JP5377088B2 - 靴下およびその編成方法 - Google Patents
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そのために、靴下を着用した時にこうした各部位にもフィットさせるために、特許文献1に示されるように、靴下を編成するときに、弾性糸を挿入し、この弾性糸の収縮力により所望する部位を締めこむことにより、異なる形状にもフィットさせるようにしたものが知られている。
したがって、例えばこうした組織の編地を脹脛や足挿入口部分に実施する場合、ずれ動きを防ぐためには弾性糸の張力を強いものにしなくてはならず、その結果、着用感を低下させるだけでなく、高齢者や糖尿病患者のように皮膚の弾性が低下したものの場合には、脹脛や足挿入口部分の血流を阻害したり、当該脹脛や足挿入口部分に圧迫痕を残したりしてしまうという問題があった
また、本発明の靴下の編成方法によれば、この弾性糸で形成される裏糸をニットとタックとを交互に繰り返した編成部分を、表糸と弾性糸からなる裏糸とでニットした編成部分とを繰り返して形成された収縮弾性編地部分により靴下の足挿入口部分乃至その近傍の編地部分を形成するだけの簡単な方法であり、既存の編機でも実施できる利点がある。
この靴下1は、図示は省略したが、編針を摺動可能に装着したニードルベッドを、その歯口部が近接する状態で側面視において“ハ”の字型で前後に配設し、各ニードルベッドの上面を摺動走行するキャリッジで各編針が進退摺動操作を可能にした周知の構造のいわゆる横編機を使用して5本の指袋を備えた指付き靴下に編成されている。
上記表糸はナイロン繊維やポリエステル繊維等の合成繊維や綿やシルク等の天然繊維、あるいはこれらの混紡が用いられ、裏糸としてポリウレタン繊維コアとしてその外周をカバーリング糸でカバーした、いわゆる弾性糸(FTY)が用いられている。
前記三本胴5と薬指用の指袋6とが合一された四本胴7が筒状に編成された後、小指用の指袋8が編成され、四本胴7と小指用の指袋8とが1つになった靴下1の五本胴9が所定コース分、編成される。
このとき、5本の指袋2・3・4・6・8から締め込み部分12が形成される足首部分13の直前までの筒状編成には、後述する図2の編成コース1および編成コース2にあるように、ナイロン繊維やポリエステル繊維等の合成繊維や綿やシルク等の天然繊維、あるいはこれらの混紡糸等からなる表糸16と前記の弾性糸とが同一編成コースで周回状に給糸されて編成されている。
図2では、左方の「コース」部分の数字はヤーンフィーダからの給糸による編成コース、英文字Bは横編機の前側のニードルベッド、Fは後側のニードルベッド、「方向」の矢印はヤーンフィーダを連行するキャリッジ(ともに図示せず)の摺動方向、「編成状態」は編針に給糸された編糸の種類をそれぞれ示す。
次に、編成コース3で弾性糸からなる裏糸17を前後のニードルベッドの編針に周回状に、給糸されるとき、ニットとタックとを交互に繰り返した状態で当該前後のニードルベッドの編針に給糸される。
以後この編成コース3乃至編成コース6の編成が適宜回数繰り返されて足挿入口15部分に至り、足挿入口15部分ではその端部が端部処理され、内方に折り曲げられて内面に縫着されると靴下1の編成が終了する。
また、タックされた弾性糸とその後に表糸16とともにニットされた弾性糸とが相互に絡み合っているので、張力が分散されて均一となる。
さらに、上記実施の形態では靴下1をつま先部分側から編成するようにしてあるが、足挿入口側から編み出すこともできるのはいうまでもないことである。
12・・・締め込み部分
15・・・足挿入口
16・・・表糸
17・・・裏糸
Claims (5)
- つま先部分から足挿入口部分もしくは足挿入口部分からつま先部分に向けて編糸が周回状に給糸されて編成され、少なくとも足挿入口部分乃至その近傍部分に弾性糸を挿入してなる靴下において、編糸が靴下の表面に現れる表糸と、裏面に現れる裏糸とからなり、裏糸が弾性糸で形成され、この弾性糸で形成される裏糸をその編成コース方向にニットとタックとを交互に繰り返した編成コースと、表糸と弾性糸からなる裏糸とでニットした編成コースとを1コースずつ交互に繰り返して、かつ前記タックがウエール方向に並ぶようにして形成された収縮弾性編地部分により靴下の足挿入口部分乃至その近傍の編地部分を形成したことを特徴とする靴下。
- つま先側部分に複数の指袋が形成されており、当該複数の指袋部分から足挿入口部分乃至その近傍部分までの筒状編地部分が、表糸と弾性糸からなる裏糸とで天竺組織で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の靴下。
- 編糸が編機の編針に周回状に給糸されて、つま先部分から足挿入口部分に向けて編み出され、もしくは足挿入口部分からつま先部分に向けて編み出され、周回状に給糸された編糸で筒状の足挿入口側部分が編成され、この足挿入口部分乃至その近傍部分に弾性糸が挿入されて編成される靴下の編成方法において、給糸される編糸が靴下の表面に現れる表糸と、裏面に現れる裏糸とからなり、裏糸が弾性糸で形成され、この弾性糸で形成される裏糸のみでその編成コース方向にニットとタックとを交互に繰り返した編成コースと、表糸と弾性糸からなる裏糸とでニットする編成コースとを1コースずつ交互に繰り返して、かつ前記タックがウエール方向に並ぶようにして形成した収縮弾性編地部分により、靴下の足挿入口部分乃至その近傍の編地部分を編成するようにしたことを特徴とする靴下の編成方法。
- 編機が、編針を進退摺動可能に収納されたニードルベッドを少なくとも前後1対設けてなる横編機であることを特徴とする請求項3に記載の靴下の編成方法。
- 複数の指袋の先端から編み出され、当該複数の指袋が合一された部分から足挿入口部分乃至その近傍部分までの筒状編地部分が、表糸と弾性糸からなる裏糸とで天竺組織で編成するようにしたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の靴下の編成方法。
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