JP5374406B2 - シークイン供給装置を備える多針ミシン - Google Patents
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シークイン供給装置は、自体のガイドレールを支える為に多針ミシンの横動枠に連なる側方の枠部から手前側に向けて持ち出し状に形成されたアーム(フレーム)と、アームに対して傾斜状態を維持する状態で連結されていて斜め上方に向けて延びている主枠支持用のガイドレール(レール)と、ガイドレールによって上方の手前寄りの上昇位置と、下方の針落ち位置寄りの供給位置との間を上下方向に摺動を自在に支持されている主枠(昇降板)と、主枠の上部において、回動自在に備えさせてあるリールと、主枠の下部において、リールから延出させた帯状のシークイン(シークインを連ねたテープ)を次々と上記多針ミシンの針落ち位置に供給するようにしてあるシークイン供給機構(供給機構)とを備え、シークイン供給機構から繰り出す帯状のシークインの先端の1つずつを切り離して、上記刺繍ミシンで布に縫い付けるようにしてある。
また、上記「端部の1本の針棒」の下部に付される針先の孔に糸を通す糸替え作業をする場合、シークイン供給装置の上方に存在する帯状のシークイン用の「大きなリール」が糸替え作業者の顔面に近づくことになり、これが目障りとなって、糸替え作業の能率を低下させる問題点があった。
他の目的は、複数の針棒の夫々の下部に付される針先の孔に通してある色糸の色替え作業に先立ち、多針ミシンの針落ち位置の手前にあったシークイン供給装置を目障りにならない側方位置に退避させて、作業者に対して作業空間を広く感じさせるようになるシークイン供給装置を備える多針ミシンを提供しようとするものである。
他の目的及び利点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
基枠Aに備えさせた多針ミシンBにおける横動枠4に対して複数の針棒7が上下動自在に並設され、各針棒7は横動枠4を横動させることにより針落ち位置1aに対して選択移動を自在に構成されており、
さらに夫々の多針ミシンBの手前には、多針ミシンBの針落ち位置1aに対してシークインを次々と供給できるようにしてあるシークイン供給装置Eを備えさせており、
上記のシークイン供給装置Eは、自体の主要枠54を多針ミシンBの上記横動枠4で支える為に多針ミシンBの横動枠4の手前側に備えさせた支持機構36と、
主要枠54の上部において回動自在に備えさせてあるリール66と、主要枠54の下部においてリール66から延出させた帯状のシークインS1を次々と上記多針ミシンBの針落ち位置1aに供給するようにしてあるシークイン供給機構70とを備えているシークイン供給装置Eを備える多針ミシンBにおいて、
上記支持機構36は、多針ミシンBの手前側において、横動枠4の前面に平行する状態に配置され、かつ、横動枠4と共に往復横動するように横動枠4に連結支持されている軌条38と、
軌条38に対して、軌条の長手方向に向けて往復移動を自在に構成されている基台機構40であって、この基台機構40は、上記軌条38に噛合う状態で相対的に往復移動する噛合部42と、上記主要枠54を支える為に主要枠54に連結してある連結部44とを備える基台機構40と、
多針ミシンBの手前側において、横動枠4の前面に平行する状態に配置され、かつ、横動枠4の往復横動とは別に往復横動自在にしてある位置決め条45とを備え、
上記横動枠4を横動させることにより相互に異なる針棒を針落位置に選択して、針落位置に向けて次々と供給されるシークインを色違いの色糸で縫付けるときには、上記位置決め条45を不動状態にして上記軌条38が横動枠4と共に横動してもシークイン供給装置Eが横動することのないように上記位置決め条45には上記主要枠54が連繋してあり、
上記横動枠4の手前側を開放させたいときには、位置決め条45を横動させることにより、シークイン供給装置Eを針落ち位置1aの位置から側方に退避させて上記横動枠4の手前側を開放可能に構成したものである。
多針ミシンBにおける横動枠4に対して複数の針棒7が上下動自在に並設され、各針棒7は横動枠4を横動させることにより針落ち位置1aに対して選択移動を自在に構成されており、一方、シークインを次々と多針ミシンBの針落ち位置1aに供給するようにしてあるシークイン供給装置Eは、自体の主要枠54を多針ミシンBの横動枠4で支えると共に、上記位置決め条45で実質的に不動の状態にして、シークインを安定した状態で供給できるようにした特長がある。そして、多針ミシンBにおいては針落ち位置1aに複数の針棒7を選択移動させて異なる多色の色糸を変更しながら、上記シークイン供給装置Eから安定した状態で供給されるシークインを、多色の色糸で縫い付け、カラフルな製品を提供できる効果がある。
図1、図2は、基枠Aに多針ミシン(刺繍ミシン)Bを備えさせた例を示す。多針ミシン(スライド式多針の刺繍ミシン)Bにあっては、複数の針棒7が並列され、各針棒7は針落ち位置1aに対して選択移動を自在に構成されている点の技術的事項を説明する為のものであり、特許文献2によって開示されている刺繍縫製を可能にする多針ミシンと同様の機能を発揮できる構成を示すものである。
1はベッドの存在を示し、図では針板を示す。2はミシンのヘッドを示す。3はヘッドの固定フレームである。図1の多針ミシンBは、複数の針棒7を、一定の場所で直線的に往復動する横動枠4に対して夫々上下動自在に並設する構成である。
符号4〜17は針棒機構(針棒7及びそれと関連をもって作動する部材から成る機構を本件明細書中では針棒機構と呼ぶ)を構成する部材を示す。4は正面から見て四角な枠状に形成されている針棒保持枠(横動枠)で、フレーム3の前部において横動を自在にしてある。横動枠4の支持の構成は、フレーム3の前部寄りの部分に図示のように横設されているレール3bに対して、横動枠4の中間枠4bの下側に備えさせた摺動部材4cを乗載して横動を自在にしてある。横動枠4の下枠4dの一部は、図2のようにフレーム3の下部に備えさせた押さえ部材3fとローラ3eとで挟まれて前後方向の振動止めが行われている。
4fは図示外の糸替え機構に連なるロッドを示し、これの進退により、横動枠4の進退を制御し、複数の針棒7の内の1つを針落位置上方に選択移動し、固定させる。
21は案内棒を示し、フレーム3に対して取付けてある。23は案内棒21に上下動自在に装着した昇降体で、針棒7を押えるための針棒押え23aを有する。
24はミシン主軸を示す。もし同時に複数の多針ミシンB、B・・・Bを作動させて能率よく縫製する場合には、他の主軸と一体化したものを用いる。
25は主軸24の回転運動を上下運動に変換して昇降体23を上下動させる為の機構で、梃子クランク機構を例示し、26は主軸24に取付けた偏心輪(円盤状のクランク)、26aはクランクロッド、27はレバーで、一端をフレーム3に枢着してあり、中間部にクランクロッド26aが連結してある。28はレバー27と昇降体23とを連結するリンクである。
これらの作動により、周知の如く縫製が行われる。色糸を変更する場合は、多針ミシンBにおける横動枠4に対して複数の針棒7が上下動自在に並設されているので、周知のように糸替え機構に連なるロッド4fを作動させ、横動枠4を横動させることにより針落ち位置1aに対して任意の針棒7は選択移動され、周知の如く相互に異色の糸で夫々縫製が行われる。
各シークイン供給装置Eの構成は、周知の構成(例えば特許文献1参照)と同様に、主要枠54を安定的に支持する為の支持機構36と、支持機構36によって支持される主要枠54におけるガイドレール55と、ガイドレールに支えられた状態で上下動する主枠部材60と、主要枠54における主枠部材60の上部に装着されるリール66と、主枠部材60の下部に装着されるシークイン供給機構70等の機能、構成を備える。
さらに軌条38に対しては、軌条38の長手方向に向けて往復移動を自在に構成されている基台機構40を備えている。この基台機構40は、上記軌条38に噛合う状態で往復移動する噛合部としての摺動凹部42と、上記シークイン供給装置Eの主要枠54を支える為に主要枠54に連結する為の連結部材44を備える。さらに、多針ミシンBの手前側においては、横動枠4の前面に平行する状態に配置され、かつ、横動枠4の往復横動とは別に往復横動自在にしてある主要枠固定手段としての位置決条45を備える。
上記支持機構36における軌条38は、多針ミシンBの手前側において、図1、図2のように多針ミシンBの前面に平行する態様でもって、横動枠4に一体的に配置されている。
軌条38の横幅(長さ)寸法は、図7、図8の横動枠4の動き幅と、シークイン供給装置Eの供給機構70の動き幅(針落ち位置1aに対応させる位置79と、退避位置80)を考慮して定められる。
また、稼働状態においては、シークイン供給装置Eの供給機構70を針落ち位置1aに対応する位置79に留めうるように摺動部材41を軌条38で支持するものであるが、針棒7の下部に付される針先の孔に糸を通す糸替え作業をする場合には、シークイン供給装置Eの供給機構70を、邪魔にならないように左右いずれかの方向へ向けて退避させる必要がある。その場合、所望する距離だけ退避させる為に予め定めてある退避位置80(一点鎖線で示す位置)へシークイン供給装置Eの供給機構70を移動させる為には、上記軌条38の長さ寸法を必要に応じて予め大きく延ばしておくとよい。
基台機構40における摺動部材41の軌条38の側には、軌条の長手方向の前後複数個所において夫々軌条38の上下両面に夫々当接する状態で往復移動を自在に構成されている複数の当接点43(例えば上側が前後に2個所、下側が前後に2個所)が夫々形成されている。
従って、摺動部材41においては、軌条38の長手方向の前後複数個所(2個所以上)において、夫々軌条38の上側の部分と、下側の部分に夫々圧接状態で接する当接点43、43、43、43が設けられていることになるので、図7、図8の状態においてシークイン供給装置Eの供給機構70が、実質的に左右方向に実質的に振動するような事態は避けることが出来る。さらに4つの当接点43を構成する為には摺動部材41は、4つの車輪で構成してあってもよい。
さらに、支持機構36における軌条38と、基台機構40との組み合わせに関する構成として、図3、7、8に示されている軌条38と、基台機構40の組み合わせに関して説明したが、従来より知られているリニアガイドウエイにおけるレールと、そのレールに対して移動自在にしてあるブロックに係わる構成を置き換えて利用してもよい。
次に軌条38で支持されている摺動部材41には図3、7、8に表れているように
シークイン供給装置Eの主要枠54を支える為の連結部材44が着脱自在に固着されている。さらにこの連結部材44には、シークイン供給装置Eの主要枠54のガイドレール55が着脱自在に固着され、その結果、シークイン供給装置Eの主要枠54は、軌条38により横動自在に支持されていることになる。
上記各多針ミシンB、B、Bの各横動枠4を連動させて横動させることにより各多針ミシンB、B、Bにおいて相互に異なる針棒を針落位置に選択して、各針落位置に向けて次々と夫々供給されるシークインを色違いの色糸で夫々縫付けるときには、上記連動的に一体化してなる位置決め条45を不動状態にして上記各多針ミシンB、B、Bの各軌条38が横動枠4と共に横動しても夫々に対応させたシークイン供給装置Eは横動することのないように上記位置決め条45には各多針ミシンB、B、Bにおける上記各主要枠54が連繋してあり、上記各多針ミシンB、B、Bの横動枠4の手前側を夫々開放させたいときには、位置決め条45を横動させることにより、各シークイン供給装置Eを夫々の針落ち位置1aの位置から側方に退避させて上記各横動枠4の手前側を開放可能に構成すればよい。このような構成によると、多針ミシンB、B、B相互間の間隔が狭くても、各多針ミシンB、B、Bの前面(手前側)に存在させる各シークイン供給装置Eを、連動的に多針ミシンB、B、B相互間の狭い間隔に夫々を効率よく導いて、糸換え作業に貢献できる。
ガイドレール55において、56aは、図示のように斜めに配設されている主部材で、元部57は位置決条45に固着してある。この主部材56aには、主枠部材60の摺動材62を斜め上方に向けて往復動自在に案内できるように、レールのように形成した案内部材56bが一体的に添え付けられている。
主枠部材60におけるガイドレール55に対向する側には、補助材61を介して摺動材62が固着してあり、この摺動材62を案内部材56bに沿って上下動させることにより、主枠部材60は上下方向に往復動作する。63は、主枠部材60を駆動する為の昇降機構として例示する流体シリンダーで、ガイドレール55には筒体63aが、主枠部材60にはロッド63bが固着され、ロッド63bの相対的な伸縮により主枠部材60は図3と、図6の位置に上下動する。
シークイン供給機構70の構成は周知のように、モーター72を回動させることによって、リンク(往復動作機構)73を作動させ、往復動作送り爪74を進退作動させる。この場合、送り爪74の前進により、シークインの孔に爪先を入れてシークインを前進させ、送り爪74の後退時はシークインの上を滑らせて後退させる。このようにして帯状のシークインS1を次々と針落ち位置1aに供給する。針落ち位置1aに供給された帯状シークインS1の先頭は、針棒7の下降によって作動される切断刃物75により切断され、単独の「シークイン」となって、布の上に位置し、下降してくる針9に付されている糸により布に対して縫い付けられる。なお当然のことながら上記リンク73、送り爪74、切断刃物75、針9等の動作はタイミングよく同期させてある。
上記多針ミシンBの横動枠4を図1状態から左右に横動させることにより相互に異なる針棒7を針落位置1aに選択して縫製可能な状態にし、一方、シークイン供給装置Eは図3、4の状態でもって針落位置1aに向けて次々とシークインを供給し、シークインを色違いの色糸で縫付ける。
そのときは、上記位置決め条45を図示外の駆動機構を拘束して、図7の状態にあるロッド45を不動状態にして、上記軌条38が横動枠4と共に激しく往復横動してもシークイン供給装置Eは横動することのないようにする。このようにすることにより、布に対する色違いの色糸を用いてのシークインの縫い付けは行われる。
次に、縫い付け作業を終えて、糸替えをする場合、上記横動枠4の手前側を開放させたいときには、位置決め条45を横動させることにより、シークイン供給装置Eを図7、8の実線で示されている位置(針落ち位置1aの位置)から、側方に退避させて(例えば一点鎖線で示されている位置80に退避させて)、上記横動枠4の手前側を開放させる。このようにすると糸替え作業は勿論、布の取り扱いも極めて容易となる。
B・・・多針ミシン、
S1・・・帯状シークイン、
E・・・シークイン供給装置、
1・・・ベッド、
1a・・・針落ち位置、
2・・・ヘッド、
3・・・ヘッドのフレーム、
4・・・横動枠
7・・・針棒、
20・・・駆動機構、
36・・・支持機構、
38・・・軌条、
40・・・基台機構、
41・・・摺動部材、
42・・・噛合部(摺動凹部)
43・・・当接点、
44・・・連結部、
45・・・位置決条(主要枠固定手段)、
46・・・連繋部、
54・・・主要枠
55・・・ガイドレール、
57・・・元部、
60・・・主枠部材、
62・・・摺動材、
63・・・昇降機構、
66・・・リール、
67・・・枢支軸、
68・・・ガイドローラー、
70・・・供給機構、
72・・・モーター、
73・・・リンク(往復動作機構)、
74・・・往復動作送り爪、
75・・・切断刃物、
77・・・手前側(作業者77aが居る方向)、
78・・・上昇位置、
79・・・供給位置、
80・・・退避位置、
81・・・作業空間
Claims (1)
- 基枠に備えさせた多針ミシンにおける横動枠に対して複数の針棒が上下動自在に並設され、各針棒は横動枠を横動させることにより針落ち位置に対して選択移動を自在に構成されており、
さらに夫々の多針ミシンの手前には、多針ミシンの針落ち位置に対してシークインを次々と供給できるようにしてあるシークイン供給装置を備えさせており、
上記のシークイン供給装置は、自体の主要枠を多針ミシンの上記横動枠で支える為に多針ミシンの横動枠の手前側に備えさせた支持機構と、
主要枠の上部において回動自在に備えさせてあるリールと、主要枠の下部においてリールから延出させた帯状のシークインを次々と上記多針ミシンの針落ち位置に供給するようにしてあるシークイン供給機構とを備えているシークイン供給装置を備える多針ミシンにおいて、
上記支持機構は、多針ミシンの手前側において、横動枠の前面に平行する状態に配置され、かつ、横動枠と共に往復横動するように横動枠に連結支持されている軌条と、
軌条に対して、軌条の長手方向に向けて往復移動を自在に構成されている基台機構であって、この基台機構は、上記軌条に噛合う状態で相対的に往復移動する噛合部と、上記主要枠を支える為に主要枠に連結してある連結部とを備える基台機構と、
多針ミシンの手前側において、横動枠の前面に平行する状態に配置され、かつ、横動枠の往復横動とは別に往復横動自在にしてある位置決め条とを備え、
上記横動枠を横動させることにより相互に異なる針棒を針落位置に選択して、針落位置に向けて次々と供給されるシークインを色違いの色糸で縫付けるときには、上記位置決め条を不動状態にして上記軌条が横動枠と共に横動してもシークイン供給装置が横動することのないように上記位置決め条には上記主要枠が連繋してあり、
上記横動枠の手前側を開放させたいときには、位置決め条を横動させることにより、シークイン供給装置を針落ち位置の位置から側方に退避させて上記横動枠の手前側を開放可能に構成したことを特徴とするシークイン供給装置を備える多針ミシン。
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