JP4529361B2 - 電動工具のハンドル構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハンドル部構造を電動工具のハンドル構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動工具の一例を図8〜図12を用いて説明する。なお、図8は電動工具である電気ドリルの一例を示す側面図、図9は図8のA−A線断面図、図10は要部拡大一部断面図、図11は図9の展開図、図12は図10の展開図である。
【0003】
図8に示すように、電気ドリルは、図示しない電動機を内蔵したハウジング2と、ハウジング2の図示右側に設けられ、電動機により回転駆動する工具保持部7と、ハウジング2の反工具保持部7側にハウジング2に一体的に設けられ、ハウジング2の軸方向に対してほぼ直角に延びるハンドル1が配置されている。ハンドル1の反工具保持部7側にはハンドルカバー3が設けられ、ハンドルカバー3はネジ4によりハンドル1に固定されている。
【0004】
ハンドル1はハンドル部材1a、1bから構成され、双方にはネジ貫通穴1cとハンドルカバー座面1dが設けられている。ハンドルカバー3は比較的硬質な素材から形成されたベース部3aと、比較的軟質でかつ摩擦係数の大きな素材から形成されたグリップ部3bで構成されている。ベース部3aにはハンドル部材1a、1bに設けられたネジ貫通穴1cとハンドルカバー座面1dに対応可能なネジ取付座3c、3d、メネジ穴3e、ハンドル取付座3fが設けられている。
【0005】
ハンドル部材1a、1bを合わせた状態で、ネジ貫通穴1cとハンドルカバー3のメネジ穴3eとが対応するようハンドルカバー3を位置させ、ネジ貫通穴1c及びメネジ穴3eにネジ4をネジ嵌合させることによりハンドル1a、1bはハンドル取付座3fによって挟持されると共に、ハンドルカバー3がハンドル1に固定される。
【0006】
この種の電動工具は、ハンドル1の反先端工具7側に表面(グリップ部3b)が比較的軟質でかつ摩擦係数の大きな素材により形成されたハンドルカバー3を取付けることで、作業時に加わる振動や衝撃が作業者に伝わることを抑制すると共にハンドル1の把持を容易に行うことができるようにして、作業性の向上を図るようしている。また、1つのネジ4がハンドル1のネジ貫通穴1cに貫通しハンドルカバー3のメネジ穴3eとネジ嵌合可能な構成とすることにより、2つ割り構成のハンドル1の固定作業とハンドルカバー3の取付け作業を1作業によって行うことができるようにした構成をしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような構成の従来の電動工具では、ハンドルカバー3のグリップ部3bが比較的軟質でかつ摩擦係数の大きな素材で形成されていることにより、ハンドル1の把持時に滑り易くしハンドル1の把持を容易にすることができるようにしているが、ハンドル1を把持している際に作業者に加わる振動や衝撃を抑制する点については、グリップ部3b自体が変形することでしか振動や衝撃を吸収することができないため、ハンドルカバー3による振動や衝撃の減衰効果は低いものであった。
【0008】
なお、振動や衝撃の減衰効果を向上させるためにグリップ部3の厚みを増すことも考えられるが、この場合、ハンドル1の外径寸法を大きくしてしまい、大型化させてしまうと共にハンドル1把持をし難くしてしまい作業性を低下させてしまうという欠点があると共に、ハンドルカバー3の成形時に外観にひけが発生し易くなる等生産性低下の問題をも発生してしまう。
【0009】
本発明の目的は、上記欠点を解消し、操作性の向上を図ることができると共に、振動や衝撃の減衰効果を向上させた電動工具を提供することである。
【0010】
上記目的は、電動機を内蔵するハウジングと、作業者が操作・保持するハンドルと、該ハンドルの握り部周辺に装着されるベース部と、表面が前記ハンドル及び前記ベース部よりも柔軟もしくは摩擦係数が大きく形成されるグリップ部と、を有し、かつ前記ハンドルに対し着脱可能なハンドルカバーと、有する電動工具において、前記ハンドルカバーを前記ハンドルに対して可動とし、前記グリップ部より前記ベース部を貫通するように、前記グリップ部に突起部を設け、前記ハンドルカバーが前記ハンドルに対して動いた際に、前記突起部は前記ハンドルによりつぶれるように構成したことを特徴とする電動工具により達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明電動工具の実施例を図1〜図7を用いて以下説明する。
【0012】
図1は図9と同じ位置の断面図を示し、図3は図1を部品単位に展開したもの、図2は図1を側面から見た部分断面図、図4は図3の側面図である。ハンドル1はハンドル部材1a、1bから成り、双方に貫通長穴1eとハンドルカバー座面1dが設けてある。ここで貫通長穴1eの長手方向は工具操作時の推力方向と略平行としてある。スリーブ6は円筒状の部材であり、内径はネジ4外径よりやや大きく、外径は貫通長穴1eに挿入した場合、該貫通長穴1eの長手方向に対し隙間5aを生じ、かつ該貫通長穴1eの長手方向に容易に移動できる寸法としてある。また、スリーブ6の長さはハンドルカバー座面1dから若干突出する寸法としてある。
【0013】
ハンドルカバー3は硬質な素材から成るベース部3aと、軟質で比較的摩擦係数の大きな素材から成るグリップ部3bで構成されており、ハンドル1との係合面側に部分的にグリップ部3bと同素材をベース部3aから突出させ、突起部3gを形成してある。ベース部3aには前記貫通長穴1eとハンドルカバー座面1dに対応する位置にネジ取付座3c、ネジ取付穴3d、メネジ穴3e、ハンドル取付座3fが設けてある。特に、ネジ取付穴3d、メネジ穴3eの位置は、貫通長穴1eにスリーブ6を組込み、後方に寄せた場合のスリーブ6中心位置に対応させている。ハンドルカバー3は、ネジ4を締付けることでスリーブ6の端面を挟持する。ここで前述の様にスリーブ6は貫通長穴1eの長手方向に移動可能であることから、ハンドルカバー3はハンドル1に対し、概ね工具の推力方向に可動である。組立状態においてハンドルカバー3とハンドル1は、突起部3gおよびスリーブ6を介して接触している。他の係合部については隙間5a〜5dを設けてある。尚、隙間5a〜5dの量は、ハンドルカバー3に荷重がかかり、突起部3gが弾性変形してもゼロにならないように各部の形状、寸法を工夫してある。
図5はハンドルカバー3の断面図、図6はハンドルカバー3組立時のハンドル1、ハンドルカバー3、スリーブ6の位置関係を示すもの、図7は操作時の状態を示すものである。操作時に荷重をかけると突起部3gがつぶれ、同時にスリーブ6が前方に移動する。よって、推力方向に関しては、ハンドルカバー3は、ハンドル1と突起部3gを介して接触しているのみとなる。これより操作時に発生する推力方向の振動は突起部3gにより減衰され、ハンドルカバー3には伝わりにくくなる。尚、減衰力は突起部3gの太さ、配置、個数、組立状態におけるつぶし量を工夫することにより調整できる。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、生産性を低下させることなくすべり止め機能に加え振動減衰機能を付加することができるため、操作性が良く、顧客満足度の高い電動工具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す要部断面図。
【図2】本発明の実施例を示す部分断面図である。
【図3】図1の展開図である。
【図4】本発明の実施例を示す部分断面展開図である。
【図5】本発明の実施例を示す部分断面図である。
【図6】本発明の実施例を示す部分断面図である。
【図7】本発明の実施例を示す部分断面図である。
【図8】電動工具の一例としての電気ドリルを示す側面図である。
【図9】従来技術を示す図8のA−A線断面図である。
【図10】従来技術を示す部分断面図である。
【図11】図9の展開図である。
【図12】従来技術を示す部分断面展開図である。
【符号の説明】
1はハンドル、1a、1bはハンドル部材、1cはネジ貫通穴、1dはハンドルカバー座面、1eは貫通長穴、2はハウジング、3はハンドルカバー、3aはベース部、3bはグリップ部、3cはネジ取付座、3dはネジ取付穴、3eはメネジ穴、3fはハンドル取付座、3gは突起部、4はネジ、5は隙間、6はスリーブである。
Claims (3)
- 電動機を内蔵するハウジングと、
作業者が操作・保持するハンドルと、
該ハンドルの握り部周辺に装着されるベース部と、表面が前記ハンドル及び前記ベース部よりも柔軟もしくは摩擦係数が大きく形成されるグリップ部と、を有し、かつ前記ハンドルに対し着脱可能なハンドルカバーと、を有し、
前記ハンドルの表面に前記ベース部が配置され、前記ベース部の反ハンドル側の表面に前記グリップ部が配置される電動工具において、
前記ハンドルカバーを前記ハンドルに対して可動とし、
前記グリップ部より前記ベース部を貫通するように、前記グリップ部に突起部を設け、
前記ハンドルカバーが前記ハンドルに対して動いた際に、前記突起部は前記ハンドルによりつぶれるように構成したことを特徴とする電動工具。 - 前記ハンドルカバーには、ねじが設けられており、
前記ハンドルには、前記ねじが配置される貫通長穴が設けられることを特徴とする請求項1記載の電動工具。 - 前記ハウジングの前方には、工具保持部が設けられ、
前記ハンドルの後方には、前記ハンドルカバーが設けられ、
前記貫通長穴は、前後方向に延びることを特徴とする請求項2記載の電動工具。
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