JP5897450B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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本発明は農業機械や建設機械、草刈り機等に搭載される交流モータの制御装置に関し、特にモータに用いられる電流センサや回転位置センサが故障したときにも適切にモータを制御するためのモータ制御装置に関するものである。
電気自動車やハイブリッド車においては従来車両の動力源として永久磁石同期モータ(IPMモータ)が用いられている。しかし農業機械や建設機械等においては、特許文献1に提案されているが、ハイブリッド車や電気を動力源とする車両はまだほとんど実用化されていない。
電気自動車等の分野においては、IPMモータの三相に夫々電流を検出する電流センサと、ロータの回転位置を検出する回転位置センサとを設け、これらのセンサの信号に基づいて三相交流の各相に流す電流を制御し、必要な電流値となるようスイッチングトランジスタでPWM制御している。即ち電流センサの値と回転位置センサからの値に基づいてベクトル順変換を行い、ベクトル順変換によって得られた回転座標系の電流値と、目標となるトルクから得られる電流値との差がなくなるようにPI制御を行い、更にこれをベクトル逆変換して三相の目標となる電圧値を得る。この電圧値をPWM信号に変換してスイッチングトランジスタを制御し、モータを回転制御するようにしている。このように各種センサを用いてモータ制御を行うことによって、負荷の変動があっても高い効率でモータを駆動することができる。
特開2003−9607号公報
モータに取付けられている電流センサや回転位置センサにはホール素子が用いられているが、これらは振動や熱に弱いため故障する可能性がある。しかしながら車両や農業機械等の動力源としてモータを用いる場合には、例えこれらのセンサが故障した場合であっても、能率がやや低下することを許容しつつモータを駆動できるようにしておくことが求められる。
本発明は電流センサや回転位置センサが故障した場合であっても、モータの効率をあまり低下させることなく制御することができるモータ制御装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明のモータ制御装置は、永久磁石同期型の三相モータを用いたモータ制御装置であって、永久磁石同期型のモータと、前記モータの動作時の温度を測定する温度センサと、前記モータの三相に供給される電流を測定する電流センサと、前記モータのロータの回転位置を測定する回転位置センサと、前記モータの出力可能なトルクの範囲の所定値毎に、及びモータの回転可能な回転数範囲の所定回転数毎に、前記モータの動作時の温度に対する回転座標での電流値の変化をマップとして保持するマップメモリと、前記モータの各相に流れる電流値をスイッチングによって制御するドライバと、前記モータの出力となるトルクの値が入力され、前記電流センサ及び回転位置センサの
少なくとも一方から測定値が得られないときに、前記マップメモリに保持されているマップのうち前記温度センサで得られる現在の温度に相当する電流値に基づいて前記ドライバを制御するコントローラと、を具備するものである。
ここで前記コントローラは、前記電流センサの故障時に、前記回転位置センサから得られるモータの回転数と前記温度センサから得られる温度に基づいて、前記マップメモリのうちトルクと回転数に対応したマップからそのときの温度に対応する回転座標系の電流値を読み出して前記ドライバを制御するものとしてもよい。
ここで前記コントローラは、前記回転位置センサの故障時に、前記電流センサから得られるモータの回転数と前記温度センサから得られる温度とに基づいて、前記マップメモリのうちトルクと回転数に対応したマップからそのときの温度に対応する回転座標系の電流値を読み出して前記ドライバを制御するものとしてもよい。
ここで前記コントローラは、前記電流センサ及び回転位置センサの故障時に、前記温度センサからの出力に基づいて前記マップメモリに保持しているモータの最大の回転数に対応したマップからそのときの温度に対応する回転座標系の電流値を読み出して前記ドライバを制御するものとしてもよい。
ここで前記コントローラは、前記電流センサ及び回転位置センサからの出力に基づいてベクトル順変換を行い、必要なトルクに応じて目標となる電流値を算出し、ベクトル逆変換をしてPWM信号として前記ドライバに出力し、前記電流センサ及び前記回転位置センサの少なくとも一方の故障時に、前記マップメモリから読出された電流値に基づいてベクトル逆変換を行い、この出力をPWM制御信号として前記ドライバに出力するもにとしてもよい。
ここで前記モータ制御装置は、前記モータの出力可能なトルクの範囲の所定値毎に、及びモータの回転可能な回転数範囲の所定回転数毎に、前記モータの動作時の温度に対する回転座標でのデューティ比の変化をマップとして保持する第2のマップメモリを更に有し、前記コントローラは、電流センサの故障時に前記温度センサから得られる温度と前記回転位置センサから得られる回転角度に基づいて前記第2のマップメモリから必要なデューティ比のデータを読出し、このデューティ比に基づいて前記ドライバを制御するものとしてもよい。
このような特徴を有する本発明によれば、電流センサと回転位置センサとを用いたモータのベクトル制御を通常行っており、いずれか一方のセンサが故障した場合であってもマップメモリに保持されているデータを用いて必要なトルクに対応したモータ制御を行うことができる。又万一双方のセンサが故障した場合であっても、温度センサの値に基づいてマップメモリのデータに基づく制御を行うことができる。従ってあまり能率を低下させることなくモータの運転を行うことができる。
従ってこの制御を農業機械等に用いた場合には、故障した場合であってもモータを通常の制御時よりもやや低い能率で運転することができるため、サービスステーションに自走するなどの処理を行うことができるという効果が得られる。
図1は本発明の第1の実施の形態によるモータ制御装置の全体構成を示すブロック図である。 図2は本実施の形態によるモータのマップメモリの保持するデータを取得するためのモータ評価システムの構成を示すブロック図である。 図3はマップメモリに保持されているデータの一例を示すグラフである。 図4はこの実施の形態によるモータの通常制御の概略フローチャートである。 図5はこの実施の形態によるモータ制御装置において電流センサが故障した場合のモータ制御を示す概略フローチャートである。 図6はこの実施の形態によるモータ制御装置において回転位置センサが故障した場合のモータ制御を示す概略フローチャートである。 図7はこの実施の形態によるモータ制御装置において電流センサと回転位置センサのいずれもが故障した場合のモータ制御を示す概略フローチャートである。 図8は本発明の第2の実施の形態によるモータ制御装置の全体構成を示すブロック図である。 図9は第2の実施の形態によるモータ制御装置の電流センサが故障した場合のモータ制御を示す概略フローチャートである。
図1は本発明の実施の形態によるモータ制御装置の全体構成を示すブロック図である。本図において電池11は例えば数百ボルトの二次電池であって、モータの電源として用いられる。この電池11からの直流出力はドライバ12に供給される。ドライバ12は直流電圧をスイッチングし、三相交流に変換するものである。ドライバ12の三相のラインU,V,Wはモータ13に接続されている。ここでモータ13は、リラクタンストルクを発生する電磁鋼板と永久磁石を埋め込んだロータを組み合わせたIPM三相モータとする。三相の各ラインU,V,Wには、夫々そのラインを通過する電流を測定するための電流センサ14,15,16が設けられる。三相で駆動するとモータ電流の合計は必ず0となるため、2つの電流センサから電流値が得られれば他の1つのラインの電流値は演算により求めることができる。従って電流センサは2つのラインにのみ設けておいてもよい。又モータ13は内部を回転するロータの位置角度θを検出するための回転位置センサ17が設けられる。
更に本実施の形態では、モータ13に近接する位置にモータ13の温度を検出するための温度センサ18が設けられる。この温度センサ18は熱電対やサーミスタによって実現することができ、故障の可能性は低い。これらの電流センサ14〜16と回転位置センサ17及び温度センサ18からの出力は、コントローラ20に与えられる。
さてコントローラ20には操作信号入力部21が接続される。操作信号入力部21はモータ13の回転を制御するため操作信号であるトルク(Nm)の値を入力するものである。この値は車両のアクセルペダルの踏み込み量から得ることができる。又コントローラ20にはマップメモリ22が接続されている。マップメモリ22は後述するように、電流センサ14〜16、回転位置センサ17の少なくとも一方が使用できないときの回転座標系の目標値となる電流Id,Iqのデータを保持するものである。コントローラ20の内部には、入力されたトルクの値を回転座標であるd−q座標系の電流値Id,Iqに変換するトルク−IdIq変換マップが設けられる。
次にマップメモリ22の内容について説明する。モータの運転を開始すると常温の温度から動作が開始されるが、例えば80℃程度まではほぼ通常の電流値がそのまま維持されており、80℃を超えるとモータのコイル巻線のインダクタンスや内部抵抗値が変化するため、モータ自体がわずかに元の状態とは異なり、必要な電流値が増加してくる。そこであらかじめ図2に示すように、測定対象となるテストモータ30と負荷となるベンチモータ31とをトルクセンサ32を介して連結する。テストモータ30は車両に用いられている図1のモータ13と同一種類のモータとする。又電源33はベンチモータ31を駆動す
るための電源であり、電源33にインバータ(INV)34を介してベンチモータ31が接続されている。一方電源35はテストモータ30を駆動するための電源であり、電源35にはインバータ36を介してテストモータ30が接続されている。テストモータ30には、その温度を測定するための温度センサ37や、テストモータ30の温度を制御するための温冷水注入機構38が設けられる。又インバータ36からテストモータ30に供給する三相の電流値を測定するための電流センサ39〜41やテストモータ30内のロータの回転位置を検出する回転位置センサ42が設けられる。更にインダクタンスLd,Lq、コイルの抵抗Rを測定するためのパーソナルコンピュータ(PC)43が接続されている。モニタ44はこれらのうち必要なデータを表示するものとする。
そしてテストモータ30の負荷をベンチモータ31により一定に制御して駆動し、テストモータ30の回転数、温度変化をあらかじめ計測する。車両のモータ13に要求されるトルクの範囲を例えば±100Nmの範囲とし、必要な回転数を例えば0〜±4000rpmとする。この場合、±100Nmの範囲で所定のトルクの単位、例えば5Nm毎に、及び0〜±4000rpmの範囲で所定の回転数、例えば100rpm毎に、温度に対してd−q座標で表したテストモータ30の電流値Iq,Idのデータを取得する。このIq,Idのデータはテストモータ30の各相に流れる電流値をベクトル順変換して求めてもよく、モニタ44に得られるコイルのインダクタンスLd,Lqの値に基づいて演算により電流値Id,Iqとしてもよい。こうして温度に対応した電流値の変化をマップとして作成する。このときの温度の範囲はこの車両が使用される温度の範囲、例えば−40℃〜+120℃の範囲とする。尚トルクの負の値は回生モードを示している。このように各トルク及び各回転数毎に温度と電流値を保持する多数のマップをあらかじめマップメモリ22に保持しておく。
図3は横軸を温度とし、これに対応する電流値Id,Iqを縦軸としたときのマップの一例であって、図3(a)は10Nmの操作力、モータ回転数1000rpmの場合、図3(b)は50Nmの操作力、モータ回転数1000rpmの場合とする。このように前述したトルクの全ての範囲及び全ての回転数の範囲についてのマップ群の情報をマップメモリ22が保持している。
次にこの実施の形態の動作について説明する。図4はこの実施の形態による通常制御の概略フローチャートである。まず電流センサ14〜16と回転位置センサ17とが故障せず正常に動作している場合には、温度センサ18の出力は特に用いられず、又マップメモリ22も用いられない。この場合には従来の制御と同様に、電流センサ14〜16と回転位置センサ17からの信号がコントローラ20に与えられる。コントローラ20は図4のフローチャートのステップS1において電流センサ14〜16からの信号を待ち受け、電流センサ14〜16からの信号があればステップS2に進み、回転位置センサ17からの信号の有無を判別する。ステップS1において電流センサからの信号がなければ、ステップS3に進み回転位置センサ17からの信号の有無を判別する。回転位置センサ17からの信号があれば、ルーチンR1において後述するようにセンサ故障時の第1の制御を行う。又ステップS2において回転位置センサ17からの信号がなければルーチンR2において後述するように第2のセンサ故障時の制御を行う。又いずれのセンサからの信号もなければ、ルーチンR3に進んでセンサ故障時の第3の制御を行う。
さてステップS1,S2において電流センサ14〜16及び回転位置センサ17から信号があれば、これらのセンサからの信号を入力する(ステップS4)。コントローラ20はこれらの信号に基づいてベクトル順変換を行い(ステップS5)、d−q座標系で表した電流値Id1,Iq1を出力する。そして操作信号入力部21に加えられたトルクをコントローラ20内のトルク−IdIq変換マップに基づいて電流値Id2,Iq2に変換する(ステップS6,S7)。そしてベクトル順変換して得られた電流値との差が0とな
るようにPI制御を行い、目標値となる電圧値Vd,Vqを得る(ステップS8)。そしてステップS9において回転位置センサ17からの位相角θを用いてこの値をベクトル逆変換して各相の電圧値に変換する。こうして変換したU,V,Wの3相の電圧値の大きさに応じて、PWM信号としてドライバ12に伝え、これによってモータ13を制御する(ステップS10)。そしてこの処理を所定の周期(例えば50μS)で繰り返す。こうすれば高効率でモータ13を制御することができる。
次に3つの電流センサ14〜16のうち1つの電流センサが故障した場合であっても、三相交流モータ13に入力される3つのラインの電流値の合計は0であるので、他の2つの電流センサからの値に基づいて故障した1つの電流センサの出力を算出することができ、これに基づいて前述の場合と同様に制御することができる。
しかし2以上の電流センサが故障した場合には、電流センサからの信号が使えない。この場合にはルーチンR1に示すセンサ故障時の第1の制御を行う。図5は電流センサ故障時の動作を示すフローチャートである。この処理を開始すると、コントローラ20はステップS21においてまず回転位置センサ17と温度センサ18とのデータを入力する。そしてステップS22において回転位置センサ17からの出力を回転数に変換する。その後ステップS23において操作信号入力部21より得られたトルクとこの回転数とを用い、それらの値に最も近いマップメモリ22のマップを選択し、そのときの温度から電流値Id,Iqを読出す。そしてこの値と回転位置センサ17から得られたロータの位相角θを用いてステップS25でベクトル逆変換を行い、三相の各ラインに対する電圧値を出力する。そしてこの電圧値に対応するPWM信号を生成し、ドライバ12にPWM信号を出力する(ステップS26)。これによってドライバ12のスイッチングトランジスタを用いてモータ13を制御することができる。そしてこの処理を所定のサイクル(例えば50μS)で繰り返す。これによってあまり能率を低下させることなくモータ13を制御することができる。
又回転位置センサ17が故障した場合には、ルーチンR2のセンサ故障時の第2の制御を行う。図6は回転位置センサ17が故障したときの動作を示すフローチャートである。この処理を開始すると、コントローラ20はステップS31において、電流センサ14,15,16からの出力と温度センサ18からの出力と温度センサ18とのデータを入力する。そしてステップS32においていずれかの電流センサ14〜16からの出力を回転数に変換する。その後ステップS33において操作信号入力部21より得られたトルクとこの回転数を用い、それらの値に最も近いマップメモリ22のマップを選択し、そのときの温度から電流値Id,Iqを読出す。そしていずれかの電流センサからモータ13内のロータの位相角θを検出し、電流値Id,Iqとの位相角θに基づいてステップS35でベクトル逆変換を行い、三相の各ラインに対する電圧値を出力する。そしてこの電圧値に対応するPWM信号を生成し、ドライバ12にPWM信号を出力する(ステップS36)。これによってドライバ12のスイッチングトランジスタを用いてモータ13を制御することができる。そしてこの処理を所定のサイクル(例えば50μS)で繰り返す。これによってあまり能率を低下させることなくモータ13を制御することができる。
更に電流センサ14〜16と回転位置センサ17のいずれもが故障した場合には、ルーチンR3のセンサ故障時の第3の制御を行う。図7はこれらのセンサが故障したときの動作を示すフローチャートである。この処理を開始すると、コントローラ20はステップS41において、温度センサ18からの温度のデータを入力する。そしてステップS42において操作信号入力部21よりトルク値を入力する。ステップS42において回転数を最大の回転数とする。そして得られたトルクとこの回転数を用い、それらの値に最も近いマップメモリ22のマップを選択し、そのときの温度から電流値Id,Iqを読出す。そしてこの値、及びアクセルから得られるトルクに対応して想定される回転数に応じた位相角
θに基づいてステップS45でベクトル逆変換を行い、三相の各ラインに対する電圧値を出力する。そしてこの電圧値に対応するPWM信号を生成し、ドライバ12にPWM信号を出力する(ステップS46)。これによってドライバ12のスイッチングトランジスタを用いてモータ13を制御することができる。そしてこの処理を所定のサイクル(例えば50μS)で繰り返す。尚この場合は正確なロータの位相角θは得られないので、同期モータとして動作させることはできず、インダクションモータとして動作する。
こうすれば前述したようにセンサが故障した場合であっても自動的に制御モードを変更することによってマップメモリのデータを読出し、必要な電流値を得ることができる。この電流値Id,Iqに基づいてベクトル逆変換を行い、ドライバ12に出力する電圧値を得る。そしてこの電流値に基づいてPWM制御を行うことによってモータを制御する。こうすればやや能率は低下するものの、センサの故障であっても修理を行うまでの短時間の間はほぼ正常な機能を維持することができる。尚センサの故障時には、フィードバック制御は行われていないが、車両の乗員はモータ13の出力が過大であればアクセルをゆるめ、モータ13の出力が過少であればアクセルを踏み込む。従って結果的に車両の乗員によるフィードバック制御となり、必要な操作力を得ることができる。
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。図8はこの実施の形態によるモータ制御装置の構成を示すブロック図であり、前述した第1の実施の形態と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。この実施の形態では第1のマップメモリ22に加えて第2のマップメモリ23を用いる。マップメモリ22は前述したものと同様であり、マップメモリ23はベクトル逆変換を行わないときの必要なデータを保持するものである。又コントローラ24は電流センサ故障時の第1の制御のみが前述したものと異なっており、その他の制御は第1の実施の形態と同様であり。この実施の形態では電流センサが故障し回転位置センサ17と温度センサ18からの値に基づいてモータを制御する際に、ベクトル逆変換を除くことによって更に演算処理を容易にするようにしたものである。
この場合に用いられるマップメモリ23は、必要なトルク、全ての回転数、及び使用される温度の範囲内で、回転位置センサ17からのロータの位置情報θに基づいてそのタイミングでモータに必要なデューティ比を全てマップメモリに保持している。例えば車両のモータに要求されるトルクの範囲を例えば±100Nmの範囲とし、必要なモータの回転数を例えば0〜±4000rpmとする。この場合、所定のトルクの単位、例えば±100Nmの範囲で5Nm毎に、及び0〜±4000rpmの範囲で所定の回転数、例えば100rpm毎に、及び必要な温度、例えば−40℃〜120℃の範囲で所定の温度毎に、全ての位相角についてモータ制御に必要なデューティ比を全てマップメモリに保持している。この場合も図2に示すようにデータ測定のための装置を用いて所定の温度毎にモータを種々の条件で駆動し、このときに検出される三相の電流値をベクトル順変換してId,Iqを得る。そしてこのときのトルク,温度,回転数を得る。そしてこのベクトル電流Id,Iqを得るのに必要なベクトル変換電圧Vd,Vqを検出し、位相角θが0〜359°までの各角度についての固定のデューティ比を算出する。こうして得られたデューティ比をマップメモリ23に保持しておく。
図9は電流センサ故障時の動作を示すフローチャートである。この処理を開始すると、コントローラ24はステップS51においてまず回転位置センサ17と温度センサ18とのデータを入力する。そしてステップS52において回転位置センサ17からの出力を回転数に変換する。その後ステップS53において操作信号入力部21より得られたトルクとこの回転数、及びそのときの温度センサ18の値に基づいてマップメモリ23のうち1つのマップを選択し、回転位置センサ17からのロータの回転角度θに対応するデューティ比の値を読出す。これをU相のラインに対するデューティ比とすると、そのマップからU相に対しV相を120°、W相を240°の位相角をずらせた位相角でのデューティ比
を読出す。そして三相のラインに対してPWM制御を行う(ステップS55)。これによってドライバ12のスイッチングトランジスタを用いてモータ13を制御することができる。こうすればベクトル逆変換処理を行う必要がないので、コントローラ24での演算を大幅に減少させて、しかも高能率でモータを制御することができる。そしてこの処理を所定のサイクル(例えば50μS)で繰り返す。これによって電流センサの故障時もあまり能率を低下させることなくモータ13を制御することができる。
本発明は電流センサや回転位置センサを有するモータの制御時においていずれかのセンサが故障した場合であっても比較的簡単な制御でモータを駆動することができるため、農業機械等に有用に使用ことができる。
11 電池
12 ドライバ
13 モータ
14,15,16 電流計
17 回転位置センサ
18 温度センサ
20,24 コントローラ
21 操作信号入力部
22,23 マップメモリ

Claims (6)

  1. 永久磁石同期型の三相モータを用いたモータ制御装置であって、
    永久磁石同期型のモータと、
    前記モータの動作時の温度を測定する温度センサと、
    前記モータの三相に供給される電流を測定する電流センサと、
    前記モータのロータの回転位置を測定する回転位置センサと、
    前記モータの出力可能なトルクの範囲の所定値毎に、及びモータの回転可能な回転数範囲の所定回転数毎に、前記モータの動作時の温度に対する回転座標での電流値の変化をマップとして保持するマップメモリと、
    前記モータの各相に流れる電流値をスイッチングによって制御するドライバと、
    前記モータの出力となるトルクの値が入力され、前記電流センサ及び回転位置センサの少なくとも一方から測定値が得られないときに、前記マップメモリに保持されているマップのうち前記温度センサで得られる現在の温度に相当する電流値に基づいて前記ドライバを制御するコントローラと、を具備するモータ制御装置。
  2. 前記コントローラは、
    前記電流センサの故障時に、前記回転位置センサから得られるモータの回転数と前記温度センサから得られる温度に基づいて、前記マップメモリのうちトルクと回転数に対応したマップからそのときの温度に対応する回転座標系の電流値を読み出して前記ドライバを制御するものである請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記コントローラは、
    前記回転位置センサの故障時に、前記電流センサから得られるモータの回転数と前記温度センサから得られる温度とに基づいて、前記マップメモリのうちトルクと回転数に対応したマップからそのときの温度に対応する回転座標系の電流値を読み出して前記ドライバを制御するものである請求項1記載のモータ制御装置。
  4. 前記コントローラは、
    前記電流センサ及び回転位置センサの故障時に、前記温度センサからの出力に基づいて前記マップメモリに保持しているモータの最大の回転数に対応したマップからそのときの温度に対応する回転座標系の電流値を読み出して前記ドライバを制御するものである請求項1記載のモータ制御装置。
  5. 前記コントローラは、
    前記電流センサ及び回転位置センサからの出力に基づいてベクトル順変換を行い、必要なトルクに応じて目標となる電流値を算出し、ベクトル逆変換をしてPWM信号として前記ドライバに出力し、前記電流センサ及び前記回転位置センサの少なくとも一方の故障時に、前記マップメモリから読出された電流値に基づいてベクトル逆変換を行い、この出力をPWM制御信号として前記ドライバに出力するものである請求項1〜4のいずれか1項記載のモータ制御装置。
  6. 前記モータ制御装置は、
    前記モータの出力可能なトルクの範囲の所定値毎に、及びモータの回転可能な回転数範囲の所定回転数毎に、前記モータの動作時の温度に対する回転座標でのデューティ比の変化をマップとして保持する第2のマップメモリを更に有し、
    前記コントローラは、電流センサの故障時に前記温度センサから得られる温度と前記回転位置センサから得られる回転角度に基づいて前記第2のマップメモリから必要なデューティ比のデータを読出し、このデューティ比に基づいて前記ドライバを制御するものである請求項1記載のモータ制御装置。
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