JP5383517B2 - 不揮発性記憶装置 - Google Patents
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Description
さらに、不揮発性メモリ素子は、ワード線に書き込み電圧を印加し、チャネルに書き込み電流を流し、ホットエレクトロンを電荷蓄積領域に注入することにより、そのしきい値電圧は、エンハンスメントの値をとり、書き込み状態となる。
不揮発性メモリ素子のしきい値電圧が大きく変動した場合には、書き込み状態と消去状態とを識別するレベル(以下、センスレベルと記載する)、を超えるような現象、いわゆるデータ化けが発生し、不揮発性記憶装置は誤動作することとなる。
したがって、不揮発性メモリ素子にとって、蓄積された電荷を保持するための電荷保持特性は、非常に重要な特性である。
具体的には、データ記憶状態の不揮発性メモリ素子のしきい値電圧を検出手段を用いて検出し、しきい値電圧の変動を検出した場合に、リフレッシュ電圧発生手段を用いて不揮発性メモリ素子をリフレッシュするものである。
例えば、しきい値電圧より高い電圧を印加した場合には、不揮発性メモリ素子はソースとドレイン間に電流が流れる、いわゆるオン状態となる。逆に、不揮発性メモリ素子のしきい値電圧より低い電圧を不揮発性メモリ素子のゲートに印加した場合には、不揮発性メモリ素子はソースとドレイン間に電流が流ない、いわゆるオフ状態となる。
したがって、不揮発性メモリ素子のソースとドレイン間に電流が流れるか否かにより、不揮発性メモリ素子のしきい値電圧を検出することができる。
図9は特許文献1に示した従来技術の構成図である。なお、この図は主旨を逸脱しないようにしつつ説明しやすいように書き直したものである。また、同じ機能を有するものについては同じ番号を付与している。
31に蓄積されたデータを一旦消去し、データ記憶状態に戻すためにリフレッシュ電圧を印加する。しかしこの方法では、書き込みされたメモリ素子(以下、書き込みメモリ素子と記載する)、あるいは、消去されたメモリ素子(以下、消去メモリ素子と記載する)のデータを、リフレッシュ前に、一旦格納するための別の記憶手段や回路などが必要になる。このため、さらに回路規模も大きくなるばかりか回路構成も複雑になってしまう。
不揮発性メモリブロックは、書き込み電圧を印加してデータを書き込み状態として記憶する書き込みメモリ素子と、消去電圧を印加してデータを消去状態として記憶する消去メモリ素子と、を少なくとも1つずつ有し、リフレッシュ電圧発生手段と、制御手段と、を備える不揮発性記憶装置において、
リフレッシュ電圧発生手段は、消去メモリ素子のしきい値電圧の変動を発生しない電圧値であるリフレッシュ電圧を発生し、
グランド電位に対するリフレッシュ電圧の電圧値は、グランド電位に対する書き込み電圧または消去電圧の電圧値より小さく、
制御手段は、メモリ素子に書き込み電圧または消去電圧が印加された後、リフレッシュ電圧を発生するようにリフレッシュ電圧発生手段を制御し、
リフレッシュ電圧発生手段は、リフレッシュ電圧を書き込みメモリ素子と消去メモリ素子との両方に印加してリフレッシュを行うことを特徴とする。
タイマー手段は、書き込み電圧または消去電圧が印加された後、またはリフレッシュ電圧発生手段によるリフレッシュ電圧の印加後から、所定の時間を計測し、
制御手段は、タイマー手段が所定の時間を計測し終わったタイミングでリフレッシュ電圧を発生するようにリフレッシュ電圧発生手段を制御するようにしてもよい。
制御手段は、しきい値計測手段によるメモリ素子のしきい値の計測結果によりリフレッシュ電圧を発生するようにリフレッシュ電圧発生手段を制御するようにしてもよい。
発電手段で発電した電圧を蓄電する蓄電手段と、
発電手段が発電した電圧、または蓄電手段が蓄電した電圧のどちらか一方を選択する選択手段と、
選択手段が選択した電圧をリフレッシュ電圧に変換する変換手段と、を有するようにしてもよい。
みのしきい値電圧を変動させることができる。
よって、データを格納する別の記憶手段や回路などを必要とせずとも、不揮発性記憶装置の電荷保持特性を保障することができる。
さらに、複雑な回路構成を必要としないため、回路規模を縮小できるため、不揮発性記憶装置のサイズの縮小も可能となり、生産性も向上させることができる。
図1を用いて第1の実施形態を説明する。図1は、不揮発性記憶装置の構成図である。
図1において、21は不揮発性記憶装置、41は書き込みメモリ素子、42は消去メモリ素子、44は不揮発性メモリブロック、34はリフレッシュ電圧発生手段、35はリフレッシュ制御手段、46はデータ書き込み手段である。
不揮発性メモリブロック44には複数の不揮発性メモリ素子が存在している。不揮発性メモリ素子をデータ記憶状態にするためには、データを記憶させる前に、データ書き込み手段46で発生する消去電圧V12を不揮発性メモリブロック44の全ての不揮発性メモリ素子に印加し、全ての不揮発性メモリ素子を消去状態とする。
これは、全ての不揮発性メモリ素子のしきい値電圧を均一にするためである。このようにしておけば、後に行うデータの書き込み状態をも均一にすることができる。
この状態では、不揮発性メモリブロック44の内部の不揮発性メモリ素子は、すべて消去状態になっているから、消去状態としてデータを記憶する消去メモリ素子42が存在することになる。
この状態で、所定の不揮発性メモリ素子が書き込み状態になるので、図1に示すように
、不揮発性メモリブロック44には、書き込み状態としてデータを記憶する書き込みメモリ素子41と消去状態としてデータを記憶する消去メモリ素子42とが混在することになり、不揮発性メモリブロック44は、書き込みと消去との2つの状態を有するデータ記憶状態となる。
したがって、不揮発性記憶装置21にもそのようなアドレス選択手段が設けてある。しかしながら、そのような構成は、公知技術であり本発明の主要部分でもないので説明は省略する。
なお、本実施例においては、不揮発性メモリ素子のしきい値電圧は、電荷をすべて放出された初期状態(熱平衡状態という)においては、消去状態として設計されている。このようなしきい値電圧の設定にすることにより、消去メモリ素子42のしきい値電圧は、センスレベルを超えることがなく、データ化けが発生することがないのである。
まず、書き込み動作を説明する。図2(a)に示すように、データの書き込みは、ドレイン13をオープンとし、ゲート11をグランド電位(図ではGNDと表記)とし、半導体基板14とソース12とに例えば−8Vの書き込み電圧V11を印加する。そうすると、電荷蓄積層15に電子が蓄積され、書き込み状態となる。
次に、消去動作を説明する。図2(b)に示すように、データの消去は、ドレイン13をオープンとし、半導体基板14とソース12をグランド電位(GND)とし、ゲート11に例えば−8Vの消去電圧V12を印加する。そうすると、電荷蓄積層15に正孔が蓄積され、消去状態となる。
次に、再び図1を参照してリフレッシュの動作を説明する。
リフレッシュは、リフレッシュ制御手段35からのリフレッシュ開始信号S4を所定のタイミングで発生する。リフレッシュ電圧発生手段34は、リフレッシュ開始信号S4を受けると、リフレッシュ電圧V13を発生させ、不揮発性メモリブロック44に印加する。
このようなリフレッシュ電圧V13を発生するためのタイミング、すなわち、リフレッシュを行うタイミングは、データ書き込み手段46が不揮発性メモリブロック44に書き込み電圧V11または消去電圧V12を印加した後、つまり、不揮発性メモリブロック44がデータ記憶状態となった後の任意のタイミングということになる。
このため、不揮発性メモリブロック44がデータ記憶状態となった後にすぐさまリフレ
ッシュを行なっても問題はないが、そもそもリフレッシュは、不揮発性メモリ素子の電荷保持特性の劣化を保障するものであるから、不揮発性メモリブロック44がデータ記憶状態となった後から、所定の時間を経過した後にリフレッシュする方が好ましい。
そして、不揮発性記憶装置21に対して制御信号S35を発し、この制御信号S35をリフレッシュ制御手段35が受信することでリフレッシュ開始信号S4を出力するようにしてもよいのである。なお、図1においては、このような例を説明するために制御信号S35を破線で示している。
である−8Vの略半分の、−4Vでもよいことがわかっている。
双方のメモリ素子に対して印加するリフレッシュ電圧は、初期のデータ書き込み電圧の略半分の電圧などとしているから、書き込みメモリ素子41や消去メモリ素子42は、高い電圧印加による電圧ストレスを受けず、劣化することがないのである。
また、不揮発性記憶装置21が電子機器に組み込まれていれば、その電子機器側で用いている電圧を利用して、上述の昇圧回路や、あるいは公知の定電圧回路(レギュレータ)などを組み合わせるなどしてリフレッシュ電圧V13を生成してもよい。
リフレッシュ開始信号S4が電圧信号の場合、これらをMOSトランジスタスイッチのゲートに入力すれば、リフレッシュ開始信号S4に応じてソースとドレイン間を同通させることができる。そうすれば、昇圧回路や定電圧回路などの電圧発生回路を動作させ、リフレッシュ電圧を発生することができるのである。
次に、図3を用いて第2の実施形態を説明する。
図3は、第2の実施形態の構成図である。すでに説明した同一の構成には同一の番号を付与している。
図3において、37は読み出し手段である。S5は読み出し信号、S6は読み出し動作検出信号、S7は読み出し動作確認信号である。
図3に示す読み出し手段37は、不揮発性メモリブロック44のデータを読み出す機能を有し、読み出し信号S5により、不揮発性メモリブロック44のデータを読み出ししている。
リフレッシュ制御手段35は、所定のタイミングで読み出し動作確認信号S7を読み出し手段37に対して発する。
読み出し手段37は、このデータ信号線の全部またはどれか1つの信号を検査し、データが出力されているか否かを判断する。
または、読み出し手段37は、不揮発性メモリブロック44に対して、読み出しイネーブル信号を発した後にデータを読み出すようなシーケンスであれば、この読み出しイネーブル信号を出力しているか否かをもって、不揮発性メモリブロック44からデータが出力されているかどうかを判断することもできる。
リフレッシュ電圧発生手段34は、発生させたリフレッシュ電圧V13を不揮発性メモリブロック44に印加し、リフレッシュを行う。
すなわち、不揮発性メモリブロック44のデータの読み出し中にリフレッシュ電圧が不揮発性メモリブロック44に印加され、電圧印加による不測の誤動作の発生を防止することができる。
次に、図4を用いて第3の実施形態を説明する。すでに説明した同一の構成には同一の番号を付与している。
第3の実施形態の特徴は、リフレッシュ制御手段35にタイマー手段を設け、このタイマー手段により所定の時間を計測し、その後にリフレッシュを行うものである。
発振回路151は、所定の周波数で発振し、発振信号S151を分周回路152に入力する。発振回路151は、例えば、水晶振動子を用いた水晶発振回路やCR発振回路などの知られている発振回路を用いることができる。発振信号S151は、例えば、数10KHzの周波数を有する信号である。
計数回路153は、分周信号S152のパルス数が所定のパルス数まで積算されたときや、所定の時間を計測し終わると、制御信号S3を出力する。
また、タイマー手段150は、発振回路151、分周回路152、計数回路153をすべて不揮発性記憶装置21に搭載する例を示したが、これに限定しない。例えば、不揮発性記憶装置21とは異なる装置を駆動するクロック信号を外部から受信し、それを発振信号S151として用いるようにしてもかまわない。
ようするに、源信となる信号を発振回路151で生成しなくても、結果としてタイマー手段150が所定の時間を計測できればよいのである。
次に、図5を用いて第4の実施形態を説明する。すでに説明した同一の構成には同一の番号を付与している。
第4の実施形態の特徴は、リフレッシュ制御手段35に不揮発性メモリブロック44の内部の個々のメモリ素子のしきい値を計測するしきい値計測手段を設け、しきい値が所定の値を超えた場合にリフレッシュを行うような制御方法を用いるものである。
しきい値計測手段64は、しきい値計測の対象となるメモリ素子65、このメモリ素子65と同導電型の第1のMOSトランジスタ66、メモリ素子65とは逆導電型の第2のMOSトランジスタ67を有している。
メモリ素子65は、不揮発性メモリブロック44を構成するメモリ素子を用いても、不揮発性メモリブロック44を構成するメモリ素子と全く同じメモリ素子を別途設けてもよい。
図5において、81は第1の電源端子、82は第2の電源端子、83は第3の電源端子、84は第4の電源端子である。85は出力端子である。90はスイッチである。
図5に示すように、第1のMOSトランジスタ66、メモリ素子65、第2のMOSトランジスタ67は直列に接続されている。そして、メモリ素子65と第2のMOSトランジスタ67との間にはスイッチ90を設けている。スイッチ90は、これら2つのトランジスタ同士の接続と切り離しとを制御するものであり、例えば、ある制御信号をゲートに入力することでソースとドレイン間を開閉動作できる、MOSトランジスタスイッチを用いることができる。
第2のMOSトランジスタ67のゲートに第2の電源端子82が接続され、第2のMOSトランジスタ67の基板とソースとには第3の電源端子83が接続されている。
メモリ素子65のゲートには第4の電源端子84が接続され、メモリ素子65の基板には、第1の電源端子81が接続されている。
図示しない制御信号を用いるなどして図5に示すスイッチ90をオフにする。すると、メモリ素子65と第2のMOSトランジスタ67との間が切り離される。
上述の各電圧値を各電源端子に印加しているから、第1のMOSトランジスタ65はオンしている。なお、第2のMOSトランジスタ67もオンしているが、スイッチ90により切り離されているので、このトランジスタの動作はしきい値計測には関係がない。
第4の電源端子から供給される第4の電圧値を、例えば、−1.5Vから0.1Vステップで−0.4Vまで可変しつつ、出力端子85の出力を計測する。この計測にあっては、公知の電圧測定手段(例えば、電圧比較回路)を用いることができる。そして、出力端子85から第1の電圧値が計測されたときの第4の電圧値が、メモリ素子65のしきい値であるとわかる。
モリ素子65が、記憶状態になったあとのしきい値が1.0Vであり、1年後のしきい値が0.2V変動すると、実験や実測データなどから知りえていたとすると、この1年後のタイミングでは、第4の電圧値は−1.0Vから0.2Vステップで、−0.6Vまで可変した電圧とすればよいのである。
図示しない制御信号を用いるなどして図5に示すスイッチ90をオンにする。すると、メモリ素子65と第2のMOSトランジスタ67との間が接続される。
上述の各電圧値を各電源端子に印加しているから、第1のMOSトランジスタ65と第2のMOSトランジスタ67は、共にONしている。
メモリ素子65のしきい値電圧が高い場合には、第1の電源端子81から供給される第1の電圧値がメモリ素子65により遮断される。このため、出力端子85からは、第3の電源端子83から供給される第3の電圧値が出力される(計測される)。
メモリ素子65のしきい値が低い場合には、第1の電源端子81から供給される第1の電圧値はメモリ素子65により遮断されない。このため、出力端子85からは、第1の電源端子81から供給される第1の電圧値が出力される(計測される)。
この出力端子85の電位が、第1の電圧値なのか第3の電圧値なのかを判断する境界が、いわゆるセンスレベルとなる。
次に、図6を用いて第5の実施形態を説明する。すでに説明した同一の構成には同一の番号を付与している。
第5の実施形態の特徴は、リフレッシュ電圧発生手段34に発電手段を備えた点である。発電手段により発生させた電圧を変換してリフレッシュ電圧V13(図示なし)とするものである。
詳しくは、発電手段と蓄電手段と選択手段と変換手段とを設け、選択手段により、発電手段からの電圧と蓄電手段からの電圧とのどちらかを選択し、選択された電圧を変換手段によりリフレッシュ電圧V13に変換し、その後にリフレッシュを行うものである。
場合とがある。そのようなときであっても、蓄電手段を備えていれば、発電手段が発電した電力を蓄えておけるため、その電力を用いてリフレッシュ電圧V13を生成できる。
図6において、34はリフレッシュ電圧発生手段、51は発電手段、52は蓄電手段、53は選択手段、54は変換手段である。S11は電圧信号、S12は発電手段51からの発電信号、S13は蓄電手段52からの蓄電信号、S14は選択信号である。そして、S44は満充電信号である。なお、満充電信号S44を用いた制御については、第6の実施形態で説明する。
発電信号S12は、発電手段51が発電している電圧値そのものである。発電手段51の発電状態に応じてその電圧値は可変する場合がある。
蓄電信号S13は、蓄電手段52に蓄電している電圧値そのものである。
選択手段53は、発電信号S12と蓄電信号S13とを比較し、つまり発電手段51と蓄電手段52の発生する電圧とを比較し、どちらの電圧がリフレッシュ電圧V13に適するかを判断する機能を有している。例えば、公知の電圧比較回路などを用いて双方の電圧を比較し、より高い電圧値を出力している方を選択するのである。
つまり、発電手段51がリフレッシュ電圧V13に対して十分な電圧を発生できるのであれば、発電手段51を選択し、変換手段54を経てリフレッシュ電圧V13を発生する。蓄電手段52がリフレッシュ電圧V13に対して十分な電圧を発生できるのであれば、蓄電手段52を選択することになる。そして、選択された電圧値を選択信号S14として出力する。
変換手段54は、リフレッシュが可能となる値まで電圧を昇圧させる昇圧回路や、この昇圧回路にツェナダイオードの逆方向特性を利用したクランプ回路を組み合わせた手段などを用いることができる。
次に、引き続き図6を用いて第6の実施形態を説明する。
第6の実施形態の特徴は、不揮発性メモリブロック44に対するリフレッシュを、蓄電手段52の充電状態が十分であると判断したタイミングごとに行う点である。
選択手段53は、発電信号S12と蓄電信号S13とを比較して、双方が所定の電圧値以上の同じ電圧であったときや、一定の時間双方が所定の電圧値以上の同じ電圧を維持しているとされたときに、蓄電手段52が満充電状態になったと判断する。そして、図6に示すように、選択手段53からは破線で示す満充電信号S44を出力する。なお、ここで言う所定の電圧値とは、二次電池やコンデンサが蓄電できる最大電圧である。
すでに説明したように、リフレッシュ電圧V13は、記憶状態にある不揮発性メモリブロック44のメモリ素子には影響がないため、このようにリフレッシュを繰り返してもよいのである。
不揮発性記憶装置21を携帯型の電子機器、例えば太陽電池を備えた電子式腕時計に搭載した場合、太陽電池が発電手段51となる。発電手段51で発電された電力は、時計を動作させるために用いられるが、例えば、晴天の野外や照明が明るい室内では、電力の消費量よりも発電量が大きくなる。そうすると、十分に蓄電手段52に電力を蓄電することができる。そうなった後でも発電が行なわれ続けると、その分は余剰電力となる。説明した第6の実施形態では、この余剰電力が発生したときごとに不揮発性メモリブロック44に対してリフレッシュを行うことができるので、タイマー手段などを用いなくともよいという効果がある。
発電手段51が発電した電圧を計測する計測手段、および蓄電手段52が蓄電した電圧を計測する計測手段を設け、この計測結果に基づいてリフレッシュ電圧を発生させる例を次の第7の実施の形態で説明する。
次に、図7、図8を用いて第7の実施形態を説明する。すでに説明した同一の構成には同一の番号を付与している。
第7の実施形態の特徴は、すでに説明した第5の実施形態の改良であり、発電手段51の発電を計測する第1の計測手段と、蓄電手段52の蓄電を計測する第2の計測手段とを設け、この計測結果に基づいて、どちらの計測結果がリフレッシュ電圧に適するかを判断することである。
図7において、61は第1の計測手段、62は第2の計測手段である。S15は第1の計測確認信号、S16は第2の計測確認信号である。
リフレッシュ電圧発生手段34の構成は、発電手段51の発電した電圧を計測する第1の計測手段61と、蓄電手段52が蓄電した電圧を計測する第2の計測手段62とを有している。
さらに、選択手段53は、第1の計測確認信号S15および第2の計測確認信号S16を比較し、リフレッシュ電圧V13に適する電圧値を選択する。
なお、変換手段54により選択手段53で選択された電圧をリフレッシュ電圧V13に変換し、リフレッシュを行う点は、すでに説明した実施形態と同様である。
選択手段53は、第1の計測確認信号S15と第2の計測確認信号16とを比較し、どちらの信号により得られた電圧がリフレッシュに適するかを判断し、その情報を選択信号S14として変換手段54に出力する構成となっている。
図8に示す例は、発電手段51を太陽電池とし、蓄電手段52を二次電池とした例であり、例えば、不揮発性記憶装置21を太陽電池を備えた電子式腕時計や人体に装着可能なウェアラブル電子機器に搭載した例である。なお、図8は、発電手段と充電手段との間に設ける逆流防止手段や信号の配線などは省略してある。
図8において、71は第1のスイッチ、72は第2のスイッチである。P1〜P4はこれら2つのスイッチのノードである。
第1のスイッチ71は選択手段53からの指令で開閉制御される選択スイッチである。第2のスイッチ72は発電手段51と蓄電手段52との開閉を制御するスイッチである。これらのスイッチは、特に限定しないが、MOSトランジスタスイッチを用いることができる。
発電手段51で発電した電圧は、第1の計測手段61で計測され、蓄電手段52の電圧(充電電圧)は第2の計測手段62で計測されている。
蓄電手段52が満充電状態となった場合は、第2のスイッチ72がオフしているから、発電手段51か充電手段52のどちらかを選択する。第1のスイッチ71を制御して、ノードP2とノードP4とを接続すると、発電手段51を選択できる。一方ノードP3とノ
ードP4とを接続すると、充電手段52を選択できる。
第7の実施形態も余剰電力を用いてリフレッシュすることができる。第7の実施形態は、不揮発性記憶装置21を電子式腕時計または人体に装着可能なウェアラブル電子機器に搭載した例で説明した。
これらの機器は、発電手段51で発電した電力を電子機器のシステム電源に用いる場合が多い。そのような場合にあっては、発電手段51で発電した電力を安定して供給するために蓄電手段52は必須の構成といえよう。
選択手段53は、第1のスイッチ71をオンさせて、ノードP2とノードP4とを接続させ、発電手段51を選択し、変換手段54によりリフレッシュ電圧V13を生成すればよい。
このようにすれば、リフレッシュに必要なリフレッシュ電圧V13を余剰電力から作り出せるので、リフレッシュ電圧V13を新たに生成する場合に比べて、より低消費電力化とすることができる。
例えば、第3の実施形態のリフレッシュ制御回路35にタイマー手段150を設ける構成を第7の実施形態に適用してもよいのである。そのようにすれば、発電手段51と蓄電手段52との選択にタイマー手段150による時間制御を加えることができ、所定の時間で電圧を選択することができる。
いずれの実施形態にあっても、記憶状態にあるメモリ素子に影響しないリフレッシュ電圧を用いてリフレッシュできるので、不揮発性記憶装置の信頼性が保障できるのである。
12 ソース
13 ドレイン
14 半導体基板
21 不揮発性記憶装置
34 リフレッシュ電圧発生手段
35 リフレッシュ制御手段
36 リフレッシュ手段
37 読み出し手段
41 書き込みメモリ素子
42 消去メモリ素子
44 不揮発性メモリブロック
51 発電手段
52 蓄電手段
53 選択手段
54 変換手段
61 第1の計測手段
62 第2の計測手段
64 しきい値計測手段
65 メモリ素子
66 第1のMOSトランジスタ
67 第2のMOSトランジスタ
71 第1のスイッチ
72 第2のスイッチ
81 第1の電源端子
82 第2の電源端子
83 第3の電源端子
84 第4の電源端子
85 出力端子
90 スイッチ
150 タイマー手段
151 発振回路
152 分周回路
153 計数回路
S3 制御信号
S4 リフレッシュ開始信号
S5 読み出し信号
P1〜P4 スイッチのノード
S4 リフレッシュ開始信号
S5 読み出し信号
S6 読み出し動作検出信号
S7 読み出し動作確認信号
S11 電圧信号
S12 発電信号
S13 蓄電信号
S14 選択信号
S15 第1の計測確認信号
S16 第2の計測確認信号
S35 制御信号
S44 満充電信号
V11 書き込み電圧
V12 消去電圧
V13 リフレッシュ電圧
Claims (8)
- データを電気的に書き込みまたは消去可能な複数の不揮発性のメモリ素子を有する不揮発性メモリブロックを有する不揮発性記憶装置であって、
前記不揮発性メモリブロックは、書き込み電圧を印加して前記データを書き込み状態として記憶する書き込みメモリ素子と、消去電圧を印加して前記データを消去状態として記憶する消去メモリ素子と、を少なくとも1つずつ有し、
リフレッシュ電圧発生手段と、制御手段と、を備える不揮発性記憶装置において、
前記リフレッシュ電圧発生手段は、前記消去メモリ素子のしきい値電圧の変動を発生しない電圧値であるリフレッシュ電圧を発生し、
グランド電位に対する前記リフレッシュ電圧の電圧値は、前記グランド電位に対する前記書き込み電圧または前記消去電圧の電圧値より小さく、
前記制御手段は、前記メモリ素子に前記書き込み電圧または前記消去電圧が印加された後、前記リフレッシュ電圧を発生するように前記リフレッシュ電圧発生手段を制御し、
前記リフレッシュ電圧発生手段は、前記リフレッシュ電圧を書き込みメモリ素子と消去メモリ素子との両方に印加してリフレッシュを行うことを特徴とする不揮発性記憶装置。 - 前記制御手段は、前記メモリ素子が書き込み動作状態であるか消去動作状態であるかを検出する機能を有し、前記メモリ素子が読み出し動作を行っていないときに、前記リフレッシュ電圧を印加するように制御することを特徴とする請求項1に記載の不揮発性記憶装置。
- 前記制御手段は、タイマー手段を有し、
前記タイマー手段は、前記書き込み電圧または前記消去電圧が印加された後、または前記リフレッシュ電圧発生手段によるリフレッシュ電圧の印加後から、所定の時間を計測し、
前記制御手段は、前記タイマー手段が前記所定の時間を計測し終わったタイミングで前記リフレッシュ電圧を発生するように前記リフレッシュ電圧発生手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の不揮発性記憶装置。 - 前記メモリ素子のしきい値の変化を計測するしきい値計測手段を有し、
前記制御手段は、前記しきい値計測手段による前記メモリ素子のしきい値の計測結果により前記リフレッシュ電圧を発生するように前記リフレッシュ電圧発生手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の不揮発性記憶装置。 - 前記リフレッシュ電圧発生手段は、外部から加わる運動、温度、光、またはそれらの組み合わせのエネルギーを基にして発電を行う発電手段と、
前記発電手段で発電した電圧を蓄電する蓄電手段と、
前記発電手段が発電した電圧、または前記蓄電手段が蓄電した電圧のどちらか一方を選択する選択手段と、
前記選択手段が選択した電圧を前記リフレッシュ電圧に変換する変換手段と、
を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。 - 前記発電手段が発電した電圧を計測する第1の計測手段と、
前記蓄電手段が蓄電した電圧を計測する第2の計測手段と、
を有し、
前記選択手段は、前記第1の計測手段の計測結果と前記第2の計測手段の計測結果とに基づいて電圧を選択することを特徴とする請求項5に記載の不揮発性記憶装置。 - 前記リフレッシュ電圧は、前記書き込み電圧または前記消去電圧の略半分の電圧値であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
- 前記メモリ素子はMONOS型メモリ素子であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
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