JP5380152B2 - 複数台同期電動機の駆動制御方法、複数台同期電動機の駆動制御装置 - Google Patents

複数台同期電動機の駆動制御方法、複数台同期電動機の駆動制御装置 Download PDF

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Description

複数台の同期電動機を同一のトルク指令に基づき効率的かつ円滑に駆動制御することができる複数台同期電動機の駆動制御装置に関する。
例えば、プレス機械や工作機械の駆動源(サーボモータ)は、永久磁石同期電動機をベクトル制御により運転する方式が多い。かかるベクトル制御は同期電動機の回転子磁極の正確な位置の把握が常に必要であるので、エンコーダ(回転式センサ等)を用いて磁極位置を検出するように形成されている。
通常は回転センサを同期電動機に取り付けた後、機械的または電気的な方法で同期電動機の磁極位置を回転センサのゼロ(0)位置と等しくする調整が行われる。しかし、初期(1回目)の磁極位置調整作業で正確を期することは相当に難しい。また、経年的な使用による磁極位置のずれが発生する問題がある。さらに、多極の同期電動機の場合は、僅かな機械角のずれが大きな電気角のずれとなって現れる。
したがって、その後に、同期電動機の磁極位置と回転センサの0位置を改めて一致させる2回目以降の調整作業が必要とされる。この2回目以降の調整作業は、機械的な方法では膨大な手間と時間を浪費する虞が強いので、電気的な補正方法(例えば、特許文献1、特許文献2)が採られる場合が多い。
特許文献1には、ベクトル制御系では磁極位置が真値でありかつ無負荷時においてはd軸電圧vdがゼロ(0)になることに着目し、無負荷時に電圧vdが0Vとなるように磁極位置補正量を決定し、この磁極位置補正量で回転センサの出力を補正する技術が開示されている。
特許文献2には、インバータの入力電力値と同期電動機の機械的出力値との誤差電力と設定値とを比較して磁極位置に誤差が発生している場合に報知信号を出力させる技術、この報知信号によりスイッチを切換えて演算しておいた補正量を磁極位置信号に加算して同期電動機の発生トルクをトルク指令値に一致するようにインバータを制御する技術が開示されている。
しかし、前者技術は、例えば弱め界磁制御を実施している場合は無負荷時でもd軸電圧vdがゼロ(0)とならないので適用することはできない。また、同期電動機の負荷運転中は適用できない。この点において、後者技術は誤差電力との関係で補正可能であるから、負荷時(運転中)にも適用できるといえる。
特開平6−165561号公報 特開平8−308292号公報
ところで、同期電動機の大容量化にも、その性能(高速、高精度)保証の点から、一定の制約がある。つまり、大容量(大負荷)の産業機械の場合は当該容量を持つ同期電動機がないので、中小容量(中小負荷)の場合と同等の性能を担保した運転ができないことも多い。
そこで、出願人は、1つの負荷を複数台の同期電動機で駆動することを試みた。かかる駆動制御装置としては、技術的にも経済的にも、同一のトルク指令で複数台の同期電動機を駆動制御することが望ましいといえる。この試行によれば、総合トルクという容量的要請には応えられ得る。しかし、例え上記の後者技術をそのまま利用しても、実際運転上の要請(効率的で円滑な駆動制御)を満たすことは非常に難しい。
すなわち、長大な時間と膨大な労力を費やして調整作業を行っても、一部の同期電動機が無用な電力消費を招いたり、過負荷運転となったり、装置・機器が発熱するなどの問題が残る。1つの負荷に対する同期電動機の数が多いほど顕著かつ複雑に現れる。従来の電気的補正機能(磁極位置と回転センサの相対位置誤差の補正機能)が、1つの同期電動機を制御対象としているので、同期電動機ごとの調整作業では追従しきれないものと考察する。
本発明の目的とするところは、複数台の同期電動機を同一トルク指令のもとに効率的で円滑な運転を行える複数台同期電動機の駆動制御方法、駆動制御装置を提供することにある。
本願発明は、複数台の同期電動機を同一のトルク指令に基づき駆動制御することを前提とし、バランス運転状態から逸脱した特異運転状態にある同期電動機を探し出し、当該同期電動機に対してバランス運転状態に戻すための戻し運転制御を実行可能かつこの戻し運転制御のために当該同期電動機についての磁極位置の補正を応用可能に形成したものである。つまり、従来技術(磁極位置補正技術)が電動機磁極位置と回転センサとの機械的で個別的な相対位置誤差を是正するという考え方に対し、本発明では磁極位置補正を複数台同期電動機の全てを同一トルク指令に基づきバランス運転させるための正常化戻し制御技術として確立するという新規な考え方である。
そこで、かかる発想の転換を有用化ならしめる技術的根拠として複数台同期電動機と各磁極位置補正との関係(本発明の原理)を以下に説明する。
複数台の同期電動機で1つの負荷を駆動制御する場合において、複数(例えば、2や4)台の同期電動機を同一トルク指令に基づき駆動制御することを考える。ここでは、負荷はプレス機械(クランク軸)であり、弱め界磁制御を実施しつつ無負荷運転を行っているとする。
3相2相変換後のd軸巻線(q軸巻線)の電流、磁束ベクトルの方向をd軸(q軸)とすると、複数台同期電動機がすべて正しく磁極位置補正されているときは、トルク指令T(この明細書では、設定値にはを付する。)およびq軸電流指令iqcはゼロ(0)であり、d軸電流指令idcは負の電流idcとなる。つまり、回生動作や力行動作は起こらない。
しかし、図13、図14に示したように、回転方向が反時計回転方向(以下、CCW)のときに、ある同期電動機の制御上把握している磁極位置(制御上のd軸位置)が、同期電動機上の実際の磁極位置(実際のd軸位置)より進んでいる場合にその同期電動機は回生動作をし、遅れている場合は力行が強まる動作をする。
すなわち、図13の細線の矢印は、実際のd軸位置に対して制御上のd軸位置がφ進んでいるとき(0<φ<π/2)の電流ベクトルの位置関係を表しており、矢印の方向は電流ベクトルの正方向である。また、磁極位置の補正方向の正方向はCCWに等しい。弱め界磁制御を実施して無負荷運転を行っている場合は、q軸電流指令は0で、d軸電流指令は負の電流idcである。制御上のd軸巻線のみ負の電流idcが流れるが、これを実際のd軸およびq軸上に直交分解すると、実際のq軸巻線に式(1)に基づく負の電流が流れることになり、これが回生動作の原因となる。
実際のq軸への正射影成分=idc×sinφ<0…式(1)
ただし、1つの同期電動機が回生動作すると負荷(クランク軸)の速度が低下するので、これを補正するトルク指令Tが出力され、他の正しい磁極位置にセットされている同期電動機が力行運転となる。両者の和として全体の出力は0となる。
また、図14の細線の矢印は実際のd軸に対して制御上のd軸位置がφ遅れているとき(−π/2<φ<0)の電流ベクトルの位置関係を表しており、矢印の方向は電流ベクトルの正方向である。弱め界磁制御を実施して無負荷運転を行っている場合は、図13の場合と同じように制御上のd軸巻線のみ負の電流idcが流れるが、これを実際のd軸およびq軸上に直交分解すると、実際のq軸巻線に式(2)に基づく正の電流が流れていることになり、これが力行動作の原因となる。
実際のq軸への正射影成分=idc×sinφ>0…式(2)
ただし、1つの同期電動機が力行動作すると速度が増加するので、これを補正するトルク指令が出力され、他の正しい磁極位置にセットされている同期電動機が回生運転となる。両者の和として全体の出力はゼロ(0)となる。
このように、複数台同期電動機を同一トルク指令Tで弱め界磁制御を実施して無負荷運転する際、制御上の磁極位置と実際の磁極位置がずれていると、全体としての電動機出力がほぼゼロ(0)であっても、それぞれの電動機出力は負(回生)のもの、正(力行)のものが出てくる。したがって、回生動作を弱めるためには、φの絶対値が小さくなるように磁極位置補正の正方向(CCW)とは逆向きに(すなわち負の方向に)制御上の磁極位置を補正する。また、力行動作を弱めるためには、φの絶対値が小さくなるように磁極位置補正の正方向(CCW)の向きに制御上の磁極位置を補正するのが望ましい。
以上は、回転方向がCCWの時の状況および制御上の磁極位置の補正方向だが、時計回転方向(以下、CW)の時はCCWのときのiqcの符号を正負反転させて動作させているので、CCWのときと同様の考察をすることにより、回生動作を弱めるためには、φの絶対値が小さくなるように磁極位置補正の正方向(CCW)の向きに制御上の磁極位置を補正し、力行が強まる動作を弱めるためには、磁極位置補正の正方向(CCW)とは逆向きに(すなわち負の方向に)制御上の磁極位置の補正を行えばよい。これらの回転方向と入力電力の状態に対する制御上の磁極位置の補正方向の関係を図15に示す。
ここに、本願発明における、請求項1の発明に係る同期電動機の駆動制御方法は、同一のトルク指令に基づき駆動制御可能に形成された複数台同期電動機の駆動制御方法であって、バランス運転状態から逸脱した特異運転状態にある同期電動機をバランス運転状態に戻すための磁極位置補正用情報として、d軸電流を負の値に制御する弱め界磁運転中の同期電動機に対する値を記憶しておき、すべての同期電動機を監視して特異運転状態にある同期電動機があるか否か判別し、特異運転状態にあると判別された同期電動機に対して磁極位置補正用情報を用いて磁極位置検出器で検出された磁極位置を補正制御してバランス運転状態にする
請求項2の発明に係る同期電動機の駆動制御装置は、複数台の同期電動機を同一のトルク指令に基づき駆動制御可能に形成し、特異運転状態にある同期電動機をバランス運転状
態に戻すための磁極位置補正用情報を生成出力可能な磁極位置補正用情報生成出力手段と、特異運転状態にある同期電動機があるか否かを判別する運転状態判別手段と、運転状態判別手段により特異運転状態にあると判別された同期電動機に対して磁極位置補正用情報生成出力手段で生成出力された磁極位置補正用情報を用いて磁極位置検出器で検出された磁極位置を補正する磁極位置補正制御手段を設けており、特異運転状態にある同期電動機をバランス運転状態に戻すための磁極位置補正情報がd軸電流を負の値に制御する弱め界磁運転中の同期電動機に対する値とした、ことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、磁極位置補正用情報生成出力手段が、第1のメモリと第1の選択生成出力手段とを含み、第1のメモリを参照して運転中の同期電動機の検出された磁極位置に対応する磁極位置補正用情報を選択生成可能かつ当該同期電動機用の磁極位置補正用情報として出力可能に形成されている
請求項の発明では、磁極位置補正用情報生成出力手段が、運転中の同期電動機の入力電力に基づき当該同期電動機に流れる実際のq軸電流、設定された制御上のd軸電流およびq軸電流を用いて磁極位置補正用情報を生成出力可能に形成されている。
請求項の発明は、複数台の同期電動機を同一のトルク指令に基づき駆動制御可能に形成し、特異運転状態にある同期電動機をバランス運転状態に戻すための磁極位置補正用情報を生成出力可能な磁極位置補正用情報生成出力手段と、特異運転状態にある同期電動機があるか否かを判別する運転状態判別手段と、運転状態判別手段により特異運転状態にあると判別された同期電動機に対して磁極位置補正用情報生成出力手段で生成出力された磁極位置補正用情報を用いて磁極位置検出器で検出された磁極位置を補正する磁極位置補正制御手段とを設けており、運転状態判別手段が、回生動作状態である同期電動機を特異運転状態にあると判別可能に形成されている。また、請求項の発明は検出した入力電力を参照して回生動作状態であるか否かを判別可能に形成され、請求項の発明は電力変換器の直流電圧を参照して回生動作状態であるか否か判別可能に形成されている。
さらに、請求項の発明は、複数台の同期電動機を同一のトルク指令に基づき駆動制御可能に形成し、特異運転状態にある同期電動機をバランス運転状態に戻すための磁極位置補正用情報を生成出力可能な磁極位置補正用情報生成出力手段と、特異運転状態にある同期電動機があるか否かを判別する運転状態判別手段と、運転状態判別手段により特異運転状態にあると判別された同期電動機に対して磁極位置補正用情報生成出力手段で生成出力された磁極位置補正用情報を用いて磁極位置検出器で検出された磁極位置を補正する磁極位置補正制御手段とを設けており、運転状態判別手段が、ピーク電力差分算出手段とピーク電力値超え判別手段とを含み、同期電動機の入力電力の中の最大値と最小値とのピーク電力差分を算出可能かつ算出ピーク電力差分が設定ピーク電力値を超えている場合に特異運転状態の同期電動機があると判別可能に形成されている。
さらにまた、請求項の発明は、複数台の同期電動機を同一のトルク指令に基づき駆動制御可能に形成し、特異運転状態にある同期電動機をバランス運転状態に戻すための磁極位置補正用情報を生成出力可能な磁極位置補正用情報生成出力手段と、特異運転状態にある同期電動機があるか否かを判別する運転状態判別手段と、運転状態判別手段により特異運転状態にあると判別された同期電動機に対して磁極位置補正用情報生成出力手段で生成出力された磁極位置補正用情報を用いて磁極位置検出器で検出された磁極位置を補正する磁極位置補正制御手段とを設けており、運転状態判別手段が、請求項の発明の場合と同じピーク電力差分算出手段およびピーク電力値超え判別手段と、さらなる平均値算出手段および個別電力差分算出手段とを含み、ピーク電力差分が設定ピーク電力値を超えていると判別された場合に各同期電動機の入力電力について算出された平均値と各検出入力電力との個別電力差分を算出可能で、算出個別電力差分が設定個別電力値を超えている場合に特異運転状態であると判別可能に形成され、しかも、磁極位置補正用情報生成出力手段が、第2のメモリと第2の選択生成出力手段とを含み、算出された個別電力差分の大きさに対応する磁極位置補正用情報を選択生成しかつ当該同期電動機用の磁極位置補正用情報として出力可能に形成されている。
(発明の効果)
請求項1の発明によれば、複数台の同期電動機の発生トルクをほぼ同一としつつ効率的で円滑な運転を行える。このとき、磁極位置補正用情報として弱め界磁運転中の同期電動機に対する値を記憶しておくことで、高速駆動制御運転を安定して行える。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の場合と同様に複数台の同期電動機の発生トルクをほぼ同一としつつ効率的で円滑な運転を行えるとともに、具現化が容易である。このとき、高速駆動制御運転も安定して行える。
また、請求項3の発明によれば、メモリーテーブル方式なので磁極位置補正用情報を簡単に生成出力することができる
請求項の発明によれば、磁極位置補正量の絶対値を求められるので一段と高精度で均一なバランス運転状態を保持できる。
請求項の発明によれば、同期電動機のブレーキ動作(負の電力の発生)を防止することができる。また、請求項の発明によれば、特異運転状態(回生動作状態)を確実に判別できる。請求項の発明によれば、請求項の発明の場合に比較して構成簡単かつコスト低減ができる。
さらに、請求項の発明によれば、広範囲の特異運転状態(回生動作状態や強い力行動作状態)を正確に判別でき、運転状態に対する適応性が広い。
さらにまた、請求項の発明によれば、同期電動機ごとの運転状態(回生動作状態や強い力行動作状態)をきめ細かにかつ一段と正確に判別できる。
本発明の第1の実施形態に係る複数台同期電動機を駆動源とする負荷(プレス機械)を説明するための図である。 同じく、駆動制御装置を説明するための回路図である。 同じく、上位制御装置を説明するためのブロック図である。 同じく、設定磁極位置情報をパラメータとして磁極位置補正量を記憶させた第1のメモリを説明するための図である。 同じく、磁極位置情報のリセット動作および弱め界磁制御運転動作を説明するためのフローチャートである。 同じく、特異運転状態の判別動作、磁極位置補正用情報算出動作およびバランス運転状態への戻し制御動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る特異運転状態の判別動作、磁極位置補正用情報算出動作およびバランス運転状態への戻し制御動作を説明するためのフローチャートである。 同じく、図4の場合と同様に設定磁極位置情報をパラメータとして磁極位置補正量を記憶させた第1のメモリを説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る特異運転状態の判別動作、磁極位置補正用情報算出動作およびバランス運転状態への戻し制御動作を説明するためのフローチャートである。 同じく、設定個別電力値をパラメータとして磁極位置補正量を記憶させた第2のメモリを説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る磁極位置補正用情報算出動作およびバランス運転状態への戻し制御動作を説明するためのフローチャートである。 同じく、弱め界磁制御運転時で負荷が僅かにあるときの磁極位置補正用情報算出根拠を説明するための図である。 弱め界磁制御運転時の無負荷運転時において、制御上の磁極位置が実際の磁極位置に対してCCW方向にずれている場合の動作原理を説明するための図である。 弱め界磁制御運転時の無負荷運転時において、制御上の磁極位置が実際の磁極位置に対してCW方向にずれている場合の動作原理をする説明するための図である。 磁極位置補正用情報の一部を形成する回転方向と入力電力の状態に対する制御上の磁極位置の補正方向を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
(実施例1)
本同期電動機の駆動制御装置は、図1〜図6に示す如く、複数台の同期電動機20を同一のトルク指令Tに基づき駆動制御可能に形成し、磁極位置補正用情報生成出力手段51と運転状態判別手段53と磁極位置補正制御手段55とを設け、運転状態判別手段53により特異運転状態にあると判別された同期電動機20に対して磁極位置補正用情報生成出力手段51で生成出力された磁極位置補正用情報(Δθc)を用いて当該磁極位置検出器(23)で検出された磁極位置(θd)を補正可能に形成されている。
すなわち、すべての同期電動機20を監視してバランス運転状態から逸脱した特異運転状態にある同期電動機20があると判別された場合に、当該同期電動機20の磁極位置を補正することによりバランス運転状態に戻し制御可能に形成されている。
特異運転状態とは、例えば、加速領域や定速領域ではバランス運転状態(力行動作であるべき状態)に対する特異な運転状態(回生動作や想定以上に強い力行動作)あるいは減速領域でのバランス運転状態(回生動作であるべき状態)に対する特異な運転状態(力行動作)をいう。つまり、駆動制御対象(負荷)の運転パターンやその領域によってバランス運転状態を切換えて監視することが望ましい。
この第1の実施の形態は、特異運転状態が回生動作状態とされている。因みに、第2、第3の実施の形態においては想定程度を超える回生動作状態および力行動作状態のいずれも特異運転状態としている。これとの関係もあるので、第1の実施の形態では図5(弱め界磁制御運転)と図6(運転状態判別・磁極位置補正)とを切り離して説明する。
複数台の同期電動機20で駆動制御される負荷(機械)は、この実施形態では、図1に示すプレス機械(サーボプレス)1のクランク軸3であり、同一トルク指令Tで回転駆動(プレス運転)される。この実施の形態では、説明簡素化のために2(複数)台の同期電動機20A,20Bで駆動されるものとする。
図1において、プレス機械1は、同期電動機20A,20Bのギア付モータ軸21A,21Bをメインギア2に直結し、メインギア2に直結したクランク軸3とこれに固定されたコネクティングロッド4を駆動する。この運動により、コネクティングロッド4に固定されたスライド5が上下動してボルスタ7に加圧力を与えることにより成形加工を行う。このプレス機械1ではクランク運動を利用してクランク軸3の回転運動をスライド5の上下運動に機械的に変更している例を示したが、これに限定するものではない。
次に、図2を参照して電源装置10、同期電動機20、駆動制御装置30を説明し、図3を参照して上位制御装置40と磁極位置補正手段50(磁極位置補正用情報生成出力手段51、運転状態判別手段53、磁極位置補正制御手段55および磁極位置補正演算器25)との関係を説明する。
回路構成を示す図2において、同期電動機20A,20Bごとの電源装置10A,10Bは、3相交流電源11A,11Bおよび整流器12A,12Bとからなり、インバータ(電力変換器)35A,35Bに直流電力を供給する。整流器12A,12Bは、電源装置10A,10B側への回生機能を有するが、この回生機能を動作しないように切換えて運転することもできる。なお、回生機能を設けない場合でも、本発明を実施することも可能である。
同期電動機20A,20Bは、永久磁石型でモータ軸21A,21Bのギアと反対側にはエンコーダ23A,23Bが設けられ、回転角度信号(磁極位置情報)θda,θdbを出力する。磁極位置補正演算器25A,25Bは、詳細後記の磁極位置補正手段50の一部を構成する。26は速度演算器で、回転子位置情報(補正後の磁極位置情報θca)を入力として速度検出値Nを生成しフィードバックする。
なお、同期電動機20A,20Bの容量を含む仕様は同一としたが、例えば容量の異なる同期電動機20の組合せとしてもよい。
駆動制御装置30は、複数台の同期電動機20A,20Bに共通な速度制御部31および分担トルク指令部32(32A,32B)と、各同期電動機20A,20Bごとに対応する軸電流制御部33A,33Bと、PWM変換部34A,34Bと、インバータ35A,35Bとからなる。
分担トルク指令部32は、同期電動機20の台数(2)と同じ数(2)の個別トルク指令部32A,32Bからなる。つまり、同期電動機20の台数が2、3、4、…であれば、個別トルク指令部32の台数も2、3、4、…とされる。各個別トルク指令部32で分担する個別分担トルクは総トルクの(1/台数)とされている。ただし、個別分担トルクは(1/台数)に限定するものではない。なお、同期電動機20の台数と同じ数の個別トルク指令部32に区分けしないでも、実施することはできる。
各軸電流制御部33A,33Bは、d、q軸電流指令演算器331、座標変換部332、d軸電流制御部333、q軸電流制御部334および座標変換部335を図2に示すように接続した同じ構成である。
図2において、かかる構成の駆動制御装置30では、図3の上位制御装置(上位制御系)40から生成出力された速度指令Nと速度演算部26で演算された速度検出値Nとの偏差が速度制御部31で偏差増幅され、速度制御部31からトルク指令Tが生成出力される。この駆動制御装置30は2台の同期電動機20A,20Bを駆動するので、速度制御部31からのトルク指令Tは個別トルク指令部32A,32Bで1/2化され、各同期電動機20A,20Bは全体の1/2ずつのトルクを負担する。
同期電動機20Aに関し、トルク1/2化は分担トルク指令部32Aで実施され、そのトルク指令T/2に対応するd、q軸電流指令演算器331から、d軸電流指令id1、q軸電流指令iq1が演算出力される。id1は、弱め界磁制御を行う時は、例えば低速域ではゼロ(0)、高速域では速度に応じた負の値が演算出力される。
q軸電流指令iq1は、トルク指令T/2、極対数p、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq、d軸電流指令id1、速度起電力定数(=トルク定数)keを、式(3)に代入することにより演算して求められる。
iq1=(T/2)/{p×(Ld−Lq)×id1+p×ke}…式(3)
一方、静止した3相交流座標系から回転する直交2軸座標系に座標変換する座標変換部332では、電流検出器37Aで検出したU相、V相の電流iu1、iv1と、補正済み回転子位置情報(磁極位置情報)θcaから、d、q軸電流id1、iq1が演算検出される。補正済み回転子位置情報(磁極位置情報)θcaは、エンコーダ23Aからの回転子位置情報(磁極位置情報)θdaを磁極位置補正手段50(25A)において補正した信号である。
d、q軸電流指令id1、iq1と検出演算されたd、q軸電流id1、iq1との偏差が、d軸電流制御部333、q軸電流制御部334のそれぞれで偏差増幅される。これらの偏差増幅信号は、回転する直交2軸座標系から静止した3相交流座標系に座標変換する座標変換部335を経てPWM変換器34Aへの3相電圧指令vu1、vv1、vw1として出力される。
3相電圧指令はPWM変換器34AでPWM変換され、インバータ35Aを駆動する。インバータ35Aの入力電源は、3相交流電源11Aから回生機能付整流器12Aを通した後のほぼ一定電圧の直流電力を使用している。
同期電動機20Aについての以上の説明は、同期電動機20Bの場合も同様である。
図2では、電流指令値id1,iq1は各同期電動機20A,20Bで個別に生成しているが、同期電動機20Aをマスターとし、他の同期電動機20Bをスレーブとして、マスターの電流指令値を共有する構成でもよい。
なお、トルク指令から電圧指令までの演算は交流同期電動機(20A,20B)のベクトル制御技術並びにベクトル制御系においてd軸電流idを負に制御して同期電動機20の高速化運転を実現する弱め界磁制御技術については、公知なのでその説明は省略する。
次に、上位制御装置40は、図3に示すように、CPU41、不揮発性メモリ42、メモリ(RAM)43、操作部44、表示部45、インターフェイス46、入出力ポート47A,47Bを含み、プレス機械1および付帯設備(図示省略)を制御する。不揮発性メモリ42は、例えばROMやHDDなどからなり、記憶保持可能な図4の第1のメモリ42θを形成する。なお、詳細後記の第2の実施形態(図8)における第1のメモリ42θや第3の実施形態(図10)の第2のメモリ42Pも同様に形成される。
インターフェイス46から速度指令Nおよび磁極位置補正用情報(Δθca,Δθcb)が出力される。Δθca,Δθcbは、検出された磁極位置情報θda,θdbを補正するための補正量である。
同期電動機(20A)用の入出力ポート47Aには、入力電力Pdaやエンコーダ23Aからの回転子位置情報(磁極位置情報)θdaが入力される。同様に、同期電動機(20B)用の入出力ポート47Bには入力電力Pdbやエンコーダ23Bからの回転子位置情報(磁極位置情報)θdbが入力される。入力電力Pda,Pdbは、図2では図示省略した電力測定器38A,38Bで測定される。
この第1の実施の形態(および、他の実施の形態)において、多くの手段はソフトウエア資源を活用して形成(構成)されている。例えば、弱め界磁制御手段48Yは、弱め界磁制御プログラムを格納させた不揮発性メモリ42とメモリ43に展開された当該プログラムを実行するCPU41とから形成されているので、弱め界磁制御手段48Y(41,42)の如く表示するものとする。つまり、以下の説明において、符号(番号)の後に(41,42)が付記されている手段は、このような構成の手段であると理解されたい。
この実施の形態では、運転正常化指令を発すると、補正量リセット手段48R(41,42)が起動(図5のST10)し、次いで弱め界磁制御手段48Y(41,42)が起動(ST11)される。弱め界磁制御指令手段48Yは、プレス運転指令手段48P(41,42)の一部として形成されている。つまり、プレス運転指令手段48P(41,42)が、選択設定されたスライドモーション情報(例えば、時間−クランク角度)に対応する速度指令Nを生成出力することでプレス運転指令する。
また、運転状態戻し実行指令を発すると、入力電力測定制御手段52(41,42)、運転状態判別手段53(41,42)が起動(図6のST20、ST21)され、引き続き磁極位置情報検出制御手段54(41,42)、磁極位置補正用情報生成出力手段51(41,42)、磁極位置補正制御手段55(41,42)が起動される(ST22、ST23、ST24)。その後に、磁極位置補正用情報記憶制御手段63(41,42)が働く(ST25)。
なお、運転正常化指令を発した場合に、図5のST10、ST11から図6のST20〜ST25までを一連動作として自動的に進行させるように形成してもよい。
ここに、磁極位置補正手段50の一部を構成する磁極位置補正用情報生成出力手段51は、特異運転状態の同期電動機20をバランス運転状態に戻すための磁極位置補正用情報(Δθc等)を生成出力する手段で、この実施の形態では、データテーブル検索算出方式とされ、第1のメモリ42θと第1の選択生成出力手段61(41,42)とから形成されている。
第1のメモリ42θは、図4に示す如く、磁極位置補正用情報を記憶する。この磁極位置補正用情報は、回転方向、入力電力、制御上の磁極位置の補正方向および磁極位置補正量Δθcから形成されている。最終的には補正方向(+または−)付の磁極位置補正量Δθcとして出力される。この実施形態における磁極位置補正用情報は、プレス高速運転を促進するために好適なd軸電流を負の値に制御する弱め界磁制御運転中の同期電動機20に対する値とされている。
磁極位置補正量Δθcは、予め設定した磁極位置情報θsの大きさに対応させた値(θc)として記憶されている。図4では、大きさを4段階に分けかつ小さい順に設定された磁極位置情報(θsj〜、θsk〜、θsl〜、θsm〜)に対応させ、磁極位置補正量(磁極位置補正用情報の一部)を小さい順(Δθcj、Δθck、Δθcl、Δθcm)に記憶してある。各値は、表示部45で確認しつつ操作部44を用いて設定変更することができる。
設定された磁極位置情報(設定基準値)θsに対する磁極位置補正量Δθcは、図4の太い縦線の左側に記憶された磁極位置補正用情報(回転方向、入力電力、制御上の磁極位置の補正方向)のいずれの組合せでも適応される。この磁極位置補正用情報は、図15に示す原則に準じる。
また、最小である設定磁極位置情報θsjの値は、検出された磁極位置情報θda,θdbの値が当該情報θsjの値以上である場合は特異運転状態(回生動作状態)と認めるべきとする大きさに設定される。その値は、バランス運転状態から逸脱すると認める限りにおいて、ゼロ(0)に近い値としてもよい。
なお、回転方向、入力電力および制御上の磁極位置の補正方向の組合せによって、磁極位置補正量Δθcを変えるように設定記憶しておいても実施することができる。
第1の選択生成出力手段61は、第1のメモリ42θを参照して運転中の同期電動機(例えば、20A)の磁極位置検出器23Aで検出された磁極位置情報に対応する磁極位置補正用情報を選択生成しかつ当該同期電動機20Aの磁極位置補正用情報として出力する。図4において、検出磁極位置情報(検出磁極位置θda)が設定記憶された磁極位置情報(例えば、θsj以上でθsk未満)である場合は、磁極位置補正用情報(補正量Δθcj)が選択生成される。
運転状態判別手段53(41,42)は、特異運転状態にある同期電動機20があるか否かを判別する。この実施の形態では、回生動作状態中の同期電動機20を特異運転状態にある同期電動機20と判別可能に形成されている。つまり、回生動作状態有無確認手段相当を形成する。
具体的には、運転状態判別手段53は、同期電動機(例えば、20A)について測定(検出)した入力電力Paを参照して回生動作状態であるか否かを判別(図6のST20、ST21)する。検出入力電力Paが不揮発性メモリ42に予め設定されたマイナスの基準電力値に比較してマイナスでかつその絶対値が大きい場合に回生動作状態であると判別する(ST21)。
電力測定(検出)は、同期電動機20Aに電力を供給する各々独立した3相交流電源11Aと、整流器12Aとの間の電力を測定する。なお、インバータ35Aの直流入力電力や交流出力電力、あるいは各同期電動機20Aの軸出力を量ることで測定するようにしてもよい。他の同期電動機20Bについても同様である。
この実施の形態では、インバータ35Aの出力電路に設けた図3(図2では図示省略)に示す電力測定器38Aで測定する。電流検出器37Aと図示しない電圧検出器とを用いて電力測定するようにしてもよい。
磁極位置補正制御手段55は、運転状態判別手段53により特異運転状態(回生動作状態)であると判別された同期電動機(例えば、20A)に対して磁極位置補正用情報生成出力手段51で生成出力された磁極位置補正用情報を用いて磁極位置検出器23Aで検出された磁極位置(θda)を補正する(ST24)。
具体的には、検出磁極位置(θda)が属する設定磁極位置(例えば、θsk〜)に対応する補正量Δθckを選択生成して出力させ、この磁極位置補正用情報(補正量Δθck)を磁極位置補正演算器25Aに入力する。すると、磁極位置補正演算器25Aが補正実行(演算)しかつ補正後の磁極位置補正用情報(θca)を出力する。
選択生成出力された磁極位置補正用情報(補正量Δθck等)は、補正量記憶制御手段63(41,42)により不揮発性メモリ42に記憶される。その後の運転において利用可能とするためである。
その後、ST20に戻り、再び特異運転状態(回生動作状態)の同期電動機20がある場合(ST20、ST21)は、ST22〜ST25を実行する。全ての同期電動機20A,20Bがバランス運転(正常運転)状態に戻る(ST21でNO)と、当該一連制御は終了する。
かかる構成の実施形態の場合、運転正常化指令を発すると、磁極位置補正量リセット手段48R(41,42)が、各磁極位置補正演算器25A,25Bに入力する補正量Δθca,Δθcbをゼロ(0)リセットする(図5のST10)。なお、Δθca,Δθcbの初期値は、ゼロ(0)に近い値でもよい。
引き続き、弱め界磁制御指令手段48Y(41,42)が速度指令Nを駆動制御装置30(31)に出力し、2台の同期電動機20A,20Bを同一のトルク指令Tで弱め界磁制御(ほぼ無負荷運転)を実施させる(ST11)。
また、運転状態戻し実行指令を発すると、入力電力測定制御手段52(41,42)が入力電力Piを測定する(図6のST20)。運転状態判別手段53(41,42)が回生動作中の同期電動機(例えば、20A)を特異運転状態と判別する(ST21でYES)。引き続き、磁極位置情報検出制御手段54(41,42)が当該同期電動機のエンコーダ23Aの出力から磁極位置情報θdaを検出する(ST22)。その後、磁極位置補正用情報生成出力手段51(41,42)が、図4の第1のメモリ42θを参照して、検出磁極位置情報θdaが属する設定磁極位置情報(θck〜)を探し出しかつこれに対応する磁極位置補正量Δθckを生成出力する(ST23)。
かくして、磁極位置補正制御手段55(41,42)が、磁極位置補正演算器25Aに補正量Δθckを入力し検出磁極位置情報θdaを補正する(ST24)。磁極位置補正演算器25Aから補正後の磁極位置情報θcaが出力される。これにより特異運転状態をバランス運転状態に戻すことができる。その後に、磁極位置補正用情報記憶制御手段63(41,42)が働く(ST25)。
しかして、第1の実施の形態によれば、すべての同期電動機20を監視して特異運転状態にある同期電動機20があると判別した場合に当該磁極位置(θda)を補正することによりバランス運転状態に戻し制御可能に形成されているので、2台の同期電動機20A,20Bの発生トルクをほぼ同一としつつ効率的で円滑な運転を行える。
また、2台の同期電動機20A,20Bを同一のトルク指令Tに基づき駆動制御可能で、運転状態判別手段53により特異運転状態と判別された同期電動機20Aに対して磁極位置補正用情報生成出力手段51で生成出力された磁極位置補正用情報(Δθck)を用いて磁極位置検出器(23A)で検出された磁極位置を補正可能に形成されているので、具現化が容易である。しかも、低コストかつ構造簡単で、取扱いも容易である。
さらに、従来の個別的補正方法を利用した場合の不都合(1台目の磁極位置を補正するとトルク指令が変化してしまう。複数台を調整するに大きな手間と時間が掛かる。)を一掃することができる。
さらに、従来の個別的補正方法を導入しただけでは、複数台同期電動機20を同一のトルク指令Tで弱め界磁制御を実施して運転する場合において、同期電動機20の磁極位置がずれていてかつ負荷が小さいとき、ある同期電動機20が電力の力行成分を多くとると、機械出力は一定のために、残りの同期電動機20は回生を行うことによって機械出力を同一に保持しようとする。つまり、磁極位置がずれていることにより、個々の同期電動機20の回生動作や力行が強まる動作をすることがあった。特に回生動作の場合は、同期電動機20に電力を供給している電力変換器の直流電圧が上昇してしまうという問題があったが、本発明ではこのような問題を完全に解決できる。
なお、以上では入力電力(Pa)を参照して回生動作状態であるか否かを判別可能に形成された場合について説明したが、運転状態判別手段53は同期電動機20に対応する電力変換器(インバータ35)の直流電圧を参照して回生動作状態であるか否か判別可能に形成してもよい。
すなわち、回生機能付整流器12の回生機能を働かせないように選択されていた場合、または回生機能付でない整流器12の場合において、電力が回生しているときは、整流器12の直流電圧が上昇するので、各々独立した整流器12とインバータ35との間の直流電圧を測定し、測定した直流電圧が所定値より上昇したか否かで場合分けをする。つまり、上昇する直流電圧がある場合は、回生動作状態であると判別する。このようにすれば、直流電圧のみを測定する機器を用意すればよく、入力電力を測定する場合に比べて簡単な構成で磁極位置補正を行うことが可能となる。
(実施例2)
磁極位置補正量Δθcを予め設定した回生電力Psの大きに対応させた値(θc)として記憶させた場合である。つまり、図4において、大きさを4段階に分けかつ小さい順に設定された回生電力(Psj〜、Psk〜、Psl〜、Psm〜)に対応させ、磁極位置補正量を小さい順(Δθcj、Δθck、Δθcl、Δθcm)に記憶する。この場合、図6のST22では実施例1の場合の磁極位置情報θdに代えて回生電力Pdを検出するように形成すればよい。
しかして、この実施例2の場合も実施例1の場合と同様な作用効果を奏することができる。しかも、磁極位置補正量Δθcを特異運転状態(回生電力の大きさ)に応じたものとされているので、技術的に明快であり理解し易い。
なお、複数台の同期電動機20で駆動制御される負荷(機械)がプレス機械1(クランク軸3)の場合は、エンコーダ23がプレス監視・制御上の必須構成として付帯されているので、第1実施例のようにすれば計測・測定器の経済的負担が小さい。
(実施例3)
磁極位置補正量Δθcを予め設定した直流電圧Vsの高さ(大き)に対応させた値(θc)として記憶させた場合である。つまり、図4において、大きさを4段階に分けかつ小さい順に設定された直流電圧(Vsj〜、Vsk〜、Vsl〜、Vsm〜)に対応させ、磁極位置補正量を小さい順(Δθcj、Δθck、Δθcl、Δθcm)に記憶する。この場合、図6のST22では実施例1(2)の場合の磁極位置情報θd(Ps)に代えてインバータ35の直流電圧Vdを検出するように形成すればよい。
しかして、この実施例3の場合も実施例1(2)の場合と同様な作用効果を奏することができる。しかも、実施例2の場合に比較して計測・測定器の経済的負担を軽減できる。
(第2の実施の形態)
この実施の形態は、図7、図8に示される。基本的構成・機能は第1の実施形態の場合(図1、図2、図3、図5)と同様であるが、運転状態判別手段53がピーク電力差分算出手段71とピーク電力値超え判別手段72とを含み、電力監視により運転状態を判別可能に形成されている。
(実施例1)
図7において、弱め界磁制御(図5)によるプレス運転中において、運転状態戻し実行指令を発すると、入力電力測定制御手段52(41,42)が、電力測定器38A,38Bからの信号を読込み各同期電動機20A,20Bのほぼ無負荷時の入力電力Pda,Pdbを測定(検出)する(ST30)。測定値はメモリ43に一時記憶される。
ピーク電力差分算出手段71(41,42)は、同期電動機20について検出された入力電力Pdの中の最大値Pmaxと最小値Pminとのピーク電力差分ΔPmm(=Pmax―Pmin)を算出(ST32)する。最小値Pminはマイナスの値となる場合もある。
ピーク電力値超え判別手段72(41,42)は、算出されたピーク電力差分ΔPmmが読み出した設定ピーク電力値Pszを超えているか否かを判別(ST33,ST34)する。このピーク電力値Pszは、予め不揮発性メモリ42に設定記憶されている。
ここに、運転状態判別手段53(71,72)は、算出ピーク電力差分ΔPmmが設定ピーク電力値Pszを超えていると判別された場合に特異運転状態の同期電動機20があると判別する(ST34でYES)。つまり、個々の磁極位置(θd)を監視するのでなく、大局的な観点からシステム全体の電力監視によりバランス運転状態を逸脱する特異運転状態(回生動作あるいは強め力行動作)であるか否かを判別する。
なお、磁極位置補正用情報生成出力手段51(42θ,61)は、基本的に第1の実施形態の場合と同様な構成・機能であるが、第1のメモリ42θには図8に示す如く磁極位置補正用情報の中に回生動作のみならず力行動作についても設定記憶させてある。
つまり、複数台同期電動機20の入力電力Pdが、回生動作時のみならず、すべて力行動作であるときでも、入力電力Pdのアンバランス(つまり、特異運転状態である。)と認定し、磁極位置補正を利用してバランス運転状態に復帰可能に形成されている。
なお、磁極位置情報検出制御手段54、磁極位置補正用情報生成出力手段51、磁極位置補正制御手段55および磁極位置補正用情報記憶制御手段63に関する動作(図7のST35〜ST38)は、第1の実施形態の場合(図6のST22〜ST25)と同じなので説明は省略する。
しかして、この実施の形態によれば、第1の実施形態の場合と同様な作用効果を奏することができることはもとより、さらに、広範囲の特異運転状態すなわち回生動作のみならず強い力行動作中の同期電動機20についても正確に判別してバランス運転状態に戻すことができる。
(実施例2)
磁極位置補正量Δθcを予め設定したピーク電力差分ΔPsの大きさに対応させた値(θc)として記憶させた場合である。つまり、図8において、大きさを4段階に分けかつ小さい順に設定されたピーク電力差分(ΔPsj〜、ΔPsk〜、ΔPsl〜、ΔPsm〜)に対応させ、磁極位置補正量を小さい順(Δθcj、Δθck、Δθcl、Δθcm)に記憶する。この実施例2の場合、ピーク電力差分ΔPsは図7のST32で算出されているのでST35は削除する。
また、ST37では、測定最大値Pmaxの大きさを下げ、測定最小値Pminの大きさを上げるように補正制御される。このとき、測定した電力値Pdが最大となる同期電動機20の磁極位置補正量Δθcと最小となる同期電動機20の磁極位置補正量Δθcは絶対値が等しく符号は逆である。
しかして、この実施例2の場合も実施例1の場合と同様な作用効果を奏することができる。しかも、磁極位置補正量Δθcを特異運転状態(ピーク電力差分の大きさ)に応じたものとされているので、回生動作および力行動作に対する適応性が広い。
(第3の実施の形態)
この実施の形態は、図9、図10に示される。基本的な構成・機能が第1の実施形態の場合(図1、図2、図3、図5)と同様であるが、運転状態判別手段53が、ピーク電力差分算出手段71とピーク電力値超え判別手段72と平均値算出手段73と個別電力差分算出手段74と個別電力値超え判別手段75とを含み、算出された個別電力差分が設定個別電力値を超えている場合に特異運転状態であると判別可能に形成され、さらに磁極位置補正用情報生成出力手段51が第2のメモリ42Pと第2の選択生成出力手段62とから形成されている。
すなわち、この実施の形態は、ピーク電力差分評価方式の第2の実施形態と比較すれば、運転状態判別手段53が個別電力差分評価方式とされ、磁極位置補正用情報生成出力手段51が設定個別電力値との比較において磁極位置補正用情報を選択生成出力可能に形成されている。
なお、入力電力測定制御手段52、ピーク電力差分算出手段71、ピーク電力値超え判別手段72は、第2の実施形態の場合(図7のST30〜ST34)と同じであるから、図9のST40〜ST44については、説明を省く。
平均値算出手段73(41,42)は、算出ピーク電力差分ΔPmmが設定ピーク電力値Pszを超えていると判別された場合(図9のST44でYES)に、各同期電動機20について検出された全ての入力電力Pdの平均値Phを算出する(ST45)。
個別電力差分算出手段74(41,42)は、算出された平均値Phと各同期電動機20の検出入力電力Pdとの個別電力差分ΔPhdを算出する(ST46)。
個別電力値超え判別手段75(41,42)は、算出された個別電力差分ΔPhdが設定個別電力値Psを超えている場合に特異運転状態の同期電動機20があると判別(ST47)する。すなわち、超えている同期電動機20を特異運転状態にある同期電動機20とし、超えていない同期電動機20をバランス運転状態にある同期電動機20として記憶しておく。
次に、第2のメモリ42Pは、図10に示す如く、磁極位置補正用情報を構成する磁極位置補正量Δθcを設定された個別電力値Psに対応させて記憶してある。すなわち、大きさを4段階に分けた小さい順の設定個別電力値Ps(Psj〜、Psk〜、Psl〜、Psm〜)に対応させ、磁極位置補正量(磁極位置補正用情報の一部)を小さい値の順(Δθcj、Δθck、Δθcl、Δθcm)に記憶してある。各値は、表示部45で確認しつつ操作部44を用いて設定変更することができる。
第2の選択生成出力手段62(41,42)は、第2のメモリ42Pを参照して個別電力差分算出手段74により算出された個別電力差分ΔPhdが設定記憶された個別電力値(例えば、Psm〜)に属するときに、当該設定個別電力値(例えば、Psm〜)対応する磁極位置補正用情報(磁極位置補正量Δθcm)を選択生成しかつ当該同期電動機20の磁極位置補正用情報として出力する。つまり、算出平均値Phとの差が大きく超えたものは、小さく超えたものよりもその同期電動機20の補正量Δθcの絶対値を大きくする。これは、同期電動機20の台数が3台以上の場合に特に有効である。
その後、磁極位置補正制御手段55が働き、特異運転状態であると判別された同期電動機(例えば、20A)に対して当該磁極位置(θda)を補正する(ST49)。磁極位置補正用情報(補正量Δθcm等)は、補正量記憶制御手段63により不揮発性メモリ42に記憶される。
そして、ST40(〜ST44)に戻り、ピーク電力差分ΔPmmがピーク電力値Pszを超えている場合(ST44でYES)は、ST45〜ST50を実行する。ピーク電力差分ΔPmmがピーク電力値Pszを超えていない場合(ST44でNO)は、全ての同期電動機20がバランス運転(正常運転)状態であるから、当該一連制御は終了する。
しかして、この実施の形態によれば、第2の実施形態の場合に比較して、同期電動機20ごとの運転状態(回生動作状態や強い力行動作状態)を一段と正確に判別できる。
(第4の実施の形態)
この実施の形態は、図11、図12に示される。基本的構成・機能は第1の実施形態(図1、図2、図3、図5)の場合と同様であるが、磁極位置補正用情報生成出力手段51が運転中の同期電動機20について検出された入力電力Pd(=Pin)に基づき当該同期電動機20に流れる実際のq軸電流、設定された制御上のd軸電流およびq軸電流を用いて磁極位置補正用情報を生成出力可能に形成されている。
すなわち、磁極位置補正用情報生成出力手段51は、トルク算出手段81(41,42)とq軸電流算出手段82(41,42)とずれ角算出手段83(41,42)と補正角算出手段84(41,42)とから形成されている。
以下に、CCW運転で回生動作時について、補正角(補正量)Δθの算出法の詳細を述べる。
図12の細線の矢印は、図13の場合と同じく実際のd軸位置に対して制御上のd軸位置がφ(0<φ<π/2)進んでいるときの電流ベクトルの位置関係を表しており、矢印の方向は電流ベクトルの正方向である。また、磁極位置の補正方向の正方向はCCWに等しい。
ここで、完全な無負荷であればトルク分電流iqは流れないが、機械的に無負荷であっても、実際には僅かな負荷(機械損など)があるので、同期電動機20としては僅かな軸出力が必要である。機械的な有負荷時はいうまでもない。
このため、図12に示すように制御上のd軸巻線にidcが流れることに加えて、制御上のq軸巻線にiqcが出る。これらを実際のd軸およびq軸上に直交分解すると、実際のq軸巻線に電流[iqc×cosφ+idc×sinφ]が流れる。すなわち、同期電動機20に流れる実際のq軸電流をiqとすると、式(4)が成り立つ。
iq=iqc×cosφ+idc×sinφ=√(idc+iqc)×cos{φ−tan−1(idc/iqc)}…式(4)
よって式(4)に基づく式(5)より、φを算出することができる。
φ=cos−1{iq/√(idc+iqc)}+tan−1(idc/iqc)…式(5)
idc、iqcは制御上のd、q軸電流なので、これはベクトル制御演算を行うコントローラ(40)内のメモリ(例えば、不揮発性メモリ42)に格納されており、既知である。
一方、トルクTの方程式は、実際のd軸電流id、実際のq軸電流iq、極対数p、速度起電力定数ke、直軸インダクタンスLd、横軸インダクタンスLqを用いて以下の式(6)で与えられることが知られている。
T=p×(Ld−Lq)×id×iq+p×ke×iq…式(6)
トルクTの値は、まず、図11のST60で測定した同期電動機20の入力電力Pinから、損失を差し引いて電動機軸出力を求め、機械角速度で除して求める。すなわち、整流器12の交流側で入力電力Pinを測定した場合、Pinから同期電動機20の銅損Pc、同期電動機の鉄損Pm、回生機能付の整流器12A,12Bやインバータ35A,35Bの損失Pt等を差し引いて軸出力Poutを求め、式(7)によって算出する。トルク算出手段81(41,42)により実行される(ST61)。
T=Pout/ωm=(Pin−Pc−Pm−Pt)/ωm…式(7)
p、Ld、Lqの値は、設計値や測定によって求めることができるので既知である。またidの値は実際には測定できないが、φの値がごく小さく、弱め界磁制御を行っている場合は制御上のd軸電流idcとほぼ等しくおいてよいと考えられる。これも既知である。よって、式(6)、式(7)より、iqは式(8)で求められる。
iq=(Pin−Pc−Pm−Pt)/{ωm×[p×(Ld−Lq)×id+p×k
e]}…式(8)
式(8)の演算は、q軸電流算出手段82(41,42)により実行される(ST62)。
この式(8)で求めたiqと、idc、iqcの値を式(5)に代入し、磁極位置のずれ角φを求めることできる。よって、磁極位置補正量Δθcは、式(9)より求めることができる。
Δθc=―φ…式(9)
式(9)の演算は、ずれ角算出手段83(41,42)により実行される(ST63)。
CCW運転で力行が強まる動作の時も式(5)をそのまま適応できる。これは式(1)と式(2)が同一の式で表現されていることに他ならない。さらに、CW運転時も、iqcの値が負になるだけなので、式(5)をそのまま適応できる。よって、いずれの場合も同じ手順で式(9)より補正角(補正量Δθc)を求めることができる。補正角算出手段84(41,42)により実行される(ST64)。各同期電動機20について算出実行される。
すなわち、式(5)で算出されるφの符号が正ならば回生動作であり、負ならば力行が強まる動作であると言える。さらに、CW運転時は式(5)で算出されたφの符号が正ならば力行が強まる動作であり、負であれば回生動作となる。これらのことは、図15の関係からいえる。
かくして、磁極位置補正制御手段55は、磁極位置補正量Δθcがゼロ(0)でない各同期電動機20について当該各磁極位置補正量Δθcを用いて補正(ST65でNO、ST66)する。全ての同期電動機20についての磁極位置補正量Δθcがゼロ(0)である場合(ST65でYES)は、制御終了となる。
すなわち、複数台同期電動機20の磁極位置の補正量Δθcを具体的に決定することができる。また、第1の実施形態や第2の実施形態の方法は1回で補正できない場合に、補正作業を繰り返すことになるが、この方法は原理的に1回の試験で磁極位置補正量Δθcを決定できる。
しかして、この第4の実施の形態によれば、d軸電流を負の値に制御する弱め界磁制御運転時に同期電動機20の電力を測定し、測定値Pdと回転方向に基づいて磁極位置検出器(エンコーダ23)の磁極位置補正をすることができるから、同期電動機20ごとの運転状態(回生動作状態や強い力行動作状態)を一段と正確に判別でき、迅速にバランス運転状態に戻せる。
かかる運転正常化方法は、弱め界磁制御においてd軸電流を負の値に制御する方式だけでなく、dq軸電流ベクトル間の位相角を制御する方式でも同様に適用できる。
なお、第1、第2の実施の形態における磁極位置補正用情報生成出力手段51を、この第4の実施の形態における磁極位置補正用情報生成出力手段51に代えても本願発明は実施することができる。その際、第1、第2の実施の形態についての図6のST22,ST23、図7のST35,ST36を図11のST61〜64に代えればよい。
以上の第1〜4の実施形態では、複数(2)台の同期電動機20で駆動されるプレス機械1を例にとって説明したが、駆動対象(負荷)はプレス機械1に限ることなく、射出成形機、工作機械、建設機械、鉄鋼圧延機、車両、昇降機などに適用できるのは言うまでもない。
1 プレス機械
3 クランク軸
10 電源装置
11 3相交流電源
12 回生機能付の整流器
20 同期電動機
23 エンコーダ
25 磁極位置補正演算器(磁極位置補正手段)
30 駆動制御装置
31 速度制御部
32 分担トルク指令部
33 軸電流制御部
331 d、q軸電流指令演算部
332 静止した3相交流座標系から回転する直交2軸座標系に座標変換する座標変換部333 d軸電流制御部
334 q軸電流制御部
335 回転する直交2軸座標系から静止した3相交流座標系に座標変換する座標変換部34 PWM変換部
35 インバータ(電力変換器)
40 上位制御装置
41 CPU
42 記憶保持可能メモリ(第1のメモリ、第2のメモリ)
50 磁極位置補正手段
51 磁極位置補正用情報生成出力手段(磁極位置補正手段)
53 運転状態判別手段(磁極位置補正手段)
55 磁極位置補正制御手段(磁極位置補正手段)
61 第1の選択生成出力手段
62 第2の選択生成出力手段
72 ピーク電力値超え判別手段
73 平均値算出手段
74 個別電力値超え判別手段
81 トルク算出手段
83 ずれ角算出手段

Claims (9)

  1. 同一のトルク指令に基づき駆動制御可能に形成された複数台同期電動機の駆動制御方法であって、
    バランス運転状態から逸脱した特異運転状態にある同期電動機をバランス運転状態に戻すための磁極位置補正用情報として、d軸電流を負の値に制御する弱め界磁運転中の同期電動機に対する値を記憶しておき、
    すべての同期電動機を監視して特異運転状態にある同期電動機があるか否か判別し、
    特異運転状態にあると判別された同期電動機に対して前記磁極位置補正用情報を用いて磁極位置検出器で検出された磁極位置を補正制御してバランス運転状態にする、複数台同期電動機の駆動制御方法
  2. 複数台の同期電動機を同一のトルク指令に基づき駆動制御可能に形成し、
    特異運転状態にある同期電動機をバランス運転状態に戻すための磁極位置補正用情報を生成出力可能な磁極位置補正用情報生成出力手段と、
    特異運転状態にある同期電動機があるか否かを判別する運転状態判別手段と、
    運転状態判別手段により特異運転状態にあると判別された同期電動機に対して磁極位置補正用情報生成出力手段で生成出力された磁極位置補正用情報を用いて磁極位置検出器で検出された磁極位置を補正する磁極位置補正制御手段を設けており、
    特異運転状態にある同期電動機をバランス運転状態に戻すための前記磁極位置補正情報がd軸電流を負の値に制御する弱め界磁運転中の同期電動機に対する値とした、複数台同期電動機の駆動制御装置。
  3. 前記磁極位置補正用情報生成出力手段が、
    磁極位置情報に対応させた磁極位置補正用情報を記憶する第1のメモリと、
    第1のメモリを参照して運転中の同期電動機の当該磁極位置検出器で検出された検出磁極位置に対応する磁極位置補正用情報を選択生成しかつ当該同期電動機用の磁極位置補正
    用情報として出力する第1の選択生成出力手段とから形成されている、請求項2記載の複数台同期電動機の駆動制御装置。
  4. 前記磁極位置補正用情報生成出力手段が、
    運転中の同期電動機について検出された入力電力に基づき当該同期電動機に流れる実際のq軸電流、設定された制御上のd軸電流およびq軸電流を用いて磁極位置補正用情報を生成出力可能に形成されている、請求項2記載の複数台同期電動機の駆動制御装置。
  5. 複数台の同期電動機を同一のトルク指令に基づき駆動制御可能に形成し、
    特異運転状態にある同期電動機をバランス運転状態に戻すための磁極位置補正用情報を生成出力可能な磁極位置補正用情報生成出力手段と、
    特異運転状態にある同期電動機があるか否かを判別する運転状態判別手段と、
    運転状態判別手段により特異運転状態にあると判別された同期電動機に対して磁極位置補正用情報生成出力手段で生成出力された磁極位置補正用情報を用いて磁極位置検出器で検出された磁極位置を補正する磁極位置補正制御手段とを設けており、
    前記運転状態判別手段が、回生動作状態である同期電動機を特異運転状態にある同期電動機があると判別可能に形成されている複数台同期電動機の駆動制御装置。
  6. 前記運転状態判別手段が、前記同期電動機について検出した入力電力を参照して回生動作状態であるか否かを判別可能に形成されている、請求項記載の複数台同期電動機の駆動制御装置。
  7. 前記運転状態判別手段が、前記同期電動機に対応する電力変換器の直流電圧を参照して回生動作状態であるか否か判別可能に形成されている、請求項記載の複数台同期電動機の駆動制御装置。
  8. 複数台の同期電動機を同一のトルク指令に基づき駆動制御可能に形成し、
    特異運転状態にある同期電動機をバランス運転状態に戻すための磁極位置補正用情報を生成出力可能な磁極位置補正用情報生成出力手段と、
    特異運転状態にある同期電動機があるか否かを判別する運転状態判別手段と、
    運転状態判別手段により特異運転状態にあると判別された同期電動機に対して磁極位置補正用情報生成出力手段で生成出力された磁極位置補正用情報を用いて磁極位置検出器で検出された磁極位置を補正する磁極位置補正制御手段とを設けており、
    前記運転状態判別手段が、前記同期電動機について検出された入力電力の中の最大値と最小値とのピーク電力差分を算出するピーク電力差分算出手段と、算出されたピーク電力差分が設定ピーク電力値を超えているか否かを判別するピーク電力値超え判別手段とを含み、ピーク電力差分が設定ピーク電力値を超えていると判別された場合に特異運転状態の同期電動機があると判別可能に形成されている複数台同期電動機の駆動制御装置。
  9. 複数台の同期電動機を同一のトルク指令に基づき駆動制御可能に形成し、
    特異運転状態にある同期電動機をバランス運転状態に戻すための磁極位置補正用情報を生成出力可能な磁極位置補正用情報生成出力手段と、
    特異運転状態にある同期電動機があるか否かを判別する運転状態判別手段と、
    運転状態判別手段により特異運転状態にあると判別された同期電動機に対して磁極位置補正用情報生成出力手段で生成出力された磁極位置補正用情報を用いて磁極位置検出器で検出された磁極位置を補正する磁極位置補正制御手段とを設けており、
    前記運転状態判別手段が、前記同期電動機について検出された入力電力の中の最大値と最小値とのピーク電力差分を算出するピーク電力差分算出手段と、算出されたピーク電力差分が設定ピーク電力値を超えているか否かを判別するピーク電力値超え判別手段と、ピーク電力差分が設定ピーク電力値を超えていると判別された場合に各同期電動機について
    検出された全ての入力電力の平均値を算出する平均値算出手段と、算出された平均値と各同期電動機の検出入力電力との個別電力差分を算出する個別電力差分算出手段とを含み、算出された個別電力差分が設定個別電力値を超えている場合に特異運転状態の同期電動機があると判別可能に形成され、
    前記磁極位置補正用情報生成出力手段が、個別電力差分に対応させた磁極位置補正用情報を記憶する第2のメモリと、この第2のメモリを参照して個別電力差分算出手段により算出された個別電力差分の大きさに対応する磁極位置補正用情報を選択生成しかつ当該同期電動機用の磁極位置補正用情報として出力する第2の選択生成出力手段とから形成されている複数台同期電動機の駆動制御装置。
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