JP2009171017A - 平面アンテナ装置 - Google Patents

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瞳 嶺岸
Kazuyuki Sakiyama
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Abstract

【課題】デジタル信号の矩形波を直接に無線伝送する場合、信号波形が歪むことを防止する。
【解決手段】矩形スロット11cを有する接地導体11と誘電体基板10とにより構成された平面アンテナ装置において、当該平面アンテナ装置で生じる共振電磁界の基本周波数での6分の1以下の大きさを有し、矩形スロット11cを拡張する切欠部11a,11bを備え、これらの共振構造で漏れ電界の分布を制御して、デジタル信号の矩形波の基本調波成分を減衰させることで、波形歪みを低減させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタル信号を直接に無線送信又は無線受信する無線バスや無線インターコネクション装置に用いられる平面アンテナ装置に関する。
従来のデジタル信号を直接に送受信する平面アンテナ装置として、広帯域な平面アンテナ装置が例えば非特許文献1において開示されている。図14は第1の従来例に係る広帯域アンテナ装置の構造を示す平面図であり、当該アンテナ装置は「オーバルダイポール平面アンテナ装置」と呼ばれる。
図14において、誘電体基板61の中間層に接地導体62を配置し、誘電体基板61の表面と裏面のそれぞれに平面導体63a,63bを形成し、平面導体63a,63bはそれぞれ信号線路導体64a,64bを介して無線送受信回路に接続される。当該平面アンテナ装置は広帯域な周波数特性を実現できることを特徴としている。
特開2005−278159公報(図15)。 Garg Ramesh et al., "Microstrip antenna Design Handbook", Artech House, Artech House Antennas and Propagation Library, pp. 441-491, November 2000. 子安修ほか,「高速イーサネットケーブルの改良とパッシブイコライザによる伝送特性の改善」,電子情報通信学会論文誌C,Vol.J87−C,No.11,pp.873−880,2004年11月1日発行。
しかしながら、この第1の従来例に係る広帯域平面アンテナ装置を用いても、以下に示すように、矩形波のデジタル信号を送受信すると波形の歪が発生する。図15は図14の広帯域アンテナ装置による無線伝送と、有線伝送における伝送実験結果であって、高周波の次数に対する相対電力を示すグラフである。図15では、800MHzの矩形波クロック信号を1対のオーバルダイポール平面アンテナ装置(帯域幅2GHz以上)を用いて伝送した場合の受信側における各高調波成分の大きさを有線の場合と比較して示す。図15から明らかなように、当該オーバルダイポール平面アンテナ装置を用いた無線伝送では、基本波成分に比較して高次成分が著しく減少するため、受信側では矩形波として受信できていないことがわかる。
このようなデジタル信号の伝送波形歪に対して、有線伝送の場合においては、従来、パッシブイコライズ技術を用いて改善する方法がある(例えば、非特許文献2参照。)。図16(a)はこの第2の従来例に係る有線伝送システムを示す回路図であり、図16(b)は図16(a)の有線伝送システムにおけるイコライザ有無時のアイパターンを示す図である。
図16(a)において、送信側の増幅器A1の各差動出力端子はそれぞれ高域通過フィルタ71a,71bを介してツイストペアケーブル70に接続され、その端部に受信側の差動増幅器A2が接続される。図16(b)から明らかなように、伝送信号を送信側で予め矩形波の基本成分を抑制して送信することで受信側では信号の振幅は小さくなるものの、矩形波としてのアイパターンを確認することができ、デジタル信号として受信が可能になる。しかも、能動素子を用いた他の信号波形のイコライズ方式に比べ、回路構成が単純で、受動素子を使うので消費電力も小さいなどのメリットがある。しかしながら、無線伝送において、このようなパッシブイコライズの効果を簡単に実現できる手段は無い。
従来の小型平面アンテナ装置の広帯域化の方法として、スロット平面アンテナ装置を利用したものがある(例えば、特許文献1参照)。当該平面アンテナ装置は各共振モードの分布に着目して、平面アンテナ装置の特性を制御する方法がある。図17(a)第3の従来例に係る小型アンテナ装置を示す平面図であり、図17(b)は図17(a)の小型アンテナ装置の反射係数S11の周波数特性を示すグラフである。
図17(a)において、環状スロット80にビア84を介して給電線81が接続され、接地基板に形成された環状スロット80の周辺に凸型の突起部82a,82b,83a,83b,83c,83dを形成することにより、開示内容によると複数周波数で共振を発生させ、広帯域化ができるとある。しかしながら、このような方法も、基本波成分を抑制する上記のパッシブイコライズを実現するものではないと考えられる。
上述したように、直接デジタル信号を無線で伝送する場合、従来の平面アンテナ装置を用いた方法には、以下に示す課題があった。
(1)第一に、広帯域な周波数特性を有する平面アンテナ装置を用いても、矩形波の基本周波数成分に比べ高調波成分が減衰してしまい、その結果、デジタル信号波形が歪んでしまう。
(2)第二に、従来の平面アンテナ装置では、矩形波の基本周波数成分を選択的に抑制し、有線でのパッシブイコライズに相当するような動作を平面アンテナ装置単体で実現することが困難である。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、デジタル信号が無線伝送により矩形波形の高調波成分が基本波成分より減少することで生じる波形歪みを抑える効果を、受動素子である平面アンテナ装置のみで実現することができる平面アンテナ装置を提供することにある。
第1の発明に係る平面アンテナ装置は、
誘電体基板と、
上記誘電体基板の裏面に設けられた給電導体と、
上記誘電体基板の表面に設けられ、スロットを有する接地導体とを備えた平面アンテナ装置において、
上記スロットの辺に、上記スロットの辺をスロットの一部として拡大する少なくとも1つの切欠部を備えたことを特徴とする。
上記平面アンテナ装置において、上記切欠部の長さは、上記スロットの周長の6分の1よりも短いことを特徴とする。
また、上記平面アンテナ装置において、上記スロット近傍の誘電体基板に、少なくとも1つの溝部をさらに備えたことを特徴とする。
さらに、上記平面アンテナ装置において、上記溝部の開口部を上記誘電体基板の表面に形成し、上記溝部の深さは上記誘電体基板の厚さに等しいか又は小さいように上記溝部を形成したことを特徴とする。
第2の発明に係る平面アンテナ装置は、
誘電体基板と、
上記誘電体基板の裏面に設けられた給電導体と、
上記誘電体基板の表面に設けられ、スロットを有する接地導体とを備えた平面アンテナ装置において、
上記スロットの辺に、上記接地導体よりも大きな所定の電気損失又は磁気損失を有する損失導体部を設けたことを特徴とする。
上記平面アンテナ装置において、上記損失導体部の長さは、上記接地導体の周辺長さの6分の1よりも短いことを特徴とする。
本発明に係る平面アンテナ装置によれば、上記スロットの辺に、上記スロットの辺をスロットの一部として拡大する少なくとも1つの切欠部を備え、もしくは上記スロットの辺に、上記接地導体よりも大きな所定の電気損失又は磁気損失を有する損失導体部を設けたので、当該平面アンテナ装置からの放射に寄与する接地導体の漏れ電磁界の分布のうち、伝送する矩形波の基本調波成分に相当する周波数の電磁界強度を抑制した放射電磁界分布を作り出すことができる。従って、高調波成分の放射強度に対して、基本波成分の放射強度を低減させることが可能となり、上記のパッシブイコライズと同様の動作を、平面アンテナ装置単体で実現できるという特有の効果を有する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。各実施形態において、同様のものについては同一の符号を付している。
第1の実施形態.
図1は(a)は本発明の第1の実施形態に係る平面アンテナ装置の構造を示す平面図であり、図1(b)はその外観を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態では、誘電体基板10の裏面にストリップ形状の給電導体12を設け、誘電体基板10の表面に放射器となる矩形スロット11cを有する接地導体11を設けたスロット平面アンテナ装置において、矩形スロット11の各辺のうち、給電導体12により給電される電界の方向31(図5参照。)と垂直な方向に対して平行な長手方向を有する矩形スロット11の2辺の各略中央部にそれぞれ切欠部11a,11bを形成したことを特徴としている。ここで、誘電体基板10を挟設する給電導体12と接地導体11とによりマイクロストリップ線路10を構成しており、給電導体12の長手方向と、矩形スロット11の長手方向とは直交するように構成されている。
この場合において、当該切欠部11a,11bを接地導体11に形成する位置と、各長さLa,Lbの決定方法について、図5を用いて説明する。図5は従来例に係る矩形スロットアンテナ装置の動作を示す平面図である。図5において、接地導体11に形成された矩形スロット11cの中央部において、給電導体12と交差することで電界が結合して当該アンテナ装置の給電点となり、図5は、接地導体11に形成された矩形スロット11c内で電磁界の共振が起きる際の、一番低い周波数での磁力線の流れの瞬間を示したものである。この周波数を共振の基本周波数とし、そのときの共振磁界の分布は、ほぼH面に平行な方向で分布し、H面に直角なE面でほぼ対称になる。
このような基本周波数での共振磁流は矩形スロット11cの長手方向と平行な矢印32で図5において図示され、矩形スロット11cの長手方向の辺が電界方向31と水平となる端部が節となる定在波になる。このようにスロット11cの長手方向に沿って、半波長相当の共振磁流32が定在波として分布することから、図5に示すように矩形スロット11cの長手方向の辺に沿って、その定在波分布長をLsとする。この定在波分布長Lsに沿った、磁流32の定在波の空間強度分布の空間調波成分を考慮して、基本空間高調波成分が基本共振周波数の電磁放射に寄与するものと考え、本実施形態では、基本周波数成分を抑制するために、空間調波成分の基本成分を抑制するように、切欠部11a,11bの長さLa,Lbはそれぞれ、矩形スロット11cの幅を考慮して定在波分布の長さLsの3分の1の長さよりも若干小さくなるように(ただし、定在波分布の長さLsの4分の1の長さより大きくなるように)設定することが好ましい。言い換えると、切欠部11a,11bの長さLa,Lbはそれぞれ、矩形スロット11cの4つの辺の長さの合計である全周長の6分の1の長さよりも若干小さくなるように(ただし、定在波分布の長さLsの8分の1の長さより大きくなるように)設定することが好ましい。また、切欠部11a,11bを形成する位置は好ましくは、磁界の基本周波数での定在波分布の腹の部分、つまり矩形スロット11cの磁界方向(すなわち、その長手方向)の辺の中心を含む位置である。言い換えれば、切欠部11a,11bは矩形スロット11cの略中央部に形成される。
次いで、矩形スロット11cの切欠部11a,11bの有無による動作の違いについて図6を用いて説明する。図6は、従来例に係る矩形スロットアンテナ装置及び第1の実施形態に係る平面アンテナ装置における共振モードの電界(磁流)分布を比較する図である。図6において、本実施形態のような矩形スロット11cを有する導体における電磁界部分布を示しており、周波数の低い方から基本モード(第1モード)、第2モード、第3モードを一例として、その時の電界分布と磁流分布の違いの概念を模式的に図示している。基本モードでは、共振器である矩形スロット11cに切欠部11a,11bがあることで、磁流分布が切欠部11a,11bが無いときよりも減少する。第2モードでは、両者大きな変化は無く、第3モードでは、切欠部11a,11bが無い矩形スロット11cでは磁流は相殺して減少するが、切欠部11a,11bがある矩形スロット11cでは基本モード時とほぼ同じ程度の磁流を生じるように動作することになる。
このように、矩形スロット11cに切欠部11a,11bを形成することの効果について、平面アンテナ装置構造の違いを直接考慮できる電磁界シミュレータを用いた比較実験の例を用いて、本実施形態の作用と効果について説明する。
図7(a)は発明者のシミュレーションにおいて用いた従来例に係る矩形スロットアンテナ装置の構造を示す平面図であり、図7(b)は発明者のシミュレーションにおいて用いた第1の実施形態に係る平面アンテナ装置の構造を示す平面図である。
図7(a)の従来例において、誘電体基板10の大きさは200mm角、接地導体11の大きさは200mm角、矩形スロット11cの長さLsは80mm、矩形スロット11cの幅Wsは10mmであり、誘電体基板は、比誘電率4.2である。図7(b)において、矩形スロット11cの長さLs及び幅Wsは図7(a)と同じであり、また、誘電体基板10の比誘電率も図7(a)同じ4.2とし、切欠部11a,11bの長さLa,Lbは26mmであり、その幅Wa,Wbは10mmである。
図7(a)の平面アンテナ装置と、図7(b)の平面アンテナ装置とを1対の無線送受信システムとして構成し、各平面アンテナ装置のマイクロストリップ線路20の入力端から見た反射係数S11を計算したところ、従来例の平面アンテナ装置と比較し、第1の実施形態に係る平面アンテナ装置において、基本周波数時の反射が増加し、3次共振周波数の場合の反射が低下している。つまり基本周波数時の放射電力が減少し、3次共振周波数の場合の放射が増加している。
次に、受信側での信号波形のアイパターン解析を行った。図8は発明者のシミュレーションにおいて用いた伝送回路の回路図である。この解析では、送信及び受信間の伝達関数を電磁界シミュレーションにより求め、その伝達関数を用いて、図8に示すように2GHzサンプリングのランダムクロックの伝送を評価するシミュレーション実験を行った。図8において、クロック発生器51は1GHzの擬似M系列ランダムクロック信号を発生して50Ωの直列抵抗52を介して、1対の平面アンテナ装置にてなり端子T1乃至T4を有する平面アンテナシステムの2ポートモデル50を介して抵抗値Ro=1kΩの負荷抵抗53に出力する。
図9は発明者のシミュレーション結果であって、図9(a)は従来例に係る矩形スロットアンテナ装置の反射係数S11の周波数特性を示す図であり、図9(b)は第1の実施形態に係る平面アンテナ装置の反射係数S11の周波数特性を示す図である。図9から明らかなように、本実施形態に係る平面アンテナ装置においてはリターンロスが極めて少ないことがわかる。
図10は発明者のシミュレーション結果であって、図10(a)は従来例に係る矩形スロットアンテナ装置の放射パターンを示す図であり、図10(b)は第1の実施形態に係る平面アンテナ装置の放射パターンを示す図である。また、図11は発明者のシミュレーション結果であって、図11(a)は従来例に係る矩形スロットアンテナ装置のアイパターンを示す図であり、図11(b)は第1の実施形態に係る平面アンテナ装置のアイパターンを示す図である。すなわち、図11は各平面アンテナ装置を用いたシミュレーション実験での受信側でのアイパターンの電圧波形の図である。本実施形態に係る平面アンテナ装置では、従来例の平面アンテナ装置よりも波形の振幅は減衰するが、矩形波としての波形形状を保った信号受信ができることがわかる。このように、本発明では、無線伝送における波形の歪みを小さくし、矩形波の波形を維持できる効果がある。
図2(a)は図1の矩形スロット11cの切欠部11a,11bの平面図であり、図2(b)は変形例に係る切欠部11ab,11bbの平面図であり、図2(c)は変形例に係る切欠部11ac,11bcの平面図であり、図2(d)は変形例に係る切欠部11ad,11bdの平面図である。すなわち、矩形スロット11cの切欠部11a,11bは図1及び図2(a)に限らず、図2(b)の略E字形状、図2(c)のE字形状、図2(d)ののこぎり形状であってもよい。
以上の実施形態においては、マイクロストリップ線路20による結合を用いた給電方式としたが、他の給電方法を利用してもよい。
また、凸形状の切欠部11a,11b等の長さは、上述のように、矩形スロット11cの全周長の6分の1よりも短い方がより効果的であるため、矩形スロット11cの全周長さの6分の1よりも短いことが望ましい。
第2の実施形態.
図3(a)は本発明の第2の実施形態に係る平面アンテナ装置の構造を示す平面図であり、図3(b)はその外観を示す斜視図である。第2の実施形態に係る平面アンテナ装置は、第1の実施形態に係る平面アンテナ装置に比較して、誘電体基板10のE面と交差する位置(切欠部11a,11bの領域を含み矩形スロット11cを交差する矩形領域)に誘電体基板10の表面に開口した凹形状の溝部10mを形成したことを特徴としている。ここで、溝部10mは誘電体基板10の厚さよりも小さい深さで形成しているが、誘電体基板10を貫通してもよい。ここで、溝部10mは長さLm及び幅Wmを有し、本実施形態では、Lm<La=Lb及びWm<Wabである。
以上のように構成された第2の実施形態によれば、凹形状の溝部10mの電界強度が誘電基板10の他の部分より小さくなるため、磁流がより小さくなる。その結果、基本モードの電磁結合を選択的に低減させる効果を生じる。また、凹形状の溝部10mが給電導体12と一部分が重なる場合、接地導体11と給電導体12との間の電気容量を減少させる作用を生じる。このことで、平面アンテナ装置部分の電気容量を変えた設計ができる効果を生じるものである。
図4(a)は図3(a)の平面アンテナ装置の各寸法を示す平面図であり、図4(b)は第2の実施形態の変形例に係る平面アンテナ装置の構造を示す平面図である。第2の実施形態の変形例に係る平面アンテナ装置は、第1の実施形態に係る平面アンテナ装置に比較して、誘電体基板10のE面と交差する位置であって切欠部11a,11bの領域にそれぞれ誘電体基板10の表面に開口した凹形状の溝部10ma,10mbを形成したことを特徴としている。ここで、溝部10ma,10mbは誘電体基板10の厚さよりも小さい深さで形成しているが、誘電体基板10を貫通してもよい。ここで、ここで、溝部10maは長さLma及び幅Wmaを有し、溝部10mbは長さLmb及び幅Wmbを有し、本実施形態では、Lma=Lmb<La=Lb及びWma=Wmb<Wa=Wbである。
以上のように構成された第2の実施形態の変形例によれば、凹形状の溝部10ma,10mbの電界強度が誘電基板10の他の部分より小さくなるため、磁流がより小さくなる。その結果、基本モードの電磁結合を選択的に低減させる効果を生じる。また、凹形状の溝部10ma,10mbが給電導体12と一部分が重なる場合、接地導体11と給電導体12との間の電気容量を減少させる作用を生じる。このことで、平面アンテナ装置部分の電気容量を変えた設計ができる効果を生じるものである。
第2の実施形態の変形例では、溝部10ma,10mbの長さ及び幅についてLma=Lmb及びWma=Wmbとしているが、本発明はこれに限らず、Lma≠Lmb及び/又はWma≠Wmbであってもよい。また、それらの形状も異なってもよい。さらに、溝部10ma,10mbの深さについても互いに同一でもよいし異なってもよい。
第3の実施形態.
図12(a)は本発明の第3の実施形態に係る平面アンテナ装置の構造を示す斜視図であり、図12(b)は図12(a)のA−A’面に縦断面図である。第3の実施形態に係る平面アンテナ装置は、図1の第1の実施形態に係る平面アンテナ装置を2個用意し、切欠部11a,11bを有する矩形スロット11cと同様の形状を有する矩形スロット13cを有する誘電体基板13(電源回路を含む。)を上記2個の平面アンテナ装置(以下、第1と第2の平面アンテナ装置という。)で挟設したことを特徴としている。
図12において、第1の平面アンテナ装置は、誘電体基板10を給電導体12及び接地導体板11で挟設してなるマイクロストリップ線路101を備え、第2の平面アンテナ装置は、誘電体基板10を給電導体12及び接地導体板11で挟設してなるマイクロストリップ線路102を備え、各マイクロストリップ線路101,102は互いに平行であって対向するように設けられる。ここで、マイクロストリップ線路101、102は放射器である矩形スロット11c,13c,11c(以下、結合部という。)を介して電磁的に結合される。従って、マイクロストリップ線路101に入力された高周波信号は当該結合部を介してマイクロストリップ線路102に出力される。また、マイクロストリップ線路102に入力された高周波信号は当該結合部を介してマイクロストリップ線路101に出力される。
以上説明したように、本実施形態によれば、基本周波数における放射電力を抑えているため、平面アンテナ装置近接のみに電磁波が放射するため、放射ノイズの影響を低下させることができ、周囲の回路への影響が少ない。また、接地導体11に矩形スロット11cを形成するのみで形成可能なことから、安易かつ、低コストで形成できる特徴を有しているため、このような基板内の異層間接続が適用可能となる。また異層間接続部にイコライズ機能を付加することが可能となる。さらに、基板間の接続バスや、半導体パッケージ等のデバイスとの接続に、上記の理由で適用が可能となる。
第4の実施形態.
図13(a)は本発明の第4の実施形態に係る平面アンテナ装置の構造を示す平面図であり、図13(b)はその外観を示す斜視図である。第4の実施形態に係る平面アンテナ装置は、図1の第1の実施形態に比較して、矩形スロット11cの切欠部11a,11bに代えて、その形成位置にそれぞれ、切欠部11a,11bと同様のサイズを有しかつ接地導体11の電気抵抗よりも大きな電気抵抗(大きな電気損失)を有する導体部41,42を形成したことを特徴としている。
図13において、導体部41,42は、接地導体11の形成位置に半導体レーザを用いた熱処理を施すことにより抵抗値を変化させて形成することができる。なお、導体部41,42は、機械的な圧迫又は切削により形成することもできる。
以上のように構成することにより、接地導体11よりも電気抵抗の大きい導体部41,42を矩形スロット11cの開口辺に沿って形成することで、矩形スロット辺を流れる電流を部分的に抑制することができる。従って、第1乃至第3の実施形態の作用と同様に、矩形スロット11cでの磁流の基本モードを抑制するとともに、第3次モードを強調する作用を発現することができ、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
本実施形態では、接地導体11よりも大きな電気抵抗を有する導体部41,42を形成しているが、本発明はこれに限らず、導体部41,42に代えて、接地導体11よりも大きな磁気抵抗を有する、フェライトなどの磁性材料部を形成することにより同様の作用効果を得るように構成してもよい。
本発明に係る平面アンテナ装置は、平面アンテナ装置単体でパッシブイコライズの作用を有し、デジタル信号を無線伝送する際に、信号波形の歪が少ない無線インターコネクション用の平面アンテナ装置等として有用である。また、直接デジタル伝送で機器間を通信するような無線ネットワーク用の平面アンテナ装置等の用途にも応用できる。
(a)は本発明の第1の実施形態に係る平面アンテナ装置の構造を示す平面図であり、(b)はその外観を示す斜視図である。 (a)は図1の矩形スロット11cの切欠部11a,11bの平面図であり、(b)は変形例に係る切欠部11ab,11bbの平面図であり、(c)は変形例に係る切欠部11ac,11bcの平面図であり、(d)は変形例に係る切欠部11ad,11bdの平面図である。 (a)は本発明の第2の実施形態に係る平面アンテナ装置の構造を示す平面図であり、(b)はその外観を示す斜視図である。 (a)は図3(a)の平面アンテナ装置の各寸法を示す平面図であり、(b)は第2の実施形態の変形例に係る平面アンテナ装置の構造を示す平面図である。 従来例に係る矩形スロットアンテナ装置の動作を示す平面図である。 従来例に係る矩形スロットアンテナ装置及び第1の実施形態に係る平面アンテナ装置における共振モードの電界(磁流)分布を比較する図である。 (a)は発明者のシミュレーションにおいて用いた従来例に係る矩形スロットアンテナ装置の構造を示す平面図であり、(b)は発明者のシミュレーションにおいて用いた第1の実施形態に係る平面アンテナ装置の構造を示す平面図である。 発明者のシミュレーションにおいて用いた伝送回路の回路図である。 発明者のシミュレーション結果であって、(a)は従来例に係る矩形スロットアンテナ装置の反射係数S11の周波数特性を示す図であり、(b)は第1の実施形態に係る平面アンテナ装置の反射係数S11の周波数特性を示す図である。 発明者のシミュレーション結果であって、(a)は従来例に係る矩形スロットアンテナ装置の放射パターンを示す図であり、(b)は第1の実施形態に係る平面アンテナ装置の放射パターンを示す図である。 発明者のシミュレーション結果であって、(a)は従来例に係る矩形スロットアンテナ装置のアイパターンを示す図であり、(b)は第1の実施形態に係る平面アンテナ装置のアイパターンを示す図である。 (a)は本発明の第3の実施形態に係る平面アンテナ装置の構造を示す斜視図であり、(b)は(a)のA−A’面に縦断面図である。 (a)は本発明の第4の実施形態に係る平面アンテナ装置の構造を示す平面図であり、(b)はその外観を示す斜視図である。 第1の従来例に係る広帯域アンテナ装置の構造を示す平面図である。 図14の広帯域アンテナ装置による無線伝送と、有線伝送における伝送実験結果であって、高周波の次数に対する相対電力を示すグラフである。 (a)は第2の従来例に係る有線伝送システムを示す回路図であり、(b)は(a)の有線伝送システムにおけるイコライザ有無時のアイパターンを示す図である。 (a)第3の従来例に係る小型アンテナ装置を示す平面図であり、(b)は(a)の小型アンテナ装置の反射係数S11の周波数特性を示すグラフである。
符号の説明
10…誘電体基板、
10m,10ma,10mb…溝部、
11…接地導体、
11c…矩形スロット、
11a,11b,11ab,11bb,11ac,11bc,11ad,11bd…切欠部、
12…給電導体、
20,101,102…マイクロストリップ線路、
41,42…導体部。

Claims (6)

  1. 誘電体基板と、
    上記誘電体基板の裏面に設けられた給電導体と、
    上記誘電体基板の表面に設けられ、スロットを有する接地導体とを備えた平面アンテナ装置において、
    上記スロットの辺に、上記スロットの辺をスロットの一部として拡大する少なくとも1つの切欠部を備えたことを特徴とする平面アンテナ装置。
  2. 上記切欠部の長さは、上記スロットの全周長さの6分の1よりも短いことを特徴とする請求項1記載の平面アンテナ装置。
  3. 上記スロット近傍の誘電体基板に、少なくとも1つの溝部をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の平面アンテナ装置。
  4. 上記溝部の開口部を上記誘電体基板の表面に形成し、上記溝部の深さは上記誘電体基板の厚さに等しいか又は小さいように上記溝部を形成したことを特徴とする請求項3記載の平面アンテナ装置。
  5. 誘電体基板と、
    上記誘電体基板の裏面に設けられた給電導体と、
    上記誘電体基板の表面に設けられ、スロットを有する接地導体とを備えた平面アンテナ装置において、
    上記スロットの辺に、上記接地導体よりも大きな所定の電気損失又は磁気損失を有する損失導体部を設けたことを特徴とする平面アンテナ装置。
  6. 上記損失導体部の長さは、上記接地導体の周辺長さの6分の1よりも短いことを特徴とする請求項5記載の平面アンテナ装置。
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