JP5381518B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5381518B2
JP5381518B2 JP2009201402A JP2009201402A JP5381518B2 JP 5381518 B2 JP5381518 B2 JP 5381518B2 JP 2009201402 A JP2009201402 A JP 2009201402A JP 2009201402 A JP2009201402 A JP 2009201402A JP 5381518 B2 JP5381518 B2 JP 5381518B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
flow path
liquid
ink
recording head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009201402A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011051201A (ja
Inventor
潤 一ノ渡
信之 赤石
文隆 掬川
敏郎 得能
知己 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2009201402A priority Critical patent/JP5381518B2/ja
Publication of JP2011051201A publication Critical patent/JP2011051201A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5381518B2 publication Critical patent/JP5381518B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は画像形成装置に関し、特に液滴を吐出する記録ヘッドを備える画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
なお、本願において、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体にインクを着弾させて画像形成を行う装置(単なる液体吐出装置を含む)を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与する(単に液滴を媒体に着弾させる、即ち液滴吐出装置ないし液体吐出装置と称されるものを含む)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体、DNA試料、パターニング材料などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。また、「用紙」とは、材質を紙に限定するものではなく、上述したOHPシート、布なども含み、インク滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含むものの総称として用いる。
記録ヘッドとして用いる液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)としては、圧電アクチュエータ等により振動板を変位させ液室内の体積を変化させて圧力を高め液滴を吐出させる圧電型ヘッドや、液室内に通電によって発熱する発熱体を設けて、発熱体の発熱により生じる気泡によって液室内の圧力を高め、液滴を吐出させるサーマル型ヘッドが知られている。
このような液体吐出方式の画像形成装置においては、特に画像形成スループットの向上、すなわち画像形成速度の高速化が望まれており、本体据え置きの大容量のインクカートリッジ(メインタンク)からチューブを介して記録ヘッド上部のサブタンク(ヘッドタンク、バッファタンクと称されるものを含む。)にインクを供給する方式が行なわれている。このようなチューブを用いてインクを供給する方式(チューブ供給方式)とすることで、キャリッジ部を軽量小型化でき、構造系、駆動系も含めて装置を大幅に小型化できる。
ところで、チューブ供給方式では、画像形成で記録ヘッドから消費されるインクがインクカートリッジからチューブを通って記録ヘッドに供給されることになるが、例えば、柔軟性に富む細いチューブを使うと、チューブをインクが流れる際の流体抵抗が大きいため、インク供給がインク吐出に間に合わず吐出不良となる。特に、広幅の記録媒体に印字する大型マシンでは必然的にチューブが長くなりチューブの流体抵抗が大きくなる。また、高速印字する場合や高粘度のインクを吐出する場合も流体抵抗が増大し、記録ヘッドに対するインク供給不足が課題となる。
そこで、従来、特許文献1に開示されているように、インクカートリッジのインクを加圧状態に保持すると共に、ヘッドのインク供給上流側に差圧弁を設けて、サブタンク内の負圧が所定の圧力より大きい時にインクを供給するようにすることが知られている。
また、特許文献2に開示されているように、ヘッドの上流にばねによって負圧を得る負圧室にポンプでインクを送液して積極的にインク供給圧を制御するもの、特許文献3に開示されているように、負圧室を有していないが、同様にポンプによって積極的に圧力を制御する方式のものも知られている。
一方、簡単な構成で負圧を得る方式としては、大気に連通したインクカートリッジと記録ヘッドをチューブで接続し、単にインクカートリッジを記録ヘッドよりも下方に配置することで、水頭差で負圧を得る方式がある。
この方式では、負圧連動弁を用いて常時加圧する方式や負圧室を設けてポンプで送液する方式よりも圧倒的に簡易な構成でありながらもより安定な負圧を得ることができるものの、この水頭方式では前述したチューブ抵抗による圧力損失の問題がある。
この水頭差によって負圧を得るインク供給システムでこの圧力損失を解決する技術としては、例えば、特許文献4に開示されているように、ヘッドとインクカートリッジを繋ぐチューブにポンプを設け、さらにポンプの上流側と下流側を繋ぐバイパス経路を設けて、このバイパス経路に弁を設けた構成とし、バイパス経路に設けた弁の開度を印字によって適宜制御して所望の圧力を保つものが知られている。
一方、インク供給システムにおいて、液体吐出ヘッドの圧力変動を抑制する技術としては、例えば、特許文献5に開示されているように、ダンパー装置に一定量の気泡を貯留するように形成されたダンパー作用室を設けることで圧力変動を吸収し、ノズルからのインク吐出圧力を均一に維持することが知られている
また、ダンパーとしては、特許文献6に開示されているように、インク室と空気室とを仕切る仕切り部材として可撓性フィルムを設けるとともに、空気室に可撓性フィルムにかかる背圧を調整する圧力調整機構としてエアーポンプと開閉弁を設けることでインクの圧力変動を吸収し、インクの吐出不良を防止するものが知られている。
特許第3606282号公報 特開2005−342960号公報 特表平5−504308号公報 特開2004−351845号公報 特開2005−280028号公報 特開2005−119031号公報 特開2008−200903号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、前述したリフィル不足の問題は解決されるが、負圧を制御するための機構が複雑であり、しかも負圧連動弁のシール性能を高度に要求されるという課題がある。また、常時加圧する方式であるため、インク供給経路中にある全ての接続部の気密も高度に要求され、万一故障した際には、インクが噴出する不具合が生じるおそれがある。
また、特許文献2、3に開示の技術では、ポンプによって積極的に圧力を制御することから、インクの消費量等に応じて正確にポンプの送液量を制御する必要があるため、負圧室の圧力を用いたフィードバック制御等が必要となる。また、例えば色の異なる複数種のインクを用いる画像形成装置に適用する場合には、色種ごとにポンプを制御することが求められ、制御が複雑で、装置が大型化するという課題がある。
また、特許文献4に開示の技術でも、色の異なる複数種のインクを用いる画像形成装置に適用する場合には、色種ごとにポンプを制御することが求められ、装置が大型化する課題がある。
一方、特許文献5に開示の技術にあっては、圧力ダンパーとして気泡を貯留させるので、液体吐出ヘッドのノズル吸引などのメンテナンス時に誤って気泡が液体吐出ヘッドへ流入し、吐出不良を引き起こすおそれがあるという課題がある。
また、ポンプを使用することで圧力変動を抑える特許文献6に開示の技術にあっては、装置が大型化し制御が複雑化するだけでなく、背圧を一定に保つために頻繁にエアーポンプと開閉弁の制御をしなければならないという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、構成が簡単で、安定した負圧を維持し、更に高速化、ロングチューブ化、インク高粘度化してもリフィル不足を生じないようにするとともに、それに伴うヘッドの圧力変動を低減することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出するノズルを有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに供給する液体を貯留する液体タンクと、
前記記録ヘッドに前記液体を供給する第1の流路と、
前記液体タンクに連通する第2の流路と、
前記第1の流路と前記第2の流路を連通させ、前記第1の流路を流れる液体の流量に応じて内部の流路抵抗が変化する圧力調整弁と、
前記第2の流路又は前記液体タンクと前記圧力調整弁とを連通する第3の流路と、
前記第3の流路に設けられる送液手段と、
前記第1の流路内に設けられた圧力変動を抑制する圧力変動抑制手段と、を有し、
前記圧力変動抑制手段は、前記第1の流路内の圧力に応じて変位する変位部材と、前記変位部材を付勢する第1の弾性部材とで構成され、
前記ノズルから液滴を吐出するときには、前記圧力調整弁を介して前記記録ヘッドと前記液体タンクが連通している状態で、前記送液手段により前記液体を前記液体タンクから前記記録ヘッドに送液し、
前記第1の流路の一端部は前記記録ヘッドに接続され、他端部は前記圧力調整弁に接続され、
前記第2の流路の一端部は前記液体タンクに接続され、他端部は前記圧力調整弁に接続され、
前記第3の流路の一端部は前記第2の流路又は前記液体タンクに接続され、他端部は前記圧力調整弁に接続されている
構成とした。
ここで、
前記圧力調整弁は、内部流路に流路方向に沿って移動可能に配設された移動部材を有し、前記移動部材が移動することで流路抵抗が変化する構造であり、
前記圧力変動抑制手段は、ケースの開口部に設けられた前記変位部材と、前記変位部材を前記ケースの外方に向けて付勢する前記第1の弾性部材とを有し、
前記圧力調整弁の移動部材が前記第1の流路方向に移動したときに前記圧力変動抑制手段の前記変位部材が内方に変位し、前記圧力調整弁の移動部材が前記第2の流路方向に移動したときに前記圧力変動抑制手段の前記変位部材が外方に変位する
構成とできる。
また、前記圧力変動抑制手段の変位部材は、前記記録ヘッドに初期負圧を形成したときに変位可能範囲の中間位置に位置する構成とできる。
また、前記圧力変動抑制手段の変位部材は、変位可能量をZ、前記圧力調整弁の応答遅れで生じる圧力変動の内、負圧側の圧力変動P1と正圧側の圧力変動P2との比をP1:P2としたとき、前記記録ヘッドに初期負圧を形成したときに、Z×{P2/(P1+P2)}、だけ内側へ変位した位置に位置する構成とできる。
また、前記圧力変動抑制手段は、前記第1の弾性部材と反対側から前記変位部材を付勢する第2の弾性部材を有している構成とできる。
また、前記弾性体は、圧縮コイルばね、板ばね、うず巻きばねのいずれかである構成とできる。
また、前記変位部材は、可撓性フィルム部材又は発泡体のエラストマーである構成とできる。
また、前記圧力変動抑制手段と前記記録ヘッドとの間に第2の圧力変動抑制手段を有する構成とできる。
この場合、前記第2の圧力変動抑制手段は、前記液体を収容したバッファ室と、前記バッファ室の少なくとも一つの面を構成する可撓性フィルムと、液体中の異物をろ過するためのフィルタ部材とを有する構成とできる。
本発明に係る画像形成装置によれば、記録ヘッドのノズルから液滴を吐出するときには、流れる液体の流量に応じて内部の流路抵抗が変化する圧力調整弁を介して記録ヘッドと液体タンクが連通している状態で、送液手段により液体を液体タンクから記録ヘッドに送液する構成としたので、記録ヘッドの吐出量に応じて適正なアシスト圧を自動的に調節しながら記録ヘッドに印加して、チューブ部材の長尺化、吐出流量の増大化、吐出インクの高粘度化等に伴うリフィル不足を回避することができ、さらに、圧力調整弁と記録ヘッドとの間の第1の流路に圧力変動抑制手段を設けたので、圧力調整弁の応答遅れによる圧力変動を簡単な構成で抑制でき、ヘッドの圧力変動を低減できる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置を示す概略正面説明図である。 同じく概略平面説明図である。 同じく概略側面説明図である。 同装置の記録ヘッドの説明に供する要部拡大説明図である。 同じくカートリッジホルダ部分の説明図である。 同じくポンプユニットの説明図である。 同じく圧力制御ユニットの説明図である。 同じくインク供給システムの全体説明図である。 同じく流路抵抗可変ユニットを示す説明図である。 同流路抵抗可変ユニットの弁体の平面説明図である。 同じくヘッド吐出流量とヘッド圧力損失とアシスト流量の関係の一例を示す説明図である。 本発明の第1実施形態における圧力変動抑制手段を含むヘッドタンクの模式的断面説図である。 同実施形態の作用説明に供する説明図である。 同じく作用説明に供する説明図である。 本発明の第2実施形態における圧力変動抑制手段を含むヘッドタンクの模式的断面説図である。 本発明の第3実施形態における圧力変動抑制手段を含むヘッドタンクの模式的断面説図である。 本発明の第4実施形態における圧力変動抑制手段を含むヘッドタンクの模式的断面説図である。 本発明の第5実施形態における圧力変動抑制手段を含むヘッドタンクの側面説明図である。 同じく模式的断面説図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同記録装置の概略正面説明図、図2は同じく概略平面説明図、図3は同じく概略側面説明図である。
このインクジェット記録装置は、本体フレーム1に立設された左右の側板1L、1Rに横架したガイド部材であるガイドロッド2と、本体フレーム1に横架される後フレーム1Bに取付けられたガイドレール3とで、キャリッジ4を主走査方向(ガイドロッド長手方向)に摺動自在に保持し、キャリッジ4を図示しない主走査モータとタイミングベルトによってガイドロッド2の長手方向(主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ4には、例えば、ブラック(K)のインク滴を吐出する液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド10Kと、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインク滴を吐出する液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド10Cが搭載され、記録ヘッド10は複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。記録ヘッド10Cは、少なくとも独立したCMYのインク滴を吐出する少なくとも3列のノズル列を有している。なお、以下では、記録ヘッド10K、記録ヘッド10内のC、M、Yの各色に対応する各ノズル列を、特に注記しない限り、「記録ヘッド10」と称する。
ここで、記録ヘッド10は、図4に示すように発熱体基板12と液室形成部材13から構成され、ヘッドベース部材19に形成された流路から共通流路17及び液室(個別流路)16に順次供給されるインクを液滴として吐出する。この記録ヘッド10は、発熱体14の駆動によるインクの膜沸騰により吐出圧を得るサーマル方式のものであり、液室16内の吐出エネルギー作用部(発熱体部)へのインクの流れ方向とノズル15の開口中心軸とを直角となしたサイドシュータ方式の構成のものである。
なお、記録ヘッドとしては、圧電素子を用いて振動板を変形させ、また、静電力で振動板を変形させて吐出圧を得るものなど様々な方式があり、いずれの方式のものも本発明に係る画像形成装置に適用することができる。
また、サーマル方式のヘッドの中には、他にも吐出方向が異なるエッジシュータ方式があるが、このエッジシュータ方式においては気泡が消滅する際の衝撃により発熱体14を徐々に破壊する、いわゆるキャビテーション現象の問題がある。これに対し、上述したサイドシュータ方式においては気泡が成長し、その気泡がノズル15に達すれば気泡が大気に通じることになり温度低下による気泡の収縮が起こらない。そのため、記録ヘッドの寿命が長いという長所を有する。また、発熱体14からのエネルギーをより効率良くインク滴の形成とその飛行の運動エネルギーへと変換でき、またインクの供給によるメニスカスの復帰も速いという構造上の利点を有する。したがって、本インクジェット記録装置においてはサイドシュータ方式の記録ヘッドを採用している。
一方、キャリッジ4の下方には、記録ヘッド10によって画像が形成される用紙20が主走査方向と垂直方向(副走査方向)に搬送される。図3に示すように、用紙20は、搬送ローラ21と押えコロ22で挟持されて、記録ヘッド10による画像形成領域(印字部)に搬送され、印写ガイド部材23上に送られ、排紙ローラ対24で排紙方向に送られる。
このとき、主走査方向へのキャリッジ4の走査と記録ヘッド10からのインク吐出を画像データに基づいて適切なタイミングで同調させ、用紙20に1バンド分の画像を形成する。1バンド分の画像形成が完了した後、副走査方向に用紙20を所定量送り、前述と同様の記録動作を行う。これらの動作を繰り返し行い、1ページ分の画像形成を行なう。
一方、記録ヘッド10の上部には吐出するインクを一時的に貯留するためのインク室が形成された本発明における圧力変動抑制手段を含むヘッドタンク(バッファタンク、サブタンクともいう。)30が一体的に接続される。ここでいう「一体的」とは、記録ヘッド10とヘッドタンク30がチューブ、管等で接続されることも含んでおり、どちらも一緒にキャリッジ4に搭載されているという意味である。
このヘッドタンク30には、装置本体側の主走査方向の一端部側に設けられたカートリッジホルダ77に着脱自在に装着される各色のインクを収容した液体タンクであるインクカートリッジ(メインタンク)76からインク供給経路の一部を形成するチューブ部材であって第1の流路を形成する液体供給チューブ41を介して、各色のインクが供給される。
また、装置本体の主走査方向の他端部側には記録ヘッド10の維持回復を行う維持回復機構51が配置されている。この維持回復機構51は、記録ヘッド10のノズル面をキャッピングするキャップ52と、キャップ52内を吸引する吸引ポンプ53と、吸引ポンプ53で吸引されたインクの廃液を排出する排出経路54などを含み、排出経路54から排出される廃液は本体フレーム1側に配置された図示しない廃液タンクに排出される。
次に、このインクジェット記録装置に適用したインク供給系(インク供給システム)について図5ないし図8をも参照して説明する。なお、図5は同インク供給システムのカートリッジホルダ部分の説明図、図6は同じくポンプユニットの説明図、図7は同じく圧力制御ユニットの説明図である。
まず、ヘッドタンク30は、インク供給チューブ41の一端部が接続される。インク供給チューブ41の他端部は、図1及び図2に示すように本体据え置きのカートリッジホルダ77に接続される。
カートリッジホルダ77には、インクカートリッジ76と、送液手段であるポンプユニット80と、圧力制御ユニット81が接続されている。
カートリッジホルダ77の内部には、図5に示すように、各色のインクに対応して分岐流路74と流路70、79が形成され、ポンプユニット80に連通するポンプ接続ポート73a、73bと、圧力制御ユニット81に連通する圧力制御ポート72a、72b、72cを備えている。また、ポンプ接続ポート73aと圧力制御ポート72cとは内部流路70で連通している。
ポンプユニット80は、図6に示すように、カートリッジホルダ77のポンプ接続ポート73a、73bとそれぞれ連通するポート85a、85bと、これらのポート85a、85bに連通するポンプ78を備えている。ポンプ78としては、チュービングポンプやダイヤフラムポンプ、ギアーポンプなど様々なポンプを適用することができる。図6のポンプユニット80においては、4色のインクに対応して4つのポンプ78K、78C、78M、78Yを備えているが、これらの4つのポンプは1つのモータ82で連動して駆動する構成としている。
圧力制御ユニット81は、図7に示すように、カートリッジホルダ77の圧力制御ポート72a、72b、72cとそれぞれ連通するポート86a、86b、86cと、これらのポート86a、86b、86cに連通する圧力調整弁である流路抵抗可変ユニット83を備えている。
次に、インク供給システムの全体構成及び動作について図8に示す概略構成図を参照して説明する。なお、図8ではインク供給システムの動作、作用の理解をしやすいように1つの液体吐出ヘッド(記録ヘッド)10に接続する主要構成要素のみを表している。
このインク供給システムは、記録ヘッド10に供給するインクを貯留するインクカートリッジ76と、記録ヘッド10にインクを供給する第1の流路である液体供給チューブ41と、インクカートリッジ76に連通する第2の流路42と、第1の流路である液体供給チューブ41と第2の流路42を連通させる圧力調整弁である流路抵抗可変ユニット83を含む圧力制御ユニット81と、第2の流路42と圧力制御ユニット81とを連通する第3の流路43と、第3の流路43に設けられる送液手段であるポンプ78とを有している。
ここで、流路抵抗可変ユニット83は、内部を流れる液体の流れ方向や流量によって流路抵抗が変化する特性を有するものである。この流路抵抗可変ユニット83は、例えば図9に示すように、流路形成部材である管部材87と、管部材87の流路内に自由状態で移動可能に収容された可動部材である弁体88とを有している。
管部材87は、第1の流路となる液体供給チューブ41を接続するポート86aと、第2の流路42を接続するポート86bと、第3の流路43を接続するポート86cとを有している。弁体88は、液体の流れの方向において径の異なる段部を有する段付き軸形状部材であり、上部88t、中央部88m、下部88bの少なくとも3つの段部要素を有し、中央部88mの径が下部88bよりも小径に形成されている。この弁体88は、管部材87の内部で移動可能とされ、内部の流れの状態等に応じて、図9(a)の位置、図9(b)の位置、あるいはその中間の位置をとる。
ここで、弁体88の上部88tには、図10にも示すように、インクの流れ方向に沿う方向に、第1の流路41と第3の流路43とを連通する連通路であって第1の絞り部となる貫通穴84が設けられている。また、弁体88の下部88bと管部材87の流路部分87bとの間で第2の絞り部182が形成され、弁体88が上述したように内部の流れの状態等に応じて移動することにより、第2の絞り部182の絞り量が変化する。
なお、ここでは、図10に示すように、貫通穴84を弁体88の中心軸回りに4等分して均等に配置したが、穴の大きさを小さくして穴の数を増やしたり、逆に穴を大きくして穴の数を減らしたりすることも適宜可能である。ただし、記録ヘッド10からのインク吐出による流れを利用して、まっすぐ弁体88を移動させるという点で、貫通穴84は弁体上部88tに周方向で均等に配置することが好ましい。
そして、管部材87には、弁体88の中央部88mの位置、すなわち、第1の絞り部181と第2の絞り部182との間に第3の流路43の一部となる横穴(ポート)86cが形成されている。
図9に戻って、インクカートリッジ76には大気連通部90が設けられており、インクカートリッジ76内の液面が記録ヘッド10のノズル面よりも低い位置になるように配置されている。これにより、インクがインク供給全経路に満たされている状態では、記録ヘッド10とインクカートリッジ76の液面の水頭差hにより、記録ヘッド10は負圧に保持されるので、安定して記録ヘッド10からインク滴吐出を行うことができる。
前述したように、吐出するインクの粘度が大きい場合や液体供給チューブ41の流体抵抗が大きい場合、例えばチューブが細かったり長かったりする場合、あるいは、インク吐出流量が大きい場合には、インク供給経路の流体抵抗によりインク供給が追いつかなくなる事態が生じる。具体的には、本インク供給システムでインク供給抵抗となる主要な要素としては、液体供給チューブ41、フィルタ109、ジョイント89がある(図8参照)。
例えば、液体供給チューブ41の直径が2.8mm、長さが2500mmのロングチューブを備える広幅の画像形成装置において、16cPの高粘度インクを吐出した場合には、液体供給チューブ41の流体抵抗は2.7e10[Pa・s/m]となる。また、フィルタ109及びジョイント89の流体抵抗は、この実施形態では、それぞれ1e10[Pa・s/m]、2e9[Pa・s/m]のものとしている。
ここで、記録ヘッド10から安定した吐出ができる圧力損失の限界値を2.5kPaとし、全ノズルから連続してインクを吐出した場合には0.1cc/sの吐出流量となる。その時の圧力損失は、6.9kPaである。圧力制御ユニット81がない場合でも3.94kPaとなるので、単純な水頭差インク供給システムでは自然供給することはできない。
このようにインク供給系の抵抗により圧力損失が増大しリフィルが不足するときに、ポンプ78を駆動して第3の流路43からインクを矢印Qa(Qaはアシスト流量、あるいはアシスト用液体の流れであるが、便宜上矢印の符号としても使用する。)の方向に送り出す。このポンプ78の送液によってインクの供給不足量を補う(リフィルアシスト)ことができる。
記録ヘッド10の吐出流量とポンプ78の送液量(アシスト流量)と記録ヘッド10の圧力の関係の一例を図11に示している。図11は、アシスト流量を0〜0.20cc/sとしたときのヘッド吐出流量に対するインク供給系の圧力損失の変化を示している。前述したように、アシスト流量が「0」のときは、ヘッドの圧力損失は約7kPaとなり、インクを連続吐出できず、噴射不良となってしまうが、ポンプ78によりアシストすることにより圧力損失が1kPa以下程度となり、連続吐出することができる。
ここで、前述した図9を参照して本インク供給システムのアシスト原理について説明する。
図9(a)は記録ヘッド10から滴吐出を行っていない状態、あるいは、吐出流量が少ない条件での流路抵抗可変ユニット83の状態を示している。この状態では、弁体88はポート86b側にある。図9(a)に示すように、管部材87と弁体88の下部88bの間のギャップGbと、第1の絞り部となる貫通穴84との流体抵抗の総和が管部材87と弁体88の上部88tのギャップGtの流体抵抗よりも大きいこと、更に、ポート86aの先には図8に示すように流体抵抗の大きい液体供給チューブ41やフィルタ109があるため、矢印Qaで示すポンプ78によって送液されたインクは、流れやすいポート86b側に流れる(矢印C)。したがって、ポンプ78によって発生するインクの流れは、図8におけるポンプユニット80と流路抵抗可変ユニット83で形成されるループ経路内を循環するだけであり、液体吐出ヘッド10の圧力にはほとんど影響を与えない。
一方、図9(b)は記録ヘッド10の吐出流量が多い条件での流路抵抗可変ユニット83の状態を示している。管部材87と弁体88の上部88tのギャップGtが狭く、第1の絞り部である管通穴84を通る、矢印Qhで示す記録ヘッド10からの滴吐出によるインクの流れによって、弁体88がポート86a側(第1の流路側)に引かれ弁体88が移動する(図で上方向に移動する。)。これにより、弁体88の下部88bが管部材87の小径部(流路部分87b:第2の絞り部182)に移動し、管部材87と弁体88の下部88bの間のギャップは小さいギャップGb1となる。矢印Qaで示すようにポンプ78によって送液されるインクは、この狭いギャップGb1を流れようとする(矢印D)ので、圧力が発生する。この圧力が、記録ヘッド10にインクが流れる際に発生する圧力損失を低減させ、大流量のインク供給を実現することができる。
この流路抵抗可変ユニット83では、記録ヘッド10の吐出流量が増して圧力損失が大きくなる条件ほど、弁体88の下部88bの周面と管部材87の流路部分87bとのインクの流れ方向の対向長さ(第2の絞り部182の長さ)が長くなって、弁体88の下部88bと管部材87の狭ギャップGb1の長さが長くなり、よりポンプ(アシストポンプ)78による増圧効果を大きくする。これにより、従来のように流量調整弁を他のアクチュエータ等で制御する煩雑さがなく、簡易な構成で自動的に安定したインク供給を実現することができる。
なお、この画像形成装置では、4色のインクを吐出させるので、図8に示す構成のインク供給システムが色別に4つ設けられる。各色のポンプ78に対応して、ポンプ78を駆動するモータ等のアクチュエータを個別に4つ設けて各記録ヘッド10のインク吐出量に応じて個別にモータを制御する方式とすることもできるが、前述した図6に示すように、色種の個数のポンプ78(78K、78C、78M、78Y)に対して共通にモータ(アクチュエータ)82を1つのみとすることもできる。
複数の色のインク滴を吐出して画像を形成する場合、各記録ヘッド10から吐出されるインクの量はバラバラになるので、例えば、あるヘッドは全ノズルからインクを吐出する状態で、別のヘッドは非吐出の状態である場合もある。そのような場合でも、本発明のインク供給システムでは、記録ヘッド10の吐出流量によって自動的に流路抵抗可変ユニット83の流体抵抗が変化するようになっているので、各ヘッドの吐出流量に応じたポンプの制御は不要である。
すなわち、吐出流量が少なくアシストを必要としないヘッドには少ないアシストとなり、吐出流量が多くアシストを必要とするヘッドには大きなアシストを与える制御を自動的に行なう。
このように複数のインクを有するなど複数のインク供給系を有するシステムにおいても、全てのインク供給系のポンプを1つのアクチュエータでまとめて駆動できるので、装置の構成、制御が簡易になり、低コスト、小型の装置を実現することができる。
また、一般的に、液体の粘度は液体の温度によって変化するので、記録ヘッド10への液体のアシストは、例えば、図2に示すようにキャリッジ4に備えた温度センサ27によって測定した装置周囲の温度や、装置内の温度、インクの温度やそれらの予測値等をフィードバックしてポンプ78の駆動を制御するようにすることが好ましい。それにより、あらゆる温度に対応した使い勝手の良い画像形成装置を実現できる。
また、インク供給経路内に圧力センサを設けて予め決められた流量でのヘッド吐出を行ったときの圧力変化を測定できるようにすれば、それにより圧力損失に直結するインクの粘度を検出できるので、この検出した粘度に基づいてポンプ78の制御パラメータを変更でき、粘度の異なる様々なインクを用いることができる。
また、ユーザが吐出状態を確認しながらポンプ78の制御パラメータを入力するようにすれば、前述した液体粘度の検出手段が不要となるので、装置を簡易なものとすることができる。
このように、液体タンクから液体吐出ヘッド(記録ヘッド)に液体を供給する供給流路に圧力調整弁を設け、圧力調整弁に別の経路で液体タンクと連通する流路を設けると共にその経路に送液手段を設ける構成とし、圧力調整弁を液体吐出ヘッドに流れる液体の流量に応じて内部の流路抵抗が変化するものとすると共に、少なくとも液体吐出ヘッドから液体を吐出するときには液体吐出ヘッドと液体タンクが連通している状態で送液手段により液体吐出ヘッドに向けて液体を送出するので、液体吐出ヘッドの吐出量に応じて適正なアシスト圧を自動的に調節しながら液体吐出ヘッドに印加して、液体供給チューブの長尺化、吐出流量の増大化、吐出液体の高粘度化等に伴うリフィル不足を簡易に回避することができる。
この場合、圧力調整弁は液体吐出側の第1の絞り部と液体タンク側の第2の絞り部を有し、送液手段からの流路が第1の絞り部と第2の絞り部の間に連通され、液体吐出ヘッドに流れる液体の流量に応じて第2の絞り部の絞り量が変化する構成とすることで、流路の絞りを利用した簡易な構成で、液体吐出ヘッドの吐出量に応じて適正なアシスト圧を自動的に調節しながら液体吐出ヘッドに印加することができる。
また、圧力調整弁は可動部材を有し、可動部材が液体吐出ヘッドの吐出量に応じて移動する構成とし、可動部材の移動によって液体タンク側の第2の絞り部の絞り量が変化するようにすることで、流れによる可動部材の移動を利用した簡易な構成で、液体吐出ヘッドの吐出量に応じて適正なアシスト圧を自動的に調節しながら液体吐出ヘッドに印加することができる。
また、可動部材は、液体の流れ方向で径の異なる複数の段部を有する段付き軸状部材からなり、流路を形成する流路形成部材内に自由状態で収容されている構成とすることで、高精度な部品を容易に形成でき、高精度な特性の弁を容易に得ることができる。
そこで、このインク供給システムに適用した本発明の第1実施形態について図12を参照して説明する。なお、図12は同実施形態における圧力変動抑制手段を含むヘッドタンクの模式的断面説図である。
前述したように、圧力調整弁としての流路抵抗可変ユニット83と記録ヘッド10との間をつなぐ第1の流路内は、圧力変動を抑制する圧力変動抑制手段(以下「ダンパ」又は「ダンパ機構」という。)を含むヘッドタンク30が設けられている。
ヘッドタンク30は、インク室103を形成するタンクケース101の少なくとも一つの面が開口部であり、外側に向かって凸状に形成された可撓性を有するゴム部材やフィルム部材などの変位部材102が溶着又は接着されている。そして、インク室103の内部には変位部材102をヘッドタンク30のケース101の外側(外方)へ付勢するばねからなる弾性部材(第1の弾性部材)201が内蔵されており、ヘッド10との接続部の近傍にはフィルタ109が設けられ、インクをろ過して異物などを除去したインクをヘッド10に供給する構成となっている。変位部材102及び弾性部材201によってダンパをを構成している。
このヘッドタンク30の作用について説明する。
まず、上述したインク供給システムにおける液体吐出ヘッド(記録ヘッド10)の圧力プロファイルの一例を図13に示している。
同図において、ダンパなしのときのプロファイルに着目すると、0sの時点におけるヘッド10の圧力は、ヘッド10のノズル15の高さがインクカートリッジ76内のインク液面高さ(インク液面高さはインク残量によって変動するのでジョイント89の高さで調整する)よりも100mm上方に設置されているため約−1kPaとなる(図8参照)。時間5sでモータ82によってポンプ78を駆動させると、前述したように、アシスト圧が発生し、ヘッド10の圧力は約0.6kPa加圧され、15s経過した時点でヘッド10のノズル15すべてからインク滴を吐出した直後、ヘッド10の圧力が約−4kPaに到達してしまう。
これは、ヘッド10の吐出開始から流路抵抗可変ユニット83の弁体88が上昇する(第1の流路側に移動する)までの応答遅れによるもので、弁体88が上昇するとインクを吐出しているのにもかかわらずヘッド10の圧力は約−1kPaまで上昇する。その後、35s経過した時点でヘッド10の吐出を停止すると、今度は弁体88が下降する(第2の流路側に移動する)までの応答遅れによって、ヘッド10の圧力が約5kPaに達してしまい、45s経過後にポンプ78を停止すると、ヘッド10の圧力は初期負圧である−1kPaに戻る。
これらの応答遅れによって生じる正負の圧力変動量がヘッド10のノズル15のメニスカス保持範囲を上回ると、ノズル15からインクが垂れる、あるいは、空気を吸い込んでしまい吐出不良を引き起こしてしまうことになる。
次に、図14にはヘッドタンク30に液体が流出入するときのヘッド10の圧力特性の一例を示している。普通、プラスチックや金属などの剛体筐体内に液体を流出入させようとすると、筐体内の圧力は急激に上昇(下降)するが、ヘッドタンク30のタンクケース101の開口部には変位部材102が接着又は溶着されているため、液体を流出入しても圧力がほぼ変化しないダンパ領域を有する。この領域では液体を流出入しても変位部材102が変位することで圧力変化を吸収するが、変位部材102の可動範囲以上の液体を流出入させようとすると剛体筐体と同様に急激に圧力が変化してしまう。
一般には変位部材102の可動範囲や可動領域を大きくすることで、より多くのダンパ領域を得られるが、いずれにせよヘッドタンクが大型化してしまうので、キャリッジに搭載することが困難になってしまう。
そこで、ヘッドタンク30内に変位部材102をヘッドタンク30の外側へ付勢する弾性部材(ばね)201を内蔵することで、ばね201を内蔵していないときと比べより広範囲のダンパ領域を確保することができる。したがって、ヘッドタンク30を大型化することなくヘッド10の圧力変動を抑制することが可能になる。
また、図14中のダンパ領域の圧力特性の傾きは、変位部材102の材質及び有効面積、ばね201のばね定数、ばね径及び自由長などの諸条件を調整することで設定可能である。
ここで、変位部材102の可動範囲をZとし、図13におけるダンパがないときの負圧側と正圧側の圧力変動の比を「P1:P2」としたとき、ヘッド10に設定したい初期圧力を形成したときに、変位部材102が「Z/2」の変位量だけヘッドタンク30の内方に変位するように設定することで、正負の両側の圧力変動を同じだけ抑制することができる。
また、変位部材102が「Z×{P2/(P1+P2)}」だけヘッドタンク30の内方に変位するように設定することで、ダンパがないときに発生する圧力変動を効率よく抑制することができる。
このようにして、適正なダンパ条件を設定することにより、図13に「ダンパあり」で示すように、ヘッド10の圧力変動量をヘッド10の印字可能圧力範囲に収めることができる。
このように、圧力調整弁と記録ヘッドとの間の第1の流路に圧力変動抑制手段を設けたので、圧力調整弁の応答遅れによる圧力変動を簡単な構成で抑制でき、ヘッドの圧力変動を低減できる。
次に、本発明の第2実施形態について図15を参照して説明する。なお、図15は同実施形態における圧力変動抑制手段を含むヘッドタンクの模式的断面説図である。
このヘッドタンク30は、前記第1実施形態のヘッドタンク30において、タンクケース101の少なくとも一つの面の開口部に取り付けられた変位部材102の更に外側にカバー203が設けられて、カバー203とタンクケース101が接着又は溶着などで固定されている。そして、変位部材102とカバー203との間にはばねからなる第2の弾性部材202が内蔵されており、変位部材102は第1の弾性部材(ばね)201と第2の第性部材(ばね)202によって両面から付勢されている。
これにより、変位部材102の釣り合い位置は、ばね201、202によって規制することができ、ダンパ領域もこの2つのばね201、202によってより正確に設定することができる。
次に、本発明の第3実施形態について図16を参照して説明する。なお、図16は同実施形態における圧力変動抑制手段を含むヘッドタンクの模式的断面説図である。
このヘッドタンク30は、前記第1実施形態のヘッドタンク30において、タンクケース101の少なくとも一つの面の開口部に取り付けられた変位部材102の更に外側にカバー203が設けられて、カバー203とタンクケース101が接着又は溶着などで固定されている。そして、変位部材102とタンクケース101との間、変位部材120とカバー203との間にはうず巻きばねからなる第1の弾性部材204及び第2の弾性部材205がそれぞれ内蔵されており、変位部材102は第1の弾性部材204と第2の第性部材205によって両面から付勢されている。
第1の弾性部材204及び第2の弾性部材205としてうず巻ばねを使用することで、うず巻きばねは収縮したときにばねの線径同士が干渉することがないため第2実施形態のヘッドタンク30よりも変位部材102の可動領域が広範囲になり、より大きなダンパ効果を得ることができる。
次に、本発明の第4実施形態について図17を参照して説明する。なお、図17は同実施形態における圧力変動抑制手段を含むヘッドタンクの模式的断面説図である。
このヘッドタンク30は、前記第1実施形態のヘッドタンク30において、タンクケース101の少なくとも一つの面の開口部に取り付けられた変位部材102の更に外側にカバー203が設けられて、カバー203とタンクケース101が接着又は溶着などで固定されている。そして、変位部材102とタンクケース101との間、変位部材120とカバー203との間には板ばねからなる第1の弾性部材206及び第2の弾性部材206がそれぞれ内蔵されており、変位部材102は第1の弾性部材206と第2の第性部材207によって両面から付勢されている。
第1の弾性部材206及び第2の弾性部材207として板ばねを使用することで、板ばねは変位部材102との接触面積が大きいため、前記第2実施形態のヘッドタンク30よりも変位部材102の圧力吸収面積が広範囲になり、より大きなダンパ効果を得ることができる。
次に、本発明の第5実施形態について図18及び図19を参照して説明する。なお、図18は同実施形態における圧力変動抑制手段を含むヘッドタンクの側面説明図、図19は同じく模式的断面説図である。
このヘッドタンク30はタンクケース101と蓋220の2部品から構成されており、2色分のインクをそれぞれ収容できるインク収容室210、211を有している。そして、図18において、第1のインク収容室210は同図に向かって手前に開口部を有しており、この開口部には図示しない変位部材が溶着又は接着されている。第2のインク収容室211は、同図で向かって奥側に開口部を有しており、その他の構成は第1のインク収容室210と同じである。液体供給チューブ41との接続口213から各インク収容室210、211に供給されたインクは、蓋220に取り付けられたフィルタ109を図中下から上向きに通過し、共通流路17、液室16、ノズル15の順に供給される(インク収容室210についてのインクの流れを矢印で示している。)。なお、蓋220の上部はフィルタ109を通過したインクをヘッド10へ供給するための溝223が掘られており、この溝223の開口部に可撓性フィルム212を溶着又は接着することでインク供給流路が形成されている。
このように構成することで、流路抵抗可変ユニット83の弁体88の応答遅れによって生じてしまう圧力変動だけでなく、印字時にキャリッジ4が往復移動するときに生じる過渡的な圧力変動も、蓋220の上部に設けられたフィルム212とフィルタ109によって抑制することができる。さらに、インク供給経路に混入した気泡は自身の浮力によってフィルタ109を通過しやすくなりノズル吸引などのメンテナンスによって気泡を排出しやすくなる。
なお、以上の説明においては、複数のヘッドに異なる色のインクが供給される例で本願発明の動作、効果を説明したが、同一色のインクを複数のヘッドに供給する場合や、色ではなく処方の異なるインクを複数のヘッドに供給する場合にも同様に適用することができる。また、複数のノズル列を1ヘッド内に有する液体吐出ヘッドで1ヘッドから異なる種類の液体を吐出する場合のインク供給システムについても適用することができる。また、狭義のインクを吐出する画像形成装置に限定されるものではなく、様々な液体を吐出する液体吐出装置(本発明でいう「画像形成装置」に含まれる。)にも適用することができる。
4 キャリッジ
10 記録ヘッド
30 ヘッドタンク
41 供給チューブ(第1の流路)
42 第2の流路
43 第3の流路
76 インクカートリッジ(メインタンク:液体タンク)
77 カートリッジホルダ
78 ポンプ(アシストポンプ)
80 ポンプユニット
81 圧力制御ユニット
83 流体抵抗制御ユニット
87 管部材(流路形成部材)
88 弁体
101 タンクケース
102 変位部材
201、204、206 第1の弾性部材
202、205、207 第2の弾性部材

Claims (9)

  1. 液滴を吐出するノズルを有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに供給する液体を貯留する液体タンクと、
    前記記録ヘッドに前記液体を供給する第1の流路と、
    前記液体タンクに連通する第2の流路と、
    前記第1の流路と前記第2の流路を連通させ、前記第1の流路を流れる液体の流量に応じて内部の流路抵抗が変化する圧力調整弁と、
    前記第2の流路又は前記液体タンクと前記圧力調整弁とを連通する第3の流路と、
    前記第3の流路に設けられる送液手段と、
    前記第1の流路内に設けられた圧力変動を抑制する圧力変動抑制手段と、を有し、
    前記圧力変動抑制手段は、前記第1の流路内の圧力に応じて変位する変位部材と、前記変位部材を付勢する第1の弾性部材とで構成され、
    前記ノズルから液滴を吐出するときには、前記圧力調整弁を介して前記記録ヘッドと前記液体タンクが連通している状態で、前記送液手段により前記液体を前記液体タンクから前記記録ヘッドに送液し、
    前記第1の流路の一端部は前記記録ヘッドに接続され、他端部は前記圧力調整弁に接続され、
    前記第2の流路の一端部は前記液体タンクに接続され、他端部は前記圧力調整弁に接続され、
    前記第3の流路の一端部は前記第2の流路又は前記液体タンクに接続され、他端部は前記圧力調整弁に接続されている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記圧力調整弁は、内部流路に流路方向に沿って移動可能に配設された移動部材を有し、前記移動部材が移動することで流路抵抗が変化する構造であり、
    前記圧力変動抑制手段は、ケースの開口部に設けられた前記変位部材と、前記変位部材を前記ケースの外方に向けて付勢する前記第1の弾性部材とを有し、
    前記圧力調整弁の移動部材が前記第1の流路方向に移動したときに前記圧力変動抑制手段の前記変位部材が内方に変位し、前記圧力調整弁の移動部材が前記第2の流路方向に移動したときに前記圧力変動抑制手段の前記変位部材が外方に変位する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記圧力変動抑制手段の変位部材は、前記記録ヘッドに初期負圧を形成したときに変位可能範囲の中間位置に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記圧力変動抑制手段の変位部材は、変位可能量をZ、前記圧力調整弁の応答遅れで生じる圧力変動の内、負圧側の圧力変動P1と正圧側の圧力変動P2との比をP1:P2としたとき、前記記録ヘッドに初期負圧を形成したときに、Z×{P2/(P1+P2)}、だけ内側へ変位した位置に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  5. 前記圧力変動抑制手段は、前記第1の弾性部材と反対側から前記変位部材を付勢する第2の弾性部材を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記弾性体は、圧縮コイルばね、板ばね、うず巻きばねのいずれかであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記変位部材は、可撓性フィルム部材又は発泡体のエラストマーであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記圧力変動抑制手段と前記記録ヘッドとの間に第2の圧力変動抑制手段を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記第2の圧力変動抑制手段は、前記液体を収容したバッファ室と、前記バッファ室の少なくとも一つの面を構成する可撓性フィルムと、液体中の異物をろ過するためのフィルタ部材とを有することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
JP2009201402A 2009-09-01 2009-09-01 画像形成装置 Expired - Fee Related JP5381518B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009201402A JP5381518B2 (ja) 2009-09-01 2009-09-01 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009201402A JP5381518B2 (ja) 2009-09-01 2009-09-01 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011051201A JP2011051201A (ja) 2011-03-17
JP5381518B2 true JP5381518B2 (ja) 2014-01-08

Family

ID=43940736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009201402A Expired - Fee Related JP5381518B2 (ja) 2009-09-01 2009-09-01 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5381518B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015090173A (ja) * 2013-11-05 2015-05-11 エスアイアイ・プリンテック株式会社 圧力緩衝装置、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP5951091B1 (ja) * 2015-08-28 2016-07-13 ローランドディー.ジー.株式会社 ダンパー装置及びこれを備えた液体供給システム、並びにインクジェット式記録装置
JP6152198B2 (ja) * 2016-06-07 2017-06-21 ローランドディー.ジー.株式会社 ダンパー装置を備えた液体供給システム、並びにインクジェット式記録装置
JP7169805B2 (ja) * 2018-07-31 2022-11-11 ローランドディー.ジー.株式会社 ダンパー装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4971527A (en) * 1988-03-30 1990-11-20 Videojet Systems International, Inc. Regulator valve for an ink marking system
JP2887605B2 (ja) * 1989-09-20 1999-04-26 富士通株式会社 インクジェットプリンタ用圧力ダンパ
JPH06134990A (ja) * 1992-10-26 1994-05-17 Canon Inc インクジェットヘッド,インクジェットヘッドカートリッジ,およびインクジェット装置
JP4617657B2 (ja) * 2003-10-14 2011-01-26 コニカミノルタホールディングス株式会社 ダンパー構造による圧力調整方法
JP2006056088A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP4631530B2 (ja) * 2005-05-02 2011-02-16 富士ゼロックス株式会社 液滴吐出装置
JP2008143081A (ja) * 2006-12-12 2008-06-26 Sii Printek Inc 圧力緩衝器およびインクジェットヘッド
JP2008265125A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Konica Minolta Medical & Graphic Inc インクジェットプリンタ
JP5257139B2 (ja) * 2009-02-26 2013-08-07 株式会社リコー 画像形成装置
JP5278251B2 (ja) * 2009-08-31 2013-09-04 株式会社リコー 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011051201A (ja) 2011-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5257139B2 (ja) 画像形成装置
JP5299179B2 (ja) 画像形成装置
JP5015200B2 (ja) 画像形成装置
JP5509822B2 (ja) 画像形成装置
JP5381678B2 (ja) 画像形成装置
JP5282417B2 (ja) 画像形成装置
JP5471599B2 (ja) 画像形成装置
JP5776148B2 (ja) 画像形成装置
JP5381518B2 (ja) 画像形成装置
JP5278190B2 (ja) 画像形成装置
JP5282654B2 (ja) 画像形成装置
JP5278251B2 (ja) 画像形成装置
JP5246599B2 (ja) 画像形成装置
JP5299176B2 (ja) 画像形成装置
JP5223780B2 (ja) 画像形成装置
JP5212192B2 (ja) 画像形成装置
JP5440130B2 (ja) 画像形成装置
JP5509800B2 (ja) 画像形成装置
JP5413168B2 (ja) 画像形成装置
JP2014050989A (ja) 画像形成装置
JP5282656B2 (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120625

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130521

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130916

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5381518

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees