JP2004249432A - 手持ち動力工具の防振ハンドル - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、電気または空気圧または油圧により駆動され、作業者がハンドルを直接把持して種々の作業を行う手持ち動力工具の、穴あけ、切削、研削作業に伴い発生する振動が作業者に伝達する事を抑制し、且つハンドリング性の良い手持ち動力工具を提供する事である。
【解決手段】ハンドル1は樹脂等の比較的剛性の高い部材が用いられている。弾性体等比較的剛性の低い部材にて構成されたハンドル2には芯金3が一体に成形されており、芯金3には6角の回り止め部3aおよびネジ部3bが一体となっている。防振ハンドルの組み立ては、前記ハンドル1の回り止め穴部1aにハンドル2と一体成形された芯金3を挿入し、ハンドル1の回り止め穴部1aと芯金3の回り止め部3aは同様に6角になっており、挿入した後はハンドル1とハンドル2は互いに回転不可となる。
【選択図】 図1
【解決手段】ハンドル1は樹脂等の比較的剛性の高い部材が用いられている。弾性体等比較的剛性の低い部材にて構成されたハンドル2には芯金3が一体に成形されており、芯金3には6角の回り止め部3aおよびネジ部3bが一体となっている。防振ハンドルの組み立ては、前記ハンドル1の回り止め穴部1aにハンドル2と一体成形された芯金3を挿入し、ハンドル1の回り止め穴部1aと芯金3の回り止め部3aは同様に6角になっており、挿入した後はハンドル1とハンドル2は互いに回転不可となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気や空気圧または油圧により駆動し、作業者が直接把持して穴あけ、切削、研削等種々の作業を行う手持ち動力工具の、振動絶縁による作業者への作業負荷軽減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気や空気圧または油圧により駆動し、作業者がハンドルを把持して穴あけ、切削、研削等種々の作業を行う手持ち動力工具は既に広く利用されており、公知である。かかる手持ち動力工具の一例を図7、図8を用いてその構成等を説明する。図7は手持ち回転打撃工具の外観斜視図、図8は図7のサイドハンドルの部分縦断面図である。
【0003】
モータケーシング15に収納された図示しない駆動モータの回転はクランクケース14に収納された図示しないギヤ、クランクシャフト等を介して往復動と回転動に変換され、シリンダケース17に収納された図示しない衝撃駆動部、先端工具保持部18を介して先端工具に19に打撃力と回転力が伝達される。作業者はメインハンドル12、及びサイドハンドル10を把持してコンクリート等被削材への穴あけ等の作業を行う。20は前記サイドハンドル10をシリンダケース17に固定するための固定部材、13はスイッチ、16は打撃モード、回転+打撃モード等の作業形態を切替える切替スイッチである。
【0004】
図8に示すようにサイドハンドル10にはボルト11が回転不可の状態で埋設されており、図7に示す固定部材20に配設された雌ネジにサイドハンドル10を回転させる事により取り付けられている。
【0005】
上記した回転打撃工具にてコンクリート等の被削材への穴あけ作業を行った場合、先端工具19がコンクリートを打撃する事により発生する衝撃力、先端工具19が回転する事によりコンクリートとの間で発生するトルク等が本体を介して作業者に伝達し、作業者の疾病の危険を招くと共に、長時間作業を困難にしていた。
【0006】
上記した問題点を解消するために、従来からメインハンドル12、サイドハンドル10を防振構造とし、作業者への振動伝達の抑制に関する提案が数多くなされている。かかる改善の例としては、例えば前記ハンドルの外周に弾性材をコーティングするものがある。また、他の例としては例えば実開平5−86482、実開平6−80574、特開2001−239476のようにハンドルと本体との接続部を弾性構造とし、ハンドルへの振動伝達を抑制する事により効果を得ているものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ハンドルの主たる目的は、上記したように手持ち動力工具を把持して被削材の目的の場所に穴をあけることであるが、例えばより正確な位置に穴をあけたい等のハンドリング性も要求される。上記した従来の手持ち動力工具の防振ハンドルでは、例えばハンドリング性を重視してハンドルの強度を上げると防振効果が低下し、作業者へ大きな振動が伝達してしまう。また、作業者への防振効果を重視すると剛性低下によりハンドリング性が低下してしまう。
【0008】
本発明の目的は、前記先端工具と被削材との衝突等をはじめとした各種手持ち動力工具の穴あけ、研削、切削時に発生する振動の作業者への伝達を抑制し、且つハンドリング性のよい手持ち動力工具の防振ハンドル、特にサイドハンドルを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、前記ハンドル、特にサイドハンドルを把持可能な幅を有した少なくとも2種類の防振特性を有した構成とすることにより達成される。更に、サイドハンドルの本体に近い側を比較的剛性を高く、本体に遠い側を比較的剛性の低い構造とすることにより達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明による手持ち動力工具の防振ハンドルの詳細を、図1に示す防振ハンドルの一実施形態の部分縦断面図を用いて説明する。
【0011】
ハンドル1は樹脂等の比較的剛性の高い部材が用いられている。弾性体等比較的剛性の低い部材にて構成されたハンドル2には芯金3が一体に成形されており、芯金3には6角の回り止め部3aおよびネジ部3bが一体となっている。防振ハンドルの組み立ては、前記ハンドル1の回り止め穴部1aにハンドル2と一体成形された芯金3を挿入するが、ハンドル1の回り止め穴部1aと芯金3の回り止め部3a、ハンドル1の穴部1bとハンドル2の外径部2aの径方向はスキマばめになっており、容易に手で挿入できる。また、ハンドル1の回り止め穴部1aと芯金3の回り止め部3aは同様に6角になっており、挿入した後はハンドル1とハンドル2は互いに回転不可となる。上記した防振ハンドルの本体への取り付けに関しては、図7に示す固定部材20へハンドル1を回転させる事により組み立てる。更に、ハンドル2の弾性部材が軸方向に若干つぶされた状態で固定されるように芯金3の段差部3dの位置を調整しておけば、防振ハンドルの本体への締結力が増す。
【0012】
以上のように構成された防振ハンドルを用いた手持ち動力工具で作業をする場合、振動が大きく、比較的高ハンドリング性を必要としない作業時は、作業者はハンドル2を把持して作業を行う。ハンドル2の防振効果は大きいため、作業者は低い振動での作業を行う事ができる。一方、比較的デリケートな、高ハンドリング性を要する作業を行う場合、作業者はハンドル1を把持し作業を行う。この場合、作業者は正確な作業を行う事が可能となる。一般的に、正確な作業を必要とする場合は軽作業である場合が多く、比較的振動が少ないため、作業者はハンドル1を把持してもさほど不快感を感じる事は少ない。精密作業用のハンドル1が存在するため、ハンドル2は作業に影響しない範囲で剛性を低下させる事ができ、今までにない防振特性を有する事ができる。
【0013】
図2に他の実施形態による手持ち動力工具の防振ハンドルの部分縦断面図を示す。本実施例では、ハンドル2を中空とし、芯金3と一体にハンドル2の後端まで伸びるガイド3cを、ハンドル2との間に隙間4を設けた状態で配設している。本構成とする事により、作業者がBハンドル2を把持して作業している時に、ある一定以上の力が生じた場合、ガイド3cによりそれ以上変形しないようになる。上記構成にする事により、ハンドル2を更に低剛性にしても安全性は保たれるようになる。ガイド3c、隙間4の大きさ等は手持ち動力工具の能力等に応じて適宜選択できるのは言うまでもない。
【0014】
更に、図3に示した他の実施形態では、図2の実施形態をベースに隙間4の一部に保持部材5を配設した。上記した構成とする事により、動力工具の衝撃力に応じて徐々に剛性が大きくなる構成となり、作業者の操作性も向上する。また、図3の構成にする事により、更に設計の幅が広がり、剛性の変化形態を任意に設計する事が可能となる。なお、保持部材5とハンドル2の間に隙間を設ける事も本発明に含まれるものである。保持部材5の材質等もOリング等の弾性部材であろうと樹脂等の部材であろうと任意である。
【0015】
図4に示した他の実施形態では、図2、図3の実施形態の変形例として、ガイド3cの更に後端にハンドル2の内径よりも大きなストッパ6をガイド3cにネジ止め等の方法で配設する事により、万が一ハンドル2の弾性部材が破断しハンドル1から脱落しても、完全に抜けきる事はなく、作業者の安全が確保される。
【0016】
更に他の実施形態としては、図5に示すように芯金3の外周に制振部材7を配設し、その外周に拘束部材8、更にその外周に弾性部材等により構成されるハンドル2を配設する方法もある。この場合、芯金3を比較的低剛性の部材とし、更にハンドル1の穴部1bとハンドル2の外径部2aとの隙間を大きく取る事により、更に防振効果は向上する。
【0017】
更に他の実施形態としては、図6に示すように、芯金3の後端部に鋼板層9aと弾性部材層9bからなる積層ダンパ9を一体成形し、更に積層ダンパ9の後端にBハンドル2を一体成形する構成とする方法もある。この場合、積層ダンパ9は径方向にばね定数が低いため、ハンドル1の穴部1bとハンドル2の外径部2aとの隙間を調節する事により、任意の防振効果を得る事ができる。
【0018】
これまで示してきた例は本発明を実現するごく一部の例であり、本発明の根幹である「ハンドルを把持可能な幅を有する少なくとも2種類の防振特性にて構成する」ためのいかなる方法も本発明に含まれる事は言うまでもない。
【0019】
例えば、本実施形態ではハンドル1の回り止め穴部1aと芯金3の回り止め部3aを6角形としているが、当然4角形でもよく、また、芯金3の回り止め部3aとハンドル1の回り止め穴部1aのはめあいは任意に決定して良い。更にはハンドル1とハンドルの回り止めの手法として他のいかなる方法を用いても良い。
【0020】
また、ハンドル1とハンドル2それぞれの幅については、基本的には標準的な手の大きさ程度の幅を有していれば良いが、例えばハンドル1が指2本分程度の幅で、作業者がハンドル1とハンドル2の両方を把持した状態でも作業者は高ハンドリング状態で作業できるため、本発明の効果は充分に有する。この場合の利点は、ハンドル2の位置がより本体側に近づくため、作業者が大きな振動が発生する作業を行う場合に、より本体に近い側を把持する事ができる。従って、作業者の手が完全に収まる幅を有していなくても、把持が可能であれば本発明に含まれるものである。
【0021】
これまでは主にハンドル2の材質、形態、保持方法等について言及してきたが、これまで提案してきた実施形態の組み合わせにて構成しても何ら問題ない。更には、ハンドル1およびハンドル2の外周に同一の弾性部材層を配設する等を行っても、ハンドル1とハンドル2の防振特性が異なっていれば本発明の効果は有する。
【0022】
本発明は特にサイドハンドルとして用いた場合大きな効果を有するが、メインハンドル12にも同様の構造にて構成すれば、同様の効果が得られる。なお、その場合はスイッチ13や図示しない内部配線等の取り扱いを注意する必要がある。
【0023】
これまで、回転打撃工具を例に本発明を説明してきたが、その他の手持ち動力工具、例えばグラインダー、ドリル等にも同様の防振ハンドルを使用すれば、同様の効果が得られる事は言うまでもない。
【0024】
なお、手持ち動力工具の動力源は電気、空気圧、油圧等いかなる動力源であっても本発明による手持ち動力工具の防振ハンドルは取り付け可能であり、同様の効果を有するものである。
【0025】
【発明の効果】
上記したように本発明によれば、電気、空気圧、油圧等により駆動され、作業者が直接把持して穴あけ、切削、研削等種々の作業を行う手持ち動力工具の、穴あけ、切削、研削等の作業に起因する振動の作業者への伝達を抑制し、且つ高ハンドリング性も備えることができ、作業者に低振動、高フィーリングの手持ち動力工具を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明手持ち動力工具の防振ハンドルの一実施形態を示す部分縦断面図。
【図2】本発明手持ち動力工具の防振ハンドルの他の実施形態を示す部分縦断面図。
【図3】本発明手持ち動力工具の防振ハンドルの更に他の実施形態を示す部分縦断面図。
【図4】本発明手持ち動力工具の防振ハンドルの更に他の実施形態を示す部分縦断面図。
【図5】本発明手持ち動力工具の防振ハンドルの更に他の実施形態を示す部分縦断面図。
【図6】本発明手持ち動力工具の防振ハンドルの更に他の実施形態を示す部分縦断面図。
【図7】従来の手持ち動力工具の一例を示す回転打撃工具の外観斜視図。
【図8】図7に示す従来の手持ち動力工具のサイドハンドルの部分縦断面図。
【符号の説明】
1はハンドル、1aは回り止め穴部、1bは穴部、2はハンドル、2aは外径部、3は芯金、3aは回り止め部、3bはネジ部、3cはガイド、3dは段差部、4は隙間、5は保持部材、6はストッパ、7は制振部材、8は拘束部材、9は積層ダンパ、9aは鋼板層、9bは弾性部材層、10はサイドハンドル、11はボルト、12はメインハンドル、13はスイッチ、14はクランクケース、15はモータケーシング、16は切替スイッチ、17はシリンダケース、18は先端工具保持部材、19は先端工具、20は固定部材である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気や空気圧または油圧により駆動し、作業者が直接把持して穴あけ、切削、研削等種々の作業を行う手持ち動力工具の、振動絶縁による作業者への作業負荷軽減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気や空気圧または油圧により駆動し、作業者がハンドルを把持して穴あけ、切削、研削等種々の作業を行う手持ち動力工具は既に広く利用されており、公知である。かかる手持ち動力工具の一例を図7、図8を用いてその構成等を説明する。図7は手持ち回転打撃工具の外観斜視図、図8は図7のサイドハンドルの部分縦断面図である。
【0003】
モータケーシング15に収納された図示しない駆動モータの回転はクランクケース14に収納された図示しないギヤ、クランクシャフト等を介して往復動と回転動に変換され、シリンダケース17に収納された図示しない衝撃駆動部、先端工具保持部18を介して先端工具に19に打撃力と回転力が伝達される。作業者はメインハンドル12、及びサイドハンドル10を把持してコンクリート等被削材への穴あけ等の作業を行う。20は前記サイドハンドル10をシリンダケース17に固定するための固定部材、13はスイッチ、16は打撃モード、回転+打撃モード等の作業形態を切替える切替スイッチである。
【0004】
図8に示すようにサイドハンドル10にはボルト11が回転不可の状態で埋設されており、図7に示す固定部材20に配設された雌ネジにサイドハンドル10を回転させる事により取り付けられている。
【0005】
上記した回転打撃工具にてコンクリート等の被削材への穴あけ作業を行った場合、先端工具19がコンクリートを打撃する事により発生する衝撃力、先端工具19が回転する事によりコンクリートとの間で発生するトルク等が本体を介して作業者に伝達し、作業者の疾病の危険を招くと共に、長時間作業を困難にしていた。
【0006】
上記した問題点を解消するために、従来からメインハンドル12、サイドハンドル10を防振構造とし、作業者への振動伝達の抑制に関する提案が数多くなされている。かかる改善の例としては、例えば前記ハンドルの外周に弾性材をコーティングするものがある。また、他の例としては例えば実開平5−86482、実開平6−80574、特開2001−239476のようにハンドルと本体との接続部を弾性構造とし、ハンドルへの振動伝達を抑制する事により効果を得ているものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ハンドルの主たる目的は、上記したように手持ち動力工具を把持して被削材の目的の場所に穴をあけることであるが、例えばより正確な位置に穴をあけたい等のハンドリング性も要求される。上記した従来の手持ち動力工具の防振ハンドルでは、例えばハンドリング性を重視してハンドルの強度を上げると防振効果が低下し、作業者へ大きな振動が伝達してしまう。また、作業者への防振効果を重視すると剛性低下によりハンドリング性が低下してしまう。
【0008】
本発明の目的は、前記先端工具と被削材との衝突等をはじめとした各種手持ち動力工具の穴あけ、研削、切削時に発生する振動の作業者への伝達を抑制し、且つハンドリング性のよい手持ち動力工具の防振ハンドル、特にサイドハンドルを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、前記ハンドル、特にサイドハンドルを把持可能な幅を有した少なくとも2種類の防振特性を有した構成とすることにより達成される。更に、サイドハンドルの本体に近い側を比較的剛性を高く、本体に遠い側を比較的剛性の低い構造とすることにより達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明による手持ち動力工具の防振ハンドルの詳細を、図1に示す防振ハンドルの一実施形態の部分縦断面図を用いて説明する。
【0011】
ハンドル1は樹脂等の比較的剛性の高い部材が用いられている。弾性体等比較的剛性の低い部材にて構成されたハンドル2には芯金3が一体に成形されており、芯金3には6角の回り止め部3aおよびネジ部3bが一体となっている。防振ハンドルの組み立ては、前記ハンドル1の回り止め穴部1aにハンドル2と一体成形された芯金3を挿入するが、ハンドル1の回り止め穴部1aと芯金3の回り止め部3a、ハンドル1の穴部1bとハンドル2の外径部2aの径方向はスキマばめになっており、容易に手で挿入できる。また、ハンドル1の回り止め穴部1aと芯金3の回り止め部3aは同様に6角になっており、挿入した後はハンドル1とハンドル2は互いに回転不可となる。上記した防振ハンドルの本体への取り付けに関しては、図7に示す固定部材20へハンドル1を回転させる事により組み立てる。更に、ハンドル2の弾性部材が軸方向に若干つぶされた状態で固定されるように芯金3の段差部3dの位置を調整しておけば、防振ハンドルの本体への締結力が増す。
【0012】
以上のように構成された防振ハンドルを用いた手持ち動力工具で作業をする場合、振動が大きく、比較的高ハンドリング性を必要としない作業時は、作業者はハンドル2を把持して作業を行う。ハンドル2の防振効果は大きいため、作業者は低い振動での作業を行う事ができる。一方、比較的デリケートな、高ハンドリング性を要する作業を行う場合、作業者はハンドル1を把持し作業を行う。この場合、作業者は正確な作業を行う事が可能となる。一般的に、正確な作業を必要とする場合は軽作業である場合が多く、比較的振動が少ないため、作業者はハンドル1を把持してもさほど不快感を感じる事は少ない。精密作業用のハンドル1が存在するため、ハンドル2は作業に影響しない範囲で剛性を低下させる事ができ、今までにない防振特性を有する事ができる。
【0013】
図2に他の実施形態による手持ち動力工具の防振ハンドルの部分縦断面図を示す。本実施例では、ハンドル2を中空とし、芯金3と一体にハンドル2の後端まで伸びるガイド3cを、ハンドル2との間に隙間4を設けた状態で配設している。本構成とする事により、作業者がBハンドル2を把持して作業している時に、ある一定以上の力が生じた場合、ガイド3cによりそれ以上変形しないようになる。上記構成にする事により、ハンドル2を更に低剛性にしても安全性は保たれるようになる。ガイド3c、隙間4の大きさ等は手持ち動力工具の能力等に応じて適宜選択できるのは言うまでもない。
【0014】
更に、図3に示した他の実施形態では、図2の実施形態をベースに隙間4の一部に保持部材5を配設した。上記した構成とする事により、動力工具の衝撃力に応じて徐々に剛性が大きくなる構成となり、作業者の操作性も向上する。また、図3の構成にする事により、更に設計の幅が広がり、剛性の変化形態を任意に設計する事が可能となる。なお、保持部材5とハンドル2の間に隙間を設ける事も本発明に含まれるものである。保持部材5の材質等もOリング等の弾性部材であろうと樹脂等の部材であろうと任意である。
【0015】
図4に示した他の実施形態では、図2、図3の実施形態の変形例として、ガイド3cの更に後端にハンドル2の内径よりも大きなストッパ6をガイド3cにネジ止め等の方法で配設する事により、万が一ハンドル2の弾性部材が破断しハンドル1から脱落しても、完全に抜けきる事はなく、作業者の安全が確保される。
【0016】
更に他の実施形態としては、図5に示すように芯金3の外周に制振部材7を配設し、その外周に拘束部材8、更にその外周に弾性部材等により構成されるハンドル2を配設する方法もある。この場合、芯金3を比較的低剛性の部材とし、更にハンドル1の穴部1bとハンドル2の外径部2aとの隙間を大きく取る事により、更に防振効果は向上する。
【0017】
更に他の実施形態としては、図6に示すように、芯金3の後端部に鋼板層9aと弾性部材層9bからなる積層ダンパ9を一体成形し、更に積層ダンパ9の後端にBハンドル2を一体成形する構成とする方法もある。この場合、積層ダンパ9は径方向にばね定数が低いため、ハンドル1の穴部1bとハンドル2の外径部2aとの隙間を調節する事により、任意の防振効果を得る事ができる。
【0018】
これまで示してきた例は本発明を実現するごく一部の例であり、本発明の根幹である「ハンドルを把持可能な幅を有する少なくとも2種類の防振特性にて構成する」ためのいかなる方法も本発明に含まれる事は言うまでもない。
【0019】
例えば、本実施形態ではハンドル1の回り止め穴部1aと芯金3の回り止め部3aを6角形としているが、当然4角形でもよく、また、芯金3の回り止め部3aとハンドル1の回り止め穴部1aのはめあいは任意に決定して良い。更にはハンドル1とハンドルの回り止めの手法として他のいかなる方法を用いても良い。
【0020】
また、ハンドル1とハンドル2それぞれの幅については、基本的には標準的な手の大きさ程度の幅を有していれば良いが、例えばハンドル1が指2本分程度の幅で、作業者がハンドル1とハンドル2の両方を把持した状態でも作業者は高ハンドリング状態で作業できるため、本発明の効果は充分に有する。この場合の利点は、ハンドル2の位置がより本体側に近づくため、作業者が大きな振動が発生する作業を行う場合に、より本体に近い側を把持する事ができる。従って、作業者の手が完全に収まる幅を有していなくても、把持が可能であれば本発明に含まれるものである。
【0021】
これまでは主にハンドル2の材質、形態、保持方法等について言及してきたが、これまで提案してきた実施形態の組み合わせにて構成しても何ら問題ない。更には、ハンドル1およびハンドル2の外周に同一の弾性部材層を配設する等を行っても、ハンドル1とハンドル2の防振特性が異なっていれば本発明の効果は有する。
【0022】
本発明は特にサイドハンドルとして用いた場合大きな効果を有するが、メインハンドル12にも同様の構造にて構成すれば、同様の効果が得られる。なお、その場合はスイッチ13や図示しない内部配線等の取り扱いを注意する必要がある。
【0023】
これまで、回転打撃工具を例に本発明を説明してきたが、その他の手持ち動力工具、例えばグラインダー、ドリル等にも同様の防振ハンドルを使用すれば、同様の効果が得られる事は言うまでもない。
【0024】
なお、手持ち動力工具の動力源は電気、空気圧、油圧等いかなる動力源であっても本発明による手持ち動力工具の防振ハンドルは取り付け可能であり、同様の効果を有するものである。
【0025】
【発明の効果】
上記したように本発明によれば、電気、空気圧、油圧等により駆動され、作業者が直接把持して穴あけ、切削、研削等種々の作業を行う手持ち動力工具の、穴あけ、切削、研削等の作業に起因する振動の作業者への伝達を抑制し、且つ高ハンドリング性も備えることができ、作業者に低振動、高フィーリングの手持ち動力工具を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明手持ち動力工具の防振ハンドルの一実施形態を示す部分縦断面図。
【図2】本発明手持ち動力工具の防振ハンドルの他の実施形態を示す部分縦断面図。
【図3】本発明手持ち動力工具の防振ハンドルの更に他の実施形態を示す部分縦断面図。
【図4】本発明手持ち動力工具の防振ハンドルの更に他の実施形態を示す部分縦断面図。
【図5】本発明手持ち動力工具の防振ハンドルの更に他の実施形態を示す部分縦断面図。
【図6】本発明手持ち動力工具の防振ハンドルの更に他の実施形態を示す部分縦断面図。
【図7】従来の手持ち動力工具の一例を示す回転打撃工具の外観斜視図。
【図8】図7に示す従来の手持ち動力工具のサイドハンドルの部分縦断面図。
【符号の説明】
1はハンドル、1aは回り止め穴部、1bは穴部、2はハンドル、2aは外径部、3は芯金、3aは回り止め部、3bはネジ部、3cはガイド、3dは段差部、4は隙間、5は保持部材、6はストッパ、7は制振部材、8は拘束部材、9は積層ダンパ、9aは鋼板層、9bは弾性部材層、10はサイドハンドル、11はボルト、12はメインハンドル、13はスイッチ、14はクランクケース、15はモータケーシング、16は切替スイッチ、17はシリンダケース、18は先端工具保持部材、19は先端工具、20は固定部材である。
Claims (3)
- 電動機或いは油圧或いは空気圧により駆動し、作業者がハンドルを把持して種々の作業を行う手持ち動力工具であって、前記ハンドルが把持可能な幅を有した少なくとも2種類の防振特性を有して成ることを特徴とする手持ち動力工具の防振ハンドル。
- 前記ハンドルはメインハンドルと別に配設されるサイドハンドルであることを特徴とする請求項1記載の手持ち動力工具の防振ハンドル。
- 前記サイドハンドルにおいて、本体に近い側を樹脂等比較的硬度の高い材質にて構成し、本体に遠い側を弾性体等比較的硬度の低い材質にて構成することを特徴とする請求項2記載の手持ち動力工具の防振ハンドル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003044022A JP2004249432A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 手持ち動力工具の防振ハンドル |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003044022A JP2004249432A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 手持ち動力工具の防振ハンドル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004249432A true JP2004249432A (ja) | 2004-09-09 |
Family
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2004249432A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010274385A (ja) * | 2009-05-29 | 2010-12-09 | Hitachi Koki Co Ltd | 電動工具 |
JP2010274384A (ja) * | 2009-05-29 | 2010-12-09 | Hitachi Koki Co Ltd | 電動工具 |
-
2003
- 2003-02-21 JP JP2003044022A patent/JP2004249432A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010274385A (ja) * | 2009-05-29 | 2010-12-09 | Hitachi Koki Co Ltd | 電動工具 |
JP2010274384A (ja) * | 2009-05-29 | 2010-12-09 | Hitachi Koki Co Ltd | 電動工具 |
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