JP2023536798A - ピッチプロセス及び生成物 - Google Patents

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Abstract

中間相ピッチ及び/または等方性ピッチを作るためのプロセスである。アロマリッチ液は、勢いよく流れる等方性リッチ液を生成するために高温及び高圧で第1の熱重合反応器に充填される。残りの液体は、中間相ピッチを生成するために第2の熱反応器に充填される。反応器は管型反応器またはCSTRのどちらかであり得る。炭化繊維もしくは黒鉛繊維、発泡体、ブロック、シート、または球体は中間相ピッチから生成され得る。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
最近の2つの特許、米国特許第9222027号明細書及び米国特許第9376626号明細書に関連し、それらの特許は参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明は等方性ピッチまたは中間相ピッチの形成に関する。
等方性ピッチまたは中間相ピッチを作ることに関する多くの研究が行われている。上述の2つの最近の特許は、各々、等方性ピッチ及び中間相ピッチを対象としている。
上記の特許のアプローチは、等方性ピッチ及び中間相ピッチを作るために利用可能な最高の技術であると考えられているが、これらのプロセスを改善する目的で研究を継続している。2段プロセスを改善し、また、単一段プロセスの向上をもたらすように開発が行われている。
米国特許第9222027号明細書 米国特許第9376626号明細書 米国特許第3503865号明細書
本発明は、等方性ピッチまたは中間相ピッチを作ることに関する、これらのプロセスを改善することを目的とし、改善した2段プロセス、また、向上をもたらすように開発された単一段プロセスに関して提供する。
適切に、本発明は、中間相ピッチをアロマ液から生成するための2段プロセスであって、2段プロセスは、2環及び3環のアロマの少なくとも20wt%を、等方性ピッチに及び軽質の正常ガス状炭化水素に転化するために、熱重合を誘発するのに十分に高い温度と、液相中の2環及び3環のアロマの少なくとも一部を維持するのに十分に高い圧力とを含む熱重合条件で動作する第1の段の反応器に供給量を充填することによって、また、第1の段の反応器の廃水を放出することによって、2環及び3環のアロマの少なくとも一部を含むアロマ液の供給量を熱重合することと、第1の段の反応器の廃水を勢いよく流し、第1の段の熱重合反応器の絶対圧力の半分未満の絶対圧力を有するフラッシュゾーンで、少なくとも、軽質の正常ガス状炭化水素の大部分を除去し、急流廃水液体流を生成することと、第1の段の反応器の絶対圧力の半分未満の圧力と、急流廃水液の重量の少なくとも1/3を中間相ピッチに転化するための温度とを含む中間相形成条件で、第2の段の反応器で急流廃水液体流から中間相ピッチを形成することと、生成物として第2の段反応器から中間相ピッチを回収することと、を含む。
別の実施形態では、本発明は、中間相ピッチから作られた炭素繊維、黒鉛繊維または炭素発泡体を提供し、2環及び3環のアロマの少なくとも20wt%を、等方性ピッチに及び軽質の正常ガス状炭化水素に転化するために、熱重合を誘発するのに十分に高い温度と、液相中の2環及び3環のアロマの少なくとも一部を維持するのに十分に高い圧力とを含む熱重合条件で動作する第1の段の反応器に供給量を充填することによって、また、第1の段の反応器の廃水を放出することによって、2環及び3環のアロマの少なくとも一部を含むアロマ液の供給量を熱重合することと、第1の段の反応器の廃水を勢いよく流し、第1の段の熱重合反応器の絶対圧力の1/2未満の絶対圧力を有するフラッシュゾーンで、少なくとも、軽質の正常ガス状炭化水素の大部分を除去し、急流廃水液体流を生成することと、第1の段の反応器の絶対圧力の1/2未満の圧力と、急流廃水液の重量の少なくとも1/3を中間相ピッチに転化するための温度とを含む中間相形成条件で、第2の段の反応器で急流廃水液体流から中間相ピッチを形成することと、第2の段の反応器から中間相ピッチを回収し、中間相ピッチの従来の処理によって、中間相ピッチを炭化繊維もしくは黒鉛繊維、発泡体、ブロック、シート、または球体のうちの少なくとも1つに転化し、プロセスの生成物として、炭化繊維もしくは黒鉛繊維、発泡体、ブロック、シート、または球体のうちの少なくとも1つを回収することと、によって炭素繊維、黒鉛繊維または炭素発泡体が作られる。
図は、中間相ピッチをアロマ液から生成するための2段プロセスの実施形態の概略図を示す。ろ過されたアロマ液1から成る未使用の原料は給水タンク2に供給され、次に、ポンプ3を介してライン103に充填され、ライン4で再利用された重質アロマ流と混合され、混合供給ドラム5に放出される。混合供給量はライン106を介して採取され、ポンプ7は、加熱炉8に放出するために圧力を増加させる。次に、加熱された混合供給量は、ライン108を介して第1の段の管型反応器9に充填され、供給量は等方性ピッチ及び中間相ピッチの混合物に部分的に転化される。反応器の廃水は、第1の段の反応器からライン10を介して放出され、減圧弁11を通過し、圧力が減る。次に、部分的に転化した急流の混合物は、ライン12を介して加えられた過熱蒸気と混合し、ライン113のボイラーへの給水を蒸気ボイラー/過熱器13を通過させることによって生成される。蒸気と炭化水素のモル比は、常に、1:1よりも大きく、例えば、3:1である。結果として生じるライン14の混合物は、第2の段の管型反応器15に供給され、追加の中間相が形成される。第2の段の反応器の廃液は、ライン16を介して、蒸気/液体分離器17に放出される。この分離器を出る液体流18は、85~90wt%の中間相ピッチを含み(残部は主に等方性ピッチであり)、未使用の原料で88wt%の収率を表す。液流18は、ピッチ冷却及び固化システム19に液流18を供給することによって保管及び分配するために回収される。蒸気/液体分離器17からの蒸気20は、グリコール冷却システム23からグリコール/水冷却流22を使用して、シェル型及び管型の熱交換器21で155°Cまで冷却される。原料/生成物交換、フィン型ファン冷却器による空気冷却、または冷却塔からの冷却水等、いずれかの他の従来の冷却手段を使用し得る。冷却蒸気流24は蒸気/液体分離器25に送られ、重質アロマ流26は底部から取り除かれ、重質アロマタンク27に簡単に保管される。次に、この重質アロマ物質はライン127及びポンプ28を介して採取され、ライン29を介して供給ドラム5への再循環、または空気冷却器30による冷却のどちらかが行われ、ライン131を介して、保管用の重質アロマタンク31に送られ、ライン133、ポンプ32、及びライン132を介して送り出され、これらは、価値のある副生成物、例えば、アロマリッチ溶剤として販売するために行われる。蒸気/液体分離器25から33を介して除去された上空の蒸気は、空気冷却器34で49°Cまで冷却され、3相分離器35にライン134を介して放出される。蒸気相はライン36を介して上空で除去される。復水からの水は、ライン37を介して分離器の底部から除去される。軽質炭化水素流は、ライン38を介して除去され、軽質炭化水素の保管タンク39に放出され、ライン140、ポンプ40、及びライン141を介して送り出される。
図1は、中間相ピッチをアロマ液から生成するための2段プロセスの実施形態の概略図を示す。
管型反応器の供給量、生成物、及び化学反応の条件についての詳細は、参照によって、組み込まれる前述の関連特許に説明されているため、ここでは、その説明を繰り返さない。
第1の段
管型反応器及び比較的高圧が好ましい。前述の著作物と異なる内容は、ピッチ分子へのアロマの転化を推進することである。前述の特許では、等方性ピッチ生成物の中間相の含有量を好ましくは1wt%以下に制限しようとしていた。等方性ピッチが所望の生成物であるとき、これは有効であり、優れたアプローチであるが、等方性ピッチ生成物の一部または全てが中間相ピッチに転化されとき、必ずしも最適ではない。中間相が最終目標に達したとき、1wt%よりも大きい中間相、好ましくは2~5wt%よりも大きい中間相、理想的には10~25wt%よりも大きい中間相、またはさらに、それ以上の割合で汚染した等方性ピッチを生成するプロセスの第1の段を動作させることが有益になり得る。
第1の段から生じたこの汚染した生成物は、「魚でも鳥類」ではなく、等方性ピッチ生成物としてほどんど価値がないが、それは、第2の反応段への理想的な充填ストックであり、第2の反応段では、追加の熱重合により商品になる中間相生成物を作る。第1の段で勢いよく流すことで、熱重合及び熱脱アルキルの副生成物とし形成された軽質ガスを除去し、また、好ましくは、2環及び3環のアロマ化合物を除去する。第2の段の反応器では、低圧により中間相形成を促進する。2環及び3環のアロマ化合物が中間相形成を妨げると考えられるため、それらを除去する。
第1の段が連続かくはん槽型反応器(CSTR)で行われるとき、化学反応及び一般的なアプローチは同様であるが、異なる制約及び懸念事項がある。等方性ピッチを形成する熱反応及び制限された範囲の中間相ピッチに対する熱反応は同じであるが、反応物質は若干異なり、多くの場合、許容できる中間相の量はかなり減る。
通常、CSTRは底部のかくはん液及び上部の蒸気空間を伴うかくはん槽から成るため、CSTRの反応物質は異なる可能性がある。管型反応器の蒸気及び液体の強い接触と比較して、接触がかなり減るため、蒸気相の物質は液相中の物質と反応しにくい期間がある。
許容できる第1の段の生成物の中間相の量は、常に、管型反応器で許容できる量よりも少ない。管型反応器は全体が移動している状態を維持し、その壁は、かなりの程度まで、管型反応器を流れる流体によってきれいにそそがれる。その状況は、高固形物を伴うミシシッピー川からの冷却水の使用を試みる精製業者が経験する状況と同様である。汚い冷却水を使用できるが、管型熱交換器にあるときだけ、また、流量が多く維持されるときだけ使用できる。一般的なCSTRでは、槽の壁及びインペラの羽根または他の混合デバイスは、いくつかの中間相を許容できるが、一般に、管型反応器で許容できる量と同じ量ではない。
第1の段の圧力は、液相中の2環及び3環のアロマをさらに維持するのに高くするべきである。これらのアロマ物質は等方性ピッチに転化できるが、一般に、アロマ物質が液相中にあるときだけ転化される。
第2の段
第2の段は、管型反応器を使用するとき、中間相生成に関する前述の特許に説明されるように動作できる。
第2の段の圧力は、第1の段の圧力と比較して、絶対的に少なくとも50%減るはずである。最大の中間相生成及び濃度が目標に達したとき、好ましくは、少なくとも、2環及び3環のアロマ化合物のモル濃度の大部分を蒸発させるために、圧力を十分に低く、温度を十分に高くすることである。これらの2環及び3環のアロマは中間相形成を妨げる傾向があるため、それらを最適に除去する。
CSTR反応器を使用するとき、熱反応器が詰まらないように、設計上及び動作にさらに高度の注意が必要である。中間相の含有量は、概して、50wt%を上回り、この物質はコークスをすぐに形成するのに十分に高温であり、槽またはインペラをすぐに詰まらせるのに十分に粘着性がある。高速のインペラ速度及び/または揺動型反応器を使用することによって、CSTR動作は、ある程度まで長期になる可能性がある。
CSTRが管型反応器を上回る利点の1つとして、CSTRを建設するのが安価であり、小さな設置面積だけが必要であることがある。
好ましくは、第2の段の反応器に放出した急流排水の外部加熱はほとんどない。好ましくは、第2の段の外部加熱はほとんどない。これにより、これらが中間相リッチであるため、コークスになりやすい物質は、高温面にコークスが生じる傾向がある。
熱平衡
プロセスの第2の段の加熱要件は、好ましくは及び主に、供給装置によって供給される。第1の段の反応器への供給量及びそれから生じる生成物は、例えば、加熱炉での従来のかなりの加熱、または溶融金属槽もしくは溶融塩分槽の浸水を許容できる。第1の反応器で発生する熱反応は、主に、時間及び温度によって調整される。10°Cの温度上昇ごとに反応速度が大体2倍になるため、第1の反応器を高温で作動することで、反応器サイズの減少が可能になり得る。
第1の段の反応器の廃液は、軽質端及び2環及び3環のアロマ化合物を除去するために勢いよく流されるとき、かなり冷却される。この急流から生じる残りの液体は、まだ非常に高温であり、多くの場合、第2の段の反応器で熱重合を誘発するのに十分に高温である。追加の熱は、過熱流体、好ましくは、過熱蒸気の形態で、第2の段の反応器に加えられ得る。第2の段の反応器が第1の段よりもかなり低圧で動作するため、低圧動作により、建設費をかなり減らすことができる。反応器の滞留時間は、大きい内径及び/もしくはより長い長さの管型反応器を使用することによって、または大きいCSTRを使用することによって増加し得る。
追加の滞留時間は、複数の反応器を直列で使用することによって、または第2の反応器の廃液の一部を第1の反応器に戻して再利用することによって実現され得る。通常、以前は普通運転が好ましかったが、これは、資本コスト及び運転コストの両方が減り、第2の反応器からの液体排出物が中間相リッチになりコークスがすぐに生じるためである。
CSTR反応器を使用するとき、また、熱は、混合または力学的エネルギーによっても加えられ得る。従来の混合用インペラによって、エネルギーを加えることができる。自由エネルギーを利用するのではなく、むしろ、電気ポンプまたは蒸気駆動式ポンプは、強力な混合によって、エネルギーを第2の反応器に移送する。米国特許第3,503,865号明細書,「COAL LIQUEFACTION PROCESS」,Stoneに開示されている、石炭を加熱するためのマイクロ波の使用等、例えば、超音波エネルギーまたはマイクロ波エネルギーの他の形態のエネルギーが加えられ得る。
例示的な実施形態
以下に続くデータ及び考察は、重要な推定及び推量によるプロセスの異なる部分に関する制限された実験室での実験に基づいている。それらは合理的に信頼性がある推定であるが、実際の実験結果ではない。
ケース1-2つの管型反応器
これは、図によって示された反応器設計である。図に関連付けられた考察は主に中間相生成物を対象としているが、その設計により、中間生成物または最終生成物のどちらかとして、比較的純粋な等方性ピッチの回収を可能にする。第1の管型反応器の転化が生成物で許容できる中間相の量によって制限されるとき、比較的純粋な等方性ピッチは中間生成物として回収され得る。この場合、供給量のほとんどが等方性ピッチに転化されるように、第1の段の反応器が動作するが、中間ピッチ生成物が、2wt%未満の中間相、または1wt%未満の中間相、または0.5wt%以下の中間相を有するように転化を制限する。これにより、中間相の生成を全体的に最大にしないが、中間分離器からのいくつかの等方性ピッチ生成物と、第2の熱反応器の下流にあるいくつかの中間相ピッチ生成物との回収を可能にする。
また、第2の熱反応器からの生成物として、比較的純粋な等方性ピッチ生成物を取得することが可能になる。第1の熱反応器は、アロマ供給量の所望の量を等方性ピッチに転化し、常に10~60wt%、好ましくは50wt%未満の量を等方性ピッチに転化し、常に、第2の熱反応器で約70wt%、または80wt%、または90wt%に所望の等方性ピッチの含有量に転化される。常に第2の熱反応器が第1の熱反応器よりも低圧動作するように設計されるので、常に、2つの熱反応器の間に勢いよく流す必要があるが、液相中の2環及び3環のアロマ化合物のより多くのものを維持し、第2の熱反応器でその転化を促進することが有益になる。良好な急流アプローチは、少なくとも、急流から除去された残りの液相中の3環のアロマのモル濃度の大部分を維持しながら、より軽質の副生成物のほとんど及び2環のアロマのほとんどを除去するために、圧力を十分に減らすことである。次に、この残りの液相は、好ましくは、急流後に過熱流体の流入により第2の熱反応器に充填され得る。
ケース2-管型反応器からCSTR
このアプローチは、ケース1のアプローチと同様であり得る。第1の熱反応器は管型反応器である一方、第2の熱反応器はCSTRである。圧力はCSTRで低下し、これは、2環及び3環のアロマの蒸発に有利に働き、また、中間相形成にも有利に働く。
ケース3-CSTRから管型反応器
第1の熱反応器はかくはん槽型反応器である。ロバストな反応器設計が高圧での動作に対処するのに必要であるが、少なくともコークス化の関連のものに関して、反応器は、動作するのが比較的容易である。第1の反応器は、供給量のほとんどが転化しない可能性があるため、流体をかくはんするのが、かなり容易である。ピッチの割合、特に、中間相ピッチの割合が増加するにつれて、物質のコークス化の特質が増加する。したがって、コークス化の関連のもののほとんどは、十分発生した乱流で動作する管である第2の熱反応器の下流にシフトされる。
第1の反応器は、好ましくは、液相中の2環のアロマのほとんどと一緒に、少なくとも、液相中の3環のアロマの大部分を維持するのに十分に比較的高圧で動作するはずである。これらのアロマはピッチに転化できるが、液相操作が好まれる。減圧の急流またはいくつかの手段は、少なくとも、転化しない残りの2環及び3環のアロマ化合物のいずれかの大部分を除去するために、常に、第1の反応器及び第2の反応器に介在する必要がある。
CSTRから管型反応器へのこのアプローチにより、比較的コンパクト及び単純な第1の反応器が可能になり、流動性が増加し、コークス化のリスクを大きく弱め、管型反応器は、コークス化を減らす乱流に依存し得る。
ケース4-2つのCSTR
このアプローチでは、第1の熱反応器及び第2の熱反応器の両方にかくはん槽型反応器を使用する。液相中の2環及び3環のアロマを維持するために、第1の反応器の圧力が比較的高い。急流ステップは2環及び3環のアロマのほとんどを除去し、これは、第2の熱反応器の中間相への熱変換に有利に働く。コークス化の関連のものは、中間相がコークスに近い状態なので、このアプローチにより重要になる。この理由のために、複数のCSTRを有することが有益になり得、これにより、1つのCSTRにコークスが生じるため、そのCSTRをデコーキングのための交換できる。
生成物特性に影響を与える滞留時間
いくつかの用途では、比較的狭い範囲の分子量を伴う最終中間相ピッチ生成物または最終等方性ピッチ生成物を有することが重要になる。熱反応器において滞留時間が正確に制御された管型反応器の使用により、最も狭い範囲の分子量を伴う生成物を生じさせる。いくつかの用途では、いくらかの分子量の分布をもたらすることが有益になり得る。中間相ピッチ処理を促進するために、頻繁に、軟化剤として、いくらかの量の等方性ピッチ、すなわち、5、10、または15wt%を有することがしばしば有益になる。CSTR反応器にはある範囲の液体滞留時間があるが、管型反応器にはその範囲がない。
本発明のプロセスでは、中間相ピッチをアロマ液から生成する費用効果の最も高い方法であると考えられたものが提供される。多くの利点は、第1の反応器の段及び第2の反応器の段の密結合によって実現される。等方性ピッチ物質を冷却する必要があるが、第2の段の反応器の上流で予熱する必要はほとんどない。
さらに、本プロセスは適応性があり、等方性ピッチを2つの段に介在するフラッシュ槽から回収するために使用され得る。
さらに、本プロセスは、単一の段で、またはさらに、2つの熱反応器から、アロマリッチ液から純粋な等方性ピッチを生成する方法を提供する。また、本プロセスを使用して、必要に応じて、中間相ピッチを等方性ピッチ供給量から生成し得る。
優れた混合特性、ファウリングに抵抗する能力、及び電気による管壁の加熱によるいくらかの熱を加える能力がある管型反応器は、実験室で良好に機能することが証明されている。いくつかの用途では、いくつかのタイプの電気加熱を使用するときに必要な、比較的大きい設置面積及び比較的低い容量及び慎重な加工は、第1の反応器もしくは第2の反応器、またはそれら両方のどちらかでCSTRを使用するメリットがあることについて、かなり十分な関心となり得る。
CSTRは、第1の段の反応器に使用されるとき、おそらく、管型反応器よりもわずかに化学的に効率的ではない。2環及び3環のアロマ化合物はCSTRの液体上の蒸気相に濃縮する。これらのアロマは潜在的に等方性ピッチに転化可能であるが、そのためには、そのアロマは、液相中で大きいアロマと密接する必要がある。したがって、この理由のために、CSTRは第1の反応器では不利点がわずかにある。1つの形成中間相ピッチである第2の段の反応器では、2環及び3環のアロマの存在が大きい中間相分子の形成を妨げる傾向があるため、したがって、かくはん液上の蒸気空間は第2の段の反応器で若干利点があることが発見されている。
考察/最適化
考察及び請求項では、時々、2環及び3環のアロマ化合物に言及するが、多くの用途では、これらのうちの1つだけがプロセスの最適化を助けるのに必要であり得る。したがって、それは、十分な圧力で、例えば、第1の熱反応器を設計及び維持するのに十分であり、主に、液相中で3環のアロマ化合物を維持するのに、好ましくは、液相中で3環のアロマ化合物の60、70、80、90%以上を維持するのに十分であり得る。2環のアロマが時々または連続的に蒸気相中にある場合、プロセスは依然として機能している。代替として、精製業者は、少なくとも、液相中で2環のアロマの大部分、好ましくは、60、70、80、90%以上を維持することを重視し得、さらに大きい程度に、液相中で3環のアロマを維持する蒸気平衡/液体平衡を頼りにしている。かなり過度に簡略化すると、第1の反応器で液相中の2環のアロマのほとんどを維持するのに十分な高い圧力と、第2の反応器で蒸気相に対して3環のアロマのほとんどに拒絶反応が示されるくらい十分に低い圧力とを有することが常に有益になる。
第1の熱反応器で等方性ピッチに原料のほとんどの転化を実現するために反応器を動作させ、第1の反応器の廃液のほとんどを第2の熱反応器の中間相ピッチに転化することが好まれる。転化しない物質を再利用するために、副生成物の市場が存在する、または十分な資金及び運転資金のどちらかが存在するならば、利益が上がる運転がかなり低転化率で実現され得る。実行可能な商業プラントの閾値として、等方性ピッチへのアロマ供給量の液体の転化率はおそらく約20%である。同様に、満足できる20、30、40%以上の転化率で、第2の熱反応器への供給量のほとんどを中間相ピッチに転化することは必須ではない。
好ましいアプローチは、第1の反応器をかなり強制的な状態にし、アロマ液の供給量のほとんどを等方性ピッチに転化し、好ましくは少なくとも1wt%、好ましくは2、3、4、5、7、10、15、20wt%以上で、中間相で厳密に「汚染した」ピッチに転化することである。このアプローチは、供給量のすぐに転化可能な分子のほとんどはピッチ生成物に転化されることを確実にする。概して、本明細書で使用するために想到されるアロマ液の供給量は、比較的低い価値/価格を有する2環及び3環のアロマのかなりの量を含む。この低コストの供給量が高価値の中間相ピッチに転化できる場合、プロセスの経済的側面は良好になる。
第1の熱反応ゾーンの条件は、好ましくは455~540°C、好ましくは480~510°C、理想的には495~500°Cの温度を含む。圧力は、液相中の2または3環のアロマの所望の量を維持するのに十分にするべきであり、好ましくは7~210bar、より好ましくは35~170bar、理想的には70~140barである。滞留時間は主に所望の温度及び転化によって決まるが、通常、10秒~10分、好ましくは0.5~5分、理想的には2~3分の範囲である。
第2の熱反応ゾーンの条件は、通常、かなり低圧及び短い滞留時間を含む。圧力は、第1の熱反応器の全絶対圧力の1/2未満にするべきであり、通常、7bar以下、好ましくは3.5bar未満、理想的には2bar以下、またはさらに、大気圧、もしくは大気圧よりも低い値である。中間相への所望の供給量の転化を実現するために必要な滞留時間は、通常、1分未満、好ましくは0.1~10秒、理想的には0.2~2秒である。
第1のゾーン及び第2のゾーンの圧力及び温度は、第1の反応器の入口に加えられた熱エネルギー及び圧力エネルギーの全てまたは実質的に全ての比較的単純な商業的プロセス設計に適している。第1の段の反応器を通して及びフラッシュ熱反応器または第2の熱反応器の中に反応物質を得るために多くの圧力が存在する。第1の反応器の温度が十分に高くなるように選択できることにより、急流後に、液相は、第2の段の反応器に必要な温度に、またはそれに近い温度になる。このように、必要な熱の全てを、第1の反応器への供給量に加えることができる。プロセスを通して反応物質を得るために必要な圧力の全ては、第1の反応器の上流に加えることができる。
フラッシュゾーンは、等方性ピッチ「生成物」から2環及び3環のアロマの蒸発を可能にする本質的概念であるが、フラッシュ槽は本質的に必要条件ではない。好ましくは、第2の反応器のセクションの管の内径が拡大された管型反応器の流体動力学だけに依存する等方性ピッチ液を勢いよく流すことが可能である。第2の熱反応器を形成する管に放出した等方性ピッチのリッチ液が管に勢いよく流れることにより、液相は2環及び3環のアロマで枯渇する。この高圧急流に放出された等方性ピッチから2環及び3環のアロマのほとんどを除去することを可能にするために、比較的高圧のフラッシュドラムを十分に低い圧力にさせることが可能である。次に、高圧急流からの液相は、第2の熱反応器に充填され得る。2環及び3環のアロマの増加量の除去を促進するために、フラッシュドラムを比較的低圧にさせることが可能である。
直接接触加熱/ストリッピング
過熱流体、好ましくは、過熱蒸気は、プロセスのいずれかの加熱またはストリッピングの必要量を供給するために加えることができる。わずかな加熱が必要であるとき、また2及び/または3環のアロマの若干のストリッピングまたは除去が必要であるとき、過熱蒸気はわずかな量、例えば、液体の1~10wt%を加えることができる。過熱蒸気の追加に上限がなく、相当な量の液体の加熱が必要であるとき、最大50wt%、最大100wt%、最大200wt%以上の量が想到される。蒸気が好ましいが、必要に応じて、例えば、水素、正常のガス状炭化水素等、他の過熱流体を使用し得る。
プロセスでは、複数の用途がある。2つの栓流反応器を直列で使用して、アロマオイルの供給量から中間相ピッチを作るプロセスを使用でき、好ましくは、2つの反応器の間で減圧を十分にして、少なくとも、供給量の2環のアロマ化合物の大部分、または第1の段の反応器で熱重合によって生成された2環のアロマ化合物の大部分を蒸発する。
他の実施形態では、2つの熱反応器を直列で使用して、等方性ピッチ及び中間相ピッチを生成するプロセスを使用し得る。第1の熱反応器は、少なくとも、第1の反応器の液相中の供給量の3環のアロマ化合物の大部分を維持するのに十分な圧力で、そして、少なくとも、3環の重質アロマの大部分を等方性ピッチに熱重合するのに十分な温度で動作し、等方性ピッチと、中間相ピッチ既定量未満、通常、1wt%未満とを含む第1の反応器の廃液を生成するはずである。第1の反応器の廃液は、少なくとも、第1の反応器の廃液中に存在する2環のアロマ化合物の大部分を蒸発させるのに十分に低い圧力で動作するフラッシュドラムに勢いよく流れる。プロセスの等方性ピッチ生成物としてフラッシュドラムの液体の一部を採取し、残りの液体は第2の熱反応器に充填され、第2の熱反応器は、一定時間にわたって存在する、少なくとも2環のアロマ化合物の大部分を蒸発するのに十分に低い圧力で、そして、少なくとも第2の反応器への液体供給量の重量の大部分を中間相ピッチに転化するのに十分な温度で動作する。好ましい実施形態では、蒸気等の過熱流体または炭化水素は、加熱するために第2の反応器に充填される。第1の熱反応器は、連続かくはん槽型反応器または管型反応器のどちらかであり得る。第2の熱反応器は、連続かくはん槽型反応器または管型反応器のどちらかであり得る。
好ましくは、第1の段の反応器の圧力は、14~210bar、より好ましくは35~140bar、理想的には約68~70barである。好ましくは、第2の段の反応器の圧力は、第1の段の反応器の圧力の1/10以下であり、より好ましくは7bar~大気圧よりも低い値、理想的には大気圧~5barである。
中間相ピッチの生成を最大にするために、第1の段の反応器は、好ましくは、等方性ピッチとして使用するのに不適切な中間物を作るのに中間相ピッチの十分な量で汚染された第1の段の反応器の等方性ピッチの中間生成物を作るのに十分な熱重合条件で作動する。好ましくは、第1の段の反応器の廃液の等方性ピッチの中間生成物は、1.0、1.5、2、5、10、15、20、25、または30wt%よりも大きい中間相ピッチを含む。
場合によっては、「フラッシュゾーン」は単に減圧弁であり、蒸気のいずれかの除去が生じない。これらの場合、二相流は第2の段の反応器に供給されるだろう。他の場合、蒸気/液体分離器を使用して、蒸気を除去し得、次に、液体だけが第2の段の反応器に送られる。フラッシュ分離器が動作するプラントでは、第1の分離器またはフラッシュ蒸気/液体分離器から上空の蒸気、及び第2の段の反応器の廃液から回収された蒸気は、燃料または他の生成物の回収として使用するために組み合わされる。
重液の再利用はしばしば有益になる。第1の段の反応器の転化率が比較的低く、例えば、20~50wt%である場合、常に、反応器の供給量を混合するために第1の段の反応器の廃液の一部を再利用することが有益になる。第2の反応器の転化率が低く、例えば、中間相に対して35~60%である場合、第2の反応器からの重質留分を再利用し得る。好ましくは、第1の反応器に全ての液体が再循環されるが、ある場合に、反応器1に再循環された反応器1の廃液と、供給量と混合するために第2の反応器に再循環された反応器2の廃液とを有することが好ましくなり得る。特に1パスあたりの転化率が比較的低いとき、再利用は、プロセスの経済的側面を改善する必要があり得る。
蒸気またはいくつかの他の蒸気、好ましくは、過熱蒸気は、第2の段の反応器に入る供給量に加えられることが必須であり得る。この蒸気の存在より分圧が減り、熱慣性が加わり、高速をもたらし、ピッチ液滴の分散を良好に提供する。いずれかの蒸気を使用し得るが、無反応で、中間相ピッチで溶解度がかなり低い低分子量の凝縮性ガスが好まれる。蒸気が最も好ましい。蒸気量は、液体供給量の重量パーセントの割合として、10~1000%、好ましくは150~400%、より好ましくは250~350%で変わり得る。
いくつかの用途では、2つの第2の段の反応器(直列)、または第2の段の反応器及び第3の段の反応器を有することが有益になる。これにより、軽質ガスを除去する前または後に、第2の段の反応器から出る中間相ピッチを、「アニーリング」用の小型CSTRに、またはさらに別の管型反応器に供給することが可能になり、最終中間相ピッチ生成物の「微調整」のための追加の滞留時間を提供する。
圧力降下は、第2の段の反応器にわたって高くなる可能性がある。実験及びシミュレーションでは、出口圧力は、下流機器の圧力降下を加えて約2.75barになる。必要に応じて、出口圧力をさらに減らすために、最終ベントガスの真空を引くことが可能になるだろう。第2の反応器の入口圧力の推奨値は、3.5~70bar、好ましくは35bar未満、より好ましくは7~14barの範囲であり得る。
第1の反応器及び第2の段の反応器の両方の適切な動作温度は、400~595°C、好ましくは425~525°C、より好ましくは482~510°Cの範囲であり得る。
中間相プロセスでは、気相は連続しており、液相は不連続である。中間相を形成する管型反応器の高い特定の流量で、反応器のずり速度は非常に速い。通常、9.5mm(3/8インチ)の反応器管の圧力降下は、4~6bar(60~90psi)である。この高いずり速度では、わずかに小さな(<20ミクロン)液滴が存在する。多相流分析では、この流動様式は、噴霧環状とし説明され得る。かなり乱流(レイノルズ数>5×10)と組み合わされたこの比較的小さな球状サイズは、液相と蒸気相との間の非常に急速な質量移動及び熱伝達を可能にする。合体をもたらす他の球体とのこれらの球体の多少の衝突があり得るが、その球体は、高いずりの結果として、再度、より小球に急速になる。蒸気留分は、体積比で99%よりも大きくなる。ほとんど、より軽質の炭化水素の揮発及び後続の中間相への大きい縮合アロマの統合は、分離された小球で発生する可能性が高いと思われる。
第2の段または中間相形成プロセスが第1の段または等方性ピッチ形成プロセスと結合されるとき、重要な利点がまた生じる。中間相形成プロセスの重質留分の副生成物は、中間相形成プロセスに再利用するのに適切ではない。この理由として、ほとんど、その副生成物が少しだけ蒸発し、中間相への転化がわずかに実現するためである。この重質留分流は、等方性ピッチ形成反応器の供給量に再循環でき、その一部は等方性ピッチに転化でき、それはプロセスの第2の段で中間相ピッチに転化される。この追加の転化は、特に、1パスあたりの転化率が低く、最大転化率が望まれるとき、経済的に実行可能なプロセスを有することが重大な要素である可能性がある。転化しない重質アロマ液の再利用は主に中間相形成反応器で生産効率が悪いが、2段プロセスにおける第1の反応器へのこの重液の再循環は効率が高い。
CSTRは等方性ピッチを中間相ピッチに転化するのに効率的ではないので、連続かくはん槽型反応器(CSTR)よりも管型反応器が好まれる。CSTRは、中間相形成管型反応器の最終中間相含有量を調整するのに有用であり得る。中間相含有量及びおそらく他の特性を調整するCSTR反応器は、中間相生成物の品質管理に有用であり得る。
プロセスのアプローチ及び結果は驚くほどのものである。第1の段の反応器で等方性ピッチが形成され、次に、第2の段の反応器で液体中間相ピッチを生成し、その1つは、好ましくは99LV%蒸気である。再利用のための中間相形成反応器から、転化しない重質アロマ物質が回収されるが、中間相形成反応器に再循環されない。
関連特許の米国特許第9376626号明細書で言及されるように、既知の及び従来のプロセスを使用して、炭素繊維、黒鉛繊維、炭素発泡体等を作るために中間相ピッチを使用できる。

Claims (14)

  1. 中間相ピッチをアロマ液から生成するための2段プロセスであって、
    a.2環及び3環のアロマの少なくとも20重量%を、等方性ピッチに及び軽質の正常ガス状炭化水素に転化するために、熱重合を誘発するのに十分に高い温度と、液相中の前記2環及び3環のアロマの少なくとも一部を維持するのに十分に高い圧力とを含む熱重合条件で動作する第1の段の反応器に供給量を充填することによって、また、第1の段の反応器の廃水を放出することによって、前記2環及び3環のアロマの少なくとも一部を含むアロマ液の前記供給量を熱重合することと、
    b.前記第1の段の反応器の廃水を勢いよく流し、前記第1の段の熱重合反応器の絶対圧力の1/2未満の絶対圧力を有するフラッシュゾーンで、少なくとも、前記軽質の正常ガス状炭化水素の大部分を除去し、急流廃水液体流を生成することと、
    c.前記第1の段の反応器の前記絶対圧力の1/2未満の圧力と、前記急流廃水液の重量の少なくとも1/3を中間相ピッチに転化するための温度とを含む中間相形成条件で、第2の段の反応器で前記急流廃水液体流から中間相ピッチを形成することと、
    d.生成物として前記第2の段反応器から中間相ピッチを回収することと、
    を含む、2段プロセス。
  2. 前記第1の段の反応器は、管型反応器及び連続かくはん槽型反応器のグループから選択される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記第2の段の反応器は、管型反応器及び連続かくはん槽型反応器のグループから選択される、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記急流廃水液の少なくとも一部は、等方性ピッチ生成物として回収される、請求項1に記載のプロセス。
  5. 前記第1の段の反応器の圧力は15~350barである、請求項1に記載のプロセス。
  6. 前記第2の段の反応器の圧力は、前記第1の段の反応器の圧力の1/10未満である、請求項1に記載のプロセス。
  7. 前記第2の段の反応器の入口圧力は3.5~70barである、請求項1に記載のプロセス。
  8. 前記第2の段の反応器の圧力は、少なくとも、前記蒸気段の前記2環及び3環のアロマの重量の大部分を維持するのに十分に低い、請求項1に記載のプロセス。
  9. 前記第1の段の反応器の圧力は、少なくとも、前記液相中の前記2環及び3環のアロマの重量の大部分を維持するのに十分に高い、請求項1に記載のプロセス。
  10. 前記第1の段の反応器の条件は、1~20wt%の中間相ピッチで等方性ピッチを作成するのに十分である、請求項1に記載のプロセス。
  11. 前記第2の段の反応器に蒸気が加えられる、請求項1に記載のプロセス。
  12. 前記第2の段の反応器に十分な蒸気が加えられ、前記第2の段の反応器は管型反応器であり、前記第2の段の反応器で、蒸気が連続して分散された液体の液滴流が維持される、請求項1に記載のプロセス。
  13. 前記第2の段の反応器はサイクロン分離器に放出する、請求項12に記載のプロセス。
  14. 中間相ピッチから作られた炭化繊維もしくは黒鉛繊維、発泡体、ブロック、シート、または球体であって、
    a.2環及び3環のアロマの少なくとも20重量%を、等方性ピッチに及び軽質の正常ガス状炭化水素に転化するために、熱重合を誘発するのに十分に高い温度と、液相中の前記2環及び3環のアロマの少なくとも一部を維持するのに十分に高い圧力とを含む熱重合条件で動作する第1の段の反応器に供給量を充填することによって、また、第1の段の反応器の廃水を放出することによって、前記2環及び3環のアロマの少なくとも一部を含むアロマ液の前記供給量を熱重合することと、
    b.前記第1の段の反応器の廃水を勢いよく流し、前記第1の段の熱重合反応器の絶対圧力の1/2未満の絶対圧力を有するフラッシュゾーンで、少なくとも、前記軽質の正常ガス状炭化水素の大部分を除去し、急流廃水液体流を生成することと、
    c.前記第1の段の反応器の前記絶対圧力の1/2未満の圧力と、前記急流廃水液の重量の少なくとも1/3を中間相ピッチに転化するための温度とを含む中間相形成条件で、第2の段の反応器で前記急流廃水液体流から中間相ピッチを形成することと、
    d.前記第2の段の反応器から中間相ピッチを回収し、前記中間相ピッチの従来の処理によって、前記中間相ピッチを炭化繊維もしくは黒鉛繊維、発泡体、ブロック、シート、または球体のうちの少なくとも1つに転化し、プロセスの生成物として、前記炭化繊維もしくは黒鉛繊維、発泡体、ブロック、シート、または球体のうちの少なくとも1つを回収することと、
    が行われる、炭化繊維もしくは黒鉛繊維、発泡体、ブロック、シート、または球体。
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