JP5377418B2 - ウエビング巻取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乗員の身体を拘束するウェビングを巻取って格納するためのウエビング巻取装置に関する。
下記特許文献1に開示されたウエビング巻取装置では、プリテンショナ(特許文献1では「ガス発生器」と称している)が作動するとトーションシャフト(特許文献1では「トーションバー」と称している)の端部が繋がったロックベース(特許文献1では「異形頭部」に巻取方向への回転力が付与されるが、このロックベースに付与された巻取方向への回転力がトーションシャフトに及ぼす影響を軽減するために、曲げ要素と称される部材や力制限リングと称される部材が設けられている。
独国特許第102004007824号の公報
上記の曲げ要素と称される部材は、スプールの端部に形成されたポケット部にその一端側が収容される構成であり、リング部材はスプールの端部とロックベースとの間に設けられる。したがって、このような部材を設けることでスプールの軸方向に沿った装置全体の体格が大きくなる。
本発明は、上記事実を考慮して、プリテンショナが作動した際にトーションシャフトに不要な捩じりを生じさせず、しかも、装置の大型化を抑制又は防止できるウエビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、長尺帯状のウェビングの長手方向基端側が係止され、軸線周りの一方である巻取方向に回転することで前記ウェビングを基端側から巻取る筒状のスプールと、前記スプールの軸方向一端よりも他端側が前記スプールの内側で前記スプールに対して相対回転不能な状態で繋がり、一端側に対して前記スプールとの連結部分が前記巻取方向とは反対の引出方向に相対回転することで変形するトーションシャフトと、前記スプールとは別体で構成されて前記スプールの軸方向一端側に設けられて、前記軸方向他方への変位が可能で且つ前記トーションシャフトに対して前記軸線周りの相対回転が不能な状態で前記トーションシャフトに繋げられると共に、前記軸方向他方への変位により前記スプールに接して前記軸線周りの回転力を直接前記スプールに伝達可能なロックベースを有し、車両が急減速した場合や前記引出方向に回転する前記スプールの回転加速度が所定の大きさ以上の場合に作動し、作動することで前記ロックベースにおける前記巻取方向とは反対の引出方向への回転を規制するロック機構と、前記スプールの軸方向他端側に設けられて、作動することで前記ロックベースを前記巻取方向に回転させるプリテンショナと、作動した前記プリテンショナにより前記巻取方向に回転する前記ロックベースの回転力を前記軸方向一端側への力に変換して前記ロックベースを前記軸方向一端側へ変位させて前記スプールの軸方向他端部に圧接させる変換手段と、前記スプールの軸方向一端側に設けられ、前記軸方向一端側への前記スプールの変位を規制する規制手段と、を備えている。
請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置では、スプールの軸方向一端よりも他端側でトーションシャフトがスプールに対して相対回転不能に連結され、スプールの軸方向一端側ではロック機構を構成するロックベースにトーションシャフトが相対回転不能に連結される。車両が急減速したり、スプールが所定の大きさ以上の回転加速度で引出方向に回転したりすることでロック機構が作動する。ロック機構はロックベースの引出方向への回転を規制し、このようにロックベースの引出方向への回転を規制することでトーションシャフト、更には、スプールの引出方向への回転を規制する。これにより、スプールからのウェビングの引出しが規制される。
このようにロック機構が作動した状態で、トーションシャフトの機械的強度を上回る力でウェビングが引っ張られてスプールが引出方向に回転しようとすると、トーションシャフトにおけるスプールとの連結部分がロックベースとの連結部分に対して引出方向に回転し、これにより、トーションシャフトに捩じり変形が生じる。このトーションシャフトにて生じる捩じり変形にウェビングに付与される引出力の一部が供され、これにより、この引出力の一部を吸収する。
一方、本発明に係るウエビング巻取装置はプリテンショナを備えており、プリテンショナが作動するとロックベースが巻取方向に回転させられる。ここで、プリテンショナが作動してロックベースが巻取方向に回転させられると、この巻取方向の回転力の一部が変換手段によってスプールの軸方向一端側への向きの力に変換され、これにより、ロックベースが巻取方向に回転しつつ軸方向一端側へスライドする。このようにロックベースが軸方向一端側へスライドすることでロックベースがスプールの軸方向他端部を押圧する。
このように、ロックベースがスプールを押圧すると、スプールはロックベースからの押圧力で軸方向一端側へ移動しようとするが、スプールの軸方向一端側への移動は規制手段により規制される。このため、この状態では、ロックベースがスプールの軸方向他端部に圧接して、これにより、巻取方向へのロックベースの回転力がスプールに直接伝わって、スプールが巻取方向に回転させられる。このように、プリテンショナが作動してスプールが巻取方向に回転させられることで、ウェビングの僅かな弛み、所謂『スラック』が解消される。
しかも、プリテンショナが作動した際のロックベースの巻取方向への回転力がトーションシャフトを介さずにスプールに直接伝わるため、プリテンショナによりロックベースが回転した際にトーションシャフトに捩じりが生じないか、又は、トーションシャフトにおける捩じれが極めて少ない。
請求項2に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1に記載の本発明において、前記スプールを直接又は間接的に回転自在に支持するフレームに形成されて前記ロックベースが貫通可能な孔部の内周部及び前記孔部を前記ロックベースが貫通した状態で前記孔部の内周部に対向する前記ロックベースの外周部の何れかの一方に、前記フレーム及び前記ロックベースの何れか他方に設けられたロック部材のロック歯が噛み合うことで前記ロックベースの前記引出方向への回転を規制するラチェット歯を形成すると共に、前記孔部の内周部及び前記ロックベースの外周部のうち、前記ラチェット歯が形成されていない方に設けられ、前記ラチェット歯の先端に係合することで前記巻取方向に回転する前記ロックベースを前記軸方向一端側へ移動させるガイド溝を前記変換手段としている。
請求項2に記載の本発明に係るウエビング巻取装置によれば、ロックベースの外周部及びスプールを直接又は間接的に回転自在に支持するフレームにおいてロックベースが貫通可能に形成された孔部の内周部の何れかの一方にはラチェット歯が形成されており、ロック機構を構成するロック部材のロック歯がラチェット歯に噛み合うことでロックベースの引出方向への回転が規制される。
ここで、孔部の内周部及びロックベースの外周部のうち、ラチェット歯が形成されていない方には変換手段を構成するガイド溝が形成されており、プリテンショナによってロックベースが巻取方向に回転させられている状態で、このガイド溝にラチェット歯の歯先が係合すると、ガイド溝にラチェット歯が案内されて、ガイド溝に対してラチェット歯が相対的にスプールの軸方向へ変位する。これにより、ロックベースが巻取方向に回転しつつ軸方向一端側へスライドし、ロックベースがスプールの軸方向他端部に圧接する。
請求項3に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1又は請求項2に記載の本発明において、前記スプールの軸方向他端部及び前記スプールの軸方向他端部と対向する前記ロックベースの軸方向一端部の少なくとも何れかの一方に設けられ、前記軸方向一端側へ前記ロックベースが変位することで、前記スプールの軸方向他端部に対する前記ロックベースの軸方向一端部の相対回転を抑制した状態で前記スプールの軸方向他端部に対する前記ロックベースと軸方向一端部を機械的に連結する連結手段を備えている。
請求項3に記載の本発明に係るウエビング巻取装置によれば、スプールの軸方向他端部及びスプールの軸方向他端部と対向するロックベースの軸方向一端部の少なくとも何れかの一方には連結手段が設けられる。作動したプリテンショナによってロックベースが巻取方向に回転させられると共に、変換手段によってスプールの軸方向一端側へロックベースが移動させられると、スプールの軸方向他端部と対向するロックベースの軸方向一端部が圧接させられるのみならず、連結手段によって機械的に連結される。これにより、ロックベースの巻取方向への回転力が効率よくスプールに直接伝えられる。
以上説明したように、本発明に係るウエビング巻取装置では、プリテンショナが作動した際にトーションシャフトに不要な捩じりを生じさせず、しかも、装置の大型化を抑制又は防止できる。
本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成を概略的に示す分解斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成を概略的に示す正面断面図である。 本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成を概略的に示す側面図である。 ロックベースのラチェット歯が変換手段に係合した状態を示す図2に対応した正面断面図である。 ロックベースのラチェット歯が変換手段に係合した状態を示す図3に対応した側面図である。 ロックベースがスプールに圧接した状態を示す図2に対応した正面断面図である。 変換手段の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置の変形例を示す図3に対応した側面図である。
<本実施の形態の構成>
図1には本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置10の要部の構成が分解斜視図により示されており、図2にはウエビング巻取装置10の構成の概略が正面断面図により示されている。これらの図に示されるように、本ウエビング巻取装置10は、厚さ方向に互いに対向する脚板12と規制手段としての脚板14とを含めて構成されるフレーム16を備えている。
このフレーム16の脚板12と脚板14との間にはスプール18が設けられる。スプール18は全体的に軸方向が脚板12と脚板14との対向方向に沿った円筒形状に形成されており、その軸方向一端部(スプール18の脚板14側の端部)は脚板14と対向している。スプール18が軸方向一端側へ変位しようとすると、脚板14はスプール18の軸方向一端部に干渉して、スプール18の変位を規制できるようになっている。
このスプール18には長尺帯状に形成されたウェビング20の長手方向基端側が係止されており、スプール18をその中心軸線周りの一方である巻取方向に回転させると、ウェビング20がその長手方向基端側からスプール18の外周部に巻取られ、ウェビング20をその先端側へ引っ張ると、ウェビング20においてスプール18に巻取られている部分が引出されつつ、スプール18が巻取方向とは反対の引出方向に回転する。
このスプール18の内側にはトーションシャフト22が設けられる。トーションシャフト22は軸方向がスプール18の軸方向に沿った棒状のシャフト本体24を備えている。このシャフト本体24の軸方向一端部にはスプール側連結部26が形成されている。スプール側連結部26は外周形状が星形や多角形等の非円形とされている。このスプール側連結部26に対応してスプール18の軸方向一端部近傍におけるスプール18の内周部には嵌合部28が形成されており、この嵌合部28にスプール側連結部26が嵌合することでトーションシャフト22はスプール18に対して相対回転不能にスプール18に繋がり、この状態でスプール18に対してシャフト本体24が同軸的に配置される。
さらに、図2に示されるように、スプール側連結部26にはシャフト本体24とは反対方向へ向けて開口した雌ねじ孔30がシャフト本体24やスプール18に対して同軸的に形成されている。この雌ねじ孔30にはスプリングスクリュー32の雄ねじ部34が螺合する。この雄ねじ部34の基端側ではスプリングスクリュー32にフランジ部36が形成されている。フランジ部36は外周形状が嵌合部28の外周形状よりも大きく、フランジ部36の少なくとも一部は嵌合部28よりも外側でスプール18の軸方向一端部と対向する。
このフランジ部36の雄ねじ部34とは反対側には嵌合軸部38が雄ねじ部34に対して同軸的に形成されている。この嵌合軸部38は、脚板14の脚板12とは反対側で脚板14に取り付けられたスプリングハウジング42の内側に入り込んでいる。このスプリングハウジング42の内側では、アダプタがスプール18に対して同軸的に回転自在な状態で支持されている。このアダプタの外側には渦巻きばねが設けられている。
渦巻きばねは、その渦巻き方向外側端がスプリングハウジング42に直接又は間接的に係止されていると共に渦巻き方向内側端がアダプタに係止されており、アダプタが引出方向に回転すると、渦巻きばねが巻き締められ、アダプタを巻取方向に付勢する。このアダプタには嵌合軸部38の嵌合が可能な嵌合孔が形成されており、嵌合軸部38がアダプタの嵌合孔に嵌合することでスプリングスクリュー32とアダプタとが相対回転不能な状態で繋がる。
一方、図1及び図2に示されるように、スプール18の軸方向他端側にはロック機構52を構成するロックベース54が設けられている。ロックベース54は外周部にラチェット歯56が形成されたロックベース本体57を備えている。ロックベース本体57のスプール18側には外周部が円形の挿込部58がラチェット歯56に対して同軸的に形成されている。図2に示されるように、この挿込部58に対応してスプール18の軸方向他端側には円孔60がスプール18に対して同軸的に形成されている。円孔60はスプール18の軸方向他端部にて開口しており、挿込部58がスプール18に対して相対回転自在な状態で嵌挿される。
図2に示されるように、このように円孔60に挿込部58が嵌挿された状態でロックベース本体57のスプール18と対向する側の面はスプール18の軸方向他端部(スプール18のロックベース本体57と対向する側の面)から僅かに離間している。このロックベース本体57のスプール18と対向する側の面はローレット加工が施されたローレット加工部132とされ、このローレット加工部132と対向するスプール18の軸方向他端面はローレット加工が施されたローレット加工部134とされている。スプール18に対してロックベース54がスプール18の軸方向一端側にスライドすると、ロックベース54のローレット加工部132とスプール18のローレット加工部134とが互いに係合し、スプール18に対するロックベース54の相対回転が規制される。
また、図2に示されるように、挿込部58にはロックベース本体57とは反対側で開口した嵌挿孔62が形成されている。この嵌挿孔62は内周形状が星形や多角形等の非円形とされており、シャフト本体24の軸方向他端部に形成されたロックベース側連結部64が嵌挿孔62に嵌挿される。これにより、ロックベース54はトーションシャフト22に対して相対回転不能に繋がる。上記のように、ロックベース54の挿込部58はスプール18に対して相対回転可能に円孔60に嵌挿されるが、スプール側連結部26にてトーションシャフト22がスプール18に対して相対回転不能に繋がっていることで、ロックベース54はトーションシャフト22を介してスプール18に対して相対回転不能に繋がっている。
図1及び図2に示されるように、このロックベース54の回転半径方向外側にはロックベース54と共にロック機構52を構成するロックパウル72が設けられている。ロックパウル72はスプール18の軸方向と同じ向きを軸方向とする軸周りに回動可能に脚板12等に支持されている。また、このロックパウル72はパウル本体74を備えている。パウル本体74にはロック歯76が形成されており、ロックパウル72がその軸周りの一方に回動すると、ロック歯76がロックベース本体57の外周部に接近してラチェット歯56に噛み合う。これにより、ロックベース54の引出方向への回転が規制される。
このようなロックベース54やロックパウル72を含めて構成されるロック機構52は、車両が急減速した場合に作動する所謂「VSIR機構」を構成する各部品(図示省略)や、スプール18の引出方向への回転加速度が所定の大きさ以上の場合に作動する所謂「WSIR機構」を構成する各部品(図示省略)を備えており、このような「VSIR機構」や「WSIR機構」が作動することで、ロックパウル72はロック歯76がロックベース本体57の外周部へ接近する向きへ回動させられる。
一方、図1に示されるように、ロックベース54のスプール18とは反対側にはプリテンショナ82が設けられている。プリテンショナ82はその本体部分の軸方向が概ね上下方向に沿ったシリンダ84を備えている。シリンダ84の本体部分の内側にはピストン86が収容されている。また、シリンダ84の上端側ではガスジェネレータ88がシリンダ84に装着されている。ガスジェネレータ88は車両が急減速状態になると作動し、作動することで瞬時にガスを発生させる。ガスジェネレータ88にて発生したガスはシリンダ84内に供給され、このガス圧でピストン86がシリンダ84の下端側へ摺動する。
また、ピストン86には角棒状のラックバー90がシリンダ84の下端側へ向けて延びるように一体形成されている。このピストン86の幅方向一端にはラック歯92が形成されている。このラック歯92の近傍には、ラック歯92に対して噛合可能なピニオン102が設けられている。ピニオン102はロックベース側連結部64のシャフト本体24とは反対側の端部から延出されてロックベース54を貫通した支持シャフト104に回転自在に支持されている。
また、図1に示されるように、ピニオン102のロックベース54側にはリング状の摩擦クラッチ106が設けられている。摩擦クラッチ106はロックベース54側へ向けて延出されたクラッチ部107を有している。この摩擦クラッチ106に対応してロックベース54のロックベース本体57にはローレット孔108が形成されている。ローレット孔108はロックベース本体57に対して同軸の円形とされており、ロックベース本体57の挿込部58とは反対側の端部にて開口している。
このローレット孔108の内周部はローレット加工されており、ローレット孔108に入り込んだクラッチ部107の先端が接している。ピニオン102が引出方向に回転すると、ピニオン102のロックベース52側に一体形成されたカム109がクラッチ部107を回転半径外方へ押圧して、クラッチ部107の先端をローレット孔108の内周面に圧接させる。これにより、クラッチ部107の先端側はローレット孔108との摩擦で塑性変形し、このように摩擦クラッチ106が塑性変形することでピニオン102とローレット孔108の内周部、すなわち、ロックベース本体57とが一体的に結合される。
一方、フレーム16の脚板12には上記のロックベース54が貫通する貫通孔122が形成されている。図3に示されるように、この貫通孔122におけるロックベース54の回転軸心位置よりも下側では、貫通孔122の内周部にガイド部材124が装着されている。図7に示されるように、ガイド部材124における貫通孔122の開口半径方向内側の面にはガイド溝126が形成されている。ガイド溝126は脚板12の厚さ方向に連続して形成されており、その一端(スプール18の軸方向に沿ったガイド溝126の脚板14側の端部)から他端(スプール18の軸方向に沿ったガイド溝126の脚板14とは反対側の端部)への向きは、スプール18の軸方向に対して引出方向に傾いている。
<本実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本ウエビング巻取装置10では、車両が急減速状態になるとプリテンショナ82のガスジェネレータ88が作動する。ガスジェネレータ88が作動することで生じたガスはシリンダ84内に供給され、そのガス圧によってピストン86がシリンダ84の下端側へ摺動する。ピストン86がシリンダ84の下端側へ摺動することで、ラックバー90が下方へスライドすると、ラックバー90のラック歯92がピニオン102を巻取方向に回転させる。このようにしてピニオン102が巻取方向に回転すると、ローレット孔108の内周面との摩擦で摩擦クラッチ106の先端側が塑性変形して、スプリングハウジング42とロックベース54のロックベース本体57とを一体的に結合させる。これにより、ロックベース54が引出方向に回転する。
一方、上記のように、下方へスライドしたラックバー90はそのラック歯92がピニオン102の外歯を下方へ押圧する。この下方への押圧力をピニオン102が受けることで、図4及び図5に示されるように、ピニオン102と共にロックベース54が下方へ変位する。このロックベース54の下方変位により、ロックベース本体57の外周部に形成されたラチェット歯56の先端が、ガイド部材124のガイド溝126に入り込み、ラチェット歯56の先端が巻取方向にガイド溝126の内壁を押圧する。
上記のように、ガイド溝126はその一端(スプール18の軸方向に沿ったガイド溝126の脚板14側の端部)から他端(スプール18の軸方向に沿ったガイド溝126の脚板14とは反対側の端部)への向きは、スプール18の軸方向に対して引出方向に傾いている。このため、ガイド溝126に入り込んだラチェット歯56の先端がガイド溝126の内壁を巻取方向に押圧すると、その反力の向きは引出方向に対してスプール18の軸方向一端側へ傾く。このような向きの反力をラチェット歯56の先端側が受けることで、ロックベース54は巻取方向に回転しつつスプール18の軸方向一端へ移動する。
このように、ラチェット歯56がスプール18の軸方向一端側へ移動すると、挿込部58の外周部と円孔60の内周部との摩擦でスプール18もその軸方向一端側へ移動しようとする。しかしながら、スプール18の軸方向一端部とフレーム16の脚板14とがスプール18の軸方向に対向しているため、スプール18がその軸方向一端側へ移動しようとすると、スプール18が脚板14に干渉されてその移動が規制される。
このため、上記のように、ロックベース54がスプール18の軸方向一端側へ移動すると、挿込部58は円孔60の奥へ更に入り込み、ロックベース本体57のスプール18と対向する面がスプール18の軸方向他端部に接近する。図6に示されるように、ロックベース本体57のスプール18と対向する面がスプール18の軸方向他端部に接近すると、ロックベース本体57のローレット加工部132とスプール18のローレット加工部134とが互いに係合する。
この状態では、スプール18に対するロックベース54の相対回転が規制されるので、ロックベース54の巻取方向への回転力がトーションシャフト22を介さずにスプール18に直接伝わり、スプール18を巻取方向に回転させる。このように、スプール18が巻取方向に回転することで、ウェビング20がその長手方向基端側からスプール18に巻取られ、乗員の身体に装着されたウェビング20の僅かな弛み、所謂「スラック」が解消され、乗員の身体がウェビング20により強固に拘束される。
一方、プリテンショナ82が作動した状態又はプリテンショナ82の作動直後には、ロック機構52が作動してロックパウル72のロック歯76がロックベース54のラチェット歯56に噛み合い、ロックベース54の引出方向への回転を規制する。この状態で、車両前方側へ慣性移動しようとする乗員の身体がウェビング20を引っ張ると、スプール18に引出方向への回転力が付与される。このようにしてスプール18に付与された引出方向への回転力がトーションシャフト22におけるシャフト本体24の機械的強度を上回ると、シャフト本体24にて捩じり変形が生じ、このシャフト本体24の捩じり変形分だけスプール18からウェビング20が引出されると共に、ウェビング20に付与された引出力の一部がシャフト本体24の捩じり変形に供されて吸収される。
ここで、本ウエビング巻取装置10では、プリテンショナ82が作動することでロックベース54が巻取方向に回転すると、ロックベース本体57のローレット加工部132がスプール18のローレット加工部134に係合してロックベース54の巻取方向への回転力をスプール18に直接伝えてスプール18を巻取方向に回転させるため、ロックベース54の巻取方向への回転力でトーションシャフト22のシャフト本体24に捩じれが生じないか、シャフト本体24に生じる捩じれが少ない。このため、ロック機構52が作動してロックベース54の引出方向への回転が規制された状態でスプール18から付与された引出方向への回転で、設定どおりの捩じれがシャフト本体24に生じ、適切な大きさの荷重(ウェビング20の引出力)を吸収できる。
しかも、ロック機構52が作動してロックパウル72のロック歯76がロックベース54のラチェット歯56に噛み合うには、引出方向へのロックベース54の回転を要する。上記のようにプリテンショナ82が作動してロックベース本体57のローレット加工部132がスプール18のローレット加工部134に係合した状態から、ロックベース54が引出方向に回転するとガイド部材124のガイド溝126に案内されてロックベース本体57がスプール18の軸方向他端側、すなわち、スプール18から離間する方向へ移動する。
これにより、ロックベース本体57のローレット加工部132とスプール18のローレット加工部134との係合が解消される。このため、ロックパウル72が係合して引出方向への回転が規制されたロックベース54に対し、スプール18が引出方向に回転可能になり、トーションシャフト22におけるシャフト本体24の機械的強度を上回る引出方向の回転力がスプール18に付与されることで、トーションシャフト22に捩じり変形を生じさせることができる。
しかも、スプール18の軸方向他端部とロックベース本体57との間にスプール18とロックベース54とを機械的に連結するための部材を特に介在させないため、スプール18の軸方向にウエビング巻取装置10が大型化せず、部品点数も増加しない。
なお、本実施の形態では、ロックベース本体57に形成されたローレット加工部132やスプール18に形成されたローレット加工部134を連結手段とした構成であったが、例えば、ロックベース本体57のスプール18と対向する側の面及びスプール18の軸方向他端側の面の少なくとも何れか一方に、ロックベース本体57がスプール18の軸方向他端側の面に接近することでロックベース本体57のスプール18と対向する側の面又はスプール18の軸方向他端側の面に弾性的に密着して、ロックベース本体57とスプール18とを一体的に結合するシート状の部材を連結手段としてもよい。また、ロックベース本体57がスプール18に接近して圧接することで、十分にロックベース54の巻取方向への回転力をスプール18に直接伝えることができるのであれば、上記のような連結手段を設けなくてもよい。
また、本実施の形態のロック機構52は、ロックベース54のロックベース本体57にラチェット歯56が形成されて、ロックベース54の回転半径方向外側に設けられたロックパウル72のロック歯76がラチェット歯56に噛み合うことでロックベース54、ひいては、スプール18の引出方向の回転を規制する構成であったが、ロック機構の構成がこのような構成に限定されるものではない。その一例が図8に示されている。
図8に示されるウエビング巻取装置160のフレーム16は、脚板12の代わりに脚板162を備えている。この脚板162には内歯のラチェット孔164が形成されている。また、ウエビング巻取装置160はロック機構52を備えておらず、代わりにロック機構172を備えている。ロック機構172はロック機構52のロックベース54と同様に挿込部58が円孔60に嵌挿されると共にトーションシャフト22のシャフト本体24(図8では何れも図示省略)に相対回転不能に繋がったロックベース174を備えている。ロックベース174のロックベース本体176にはスプール18とは反対側へ向けて開口したパウル収容部178が形成されており、このパウル収容部178内にはロックパウル180が収容されている。
車両が急減速したり、スプール18の引出方向への回転加速度が所定の大きさ以上になったりすることでロック機構172が作動すると、パウル収容部178からロックパウル180の先端側がロックベース174の回転半径方向外側へ移動して、これにより、ロックパウル180の先端側に形成されたロック歯がラチェット孔164のラチェット歯に噛み合う。これにより、ロックベース174の引出方向への回転、ひいては、スプール18の引出方向への回転が規制されるようになっている。
このような構成の場合、ロックベース174におけるロックベース本体176の外周部に、ガイド溝126を形成したガイド部材124を設けることで、ガイド溝126にラチェット孔164のラチェット歯の先端が入り込み、この状態でロックベース174が巻取方向に回転すると、ロックベース174がスプール18側へ移動する。したがって、上述した効果と同様の効果をこのような構成であっても得ることができる。
10 ウエビング巻取装置
14 脚板(規制手段)
16 フレーム
18 スプール
20 ウェビング
22 トーションシャフト
52 ロック機構
54 ロックベース
56 ラチェット歯
82 プリテンショナ
124 ガイド部材(変換手段)
126 ガイド溝
132 ローレット加工部(連結手段)
134 ローレット加工部(連結手段)
160 ウエビング巻取装置
162 脚板
164 ラチェット孔
172 ロック機構
174 ロックベース

Claims (3)

  1. 長尺帯状のウェビングの長手方向基端側が係止され、軸線周りの一方である巻取方向に回転することで前記ウェビングを基端側から巻取る筒状のスプールと、
    前記スプールの軸方向一端よりも他端側が前記スプールの内側で前記スプールに対して相対回転不能な状態で繋がり、一端側に対して前記スプールとの連結部分が前記巻取方向とは反対の引出方向に相対回転することで変形するトーションシャフトと、
    前記スプールとは別体で構成されて前記スプールの軸方向一端側に設けられて、前記軸方向他方への変位が可能で且つ前記トーションシャフトに対して前記軸線周りの相対回転が不能な状態で前記トーションシャフトに繋げられると共に、前記軸方向他方への変位により前記スプールに接して前記軸線周りの回転力を直接前記スプールに伝達可能なロックベースを有し、車両が急減速した場合や前記引出方向に回転する前記スプールの回転加速度が所定の大きさ以上の場合に作動し、作動することで前記ロックベースにおける前記巻取方向とは反対の引出方向への回転を規制するロック機構と、
    前記スプールの軸方向他端側に設けられて、作動することで前記ロックベースを前記巻取方向に回転させるプリテンショナと、
    作動した前記プリテンショナにより前記巻取方向に回転する前記ロックベースの回転力を前記軸方向一端側への力に変換して前記ロックベースを前記軸方向一端側へ変位させて前記スプールの軸方向他端部に圧接させる変換手段と、
    前記スプールの軸方向一端側に設けられ、前記軸方向一端側への前記スプールの変位を規制する規制手段と、
    を備えるウエビング巻取装置。
  2. 前記スプールを直接又は間接的に回転自在に支持するフレームに形成されて前記ロックベースが貫通可能な孔部の内周部及び前記孔部を前記ロックベースが貫通した状態で前記孔部の内周部に対向する前記ロックベースの外周部の何れかの一方に、前記フレーム及び前記ロックベースの何れか他方に設けられたロック部材のロック歯が噛み合うことで前記ロックベースの前記引出方向への回転を規制するラチェット歯を形成すると共に、前記孔部の内周部及び前記ロックベースの外周部のうち、前記ラチェット歯が形成されていない方に設けられ、前記ラチェット歯の先端に係合することで前記巻取方向に回転する前記ロックベースを前記軸方向一端側へ移動させるガイド溝を前記変換手段とした請求項1に記載のウエビング巻取装置。
  3. 前記スプールの軸方向他端部及び前記スプールの軸方向他端部と対向する前記ロックベースの軸方向一端部の少なくとも何れかの一方に設けられ、前記軸方向一端側へ前記ロックベースが変位することで、前記スプールの軸方向他端部に対する前記ロックベースの軸方向一端部の相対回転を抑制した状態で前記スプールの軸方向他端部に対する前記ロックベースと軸方向一端部を機械的に連結する連結手段を備える請求項1又は請求項2に記載のウエビング巻取装置。
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