JP5376925B2 - 断熱的ニトロ化によるニトロベンゼンの製造法 - Google Patents

断熱的ニトロ化によるニトロベンゼンの製造法 Download PDF

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Description

本願は、35U.S.C.§119(a)−(d)の下で、2007年12月11日に出願された、ドイツ特許出願第102007059513.3号の優先権を主張するものである。
本発明は、反応帯域中で、硫酸と硝酸との混合物によりベンゼンを断熱的にニトロ化することによるニトロベンゼンの連続的な製造法に関し、その際、該反応帯域中の硫酸を含有する水相が、硫酸を含有する水相の体積に対して900mg/l未満の、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの含分を有する。
本発明は、硫酸と硝酸との混合物(混酸)によりベンゼンを断熱的にニトロ化することによる、ニトロベンゼンの連続的な製造法に関する。このような方法は最初にUS特許明細書第2,256,999号において開示され、現在の実施態様は、例えばUS特許明細書第4,091,042号、US特許明細書第5,313,009号及びUS特許明細書第5,763,697号に記載されている。
上記の断熱的なニトロ化法は、共通の特徴として、出発物質であるベンゼン及び硝酸を、放出された反応熱及び反応の間に形成された水を受容する硫酸の大過剰で反応させるという事実を有している。反応を実施するために、硝酸及び硫酸が混合されていわゆる混酸が生じ、ベンゼンがこれに供給される。ベンゼンは硝酸と反応して水及び相当のニトロベンゼンを生じる。反応混合物の温度及びベンゼン、硝酸及び硫酸の濃度は、反応帯域の後に、ベンゼン、ニトロベンゼン、硫酸及び水の混合物が得られ、かつこの混合物が実質的に硝酸不含となるように選択される。このために必要とされる温度は、慣用的に70〜145℃である。混酸を確立するために、60〜98質量%の濃度の硝酸及び60〜96質量%の濃度の硫酸が慣用的に使用される。ベンゼンは、硝酸の量に対して少なくとも化学量論量で使用されるが、有利に、化学量論的に必要とされるベンゼンの量と比較して2〜10%過剰で使用される。前記方法及び前記パラメータは有利に本発明による方法において同様に実現される。
良好な完全混合が反応のために必要であるため、ベンゼンと硝酸とが反応する反応帯域は、撹拌槽、ループ型反応器又は管形反応器の装置を含むことができる。従って、複数の分散部材が管形反応器の長さにわたって分布して配置されており、かつベンゼン、硝酸及び硫酸及び水の強力な完全混合を保証する管形反応器が有利に使用される。使用することのできるそのような反応器及び分散部材の形状は、例えばUS特許明細書第4,994,242号及びUS特許出願第2003/0055300A1号に記載されている。前記方法及び前記パラメータは、有利に本発明による方法において同様に実現される。
反応帯域後に得られ、かつ実質的に硝酸不含である反応混合物は、相分離装置に供給され、この相分離装置中で2つの相が形成される。第一の相は粗ニトロベンゼンと呼称され、実質的に、ニトロベンゼン、ベンゼン及びニトロベンゼン中に溶解したある量の硫酸及び水を含有する。第二の相(廃酸とも呼称される)は、実質的に水、硫酸及び硫酸中に溶解したニトロベンゼンを含有する。
相分離装置は粗ニトロベンゼンと廃酸とを完全に相分離する用途を有しているため、他の特定の相の物理的に溶解可能な成分のみは分離不可能である。この物理的に溶解可能な成分のために、粗ニトロベンゼンは常にある量の硫酸を含有し、かつ廃酸は常にある量の粗ニトロベンゼンを含有する。前記方法及び前記パラメータは有利に本発明による方法において同様に実現される。
断熱的ニトロ化において、相分離装置中で分離された粗ニトロベンゼンは、慣用的に、かつ有利に、洗浄及び蒸留による後処理にも供される。これは例えばEP第1816117A1号に記載されている。
断熱的ニトロ化において、相分離装置中で分離された廃酸は、慣用的に、かつ有利に、水のフラッシュ蒸発のための装置中にも導入される。前記装置中で、減圧を適用し、かつ断熱措置により達成された廃酸の高温を利用することによって、水を廃酸から蒸発させて、実質的に反応帯域の前の濃度に相当する濃度の濃硫酸を得る。本発明による方法においても有利に利用される、従来技術において開示されたベンゼンの断熱的ニトロ化の実施態様によれば、フラッシュ蒸発により得られた硫酸(即ち循環酸)は中間槽中に捕集され、かつ完全に反応帯域中へ再循環される。反応熱は、硫酸の完全な再循環によって極めて効率的に利用される。硫酸の再循環によって、実質的に反応帯域、相分離装置、蒸発器、中間槽及び連結導管からなる硫酸循環が形成される。
わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンが、硫酸中の硫酸塩と一緒に、硫酸中に存在できることは当業者に公知である。前記金属には、元素Al、Ca、Cr、Mg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Sr、Cd及びBa、特にCa又はカルシウム及びFe又は鉄が含まれる。わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する前記金属イオンの濃度が溶解限度を超えた場合、金属硫酸塩は硫酸中で沈殿して固体を形成し、この固体は、沈殿し、かつ表面上か又は狭い箇所で蓄積するまで硫酸と共に循環中で搬送される。
従来技術において、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの溶解度限界が、溶液の温度、即ち硫酸の温度に大いに依存することは同様に公知である。従って、金属イオンは高温の硫酸中よりも低温の硫酸中で、より溶解性が低い。従って、金属硫酸塩は有利に低温の硫酸中か、又は硫酸が冷却される箇所で、例えば熱交換器中で、固体として得られる。この熱交換器中での固体の生成は問題があると見なされており、なぜならば、これは熱交換器の表面の被覆、従ってその結果伝熱係数の悪化を招き得るためである。この固体の生成は、熱交換器中の導管の自由断面積の低下に基づき、熱交換器を導通し得る材料の量をも制限する。第1表は、幾つかの選択された温度に対するカルシウム(Ca)及び鉄(Fe)に関する溶解度限界(mg/l)を示す(出典:K.-H. Wehde: Untersuchungen zum Loeslichkeitsverhalten anorganischer Sulfate und zur Waermeuebertragung bei der Aufkonzentrierung verunreinigter Schwefelsaeure, Doctorate Thesis, University of Essen, 1984, 第65頁及び第70頁):
Figure 0005376925
従来技術では、循環酸を搬送する全ての熱交換器の周期的なフラッシュによって、熱交換器中での金属硫酸塩の析出の上記の現象が考慮されている。この周期的なフラッシュにより、濃縮硫酸から晶出した金属硫酸塩が除去される。これは例えばDE第3409717C2号に記載されている。
更に、金属硫酸塩の問題となる堆積は、熱交換器中のみならず、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの濃度が固体の形成を招くのに十分なだけ高く、かつ温度が固体の形成を招くのに十分なだけ低い全ての箇所で、及び同時に、硫酸の流速又は硫酸を搬送する導管の横断面積がプロセスにとって問題となる金属硫酸塩の蓄積を招くのに十分に低い箇所でも起こりうることが確認された。
従って、金属硫酸塩の堆積は、熱交換器中のみならず、槽の底部で、例えば水準測定のような測定箇所で、及び意図的に小さな貫通孔を有する分散部材上での堆積としても確認され得る。そのような分散部材の例は、例えばUS特許第4,994,242号に記載されている。金属硫酸塩の堆積は同様に、意図的に水の蒸発中に硫酸が冷却されて酸の濃度が増加するフラッシュ蒸発器内でも生じ得る。金属塩の堆積は、更に、反応に続く後処理区画において、例えば、連行された金属硫酸塩のために、廃水処理においても形成されることがある。上記の従来技術によれば、これらの堆積の不利な影響を低減するために、当該の装置部材の周期的な清浄化が不可欠であると考えられている。しかしながら、この清浄化には製造における稼働休止期間、従って付加的なコストが付随する。
US特許明細書第2,256,999号 US特許明細書第4,091,042号 US特許明細書第5,313,009号 US特許明細書第5,763,697号 US特許明細書第4,994,242号 US特許出願第2003/0055300A1号 EP第1816117A1号 DE第3409717C2号
K.-H. Wehde: Untersuchungen zum Loeslichkeitsverhalten anorganischer Sulfate und zur Waermeuebertragung bei der Aufkonzentrierung verunreinigter Schwefelsaeure, Doctorate Thesis, University of Essen, 1984, 第65頁及び第70頁
ニトロ化から得られた硫酸中での金属イオンの低い含分が、硫酸の濃縮に対してプラスの効果を示すことが見出された。従って、ベンゼンのニトロ化から得られた反応混合物から水相を分離した後に得られた硫酸を含有する廃酸のフラッシュ蒸発(即ち、膨張を伴う蒸発)において、金属イオンの含分が低い場合、得られた濃縮硫酸中で、より高い硫酸濃度が達成される。これは恐らく、廃酸中での金属イオンの低い含分でのフラッシュ蒸発における水の改善された蒸発性に起因するものである。従って、900mg/l未満の金属イオンの低い含分を有する廃酸を用いた場合、それ以外は同一の条件下(即ち、廃酸の同一の温度、廃酸の同一の硫酸含分、フラッシュ蒸発器中での同一の圧力)でのフラッシュ蒸発の間に、0.25%までより高いH2SO4の濃度を有する濃縮硫酸が得られることが見出された。これは本願の実施例4及び実施例5に示されている。
従って本発明は、硫酸と硝酸との混合物によりベンゼンを断熱的にニトロ化する、ニトロベンゼンの連続的な製造法に関する。前記方法において、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの反応帯域中での濃度の合計は、硫酸を含有する水相の体積に対して900mg/l未満である。
更に、より低い金属イオン濃度が、硫酸の沸点の低下をも招き、この結果、同様に硫酸の濃縮に必要なエネルギーが低くなることが見出された。
本発明の課題は、固体の堆積、及び、これに付随する、例えば測定箇所の不良を招き得る閉塞の危険性を最小化し、かつ同時に、ニトロ化から生成された得られた硫酸を再度低いエネルギー消費で濃縮することのできる、安価でかつ確実な方法を提供することであった。
驚異的にも、硫酸及び硝酸を含有する混酸によるベンゼンのニトロ化において、水のフラッシュ蒸発により得られた硫酸を循環酸として再度反応帯域へ完全に再循環させるのではなく、部分的に排出し、かつ低い金属イオン含分の新鮮な硫酸に変えた場合に、析出した固体の金属硫酸塩を除去するための熱交換器及び硫酸を搬送する導管の清浄化を省略又は排除できることが見出された。
これに関連して、硫酸は排出され、反応帯域中の硫酸を含有する水相中でのわずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの濃度が、溶解度限界の濃度未満を維持するように、ある程度入れ替えられる。換言すれば、濃度は有利に、カルシウムに関しては100mg/l未満であり、かつ鉄に関しては有利に300mg/l未満である。本発明によれば、有利に、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する全ての金属イオンの濃度の合計は、反応帯域中の硫酸を含有する水相に対して900mg/l未満である。わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する全ての金属イオンの濃度の合計が500mg/l未満であるのが更に有利である。
わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオン900mg/l未満を含有する反応帯域中の硫酸を含有する水相は、本発明の複数の実施態様により、かつ特に、ベンゼンの断熱的ニトロ化によるニトロベンゼンの製造のための装置中で達成することができる。
本発明は、硫酸と硝酸との混合物によりベンゼンを断熱的にニトロ化することによるニトロベンゼンの連続的な製造法において、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの反応帯域中での濃度の合計が、硫酸を含有する水相の体積に対して900mg/l未満、有利に500mg/l未満であることを特徴とする方法に関する。
これに関連して、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンは、有利にAl(即ちアルミニウム)、Ca(即ちカルシウム)、Cr(即ちクロム)、Mg(即ちマグネシウム)、Mn(即ちマンガン)、Fe(即ち鉄)、Co(即ちコバルト)、Ni(即ちニッケル)、Cu(即ち銅)、Sr(即ちストロンチウム)、Cd(即ちカドミウム)及びBa(即ちバリウム)、及び特に有利にCa(カルシウム)及びFe(鉄)である。有利に、反応帯域中に存在する前記金属イオン(即ち、Al、Ca、Cr、Mg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Sr、Cd及びBa)の含分の合計は、硫酸を含有する水相の体積に対して、800mg/l未満、更に有利に450mg/l未満である。
本発明によれば、方法は有利に以下のように実施される:
出発物質であるベンゼン及び硝酸は、放出された反応熱及び反応の間に形成された水を受容する硫酸の大過剰で反応される。反応を実施する方法に関して、硝酸及び硫酸が混合されていわゆる混酸が生じ、ベンゼンがこれに供給される。ベンゼンは硝酸と反応して水及び相当のニトロベンゼンを生じる。反応混合物の温度及びベンゼン、硝酸及び硫酸の濃度は、有利に、反応帯域の後に、通常はニトロ化反応器中で、ベンゼン、ニトロベンゼン、硫酸及び水の混合物が得られるように選択される。前記混合物は実質的に硝酸不含である。このために必要とされる温度は、慣用的に70〜145℃である。混酸を確立するために、60〜98質量%の濃度の硝酸及び60〜96質量%の濃度の硫酸が慣用的に使用される。ベンゼンは、有利に硝酸の量に対して少なくとも化学量論量で使用される。しかしながら更に有利に、ベンゼンは、化学量論的に必要とされるベンゼンの量と比較して2〜10%過剰で使用される。
ベンゼンと硝酸とが反応する反応帯域は、撹拌槽、ループ型反応器又は管形反応器の装置を含むことができる。良好な完全混合が反応のために必要である。従って、複数の分散部材が管形反応器の長さにわたって材料の分配のために配置されており、かつベンゼン、硝酸及び硫酸及び水の強力な完全混合を保証する管形反応器が有利に使用される。本発明により使用することのできるそのような反応器及び分散部材の形状は、例えばUS特許明細書第4,994,242号及びUS特許出願第2003/0055300A1号に記載されており、これにより前記開示は参照により組み込まれる。
反応帯域後に得られ、かつ実質的に硝酸不含である反応混合物は、相分離装置に供給され、この相分離装置中で2つの相が形成される。第一の相は粗ニトロベンゼンと呼称され、実質的に、ニトロベンゼン、ベンゼン及びニトロベンゼン中に溶解したある量の硫酸及び水を含有する。第二の相は廃酸と呼称され、実質的に水、硫酸及び硫酸中に溶解したニトロベンゼンを含有する。
相分離装置は粗ニトロベンゼンと廃酸とを完全に相分離する用途を有しているため、他の特定の相の物理的に溶解可能な成分のみは分離不可能である。この物理的に溶解可能な成分のために、粗ニトロベンゼンは常にある量の硫酸を含有し、かつ廃酸は常にある量の粗ニトロベンゼンを含有する。
本発明によれば、相分離装置中で分離される粗ニトロベンゼンは、その後有利に、洗浄及び/又は蒸留による後処理に供される。洗浄及び蒸留のための適当な方法は、例えばEP第1816117A1号(US特許明細書第7,326,816号に相当)に記載されており、これにより前記開示は参照により組み込まれる。
相分離装置中で分離された廃酸は、有利に、水の迅速な蒸発(フラッシュ蒸発)のための装置中に導入される。前記装置中で、減圧を適用し、かつ断熱措置により達成された廃酸の高温を利用することによって、水を廃酸から蒸発させて、濃硫酸を得る。実際に、前記の濃硫酸の濃度は実質的に反応帯域の前の濃度に相当する。本発明による方法においても有利に利用されることができる、ベンゼンの断熱的ニトロ化の既に公知の実施態様において記載された通り、蒸発により得られた硫酸は中間槽中に捕集され、かつ完全に反応帯域中へ再循環される。再循環された硫酸は循環酸とも呼称される。反応熱は、硫酸の完全な再循環によって極めて効率的に利用される。硫酸の再循環によって、実質的に反応帯域、相分離装置、蒸発器、中間槽及び連結導管からなる硫酸循環が形成される。
驚異的にも、ニトロ化に使用される硝酸が、ベンゼンの断熱的ニトロ化によるニトロベンゼンの製造のための製造装置中への金属イオンの導入のための必須源であることが見出された。金属イオンは腐食により硝酸中へ侵入し(例えばFe、Ni、Cr、Al)、その際、腐食は硝酸装置/部材自体の中か、又は輸送媒体(例えばパイプライン、船等)中で生じ得るか、又は、硝酸の製造において使用される水によりもたらされる(例えばMg、Ca、Ba)。従って、高品質の硝酸を用いることによって、循環酸中での金属イオンの濃度を制限することができる。循環酸中での金属イオン濃度の増加を回避するために、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオン10mg/l未満、更に有利に5mg/l未満、更に有利に1mg/l未満を含有する硝酸が有利に使用される。
循環酸中で、従って、反応帯域中での硫酸を含有する水相中でも、金属イオンの蓄積を完全に排除するためには、金属イオン不含の硝酸を使用しなければならないであろう。しかしながら、そのような硝酸の準備及び輸送は現実的ではないため、循環酸中及び反応帯域中での硫酸を含有する水相中で低い金属イオン濃度を達成するためには、他の方法が有利である。
驚異的にも、循環酸を従来技術において記載されたように反応帯域へ完全に再循環させるのではなく、そのかわりに、循環酸の一部を排出し、かつより低い金属イオン含分を有する同等か又はより高い濃度の硫酸(即ち、65質量%を上回るH2SO4)に変えた場合に、相分離及び濃縮の後に得られた濃縮及び再循環された硫酸(循環酸)中の、及び反応帯域中での硫酸を含有する水相中の金属イオン濃度を、極めて効率的に調節できることが見出された。このために、循環酸は、有利に少なくとも反応帯域、相分離装置、蒸発器、中間槽及び連結導管からなる硫酸循環の所望の箇所で排出され、かつ、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの所望の濃度が達成されるまで、新鮮な硫酸が硫酸循環の他の所望の箇所で供給され、その際、前記濃度は、本発明によれば、反応帯域中の硫酸を含有する水相中で900mg/l未満である。
新鮮な硫酸の供給のために、少量の循環酸も硫酸循環からすでに抜き取られ、粗ニトロベンゼン中に溶解して相分離装置を去ることを考慮しなければならない。一般に、粗ニトロベンゼン中に溶解した硫酸の量は、相分離装置中で慣用の120〜145℃の温度で粗ニトロベンゼンの0.25質量%の値を超えない。更に、粗ニトロベンゼンと共に排出された硫酸の全量は、溶解した形で存在するのではなく、粗ニトロベンゼン中の別個の第二の相(エマルション)として存在し、かつ、本発明の文脈において、排出された硫酸の量と解釈すべきである。
循環酸の排出及び新鮮な硫酸の供給は、新鮮な硫酸が循環酸と同等か又はそれよりも高いH2SO4の濃度を有し、かつ、新鮮な硫酸が排出された循環酸よりも著しく低い金属イオンの含分を有する場合にのみ有効であることが判明した。本発明によれば、H2SO4の濃度が有利に65質量%を上回り、更に有利に70質量%を上回り、更に有利に95質量%を上回り、かつ、有利に100mg/l未満、更に有利に50mg/l未満の、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの含分を有する硫酸が、排出された循環酸の代わりとして使用される。
上記の3つの個々の方法を用いることにより、又は有利にこれらを組み合わせることにより、900mg/l未満のわずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの含分が、反応帯域中の硫酸を含有する水相中に存在することが保証される。断熱的ニトロ化によるニトロベンゼンの製造法におけるそのような水相又は硫酸の利用は、以下の通り多数の利点をもたらす。
金属イオンの低い濃度に基づき、わずかに可溶性の金属硫酸塩は、反応帯域中でも循環中でももはや析出しない。結果として、慣用的に96質量%の濃度を有する硫酸を用いて実施され、かつ、時として汚染された装置の分解につながり、このように極めて時間がかかり、かつコストの高い、熱交換器、測定箇所及び中間槽の清浄化は、省略又は排除される。従って、本発明による方法により、装置/部材の利用可能性が向上し、かつメンテナンスの費用が低下する。
反応帯域中の硫酸を含有する水相中で、又は循環中に導入された硫酸中での低い金属イオン濃度に基づき、固体が反応帯域中で、例えばノズル又は意図的に慣用的に小さな貫通孔を有する分散部材中で蓄積し、それにより、反応帯域中での完全な混合が制限されて、ベンゼンの断熱的ニトロ化の不完全な進行を招くような、多量の金属硫酸塩が固体の形で得られる危険性はもはやない。これが生じた場合、循環酸は完全に入れ替えられねばならない。循環酸の完全な入れ替えは、実験室の極めて高い費用及び高度の貯蔵、廃棄及び交換コストを招く。この費用は、本発明により、循環酸の連続的な排出及び入れ替えにより著しく低下する。
反応帯域中の硫酸を含有する水相中で、又は循環中に導入された硫酸中での低い金属イオン濃度に基づき、濃縮のためにフラッシュ蒸発器中に導入された硫酸は、高められた伝熱係数又は高められた沸点を有しない。従って、濃縮のためのエネルギーに関して、要求が増すことはない。
反応帯域中の硫酸を含有する水相中で、又は循環中に導入された硫酸中での低い金属イオン濃度に基づき、相分離装置から得られた粗ニトロベンゼン流も、金属イオンのより低い含分を有する。なぜならば、その中に溶解されているかもしくは第二の相として存在している硫酸は、金属イオンのより低い含分を有しているためである。これにより、金属硫酸塩が熱交換器中で析出し、かつ場合により熱交換器を閉塞し得る危険性なしに、狭い貫通孔を有する熱交換器にこの粗ニトロベンゼン流を導通させる可能性が開かれる。このようにして、相分離装置を去り、かつ通常120〜145℃の温度を有する粗ニトロベンゼンを、熱交換器を用いて反応帯域内に供給されたベンゼン又は硝酸の予熱に用いることができる。この方法により、粗ニトロベンゼンのための冷却コスト及び循環酸のための加熱コストが節約される。
本発明による方法は、従来技術において見出されなかった多数の特徴点により特徴付けられる。従って、900mg/l未満、有利に500mg/l未満の、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの含分を有する反応帯域中での硫酸を含有する水相を用いた場合、ベンゼンの断熱的ニトロ化によるニトロベンゼンの製造において、装置/部材のより高い利用可能性、より低いメンテナンスコスト及びより低い運転コストが達成される。結果として、金属硫酸塩が熱交換器中で析出し、かつ場合により熱交換器を閉塞し得る危険性なしに、出発物質であるベンゼン及び/又は硝酸の流れを予熱するために、熱を熱交換器中で利用することのできる粗ニトロベンゼンが得られる。低い金属イオン含分の硝酸を使用し、かつ循環酸の一部を連続的か又は周期的に排出し、かつ低い金属イオン含分を有する同等か又はより高い濃度の新鮮な硫酸と入れ替えることによって、低い金属イオン濃度を達成することができる。
固体の金属硫酸塩は例外的にいかなる場所でも形成されると考えられるが、該金属硫酸塩は、80質量%を上回る、有利に96質量%を上回るH2SO4の濃度を有する硫酸を用いて再度溶解されることができる。
以下の実施例により、本発明の方法を更に詳説する。前記開示において記載された本発明は、これらの実施例により趣旨及び範囲のいずれも限定されるべきではない。当業者は以下の手法の条件の公知の変法を用いることができることを容易に理解するであろう。他に記載がない限り、全ての温度は摂氏であり、全てのパーセンテージは質量パーセンテージである。
実施例1(比較例)
断熱的ニトロ化によるニトロベンゼンの製造法を、ベンゼン及び混酸の完全混合のために入口に分散部材を有する反応帯域で運転し、その際、原子吸光分析を用いて循環酸中でカルシウム46mg/l及び鉄950mg/lの金属含分を検出した。ニトロ化法を前記循環酸を用いて運転した。生じた、反応帯域中の硫酸を含有する水相は、硫酸を含有する水相の体積に対して950mg/lの、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの含分を有していた。
その後、カルシウム29mg/l及び鉄5mg/lを含有する硝酸を、断熱的ニトロ化のために使用した。ベンゼンのニトロ化の間の前記硝酸の消費及び反応帯域への循環酸の完全な再循環に基づき、循環酸中の金属イオンの濃度は、カルシウム180mg/l及び鉄1200mg/lに増加した。従って、相当な量の金属硫酸塩が反応帯域の入口で分散部材上に析出し、その結果、分散部材の圧力損失は13.5から14.5バールへと増加し、かつ硫酸の可能な流量は18%減少した。結果として、ニトロベンゼンの生産性は16%低下した。結果として、装置/部材を停止し、かつ反応帯域を高価な方法で96%濃度の硫酸を用いて清浄化しなければならなかった。なぜならば、実質的に水からなるプロセス凝縮物を用いた清浄化は成功しないためである。
実施例2(比較例)
混酸を用いたベンゼンの断熱的ニトロ化によるニトロベンゼンの製造法を、カルシウム70mg/l、アルミニウム20mg/l、ニッケル80mg/l、クロム120mg/l及び鉄660mg/lの金属含分を有する(わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの合計が950mg/lと記載することもできる)循環酸を用いて運転した。原子吸光分析を用いて、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する他の金属イオンは検出されなかった。ニトロ化法を前記循環酸を用いて運転した。反応帯域中の硫酸を含有する水相は、硫酸を含有する水相の体積に対して905mg/lの、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの含分を有していた。
相分離装置中で得られた粗ニトロベンゼンを、プレート式熱交換器中でベンゼンを予熱するのに利用し、一方で、循環硫酸を完全に反応帯域へ再循環させた。わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの含分が合計で10mg/l未満である硝酸を、6週間の期間にわたってニトロ化に使用した。反応帯域中で硫酸を含有する水相は、6週後に、硫酸を含有する水相の体積に対して675mg/lの、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの含分を有していた。
6週後、プレート式熱交換器の貫通孔は、析出した金属硫酸塩により部分的に閉塞した。貫通孔が部分的に閉塞されたことによって、製造される粗ニトロベンゼンの量は前記の孔を完全に導通することができず、かつ相分離装置中に返送され、その結果、相分離が損なわれた。これにより、プレート式熱交換器を分解し、清浄化する必要が生じた。
実施例3(本発明による実施例)
混酸を用いたベンゼンの断熱的ニトロ化によるニトロベンゼンの製造法を、カルシウム90mg/l、アルミニウム10mg/l、ニッケル10mg/l、クロム10mg/l及び鉄100mg/lの金属含分、又はわずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの合計220mg/lを有する循環酸を用いて運転した。原子吸光分析を用いて、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する他の金属イオンは検出されなかった。ニトロ化法を前記循環酸を用いて運転した。反応帯域中の硫酸を含有する水相は、硫酸を含有する水相の体積に対して200mg/lの、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの含分を有していた。
相分離装置中で得られた粗ニトロベンゼンを、プレート式熱交換器中でベンゼンを予熱するのに利用した。
12週の期間にわたって、0.9m3の量の循環酸を連続的に毎日排出し、かつH2SO4の96質量%の濃度を有する硫酸0.7m3で置き換えた。前記期間にわたる、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオン(即ち、Fe、Cr、Ni、Al及びCa)の平均含分は、入れ替えのために使用された96質量%濃度の硫酸に関する50mg/l及び硝酸に関する1mg/lの合計であった。12週間の期間の後、熱交換器中に堆積物は形成されず、かつ反応帯域を通過し得る流量に変化はなかった。6週後、反応帯域中の硫酸を含有する水相は、硫酸を含有する水相の体積に対して400mg/lの、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの含分を有していた。
実施例4
混酸を用いたベンゼンの断熱的ニトロ化によるニトロベンゼンの製造法を、初めに、(本発明による)実験の第一のパスにおいて、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの600mg/lの金属含分を有し、かつ最終的に、(本発明によらない)実験の第二のパスにおいて、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの1350mg/lの金属含分を有する循環酸を用いて二段階の実験で運転した。
フラッシュ蒸発器により蒸発する水の量は、毎時約10トンであった。フラッシュ蒸発器中での温度及び圧力は、実験の2つのパスにおいて同一であり、かつ工業規模で一定であった(即ち、最大偏差は±0.5℃及び±1ミリバールであった)。それにもかかわらず、実験の第一のパスの間に、実験の第二のパスの間に得られた硫酸よりも0.25質量%高いH2SO4の濃度を有する硫酸が得られた。
実施例5
実施例4に従って2つのパスでの実験を繰り返した。今回は、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの含分は、(本発明による)実験の第一のパスの間に400mg/lであり、かつ(本発明によらない)実験の第二のパスの間に1900mg/lであった。フラッシュ蒸発器により蒸発する水の量は、毎時約8トンであった。フラッシュ蒸発器中での温度及び圧力は、実験の2つのパスにおいて同一であり、かつ工業規模で一定であった(即ち、最大偏差は±0.5℃及び±1ミリバールであった)。実験の第一のパスの間に、実験の第二のパスの間に得られた硫酸よりも0.10質量%高いH2SO4の濃度を有する硫酸が得られた。
本発明を、説明を目的として前記において詳説したが、このような詳細は単にこの目的のためだけものであり、請求項により限定され得るものを除き、当業者によって本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく変法が作られることができると理解すべきである。

Claims (3)

  1. ニトロベンゼンの連続的な製造法において、硫酸と硝酸との混合物によりベンゼンを断熱的にニトロ化し、その際、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンの反応帯域中での濃度の合計が、硫酸を含有する水相の体積に対して900mg/l未満であることを特徴とする方法であって、ニトロ化工程において得られた反応混合物を水相と有機相とに分離し、水相から水を蒸発させ、かつ、生じた濃縮硫酸の少なくとも一部をニトロ化工程へと再循環させ、かつ、65質量%を上回る濃度を有する硫酸を付加的にニトロ化工程に導入する、前記方法。
  2. ニトロ化工程に付加的に導入される前記硫酸が、わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンを100mg/l未満含有する、請求項1記載の方法。
  3. わずかに可溶性の金属硫酸塩を形成する金属イオンが、Al、Ca、Cr、Mg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Sr、Cd及び/又はBaであり、反応帯域中に存在する前記金属イオンの含分の合計が、硫酸を含有する水相の体積に対して、800mg/l未満である、請求項1記載の方法。
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