JP5377778B2 - 電磁共鳴結合器 - Google Patents

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Description

本発明は、非接触電力伝送装置、非接触信号伝送装置、及び信号絶縁装置に用いられる電磁共鳴結合器に関する。
電気機器を配線により直接接続することなく、電気機器間で電力や信号の伝送を行う非接触伝送装置が知られている。例えば、特許文献1には、デジタルアイソレータと呼ばれる電子回路素子が開示されている。
これらの技術は、ロジック信号のグランドとRF信号のグランドとを分離できる技術である。例えば、パワーエレクトロニクス用の半導体スイッチング素子などのゲート駆動素子においては、半導体スイッチング素子のソース電位が高い電圧を基準に変動することから、ゲート駆動素子内と、パワー半導体スイッチング素子との間で直流成分を絶縁する必要があるため、上記のような非接触伝送技術が用いられる。
また、高周波用半導体チップと外部との信号の送受信において、ワイヤボンディングを用いて伝送線路を構成した場合、高周波信号の特性に影響を与える不確定な寄生容量又は寄生インダクタンスが発生する。このような場合にも、上記のような非接触伝送技術が用いられる。
非接触伝送技術として、特許文献2及び非特許文献1に開示されているような、2つの電気配線共振器の結合を利用した電磁共鳴結合器(または電磁界共振結合器とも呼ぶ。)が、近年非常に注目を浴びている。このような電磁共鳴結合器は、高効率で、かつ、長距離の信号伝送が可能であることが特徴である。
米国特許第7692444号明細書 特開2008−067012号公報
Andre Kurs,et al.:"Wireless Power Transfer via Strongly Coupled Magnetic Resonances", Science Express, Vol.317, No.5834, pp.83−86 (2007)
上記のような電磁共鳴結合器では、伝送される高周波信号の周波数(動作周波数)を高めることなく、装置を小型化することが課題である。
そこで本発明は、動作周波数を高めることなく、小型化が可能な電磁共鳴結合器を提供することを目的とする。
記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電磁共鳴結合器は、第一の共鳴配線及び第二の共鳴配線の間において信号を非接触で伝送する電磁共鳴結合器であって、第一の基板と、前記第一の基板に対向して設けられた第二の基板とを備え、前記第一の基板上には、内側に凹んだ第一の凹部及び第二の凹部を有する周回形状の一部が開放部によって開放された形状の前記第一の共鳴配線と、前記第一の共鳴配線に接続された第一の入出力配線とが設けられ、前記第二の基板上には、前記第一の共鳴配線と同一の配線幅及び同一の形状の前記第二の共鳴配線と、前記第二の共鳴配線に接続された第二の入出力配線とが設けられ、前記第一の基板の主面に垂直な方向から見た場合に、前記第一の共鳴配線及び前記第二の共鳴配線は、点対称であり、かつ前記第一の共鳴配線及び前記第二の共鳴配線の輪郭が一致し、前記第一の基板の主面に垂直な方向における前記第一の共鳴配線と前記第二の共鳴配線との距離は、前記信号の波長の2分の1以下であり、前記第一の基板の主面に垂直な方向から見た場合に、前記第一の凹部と、前記第二の凹部とは対向し、前記第一の基板の主面に垂直な方向から見た場合に、前記第一の基板上には、前記第一の凹部の内周側の端と、前記第二の凹部の内周側の端とが前記第一の共鳴配線の配線幅の4倍以下の距離だけ離れて近接する領域が設けられ、前記開放部は、前記第一の凹部のうち、内周側の端が、前記第二の凹部の内周側の端と配線幅の4倍以内の距離だけ離れて近接する部分に設けられることを特徴とする。
本発明の一態様に係る電磁共鳴結合器は、動作周波数を高めることなく、容易に小型化することが可能である。
図1は、従来のオープンリング型電磁共鳴結合器の模式図である。 図2は、従来のオープンリング型電磁共鳴結合器の伝送特性を表す図である。 図3は、実施の形態1に係る電磁共鳴結合器の斜視図(透視図)である。 図4は、実施の形態1に係る電磁共鳴結合器の断面図である。 図5は、実施の形態1に係る送信基板の上面図である。 図6は、実施の形態1に係る送信共鳴器の上面図である。 図7は、実施の形態1に係る送信共鳴器の変形例を示す上面図である。 図8は、実施の形態1に係る電磁共鳴結合器の伝送特性を示す図である。 図9は、実施の形態1に係る送信共鳴器の2つ目の変形例を示す上面図である。 図10は、実施の形態1に係る送信共鳴器の3つ目の変形例を示す図である。 図11は、実施の形態2に係る電磁共鳴結合器の斜視図(透視図)である。 図12は、実施の形態2に係る送信基板の上面図である。 図13は、実施の形態2に係る電磁共鳴結合器の伝送特性を示す図である。 図14は、実施の形態2に係る電磁共鳴結合器において、外周最終配線長を変化させたときの信号伝送特性図である。 図15は、実施の形態2に係る送信共鳴器の変形例を示す上面図である。 図16は、実施の形態2に係る送信共鳴器の2つ目の変形例を示す上面図である。
(本発明の基礎となった知見)
背景技術で説明したように、非接触伝送技術の一例として、高効率で、かつ、長距離の信号伝送が可能な電磁共鳴結合器が知られている。
このような電磁共鳴結合器のうち、図1に示されるようなオープンリング型の電磁共鳴結合器は、単純な構造であるが、良好な伝送特性を示す。
図2は、図1の構造である従来のオープンリング型電磁共鳴結合器の伝送特性を表す図である。
図2において、S21はオープンリング型電磁共鳴結合器の挿入損失を示し、周波数が15GHz付近の電気信号を約1dBの挿入損失で効率的に伝送できることを表している。
オープンリング型電磁共鳴結合器において伝送可能な信号の周波数(動作周波数)は、正確には、電磁共鳴結合器のリング形共鳴配線のインダクタンスとキャパシタンスで決定される。しかしながら、動作周波数は、下記(式1)のように、リング形配線の実効面積及びリング配線が形成される基板の誘電率とで近似的に求めることができる。
Figure 0005377778
(式1)で、cは光速、εrは基板(誘電体)の比誘電率を指す。またaは、リング形配線の実効面積であり、リングの直径程度である。
例えば、図1のように、200μm厚のサファイア基板上に形成された直径1mmのオープンリング型電磁共鳴結合器の動作周波数帯域は15GHz付近である。また、式(1)より、このオープンリング型電磁共鳴結合器の直径を2倍にすると動作周波数は1/2の7.5GHz帯となる。
オープンリング型電磁共鳴結合器を用いて電力伝送装置を構成する場合、オープンリング型電磁共鳴結合器は、電力及び信号を伝送するための送信回路素子及び受信回路素子などと共に集積される。
ここで、送信回路素子及び受信回路素子は数μm程度の非常に小さいサイズであるのに対し、オープンリング型電磁共鳴結合器は上述のように数mm程度と大きいサイズである。
上記(式1)より、動作周波数を高くすることでオープンリング型電磁共鳴結合器のサイズを小さくすることは可能である。しかしながら、動作周波数が高くなるほど、不確定な寄生容量及び寄生インダクタンスの影響を受けやすく、適切に動作させるには、高周波に対応した高価な送信及び受信回路素子が必要となる。
つまり、動作周波数を高めることなく小型化が可能な電磁共鳴結合器を実現することが課題である。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電磁共鳴結合器は、第一の共鳴配線及び第二の共鳴配線の間において信号を非接触で伝送する電磁共鳴結合器であって、第一の基板と、前記第一の基板に対向して設けられた第二の基板とを備え、前記第一の基板上には、内側に凹んだ凹部を有する周回形状の一部が開放部によって開放された形状の前記第一の共鳴配線と、前記第一の共鳴配線上の第一接続部に接続された第一の入出力配線とが設けられ、前記第二の基板上には、前記第一の共鳴配線と同一の配線幅及び同一の形状の前記第二の共鳴配線と、前記第二の共鳴配線上の第二接続部に接続された第二の入出力配線とが設けられ、前記第一の基板の主面に垂直な方向から見た場合に、前記第一の共鳴配線及び前記第二の共鳴配線は、点対称であり、かつ前記第一の共鳴配線及び前記第二の共鳴配線の輪郭が一致し、前記第一の基板と垂直な方向における前記第一の共鳴配線と前記第二の共鳴配線との距離が前記信号の波長の2分の1以下であり、前記第一の共鳴配線において、前記凹部を構成する配線のうち少なくとも一部の配線は、前記少なくとも一部の配線以外の配線と前記第一の共鳴配線の配線幅の4倍以下の距離だけ近接していることを特徴とする。
これにより、共鳴配線同士を近接させることで共鳴配線のインダクタンス成分を大きくすることができる。したがって、式(1)より動作周波数を低くできる。つまり、電磁共鳴結合器の小型化が可能である。
また、前記開放部は、前記凹部を構成する少なくとも一部の配線上に設けられてもよい。
これにより、共鳴配線上の開放部に他の共鳴配線を近接させることで共鳴配線のキャパシタンス成分を大きくすることができる。したがって、式(1)より動作周波数を低くできる。つまり、電磁共鳴結合器の小型化が可能である。
また、前記第一の共鳴配線の形状は、5箇所以上の曲がり部を有する形状であってもよい。
これにより、共鳴配線の基板上における占有面積を小さくすることができる。つまり、電磁共鳴結合器を小型化することができる。また、配線が密集するため、共鳴配線のインダクタンス成分を大きくする効果もある。よって、電磁共鳴結合器を小型にすることができる。
また、前記第一の共鳴配線の前記凹部を構成する配線を除いた輪郭は、矩形であってもよい。
これにより、共鳴配線の基板上における占有面積を小さくすることができる。つまり、電磁共鳴結合器を小型化することができる。
また、前記第一の共鳴配線の形状は、対称性を有する形状であってもよい。
このように、共鳴配線を、対称性を有する形状にすることにより、広い周波数帯域の信号の伝送が実現できる。
また、前記第一の基板の前記第一の共鳴配線が設けられない側の面、または前記第二の基板の前記第二の共鳴配線が設けられない側の面には、前記信号の基準電位を表すグランド配線が設けられてもよい。
また、さらに、前記第二の基板に対向して設けられたキャップ基板を備え、前記キャップ基板の、前記第二の基板と対向しない側の面には、前記信号の基準電位を表すグランド配線が設けられてもよい。
また、前記第一の基板上の、前記第一の共鳴配線、及び前記第一の入出力配線の周辺、または前記第二の基板上の、前記第二の共鳴配線、及び前記第二の入出力配線の周辺には、前記信号の基準電位を表すグランド配線が設けられてもよい。
また、さらに、前記第二の基板に対向して設けられたキャップ基板を備え、前記キャップ基板の、前記第二の基板に対向しない側の面には、前記信号の基準電位を表す第一のグランド配線が設けられ、前記第二の基板上の、前記第二の共鳴配線、及び前記第二の入出力配線の周辺には、前記信号の基準電位を表す第二のグランド配線が設けられ、前記第一のグランド配線と前記第二のグランド配線とは、ビアホールによって接続されてもよい。
以上のように、電磁共鳴結合器内に適切にグランド配線を設けることで、伝送される高周波信号の電磁界の閉じ込めを強くすることができる。したがって、高効率で信号を伝送できると共に、外部への不要輻射をおさえることができる。
また、前記第一接続部は、前記第一の共鳴配線の一端から前記第一の共鳴配線の配線長の4分の1の長さに相当する位置に設けられ、前記第二接続部は、前記第二の共鳴配線の一端から前記第二の共鳴配線の配線長の4分の1の長さに相当する位置に設けられてもよい。
また、本発明の一態様に係る電磁共鳴結合器は、第一の共鳴配線及び第二の共鳴配線の間において信号を非接触で伝送する電磁共鳴結合器であって、第一の基板と、前記第一の基板に対向して設けられた第二の基板とを備え、前記第一の基板上には、所定の配線幅の巻回形状の前記第一の共鳴配線と、前記第一の共鳴配線上の第一接続部に接続された第一の入出力配線とが設けられ、第二の基板と、前記第二の基板上には、前記第一の共鳴配線と同一の配線幅及び同一の形状の第二の共鳴配線と、前記第二の共鳴配線上の第二接続部に接続された第二の入出力配線とが設けられ、前記第一の基板の主面に垂直な方向から見た場合に、前記第一の共鳴配線及び前記第二の共鳴配線は、点対称であり、かつ前記第一の共鳴配線及び第二の共鳴配線の輪郭が一致し、前記第一の基板の主面に垂直な方向における前記第一の共鳴配線と前記第二の共鳴配線との距離が前記信号の波長の2分の1以下となるように、前記第一の基板及び前記第二の基板は対向し、前記第一の共鳴配線の外周側の一端から前記第一接続部までの配線長は、前記第一の共鳴配線の内周の一端から前記第一接続部までの配線長よりも長く、かつ前記第一の共鳴配線のうち最外周に位置する配線の配線長の2分の1以上の長さであることを特徴とする。
また、前記第一の共鳴配線の形状は、前記第一の共鳴配線の内周側の一端から前記第一接続部までの配線上、及び前記第一の共鳴配線の外周側の一端から前記第一接続部までの配線上に、それぞれ2箇所以上の曲がり部を有する形状であってもよい。
これにより、共鳴配線の基板上における占有面積を小さくすることができる。つまり、電磁共鳴結合器を小型化することができる。
また、前記第一の共鳴配線の内周側の一端から前記第一接続部までの配線は、前記第一の共鳴配線の外周側の一端から前記第一接続部までの配線と前記所定の配線幅の4倍以下の距離だけ近接した部分を有してもよい。
これにより、共鳴配線同士を近接させることで共鳴配線のインダクタンス成分を大きくすることができる。したがって、式(1)より動作周波数を低くできる。つまり、電磁共鳴結合器の小型化が可能である。
また、前記第一の共鳴配線の輪郭は、矩形であってもよい。
これにより、共鳴配線の基板上における占有面積を小さくすることができる。つまり、電磁共鳴結合器を小型化することができる。
また、前記第一の共鳴配線は、対称性を有する形状であってもよい。
このように、共鳴配線を、対称性を有する形状にすることにより、広い周波数帯域の信号の伝送が実現できる。
また、前記第一の基板の前記第一の共鳴配線が設けられない側の面、または前記第二の基板の前記第二の共鳴配線が設けられない側の面には、前記信号の基準電位を表すグランド配線が設けられてもよい。
また、さらに、前記第二の基板に重ね合わされるキャップ基板を備え、前記キャップ基板の、前記第二の基板と対向しない側の面には、前記信号の基準電気を表すグランド配線が設けられてもよい。
また、前記第一の基板上の、前記第一の共鳴配線、及び前記第一の入出力配線の周辺、または前記第二の基板上の、前記第二の共鳴配線、及び前記第二の入出力配線の周辺には、前記信号の基準電位を表すグランド配線が設けられてもよい。
また、さらに、前記第二の基板に重ね合わされるキャップ基板を備え、前記キャップ基板の、前記第二の基板に対向しない側の面には、前記信号の基準電位を表す第一のグランド配線が設けられ、前記第二の基板上の、前記第二の共鳴配線、及び前記第二の入出力配線の周辺には、前記信号の基準電位を表す第二のグランド配線が設けられ、前記第一のグランド配線と前記第二のグランド配線とは、ビアホールによって接続されてもよい。
以上のように、電磁共鳴結合器内に適切にグランド配線を設けることで、伝送される高周波信号の電磁界の閉じ込めを強くすることができる。したがって、高効率で信号を伝送できると共に、外部への不要輻射をおさえることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
(構造)
まず、本発明の実施の形態1に係る電磁共鳴結合器の構造について説明する。
図3は、実施の形態1に係る電磁共鳴結合器の斜視図(透視図)である。
図4は、図3の電磁共鳴結合器を、AとA’を結ぶ破線を通り、基板に垂直な平面で切断した断面図である。
電磁共鳴結合器10は、送信基板101(第一の基板)と、送信基板101の上方に設置された受信基板102(第二の基板)と、受信基板102の上方に設置されたキャップ基板103とを備える。送信基板101、受信基板102、及びキャップ基板103の材料は、誘電体である。実施の形態1では、誘電体の材料は、サファイアである。なお、誘電体は、シリコン半導体を含むその他の材料であっても良い。
図4に示すように、送信基板101の下面には、裏面グランド112が配置されている。裏面グランド112は、金属導体である。裏面グランド112の材料は、例えば、金である。裏面グランド112は、送信基板101内で伝送される高周波信号の基準電位を表す配線である。
図4に示すように、送信基板101の上面には、送信配線104(第一の入出力配線)と送信共鳴器105(第一の共鳴配線)とが配置されている。送信配線104の一端は、送信共鳴器105上の第一接続部において、送信共鳴器105と電気的に接続されている。第一接続部は、送信共鳴器105の一端から送信共鳴器105の配線長の4分の1の長さに相当する位置に設けられる。送信配線104と送信共鳴器105とは、金属配線で構成されている。金属配線の材料は、例えば、金である。
また、送信共鳴器105は送信共鳴器スリット106(開放部)を有する。送信共鳴器105の形状の詳細については、後述する。
また、図3に示すように、送信基板101の上面であって、送信共鳴器105及び送信配線104の周辺には、所定の距離はなれて、コプレーナグランド113が配置されている。コプレーナグランド113は金属導体である。金属導体の材料は、例えば、金である。コプレーナグランド113は、送信基板101内で伝送される高周波信号の基準電位を表す配線である。
なお、裏面グランド112とコプレーナグランド113とは、ビアホールによって接続されてもよい。これにより、電磁共鳴結合器10における高周波信号の伝送効率が向上される。
送信配線104において、送信共鳴器105と接続されていない一端は、入力端子110である。入力端子110に前段の回路を接続する目的で、入力端子110の上方には、受信基板102は配置されない。つまり、入力端子110の上方には、受信基板102は、形成されない。送信配線104に含まれる入力端子110には、電磁共鳴結合器10によって伝送される高周波信号が入力される。
図4に示すように、受信基板102の上面には、受信配線107(第二の入出力配線)と受信共鳴器108(第二の共鳴配線)とが配置されている。受信配線107の一端は、受信共鳴器108上の第二接続部において、受信共鳴器108と電気的に接続されている。第二接続部は、受信共鳴器108の一端から受信共鳴器108の配線長の4分の1の長さに相当する位置に設けられる。受信配線107と受信共鳴器108とは、金属配線で構成されている。金属配線の材料は、例えば、金である。
また、受信共鳴器108は受信共鳴器スリット109(開放部)を有する。受信共鳴器108の形状については後述する。
また、図3に示すように、受信基板102の上面であって、信共鳴器10及び信配線10の周辺には、所定の距離はなれて、コプレーナグランド113が配置されている。コプレーナグランド113は金属導体である。金属導体の材料は、例えば、金である。
受信配線107において、受信共鳴器108と接続されていない一端は、出力端子111である。出力端子111に後段の回路を接続する目的で、出力端子111の上方には、キャップ基板103は、配置されない。つまり、出力端子111の上方には、キャップ基板103は、形成されない。受信配線107に含まれる出力端子111から、電磁共鳴結合器10に入力された信号を出力する。
キャップ基板103の上面には、当該上面を覆うように、キャップグランド114が形成されている。キャップグランド114は、金属導体である。キャップグランド114の材料は、例えば、金である。
なお、キャップグランド114は、受信基板102内で伝送される高周波信号の基準電位を表す配線である。
送信共鳴器105の配線形状と、受信共鳴器108の配線形状とは、同じ形状であり、同じ大きさである。送信共鳴器105と、受信共鳴器108とは、送信基板101(受信基板102、キャップ基板103)と垂直な方向において対向するように設けられる。より具体的には、送信基板101の主面(送信基板101上の送信共鳴器105及び送信配線104が設けられる面)に垂直な方向から見た場合に、送信共鳴器105及び受信共鳴器108の輪郭が一致するように、送信基板101と受信基板102とは重ね合わされる。
ここで、送信共鳴器105の輪郭とは、次のように定義される。送信共鳴器105において送信共鳴器スリット106が設けられず、送信共鳴器105が周回形状の閉じた配線であると仮定した場合に、この周回形状の閉じた配線は、当該周回形状の閉じた配線によって囲まれる領域を規定する内周側(内側)の輪郭と、上記内周側の輪郭と共に上記周回形状の閉じた配線の形状を規定する外周側(外側)の輪郭とを有する。送信共鳴器105の輪郭とは、これら2つの輪郭のうち外周側の輪郭を意味する。なお、言い換えれば、上記内周側の輪郭と、上記外周側の輪郭とは、送信共鳴器105の配線幅を規定し、外周側の輪郭は、送信共鳴器105の占有面積を規定する。
送信共鳴器105と、受信共鳴器108とは、送信共鳴器105及び受信共鳴器108の配線形状の中心軸と、送信共鳴器105及び受信共鳴器108の中間平面との交点に対して、点対称となるように送信基板101の主面と垂直な方向において対向して設置されている。
ここで中間平面とは、送信基板101に平行な平面のうち、送信共鳴器105と、受信共鳴器108との送信基板101の主面に垂直な方向における距離の中間点(中点)を通る平面である。つまり、送信基板101の主面に垂直な方向から見た場合に、送信共鳴器105の形状及び受信共鳴器108の形状が点対称の関係となるように、送信基板101と受信基板102とは重ね合わされる。
図5は、送信基板101の上面に形成されている、送信配線104及び送信共鳴器105を含む金属配線の形状を示す図である。以下、送信共鳴器105の形状について説明する。なお、受信共鳴器108の形状及び大きさは、上述のように送信共鳴器105と同じであるため、説明を省略する。
送信共鳴器105は、周回形状の配線が、送信共鳴器スリット106において一箇所のみ開放(切断)された形状である。つまり、送信共鳴器105は、一部が送信共鳴器スリット106によって開放されている。
また、上記周回形状は、当該周回形状の内側に凹んだ凹部を2箇所有する形状である。ここで、内側とは、送信基板101の主面に垂直な方向から見た場合に、周回形状の中心側(中央側)を意味する。また、言い換えれば、ここでの内側は、送信共鳴器105において、送信共鳴器スリット106が設けられず、送信共鳴器105が周回形状の閉じた配線であると仮定した場合に、当該周回形状の閉じた配線によって囲まれる領域の側である。送信共鳴器105のうち、凹部の一方を構成する配線上には、送信共鳴器スリット106が設けられている。
周回形状の送信共鳴器105は、送信共鳴器スリット106がないとした場合、送信配線104を配線方向に沿って均等に2つに分割する直線について線対称な形状である。また、送信共鳴器10は、送信共鳴器スリット106の中央を通り、上記直線に垂直な直線について線対称な形状である。また、周回形状の送信共鳴器105は、送信共鳴器スリット106がないとした場合、送信共鳴器105の中心点について点対称な形状である。つまり、送信共鳴器105の形状は、対称性を有する形状である。言い換えれば、2箇所の凹部は、送信配線104を配線方向に沿って均等に2つに分割する直線について線対称となるように設けられている。
実施の形態1では、送信共鳴器105の形状は、線対称な形状であるが、線対称でない場合でも同様の機能を有する場合もある。なお、周回形状とは、1つの配線が他の配線または、それ自身の配線と交わることなく、閉じられた形状であって、例えばリング形状などである。送信共鳴器105の形状の詳細については、後述する。
送信共鳴器105と対向するように配置される受信共鳴器108の形状は、上述のように送信共鳴器105の形状と同様である。
このように、スリットによって開放された周回形状の2つの配線が、所定の間隔だけ離れて対向するように配置することにより、周回形状の2つの配線(送信共鳴器105及び受信共鳴器108)は、電磁共鳴結合する。
送信共鳴器105と受信共鳴器108とが強力に電磁共鳴結合するためには、送信基板101の主面と垂直な方向における、送信共鳴器105と、受信共鳴器108との距離は、電磁共鳴結合器10によって伝送される高周波信号の波長程度以下でなければならない。
実施の形態1では、送信基板101の主面に垂直な方向における送信共鳴器105と受信共鳴器108との距離が、伝送される高周波信号の波長の2分の1以下となるように、送信基板101と受信基板102とは重ね合わされる。具体的には、受信基板102の厚み(受信基板102の主面に垂直な方向の長さ)を、伝送される高周波信号の波長の2分の1以下となるように形成する。
ここで、高周波信号の波長とは、信号が伝送される配線材料による波長の短縮率、及び送信共鳴器105と受信共鳴器108との間に介在する誘電体による波長短縮率を考慮した波長である。実施の形態1では、配線材料である金、及び基板材料であるサファイアによって上記波長短縮率が定められる。
以上、実施の形態1に係る電磁共鳴結合器10の構造について説明した。
なお、図3の構造では、送信基板101は、送信配線104の周辺にコプレーナグランド113が設けられたコプレーナ線路構造である。具体的には、図3で示されるように送信共鳴器105及び送信配線104の外側の輪郭(送信共鳴器105については、凹部を除いた輪郭)から距離d4だけ離れた位置からコプレーナグランド113が設けられる。しかしながら、送信基板101は、マイクロストリップ線路構造、またはグランデットコプレーナ線路構造であっても良い。
また、さらに、図3の構造において、受信基板102は、受信配線107の周辺にコプレーナグランドが設けられたコプレーナ線路構造であってもよい。この場合、図4に示されるように、受信配線107の周辺に形成されたコプレーナグランドとキャップグランド114とは、ビアホール140によって電気的に接続されてもよい。これにより、電磁共鳴結合器10における高周波信号の伝送効率が向上される。また、受信基板102は、グランデットコプレーナ線路構造であっても良い。
(共鳴器の形状)
実施の形態1に係る電磁共鳴結合器10の共鳴器の形状について説明する。
実施の形態1に係る電磁共鳴結合器10は、送信共鳴器105及び受信共鳴器108の形状により、電磁共鳴結合器10の動作周波数を下げることが可能である。
一般的に、共鳴器(LC共振器)の自己共振周波数は、その共鳴器の自己インダクタンス(L)、自己キャパシタンス(C)、によって下記(式2)によって決定される。つまり、共鳴器のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分が大きくなると、自己共振周波数は低くなる。
Figure 0005377778
オープンリング型電磁共鳴結合器の場合、共鳴器の配線により自己インダクタンスは決定され、共鳴器の配線上に設けられた切断されたスリット部によって自己キャパシタンスが決定される。
また、オープンリング型電磁共鳴結合器の場合、重ね合わされた共鳴器間の電磁界を集中させることで、共鳴器のインダクタンス成分またはキャパシタンス成分を大きくすることができる。具体的には、例えば、スリット部の電磁界を強めると、共鳴器のキャパシタンス成分を大きくすることができる。
実施の形態1に係る電磁共鳴結合器10では、送信共鳴器スリット106の周辺に配線を密集させることで、送信共鳴器スリット106の周辺の電磁界を強め、送信共鳴器105のキャパシタンス成分を大きくしている。これにより、電磁共鳴結合器10の動作周波数を下げている。
実施の形態1に係る電磁共鳴結合器10では、送信共鳴器105を形成する配線の一部は、送信共鳴器スリット106に近接するような形状を有する。つまり、送信共鳴器スリット106の周辺に配線を密集させることで、送信共鳴器スリット106の周辺の電磁界を強め、送信共鳴器105のキャパシタンス成分を大きくしている。これにより、電磁共鳴結合器10の動作周波数を下げている。
図5に示す送信共鳴器105は、1本の金属配線で形成された閉回路であり、その閉回路の一部に切り欠き部分(開放部)を有する。以下、切り欠き部分は送信共鳴器スリット106とも表記する。閉回路とは、必ずしも1本の金属配線で形成されている必要は無く、電気的に接続されている回路であることを意味する。また、ここでの閉回路とは、送信基板101の上面から見た時に、閉空間(図6の内部空間1053)を形成しているのと同様の意味である。
図5では、送信基板101の主面に垂直な方向から見た場合(上面から見た場合)に、送信共鳴器スリット106と、送信共鳴器105に含まれる金属配線の水平方向に近接した部分との間隔を、密集配線横間隔d1として図示している。ここでの水平方向とは、図5に示す送信基板101を上面から見た場合に、送信配線104の上部に送信共鳴器105が配置されている状態から見た場合の水平方向を意味する。つまり水平方向とは、送信配線104に垂直な方向である。
図5において、送信共鳴器105の二つの凹部を第一の凹部(図5の左側の凹部)及び第二の凹部(図5の右側の凹部)とする。密集配線横間隔d1は、具体的には、第一の凹部を構成する配線120a、120b、及び120cのうち送信共鳴器スリット106が設けられた配線120bと、第二の凹部を構成する配線のうち、配線130dとの距離を意味する。
ここで、配線を伝搬する高周波信号の電磁界は、配線幅より広がって伝搬する。電磁界の広がりは配線の閉じ込め度によって決まるが、大まかには配線幅の4倍程度広がる。つまり、電磁界を強めたい場合、配線幅の4倍程度以内の間隔に近接させることが好ましい。したがって、密集配線横間隔d1は、送信共鳴器105の配線幅の4倍以内の長さである。
また、図5では、上面から見た場合に、送信共鳴器105に含まれる金属配線の垂直方向の間隔を、密集配線縦間隔d2、及びd3として図示している。
密集配線縦間隔d3は、具体的には、第一の凹部を構成する配線120a、120b、及び120cのうち配線120aと配線120cとの距離を意味する。密集配線横間隔d3は、送信共鳴器105の配線幅の4倍以内の長さである。
つまり、以上をまとめると、送信共鳴器105において、凹部を構成する配線120a、120b、及び120cのうち少なくとも一部の配線は、上記少なくとも一部の配線以外の配線と配線幅の4倍以下の距離だけ近接している。また、実施の形態1では、送信共鳴器105は、線対称の形状であるため密集配線縦間隔d2とd3は等しい。したがって、密集配線縦間隔d2についての説明は省略する。
このように、送信共鳴器スリット106の周辺において、配線を密集させ、電磁界を集中させることは、送信共鳴器105の自己キャパシタンス成分が大きくなることと等価である。また、送信共鳴器105の配線同士を近接させ、電磁界を集中させることは、送信共鳴器105の自己インダクタンス成分が大きくなることと等価である。
よって、送信共鳴器105上に凹部を設けることで、電磁共鳴結合器10の動作周波数を下げることができる。
言い換えれば、動作周波数は、密集配線横間隔d1、密集配線縦間隔d2及びd3並びに送信共鳴器105を構成する金属配線の幅で決まる。
また、上記凹部を送信共鳴器105の内側(周回形状の内周側)に設けることで、基板上の同一の領域において、送信共鳴器105の配線長を長くすることができる。このように配線長が長くなることによっても、もちろん動作周波数は下げられる。
次に、送信共鳴器105の形状を凹部とそれ以外の部分に分けて説明する。
図6は、送信共鳴器105の形状を上面から見た図を示す。
送信共鳴器105は、第一の配線1051と、凹部を構成する第二の配線1052とを有する。
図6に実線で示される配線は、直線状の配線から形成される第一の配線1051である。第一の配線1051は、凹部を構成しない配線である。言い換えれば、第一の配線1051は、送信共鳴器105の内部空間1053を規定するブラケット形状の配線である。
内部空間1053は、図6に示す一点破線で囲まれた四角形の領域である。なお、第一の配線1051の形状は、ブラケット状に限定されない。例えば、第一の配線1051は、アングルブラケット(山括弧)形状や、丸括弧形状などであってもよい。この場合、内部空間1053の形状は、多角形や、円(楕円)となる。
なお、送信共鳴器105の凹部を構成する配線を除いた輪郭は、矩形である。ここで凹部を除いた輪郭とは、凹部を設けずに送信共鳴器105を構成した場合の送信共鳴器105の外周側の輪郭を意味し、図では輪郭1054である。
第二の配線1052は、図6の点線で示される形状の配線である。第二の配線1052は、送信共鳴器105のうち内部空間1053に形成されている凹部を構成する配線であり、直線状の配線によって形成される。つまり、上面から見た場合に、送信共鳴器105の凹部は内部空間1053側、すなわち内側に凹んでいる。第二の配線1052は、送信共鳴器スリット106を有する。
送信共鳴器スリット106と第二の配線1052との間の距離d1は、送信共鳴器スリット106と第一の配線1051との間の距離d5よりも短い。送信共鳴器105の内部空間1053に、送信共鳴器スリット106と第二の配線1052とを形成することにより、送信共鳴器スリット106の近傍に送信共鳴器105に含まれる金属配線を形成できる。
つまり、送信共鳴器105は、第二の配線1052を有することにより、内部空間1053を囲む第一の配線1051のみで送信共鳴器を形成した場合と比較して、送信共鳴器スリット106の周辺に電磁界を集中させることができる。その結果、送信共鳴器105の電磁共鳴周波数(動作周波数)を低くすることができる。
送信共鳴器スリット106は、送信共鳴器105を形成する配線で囲まれた領域(内部空間1053)の中心付近に設けられている。また、送信共鳴器105は、送信共鳴器スリット106によって切断されることで対峙している2つの配線端に、送信共鳴器105を形成する他の部分の配線を近接させた形状である。このように、送信共鳴器スリット106に、その他の部分の配線を近接させてキャパシタンス成分を大きくし、さらに送信共鳴器105の配線同士を近接させてインダクタンス成分を大きくするような配線形状が送信共鳴器105の特徴である。
なお、送信共鳴器105の形状は、図6の円形状の点線で囲まれた12箇所の曲がり部を有する形状である。つまり、送信共鳴器105は、5箇所以上の曲がり部を有する形状である。図6のように送信共鳴器105が凹部を構成する配線を除いて矩形の輪郭を有する場合、曲がり部は、送信共鳴器105上の直角に曲がる部分である。
なお、第二の配線1052の形状(凹部の形状)は、図6ではブラケット形状であるが、この形状に限定されない。例えば、第の配線105は、アングルブラケット(山括弧)形状や、丸括弧形状などであってもよい。
図7は、凹部の形状がアングルブラケット形状である場合の送信共鳴器の例を示す図である。図7のような送信共鳴器205においても送信共鳴器スリット206が送信共鳴器205の曲がり部210cに近接しているため、送信共鳴器205における自己キャパシタンス成分を大きくすることができる。
なお、図7に示される送信共鳴器205は、5箇所の曲がり部210a〜210eを有する形状である。つまり、曲がり部とは、図6のように必ずしも直角に曲がっていることを意味するわけではない。
以下、電磁共鳴結合器10のより具体的な構成(材料、及び寸法)を説明する。
送信基板101、受信基板102、及びキャップ基板103の材料は、200μmの厚みを有するサファイア基板である。
送信配線104、送信共鳴器105、受信配線107、及び受信共鳴器108は、100μmの配線幅を有し、材料は、金である。送信共鳴器105及び受信共鳴器108は、電磁共鳴結合器10を上面(送信基板101の主面に垂直な方向)から見た場合に、1mm四方(W1=L1=1mm)の大きさである。
送信共鳴器スリット106は、40μmの幅(S1)を有する。ここでの幅とは、配線幅と垂直な方向の幅を意味し、図5中の記号S1で表される。
図5中において記号d1で示される密集配線横間隔は、40μmであり、d2で示される密集配線縦間隔は、0.1mmである。
コプレーナグランド113は、送信基板101上の送信共鳴器105及び送信配線104の輪郭から140μm(図5中のd4に相当)離れた位置から形成されている。
(伝送特性)
次に、電磁共鳴結合器10の信号伝送特性について説明する。
入力端子110から入力された高周波信号は、送信配線104を通じて、送信共鳴器105に到達する。
自己共振周波数が同等である2つの共鳴器(送信共鳴器105及び受信共鳴器108)が、電磁界結合できる距離だけ離れて設置されている場合、2つの共鳴器は、共振周波数(共鳴周波数)で共鳴する電磁共鳴結合をすることとなる。
このため、共鳴周波数の高周波信号が送信共鳴器105に入力された場合、同じ共鳴周波数の高周波信号が受信共鳴器108にも発生する。なお、電磁共鳴結合器10の共鳴周波数はある程度の帯域を持ち、電磁共鳴結合器10では、この帯域における高周波信号を伝送することができる。
よって、共鳴周波数帯域の高周波信号のみが受信共鳴器108に伝送され、その周波数帯域以外の高周波信号は受信共鳴器108に伝送されない。
受信共鳴器108に伝送された高周波信号は、受信共鳴器108に接続された受信配線107を通じて出力端子111に出力される。送信配線104及び送信共鳴器105と、受信配線107及び受信共鳴器108とは物理的に分離されていることから、高周波信号は非接触で伝送されることとなる。
上述のように構成された実施の形態1に係る電磁共鳴結合器10では、伝送される高周波信号の周波数は9.5GHzであり、この周波数帯域における伝送特性について以下、説明する。
図8は、実施の形態1に係る電磁共鳴結合器10の伝送特性を示す図である。
図8では、入力端子110から出力端子111への信号伝送度S21と、入力端子110での信号反射度S11とが示されている。
信号伝送度S21は、入力端子110に入力された信号が出力端子111に伝送される度合いを意味し、図8のグラフで縦軸の値が0dbに近いほど伝送特性が良いことを意味する。
信号反射度S11は、入力端子110に入力された信号が反射され入力端子110に現れる度合いを意味し、図8のグラフで縦軸の値が小さいほど伝送特性が良いことを意味する。
図8から分かるように、9.5GHz付近の周波数帯域で、信号伝送度S21が信号反射度S11より大きくなる。つまり、電磁共鳴結合器10によれば、周波数9.5GHzを中心として、9.5GHz帯の周波数の高周波信号を入力端子110から出力端子111へ伝送することができる。具体的には、高周波信号は、9.5GHz帯で挿入損失0.7dB程度で伝送される。
図1に記載の直径1mmのオープンリング型の電磁共鳴結合器の動作周波数は、約15GHzである。よって、実施の形態1の電磁共鳴結合器10の動作周波数は、従来の電磁共鳴結合器の動作周波数の2/3以下である。つまり、実施の形態1の電磁共鳴結合器において、15GHz帯の高周波信号を伝送するように設計した場合、送信共鳴器105の占有面積は、0.7mm四方であり、従来の2分の1程度である。したがって、装置(電磁共鳴結合器10)を大幅に小型化することが可能となる。
(変形例)
以上の実施の形態1では、凹部を2箇所有する送信共鳴器105(受信共鳴器108)を用いた電磁共鳴結合器10について説明した。しかしながら共鳴器上に凹部を3箇所以上設けることでさらに動作周波数の低周波化、及び装置の小型化を図ることが可能である。
図9は、送信共鳴器の変形例を示す図である。
送信共鳴器505は、図6に示す内部空間1053に形成される第二の配線1052の部分に相当する6箇所の凹部を有する。図9において点線で囲む部分が、凹部に相当する。
送信共鳴器スリット506周辺にさらに多くの配線が近接するため、送信共鳴器スリット506周辺における電磁界がさらに強まり、送信共鳴器505のキャパシタンス成分は、送信共鳴器105よりもさらに低くなる。また、送信共鳴器505の配線同士も近接する部分が多いため、送信共鳴器505のインダクタンス成分は、送信共鳴器105よりもさらに大きくなる。したがって、図9のような形状の送信共鳴器505及び受信共鳴器を用いた電磁共鳴結合器では、さらに動作周波数の低く、また装置の小さくすることが可能である。
なお、送信共鳴器スリットは、必ずしも凹部に設けられる必要はない。また、送信共鳴器の凹部の構成する配線を除いた輪郭は、必ずしも縦横の長さが同じである必要はない。つまり、図5及び図9で必ずしもW1’=L1’である必要はない。
なお、送信配線504及び入力端子510は、図5で示される送信配線104及び入力端子110と同一の構成、機能である。
図10は、送信共鳴器の別の変形例を示す図である。
図10に示す送信共鳴器においても、配線同士が近接する部分が多いため、インダクタンス成分は、送信共鳴器105よりもさらに大きくなる。したがって、図10のような形状の送信共鳴器及び受信共鳴器を用いた電磁共鳴結合器においても、動作周波数の低減、及び装置の小型化が可能である。
以上、実施の形態1に係る電磁共鳴結合器10及びその変形例について説明した。
実施の形態1に係る電磁共鳴結合器10では、送信共鳴器及び受信共鳴器の配線パターンを変更することにより、容易に装置の小型化、及び動作周波数の低減が可能である。
なお、電磁共鳴結合器では、電磁共鳴結合を用いているため、高効率で非接触伝送が可能であり、かつ、不要な電波が放射しにくいため、不要輻射を低減することも特徴である。また、入出力端子間のグラウンドを分離(絶縁)して高周波信号を伝送することも、もちろん可能である。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について説明する。
実施の形態2では、実施の形態1と送信共鳴器及び受信共鳴器の形状のみが異なる。したがって実施の形態1で説明した内容については説明を省略する。
実施の形態2に係る電磁共鳴結合器の送信共鳴器及び受信共鳴器の形状は、実施の形態1と異なり、巻回形状(スパイラル形状)であることを特徴とする。
図11は、実施の形態2に係る電磁共鳴結合器20の斜視図(透視図)である。
特許文献2に記載されているようなスパイラル形状の共鳴器を用いた電磁共鳴結合器は、伝送特性が比較的悪いことが課題である。
しかしながら、実施の形態2に係る電磁共鳴結合器20は、以下で説明する図11に示すような構造により、高効率の信号伝送が可能であり、かつ装置の小型化が可能な電磁共鳴結合器を実現したものである。
図11に示す電磁共鳴結合器20は、誘電体で形成された送信基板601と、送信基板601の上方に重ね合わされた誘電体で形成された受信基板602と、その受信基板602の上方に重ね合わされている誘電体で形成されたキャップ基板603とを備える。
送信基板601の上面には、金の金属配線によって、送信配線604と、送信共鳴器605と、送信配線604及び送信共鳴器605を囲むように所定の距離だけ離れて設けられたコプレーナグランド613とが形成されている。
受信基板602の上面には、金の金属配線によって、受信配線607及び受信共鳴器608が形成されている。
キャップ基板603の上面は、金の金属配線によってキャップグランド614が形成されている。送信共鳴器605の形状及び大きさと受信共鳴器608の形状及び大きさとは同じである。送信共鳴器605と、受信共鳴器608とは、送信共鳴器605及び受信共鳴器608の配線形状の中心軸と、送信共鳴器605及び受信共鳴器608の中間平面との交点に対して対称となるように送信基板601の主面と垂直な方向において対向して設置されている。つまり、送信基板601の主面に垂直な方向から見た場合に、送信共鳴器605の形状及び受信共鳴器608の形状が点対称の関係となるように、送信基板601と受信基板602とは重ね合わされる。また、送信基板601の主面に垂直な方向から見た場合に、送信共鳴器605及び受信共鳴器608の輪郭が一致するように、送信基板601と受信基板602とは重ね合わされる。
なお、実施の形態2において、送信共鳴器605の輪郭とは、送信共鳴器605のうち最外周に位置する配線の外側の輪郭によって定められる形状を意味する。
図12は、実施の形態2に係る送信基板601の配線パターンを示す図である。
以下、受信共鳴器608は、送信共鳴器605と同じ大きさ、同じ形状であるものとして、その説明を省略する。
図12に示されるように、実施の形態2の電磁共鳴結合器20では、送信配線604は、送信共鳴器605上の第一接続部に接続される。送信共鳴器605は、送信配線604から分岐した送信共鳴器内周配線621と送信共鳴器外周配線620とで構成される。ここで、送信共鳴器内周配線621は、送信共鳴器605のうち内周側の一端から第一接続部までに相当する配線である。また、送信共鳴器外周配線620は、送信共鳴器605のうち外周側の一端から第一接続部までに相当する配線である。なお、送信共鳴器605の輪郭625は、図12において点線で示されるように、四角形(矩形)である。ここで、送信共鳴器内周配線621は、日本語カタカナのコの字形状(ブラケット形状)である。
なお、送信共鳴器外周配線620は、3箇所の曲がり部を有する形状であり、送信共鳴器内周配線621は、2箇所の曲がり部を有する形状である。つまり、送信共鳴器605は、5箇所以上の曲がり部を有する形状である。この場合の曲がり部は、送信共鳴器605上の直角に曲がる部分である。
送信共鳴器605と受信共鳴器608とは、実施の形態1と同様に電磁共鳴結合をしており、送信共鳴器605に入力された高周波信号は、受信共鳴器608に伝送される。この高周波信号の周波数を動作周波数または、共鳴周波数と呼ぶ。送信配線604の送信共鳴器605に接続されない配線端は、電磁共鳴結合器20の入力端子610であり、受信配線607の受信共鳴器608に接続されない配線端が電磁共鳴結合器20の出力端子611である。つまり、入力端子610から入力された高周波信号は、出力端子611から出力される。
実施の形態2の電磁共鳴結合器20では、送信共鳴器605において送信共鳴器外周配線620の配線長が、送信共鳴器内周配線621の配線長よりも長いことが特徴である。また、送信共鳴器外周配線620の配線長が送信共鳴器605の最外周に位置する配線長624(図12の点線矢印に相当する長さ)の半分よりも長いことが特徴である。
図13は、実施の形態2の電磁共鳴結合器20において、図12のL2に相当する配線長を変化させた場合の挿入損失を示す図である。ここでの挿入損失は、損失が最も少ない周波数における挿入損失を意味する。
図13に示されるように、送信共鳴器605のうち、図12のL2に相当する配線長が長くなるほど、電磁共鳴結合器20の挿入損失は小さくなる。特許文献2に記載されているような、スパイラル形状の共鳴器では、送信共鳴器内周配線621に対して送信共鳴器外周配線620が短いため、挿入損失が非常に大きく、信号を効率よく伝送できないものと考えられる。
電磁共鳴結合器20では、送信共鳴器外周配線620の配線長を長くすることで、動作周波数を低い周波数にすると共に、高効率で信号を伝送することができている。
(特性)
次に、図11に示される実施の形態2の電磁共鳴結合器20の信号伝送特性について説明する。
まず、電磁共鳴結合器20の具体的な構造(寸法)について図12を用いて説明する。
送信基板601、受信基板602、及びキャップ基板603は、基板厚200μmのサファイア基板である。
送信配線604、送信共鳴器605、受信配線607、及び受信共鳴器608の配線幅は100μmであり、送信共鳴器605及び受信共鳴器608は1mm×1mmの四角形(W2=L2=1mm)内に配置されている。
密集配線横間隔g1は、100μm、密集配線縦間隔g2は、50μmである。コプレーナグランド613は、送信共鳴器605及び送信配線604から140μm(図12中のg3に相当)の距離だけ間隔を置いて設置されている。
図14は、電磁共鳴結合器20の伝送特性を示す図である。
S21は、入力端子610から出力端子611への信号伝送度を表し、S11は、入力端子610での信号反射度を表すものである。
図14から分かるように、電磁共鳴結合器20によれば、周波数9.0GHzを中心として、9.0GHz帯の周波数の高周波信号を入力端子610から出力端子611へ高効率で伝送することができる。具体的には、9.0GHz帯における挿入損失は、0.7dB程度である。占有面積がほぼ同じである図1に記載の直径1mmの従来構造のオープンリング型の電磁共鳴結合器の場合、動作周波数が15GHz帯である。つまり、実施の形態2の電磁共鳴結合器20の動作周波数は、占有面積が同じ程度である従来の電磁共鳴結合器の動作周波数の2/3以下である。つまり、実施の形態2の電磁共鳴結合器において、15GHz帯の高周波信号を伝送するように設計した場合、送信共鳴器105の占有面積は、0.7mm四方であり、従来の2分の1程度である。したがって、装置(電磁共鳴結合器)を大幅に小型化することが可能となる。
また、実施の形態1で説明したように、また、送信共鳴器605の配線同士を近接させて送信共鳴器505のインダクタンス成分を大きくし、さらに動作周波数を下げることもできる。具体的には、密集配線横間隔g1、及び密集配線縦間隔g2を送信共鳴器605の配線幅の4倍以下にする。つまり、送信共鳴器内周配線は、送信共鳴器外周配線と所定の配線幅の4倍以下の距離だけ近接した部分を有してもよい。
なお、実施の形態2に係る送信共鳴器の形状は、図11及び図12に示されるような形状に限定されるものではない。
図11及び図12では、送信共鳴器内周配線及び受信共鳴器内周配線の形状は、ブラケット形状である。しかしながら、送信共鳴器内周配線及び受信共鳴器内周配線の形状は、例えば、図15の(a)、(b)、及び(c)のように四角形または、スパイラル形状であっても良い。
さらに、図16に示される送信共鳴器705のように、送信配線は、送信共鳴器上の曲がり部に接続されてもよい。つまり、送信共鳴器上の第一接続部は、曲がり部に設けられてもよい。送信共鳴器705においては、送信共鳴器外周配線720は、2箇所の曲がり部を有し、送信共鳴器内周配線721は、1箇所の曲がり部を有する。この場合においても、送信共鳴器705において送信共鳴器外周配線720の配線長が、送信共鳴器内周配線721の配線長よりも長い。また、送信共鳴器外周配線720の配線長が送信共鳴器705の最外周に位置する配線長の半分よりも長い。
以上、実施の形態2に係る電磁共鳴結合器20及びその変形例について説明した。
実施の形態2に係る電磁共鳴結合器20では、実施の形態1に係る電磁共鳴結合器10と同様に、送信共鳴器及び受信共鳴器の配線パターンを変更することにより、容易に装置の小型化、及び動作周波数の低減が可能である。
(補足)
以下、実施の形態1及び実施の形態2の説明について補足する。
図5及び図6に示す第一の配線1051及び第二の配線1052は直線の配線を組み合わせて構成されるが、一部または全部が曲線状の配線であっても良い。
図3及び図11に示す送信配線104(送信配線604)、及び送信共鳴器105(送信共鳴器605)の周囲を囲むように設置されたコプレーナグランドは、設けられなくても構わない。
一方、図3及び図11に示す受信配線107(受信配線607)、及び受信共鳴器108(受信共鳴器608)の周辺には、コプレーナグランドが設けられてもよい。この場合、コプレーナグランドは、受信基板102(受信基板602)内で伝送される高周波信号の基準電位を表す配線である。
また、このとき、受信配線107(受信配線607)周辺のコプレーナグランドとキャップグランド114(キャップグランド614)とは、図4のようにビアホール140によって電気的に接続されてもよい。これにより、電磁共鳴結合器10(電磁共鳴結合器20)における高周波信号の伝送効率が向上する。
図11の送信共鳴器外周配線620、送信共鳴器内周配線621、受信共鳴器外周配線622及び受信共鳴器内周配線623は、蛇行した配線で構成されても良い。また、送信共鳴器外周配線620、送信共鳴器内周配線621、受信共鳴器外周配線622及び受信共鳴器内周配線623は、一部または全部が曲線状の配線であっても良い。
図11の送信共鳴器605の輪郭625は、円形、楕円形、または多角形であっても良い。受信共鳴器608の輪郭についても同様である。
送信共鳴器105(送信共鳴器605)と受信共鳴器108(受信共鳴器608)とは直接接するように重ね合わされなくてもよい。つまり、送信共鳴器105(送信共鳴器605)と受信共鳴器108(受信共鳴器608)との間には、空間や樹脂などの流体が設置されてもよい。
受信共鳴器108(受信共鳴器608)は、受信基板102(受信基板602)上に形成された構成として説明したが、キャップ基板103(キャップ基板603)の裏面(キャップグランドが形成されない側の面)に形成されてもよい。また、受信共鳴器108(受信共鳴器608)は、受信基板102(受信基板602)の裏面に形成され、送信基板101(送信基板601)と受信基板102(受信基板602)とは、間に空気または、誘電体を介して重ね合わされてもよい。
なお、電磁共鳴結合器10において、送信共鳴器105及び受信共鳴器108は、一つの基板のそれぞれの面に設けられてもよい。具体的には、基板の一方の面には、送信共鳴器105、及び送信配線104が設けられ、基板の他方の面には、受信共鳴器108、及び受信配線107が設けられてもよい。電磁共鳴結合器20においても同様に、送信共鳴器605及び受信共鳴器608は、一つの基板のそれぞれの面に設けられてもよい。
キャップグランド114(キャップグランド614)、または裏面グランド112(裏面グランド612)は、無くても良い。
また、送信基板、受信基板、及びキャップ基板が重ね合わされる順序は、図3及び図11に示すものに限定されない。
なお、本発明は、これらの実施の形態またはその変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態またはその変形例に施したもの、あるいは異なる実施の形態またはその変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
本発明に係る電磁共鳴結合器は、小型化が容易であり、小型の非接触電力伝送装置、電気信号絶縁素子、または絶縁型半導体駆動素子等として有用である。
10、20 電磁共鳴結合器
101、601 送信基板
102、602 受信基板
103、603 キャップ基板
104、504、604 送信配線
105、205、505、605、705 送信共鳴器
106、206、506 送信共鳴器スリット
107、607 受信配線
108、608 受信共鳴器
109 受信共鳴器スリット
110、510、610 入力端子
111、611 出力端子
112、612 裏面グランド
113、613 コプレーナグランド
114、614 キャップグランド
120a、120b、120c、130d 配線
140 ビアホール
210a、210b、210c、210d 曲がり部
620、720 送信共鳴器外周配線
621、721 送信共鳴器内周配線
622 受信共鳴器外周配線
623 受信共鳴器内周配線
624 配線長
1051 第一の配線
1052 第二の配線
1053 内部空間
1054、625 輪郭

Claims (9)

  1. 第一の共鳴配線及び第二の共鳴配線の間において信号を非接触で伝送する電磁共鳴結合器であって、
    第一の基板と、
    前記第一の基板に対向して設けられた第二の基板とを備え、
    前記第一の基板上には、
    内側に凹んだ第一の凹部及び第二の凹部を有する周回形状の一部が開放部によって開放された形状の前記第一の共鳴配線と、
    前記第一の共鳴配線に接続された第一の入出力配線とが設けられ、
    前記第二の基板上には、
    前記第一の共鳴配線と同一の配線幅及び同一の形状の前記第二の共鳴配線と、
    前記第二の共鳴配線に接続された第二の入出力配線とが設けられ、
    前記第一の基板の主面に垂直な方向から見た場合に、前記第一の共鳴配線及び前記第二の共鳴配線は、点対称であり、かつ前記第一の共鳴配線及び前記第二の共鳴配線の輪郭が一致し、
    前記第一の基板の主面に垂直な方向における前記第一の共鳴配線と前記第二の共鳴配線との距離は、前記信号の波長の2分の1以下であり、
    前記第一の基板の主面に垂直な方向から見た場合に、前記第一の凹部と、前記第二の凹部とは対向し、
    前記第一の基板の主面に垂直な方向から見た場合に、前記第一の基板上には、前記第一の凹部の内周側の端と、前記第二の凹部の内周側の端とが前記第一の共鳴配線の配線幅の4倍以下の距離だけ離れて近接する領域が設けられ、
    前記開放部は、前記第一の凹部のうち、内周側の端が、前記第二の凹部の内周側の端と配線幅の4倍以内の距離だけ離れて近接する部分に設けられる
    電磁共鳴結合器。
  2. 前記第一の共鳴配線の形状は、5箇所以上の曲がり部を有する形状である
    請求項1に記載の電磁共鳴結合器。
  3. 前記第一の共鳴配線の形状は、直角に曲がる曲がり部を有する形状である
    請求項1又は2に記載の電磁共鳴結合器。
  4. 前記第一の共鳴配線の形状は、対称性を有する形状である
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電磁共鳴結合器。
  5. 前記第一の基板の前記第一の共鳴配線が設けられない側の面、または前記第二の基板の前記第二の共鳴配線が設けられない側の面には、前記信号の基準電位を表すグランド配線が設けられる
    請求項1から4のいずれか1項に記載の電磁共鳴結合器。
  6. さらに、前記第二の基板に対向して設けられたキャップ基板を備え、
    前記キャップ基板の、前記第二の基板と対向しない側の面には、前記信号の基準電位を表すグランド配線が設けられる
    請求項1から5のいずれか1項に記載の電磁共鳴結合器。
  7. 前記第一の基板上の、前記第一の共鳴配線、及び前記第一の入出力配線の周辺、または前記第二の基板上の、前記第二の共鳴配線、及び前記第二の入出力配線の周辺には、前記信号の基準電位を表すグランド配線が設けられる
    請求項1から6のいずれか1項に記載の電磁共鳴結合器。
  8. さらに、前記第二の基板に対向して設けられたキャップ基板を備え、
    前記キャップ基板の、前記第二の基板に対向しない側の面には、前記信号の基準電位を表す第一のグランド配線が設けられ、
    前記第二の基板上の、前記第二の共鳴配線、及び前記第二の入出力配線の周辺には、前記信号の基準電位を表す第二のグランド配線が設けられ、
    前記第一のグランド配線と前記第二のグランド配線とは、ビアホールによって接続されている
    請求項1から5のいずれか1項に記載の電磁共鳴結合器。
  9. 前記第一の入出力配線は、前記第一の共鳴配線の外周側の端において、前記第一の共鳴配線の一端の端から前記第一の共鳴配線の外周側の端における配線長の4分の1の長さに相当する位置に接続され、
    前記第二の入出力配線は、前記第二の共鳴配線の外周側の端において、前記第二の共鳴配線の一端の端から前記第二の共鳴配線の外周側の端における配線長の4分の1の長さに相当する位置に接続される
    請求項1から8のいずれか1項に記載の電磁共鳴結合器。
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