JP5373970B2 - 電解銅箔及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本件発明は、電解銅箔及びその電解銅箔の製造方法に関する。特に、リチウムイオン二次電池用集電体用途に好適な引張強さ、伸び率等の物理特性を備え、且つ、プリント配線板製造用の銅張積層板製造においても使用可能な電解銅箔に関する。
リチウムイオン二次電池は、近年の環境保護意識の高まり及び資源のリサイクル利用の要請の高まりから、繰り返し使用の可能な有用電源として普及し、例えば、携帯してアウトドアへ持ち出すノートブック型パソコン、携帯電話、テレビ、ビデオカメラ等の製品に使用されている。これら電気製品及び電子機器のダウンサイジングに伴い、電源供給源であるリチウムイオン二次電池にも、小型、高寿命、軽量、且つ、高いエネルギ−密度を発揮することが求められている。
リチウムイオン二次電池の開発の歴史を振り返ると、リチウムイオン二次電池の負極を構成する負極集電体には、表面の平滑性に優れた圧延銅箔を使用することが試みられてきた。現在のリチウムイオン二次電池の負極を構成する負極集電体には、圧延銅箔又は電解銅箔のいずれかが使用されている。
このリチウムイオン二次電池の負極の製造過程においては、特許文献1又は特許文献2に開示されているように、高温が負荷される工程が存在する。その工程においては、負極を構成する負極集電体である銅箔にも高温が負荷される。その結果、当該銅箔が軟化すると、リチウムイオン二次電池が充放電を繰り返す際の、負極活物質の膨張収縮に伴う変形ストレスの影響を受けやすくなるという問題があった。
この問題に対して、比較的安価なタフピッチ銅を用いて得られる圧延銅箔の場合には、加熱による再結晶が容易に起きて軟化するため、上述の充放電を繰り返す際の膨張収縮ストレスの影響を受けやすく、リチウムイオン二次電池の長寿命化が困難であった。また、圧延銅箔は、その製造方法に由来して高価であり、電解銅箔よりも安価な価格での提供が困難である。この点は、事業者にとって、世界的価格競争を勝ち抜くための障害となってきた。また、圧延銅箔は、銅箔としての広幅化が困難であるため、電池の製造における生産効率の向上が困難であり、製品コストの削減に限界があり、不可避な欠点となっていた。
これに対し、電解銅箔は、加熱による再結晶が起こり難く軟化し難いため、上述の充放電を繰り返す際の膨張収縮ストレスに対する抵抗力が強いと考えられてきた。また、電解銅箔は、圧延銅箔と比べて、安価であるため、市場におけるリチウムイオン二次電池の価格面から見た収益性を高めることが可能となるため、圧延銅箔の代替え製品として、電解銅箔の使用が積極的に検討されてきた。その結果、現在では、両面とも圧延銅箔並みの低プロファイル表面を備える電解銅箔が、リチウムイオン二次電池の負極集電体用途に広く使用されている。
この両面とも圧延銅箔並みの低プロファイル表面を備える電解銅箔に関する技術として、特許文献3、特許文献4等に開示されているように、電解銅箔の析出面の表面粗さを低くするため、電解銅箔の製造に用いる銅電解液の電解液組成、電解液温度、電流密度等を制御した発明が行われてきた。
特許文献3では、プリント回路基板の製造に有用な、エッチング性およびインピーダンス制御性に優れた電着銅箔を製造することを目的として、「(A)アノードおよびカソードの間に電解溶液を流し、そして該アノードおよび該カソード間に、該カソード上に銅が析出するように有効な量の電圧を印加する工程;ここでこの電解溶液は銅イオン、硫酸イオンそして少なくとも1つの有機添加物またはその誘導体を含み、該溶液の塩素イオン濃度は約1ppmまでであり;電流密度は約0.1〜約5A/cmの範囲である;および(B)このカソードから銅箔を除去する工程を包含する。」という製造方法が採用されている。即ち、塩素濃度を制御した銅電解液を用いる電解条件が採用されている。
そして、特許文献4では、添加剤として、0.05〜2.0重量ppmのチオ尿素もしくはその誘導体;0.08〜12重量ppm の高分子多糖類;及び分子量10,000以下であって0.03〜4.0重量ppmの膠を含有する電解液を用いることを特徴とする電解条件が採用されている。この結果、当該電解銅箔の析出面の表面粗さを、圧延銅箔の表面粗さレベルに近づけた電解銅箔を製造できるとしている。
更に、特許文献5では、結晶組織を微細化し、表面粗さを小さくした特許文献3、特許文献4等の各公報に記載の電解銅箔は、充放電サイクル寿命、過充電特性の面で市場の要求に対して十分とはいえない状況にあることを指摘している。この特許文献5では、充放電サイクル寿命および過充電特性に影響する銅箔の特性として十点平均粗さRzでは表せない表面の平滑性、常温抗張力、伸び率、非再結晶性、高温雰囲気中の伸び率が重要であることを見出し、二次電池特性において最も効果の高い銅箔を得ることに成功したとして、特許文献5の実施例1「硫酸銅五水和物280g/L、硫酸100g/L、塩素イオン35ppmを含む硫酸酸性硫酸銅電解液に平均分子量3000の低分子量ゼラチン7ppm、ヒドロキシエチルセルロ−ス3ppm、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム1ppmを添加し、電解液温度55℃、流速0.3m/分、電流密度50A/dmの条件」等で製造した電解銅箔であって、「電解銅箔析出面の表面粗さが、常温での結晶組織が10点平均粗さRzにして、2.5μmより小さい微細結晶でありながら、素地山の最小ピ−ク間距離が5μm以上であり、常温抗張力が40kg/mm以下であり、且つ130℃、15時間熱処理後の常温抗張力の低下が15%以内であり、熱軟化しないことを特徴とする電解銅箔。」を開示している。
特開2006−236684号公報 特開2008−282550号公報 特開平7−188969号公報 特開平8−53789号公報 特開2004−79523号公報
しかしながら、リチウムイオン二次電池の負極集電体に用いる電解銅箔には、上述の特許文献5が指摘するように、充放電サイクル寿命及び過充電特性に影響する銅箔の特性を改良することが常に要求されているにもかかわらず、電解銅箔の伸び率、引張強さ等の物理的特性のバラツキが問題となる場合があった。
この要因を追求した結果、電解銅箔の製造に用いる銅電解液に含まれている塩素が原因と考えられた。この塩素は、意図的に添加して制御する場合もあれば、塩化ビニル配管を介する等して不可避不純物として混入する場合もある。そして、電気化学的見地からして、電解液中の塩素は、微量の変動があっても、製品品質に影響を与えやすい成分である。よって、当業者は、電気化学的に製造する電解銅箔は、電解銅箔独自の品質のバラツキを少なくすると言う目的での製造方法の改良を行ってきたが、塩素濃度の変動は、不可避的な要因と考えてきた。
一方、リチウムイオン二次電池用集電体に使用する電解銅箔には、更なる品質の安定化が要求されてきており、従来の電解銅箔に許容されてきた以上に、加熱しても軟化しにくいという耐熱軟化抵抗性、耐屈曲特性、実際に負極活物質を担持した「負極活物質付集電体(負極)」の状態での集電体屈曲性能等の高度なレベルでの品質の安定化が求められるようになってきた。
そこで、本件発明者らは、鋭意研究の結果、リチウムイオン二次電池用集電体の構成材料及びプリント配線板製造用の銅張積層板用途として好適な電解銅箔として、以下に述べる電解銅箔に想到した。また、以下に述べる製造方法を採用することにより、本件発明に係る電解銅箔の効率的な生産を可能にした。
本件発明に係る電解銅箔: 本件発明に係る電解銅箔は、銅電解液を電解することにより得られる電解銅箔であって、電解銅箔中のヨウ素含有量が0.003質量%以上であることを特徴とするものである。
本件発明に係る表面処理銅箔: 本件発明に係る表面処理銅箔は、上述のヨウ素を含有した電解銅箔の表面に表面処理を施したことを特徴とする。
本件発明に係る電解銅箔の製造方法: 本件発明に係る電解銅箔の製造方法は、上述のヨウ素を含有した電解銅箔の製造方法であって、銅電解液として、ヨウ素濃度が1.5mg/L〜15.0mg/Lの範囲の硫酸酸性硫酸銅電解液を用いることを特徴とするものである。そして、この銅電解液は、塩素濃度が1.0mg/L以下であることが、より好ましい。
そして、本件発明に係る電解銅箔の製造方法においては、銅電解液の温度を40℃〜60℃、電流密度50A/dm〜85A/dmの電解条件で電解することが好ましい。
本件発明に係る表面処理銅箔を用いて得られるリチウムイオン二次電池用負極: 本件発明に係るリチウムイオン二次電池用の負極は、上述の本件発明に係る表面処理銅箔を負極集電体として使用したことを特徴とする。
本件発明に係る電解銅箔は、上述のようにヨウ素を0.003質量%以上含有するものである。このように電解銅箔のバルク銅内にヨウ素を含ませることで、電解銅箔中の塩素含有量が変動しても、安定した物理特性を示すようになる。
従って、本件発明に係る電解銅箔をリチウムイオン二次電池の負極に用いることで、充放電に伴っておこる膨張収縮挙動に対する抵抗力に優れ、長寿命のリチウムイオン二次電池を、安価に市場に提供できる。
「電解銅箔物性」と「電解銅箔が含有するヨウ素含有量と塩素含有量」との関係を考察するための図である。
以下、本件発明に係る電解銅箔、表面処理銅箔の製造方法、当該表面処理銅箔を用いて得られるリチウムイオン二次電池用の負極の順に詳細に説明する。
本件発明に係る電解銅箔の形態: 本件発明に係る電解銅箔は、銅電解液を電解することにより得られる電解銅箔である。この電解銅箔は、電解銅箔中のヨウ素含有量が0.003質量%以上の範囲となることを特徴とする。このようにヨウ素を含有した電解銅箔は、リチウムイオン二次電池用集電体として好適であり、耐熱軟化抵抗性、耐屈曲特性、及び、実際に負極活物質を担持した「負極活物質付集電体(負極)」の状態での集電体屈曲性能を同時に向上させる。
ここで、電解銅箔中のヨウ素含有量が0.003質量%以上であることが好ましい。当該ヨウ素含有量が、0.003質量%未満の場合には、いずれの特性も安定性に欠け、製品品質の安定化が困難となる。一方、電解銅箔中のヨウ素含有量が0.003質量%以上になると、電解銅箔中の塩素含有量が変動しても、安定した物理特性を示すようになるため好ましい。しかし、厳密に言えば、当該ヨウ素含有量が0.03質量%を超えると、上述のいずれの特性も、それ以上に向上せず、むしろ電解銅箔の脆化を招き、屈曲特性が悪化し、また、目視による外観品質の低下も著しくなる傾向があるため、ヨウ素含有量を0.03質量%以下とすることが好ましい。
また、本件出願に係る電解銅箔の場合、上述のヨウ素に加えて、電解銅箔中の塩素含有量を制御することが好ましい。即ち、本件発明に係る電解銅箔の場合、化学分析法により測定した塩素含有量が、0.0000質量%0.0018質量%の範囲であることが好ましい。即ち、電解銅箔が含有する塩素含有量が0.0018質量%以下の場合に、析出面の表面粗さが低くなり、低プロファイル化した析出面を得る事が容易であるため、リチウムイオン二次電池用集電体の構成材料として好ましい。なお、実施例と比較例との対比のところで詳細に述べるが、高温加熱を受けたときの耐熱軟化抵抗性を向上させるためには、当該塩素含有量が0.0006質量%0.0018質量%である事が好ましい。
そして、本件発明に係る電解銅箔は、化学分析法により測定した塩素含有量とヨウ素含有量とが、以下の数1の関係(リチウムイオン二次電池の負極集電体用途に適した電解銅箔の塩素含有量とヨウ素含有量との関係)を満たす事が好ましい。このような関係を満たすことで、350℃程度の温度で加熱を受けても、極めて高い耐熱軟化抵抗性を示す。この点に関しては、後述する実施例の中で詳説することとする。以下、塩素含有量とヨウ素含有量との分析方法に関して述べておく。
Figure 0005373970
塩素含有量は、次のようにして測定した。銅箔を硝酸で加温して溶解させた後、硝酸銀溶液を一定量入れる。次に、KBr溶液を一定量入れて、臭化銀と一緒に塩化物イオンを共沈させる。暗所で15分間静置した後、沈殿物を濾別、洗浄する。その後、沈殿物をビーカーに移し、チオ尿素溶液で沈殿物を溶解し、暗所にて一晩放置する。この溶液を希釈し、定容し、イオンクロマト装置(Dionex社製 ICS−2000,電気導電度検出器、溶離液はKOH、カラムはAS−20)にかけて塩化物イオン濃度を測定し、塩素含有量を算出した。
ヨウ素含有量は、次のようにして測定した。銅箔を王水で加温しながら、酸化溶解し、放冷後、定容し、ICP−AES(セイコーインスツル株式会社製 SPS3000)にて、I:178nm(Arパージ)の強度を測定し、ヨウ素含有量を算出した。
また、本件発明に係る電解銅箔は、これをガス分析法により測定した結果、炭素、酸素、硫黄、窒素の各成分の合計の主要不純物含有量が、0.01質量%以下という成分的特徴を備える。現段階で、これらの主要不純物含有量が、リチウムイオン二次電池の負極集電体に用いる電解銅箔において、どのような作用をしているのかは明確になっていない。しかし、ここで言う主要不純物成分は、結晶粒界に偏析しやすい元素であり、主要不純物含有量が0.01質量%以下になると、電解銅箔の靱性が向上し、伸び率と引張強さとが良好なバランスを示すようになる。
更に、本件発明者等は、本件発明に係る電解銅箔を、グロー放電質量分析装置を用いて銅純度の測定を行った。その結果、グロー放電質量分析装置を用いて得られた銅純度は、99.99質量%以上という高純度の値であった。確かに、上述の化学分析法を用いて測定したヨウ素含有量及び塩素含有量、ガス分析法により測定した炭素、酸素、硫黄、窒素の各成分の合計の主要不純物含有量を考慮すると、このグロー放電質量分析装置を用いて得られた銅純度とは、整合性のとれる値と成っていないが、分析方法が異なることから生じる誤差と考えれば足りる。
次に、本件発明に係る電解銅箔の備える物理的特徴に関して述べる。なお、当該物理的特徴を述べるにあたっては、電解銅箔のバルク厚さが18μm±1.8μmの場合を想定して説明を行うこととする。
本件発明に係る電解銅箔の析出面の表面粗さに関して述べる。本件発明に係る電解銅箔の析出面の表面粗さは、Rzjisの値が0.70μm〜2.0μmの範囲であり、低プロファイルの析出面であることが理解できる。ここで、Rzjisの値が2.0μmを超えると、リチウムイオン二次電池用負極を製造する際、負極活物質を均一に担持することが困難となる。また、充放電を繰り返すと、集電体表面の凸部にリチウムがデンドライト状に成長し易くなる傾向が強くなるため好ましくない。一方、Rzjisの値が0.7μm未満の場合には、表面状態が平滑すぎて、リチウムイオン二次電池の負極集電体として使用した場合には、負極活物質と負極集電体との間の密着性が低下するため好ましくない。更に、リチウムイオン二次電池としての特性を安定化させるためには、電解銅箔の両面のRzjisの値の差が、0.6μm以内であることが好ましい。なお、ここで言うRzjis(10点平均粗さ)は、JIS B 0601に基づいて、触針式表面粗さ計(触針先端の曲率半径0.2μm)で測定した値である。
本件発明に係る電解銅箔の常態で測定した物理的特徴に関して述べる。本件発明に係る電解銅箔は、常態伸び率(E)の値が、2.0%〜9.0%の範囲であることが好ましい。常態伸び率が2.0%以上となったときに、リチウムイオン二次電池の負極集電体用途に適するようになる。一方、常態伸び率が9.0%以下の場合に、リチウムイオン二次電池の負極集電体に使用したときの充放電時の膨張収縮による変形抵抗が適正な範囲となる。なお、本件出願において、この伸び率の測定及び後述する引張強さの測定は、10mm幅の電解銅箔試料に対して、引張り試験を行うことにより測定した値である。
そして、本件発明に係る電解銅箔は、常態引張強さ(F)の値が、48kgf/mm〜72kgf/mmの範囲を示す。常態引張強さ(F)の値が48kgf/mm以上の場合に、リチウムイオン二次電池の負極集電体に使用したときの充放電時の膨張収縮に対する変形抵抗が良好となる傾向がある。一方、常態引張強さ(F)の値が72kgf/mm以下の場合に、安定的に上述の適正な常態伸び率の範囲となる。
次に、本件発明に係る電解銅箔に一定の加熱処理を行った後に測定した物理的特徴に関して述べる(以下、単に「熱後」と称する場合がある。)。ここで言う加熱処理とは、常態の電解銅箔に、大気雰囲気中で180℃×60分の加熱処理を施すことを言う。
本件発明に係る電解銅箔は、熱後伸び率(E)の値が、4%〜10%の範囲となる。プリント配線板の製造過程において銅箔で構成した回路、及び、リチウムイオン二次電池の負極の製造過程における銅箔で製造した負極集電体は、種々の高温負荷環境に晒される。従って、この電解銅箔の熱後物性は、製品品質を左右する非常に重要な要素となる。熱後伸び率(E)の値が4%以上であれば、リチウムイオン二次電池の負極集電体用途において適正な伸び率となる。一方、熱後伸び率が10%以下の場合に、リチウムイオン二次電池の負極集電体に使用したときの充放電時の膨張収縮による変形抵抗が適正な範囲となる。
そして、本件発明に係る電解銅箔は、180℃×60分の加熱処理後の熱後引張強さ(F)の値が、38kgf/mm〜72kgf/mmの範囲を示す。熱後引張強さ(F)の値が38kgf/mm以上の場合に、加工プロセスでの熱履歴の影響を受け難く、リチウムイオン二次電池の負極集電体に使用したときの充放電時の膨張収縮に対する変形抵抗も良好となる傾向になる。一方、熱後引張強さ(F)の値が72kgf/mm以下であれば、上述の適正な常態伸び率の範囲を維持しやすくなるため好ましい。
また、本件発明に係る電解銅箔は、物理的特徴として、上述の常態引張強さ(F)の値と、上述の180℃×60分の加熱処理後の熱後引張強さ(F)の値とが、以下の数2の関係を満たすことが好ましい。
Figure 0005373970
この数2の意味するところは、「常態引張強さ(F)」と「熱後引張強さ(F)」との差が小さく、一定の加熱を受けても軟化し難いと言うことである。リチウムイオン二次電池の負極の製造加工プロセスでは、銅箔が種々の熱履歴の影響を受ける。この結果、当該銅箔が軟化すると、リチウムイオン二次電池の負極強度として求められる屈曲性能、負極集電体に使用したときの充放電時の膨張収縮に対する変形抵抗の全てのバラツキが大きくなり、リチウムイオン二次電池としての品質安定性が確保できないため好ましくない。従って、このようなレベルの加熱に対する軟化抵抗が要求される。
更に、本件発明に係る電解銅箔の物理的特徴は、180℃×60分の加熱処理後の熱後耐屈曲試験における破断に到るまでの折り曲げ回数が、3000回以上という高い屈曲性能を示すことが好ましい。熱後耐屈曲試験での折り曲げ回数が3000回以上になると、リチウムイオン二次電池の負極集電体に使用したときの充放電時の膨張収縮に対する変形抵抗が飛躍的に向上し、製品寿命の長期化も可能となる。ここで言う熱後耐屈曲試験は、プリント配線板用の電解銅箔の場合でも、要求される重要な特性である。なお、この折り曲げ回数に関して、上限値を明確に記載していないが、経験的に言って6500回程度である。なお、ここで言う熱後耐屈曲試験は、幅10mm×長さ10cmの短冊状の電解銅箔を、180℃×60分の加熱処理した後、JIS C 5016の測定方法に準拠したテスター産業株式会社製のフレキシブル屈曲試験機(屈曲半径:1mm,屈曲速度:100cpm,ストローク:20mm)で破断に到るまでの折り曲げ回数を測定するものである。
本件発明に係る表面処理銅箔の形態: 本件発明に係る表面処理銅箔は、上述のヨウ素を含有する電解銅箔の表面に各種表面処理を施したことを特徴とする。この表面処理とは、上述の電解銅箔の表面に粗化処理、防錆処理、シランカップリング剤処理のいずれか1種又は2種以上を施すことを言う。この表面処理は、用途別の要求特性を考慮し、接着強度、耐薬品性、耐熱性等を付与する目的で、電解銅箔の表面へ施されるものである。また、シランカップリング剤処理に関して言えば、リチウムイオン二次電池の負極集電体に用いる電解銅箔の場合には電解銅箔の両面に施すことが好ましく、プリント配線板に用いる電解銅箔の場合には電解銅箔の片面に施すことが好ましい。
本件発明に係る電解銅箔の製造形態: 本件発明に係る電解銅箔の製造方法は、上述のヨウ素を含有する電解銅箔の製造方法であって、ここで用いる硫酸系銅電解液の組成に特徴がある。なお、ここで言う硫酸系銅電解液中の銅濃度は50g/L〜120g/L、より好ましくは50g/L〜80g/Lの範囲を用いる。また、フリー硫酸濃度は60g/L〜250g/L、より好ましくは80g/L〜150g/Lの範囲のものを基準として考える。
当該硫酸系銅電解液中のヨウ素濃度が1.5mg/L〜15.0mg/Lの範囲であることが好ましい。より好ましくは2.5mg/L〜7.0mg/Lの範囲である。硫酸系銅電解液中のヨウ素濃度が1.5mg/L未満の場合には、電解により析出する電解銅箔に取り込まれるヨウ素量が不足し、得られる電解銅箔は、上述の適正な範囲の表面粗さ、伸び率、引張強さ等の物理的特性が得られなくなり、各種物性の経時変化も大きくなる傾向にあるため好ましくない。一方、当該ヨウ素濃度が15.0mg/Lを超えると、電解銅箔中のヨウ素含有量が増加し、前述の不都合が生ずる。また、当該ヨウ素濃度を7.0mg/L以下とすることで、電解銅箔の析出面の平滑性と、良好な機械的強度を両立できる。このときのヨウ素の添加には、NaI、KI等のヨウ化物を用いることが好ましい。
また、本件発明に用いる銅電解液の塩素濃度は、1.0mg/L以下の濃度であることが好ましい。当該塩素濃度が1.0mg/Lを超えると、得られる電解銅箔が脆化しやすくなるため好ましくない。そして、本件発明に係る電解銅箔の含有する塩素濃度の範囲を、より安定化させるためには、0.4mg/L〜0.8mg/Lの範囲にあることが好ましい。この範囲の塩素濃度を採用することで、上述の各成分をバランス良く含有し、且つ、析出面が低プロファイル化し、高強度の電解銅箔の安定製造が可能になる。この硫酸系銅電解液中の塩素濃度の調整を行う場合には、塩酸又は塩化銅(II)を用いて調整することが好ましい。硫酸系銅電解液の溶液性状に悪影響を与えないからである。
そして、本件発明に係る電解銅箔の製造方法においては、銅電解液の温度を40℃〜60℃、電流密度50A/dm〜85A/dmの範囲で電解することが好ましい。溶液温度が40℃未満の場合には、電解の安定性に欠け、得られた電解銅箔の引張強さ及び伸び率等の物理的強度のバラツキが大きくなる傾向にある。一方、溶液温度が60℃を超えると、溶液中の水分の蒸発が顕著となり、溶液組成の安定性に欠けるため、工程管理が煩雑となり好ましくない。
また、ここで言う電解時の電流密度が50A/dm未満となると、工業的に求められる生産効率を得ることが出来ず、生産効率が低下するため好ましくない。一方、電解時の電流密度が85A/dmを超えると、製造された電解銅箔の析出面の表面粗さ、引張強さ等の物理的特性にバラツキが生じやすくなるため好ましくない。
本件発明に係る表面処理銅箔を用いて得られるリチウムイオン二次電池用負極: 本件発明に係る表面処理銅箔を用いて得られるリチウムイオン二次電池用負極は、上述の表面処理銅箔を負極集電体として使用したことを特徴とする。一般的に、リチウムイオン二次電池用の負極は、負極集電体である表面処理銅箔の表面に、負極活物質の担持を行って、負極活物質付負極集電体の状態としたものである。この製造工程において、本件発明に係る電解銅箔を用いた表面処理銅箔を用いることで、良好な耐熱軟化抵抗性、耐屈曲特性、及び、実際に負極活物質を担持した「負極活物質付集電体(負極)」の状態での集電体屈曲性能をも同時に向上させることが可能となる。
本件発明に係る電解銅箔の他の利用分野: 本件発明に係る電解銅箔及び表面処理銅箔は、プリント配線板製造用銅張積層板(以上及び以下において、単に「銅張積層板」と称する場合がある。)の製造に転用することも可能である。例えば、上述の表面処理電解銅箔と絶縁層構成材料とを積層して、プリント配線板製造用銅張積層板を得ることも可能である。なお、念のために記載しておくが、ここで言う銅張積層板の概念には、リジッド銅張積層板及びフレキシブル銅張積層板の双方が含まれる。本件発明に係る電解銅箔は、低プロファイルであるため、TAB、COF等を含むフレキシブルプリント配線板に求められるレベルのファインパターン回路の形成に好適である。
以下、本件発明に係る電解銅箔等の理解を容易にするため実施例を示す事にする。
この実施例では、硫酸系銅電解液として、硫酸銅溶液であって銅濃度80g/L、フリー硫酸濃度140g/Lの基本溶液を用い、表1に示す各添加剤濃度になるように調整した。このときのヨウ素の添加は、ヨウ化カリウム(KI)を用いて行い、塩素濃度の調整には塩酸を用いた。そして、表1に示す添加剤の配合が異なる組成の硫酸系銅電解液を用いて、試料1〜試料8の8種類のヨウ素を含有する電解銅箔を製造した。なお、この実施例は、比較例と対比することで、銅箔としての一般物性の差異を明らかにするためのものである。
電解銅箔の作製は、陰極として表面を#2000の研磨紙を用いて研磨を行ったチタン板電極を、陽極にはDSAを用いて、溶液温度50℃、電流密度75A/dmの条件で電解し、厚さ18μmのヨウ素を含有した電解銅箔を作製した。これらの電解銅箔の光沢面(析出面の反対側の面)の表面粗さ(Rzjis)は、1.4μmであった。ここで得られた電解銅箔の各特性の評価結果は、以下の比較例と対比可能なように表2に纏めて示す。
ここで、各種の測定条件等を述べておく。実施例に係る試料の常態および熱後の引張強さ及び伸び率の測定に関しては、IPC−TM−650に準拠して行った。また、表面粗さの測定に関しては、JIS B 0601−2001に準拠して行った。以下の比較例も同様である。
比較例
この比較例は、比較試料1及び比較試料2とが、ヨウ素濃度が0.5mg/L以下の銅電解液を用いたものであり、上述の実施例との対比に用いる比較例である。そして、比較試料3及び比較試料4とが、ヨウ素濃度が0.0mg/Lの銅電解液(ヨウ素を含有しない銅電解液)を用いたものである。その他は、実施例と同様の製造条件とし、比較試料1〜比較試料4を得た。上記液組成を、実施例の液組成と併せて、後の表1に示す。
[実施例と比較例との対比から分かること]
銅箔としての基本物性の対比: 表1、表2及び図面を参照しつつ、実施例と比較例との対比を行うこととする。
Figure 0005373970
この表1から、実施例に係る試料1〜試料8は、本件発明の銅電解液として適正とした「塩素濃度が1.0mg/L以下、ヨウ素濃度が1.5mg/L〜15.0mg/L」の範囲に含まれる硫酸酸性硫酸銅電解液を用いている。これに対し、比較試料1〜比較試料4のいずれも、「ヨウ素濃度が1.5mg/L〜15.0mg/L」の範囲に含まれる硫酸酸性硫酸銅電解液を用いておらず、この適正とした塩素とヨウ素とを含有した銅電解液を使用していないことが理解できる。
Figure 0005373970
この表2から理解できるように、本件出願に係るヨウ素を含有した電解銅箔の製造方法において、銅電解液の「塩素濃度が1.0mg/L以下、ヨウ素濃度が1.5mg/L〜15.0mg/L」の条件を満足する硫酸酸性硫酸銅電解液を使用することで、ヨウ素含有量が0.005質量%〜0.063質量%の電解銅箔が得られている。この電解銅箔は、析出面が平滑で、且つ、常態と熱後の引張り強さの差異が、[常態引張強さ(F)]−[熱後引張強さ(F)]の値が10kgf/mm以下の条件を満たすものであると理解できる。
リチウムイオン二次電池の負極集電体としての特性における考察1: この考察1では、前述の表2のデータを、X−Y座標平面に於いて、縦軸のY方向に「箔中のヨウ素含有量」、横軸のX方向に「箔中の塩素濃度」を採り、プロットしたのが図1である。そして、この図1に示したヨウ素含有量0.003質量%のラインより上の領域に、全ての実施例のデータが含まれている。これに対し、比較例の比較試料は、ヨウ素含有量0.003質量%未満と理解できる。
ここで、表2の掲載内容を見直すと、実施例の中で、試料7の電解銅箔のみがヨウ素含有量が0.03質量%を越えている。この結果として、試料7の熱後耐屈曲試験の折り曲げ回数が1105回であり、他の試料の折り曲げ回数に比べ低い値となっていることに気付く。このことも、電解銅箔中のヨウ素含有量が0.03質量%を越えると、電解銅箔の組織が脆化する傾向となることの裏付けになる。
そして、図1の直線の上側の領域(上述の数1で示される領域)に入るヨウ素含有量と塩素含有量とを備えることが、リチウムイオン二次電池用の負極集電体用途に用いる電解銅箔として要求される特性である加熱に対する耐熱軟化抵抗性が特に高くなり、しかも耐熱軟化抵抗性が安定するため好ましい傾向にある。即ち、リチウムイオン二次電池用の負極集電体用途に用いる電解銅箔は、電解銅箔中のヨウ素含有量だけでなく、電解銅箔中の塩素含有量も考慮して、数1に示す関係を満たすことが、特に好ましいと考えられる。
以上のことを総合的に考えると、本件出願に係るヨウ素を含有した電解銅箔の場合、ヨウ素含有量が0.003質量%〜0.03質量%、塩素含有量が0.0006質量%0.0018質量%であり、且つ、数1に示す条件を満たす範囲にあることが、リチウムイオン二次電池の負極集電体として最も好ましい特性を備えると判断できる。
リチウムイオン二次電池の負極集電体としての特性における考察2: この考察2は、本件発明に係るヨウ素を含有した電解銅箔に特有の耐熱軟化性を説明するためのものであり、「常態引張強さと350℃での加熱を行った後の加熱後引張強さとの関係」に関して述べる。即ち、リチウムイオン二次電池の負極の製造過程で付加される高温雰囲気を考慮して、350℃での加熱を行った後の物理特性の変化を比較例と対比するためものである。この考察2では、説明の都合上、上述の実施例の試料1〜試料8及び比較例で用いた比較試料1〜比較試料4の中から抽出した試料を用いて説明する。
表3に、「常態引張強さ(F)」と「350℃での加熱を行った後の加熱後引張強さ(F)」との関係を示す。ここでは、銅箔に対して、350℃×60分の加熱を行った後の、長さ10cm×幅10mmの短冊状試料を用いて引張り試験を行った結果である。
Figure 0005373970
この表3からも、ヨウ素を含有した電解銅箔であっても、塩素を含有させていない試料3は、350℃×60分の加熱処理後には、引張強さが極めて大きく低下している。また、比較試料1、比較試料2及び比較試料4の場合には、熱後の引張強さが30kgf/mm未満の値を示しているが、試料1〜試料3は、30kgf/mm以上を維持している。これに対し、試料2は、前述の数1に示す関係を満たした領域にあり、且つ、図1の網掛け領域にあり、350℃×60分の加熱処理を受けた後においても、40kgf/mm以上の高い引張強さを備えており、表2に示した耐屈曲試験の折り曲げ回数も優れた値を示している。
一方で、考察1で示した「加熱処理後の電解銅箔物性におけるヨウ素含有量と塩素含有量との関係」を示した図1の直線Aで区分される範囲(上述の数1に示す式)によって、350℃×60分の加熱処理後の本件出願に係る電解銅箔の物性が区分けされることが分かっている。
即ち、この図1の直線の上側の領域(数1に示す条件を満たす領域)に入るヨウ素含有量と塩素含有量とを備えることが、リチウムイオン二次電池用の負極集電体用途に用いる電解銅箔として要求される特性である加熱に対する耐熱軟化抵抗性が特に高くなり、しかも耐熱軟化抵抗性が安定するため好ましい。よって、リチウムイオン二次電池用の負極集電体用途に用いる電解銅箔は、電解銅箔中のヨウ素含有量だけでなく、電解銅箔中の塩素含有量も考慮して、上述の数1に示すの関係を満たすことが、特に好ましいことが明らかである。
以上のことから、電解銅箔の中には、ヨウ素と塩素とをバランス良く含有させる必要がある事が理解できる。このような電解銅箔に分類される試料1と試料2との電解銅箔は、加熱による軟化抵抗が大きく、リチウムイオン二次電池の負極製造に用いても、充放電時の膨張収縮挙動に対して、十分な変形抵抗力を示すことが理解できる。
リチウムイオン二次電池の負極集電体としての特性における考察3: この考察3も、本件発明に係るヨウ素を含有した電解銅箔に特有の耐熱軟化性を説明するためのものであり、「耐熱折り曲げ引張り試験結果」に関して述べる。この耐熱折り曲げ引張り試験(特殊法)は、銅箔に対して350℃×60分の加熱処理を施した後の、引張り試験の結果である。この結果に関しては、表4に掲載する。ここで言う耐熱折り曲げ引張り試験(特殊法)の試験方法は、以下のとおりである。
(耐熱折り曲げ引張り試験手順)
1. 引張り試験用の1cm×10cmの短冊状の銅箔試料を、大気雰囲気中で所定の加熱温度(特殊法の加熱温度350℃、その他180℃)で60分間の加熱処理を行い、放冷する。
2. その後、当該試料を折り曲げ、15kgの負荷をかけた状態で1分間の180°曲げ応力を負荷して折曲部を形成し、元の短冊形状に戻す。
3. 引張り試験機にて、引張強さと伸び率とを室温雰囲気中で測定する。
4. 評価項目
・耐熱引張り強さ(耐熱折り曲げ引張り試験手順の(2)を省略したもの)
・耐熱折り曲げ引張り強さ
ここで、上述の耐熱折り曲げ引張り試験(特殊法)を採用した理由を述べておく。リチウムイオン二次電池は、銅箔を用いた負極用集電体に活物質層を形成する際に、高温が負荷される。そして、角型のリチウムイオン二次電池の場合には、高温負荷を受けて活物質層を形成した当該負極は、正極やセパレータと積層された常態で、折り曲げて角型に扁平化させる工程を備えている。従って、耐熱折り曲げ引張り試験(特殊法)は、このような折り曲げ加工を施された場合の負荷に対する銅箔の耐性を評価するために導入したものである。
Figure 0005373970
この表4から分かるように、実施例(試料1、試料2、試料5、試料6)は、比較試料1と比べ、180℃×60分の加熱後の折り曲げ引張強さにおいても、相対的に高いことが分かる。このことから、本件発明に係るヨウ素を含有した電解銅箔は、高温加熱を受けても、軟化しにくい特性を備えており、折り曲げても引張強さの低下が少なく、破断し難い事が理解できる。
ここで、表4の試料5及び試料6と、比較試料1とを対比すると、350℃×60分の加熱後の引張強さに大きな差異があるようには見えないと感じるかも知れない。ところが、これらの180℃×60分の加熱後の折り曲げ引張強さをみれば、比較試料1に比べて、試料5及び試料6の折り曲げ引張強さの値が顕著に高くなっている。よって、試料5及び試料6は、比較試料1に比べて、広範な温度の加熱を受けても良好な引張強さを示し、折り曲げても引張強さの低下が少なく、破断し難い事が理解できる。
また、実施例に相当する試料1、試料2、試料5、試料6の180℃×60分の加熱後と、350℃×60分の加熱後の折り曲げ引張強さの変化を見てみると、次のような事が理解できる。試料1及び試料2の場合には、180℃×60分の加熱後の折り曲げ引張強さに比べ、350℃×60分の加熱後の折り曲げ引張強さが高くなっている。これらのヨウ素含有量は、0.018質量%、0.019質量%であり、このレベルのヨウ素を含有することで、材料としての加熱に対する耐熱軟化抵抗性が顕著に向上していると考えられる。一方、試料5及び試料6の場合には、180℃×60分の加熱後の折り曲げ引張強さに比べ、350℃×60分の加熱後の折り曲げ引張強さがかなり低くなっている。これらのヨウ素含有量は、0.005質量%であり、このレベルのヨウ素含有量の場合には、顕著な耐熱軟化抵抗性の向上が出来ていないと考えられる。しかし、試料5及び試料6の場合でも、比較例と比べれば、確実に材料としての耐熱軟化抵抗性の向上が図れていると言える。
リチウムイオン二次電池の負極集電体としての特性における考察4: この考察4では、表1に記載の組成以外の電解液組成を用いて得られた電解銅箔を含めて、350℃加熱試験後の箔物性をもって、更に詳細に検討する。この表5には、電解液の組成、銅電解液の組成毎の350℃×60分の加熱試験後の箔物性を掲載している。なお、電解液組成以外の製造条件は、実施例と同じである。ここで、表1及び表2の結果を踏まえれば、表5のSシリーズ(「試料S−1〜試料S−8」の総称。)は、本件発明に係る電解銅箔に相当するものであることが理解できる。一方、表5のCシリーズ(「試料C−1〜試料C−4」の総称。)は、本件発明に係る電解銅箔に該当するものでないことが明らかである。なお、参考までに、試料S−2は実施例で言う試料1、試料S−5は実施例で言う試料2であり、試料C−1は比較例で言う比較試料1、試料C−2は比較例で言う比較試料2、試料C−4は比較例で言う比較試料4であることを明記しておく。
Figure 0005373970
この表5から理解できるように、「Sシリーズ」は「Cシリーズ」と比べ、350℃×60分間の加熱処理を行った後の引張強さが高くなっている事が理解できる。即ち、この引張強さの傾向をみるに、ヨウ素を所定量含有した硫酸酸性硫酸銅電解液を用いて作製した「Sシリーズ」は、350℃×60分という過酷な加熱に対して、引張強さが27kgf/mm以上の十分な軟化抵抗を示していることが分かる。しかも、「Sシリーズ」は、折り曲げを行っても28kgf/mm以上の高い引張強さを示していることになる。また、「Sシリーズ」の中でみた場合の好ましい態様は、耐熱引張り強さ及び耐熱折り曲げ引張り強さ共に、30kgf/mm以上の高い引張強さを示した試料S−1〜試料S−6が該当する。そして、更に好ましい態様としては、耐熱引張り強さ及び耐熱折り曲げ引張り強さ共に、40kgf/mm以上の高い引張強さを示した試料S−1〜試料S−3が該当する。
リチウムイオン二次電池の負極集電体としての特性における考察5: この考察5では、本件発明に係るヨウ素を含有する電解銅箔を、リチウムイオン二次電池の負極集電体として用いた場合の優位に関して、表6を参照して述べる。この説明にあたり、実施例の試料1〜試料3、比較例の比較試料1,比較試料2及び比較試料4、コルソン合金箔、圧延銅合金箔を用いて、これらを対比している。そして、この考察5では、導電率を考慮しているが、導電率の測定には、agilent technologies社のB1500A Semiconductor Device Analyzerを用いて、JIS K 7194に準拠した四探針法を採用した。
Figure 0005373970
リチウムイオン二次電池のサイクル寿命を延ばすためには、負極集電体の電気抵抗による電圧損を可能な限り小さくし、電池内の負極活物質に対して均等に電子を供給あるいは収集して反応させる必要がある。この要求特性に関して、負極集電体として用いる電解銅箔の350℃×60分の加熱処理後の物性が大きく影響すると考えられる。
即ち、表6から理解できるように、本件出願に係るヨウ素を含有する電解銅箔は、350℃×60分の加熱処理後の引張強さが30kgf/mm以上の高い値を示すと同時に、常態も加熱後も安定して高い導電率を示していることが分かる。一方、ヨウ素を含有していない電解銅箔は、導電率は高いものの、加熱により大きく引張強さが低下している。従って、ヨウ素を含有していない電解銅箔は、リチウムイオン二次電池の充放電時に負極集電体が受ける膨張収縮挙動に耐え得ないと判断できる。
また、表6では、比較用に、コルソン合金箔と圧延銅合金箔とを示している。コルソン合金箔は、加熱後の引張強さが非常に良好であるが、合金組成に起因して導電率が低い。このため、負極集電体として使用した場合には、負極全体に対して均等に電子を供給し、負極活物質にリチウムを均等に収集する反応を起こさせることがことが困難になるため好ましくない。
そして、圧延銅合金箔の場合には、一見すれば、引張強さと導電率とのバランスがとれているように思える。しかし、常態の導電率は、電解銅箔である実施例の試料又は比較例の試料と比べても低いことが分かる。このような物性の金属箔を負極集電体として使用した場合、充放電を行う際に発生する発熱により、負極集電体の一部が過熱状態となり、部分的にアニールされた状態となり、当該部位のみ引張強さ及び電気抵抗が低下し、負極集電体としての変形が顕著になり、且つ、負極全体に対して均等に電子を供給し、負極活物質にリチウムを均等に収集する反応を起こさせることがことが困難になるため好ましくない。
以上のように、本件発明に係るヨウ素を含有した電解銅箔は、比較例の比較試料、コルソン合金箔、圧延銅合金箔と比べても、リチウムイオン二次電池の負極集電体としての用途に好適であることが理解できる。
総合的判断: 以上に述べて来た実施例に相当するヨウ素を含有する電解銅箔は、折り曲げても破断し難い性質を備えていると言える。従って、このような電解銅箔を、リチウムイオン二次電池に採用される巻型電池の集電体材料として用いると、当該電池の製造過程で負荷される熱履歴による軟化が起こりにくく、且つ、充放電時の発熱による影響も受けにくく、更に、充放電時の膨張・収縮挙動に対する変形抵抗能力にも優れることになる。従って、本件発明に係るヨウ素を含有した電解銅箔は、リチウムイオン二次電池に採用される集電体材料として好適な銅箔であると言える。
本件発明に係る電解銅箔は、従来の電解銅箔には含まれないヨウ素を0.003質量%以上含有したものである。このヨウ素を含有した電解銅箔は、塩素含有量が変動しても、安定した諸特性を示すものである。
そして、当該電解銅箔の物理的性質は、加熱しても軟化しにくく、リチウムイオン二次電池の集電体に求められる良好な耐熱軟化抵抗性及び耐屈曲特性を併せ持つ。よって、この電解銅箔を集電体として採用すれば、高品質、且つ、長寿命のリチウムイオン二次電池の市場供給が可能となる。

Claims (14)

  1. 銅電解液を電解することにより得られる電解銅箔であって、
    電解銅箔中のヨウ素含有量が0.003質量%以上であることを特徴とする電解銅箔。
  2. 前記ヨウ素含有量が、0.03質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電解銅箔。
  3. 塩素含有量が、0.0018質量%以下の範囲にある請求項1又は請求項2に記載の電解銅箔。
  4. 塩素含有量とヨウ素含有量とが、以下の数1の関係を満たす請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電解銅箔。
    Figure 0005373970
  5. Rzjisの値が、0.70μm〜2.0μmの範囲にある析出面を備える請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電解銅箔。
  6. 常態引張強さ(F)の値が、48kgf/mm〜72kgf/mmの範囲である請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電解銅箔。
  7. 180℃×60分の加熱処理後の熱後引張強さ(F)の値が、38kgf/mm〜72kgf/mmである請求項1〜請求項6のいずれかに記載の電解銅箔。
  8. 常態引張強さ(F)の値と、180℃×60分の加熱処理後の熱後引張強さ(F)の値とが、以下の数2の関係を満たす請求項1〜請求項7のいずれかに記載の電解銅箔。
    Figure 0005373970
  9. 銅電解液を電解することにより得られる電解銅箔であって、
    常態引張強さ(F )の値が、48kgf/mm 〜72kgf/mm であり、且つ、350℃×60分の加熱処理後の熱後引張強さ(F)の値が、30kgf/mm以上であることを特徴とする電解銅箔
  10. バルク厚さが18μm±1.8μmの場合において、180℃×60分の加熱処理後の耐屈曲試験での折り曲げ回数が、3000回以上である請求項1〜請求項9のいずれかに記載の電解銅箔。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載の電解銅箔の表面に表面処理を施したことを特徴とする表面処理銅箔。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の電解銅箔の製造方法であって、
    銅電解液として、ヨウ素濃度が1.5mg/L〜15.0mg/Lの範囲の硫酸酸性硫酸銅電解液を用いることを特徴とする電解銅箔の製造方法。
  13. 塩素濃度が1.0mg/L以下である硫酸酸性硫酸銅電解液を用いる請求項12に記載の電解銅箔の製造方法。
  14. 請求項11に記載の表面処理銅箔に負極活物質を担持したことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
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