技者から見た外観を異ならせるために、材質および配色の双方を異ならせてもよいことは勿論である。本変形例は特に、複数の演出球について配色を異ならせてもそれらの反射率が十分に相異しない場合に有効となる。なお、上記実施例では、演出球の配色を単色とする例を示したが、様々な模様が施される配色としてもよい。その場合も、演出球ごとに光の反射率が異なるように構成する。
(変形例5)
上記の実施例においては、「転動媒体」として表面に色彩や模様が施された演出球なる球体を用いた例を説明した。変形例においては、何らかの方法で識別して互いに区別できる限り色彩や模様が施されていない球体を用いてもよいし、遊技球を用いてもよい。あるいは、転動が可能な物体であれば球体に限るものではなく、例えばメダルのように扁平な物体であってもよいし、転動する限り多角形の形状をした物体でもよい。もし転動媒体として遊技球を用いる場合、いわゆるアウト球と呼ばれる、すでに賞球払出の対象としてカウントされた後であって排出される前の遊技球や、入球や入賞の対象とならずに排出されようとする遊技球を用いてもよい。上記の実施例では演出領域は遊技領域52において区画された演出専用の領域であって物体が混入できない空間としていたが、アウト球を用いる変形例においてはアウト球に限って演出球循環装置300へ流入し、演出球循環装置300から流出し得る構造としてもよい。
また、上記実施例および変形例における収納センサ324や収容センサ326の構成については、上記実施例に示した演出球循環装置300に限らず、遊技球の転動経路となるステージや役物の要所部分に適用することができる。例えば、従来にいういわゆる第2種ぱちんこ遊技機の可動役物に対して適用してもよい。具体的には、第2種ぱちんこ遊技機の役物の内部に特定領域までの転動通路を設け、その転動通路の前半ルート(第1領域)と後半ルート(第2領域)のいずれに遊技球が存在するかを一つの光センサにより検出するようにしてもよい。すなわち、前半ルートの所定位置と後半ルートの所定位置とを結ぶ直線上に光軸を有し、遊技球の有無を検出する一つの光センサを設けてもよい。その場合、前半ルートおよび後半ルートの形状と光センサの配置を、一方のルートの検出継続時間が他方のルートの検出継続時間よりも長くなるように設定する。例えば、前半ルートは所定位置における遊技球の滞在時間(通過時間)が相対的に短く、後半ルートは所定位置における遊技球の滞在時間が相対的に長くなるような通路構成としてもよい。あるいは逆に、前半ルートは所定位置における遊技球の滞在時間が相対的に長く、後半ルートは所定位置における遊技球の滞在時間が相対的に短くなるような通路構成としてもよい。このような構成において、その光センサによる遊技球の検出継続時間の長さに基づいて、その遊技球が前半ルートと後半ルートのいずれにあるかを判定し、その判定結果に基づいて所定の遊技制御を行うようにしてもよい。また、遊技領域の上下に遊技球が順次転動可能な複数段(例えば2段)の遊技ステージを設け、その上段側ステージ(第1領域)と下段側ステージ(第2領域)のいずれに遊技球が存在するかを一つの光センサにより検出するようにしてもよい。すなわち、上段側ステージの所定位置と下段側ステージの所定位置とを結ぶ直線上に光軸を有し、遊技球の有無を検出する一つの光センサを設けてもよい。その場合、上段側ステージおよび下段側ステージの形状と光センサの配置を、一方のステージの検出継続時間が他方のステージの検出継続時間よりも長くなるように設定する。このような構成において、その光センサによる遊技球の検出継続時間の長さに基づいて、その遊技球が上段側ステージと下段側ステージのいずれにあるかを判定し、その判定結果に基づいて所定の遊技制御を行うようにしてもよい。なお、上記実施例では述べなかったが、収納センサ324や収容センサ326については、検出精度をさらに向上させるために遊技効果ランプ90等の発光手段からの光を直接受けない位置に設けるのが好ましい。あるいは、そうした発光手段からの光を直接受けない遮蔽構造を設けることが好ましい。また、収納センサ324や収容センサ326については、塵等により検出精度が落ちないように、各光センサの発光部および受光部を適宜クリーニングする機構を設けるようにしてもよい。
(変形例6)
上記の実施例においては、当否抽選の結果に応じた抽選や事前判定結果に応じて予告演出の実行有無を決定する構成を説明した。変形例においては、相対的に変動時間の長い図柄変動がなされる場合に高い確率で演出球循環装置300を用いた予告演出を実行する構成としてもよい。変動時間の長い図柄変動としては、例えば「スーパー1」のような特定の変動時間の長いスーパーリーチが選択された場合に高い確率で演出球循環装置300を用いた予告演出を実行する構成としてもよい。