JP5378241B2 - 治療化合物 - Google Patents
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Description
本願は、2002年6月19日出願のスウェーデン国出願第0201881−0号、2002年6月28日出願のスウェーデン国出願第0202041−0号、2002年8月26日出願のスウェーデン国出願第0202516−1号、2002年6月21日出願の米国仮出願第60/390656号、2002年8月26日出願の米国仮出願第60/406119号、および2002年10月7日出願の米国仮出願第60/416701号に対して優先権を主張するものであり、これらの出願を、参照により本明細書に記載されているものとする。
本発明は、中枢神経系において治療活性のある化合物並びにその製造方法に関する。
中枢神経系の多くの疾病はアドレナリン作動性、ドパミン作動性、およびセロトニン作動性の神経伝達物質系により影響を受ける。例えば、セロトニンは、中枢神経性に端を発する多くの疾病および症状に関与している。セロトニン受容体を用いる多くの薬理学的および遺伝学的実験は、食物摂取の調節における5−HT2C受容体サブタイプを強く示唆している(Obes. Res. 1995, 3, Suppl. 4, 449S-462S)。5−HT2C受容体サブタイプは、食欲調節に関連している視床下部構造において転写され発現される。5−HT2C受容体に幾分か親和性を有する非特異的5−HT2C受容体アゴニストであるm−クロロフェニルピペラジン(mCPP)は、正常な5−HT2C受容体を発現するマウスにおいて体重減少を引き起こすが、その化合物は、変異した不活性な形態の5−HT2C受容体を発現するマウスにおいては活性を欠くことが示されている(Nature 1995, 374, 542-546)。最近の臨床研究において、肥満対象におけるmCPP処置2週間後に僅かではあるが持続的な体重減少が生じた(Psychopharmacology 1997, 133, 309-312)。体重減少は、他の「セロトニン作動性」薬剤に関する臨床研究からも報告されている(例えば、IDrugs 1998, 1, 456-470参照)。例えば、5−HT摂取阻害剤であるフルオキシチンおよび5−HT放出剤/再摂取阻害剤であるデキシフェンフルラミンは対照を伏した研究において体重減少を示した。しかしながら、セロトニン作動性伝達を増加させる現在利用可能な薬剤は、中程度の、そしていくつかの場合には一時的な体重に対する効果しか有していないように思われる。
−かかる化合物を経済的合理性のある高収率で得ること
−爆発に関して製造プロセスが安全であること
−使用試薬および溶媒が比較的無毒であること
−得られる生成物が比較的安定であること、ならびに
−反応時間が比較的短いこと。
これらの問題が本発明により解決された。本発明による所望生成物の収率はD1による収率よりも高い。実験の部分において、本発明およびD1による収率を比較する。プロセスの工程のための溶媒の選択に関して、D1で使用されているジオキサンを、ジオキサンよりもペルオキシド生成傾向が少なく、発ガン性の低いMtBEおよびTHFのごとき溶媒に置き換えた(下記工程(ii))。さらにそのうえ、本発明により製造された(2R)−メチル−1−{3−[2−(3−ピリジニルオキシ)エトキシ]−2−ピラジニル}ピペラジン,L−マレインリンゴ酸塩(実施例3A参照)は、それがより結晶化しやすく、吸湿性でなく、化学的安定性を有しているという点で、D1による(2R)−メチル−1−{3−[2−(3−ピリジニルオキシ)エトキシ]−2−ピラジニル}ピペラジン,塩酸塩よりも優れた特性を有する。化学的安定性に関して、D1は、後で示す実施例8においても製造された(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジンの製造を開示している。この化合物は、遊離塩基としては保存安定性がない。(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジンが重要な中間体であるので、プロセスの経済性のためには長期保存における化学的安定性が重要である。下記実施例9にて製造されたその対応塩酸塩がかなり安定であることが、今回、見出された。
本発明の1の目的は、5−HT2C受容体に結合し(アゴニストおよびアンタゴニスト)、それゆえセロトニン関連疾患の治療または予防に使用されうる化合物、並びにその製造方法を提供することである。
で示される化合物の製造方法に関するものであり、該方法は下記工程を含むものである:
(i)一般式(II):
で示される3−ピリジノール誘導体またはその対応塩酸塩をヒドロキシアルキル化(すなわち、O−アルキル化)して一般式(III):
で示される別の3−ピリジノール誘導体を得る
(ii)溶媒系(例えば、テトラヒドロフラン含有溶媒系)中、塩基としてのアルカリ金属tert−ブトキシド(例えば、カリウムtert−ブトキシド)またはアルカリ土類金属tert−ブトキシドの存在下において、一般式(III)で示される3−ピリジノール誘導体を式(IV):
で示される(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピラジンと縮合させて一般式(V):
で示される化合物を得る
(iii)式HAで示される医薬上許容される酸での処理により、一般式(V)の化合物を一般式(I)の化合物に変換する
ここに、R1〜R4は水素、ハロゲン、C1−C6−アルキル、C1−C6アルコキシ、およびジ−C1−C6アルキルアミノ−C2−C6−アルコキシからなる群より独立して選択され、(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピラジンは下記工程により得られるものである:
(iv)L−酒石酸を用いて式(VI):
で示されるラセミ体2−メチルピペラジンを酸性化させ、分別結晶化を行って式(VII):
で示される(R)−2−メチルピペラジン,L−酒石酸塩を得る
(v)式(VII)の(2R)−2−メチルピペラジン,L−酒石酸塩を塩基性化して式(VIII):
で示される(R)−2−メチルピペラジンを得る
(vi)式(VIII)の(R)−2−メチルピペラジンをトリチル化して式(IX):
で示される(R)−3−メチル−1−トリチルピペラジンを得る
(vii)式(IX)の(R)−3−メチル−1−トリチルピペラジンを2,3−ジクロロピラジンと縮合させて式(X):
で示される(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチル−4−トリチルピペラジンを得ること
(viii)式(X)の(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチル−4−トリチルピペラジンを脱トリチル化して式(IV)の(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジンを得る
(ix)次いで、式(IV)の(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジンを適当な酸付加塩(例えば、塩酸塩)に変換する。
−溶媒として水およびエタノールを用いて工程(iv)を行う
−塩基として水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム)を用いて工程(v)を行う
−トリエチルアミンの存在下において塩化トリチルを用いて工程(vi)を行う
−溶媒としてジメチルホルムアミドを用い、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウム)またはアルカリ土類金属炭酸塩の存在下において工程(vii)を行う
−イソプロパノール中10%硫酸中で工程(viii)を行う。
−ジメチルホルムアミドを溶媒として用い、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウム)またはアルカリ土類金属炭酸塩を塩基として用い、式(II)の化合物を炭酸エチレンと反応させることにより工程(i)を行う
−テトラヒドロフラン中で、アルカリ金属tert−ブトキシド(例えば、カリウムtert−ブトキシド)またはアルカリ土類金属tert−ブトキシドの存在下において、式(III)の化合物を式(IV)の化合物と反応させることにより工程(ii)を行う
−工程(iii)における式HAで示される医薬上許容される酸がL−リンゴ酸である。
−水酸化物、より好ましくは水酸化ナトリウムの水溶液とともに式(II)の化合物の塩酸塩を2−クロロエタノールを反応させることにより工程(i)を行う
−メチル−tert−ブチルエーテルおよびテトラヒドロフランからなる溶媒系において、アルカリ金属tert−ブトキシド(例えば、カリウムtert−ブトキシド)またはアルカリ土類金属tert−ブトキシドの存在下において、式(III)の化合物を式(IV)の化合物と反応させることにより工程(ii)を行う
−工程(iii)における式HAの医薬上許容される酸がコハク酸である。
−ジメチルスルホキシドを溶媒として用い、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウム)またはアルカリ土類金属炭酸塩を塩基として用いて式(II)の化合物を炭酸エチレンと反応させることにより工程(i)を行う
−テトラヒドロフラン中、アルカリ金属tert−ブトキシド(例えば、カリウムtert−ブトキシド)またはアルカリ土類金属tert−ブトキシドの存在下において、式(III)の化合物を式(IV)の化合物と反応させることにより工程(ii)を行う
−工程(iii)における式HAの医薬上許容される塩がリン酸である。
(i)一般式(II)の3−ピリジノール誘導体またはその対応塩酸塩を炭酸エチレンと反応させて、一般式(III)の別の3−ピリジノール誘導体を得る
(ii)アルカリ金属tert−ブトキシド(例えば、カリウムtert−ブトキシド)またはアルカリ土類金属tert−ブトキシドの存在下において、一般式(III)の3−ピリジノール誘導体を式(IV)の(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジンと反応させて、一般式(V)の化合物を得る
(iii)式HAの医薬上許容される酸(例えば、L−リンゴ酸)で処理することにより一般式(V)の化合物を一般式(I)の化合物に変換する、
ここにR1、R2、R3、およびR4はそれぞれ水素である。ジメチルホルムアミドを溶媒とし、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウム)またはアルカリ土類金属炭酸塩の存在下において工程(i)を行うことができる。テトラヒドロフラン中で一般式(III)の化合物を式(IV)の化合物と反応させることにより工程(ii)を行うことができる。
(iv)式(VI)のラセミ体2−メチルピペラジンをL−酒石酸にて酸性化し、分別結晶化を行って、式(VII)の(R)−2−メチルピペラジン,L−酒石酸塩を得る
(v)式(VII)の(R)−2−メチルピペラジン,L−酒石酸塩を塩基性化して、式(VIII)の(R)−2−メチルピペラジンを得る
(vi)(VIII)の(R)−2−メチルピペラジンをトリチル化して、式(IX)の(R)−3−メチル−1−トリチルピペラジンを得る
(vii)式(IX)の(R)−3−メチル−1−トリチルピペラジンを2,3−ジクロロピラジンと縮合させて、式(X)の(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジン)−2−メチル−4−トリチルピペラジンを得る
(viii)式(X)の(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジン)−2−メチル−4−トリチルピペラジンを脱トリチル化して、式(IV)の(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジンを得る
(ix)次いで、式(IV)の(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジンを適当な酸付加塩(例えば、塩酸塩)に変換する。
式(I)から(X)までは前記のものと同じである。
(i)一般式(II)の3−ピリジノール誘導体またはその対応塩酸塩をO−アルキル化して、一般式(III)の別の3−ピリジノール誘導体を得る
(ii)カリウムtert−ブトキシドの存在下において一般式(III)の3−ピリジノール誘導体を式(IV)の(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジンと反応させて、一般式(V)の化合物を得る
(iii)式HAの医薬上許容される酸(例えば、コハク酸)で処理することにより一般式(V)の化合物を一般式(I)の化合物に変換する、
ここにR1、R2、およびR3のそれぞれは水素であり、R4はC1−C6−アルコキシ(例えば、エトキシ)である。水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム)の水溶液中で一般式(II)の化合物の塩酸塩を2−クロロエタノールと反応させることにより工程(i)を行うことができる。そして、tert−ブチルエーテルおよびテトラヒドロフランからなる溶媒系において一般式(III)の化合物を式(IV)の化合物と反応させることにより工程(ii)を行うことができる。
(i)一般式(II)の3−ピリジノール誘導体またはその対応塩酸塩を炭酸エチレンと反応させて、一般式(III)の別の3−ピリジノール誘導体を得て
(ii)アルカリ金属tert−ブトキシド(例えば、カリウムtert−ブトキシド)またはアルカリ土類金属tert−ブトキシドの存在下において、一般式(III)の3−ピリジノール誘導体を式(IV)の(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジンと反応させて、一般式(V)の化合物を得て
(iii)式HAの医薬上許容される酸(例えば、リン酸)で処理することにより一般式(V)の化合物を一般式(I)の化合物に変換する、
ここにR1、R2、およびR3は水素であり、R4はジ−C1−C6−アルキルアミノ−C2−C6−アルコキシ(例えば、2−ジメチルアミノエトキシ)である。ジメチルスルホキシドを溶媒とし、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウム)またはアルカリ土類金属炭酸塩を塩基として存在させて工程(i)を行うことができる。そして、テトラヒドロフラン中で一般式(III)の化合物を式(IV)の化合物と反応させることにより工程(iii)を行うことができる。
本発明のもう1つの目的は、化合物(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジン,塩酸塩である。
本発明のもう1つの目的は、R1〜R4が水素であり、HAがL−リンゴ酸である式(I)の化合物である。
本発明のもう1つの目的は、R1〜R3が水素であり、R4がエトキシであり、HAがコハク酸である式(I)の化合物である。
本発明のもう1つの目的は、R1〜R3が水素であり、R4が2−ジメチルアミノエトキシであり、HAがリン酸である式(I)の化合物である。
上の一般式(I)〜(V)の化合物の定義に用いた種々の用語を以下に説明する。
C1−C6−アルキルは、1〜6個の炭素を有する直鎖または分岐アルキル基である。アルキル基の例はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、およびイソヘキシルを包含する。
本明細書の用語「DVS」は「ダイナミック・ベーパー・ソープション・グラビメトリー(dynamic vapor sorption gravimetry)」を意味する。
本明細書の用語「FBE」は、「遊離塩基当量(free base equivalents)」を意味する。
本明細書の用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含する。
本明細書の用語「IDR」は、「固有溶解速度(intrinsic dissolution rate)」を意味する。
本明細書の用語「IP」は、「進行中(in process)」を意味する。
本明細書の用語「NLT」は「少なくとも(not less than)」を意味する。
下記実施例により本発明を説明するが、実施例は説明のためだけのもので、本発明を限定するものではない。実施例1A〜3Aは、R1〜R4が水素である場合の工程(i)〜(iii)を説明する。実施例1B〜3Bは、R1〜R3が水素であり、R4がエトキシである場合の工程(i)〜(iii)を説明する。実施例1C〜3Cは、R1〜R3が水素であり、R4が2−ジメチルアミノエトキシである場合の工程(i)〜(iii)を説明する。実施例4〜8は、R1〜R3が水素であり、R4が水素、エトキシおよび2−ジメチルアミノエトキシからなる群より選択されるものである場合の工程(iv)〜(viii)を説明する。工程(viii)で得られる式(IV)の化合物に関して、この化合物は遊離塩基として保存する際に安定でないことが示されている。しかしながら、その対応塩酸塩はかなり安定である。実施例9には、(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジン,塩酸塩の製造が説明されている。さらにそのうえ、式(I)の異なる塩の特性が評価された。実施例10には、(2R)−メチル−1−{3−[2−(3−ピリジニルオキシ)エトキシ]−2−ピラジニル}ピペラジン,フマル酸塩の製造が説明されている。実施例10においてフマル酸塩を製造することにより、L−リンゴ酸塩(実施例3Aにおいて製造)に変換する前に、より純粋な生成物が得られる。実施例11には、実施例2Aの異なる塩の特性の比較が記載されている。実施例12には、実施例2Bの異なる塩の特性の比較が記載されている。実施例13には、実施例2Cの異なる塩の特性の比較が記載されている。
2−エトキシ−3−ヒドロキシピリジン,HCl(実施例1B用)および2−(2−ジメチルアミノエトキシ)ピリジン−3−オール(実施例1C用)をスウェーデンのKarlskogaのNordic Synthesisから購入した。記述した他の化学薬品は市販品であり、例えば、Aldorichから購入できる。実施例1B〜3Bに関しては、HPLC分析により、所望生成物が得られたことを確認した。HPLCポンプはVarian 9012であった。Varian 9050検出器を220nmにて使用した。溶出液は水/アセトンの80:20混合物中80mM KH2PO4であった。カラムはVarian C8,150x4.5mmであった。例えば、1C〜3Cに関し、HPLC分析により、所望生成物が得られたことを確認した。溶出液はA:水中0.1%トリフルオロ酢酸、B:アセトニトリルであり、3分間でアセトニトリルのパーセンテージを上昇させた。カラムはそれぞれYMC FL−ODS AQ S−5μ,12nm,50x4.6mm(実施例1C)およびHypersil BDS C18,3μ,30x4.6mm(実施例2C〜3C)であった。
3−ヒドロキシピリジン(20.0kg)、炭酸エチレン(19.4kg)、K2CO3(18.9kg)およびDMF(75.5kg)を400Lのリアクターに入れ、86℃に加熱した。13時間後、その一部を取った。GCによれは、まだいくぶんかの3−ヒドロキシピリジンが残存していたので、さらに炭酸エチレン(1.0kg)を添加した。20時間後、反応が完了したと思われた。反応物を20℃まで冷却し、H2O(85L)を400Lリアクターにゆっくりと添加し、30分間撹拌を続けた。35℃のCH2Cl2(4x170L)で標記化合物を抽出し、1000Lのポータブルタンク中でのCH2Cl2抽出へと送った。水層を捨て、400Lのリアクターを洗浄した。1000Lのポータブルタンク中の標記化合物の溶液を400Lのリアクターに移し、400Lのリアクター中で蒸留し、蒸留物を400Lのレシーバーに送った。トルエン(200L)を400Lのリアクターに加え、蒸留し、蒸留物を400Lのレシーバーに送った。得られた油状物質を20Lのガラスビンに移して、GCにて純度100.0%の標記化合物21.0kg(72%)を得た。
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 155.09 (s), 142.09 (d), 137.95 (d), 123.99 (d), 121.32 (d), 69.83 (t), 60.98 (t), 0.00 (TMS, リファレンス).
IR (liq.) 2382 (w), 2082 (w), 1996 (w), 1954 (w), 1587, 1576 (s), 1488, 1478 (s), 1429 (s), 1272 (s), 1235 (s), 1084, 1054 (s), 802, 707 (s), cm-1.
元素分析 C7H9NO2として計算値: C, 60.42; H, 6.52; N, 10.07. 実測値: C, 60.14; H, 6.51; N, 10.39.
HRMS (FAB) C7H9NO2 +H1 として計算値140.0712, 実測値 140.0705.
水(30.0kg)に3.40kgのNaOHを添加した。得られた懸濁液を、完全な溶解が起こるまで撹拌した。次いで、溶液の温度を約60℃に調節した。そのアルカリ溶液に2−エトキシ−3−ヒドロキシピリジン,HCl(6.00kg)を注意深く添加した。温度を85℃まで上昇させ、混合物を30分撹拌して完全に溶解させた。温度を88.0〜92.0℃に維持しながら85分かけて2−クロロエタノール(4.10kg)を添加した。反応を約90℃で50分熟成させ、その後、HPLCにより2−エトキシ−3−ヒドロキシピリジンの標記化合物への完全な変換が示された。反応混合物を65.1kgのメチルtert−ブチルエーテル(MtBE)中に注いだ。反応容器を水(2.0kg)ですすいだ。得られた2相系に、3.05kgのNaClおよび0.20kgのNaOHを添加した。得られた混合物を、温度を24.9℃まで低下させて55分撹拌した。混合物をさらに20分、23.7〜24.9℃で撹拌した。水相を除去した。大気圧で蒸留することにより、残っている有機相を濃縮した。45Lを除去したとき、残りを室温まで冷却し、ドラムに移した。その残りは33.1kgであった。HPLCによれば、1kgの混合物あたり標記化合物は118.9gのアッセイ値であり、純粋な標記化合物の6.25kgの収量(定量的収量)に対応していた。
DMSO(17L)および炭酸カリウム(8.2kg)を100Lのガラス内張リアクターに入れた。混合物を、撹拌しながら58℃まで加熱した。25分かけて2−(2−ジメチルアミノエトキシ)ピリジン−3−オール(4.11kg)をリアクターに入れた(ガス発生)。混合物を117℃に加熱し、次いで、調製した炭酸エチレン溶液を少しずつ添加した。1Lの炭酸エチレン溶液を添加した後、IP−HPLCを取って、標記化合物が生成し始めたことを確認した。炭酸エチレン溶液の全量を、1時間35分かけて添加した。添加後の温度は124℃であった。添加収量から10分後にHPLC試料を反応混合物から取った。それは生成物への95%の変換を示した。反応混合物を放冷して70℃とし、次いで、水(45L)および塩化ナトリウム(4.06kg)をリアクターに入れた。その後、混合物を70℃で20分撹拌し、そして、室温まで冷却した。酢酸エチル(137L)を328Lの内張リアクターに入れた。水混合物を100Lのリアクターから328Lのリアクターに移した。混合物を25分撹拌し、次いで、メカニカルスターラーのスイッチを切った。40分間相分離させた後、水相(65L)を捨てた。混合物を加熱して還流させ、102Lの酢酸エチルを留去した。トルエン(72L)を添加し、混合物を再度加熱して還流させ、61Lのトルエン/酢酸エチルを留去した。次いで、反応混合物を室温まで冷却した。標記化合物を単離せずに、直接実施例2Cにおいて使用した。
(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジン(この化合物の製造については後の実施例8参照)のトルエン溶液が入った400Lのリアクターを蒸留してトルエンを除去した。THF(40kg)を添加し、すべての油状物質が溶解するまでスラリーを撹拌した。溶液をドラムに移し、THF(10kg)ですすいだ。(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジンのTHF/トルエン溶液(90.4kg中約9.7kg)を1200Lのリアクターに移し、THF(4L)ですすいだ。実施例1Aからの2−(3−ピリジニルオキシ)エタノール(7.6kg)を1200Lのリアクターに移し、THF(34L)ですすぎ、室温で15分撹拌した。20重量%のKOt−Bu(33.3kg)を添加し、次いで、THF(4kg)ですすいだ。GCにより反応をモニターし、反応は15分で完了した。1200Lのリアクター中の反応をH2O(119L)で不活性化させ、CH2Cl2(2x215L,2x117L)で抽出して、CH2Cl2抽出物を800Lのレシーバーに移した。CH2Cl2溶液を1200Lのリアクターに移し、蒸留によりCH2Cl2を除去した。MeOH(2x215L)溶媒を用いて溶媒交換蒸留を行って体積100Lとした。標記化合物のMeOH溶液を活性炭(5kg)の入ったバッグフィルターで濾過し、溶液を1200Lのリアクターから800Lのレシーバーに4回リサイクルさせた。800Lのレシーバー中の溶液を1200Lのリアクターに移し、MeOH(50L)ですすいだ。溶液を蒸留して最終体積70Lとし、ドラムに移してMeOH(10L)ですすぎ、実施例3Aの化合物の製造用とした。収率は定量的であった。
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 154.86 (s), 150.35 (s), 147.30 (s), 142.60 (d), 138.09 (d), 134.14 (d), 129.89 (d), 123.87 (d), 121.17 (d), 66.54 (t), 63.97 (t), 50.86 (t), 49.52 (d), 46.22 (t), 42.78 (t), 14.26 (q), 0.00 (TMS, リファレンス).
IR (liq.) 2068 (w), 1996 (w), 1576 (s), 1528 (s), 1475 (s), 1430 (s), 1330, 1276 (s), 1268 (s), 1246, 1208 (s), 1187 (s), 1181 (s), 1063, 708, cm-1.
HRMS (FAB) C16H21N5O2 +H1 として計算値 316.1773, 実測値 316.1777.
[α]25 D = -24°(c 0.92, 水).
元素分析 C16H21N5O2として計算値: C, 60.94; H, 6.71; N, 22.21. 実測値: C, 59.98; H, 6.73; N, 22.40.
室温において25分間撹拌しながら、(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジン(9.00kg)(調製に関しては実施例8参照)を20.1kgの水に溶解させた。活性炭(0.50kg)および珪藻土(0.50kg)を添加した。得られた懸濁液を室温で30分撹拌した。加圧濾過により活性炭および珪藻土を除去した。濾過された水相を63.9kgのMeBE(メチルtert−ブチルエーテル)中に注いだ。得られた2相系にNaOH((1.50kg)およびNaCl(4.40kg)を添加した。室温で25分撹拌後、水相を捨てた。残った有機相を大気圧下で蒸留することにより濃縮した。合計45Lを除去した。リアクターの残りの内容物に、2−[(2−エトキシ−3−ピリジニル)オキシ]エタノール(実施例1Bからの1の完全なバッチ)のMtBE溶液を添加した。得られた混合物を大気圧下で蒸留することにより濃縮した。合計40Lを除去した。その残りに40.8kgのMtBEを添加した。蒸留によりさらに濃縮し、合計20Lを除去した。2.96kgのKtBuOを13.1kgのTHFに懸濁することによりカリウムtert−ブトキシド(KtBuO)の溶液を作成した。室温で30分撹拌後、ほとんどすべての物質が溶解した。リアクターを空にした後、同様にして次の溶液を作成した(3.02kgのKtBuOを13.0kgのTHFに溶解)。2−[(2−エトキシ−3−ピリジニル)オキシ]エタノールと(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジンの混合物を51.0℃まで加熱した。この混合物にTHF中のKtBuOの溶液を添加した。添加中に温度を50.7〜55.6℃に維持した。合計添加時間は50分であった。55℃で35分熟成させた後、HPLCにより反応完了が示された。反応混合物を室温まで冷却し、温度を25℃未満に維持しながら23.1kgの水を注意深く添加した。約23℃で15分撹拌後、水相を捨てた。残りの有機相を大気圧下での蒸留により濃縮した。45Lを除去した後、ヘプタン(38.0kg)を添加した。さらに蒸留して50Lを除去した、次いで、ヘプタン(33.8kg)を添加した。さらに蒸留により30Lを除去することにより、すべての残存MtBEがヘプタン溶液から除去された。残りに20.8kgの水を添加し、温度が72.8℃に上昇した。15分撹拌後、この温度で水相を除去した。残りの溶液を大気圧下での蒸留により濃縮した。合計50Lを除去した。残りを50.5℃まで冷却した。溶液に5.0gの標記化合物を接種して結晶化を誘導した。最大撹拌速度を維持しながら残りの懸濁液を51.5℃で35分撹拌した。次いで、8.1℃で一晩冷却した。生成物を吸引濾過して単離した。得られた生成物ケークを11Lのヘプタンで洗浄した。9.63kgの半乾燥ケークを40℃で真空乾燥した。乾燥生成物は8.1kg(66%)であった。
(2R)−1−(3−クロロ−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジン(トルエン溶液中20L;調製については実施例8参照)および活性炭(201g)を、トルエン溶液中の2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エタノール(実施例1C)の入った328Lのリアクターに添加した。混合物を25分撹拌し、次いで、GAF−フィルター(テフロンフィルターバッグを入れてある)を通して250Lのステンレス製リアクターに移した。混合物を100℃に加熱し、次いで、調製された「THF/カリウムtert−ブトキシド溶液」を、50Lの添加ボウルを用いてチアクターに添加した。10Lの「THF/カリウムtert−ブトキシド溶液」を添加した後、IP−HPLCを取って、標記化合物が生成し始めていることを確認した。2時間15分かけて全部の「THF/カリウムtert−ブトキシド溶液」を添加した。水(2L)および塩化ナトリウム(1kg)を198Lのガラス内張りリアクターに入れた。塩を溶解させ、次いで、反応混合物を328Lのリアクターに移し、そして、198Lのリアクター中に入れて反応を不活性化させた。トルエン(10L)も移して、反応混合物が移送に使用したホースに残留しないようにした。次いで、混合物を70℃に加熱し、その後、メカニカルスターラーのスイッチを切った。30分放置して相分離させ、次いで、水相(25L)を放出した。混合物を加熱して還流させ、トルエン(10L)を留去した。水(100L)を添加し、混合物を再度加熱して還流させ、60Lの水を留去した。その後、残った溶液を室温まで冷却した。標記化合物を単離せずに、次工程(実施例3C)に直接使用した。
トルエン混合物のIP試料(HPLC)により、所望生成物の保持時間が確認された(tret=2.2分)。
D1には標記化合物の製造は記載されていない。
120Lのレシーバーに、実施例2Aからの(2R)−メチル−1−{3−[2−(3−ピリジニルオキシ)エトキシ]−2−ピラジニル}ピペラジンおよびMeOH(12.7kg)を、すべての物質が溶解するまで撹拌しながら約7分かけて添加した。溶液を、イン−ラインフィルターを通して120Lのリアクターに移し、その後MeOH(2kg)ですすいだ。L−リンゴ酸(1.79kg)を120Lのレシーバーに添加し、次いで、L−リンゴ酸が溶解するまで、アセトン(8.8kg)を撹拌しながら13分かけて添加した。溶液をイン−ラインフィルターを通して120Lのリアクターに移し、次いで、アセトン(2kg)ですすいだ。120Lのリアクター中の溶液を5℃まで冷却した。MtBE(25kg)を120Lのレシーバーに入れ、イン−ラインフィルターを通して120Lのリアクターに移した。溶液を0℃で1時間撹拌し、18”ヌッチェで濾過し、濾液を120Lのレシーバーに入れた。(検査により、少量の生成物がヌッチェ中にあり、ごくわずかの油状物質が存在することが示された)MeOH(40L)を18”ヌッチェに添加して油状物質を溶解させた。120Lのレシーバー中のMeOH溶液および濾液を、イン−ラインフィルターを通して120Lのリアクターに移し、溶液を蒸留して固化させ、留出液を120Lのレシーバーに送り、これを捨てた。MeOH(15kg)をイン−ラインフィルターを通して120Lのリアクターに入れた。120Lのリアクター中の溶液を大気圧下で蒸留してMeOHをEtOH(35kg)に置換して体積を15Lとした。溶液を58.6℃に冷却し、10gの(2R)−メチル−1−{3−[2−(3−ピリジニルオキシ)エトキシ]−2−ピラジニル}ピペラジン,L−リンゴ酸塩を接種し、25度での冷却を24時間続け、得られたスラリーを18”ヌッチェで濾過し、濾液を120Lのレシーバーに送った。18”ヌッチェ上のフィルターケークをEtOH(15kg)ですすぎ、すすぎ液を120Lのレシーバーに送った。60℃の窒素を用いて少量の化合物を減圧乾燥し、脱凝集させ、パッケージングして、GCにて純度98.61%の3.58kg(61%)の標記化合物を得た。
標記化合物の製造はD1に記載されていない。
融点1224.5〜126.6℃
1H NMR (400 MHz, d4-MeOH): δ 8.28 (1H, d, J = 2.6 Hz), 8.16 (1H, d, J = 4.6 Hz), 7.78 (1H, d, J = 2.5 Hz), 7.65 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.49 (1H, dd, J = 8.6, 2.5 Hz), 7.38 (1H, dd, J = 8.3, 4.8 Hz), 4.78-4.73 (2H, m), 4.65 (1H, クインテット, J = 3.4 Hz), 4.48 (2H, t, J = 4.4 Hz), 4.29 (1H, dd, J = 7.3, 5.3 Hz), 3.98 (1H, dt, J = 14.3, 3.1 Hz), 3.50 (1H, ddd, J = 14.3, 11.2, 2.6 Hz), 3.31 (d4-MeOH), 3.30-3.24 (2H, m), 3.21-3.15 (2H, m), 2.77 (1H, dd, J = 15.8, 5.1 Hz), 2.53 (1H, dd, J = 15.8, 7.1 Hz), 1.28 (3H, d, J = 7.1 Hz, 0.00 (TMS, リファレンス).
13C NMR (100 MHz, d4-MeOH): δ 179.64 (s), 176.38 (s), 157.02 (s), 152.32 (s), 147.25 (s), 142.72 (d), 138.58 (d), 135.14 (d), 133.35 (d), 125.97 (d), 123.40 (d), 69.67 (d), 68.00 (t), 65.78 (t), 48.61 (d), 48.32 (t), 44.31 (t), 41.84(t), 40.20 (t), 14.80 (q), 0.00 (TMS, リファレンス).
IR (散乱反射) 3030 (s), 3009, 2970, 2469 (b), 2358, 2342 (b), 2318 (b), 2303, 1571 (s), 1471, 1449, 1408, 1275 (s), 1233 (s), 1206 (s), cm-1.
HRMS (FAB) C16H21N5O2 +H1として計算値 316.1773, 実測値 316.1780.
[α]25 D = -21°(c 0.98, 水).
元素分析 C16H21N5O2.C4H6O5として計算値: C, 53.44; H, 6.05; N, 15.58. 実測値: C, 53.23; H, 6.08; N, 15.29.
実施例2Bで得られた(2R)−1−(3−{2−[(2−エトキシ−3−ピリジニル)オキシ]エトキシ}−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジン(8.00kg)を、60.5℃に加熱することにより24.0kgの1−プロパノールに溶解した。未溶解物質を濾過により除去した。コハク酸(1.30kg)を、60.6℃に加熱することにより23.9kgの1−プロパノールに溶解した。すべての未溶解物質が濾過により除去された。さらに1.30kgのコハク酸および23.9kgの1−プロパノールを用いて該手順を1回繰り返した。すべての上記溶液をリアクター内で混合した。混合後、内容物の温度は53.9℃であった。溶液を78.3℃まで加熱した。冷却した。40.3℃において、標記化合物を接種した。接種後、結晶化が始まった。温度を18.3℃に低下させて内容物を一晩撹拌した。生成物を吸引濾過により単離した。得られた生成物ケークを10Lの1−プロパノールで洗浄した。得られた17.2kgの半乾燥ケークを50℃で真空乾燥した。乾燥後、生成物である標記化合物は9.16kg(86%)であった。
D1には標記化合物の製造は記載されていない。
融解温度オンセット123℃、熱融解範囲116〜132℃
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 1.12 (d, J = 6.8 Hz), 1.28 (t, J = 7.1 Hz), 2.34 (s), 2.79 (m), 2.79 (m), 2.95 (m), 2.95 (m), 3.20 (dddd, J = 13.7, 11.5, 3.0, 1.1 Hz), 3.77 (dt, J = 3.0, 13.7 Hz), 4.30 (q, J = 7.1 Hz), 4.37 (強く結合), 4.49 (dqd, J = 7.0, 6.8, 3.1 Hz), 4.62 (強く結合), 6.89 (dd, J = 5.0, 7.8 Hz), 7.33 (dd, J = 1.5, 7.8 Hz), 7.58 (d, J = 2.8 Hz), 7.69 (dd, J = 1.5, 5.0 Hz), 7.77 (d, J = 2.8 Hz).
13C-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 14.2, 14.5, 30.5, 40.5, 44.0, 47.9, 48.4, 61.0, 64.0, 66.5, 116.8, 119.9, 130.3, 133.7, 137.2, 142.7, 146.3, 149.9, 153.8, 174.5.
元素分析 C18H25N5O3.C4H6O4として計算値: C, 55.34%; H, 6.54%; N, 14.67%. 実測値: C, 54.86; H, 6.75%; N, 13.85%.
水溶液中の(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジン(実施例2C)を、198Lのガラス内張りリアクターに入れ、加熱して還流させた。水(30L)を蒸留により除去した。混合物を室温まで冷却し、次いで、活性炭(403.5g)を添加した。混合物を30分撹拌し、次いで、テフロンホースおよびGAF−フィルター(ポリプロピレンフィルターバッグを含む)およびMilliporeフィルター(ポリガードフィルターカートリッジを含む)を用いて100Lのガラス内張りリアクターに移した。ホースおよびフィルターを水(10L)ですすいだ。100Lリアクター中の水溶液にリン酸(3.83kg)を添加した。混合物を加熱して還流させ、水を留去し、水/リン酸中の(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジンの溶液18Lが残った。混合物を加熱して還流させながらエタノール(71L)を溶液に添加した。溶液中のすべての(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジンを溶解させ、次いで、加熱をやめ、混合物を室温まで放冷した。少量の溶液を取り、種を作成し、温度が60〜68℃になったところで反応混合物に接種した。混合物を3日間放置して結晶化させ(週末じゅう、冷却媒体使用せず)、テフロンフィルターヌッチェを用いる濾過により結晶を集めた。次いで、結晶を60℃、100〜200mbarで2日間真空オーブン中で乾燥させた。4.5kgの標記化合物が単離された。標記化合物のIP試料(HPLC)により、標記化合物の保持時間が確認された(tret=2.2分)。標記化合物の収率は、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)ピリジン−3−オールから出発して57%であった。
純度60〜70%の(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジン(実施例2C)から出発することにより、1つの結晶化工程で純度99%の標記化合物が得られた。
標記化合物の製造はD1に記載されていない。
融解温度オンセット148.0℃(外挿法);熱融解範囲140〜168℃
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 1.21 (d, J = 7.0), 2.60 (s), 2.92 (td, J = 12.2, 3.2 Hz), 3.02 (dd, J = 13.0, 2.6 Hz), 3.08 (dd, J = 13.0, 4.2 Hz), 3.16 (m), 3.17 (t, J = 5.7 Hz), 3.38 (ddd, J = 14.2, 11.6, 2,8 Hz), 3.94 (dt, J = 14.2, 3.2 Hz), 4.40 (m), 4.52 (m), 4.59 (m), 4.61 (m), 4.67 (ddd, J = 12.3, 5.1, 3.5 Hz), 6.96 (dd, J = 7.8, 5.0 Hz), 7.39 (dd, J = 7.8, 1.4 Hz), 7.62 (d, J = 2.9 Hz), 7.71 (dd, J = 5.0, 1,4 Hz), 7.80 (d, J = 2.9 Hz).
13C-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 14.3, 38.6, 42.2, 43.4, 46.2, 46.7, 55.5, 61.3, 64.0, 66.4, 117.7, 120.0, 130.9, 133.8, 137.0, 142.7, 145.7, 150.0, 152.8.
HRMS m/z C20H30N6O3 (M)+として計算値 402.2379, 実測値 402.2366.
元素分析 C20H30N6O3.3H3PO4として計算値: C; 34.49%; H, 5.64%; N, 12.07%; O, 34.46%; P, 13.34%. 実測値: C, 37.20%; H, 6.0%; N, 12.5%; O, 32.4%; P, 12.1%.
1200Lのリアクターに、ドラムから60℃のラセミ体2−メチルピペラジン(100kg)を添加した。H2O(240L)を添加し、溶液を13℃まで冷却した。L−酒石酸(150kg)を1200Lのレシーバーに入れた。H2O(140L)を添加し、個体の溶解が完了するまでスラリーを1時間35分撹拌した。L−酒石酸溶液を1200Lのリアクターに2時間かけて移し、その間、1200Lのリアクター中の温度を10〜22℃に維持し、次いで、H2O(20L)ですすいだ。エタノール(163kg)を1200Lのリアクターに添加し、溶液を2℃まで冷却した。得られたスラリーを2℃で2時間撹拌し、次いで、36”のヌッチェフィルターでろ過し、濾液を1200Lのレシーバー中に送った。1200Lのリアクターおよび36”のヌッチェフィルターをH2O(200L)で洗浄し、固体を乾燥させて12%eeの214kgを得た(標記化合物に基づけば171%)。これらの固体をきれいな1200Lのレシーバーに再導入し、H2O(630L)を1200Lのレシーバーに添加し、固体が溶解するまで85℃に加熱した。溶液をイン−ラインフィルター(C)を通して1200Lのリアクターに入れ、5℃に冷却し、2時間撹拌した。得られたスラリーをきれいな36”ヌッチェフィルターでろ過し、濾液を1200Lのレシーバー中に送った。1200Lのリアクターおよび36”ヌッチェフィルターをH2O(200L)で洗浄し、固体を乾燥させて93%eeの104kgを得た(標記化合物に基づけば93%)。これらの固体をきれいな1200Lのレシーバーに再導入し、H2O(254L)を1200Lのレシーバーに添加し、固体が溶解するまで85℃に加熱した。溶液をイン−ラインフィルター(C)を通して1200Lのリアクターに入れ、5℃に冷却し、2時間撹拌した。得られたスラリーをきれいな36”ヌッチェフィルターでろ過し、濾液を1200Lのレシーバー中に送った。1200Lのリアクターおよび36”ヌッチェフィルターをH2O(200L)で洗浄し、固体を乾燥させて99%eeの92kgを得た(標記化合物に基づけば74%)。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ 4.79 (D2O, リファレンス), 4.36 (2H, s), 3.73-3.64 (4H, m), 3.43 (1H, td J = 13.7, 3.0 Hz), 3.34 (1H, td, J = 12.7, 3.1 Hz), 3.17 (1H, dd, J = 14.2 12.8 Hz), 1.41 (3H, d, J = 6.1 Hz), 0.00 (TMS, リファレンス).
13C NMR (100 MHz, D2O): δ 178.46 (s), 73.91 (d), 49.02 (d), 49.00 (MeOH, リファレンス), 45.82 (t), 40.56 (t), 40.10 (t), 15.42 (q).
IR (散乱反射) 3426 (s), 3011 (s), 2999 (s), 2888 (s), 2785 (s,b), 2740 (s,b), 2703 (s,b), 2649 (s,b), 2483 (s,b), 2483 (s,b), 2361 (s), 2354, 2340, 2248, 1638 (s), cm-1.
HRMS (FAB) C5H12N2 +H1として計算値 101.1079, 実測値 101.1080.
[α]25 D = 24°(c 1.00, 水).
元素分析 C4H6O6.C5H12N2として計算値: C, 43.20; H, 7.25; N, 11.19. 実測値: C, 41.25; H, 7.45; N, 10.71.
H2O(182L)中の(R)−2−メチルピペラジン,L−酒石酸塩、および分岐オクタン(200L)を4000Lのリアクターに入れ、溶解するまで撹拌した。より分子したオクタン(530L)を4000Lのリアクターに添加し、次いで、50% NaOH(1120kg)を35℃ないし52℃の間の温度で添加した。溶液を80℃に加熱し、2時間撹拌した。溶液を放置し、下部の水相を4000Lのレシーバーに移した。4000Lのリアクター中の溶液を−21℃まで冷却し、48”のヌッチェフィルターでろ過し、濾液を1200Lのリアクターに送った。4000Lのリアクターおよび48”のヌッチェフィルターを分岐オクタン(300L)ですすいだ。固体を25℃の窒素で乾燥させ、集めて、キラルHPLCアッセイによりNLT 99%eeの標記化合物24.9kg(67%)を得た。4000Lのレシーバー中の水溶液を酢酸(812kg)でpH8.4に調節してから処分した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.97-2.68 (6H, m), 2.35 (1H, dd, J = 11.7, 10.2 Hz), 1.61 (2H, s), 1.00 (3H, d, J = 6.7 Hz), 0.00 (TMS, リファレンス).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 54.14 (t), 51.89 (d), 47.43 (t), 46.46 (t), 20.08 (q), 0.00 (TMS, リファレンス). IR (mull) 3220 (s,b), 2819 (s), 2748, 2042 (w), 1995 (w), 1981 (w), 1328, 1279, 1137, 1094, 960, 859 (s), 845 (s), 795 (s), 621 (s), cm-1.
HRMS (FAB) C5H12N2 +H1として計算値 101.1079, 実測値 101.1080.
[α]25 D = -17° (c 0.85, CH2Cl2).
元素分析 C5H12N2として計算値: C, 59.96; H, 12.07; N, 27.97. 実測値: C, 59.25; H, 11.71; N, 27.64.
1200Lのリアクターにおいて、CH3CN(319kg)中の実施例5からの(R)−2−メチルピペラジン(25kg)を15℃ないし25℃で溶解が完了するまで(10分)溶解させた。5℃ないし10℃まで冷却した後、Et3N(63kg)を添加した。1200Lにレシーバー中、15℃ないし25℃において塩化トリチル(69.5kg)をCH2Cl2(106kg)中に溶解させた。レシーバー中の溶液を0.5時間かけてリアクターに移し、CH2Cl2(27kg)ですすぎ、溶液を20℃ないし30℃まで温めた。GLCにより反応をモニターしたところ、反応は1時間で完了した。得られたスラリーを8℃ないし12℃まで冷却し、48”のヌッチェフィルターでろ過し、CH3CN(8℃ないし12℃、40kg)ですすいだ。50℃ないし55℃の窒素を用いてフィルターケークを乾燥させて、25.26kgの副産物Et3NHCl(収率74%;濾別容易)を得た。濾液を1200Lのリアクターに移し、−8℃ないし−10℃でさらに1時間冷却した。得られたスラリーを24”のヌッチェフィルターでろ過し、−8℃ないし−10℃のCH3CN(24kg)ですすぎ、濾液およびすすぎ液を1200Lのレシーバーに送った。50℃ないし55℃の窒素を用いてフィルターケークを乾燥させてさらに2.98kgのEt3NHClを得た(収率9%)。濾液を1200Lのリアクターに移し、CH3CN(10kg)ですすぎ、減圧蒸留して、GC純度97.99%の油状の標記化合物を得た。収率は定量的であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.55-7.40 (6H, br s), 7.25 (6H, t, J = 7.9 Hz), 7.14 (3H, t, J = 7.1 Hz), 3.21-3.13 (2H, m), 3.10-2.90 (1H, br s), 2.94 (2H, t, J = 13.0 Hz), 1.60 (1H, br s), 1.48 (1H, br s), 1.15 (1H, br s), 0.94 (3H, d, J = 6.1 Hz), 0.00 (TMS, リファレンス).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 129.41 (d), 127.46 (d), 125.96 (d), 125.83 (s), 56.12 (t), 51.23 (d), 48.73 (t), 46.45 (t), 20.05 (q), 0.00 (TMS, リファレンス).
IR (散乱反射) 2964, 2835, 2483 (w), 2350 (w), 2339 (w), 1956 (w), 1490, 1025, 909, 742 (s), 717, 710 (s), 703 (s), 697 (s), 629, cm-1.
HRMS (EI) C24H26N2として計算値 342.2096, 実測値 342.2101.
[α]25 D = -12° (c 1.00, CH2Cl2).
元素分析 C24H26N2として計算値: C, 84.17; H, 7.65; N, 8.18. 実測値: C, 84.12; H, 7.64; N, 7.94.
実施例6の生成物を25℃においてDMF(150kg)に溶解した。1200Lのリアクター中の溶液を20℃ないし25℃に冷却し、1200Lレシーバーに移し、DMF(30kg)ですすいだ。無水K2CO3(103kg)を1200Lのリアクターに加えた。1200Lのレシーバー中の溶液を1200Lのリアクターに移し、DMF(30kg)ですすいだ。2,3−ジクロロピラジン(48.5kg)を添加し、DMS(4L)ですすいだ。1200Lのリアクターを127℃ないし133℃に加熱して還流させた。12〜18時間ごとに試料を取り、GCによりモニターした。反応は41.5時間で完了した。1200Lのリアクター中の内容物を35℃ないし45℃まで冷却し、48”のヌッチェフィルター上に移し、濾液を1200Lのレシーバーに送った。1200LのリアクターをMtBEですすいて、48”のヌッチェフィルター上に移し、すすぎ液を1200Lのレシーバーに送った。1200Lのレシーバー中の濾液を1200Lのリアクターに移し、MtBE(50kg)ですすいだ。1200Lのリアクター中の溶液を減圧濃縮してMtBEおよびDMFを除去した。MgSO4を48”のヌッチェ上(181kg)および1200Lのレシーバー(45kg)に添加した。MtBE(625kg)を1200Lのリアクターに添加し、40℃ないし45℃に加熱し、撹拌して標記化合物を溶解させた。溶液を15℃ないし30℃まで冷却し、1200Lのレシーバーに移し、MtBE(100kg)ですすいだ。1200Lのレシーバー中のスラリーを3.5時間撹拌し、48”のヌッチェフィルターでろ過し、濾液を1200Lのリアクター中に送った。1200LのレシーバーをMtBE(2x250kg、15℃ないし30℃)ですすぎ、48”のヌッチェフィルターに移し、すすぎ液を1200Lのリアクター中に送った。1200Lのリアクター中の濾液を減圧蒸留して、GC純度87.83%の標記化合物を得た。収率は定量的であった。
13C NMR (100 MHz, d6-DMSO at 87℃): δ 153.85 (s), 141.51 (s), 139.79 (d), 134.86 (d), 128.57 (d), 127.02 (d), 135.60 (d), 76.07 (s), 52.09 (t), 50.84 (d), 47.68 (t), 44.40 (t), 39.52 (d6-DMSO, リファレンス), 15.39 (q).
IR (散乱反射) 2963 (s), 2350 (w), 2317 (w), 1959 (w), 1921 (w), 1906 (w), 1501, 1488, 1465, 1443 (s), 1411 (s), 1143 (s), 1022, 744, 708 (s), cm-1.
HRMS (FAB) C28H27ClN4 +H1として計算値 455.2002, 実測値 455.2004.
[α]25 D = -36° (c 0.98, CH2Cl2).
元素分析 C28H27ClN4として: C, 73.91; H, 5.98; N, 12.31; Cl, 7.79. 実測値: C, 74.26; H, 6.84; N, 10.74.
実施例7からの生成物を入れた1200Lのリアクターに、IPA(707kg)を添加した。溶解が完了するまで還流(77℃ないし83℃)させながら撹拌を継続した。1200Lのリアクター中の溶液を4000Lのリアクターに移し、IPA(100kg)ですすぎ、加熱して還流させた。水(245L)および98% H2SO4(27kg)を添加することにより4000Lのレシーバー中で10%硫酸溶液(透明溶液を生じる)を調製した。H2SO4溶液を20℃ないし60℃で10分間撹拌し、4000Lのリアクターに移し、その間、4000Lのリアクターの温度を60℃ないし85℃に維持した。4000Lのレシーバーを水(25L)ですすぎ、すすぎ液を4000Lのリアクターに送った。4000Lのリアクターを加熱して還流(77℃ないし83℃)させた。GCにより反応をモニターしたところ、30分で反応が完了した。4000Lのリアクター中の内容物を35℃ないし40℃まで冷却した。減圧蒸留によりIPAを除去した。水(1265L)およびMtBE(511kg)を4000Lのリアクターに添加した。撹拌および放置後、水層を4000Lのレシーバーに移した。4000Lのリアクター中のMtBE層を捨てた。MtBE(511kg)を4000Lのレシーバーに添加し、溶液を撹拌し、少なくとも15分放置した。水層を4000Lのリアクターに移した。4000Lのレシーバー中のMtBE層を捨てた。47%のK2CO3(206kg)を用いてpHを9.5〜10.5に調節し、その添加ラインを水ですすいだ。CH2Cl2(2x765L,1x255L)を用いて4000Lのリアクターから標記化合物を抽出し、CH2Cl2抽出物を4000Lのレシーバーに送った。4000Lのレシーバー中の有機溶液を4000Lのリアクターに移し、CH2Cl2(100L)ですすいだ。CH2Cl2を蒸留により除去、した。トルエン(1000L)を4000Lのリアクターに添加し、次いで、減圧蒸留により除去して、GC純度95.77%の標記化合物のトルエン溶液を得た。収率は定量的であった。
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 155.15 (s), 140.85 (s), 139.93 (d), 135.15 (d), 51.06 (d), 50.98 (t), 45.94 (t), 45.10 (t), 14.72 (q), 0.00 (TMS, リファレンス).
IR (liq.) 2940, 2389 (w), 2149 (w), 1996 (w), 1556 (s), 1504 (s), 1459 (s), 1440 (s), 1415 (s), 1367, 1330 (s), 1132 (s), 1107 (s), 1100 (s), 1049 (s), cm-1.
[α]25 D = -43°(c 0.59, CH2Cl2).
HRMS (FAB) C9H13ClN4 +H1として計算値 213.0907, 実測値 213.0909.
元素分析 C9H13ClN4として: C, 50.83; H, 6.16; N, 26.34. 実測値: C, 50.48; H, 6.19; N, 26.47.
トルエン溶液となった実施例8からの生成物(93kgの溶液のうち約25kg)を200Lのリアクターに入れ、EtOAc(10kg)ですすいだ。体積が35Lになるまで溶媒を減圧除去した。大部分のトルエンを除去するために、EtOAc(2x90kg)を200Lのリアクターに添加し、体積が35Lになるまで蒸留した。EtOAc(90kg)を200Lのリアクターに添加し、加熱(78℃)して還流させた。200Lのリアクター中のスラリーを55℃ないし60℃まで冷却し、バッグフィルターを用いて固体不純物を除去し、濾液を200Lのレシーバーに送った。200LのリアクターをEtOAc(5kg)ですすぎ、すすぎ液を200Lのレシーバーに送った。200Lのレシーバー中の溶液を400Lのリアクターに移し、EtOAc(5kg)ですすいだ。37% HCl(9.0kg)を200Lのレシーバーに入れ、EtOAc(9kg)ですすいだ。37% HCl溶液を200Lのリアクターに移し、その間200Lのリアクター内の温度を73℃ないし80℃に維持した。200Lのリアクター中の溶液を72℃に10分間維持した。溶液を−25℃ないし−30℃に2時間45分冷却した。200Lのリアクター中に得られたスラリーを18”のヌッチェフィルターでろ過し、濾液を200Lのレシーバーに送った。リアクターおよびヌッチェを−25℃のEtOAc(3x45kg)ですすぎ、濾液をドラム中に送った。フィルターケークを乾燥させて、GC純度98.4%の24.5kg(79%)の標記化合物を得た。2回目の同様の操作により23.1kgを得て、合計47.6kg(77%)を得た。
1H NMR (400 MHz, d4-MeOH): δ 8.29 (1H, d, J = 2.6 Hz), 8.07 (1H, d, J = 2.6 Hz), 4.83 (2H, br s), 4.30 (1H, 六重線, J = 5.8 Hz), 3.68-3.56 (2H, m), 3.40 (1H, dd, J = 14.2, 4.7 Hz), 3.37 (1H, m), 3.31 (1H, br s), 3.23 (1H, dd, J = 12.7, 5.1 Hz), 1.30 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.00 (TMS, リファレンス).
13C NMR (100 MHz, d4-MeOH): δ 155.45 (s), 143.28 (s), 141.90 (d), 138.91 (d), 50.32 (d), 48.60 (t), 44.26 (t), 43.41 (t), 15.41 (q), 0.00 (TMS, リファレンス).
IR (散乱反射) 2934, 2802, 2781 (s), 2744 (s), 2717, 2684, 2470, 2425, 2351 (w), 2335 (w), 2269 (w), 1453 (s), 1412 (s), 1148 (s), 881 cm-1.
HRMS (FAB) C9H13ClN4 +H1として計算値 213.0907, 実測値 213.0912.
[α]25 D = -24°(c 0.92, 水).
元素分析 C9H13ClN4.HClとして計算値: C, 43.39; H, 5.66; N, 22.49. 実測値: C, 43.48; H, 5.75; N, 22.37.
MeOH中の実施例2Aからの生成物の溶液(90Lの溶液のうち約12.4kg)を400Lのリアクターに入れ、次いで、MeOH(5kg)ですすいだ。溶液を蒸留して体積を50Lとした。添加漏斗を用いてフマル酸(4.6kg)を400Lのリアクターに添加した。すべての固体が溶解するまで、25℃ないし30℃でスラリーを45分撹拌した。MtBE(133kg)をゆっくりと添加し、得られたスラリーを30℃まで冷却し、18”のヌッチェで固体を濾別し、濾液を400Lのレシーバーに送った。400Lのリアクターおよび18”のヌッチェをMtBE(16kg)ですすぎ、すすぎ液を400Lのレシーバー中に送った。標記化合物を乾燥させ、パッケージングして、GC純度97.4%で12.3kg(58%)を得た。生成物の純度は結晶化を繰り返すことによりわずかに改善されうる。
1H NMR (400 MHz, d4-MeOH): δ 8.27 (1H, d, J = 3.1 Hz), 8.15 (1H, d, J = 4.5 Hz), 7.78 (1H, d, J = 2.6 Hz), 7.65 (1H, d, J = 23.1 Hz), 7.48 (1H, dd, J = 8.1, 2.5 Hz), 7.38 (1H, dd, J = 8.5, 4.9 Hz), 6.69 (2H, s), 4.36 (4H, br s), 4.74 (2H, q, J = 4.6 Hz), 4.69-4.63 (1H, m), 4.48 (1H, t, J = 4.3 Hz), 3.99 (1H, dt, J = 11.7, 3.1 Hz), 3.51 (1H, ddd, J = 14.7, 11.2, 3.0 Hz), 3.30-3.26 (2H, m), 3.22-3.15 (2H, m), 1.28 (3H, d, J = 6.7 Hz), 0.00 (TMS, リファレンス).
13C NMR (100 MHz, d4-MeOH): δ 171.20 (s), 156.98 (s), 152.27 (s), 147.16 (s), 142.67 (d), 138.51 (d), 136.14 (d), 135.11 (d), 133.33 (d), 125.94 (d), 123.39 (d), 67.97 (t), 65.75 (t), 48.16 (t), 48.54 (d), 44.17 (t), 40.07 (t), 14.79 (q), 0.00 (TMS, リファレンス).
IR (散乱反射) 3047 (s), 3028 (s,b), 2985 (s,b), 2976 (s), 2962 (s), 2350 (w), 2339 (w), 2318 (w), 2063 (w), 1990 (w), 1710 (s), 1442 (s), 1261 (s), 1206 (s), 1190 (s), cm-1.
[α]25 D = -20° (c 0.98, 水).
元素分析 C16H21N5O2.C4H4O4として計算値: C, 55.68; H, 5.84; N, 16.23. 実測値: C, 55.01; H, 5.88; N, 15.65.
Chemical development, Stockholm and Kalamazooにて下記の塩を調製し、Pharmaceutical Development, Nervianoにて評価した:
(2R)−メチル−1−{3−[2−(3−ピリジニルオキシ)エトキシ]−2−ピラジニル}ピペラジン(遊離塩基;実施例2A参照)
(2R)−メチル−1−{3−[2−(3−ピリジニルオキシ)エトキシ]−2−ピラジニル}ピペラジン,L−リンゴ酸塩(実施例3A参照)
(2R)−メチル−1−{3−[2−(3−ピリジニルオキシ)エトキシ]−2−ピラジニル}ピペラジン,フマル酸塩(実施例10参照)
(2R)−メチル−1−{3−[2−(3−ピリジニルオキシ)エトキシ]−2−ピラジニル}ピペラジン,塩酸塩(D1の実施例173参照)
(2R)−メチル−1−{3−[2−(3−ピリジニルオキシ)エトキシ]−2−ピラジニル}ピペラジン,酢酸塩
(2R)−メチル−1−{3−[2−(3−ピリジニルオキシ)エトキシ]−2−ピラジニル}ピペラジン,安息香酸塩
(2R)−メチル−1−{3−[2−(3−ピリジニルオキシ)エトキシ]−2−ピラジニル}ピペラジン,ケイ皮酸塩
遊離塩基および塩酸塩を除き、大部分の塩に関してポジティブなデータが得られた。NMR分析は遊離塩基に関してポジティブであった。塩酸塩は化学量論的割合に関する問題を示した。
遊離塩基、酢酸塩、安息香酸塩、L−リンゴ酸塩、およびケイ皮酸塩に関してポジティブなデータが得られた。大部分の試料が実質的に結晶性を有していた。塩酸塩および特にフマル酸塩は低結晶性であることがわかった。
安息香酸塩、L−リンゴ酸塩、およびケイ皮酸塩に関してポジティブな結果が得られた。それらは低い吸湿性を示した(室温/相対湿度90%における平衡水分含有量5%またはそれ未満)。バルク固体状態の特性に対する水分関連効果(ケーク形成および黒化)が観察されたが、DSCパターンには変化がなかった。酢酸塩および塩酸塩は潮解性であった(前者は室温/相対湿度75%において、後者はより高い値において)。フマル酸塩を室温/相対湿度90%に置くことにより水和物変換に付した。40℃/相対湿度75%においてケイ皮酸塩およびL−リンゴ酸塩は良好な挙動を示し、実質的に電荷を帯びていない特性を示した。
水に対する溶解度が約8〜10mg/ml FBEであるケイ皮酸塩を除き、すべての塩に関してポジティブな結果(約300mg/ml FBE)が得られた。
すべての結果は溶解度のデータを確認するものであった。IDRは約10−1msec−1cm−2であったが、ケイ皮酸塩はずっと低い溶解速度を有していた(10−3であれば他の塩の値よりも2オーダー値が小さいことを意味する)。酢酸塩は錠剤製造の間に問題を示した(パンチに粘着)。
L−リンゴ酸塩およびケイ皮酸塩についてはポジティブなデータが得られた。フマル酸塩および酢酸塩は室温/90%相対湿度および高温においてあまり安定でなかった。フマル酸との反応生成物の生成も観察された。これらの試料は、酢酸塩(ピークが広がった)を除き、荷電していないDSCパターンを示した。
試験した条件(室温でのエバポレーション、異なる溶媒または混合物中−20℃での冷却結晶化)によっては、安息香酸塩およびL−リンゴ酸塩の他の多型性は示されなかった。
安息香酸塩、L−リンゴ酸塩およびケイ皮酸塩は、フマル酸塩、塩酸塩および遊離塩基よりも結晶化しやすいと思われた。
ケイ皮酸塩は市販されている薬剤が少ししかなく、文献でも多くの情報はない。ラットにおける経口LD50は約2500mg/kg、マウスにおいては5g/kgである。
リンゴ酸はクエン酸サイクルの中間体であり、天然のリンゴおよび多くの果実中に存在する。それはFDAにより食品添加物として承認されている。多くの薬剤がリンゴ酸塩として欧米で承認されている。
下記の塩を調製した:
(2R)−1−(3−{2−[(2−エトキシ−3−ピリジニル)オキシ]エトキシ}−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジン(遊離塩基、実施例2B参照)
(2R)−1−(3−{2−[(2−エトキシ−3−ピリジニル)オキシ]エトキシ}−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジン,酢酸塩
(2R)−1−(3−{2−[(2−エトキシ−3−ピリジニル)オキシ]エトキシ}−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジン,フマル酸塩(D1の実施例200参照)
(2R)−1−(3−{2−[(2−エトキシ−3−ピリジニル)オキシ]エトキシ}−2−ピラジニル)−2−メチルピペラジン,コハク酸塩(実施例3B参照)
コハク酸塩に関して、結晶性の程度は非常に高かった。結晶性の程度はコハク酸塩>酢酸塩>フマル酸塩の順に低下した。
遊離塩基および酢酸塩に関して、融解温度オンセットは低かった(それぞれ、81℃および96℃)。これらの低い融点は将来の開発において改善すべき点となりうる。
コハク酸塩およびフマル酸塩に関して、外挿した融解温度オンセットはそれぞれ123℃および149℃であったので、熱特性はかなり良好であった。
酢酸塩を除いて、すべての塩は許容しうる吸湿特性を有していた。酢酸塩は非常に吸湿性があり、高い相対湿度において重大なヒステリシスを示した。
コハク酸塩の溶解度は、すべての試験媒体に対して少なくとも250mg/mlであった。フマル酸塩に関して、0.9重量%NaClに対する溶解度は>93mg/ml、pH7.4のリン酸バッファーに対する溶解度は>68mg/mlであった。それゆえ、コハク酸塩の溶解度はすべての場合においてフマル酸塩よりも高かった。
固有溶解速度の研究により、遊離塩基<フマル酸塩<コハク酸塩の順に溶解速度が高くなることが示された。
結論的には、溶解度および固有溶解速度に関しては、コハク酸塩は、調べた塩および遊離塩基のなかで最も好ましい品質を有することがわかった。
フマル酸塩の分析(LC−UV−MS)により、フマル酸塩付加物(約1%)の存在および遊離塩基のダイマー形成(0.2%)が明らかとなった。フマル酸塩付加物はピペラジン環とフマル酸との間のMichael付加物であるかもしれない。
コハク酸塩は相対的に最良の状態特性、良好な結晶性、比較的高い融点、高い溶解度および高い固有溶解速度を有していた。酢酸塩は吸湿性であり、かつ低い融点を有することがわかった。フマル酸塩の溶解度、固有溶解速度および結晶性の程度はコハク酸塩のそれらよりも劣っていた。調べた異なる塩の特性の観点から、さらなる開発の最良の候補はコハク酸塩である。
下記の塩を調製した:
(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジン(遊離塩基;実施例2C参照)
(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジン,リン酸塩(実施例3C参照)
(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジン,酢酸塩
(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジン,クエン酸塩
(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジン,エデト酸塩
(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジン,シュウ酸塩
(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジン,コハク酸塩
(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジン,D−酒石酸塩
(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジン,1,3,5−ベンゼントリカルボン酸塩
(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジン,ガラクタル酸塩(ムチン酸塩)
(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジン,1,5−ナフタレンジスルホン酸塩
(2R)−1−[3−(2−{[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−3−ピリジニル]オキシ}エトキシ)−2−ピラジニル]−2−メチルピペラジン,テレフタル酸塩。
酢酸塩およびシュウ酸塩は高い結晶性を有していたが、コハク酸塩およびリン酸塩の結晶性は優勢な結晶性ないし中庸の結晶性の範囲であった。D−酒石酸塩は低い結晶性を有していた。2種の塩、エデト酸塩およびクエン酸塩は実際には無定型であることがわかった。遊離塩基は周囲条件下で粘性油状物質である。ベンゼントリカルボン酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩およびテレフタル酸塩は優勢に結晶性であったが、ガラクタル酸塩は部分的に無定型であった。
酢酸塩、クエン酸塩、エデト酸塩、コハク酸塩およびD−酒石酸塩は非常に吸湿性かつ潮解性であることがわかった。遊離塩基も吸湿性であった。シュウ酸塩およびリン酸塩の吸湿性は低かった。ベンゼントリカルボン酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩およびテレフタル酸塩の吸湿性はそれぞれ低、中および高(潮解性)であった。
リン酸塩の溶解度は、調べたすべての媒体に対して590mg/mlを下回らなかった。予備的研究により、ベゼントリカルボン酸はSGF(酵素を含まない胃液シミュレーション,pH2.9)に対して>19mg/ml、SIF(酵素を含まない腸液シミュレーション,pH4.2)に対して11mg/ml、純水(濾液のpH3.6)に対して約4mg/mlの溶解度を有することがわかった。ナフタレンジスルホン酸塩の溶解度は540mg/mlよりも高かった。テレフタル酸塩の純水に対する溶解度の予備的研究により、溶解度が低いこと(1mg/ml未満)が示された。
シュウ酸塩に関して、その固体状態特性は良好であるが、毒素学的理由によりそれは不適切であるとみなされた。ベンゼントリカルボン酸塩は相対的に最も見込みのある固体状態を有していたが、溶解度はリン酸塩より低く、毒素学的評価が必要である。リン酸塩は、高い結晶性、低い吸湿性、高い溶解度および低い毒性により、塩のなかではベストチョイスとみなされた。
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