JP5382431B2 - 電動工具 - Google Patents

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Description

本発明は電動工具に関し、特に振動が発生する電動工具に関する。
従来より、電動工具本体操作用のハンドル部を有する本体ハウジングと、モータやギヤ及び先端工具を装着可能な装着部を含んで構成されるモータユニットとが弾性体を介して一体に組込まれた電動工具が公知になっている(例えば特許文献1)。この電動工具では、弾性体を介してモータユニットとハウジングとを接続しているため、モータユニットで発生する振動がハウジングに減衰されて伝わっている。
特開2004−174707号公報
この様な構成の電動工具では弾性体により好適に振動を減衰しているが、弾性を介してハウジングとモータユニットとが接続されるため、ハンドル部に対してモータユニットが任意の範囲で動いていた。よって作業時にモータの振動や先端工具が動作する際の振動が影響してハンドル部の操作に対して先端工具を正確な位置に配置しづらく、微調整を伴う正確な作業が行い難い問題があった。よって本発明は振動を減衰しつつも正確な作業を行える電動工具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、ハウジングと、該ハウジングに収容され、先端工具が装着可能であると共に該先端工具を駆動するモータを備えるモータユニットと、該ハウジングと該モータユニットとの間に介在し該ハウジングに対して該モータユニットを弾性的に支持する減衰材と、該ハウジングと該モータユニットとを互いに拘束する連結位置と、該ハウジングと該モータユニットとを互いに非拘束とする解除位置との間で移動可能な固定部とを有する電動工具を提供する。
この様な構成によると、固定部の連結位置と解除位置との切換により、モータユニットとハウジングとの接続状態を、弾性体のみによる接続と固定部による接続との二種類の接続状態とすることができる。弾性体のみによる接続では、弾性体である減衰材で振動減衰が行われるため、ハウジングにモータユニットの振動が伝達されることが抑制される。固定部による接続では、ハウジングに対してモータユニットが任意の範囲で動くことが抑制されるため、正確に先端工具を移動させることができ、正確な作業を行うことができる。即ち固定部の切換により、電動工具を振動が抑制されたモードと正確な作業が行えるモードとに切り換えることができる。
上記構成の電動工具において、該モータユニットは、該先端工具を第一方向及び該第一方向と交差する第二方向により定義される平面上で往復駆動し、該固定部は、該連結位置において該第一方向及び該第二方向と直交する方向においてのみ該ハウジングと該モータユニットとを互いに拘束することが好ましい。
この様な構成によると、固定部が連結位置にある状態においても、振動が発生する方向においては、ハウジングに伝達されるモータユニットからの振動を減衰し、振動が発生しない方向においては、ハウジングに対してモータユニットが動くことが抑制される。即ち、第一方向及び第二方向で規定される平面と平行な方向に発生する大きな振動は減衰材で振動を減衰し、この平面と直交する方向においては固定部で固定するので、大きな振動自体は減衰しつつ、正確な作業を行うことができる。
また該モータユニットは、該先端工具を往復動状態に駆動可能に構成され、該固定部は、該連結位置において該往復動の振動方向と平行な方向においてのみ該ハウジングと該モータユニットとを互いに非拘束にしてもよい。
この様な構成によると、固定部が連結位置にある状態においても、最も振動が大きい方向においてはハウジングとモータユニットとが互いに非拘束の状態になるため、この方向における振動を減衰材で低減することができる。よって連結位置におけるハウジングへの 振動の伝達を抑制することができる。
また該固定部は、該連結位置において、該ハウジングに対する該モータユニットの位置を維持しながら該ハウジングと該モータユニットとを互いに拘束することが好ましい。
この様な構成によると、ハウジングに対するモータユニットの位置が維持されるため、ハウジングに対してモータユニットが動くことが抑制される。これにより、ハウジングとモータユニットとを接続している減衰材が圧縮、延伸等により変形することが抑制されるので、減衰材の劣化が抑制されて高寿命化を図ることができる。
また該固定部は係合部を有すると共に該ハウジング及び該モータユニットのいずれか一方に装着され、該ハウジング及び該モータユニットのいずれか他方には、該固定部が該連結位置に配置された状態で該係合部と係合可能な被係合部を有することが好ましい。
この様な構成によると、簡易な構成でハウジングとモータユニットとが、締結された状態と非締結の状態とを採ることができる。
また該固定部は、該連結位置において、該減衰材を圧縮若しくは延伸して弾性係数を大きくし剛性を高めていてもよい。
この様な構成によると、弾性係数が大きくなることにより減衰材の剛性を増し、減衰効果が十分に得られなくなる。故に、減衰材によるハウジングとモータユニットの接続において、減衰材が弾性体として機能せず、所謂剛体によりハウジングとモータユニットが接続された状態とすることができる。尚、減衰材の弾性係数が小さいままであれば、弾性体のみでハウジングとモータユニットとが接続された状態になる。即ち、減衰材のみで、弾性体のみによる接続及び剛体による接続の二種類の接続状態とすることができる。
また該固定部は、該ハウジングにおいて該モータユニットを収容する部分に該ハウジングより突出する操作部を有し、該操作部を操作することで該連結位置と該解除位置との間を移動可能であることが好ましい。
この様な構成によると、固定部の操作性が増し、容易に連結位置と解除位置との間で固定部を移動させることができる。
また上記課題を解決するために本発明は、ハウジングと、該ハウジングに収容され、先端工具を駆動するモータを備えるモータユニットと、該ハウジングと該モータユニットとの間に介在し該ハウジングに対して該モータユニットを弾性的に支持可能な減衰材とを有し、該ハウジング及び該モータユニットは、該モータユニットの振動が該減衰材を介して該ハウジングに伝達される防振モードと、該モータユニットの振動が直接該ハウジングに伝達される非防振モードと、を採ることが好ましい。
本発明の電動工具によれば、振動を減衰しつつも正確な作業を行うことができる。
本発明の電動工具を刈込機に適用した第一の実施の形態に係る側面部分断面図(非防振モード)。 本発明の電動工具を刈込機に適用した第一の実施の形態に係る側面部分断面図(防振モード)。 図2のIII−III線に沿った断面図。 本発明の電動工具を刈込機に適用した第二の実施の形態に係る平面部分断面図。 本発明の電動工具を刈込機に適用した第二の実施の形態に係る要部斜視図。 本発明の電動工具を刈込機に適用した第三の実施の形態に係る平面部分断面図。 本発明の電動工具をハンマドリルに適用した第四の実施の形態に係る側面部分断面図。
以下、本発明の第一実施の形態の電動工具として、生垣等の剪定に用いられる刈込機について図1乃至図3に基づき説明する。図1に示される刈込機1は、主にハウジング10と、モータユニット20と、弾性体30と、固定部40と、から構成されている。
ハウジング10は、刈込機1の外殻を成しており、作業者が把持するハンドル11、後述のモータ23を駆動するスイッチ11A等を備えている。またハウジング10において、モータユニット20を収容する箇所の近傍位置であると共に後述のベースプレート22の近傍位置には、固定部40と係合する被係合部12が複数設けられている。
被係合部12は、図1に示されるようにハウジング10の側縁部分の両端及び略中央部分に、後述の切断部25の延出方向に並んで三個が間隔を持って配置されており、図3に示されるように被係合部12はハウジング10の側縁部分が折り曲げられて、後述の切断部25の延伸方向と平行な方向に延びるレール状に構成されておりている。尚、図1においては、一側面にのみ被係合部12が存在しているが、図1において図示されぬ反対側の他側面にも同様の被係合部が存在している。またハウジング10のハンドル11に対して切断部25側には、サブハンドル13が設けられている。
モータユニット20は、モータハウジング21と、ベースプレート22と、モータ23と、クランク機構24と、切断部25とから主に構成されている。モータハウジング21は、モータユニットの外殻を成し、内部にモータ23、クランク機構24等を内蔵しており、弾性体30を介してハウジング10に接続されている。
ベースプレート22は、平面状に構成され、モータハウジング21に一体に装着されると共に切断部25を保持している。また図3に示されるようにベースプレート22において切断部25の延伸方向と平行な方向に延びる一側縁には、切断部25の延伸方向と平行な方向に延びるレール部22Aが設けられており、レール部22Aに固定部40が装着可能に構成されている。またベースプレート22の、図1において図示されぬ反対側の他側縁にも同様のレール部が存在している。
モータ23は、図示せぬ外部電源から電力を供給されており、スイッチ11AのON/OFFに連動して回転・停止する。クランク機構24は、ギヤとクランクとの組合せから構成され、モータ23の回転を減速すると共に、モータ23の回転運動を、切断部25の延伸方向の往復運動(第一方向)、若しくは第一方向と第一方向に直交する第二方向との二つの方向から定義される平面的な往復運動に変更している。
切断部25はベースプレート22に固定され延伸方向を長尺としたフレームに複数の切断刃が重ね合わされて構成されており、複数の切断刃がクランク機構24に接続されて、延伸方向である第一方向のみ往復運動、若しくは第一方向と第二方向との平面的な往復運動するように構成されている。
弾性体30は、ゴム等の減衰材から構成されており、ハウジング10とモータハウジング21との間に複数個が介在し、ハウジング10に対してモータユニット20を支持していると共に、モータユニット20で発生するモータ23や切断部25の振動を減衰してハウジング10に伝達している。
固定部40は、硬質樹脂や金属等の高剛性の素材を基材とし、ハウジング10から突出するようにレール部22A(図3)に装着されており、レール部22Aにおいて切断部25の延伸方向にスライド可能に構成されている。具体的には、図3に示されるようにレール部22Aに装着されるスライド部41と、スライド時に把持される操作部42(図1)と、被係合部12に係合可能な係合部43とから主に構成されている。尚、図1において図示されぬ反対側の他側縁に設けられたレール部にも同様の構成を採り同様の動作を行う固定部が設けられている。
図3に示されるようにスライド部41は、断面略C字形状を成しており、C字形状の内部にレール部22Aが配置されて、レール部22Aから脱落不能に構成されている。図1に示されるように操作部42は、ハウジング10から突出して構成されている固定部40の外周に規定されており、作業者が容易に把持して固定部40をスライド操作可能にしている。
図3に示されるように、係合部43は、切断部25の延伸方向と直交する断面において、先端がベースプレート22側を向くように鈎状に構成されており、この先端部分が被係合部12に掛止するように係合する。また係合部43は、切断部25の延伸方向における固定部40の一端側と他端側との二箇所に設けられている。
上記構成の刈込機1において、通常の作業を行う場合には、振動が少ない方がよい。よってハウジング10にモータユニット20の振動が伝わり難い防振モードとして、図1に示されるように、二個の係合部43が、三個の被係合部12の間に位置して被係合部12と非係合状態にある解除位置にそれぞれ位置するように、固定部40を配置する。この状態においては、ハウジング10とモータユニット20とが固定部を介して拘束されず、複数の弾性体30のみを介して接続されるため、モータユニット20で発生した振動が振動方向に関係なく弾性体30で減衰して伝達される。作業者はハウジング10のハンドル11及びサブハンドル13を把持して作業を行うため、モータユニット20の振動が減衰されてハウジング10に伝達されることにより、好適に作業を行うことができる。
防振モードにおいては、弾性体30のみを介してハウジング10とモータユニット20とが接続されているため、ハウジング10を保持した状態では、切断部25にブレが生じやすい。よって正確な作業を行うには、切断部25のブレを防止すべく、非防振モードとする。この状態では、図2に示されるように操作部42を把持して固定部40を一端側若しくは他端側(いずれも連結位置)にスライドさせることにより、二個の係合部43が、三個の被係合部12の内の中央に位置する被係合部12と一端若しくは他端に位置する被係合部12とに係合する。この状態においては、ハウジング10とモータユニット20とが弾性体30と共に固定部40により接続される。固定部40でハウジング10とモータユニット20とを接続することにより、ハウジング10に対するモータユニット20のブレが生じず、故に切断部25を正確な位置に配置することができる。
尚、第一実施の形態の刈込機1において固定部40でハウジング10とモータユニット20とを固定する際には、固定部40がレール部22Aをスライドし、解除位置から連結位置に移動することにより、係合部43が被係合部12に係合する。この様な構成では、固定部40がスライドする方向(切断部25の延伸方向)におけるハウジング10に対するモータユニット20の固定はされておらず、故に、切断部25の延伸方向におけるモータユニット20の振動は、弾性体30により減衰されてハウジング10に伝達される。一般に刈込機1では、切断部25の延伸方向における振動が最も大きいため、この最も大きい振動のみ減衰しつつハウジング10とモータユニット20とを固定することにより、大きな振動を抑制しつつ正確な作業を行うことができる。
次に本発明の電動工具を刈込機に適用した第二の実施の形態について、図4及び図5に基づき説明する。図4に示される刈込機101は、主な構成においては第一の実施の形態に係る刈込機1と同じであるため、差異部分のみ説明し、主な構成については第一の実施の形態の符号に100を追加して省略する。図4に示されるように、ハウジング110のモータユニット120を囲む内壁114部分において、モータユニット120に対して切断部延伸方向一端側と他端側とに該当する内壁114部分に、切断部延伸方向と直交する方向に延びる長穴114a、長穴114bがそれぞれ形成されており、長穴114a、長穴114bにはそれぞれ固定部140A、140Bが装着されている。
モータユニット120において、モータハウジング121の内壁114内に配置される部分は、断面が略円弧を描くように構成されている。またモータハウジング121の円弧部分において長穴114a、長穴114bと対向する部分には、それぞれ溝121a、溝121bが形成されている。溝121a、溝121bは断部延伸方向と平行な同一線上に位置している。
固定部140A、140Bは、それぞれ同じ形状を採っているため、代表として固定部140Aについて説明する。図5に示されるように、固定部140Aは、スライド部141Aと、操作部142Aと、係合部143Aとから構成されている。スライド部141Aは、長穴114aの幅:Lより僅かに小さい幅を備えた長尺状の部材であり、長穴114a内に長穴114aの長手方向に移動可能に配置されている。操作部142Aは、スライド部141Aのハウジング110外側となる端部に装着されており、固定部140Aを操作する際に操作される箇所になる。係合部143Aは、スライド部141Aのハウジング110内側となる端部に装着されており、溝121aに係合するように構成されている。
この様な構成の刈込機101において、防振モードでは、図4に示されるように、係合部143A、143Bがそれぞれ溝121a、溝121bから離間する位置(解除位置)に固定部140A、140Bが配置される。この様な構成を採ることにより、ハウジング110とモータユニット120とが図示せぬ弾性体のみを介して接続され、モータユニット120の振動を減衰してハウジング110に伝達する。
また非防振モードでは、係合部143A、143Bがそれぞれ溝121a、溝121bと係合する位置(連結位置)に固定部140A、140Bが配置される。この様な構成を採ることにより、ハウジング110とモータユニット120とが固定部140A、140Bにより接続され、ハウジング110に対するモータユニット120のブレが生じ難くなる。
ハウジング110とモータユニット120とは、切断部が設けられたベースプレートから切断部延伸方向と直交する方向に離れていると共に切断部延伸方向と平行な同一線上にある溝121a、121bで固定部140A、140Bにより接続されている。また切断部がベースプレートから延出されている構成を採っているため、切断部の先端側に力が加えられると、ベースプレートを回転中心としたモーメント力が発生するが、溝121a、121bが上述のような構成を採っているため、固定部140A、140Bに大きな荷重が働くことを抑制できる。
次に本発明の電動工具を刈込機に適用した第三の実施の形態について、図6に基づき説明する。図6に示される刈込機201は、主な構成においては第一の実施の形態に係る刈込機1と同じであるため、差異部分のみ説明し、主な構成については第一の実施の形態の符号に200を追加して省略する。図6に示されるように、ハウジング210のモータユニット220を囲む内壁214部分に、固定部である互いに対向する一対の第一ネジ214A、214Bと、互いに対向する一対の第二ネジ214C、214Dが設けられている。一対の第一ネジ214A、214Bはそれぞれ内壁214と螺合しており、一対の第一ネジ214A、214Bの間にモータハウジング221の一部が位置するように配置されている。また一方の第一ネジ214Aとモータハウジング221との間、及び他方の第一ネジ214Bとモータハウジング221との間には、それぞれ弾性体である第一ブッシュ230A、230Bが介在している。第一ブッシュ230A、230Bはそれぞれゴム等の弾性体から構成されており、締め付けられて圧縮されることにより、弾性係数が高くなるように構成されている。
同様に一対の第二ネジ214C、214Dもそれぞれ内壁214と螺合しており、一対の第二ネジ214C、214Dの間にモータハウジング221の他の一部が位置するように配置されると共に、一方の第二ネジ214Cとモータハウジング221との間、及び他方の第二ネジ214Dとモータハウジング221との間にはそれぞれ第一ブッシュ230A、230Bと同様の第二ブッシュ230C、230Dが配置されている。尚、上記構成の第一ネジ214A、214B、第二ネジ214C、214Dにおいては、ネジの頭部分が操作部になる。
この様な構成の刈込機201において、防振モードでは、図6に示されるように第一ネジ214A、214B及び第二ネジ214C、第二ネジ214Dがそれぞれ第一ブッシュ230A、230B及び第二ブッシュ230C、230Dを締め付けない位置(解除位置)に配置する。この状態においては、第一ブッシュ230A、230B、第二ブッシュ230C、230Dは締め付けられていない。故に、モータユニット220は弾性係数が低い状態の第一ブッシュ230A、230B、第二ブッシュ230C、230Dによりハウジング210に接続された状態を採り、第一ブッシュ230A、230B、第二ブッシュ230C、230Dは弾性体として充分に機能するので、モータユニット220の振動を減衰してハウジング210に伝達することができる。
また非防振モードでは、第一ネジ214A、214B及び第二ネジ214C、第二ネジ214Dのネジ頭を操作しそれぞれ螺進させて、第一ブッシュ230A、230B及び第二ブッシュ230C、230Dを締め付ける位置(連結位置)に移動させる。これにより第一ブッシュ230A、230B及び第二ブッシュ230C、230Dの弾性係数が上昇し、ハウジング210とモータユニット220とが直接接続された状態とほぼ同じ状態になる。よってこの状態ではハウジング210に対するモータユニット220のブレが生じ難くなる。
次に本発明の電動工具をハンマドリル301に適用した第四の実施の形態について、図7に基づき説明する。図7に示されるハンマドリル301は、主にハウジング310と、モータユニット320と、弾性体330と、固定部340と、から構成されている。
ハウジング310は、ハンマドリル301の外殻を成しており、作業者が把持するハンドル311、スイッチ311A等を備えている。またハウジング310には、第二の実施の形態と同様の長穴310aが形成されている。
モータユニット320は、内部にモータ等の振動発生・動力伝達機構を有するモータハウジング321と、モータハウジング321の先端に配置されて先端工具が装着される先端工具装着部322とから主に構成されている。またモータハウジング321には、第二の実施の形態と同様の溝321aが形成されている。
モータユニット320の動力伝達機構は、ハウジング310に設けられた切換レバー312により、先端工具装着部322に回転及び打撃を伝達する回転及び打撃モードと、打撃のみを伝達する打撃のみモードと、回転のみを伝達する回転のみモードの3つの動作モードを作業内容に応じて選択可能としている。
弾性体330は、ゴム等の振動吸収材から構成されており、ハウジング310とモータハウジング321との間に複数個が介在し、ハウジング310に対してモータユニット320を支持していると共に、モータユニット20で発生する振動を減衰してハウジング310に伝達している。
固定部340は第二の実施の形態の固定部240と同様の構成を採っており、長穴310aに装着されている。
第四の実施の形態に係るハンマドリル301において、防振モードでは、図7に示されるように、係合部343が溝321aから離間する位置(解除位置)に固定部340が配置される。この様な構成を採ることにより、ハウジング310とモータユニット320とが弾性体330のみを介して接続され、モータユニット320の振動を減衰してハウジング310に伝達する。
また非防振モードでは、係合部343が溝21aと係合する位置(連結位置)に固定部340が配置される。この様な構成を採ることにより、ハウジング310とモータユニット320とが固定部340により接続され、ハウジング310に対するモータユニット320のブレが生じ難くなる。
特に、回転及び打撃モード、及び回転モードにおいては、穴開精度を考慮して非防振モードにすることが望ましい。
本発明の電動工具については、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の改良や変形が可能である。例えば第四の実施の形態に示されたハンマドリルにおいて第一の実施の形態、及び第三の実施の形態の固定部の構成を適用してもよい。また、同じく第四の実施の形態において、切替レバー312が、固定部340の作用を兼ねるようにしてもよい。即ち切換レバー312の切替に応じて、防振モードと非防振モードとを選択的に採れるようにしてもよい。
また第一〜第四の実施の形態では、固定部をハウジング側に設けていたがこれに限らずモータユニット側に固定部を設けてもよい。
また第一の実施の形態では、連結位置において第一方向のみの振動を減衰するように構成したが、これに加えて第二方向の振動を減衰するように構成してもよい。即ち、第一方向及び第二方向から規定される平面と平行な方向については振動を減衰し、この平面と直交する方向においてのみハウジング10とモータユニット20とを互いに拘束するようにしてもよい。
また、連結位置において、ハウジングに対してモータユニットが相対移動しない構成を採ってもよい。この構成ではハウジングに対してモータユニットの位置が維持されるため、減衰材が圧縮、延伸等により変形することが抑制されるので、減衰材の劣化が抑制されて高寿命化を図ることができる。
尚、本発明の電動工具として刈込機及びハンマドリルを例示したがこれに限らず、振動が発生する電動工具であればいずれも本発明が適用可能であるのは言うまでもない。
1・・刈込機 10・・ハウジング 11・・ハンドル 11A・・スイッチ
12・・被係合部 13・・ハンドル 20・・モータユニット
21・・モータハウジング 22・・ベースプレート 22A・・レール部
23・・モータ 24・・クランク機構 25・・切断部 30・・弾性体
40・・固定部 41・・スライド部 42・・操作部 43・・係合部
101・・刈込機 110・・ハウジング 114・・内壁 114a・・長穴
114b・・長穴 120・・モータユニット 121・・モータハウジング
121a・・溝 121b・・溝 140A・・固定部 141A・・スライド部
142A・・操作部 143A・・係合部 201・・刈込機 210・・ハウジング
214・・内壁 214A・・第一ネジ 214B・・第二ネジ 214C・・第二ネジ
214D・・第二ネジ 220・・モータユニット 221・・モータハウジング
230A・・第一ブッシュ 230C・・第二ブッシュ 240・・固定部
301・・ハンマドリル 310・・ハウジング 310a・・長穴
311・・ハンドル 312・・切替レバー 11A・・スイッチ
320・・モータユニット 321・・モータハウジング 321a・・溝
322・・先端工具装着部 330・・弾性体 340・・固定部 343・・係合部

Claims (8)

  1. ハウジングと、
    該ハウジングに収容され、先端工具が装着可能であると共に該先端工具を駆動するモータを備えるモータユニットと、
    該ハウジングと該モータユニットとの間に介在し該ハウジングに対して該モータユニットを弾性的に支持する減衰材と、
    該ハウジングと該モータユニットとを互いに拘束する連結位置と、該ハウジングと該モータユニットとを互いに非拘束とする解除位置との間で移動可能な固定部とを有することを特徴とする電動工具。
  2. 該モータユニットは、該先端工具を第一方向及び該第一方向と交差する第二方向により定義される平面上で往復駆動し、
    該固定部は、該連結位置において該第一方向及び該第二方向と直交する方向においてのみ該ハウジングと該モータユニットとを互いに拘束することを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  3. 該モータユニットは、該先端工具を往復動状態に駆動可能に構成され、
    該固定部は、該連結位置において該往復動振動の振動方向と平行な方向においてのみ該ハウジングと該モータユニットとを互いに非拘束にすることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  4. 該固定部は、該連結位置において、該ハウジングに対する該モータユニットの位置を維持しながら該ハウジングと該モータユニットとを互いに拘束することを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  5. 該固定部は係合部を有すると共に該ハウジング及び該モータユニットのいずれか一方に装着され、
    該ハウジング及び該モータユニットのいずれか他方には、該固定部が該連結位置に配置された状態で該係合部と係合可能な被係合部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の電動工具。
  6. 該固定部は、該連結位置において、該減衰材を圧縮若しくは延伸して弾性係数を大きくし剛性を高めていることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  7. 該固定部は、該ハウジングにおいて該モータユニットを収容する部分に該ハウジングより突出する操作部を有し、該操作部を操作することで該連結位置と該解除位置との間を移動可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の電動工具。
  8. ハウジングと、
    該ハウジングに収容され、先端工具を駆動するモータを備えるモータユニットと、
    該ハウジングと該モータユニットとの間に介在し該ハウジングに対して該モータユニットを弾性的に支持可能な減衰材とを有し、
    該ハウジング及び該モータユニットは、該モータユニットの振動が該減衰材を介して該ハウジングに伝達される防振モードと、該モータユニットの振動が直接該ハウジングに伝達される非防振モードと、を採ることを特徴とする電動工具。
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