JP5372380B2 - 結合化合物、免疫原性化合物およびペプチド模倣体 - Google Patents

結合化合物、免疫原性化合物およびペプチド模倣体 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は生物学の分野に関する。より具体的には、本発明は結合分子の検出、同定および/または生成に関する。
一般に生体分子である結合分子と、それらの対応するリガンドとの間の相互作用は、生命の中核である。細胞はしばしば、たとえばホルモン、ペプチド、薬物、抗原、エフェクタ分子などの別の分子と、または別の受容体分子と特異的に相互作用または結合することができる受容体分子を有しているか、または含んでおり、たとえば、酵素はその基質と結合し、抗体分子および/またはT細胞は抗原と結合し、核酸はたんぱくと結合する。「相互作用または結合」とは、分子力の範囲内で結合分子およびリガンドが互いに接近し、互いの特性に影響を及ぼし得ることを意味する。この接近は、親密性および相互作用の程度を増大させることを含む分子認識の種々のステージに結合分子およびそのリガンドを導き、これらは、常に不可逆的であるわけではないが、結合する。
結合分子は、問題となっているリガンドの認識を可能とする明確な結合部位を含むが故に、結合能力を有する。リガンドもまた、対応する結合部位を有し、2つの結合部位が本質的に空間的な相補性によって相互作用し得るときにのみ、2分子は結合することができる。言うまでもなく、分子は三次元を有し、結合部位は三次元の性質であって、しばしば1つの結合部位の1つ以上の表面突出部または突起部分が他方の1つ以上のポケットまたはくぼみに対応して、ときには誘導適合変化をともない、三次元の鍵と鍵穴配置を形成する。ときには、このような突起部分は、問題となっている分子の単ループを含み、結合部位を本質的に形成するのはこの突起部分のみである。その場合、当業者はしばしばこれらの結合部位が直線状結合部位または連続結合部位を含むと称し、問題となっている分子の直線部分のみが本質的に結合反応の原因である。この専門用語は、たとえば、抗原がたんぱく配列の一部つまり直鎖ペプチドを含んでいる抗体−抗原反応を記載するのに広く使用されている。当業者はしばしば、直線状エピトープつまり連続エピトープについて述べることがあり、連続エピトープでは抗原分子の結合部位(エピトープ)は連続して結合したアミノ酸のループによって形成される。しかし、類似した連続結合部位(ここではエピトープおよび結合部位は同じ意味で使われる)は、(T細胞受容体などの)受容体−抗原相互作用、ホルモン受容体およびそのアゴニストまたはアンタゴニストなどの受容体−リガンド相互作用、受容体−サイトカイン相互作用、またはたとえば酵素−基質相互作用もしくは受容体−薬物相互作用に見られ、これらの相互作用では分子の直線部分が結合部位として認識される。
しかし、しばしば、そのような突起部分およびくぼみは、問題となっている分子の種々の異なる部分を含み、結合部位を本質的に形成するのは組合わされた部分である。一般に、当業者は問題となっている分子の異なる部分を含むそのような結合部位を、不連続もしくは立体配座結合部位またはエピトープと称する。たとえば、一次構造(たんぱく分子のアミノ酸配列)だけでなく二次および三次構造(分子のアルファらせんまたはベータシートへの折り畳みおよびその全体形)を、ならびにときおり四次構造(他のたんぱく分子との相互作用)さえもを有するたんぱく上にある結合部位は、一次構造内では離れており、ともに折り畳まれて結合部位内で近接するアミノ酸または短ペプチド配列を、必須の突起部分またはくぼみに含んでいる。直線状(連続)結合部位において、抗体との接触を仲介する重要なアミノ酸は、一般に、通常15アミノ酸長以下の一次構造の一部内に位置する。これらの配列全体を含むペプチドは、インタクトなたんぱくのリガンドによって示される範囲内におおよそ位置する標的たんぱくに親和性を有する。しかし、立体配座(不連続)結合部位においては、一般に重要な残基は一次構造内でしばしば離間している2つ以上の結合領域にわたって分布している。折り畳まれると、これらの結合領域は、たんぱく表面で集められて複合の結合部位を形成し得る。たとえ完全な結合部位が高い親和性の相互作用を仲介しても、重複ペプチドの直線スキャンにおいて合成されるような1つの結合領域のみを覆うペプチドは一般に、たとえば標準のELISAまたはBiacore実験において、しばしば測定され得ない非常に低い親和性を有する。
生命において結合分子とそのリガンドとが演じる中心的役割によって、結合分子の検出、同定および/または生成への関心がますます拡大しつつある。たとえば結合部位の性質への洞察は、結合分子とそのリガンドとの結合を妨げることのできる化合物を設計できる可能性を提供する。さらに、(複合)分子の結合部位を模倣する結合分子の生成が、広範な種々の応用のために所望されている。たとえば、たんぱく性分子の結合部位を模倣するペプチドは、診断的、治療的および/または予防的利用に適している。このようなペプチドは、たとえばリガンド−受容体対に対するアゴニストまたはアンタゴニストとしての使用に適している。
さらに、免疫原性化合物の検出、同定および/または生成における関心がますます拡大しつつある。免疫原性化合物は、注目する抗体および/またはT細胞を得るのに特に適している。さらに、このような免疫原性化合物は宿主内の免疫応答を喚起するのに適しており、この免疫応答が、好ましくは、免疫原性化合物および/または免疫原性化合物が由来する免疫原によるその後の課題に対して、部分的なまたは完全な保護をもたらす。好ましくは、注目のたんぱく性分子によるその後の課題に対して、宿主内の部分的なまたは完全な保護的免疫応答をもたらすことのできる免疫原性化合物が生成される。通常、このような免疫原性化合物は、注目のたんぱく性分子に完全にまたは部分的に由来するペプチド配列を含む。
一般に、注目する結合化合物および/または免疫原性化合物のスクリーニング方法は、注目の分子を特異的に結合することができる化合物を検出するために、複数の想定される結合部位および/または免疫原性化合物の生産、ならびに、それに続く(たとえばリガンド、抗体および/またはT細胞などの)注目の分子とのインキュベーションを含む。ペプチド分野の初期研究は、たんぱくの活性アミノ酸配列またはペプチドを抗原的に検出または決定する方法に関する、国際公開第8403564号パンフレットである。いわゆるペプスキャン技術をもたらすこの研究は、複数の異なるペプチドの生産を含み、その後、合成されたペプチドがそれぞれ、問題となっている結合分子で試験される。この方法は、たんぱくまたはペプチド配列における連続結合部位および/または連続エピトープの検出を可能とする。広義にとらえたペプスキャン技術は、種々の性質の結合部位、免疫原性部位またはリガンドに本質的に相同であるか、類似しているか、模倣している(直線状ではあるが)ペプチドの試験または同定を提供する(mimotopes、Geyssenら、Mol. Immunol.、第23巻、709−715頁、1986年)。ペプスキャン技術は、迅速で容易な方法で、受容体分子、酵素、抗体などと相互作用する直線状ペプチド配列の同定を可能とし、比較的容易に、問題となっている結合分子との反応性について非常に多くのペプチドの試験を可能とする。
しかし、ペプスキャン技術は非連続結合部位つまり立体配座結合部位の試験には適していない。さらに、ペプスキャン技術は、与えられたたんぱく性分子の一次アミノ酸配列に直接由来しないアミノ酸配列を有するペプチドであって、所望の特性を備えるものを得るには適していない。
国際公開第0231510号パンフレットにおいて、不連続結合部位のスクリーニング方法が開示されている。分子ライブラリが生成され、試験物質を形成するために、第1セグメントが第2セグメントのごく近傍にて発見される。その後、異なるセグメントを含む種々の試験物質が、所望の結合部位の存在についてスクリーニングされる。この方法は、注目する化合物内に存在する種々の結合部位の存在についてスクリーニングするのに適している。互いにごく近傍に発見されるセグメントはランダムに合成されるか、たんぱく性分子の公知のアミノ酸配列に由来する。しかし、セグメントがランダムに合成される場合、膨大な量の試験物質を合成する必要があり、困難で時間がかかる。他方、セグメントが注目するたんぱく性分子の一次配列に直接由来する場合は、たんぱく性分子の一次アミノ酸配列に直接由来しないアミノ酸配列を有するペプチドが生産されないので、かなり限られたコレクションが得られる。
本発明は、注目する結合部位および/または免疫原性部位の存在についてスクリーニングするのに適している化合物の生産方法を提供する。本発明の方法は、一方で、与えられたたんぱく性分子に少なくとも部分的に基づき、他方で、そのたんぱく性分子の一次配列(の一部)に正確に類似する配列を必ずしも含まない化合物を提供する。本発明は、結合化合物および/または免疫原性化合物を体系的に生成して、スクリーニングするために、注目するたんぱく性分子の一次配列に由来する少なくとも1つの配列が使用される方法を提供する。本発明は、注目する元々のたんぱく性分子の結合部位および/または免疫原性部位に匹敵するか、むしろ優れた特性の免疫原性化合物および/または結合化合物を生成、選択および/または同定する効果的な方法を提供する。本発明の方法の好ましい実施形態は、本実施形態が足場に結合されるペプチドを提供するので、所望の結合特性および/または免疫原性についてスクリーニングするのに特に適している。足場の使用は、遊離した直鎖ペプチドと比較して、生物学的に関連する二次構造を有するペプチドをしばしばもたらす。さらに、本発明の好ましい足場が使用されると、ペプチドと足場との第1結合の形成がペプチドと足場との第2結合の形成を加速するという事実によって、生産されたペプチドはそれらが足場に付着される前に保護される必要がない。このような好ましい足場は選択的に官能化される必要はない。ゆえに、好ましい実施形態においては、選択されたアミノ酸配列が、煩わしい保護および脱保護手順の必要なく、足場にカップリングされるペプチドに組込まれる効果的な方法が提供される。これらのペプチドは、溶液中で、より好ましくは水溶液中で足場にカップリングされるのが好ましい。水溶液の使用は種々の利点をもたらす。たとえば、水は(たとえばDMFおよびDMSOと比較して)安価で、無毒で、凍結乾燥によって除去するのが容易である。さらに、(バッファ)塩は水に非常によく溶解し、水はまた(非常に疎水性のものを除いて)ほとんどのペプチドについて良好な溶解特性を有している。
所望の結合特性および/または免疫原性を備える化合物が本発明に従う方法で選択されると、その化合物は、たとえば、免疫原性組成物の調製のための、および/または(たとえば二次、三次および/または四次構造などの)注目のたんぱく性分子の特性へのより深い洞察を得るための、ペプチド模倣体、アゴニスト、アンタゴニストとしての使用に適している。注目するたんぱく性分子内の(不連続)結合部位および/またはエピトープを同定することができるが、与えられたたんぱく性分子と比較して、少なくとも1つの改良特性、好ましくは少なくとも1つの改良免疫原性および/または結合特性を備える化合物を提供するのが好ましい。
1つの側面において、本発明は、免疫原性化合物および/または結合化合物の存在および/または同定に関する試験に適した化合物の生産方法であって、
少なくとも1つのたんぱく性分子の一次配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を選択する工程であって、選択されるアミノ酸残基が、他の選択されたアミノ酸残基があれば、そのアミノ酸残基から好ましくは少なくとも2アミノ酸残基離れて位置するように、少なくとも1つのアミノ酸残基を選択する工程と、
少なくとも1つの選択されたアミノ酸残基の少なくとも1つのフランキング配列であって、少なくとも1つのたんぱく性分子のN-末端および/またはC-末端の方向に位置し、2〜48アミノ酸残基の長さを有するフランキング配列を選択する工程と、
フランキング配列の少なくとも1つを含むペプチドであって、最小で4アミノ酸残基、最大で50アミノ酸残基の長さを有するペプチドを生産する工程とを含む方法を提供する。
1つの実施形態において、フランキング配列は選択されたアミノ酸残基を含む。しかしながらこれは必須ではない。
本発明に従う方法は、注目するたんぱく性分子に少なくとも部分的に由来する配列を含む、少なくとも1つのペプチド、好ましくは複数のペプチドの生産を含んでいる。好ましい実施形態は、(注目するたんぱく性分子に由来する)フランキング配列の系統的な「シャッフリング」を含み、注目の結合化合物および/または免疫原性化合物の存在に関してスクリーニングされるのが好ましい複数のペプチドをもたらす。フランキング配列の長さ、種類および/または量を変化させることによって、複数のペプチドが生産される。ペプチドの量およびペプチド間の差異の程度は、特定の用途に依存して任意に選ばれる。
本発明に従う方法は、複数の化合物を生産し、少なくとも1つの所望の特性を備える化合物の存在に関して複数の化合物をスクリーニングするのに特に適している。複数の化合物は、所望の特性を備える化合物が生成され選択される機会を増進するために、少なくとも10、より好ましくは少なくとも100、最も好ましくは少なくとも1000の化合物を含むことが好ましい。好ましい実施形態において、複数の化合物は所望の免疫原性を備える化合物の存在に関してスクリーニングされる。これは、たとえば本発明の複数の化合物を抗体および/またはT細胞などの結合分子とともにインキュベートし、少なくとも1つの化合物が結合分子を特異的に結合させることができるかを決定することによってなされる。
好ましい実施形態において、宿主において免疫応答を誘導することができる化合物が選択される。この実施形態においては、本発明の少なくとも1つの化合物がヒトではない動物に投与され、免疫応答が誘導されるかが決定される。注目するたんぱく性分子に対して向けられる免疫応答を宿主内にて誘導することができる化合物が選択されるのが最も好ましい。ゆえに、体液性および/または細胞性応答などの免疫応答を宿主内にて誘導することができる化合物が選択されるのが好ましく、免疫応答中に、化合物を特異的に結合させることができるだけでなく、注目のたんぱく性分子をも特異的に結合させることができる抗体および/またはT細胞が生産される。本発明の方法が、このような結合化合物および/または免疫原性化合物を生成し検出するのに、特に効果的であることがわかった。好ましい実施形態において、化合物は、ヒトではない動物に投与される前に、抗体および/またはT細胞などの結合分子を用いる第1スクリーニング手順中に最初に選択される。ゆえに、この実施形態に従えば、本発明に従うペプチドが最初に生体外でスクリーニングされ、その後有望な候補ペプチドの免疫原性が続いて生体内で調査される2段階手順が好ましい。
本発明の方法は、一次配列が少なくとも部分的に知られている、注目するあらゆるたんぱく性分子に応用可能である。本発明の方法が免疫原性化合物および/または結合化合物を生産するために実行される場合、たんぱく性分子の表面露出領域から少なくとも1つのアミノ酸残基を選択することが好ましい。もちろんこれは、たんぱく性分子の(二次、三次および/または四次)構造が少なくとも部分的に知られている場合にのみ可能である。しかし、本発明の方法は、少なくとも部分的に知られている構造を有するたんぱく性分子に制限されない。未知の(二次、三次および/または四次)構造のたんぱく性分子で本発明の方法を実行することも可能である。その場合、もちろん、たんぱく性分子のアミノ酸残基はランダムに選択される。ここで、アミノ酸残基を選択するとは、アミノ酸残基を考慮するという意味である。物理的に単離し、または合成する必要はない。
アミノ酸残基が選択されると、続いて、アミノ酸残基の少なくとも1つのフランキング配列が選択される。フランキング配列は、注目するたんぱく性分子の一次配列において、選択されたアミノ酸残基から5つ、好ましくは3つのアミノ酸残基内に位置するいくつかの連続アミノ酸残基として定義される。フランキング配列は、選択されたアミノ酸残基に直接隣接して位置するのが好ましい。ゆえに、位置nのアミノ酸残基が選択されると、N-末端方向に位置するフランキング配列はアミノ酸位置n−1にて終了するのが好ましく、C-末端方向に位置するフランキング配列はアミノ酸位置n+1にて開始するのが好ましい。1つの実施形態においては、フランキング配列は選択されたアミノ酸残基を含む。この実施形態に従えば、N-末端方向に位置するフランキング配列はアミノ酸位置nにて終了し、および/またはC-末端の方向に位置するフランキング配列はアミノ酸位置nにて開始する。ここで使用されるように、フランキング配列はその最もN-末端のアミノ酸残基にて「開始する」とよばれ、フランキング配列はその最もC-末端のアミノ酸残基にて「終了する」とよばれる。フランキング配列の長さは、2〜48アミノ酸残基であるのが好ましい。好ましくは、その長さは4〜30アミノ酸残基、より好ましくは4〜21アミノ酸残基である。N-末端方向に位置する選択されたアミノ酸残基のフランキング配列の長さは、C-末端の方向に位置する選択されたアミノ酸残基のフランキング配列の長さと同じである必要はないが、これはもちろん可能である。さらに、選択されたアミノ酸残基の異なるフランキング配列を選択することが可能であり、それらのフランキング配列はN-末端および/またはC-末端の方向にあり、異なる長さである。ゆえに、本発明の方法はまた、選択されたアミノ酸残基の少なくとも2つのフランキング配列の選択を含み、それら少なくとも2つのフランキング配列は(N-末端またはC-末端の)同じ方向にある。
少なくとも1つのフランキング配列が選択されると、フランキング配列の少なくとも1つを含むペプチドが生産される。ここで、ペプチドは、ペプチド結合を介して互いに結合した少なくとも2つの連続アミノ酸残基を含む化合物として定義される。天然のアミノ酸残基の他に、本発明のペプチドは、たとえばD-アミノ酸残基などの、非天然アミノ酸残基を含むことが可能である。フランキング配列の少なくとも1つを含む本発明のペプチドは、たとえば固相合成などの当該技術において公知のあらゆる方法を用いて生産される。ペプチドの長さは4〜50アミノ酸残基である。しかし、ペプチドは6〜25アミノ酸残基の長さを有するのが好ましい。なぜなら、この長さのペプチドが最適な試験結果をもたらすことが示されたからである。したがって、ペプチドが最大25アミノ酸残基の長さを有する本発明に従う方法が提供される。所望の結合化合物および/または免疫原性化合物を効率的にスクリーニングするために、異なるフランキング配列を有する複数のペプチドが合成されるのが好ましい。
本発明のペプチドは、生物学的に関連する二次構造を有する化合物を得るために、足場にカップリングされるのが好ましい。さらに、足場-結合ペプチドは、溶液中で遊離するペプチドと比較して、一般により安定である。したがって、1つの実施形態は、ペプチドと足場との少なくとも1つの結合を形成するために、生産されたペプチドを足場に接触させることを含む本発明に従う方法を提供する。束縛された、生物学的に関連する構造を得るために、ペプチドと足場との間に少なくとも2つの結合が形成されるのが好ましい。特に好ましい実施形態において、本発明に従うペプチドは足場にカップリングされ、その際ペプチドと足場との間の第1結合の形成が連続結合の形成を促進する。これは、ペプチドの反応性側鎖が、ペプチドと足場との間のカップリング反応中に、保護基によって保護される必要がないという利点をもたらす。第1結合が一旦形成されると、第2結合は過多の好ましくない副産物の形成が避けられるほど充分に速く形成される。
したがって、1つの側面における本発明は、免疫原性化合物および/または結合化合物の存在および/または同定に関する試験に適した化合物の生産方法であって、
少なくとも1つのたんぱく性分子の一次配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を選択する工程であって、選択されたアミノ酸残基が、他の選択されたアミノ酸残基があれば、そのアミノ酸残基から好ましくは少なくとも2つのアミノ酸残基離れて位置するように、少なくとも1つのアミノ酸残基を選択する工程と、
少なくとも1つの選択されたアミノ酸残基の少なくとも1つのフランキング配列であって、少なくとも1つのたんぱく性分子のN-末端および/またはC-末端の方向に位置し、2〜48アミノ酸残基の長さを有するフランキング配列を選択する工程と、
フランキング配列の少なくとも1つおよび足場と反応することができる少なくとも2つの基を含むペプチドであって、最小で4アミノ酸残基、最大で50アミノ酸残基の長さを有するペプチドを生産する工程と、
結合の形成が連続結合の形成を促進する、少なくとも2つの結合をペプチドと足場との間に形成するために、ペプチドを足場に接触させる工程とを含む方法を提供する。
生産されたペプチドは、ペプチドと足場との間に少なくとも2つの結合を形成するために、足場と接触させるのが好ましく、その際ペプチドと足場との間の結合の形成が、ペプチドと足場との間の連続結合の形成を促進する。ここで、足場は、本発明のペプチドを結合することができるあらゆる固体支持体として定義される。ペプチドが足場に結合された後は、その構造は、溶液中で遊離しているときのペプチドの構造と少なくとも部分的に異なることが好ましい。足場の使用は、生物学的に関連する二次構造を有する本発明のペプチドをもたらす。さらに、結果として生じるペプチド-足場化合物は、通常、遊離ペプチドと比較してより安定している。足場に結合されたペプチドの固定構造は、足場-結合ペプチドがリガンド、アゴニストまたはアンタゴニストなどの免疫原性化合物および/または結合化合物として使用されるときに、特に適していることが実証された。本発明の任意の複数のペプチドの各ペプチドは、本質的に同じ種類の足場にカップリングされ、それら複数のペプチドの個々のペプチド間での直接の比較を可能とするのが好ましい。同じ種類の足場が使用される場合、その足場およびペプチドを含む種々の化合物間の差異は、ペプチド間の差異に起因しやすい。好ましい実施形態において、本発明の複数のペプチドを含むアレイが生産され、足場に結合された各ペプチドが、多くの試験化合物の中から有望な化合物を迅速に選択することを可能とする。
1つの実施形態において、足場と反応することができる少なくとも2つの基が同一である本発明の方法が提供される。これは、ペプチドと足場との間の少なくとも2つの結合が、同じ反応条件下で形成されるという利点をもたらす。結合を容易にするために、本発明のペプチドは少なくとも1つのSH-官能基を含むことが好ましい。より好ましい実施形態において、足場と反応することができる少なくとも2つの基は2つのSH-官能基である。ここで、SH-官能基は、スルフヒドリル基つまりチオール基(SH基)を含むペプチドの一部分(好ましくはアミノ酸残基)として定義される。しかし、他の基も可能である。さらに好ましい実施形態において、少なくとも1つのSH-官能基はシステイン残基である。最も好ましい実施形態においては、足場と反応することができる少なくとも2つの基がシステイン残基である本発明の方法が提供される。1つの実施形態において、足場と反応することができる基はペプチドの第1のアミノ酸位置およびペプチドの最後のアミノ酸位置に位置する。さらなる実施形態において、足場と反応することができ、ペプチドの第1アミノ酸位置および最後のアミノ酸位置に位置する基は、システイン残基である。したがって、1つの実施形態は、ペプチドの第1および最後のアミノ酸残基がシステインである本発明に従うペプチド製造方法を提供する。他の実施形態においては、足場と反応することができる基の少なくとも1つは、本明細書の至るところに詳細に記載されるように、ペプチド配列内に位置する。
少なくとも1つのフランキング配列を含む本発明のペプチドは、所望の生物活性を有する安定化合物を得るために、足場にカップリングされる。原則として、あらゆる足場が適している。しかし、好ましくは、本発明のペプチドと足場との間の第1結合の形成が第2結合の形成を促進するような足場が使用される。1つの好ましい実施形態において、本発明のペプチドと足場との間の少なくとも1つの結合はチオエーテル結合を含む。さらに好ましい実施形態において、本発明のペプチドは(ヘテロ)芳香族化合物であって、好ましくは少なくとも2つのベンジル位ハロゲン置換基を含む(ヘテロ)芳香族化合物、好ましくはハロメチルアレーンにカップリングされる。好ましい実施形態において、本発明のペプチドは、ビス(ブロモメチル)ベンゼン、トリス(ブロモメチル)ベンゼン、テトラ(ブロモメチル)ベンゼンまたはそれらの誘導体にカップリングされる。本発明に従うペプチドは、メタ-1,3-ビス(ブロモメチル)ベンゼン(m-T2)、オルト-1,2-ビス(ブロモメチル)ベンゼン(o-T2)、パラ-1,4-ビス(ブロモメチル)ベンゼン(p-T2)、メタ-1,3-ビス(ブロモメチル)ピリジン(m-P2)、2,4,6-トリス(ブロモメチル)メシチレン(T3)またはメタ-1,3-ビス(ブロモメチル)-5-アジドベンゼン(m-T3-N3)にカップリングされるのが最も好ましい。
特に好ましい実施形態において、本発明に従うペプチドを足場にカップリングさせるために、国際公開第2004077062号パンフレットに従う求核置換反応が実行される。このようなカップリング反応は求核置換反応を含み、遊離型の求核官能基を有する分子が足場と反応する。好ましい実施形態において、求核官能基はチオール基つまりスルフヒドリル基を含む。チオールは飽和炭素原子上での置換に効果的な求核剤である。一般に、分子に求核官能基を備えるのは困難ではない。たとえば、ペプチドまたはペプチド模倣体は、ペプチドアミノ酸配列中にシステイン残基を組み込むことによって、容易にチオール部分を有するように官能化される。
もちろん、種々の他の求核官能基を、アルコール(-OH)またはアミン(-NH)部分を有するアミノ酸のように、同様に本発明のペプチドに組込むことが可能である。しかし、一般にアルコールまたはアミンのカップリング反応に必要とされる化学反応は、SH-官能化ペプチドを使用する提供された方法とは対照的に、非保護ペプチドを使用することを許容しないということは強調されるべきである。したがって、本発明のペプチドは、少なくとも2つのSH-官能基、好ましくは少なくとも2つの遊離型のシステイン スルフヒドリル基を含むのが好ましい。本発明に従う方法は非保護ペプチドの使用を許容しており、アミノ酸側鎖には、カップリング反応への不所望の関与を防止ための保護または処理が別になされない。ゆえに、本発明に従う方法は、本発明の本質的には非保護のペプチドを足場に接触させる工程を含むのが好ましい。重要なことには、ここに提供される非保護ペプチドを使用する方法は、無用な時間、努力および資金を省く。なぜなら、多段階の保護/脱保護工程を必要としないからである。
好ましい実施形態において、本発明に従うペプチドは、少なくとも2つの求核置換反応によって足場にカップリングされ、ペプチドは足場分子との2つの結合を形成する少なくとも2つの遊離型求核官能基を有する。たとえば、ペプチドは、反応基の一部である、足場の2つ以上の飽和炭素原子と反応する。求核置換はまた、求核剤および脱離基が単一の分子または分子状物質の一部であるとき、分子間過程であり得る。本発明の好ましい実施形態において、足場には、少なくとも1つの分子内求核置換反応を介して、少なくとも1つの分子が提供される。分子内過程は、類似の分子間反応よりもかなり有利なエントロピーを有する。なぜなら、2つの別々の分子が一体となる必要がないからである。
飽和炭素上で生じる求核反応の共通した特性は、その炭素原子が、炭素または水素以外の原子であるヘテロ原子にほぼ常に結合することである。さらに、そのヘテロ原子は通常炭素よりも電気陰性度が大きく、置換反応におけるいわゆる脱離基(L)でもある。脱離基は、元々その脱離基を炭素原子に結合させていた電子対とともに外れる。好ましい実施形態において、少なくとも1つのペプチドとの少なくとも2つの結合の形成を促進するために、少なくとも2つの脱離基を含む足場が使用される。脱離基が外れる容易さは基の塩基性に関連し得る。弱い塩基は、効果的に電子対を収容することができるので、通常良好な脱離基である。反応基の反応性は、脱離基の外れる傾向によって大きく左右される。反応基の反応性に幾分関係がある別の要因は、脱離基と炭素原子との間の結合強度である。なぜなら、置換が起こるためにはこの結合は破れなければならないからである。ゆえに、好ましい実施形態では、少なくとも2つの良好な脱離基を含む足場が本発明に従う方法において使用される。通常、良好な脱離基は強酸の共役塩基である。最も重要な脱離基は、pKa値が5未満の酸の共役塩基である。特に興味深い脱離基には、I、BrおよびClなどのハロゲン化物イオンが含まれる。ハロゲン化アルキルにおける炭素-ハロゲン(C-X)結合は、分極しており、炭素に部分的な正電荷が、ハロゲンに部分的な負電荷が存在する。ゆえに、炭素原子は求核剤(電子の対をもたらす試薬)による攻撃に敏感で、ハロゲンはC-X結合から2つの電子を獲得して、ハロゲン化物イオン(X)として脱離する。1つの実施形態において、反応基は求核剤による攻撃に敏感な炭素原子を含み、反応基は炭素-ハロゲン結合を含む。好ましい実施形態において、反応基の少なくとも2つを含む足場が、求核剤としてのジ-SH官能化ペプチドと反応するために使用される。本発明のペプチドがハロゲン化アルカンを含む足場にカップリングされる、本発明に従う方法が提供される。ハロゲン化アルカン(ハロアルカンまたはハロゲン化アルキルとしても知られる)は、鎖の1つ以上の炭素原子に結合したハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)を含む化合物である。ここで提供されるのは、2つのハロゲン原子を含むジハロ足場(dihaloscaffolds)、ならびに、1つ以上のループしたペプチドセグメントから成る、配座的に束縛されたペプチド構造の合成用のトリ-およびテトラハロ足場である。通常、良好な置換基は、電気陰性であって炭素原子に極性を与え、一度離れてしまうと余剰の電子対で安定し、分極可能であって遷移状態を安定化させる。ヨウ素を除いて、すべてのハロゲンは炭素よりも電気陰性である。塩素および臭素はかなり類似した電気陰性度を有し、かなり同等に炭素との結合に極性を与える。イオン化すると、双方は非常に弱い塩基であり、2つのうちBrはより弱い。臭化イオンはまた、そのより大きなサイズによって、より分極可能である。したがって、提供される方法は、有利には少なくとも2つのCl原子を含む足場を用いて、より好ましくは少なくとも1つのCl原子および少なくとも1つのBr原子を含む足場を用いて、さらに好ましくは少なくともBr原子を含む足場を用いて実行される。
好ましい実施形態において、足場はアリル系を含む。アリル系においては、3つの炭素原子があり、そのうち2つは炭素-炭素二重結合を介して結合される。好ましい実施形態において、本発明に従う足場とペプチドとの結合の形成は、アリル置換反応を介して生じる。アリル置換反応とは、アリル系の位置1にて生じる置換反応をいい、二重結合は位置2と位置3との間にある。入ってくる基は脱離基と同じく原子1に付着するか、2/3から1/2への二重結合の移動を伴って、入ってくる基は相対位置3に付着する。アリル置換の反応速度は非常に速い。なぜなら、アリルカチオン反応中間体、つまり二重結合した炭素に付いた正電荷を有する炭素原子は、通常安定であるからである。これは、アリル位カチオンが2つの正確に等価な構造の共鳴混成であることによる。寄与構造のいずれかにおいて、π電子雲とともに電子欠損炭素の空のp軌道がある。この空のp軌道と二重結合のπ電子雲との重なりはπ電子の非局在化をもたらし、これによって電子欠損炭素に電子を提供して、カチオンを安定化させる。少なくとも2つのアリル型ハロゲン原子を含む足場が、さらに好ましい。電子の非局在化によって、アリルハロゲン化物は、非常に容易にイオン化してカルボカチオンおよびハロゲン化物イオンを生成する傾向があり、そのため炭素ハロゲン化物結合の開列は迅速である。
本発明のさらなる実施形態において、炭素-酸素二重結合(つまりカルボニル基)が足場に存在する。アリル系と同様、カルボカチオンの安定化に寄与する共鳴構造を形成することができる。たとえば、足場は、C(O)-CH-ハロゲンの構造を有する2つ以上の反応基を含む。
さらに、求核置換反応において、基質の構造は脱離基の性質と全く同様に重要な役割を果たす。たとえば、求核剤が炭素の背面を攻撃する場合、反応は脱離基がメチル基に結合されていれば妨害なく進み、水素は炭素を攻撃するのに充分な表面を残す。その炭素がより多く置換されていくと、より大きい基は、求核剤が脱離基を置換するために通らなければならない経路を妨害する。これらの理由のため、足場が少なくとも2つのハロメチル基を含むことも有利である。
1つの実施形態において、足場は芳香族化合物またはアレーンとしても知られる共役ポリエンを含み、この共役ポリエンに少なくとも2つの反応基が備えられている。芳香族化合物は平坦で、分子平面の上および下に非局在化した環状のπ電子雲を有する。本発明に従う分子の足場は、たとえばハロメチル基のような、少なくとも2つのベンジルハロゲン置換基を含むのが好ましい。適当な例は、これに限定されないが、ジ(ハロメチル)ベンゼン、トリ(ハロメチル)ベンゼンまたはテトラ(ハロメチル)ベンゼン、およびそれらの誘導体を含む。ベンジルハロゲン置換基の利点は、芳香族化合物として知られる共役ポリエンの共鳴に関連する特別な安定性において主に追求することが可能なことである。ベンジルハロゲン原子は、求核置換反応が生じる炭素を脱離するさらに強い傾向を有する。
SH-SHペプチドなどの適したペプチドの、ハロメチルベンゼン誘導体との反応を含む実施形態は、非常に広い範囲のものである。反応は、少なくとも2つのハロメチル基を有する種々の芳香族化合物で、首尾よく進行する。これらの基はオルト、メタまたはパラ位のいずれかに位置することができる。前述の分子内触媒効果は、各カップリング様式に関して異なる。なぜなら、通常、パラおよびメタ-シクロファンはオルト-シクロファンよりも歪んでいるからである。少なくとも1つのループしたペプチド構造を有する足場の合成のために、オルト-、メタ-またはパラ-位に少なくとも2つのハロメチル基を有する他のすべての(ヘテロ)芳香族化合物も提供される。
本発明に従う方法における使用に適した分子足場はまた、より小さい、またはより大きい環構造の多環芳香族化合物を含む。しかし、本発明に従う方法における使用のための足場は、炭化水素に限定されない。反対に、提供される方法はまた、ヘテロ環芳香族足場−環構造中の炭素以外に少なくとも1つの原子、通常窒素、酸素または硫黄、を有する環状分子−を使用しても、適切に実行される。例には、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、3-ピロリン、ピリジン、ピリミジン、およびそれらの誘導体が含まれる。ヘテロ環芳香族足場は少なくとも2つのハロメチル基を含むものが好ましいが、これに限定されない。好ましい足場はメタ-ジブロモ-ピリジンである。
別の実施形態において、提供される方法は、縮合環芳香族化合物などの多環芳香族構造に基づく、または、多環芳香族構造から成る足場の使用を含む。炭素-炭素結合を共有する2つの芳香族環は、縮合しているといわれる。適当な縮合環芳香族足場は、それらが少なくとも2つの反応基を含むという条件で、たとえばナフタレン、アントラセンまたはフェナントレン、およびそれらの誘導体を含む。好ましい実施形態において、縮合環芳香族足場は少なくとも2つの反応基を含み、各基は、たとえばハロメチル基といった極めて反応性に富むベンジルハロゲン原子を含む。
系が炭素原子の対を共有しない、様々な芳香族系または共役系を含む分子もまた、足場分子として有用である。たとえば、足場は多環または縮合環構造を含み、たとえばベンゼンといった芳香環が炭素-炭素結合を介して直接結合した足場が試験され得る。代わりに、環は少なくとも1つの原子を含むリンカーを介して結合される。本発明の方法において適した足場の例は、図4,5および6に与えられている。当業者は、これらの分子のどのバージョンを使用するか選択することができるだろう。商業上の点からみて、本発明に従う足場は、比較的低価格にて市販され、大量に入手することができるのが好ましい。たとえば、ジブロモ足場の1,3-ビス(ブロモメチル)ベンゼンは現在、グラムあたり僅か約5ユーロで販売されている。
ゆえに、国際公開第2004077062号パンフレットに従う方法は、第1および第2の反応基を使用して、本発明に従うペプチドの、足場との簡素で容易なカップリングを可能にする。第1結合の形成は連続的結合の形成を促進する。ゆえに、第1結合の形成は反応の連鎖をもたらし、第1結合の形成は(化学的)結合ともいわれ、第1反応基を介して、第2反応基の反応を増大させるなどする。この化学反応は官能基における変化を含むが、足場の分子骨格は本質的に変化しないままである。国際公開第2004077062号パンフレットに従う方法の利点は、本質的に非保護のペプチドを足場にカップリングすることができ、足場を選択的に官能化する必要がないことである。さらに、国際公開第2004077062号パンフレットに従う方法は、本発明に従うペプチドの水溶液中でのカップリングを可能にするが、他の公知のカップリング手順は、複数の保護-脱保護サイクルを介して有機溶媒中でしばしば実行される。したがって、好ましい実施形態は、ペプチドが足場にカップリングされ、ペプチドと足場との第1結合の形成が、ペプチドと足場との第2結合の形成を促進する本発明に従う方法を提供する。さらに好ましい実施形態は、ペプチドが溶液中で足場にカップリングされる本発明に従う方法を提供する。水溶液が使用されるのが最も好ましい。
本発明に従う1つの実施形態の非限定的な図解例を、以下に説明する。この例においては、注目するたんぱく性分子の2つのアミノ酸残基が選択される。これらのアミノ酸残基は双方とも、たんぱく性分子の表面露出領域から選択されるのが好ましい。選択されるアミノ酸残基は、第2に選択されるアミノ酸残基を含まない、第1に選択されるアミノ酸残基のフランキング配列を選択することが可能なように、互いから離れて位置する少なくとも2つのアミノ酸残基であるのが好ましい。この図解例において、たんぱく性分子の(一部の)一次配列は、配列X〜X24(Xはあらゆるアミノ酸残基を表わす)によって表わされる。
一次配列
101112131415161718192021222324
続いて、たとえばアミノ酸残基X10およびX15を選択する。その後、たとえば以下のフランキング配列を選ぶ。
10のフランキング配列:XおよびX1112
15のフランキング配列:X1314およびX1617181920
続いて、これらのフランキング配列の少なくとも1つ、および足場と反応することができる少なくとも2つの基を含むペプチドを生産する。この例において、足場と反応することができる2つの基は、ペプチドの第1および最後のアミノ酸残基である2つのシステイン残基である。もちろん、多くの別の基を使用することが可能であり、それらの基のペプチド内での位置は変更することができる。この例においては、たとえば以下のペプチドを生成する。
1つのフランキング配列を含むペプチド:
CX
CX1112
CX1314
CX1617181920
2つのフランキング配列を含むペプチド:
CX
CX1112
CX1314
CX1617181920
CX1112
CX11121112
CX11121314
CX11121617181920
CX1314
CX13141112
CX13141314
CX13141617181920
CX1617181920
CX16171819201112
CX16171819201314
CX16171819201617181920
3つのフランキング配列を含むいくつかの可能なペプチド:
CX
CX1112
CX1314
CX1617181920
CX1112
CX11121112
CX11121314
CX11121617181920
CX1314
CX13141112
CX13141314
CX13141617181920
CX1617181920
CX16171819201112
CX16171819201314
CX16171819201617181920
CX1112
CX11121112
CX11121314
CX11121617181920
CX11121112
CX111211121112
CX111211121314
CX111211121617181920
など
その後、生産されたペプチドは、本発明に従う(試験)化合物を生成するために、足場にカップリングされるのが好ましい。複数の試験化合物を生産するために、複数の異なるペプチドが、足場にカップリングされるのが好ましい。
さらに、前述の図解例において、3つのフランキング配列の組合せが可能であることが明らかだろう。さらに、4以上のフランキング配列を含む他のペプチドを設計することが可能である。しかし、ペプチドの全長は50アミノ酸残基を超えないのが好ましい。
さらに、本発明の種々の実施形態は種々の異なる長さのフランキング配列の選択を含む。たとえば、前述の図解例において、たとえばX10の以下のフランキング配列が選択される:
および/または
および/または
および/または
および/または
および/または
および/または
および/または
および/または
および/または
111213および/または
1112および/または
11
フランキング配列の種類、長さおよび量を変更することによって、異なる種類および/または長さのペプチドが生産される。4〜25アミノ酸残基のペプチドが生成されるのが好ましい。
与えられたたんぱく性分子の選択されるアミノ酸残基の数は変更することが可能であり、特定の用途に依存する。1つの好ましい実施形態において、少なくとも2つのアミノ酸残基が選択される。ゆえに、少なくとも1つのたんぱく性分子の一次配列内の、少なくとも2つのアミノ酸残基が選択される本発明に従う方法が提供される。効果の観点から、好ましくは、多くても5つのアミノ酸残基が選択される。3または4のアミノ酸残基が選択されるのが好ましい。特に好ましい実施形態においては、2つのアミノ酸残基が選択される。
もちろん、たんぱく性分子の1つの選択されたアミノ酸残基によって、本発明に従う方法を実行することも可能である。その場合、本発明のペプチドは、その1つの選択されたアミノ酸残基の、たんぱく性分子のN-末端方向に位置する少なくとも1つのフランキング配列、および/または、その1つの選択されたアミノ酸残基の、たんぱく性分子のC-末端方向に位置する少なくとも1つのフランキング配列を含む。もちろん、前述のように、異なる長さの種々のフランキング配列を使用することができる。
選択されるフランキング配列の数および長さは、特定の用途に依存する。1つの好ましい実施形態において、少なくとも2つのフランキング配列を含むペプチドが生産される。これらのフランキング配列は、互いに異なるか、同じであってもよい。1つの実施形態においては、選択された同じアミノ酸残基の少なくとも2つのフランキング配列が、ペプチドに組込まれる。しかし、別の実施形態においては、第1の選択されたアミノ酸残基のフランキング配列、および第2の選択されたアミノ酸残基のフランキング配列を含むペプチドが生産される。
本発明に従う方法では、足場と反応することができる少なくとも2つの基を含むペプチドが生産される。好ましい実施形態においては、それらの基は、少なくとも1つのSH-基、好ましくは少なくとも1つのシステイン残基を含む。なぜなら、SH-基は(ヘテロ)芳香族分子を含む足場にペプチドをカップリングさせるのに特に適しているからである。既に述べたように、(ヘテロ)芳香族分子を含む(好ましくは少なくとも1つのベンジルハロゲン置換基を含む)足場の使用が好ましい。少なくとも1つのSH-基(たとえばシステイン残基)を含む基が、ペプチドの足場とのカップリング反応において使用される場合、そのペプチドは、他の利用可能なシステイン残基の少なくとも一部を欠いているのが好ましい。利用可能なシステイン(残基)は、SH-基が別の基と反応することができるシステインとして定義される。ゆえに、たとえば保護基が設けられていることによって、SH-基が別の基と反応することができないシステイン残基は、「利用可能なシステイン」という用語の対象に含まれない。本発明のペプチドが他の利用可能なシステインを含む場合、足場と反応することを意図した少なくとも1つの基の代わりに、他の利用可能なシステインが足場と反応することができる。このように、ペプチドと足場との非意図的な結合が形成される可能性がある。さらに、他の利用可能なシステインは、足場と反応することを意図したSH-基を含む基と、ジスルフィド結合を形成することができる。その場合もまた、ペプチドと足場とのカップリング反応が歪められる可能性がある。これらの問題は、フランキング領域に存在する少なくとも1つのシステイン残基が、他のスルフヒドリル基含有部分と結合を形成することができない基によって置換されると、少なくとも部分的に避けられる。1つの実施形態において、これは保護基または模倣基によって実行される。たとえば、除去可能な保護基によって保護されたシステイン、たとえばCys(StBu)、または、最も好ましくはシステイン-(アセトアミドメチル)基(Cys(Acm))などが使用される。本発明の化合物を生成するための、本発明のペプチドの足場への付着に続いて、保護基は、たとえば還元処理によって、容易に除去される。たとえば、1,4-DDTまたはエタンジチオールが使用される。フランキング配列のシステイン残基をバイオイソステリックユニット(bioisosteric unit)によって置換することも可能である。バイオイソステリックユニットは類似した大きさおよび物理化学的特性を有する機能団として定義される。
フランキング配列の少なくとも1つにおける少なくとも1つのシステインが、たとえばアラニン残基といった、足場と非反応性である別のアミノ酸残基によって置換されるのが最も好ましい。ゆえに、フランキング配列の少なくとも1つにおける少なくとも1つのシステインが、別のアミノ酸残基によって置換される本発明に従う方法が提供される。ペプチドに組み込まれるすべてのフランキング配列におけるすべてのシステインは、足場に結合することを意図したSH基を有する2つの基以外の基を介してペプチドが足場に付着するのを防止するために、使用される足場と非反応性である他のアミノ酸残基によって、置換されるのが最も好ましい。
1つの好ましい実施形態において、種々の異なる長さのペプチドが、潜在的な結合化合物および/または免疫原性化合物のより多様なコレクションを提供するために合成される。結合分子間の相互作用および免疫原性相互作用は、しばしば非常に特異的である。ゆえに、本発明のペプチドの配列だけでなくその長さもまた、特異的相互作用に関するスクリーニングが実行される場合、しばしば関連性がある。したがって、少なくとも2つの異なる長さのペプチドを生産する工程を含む本発明に従う方法が提供される。6〜25アミノ酸残基の長さの複数のペプチドが生成されるのが最も好ましい。注目するたんぱく性分子の二次、三次および/または四次構造が知られている場合、たんぱく性分子の表面露出領域から少なくとも1つのアミノ酸残基を選択することがさらに好ましい。
しかし、注目するたんぱく性分子の二次、三次および/または四次構造が知られていないか、部分的にしか知られていない場合には、予備スクリーニングを実行することが好ましい。その場合、本質的に同じ長さを有する複数の重複ペプチドが合成されるのが好ましい。2,3または4セットのペプチドが合成され、ペプチドの1セットはほぼ同じ長さのペプチドを含むのが好ましい。たとえば、2セットのペプチドが生産され、1セットは約8アミノ酸残基の長さのペプチドを含み、他のセットは約15アミノ酸残基の長さのペプチドを含む。この実施形態によれば、(好ましくは足場にカップリングされた)複数の重複ペプチドが、所望の官能性(たとえば抗体、T細胞、リガンドまたは受容体などの注目する結合化合物に結合する能力)に関して試験される。1つ以上のペプチドが有望な候補であるとわかった場合、たんぱく性分子のどの領域からその有望な候補が由来しているように思われるのかを、決定するのが好ましい。たんぱく性分子のその領域が同定された後、第2の手順が続くのが好ましい。第2の手順においては、本発明の方法が再び実行される。今回は、第1の手順にて同定された前述の領域の少なくとも1つに存在する、少なくとも1つのアミノ酸残基が選択される。
1つの実施形態において、有望な候補であると思われるペプチドは、第2のペプチド(化学式(X))と組合わされる。第2のペプチドは、同じたんぱく性分子から少なくとも部分的に由来するのが好ましい。たとえば、2つのシステイン残基が足場と反応することができる基として使用される場合、およびスクリーニング中に見つかった有望なペプチドが(X)で表わされる場合、化学式C(X)C(X)および/または(X)C(X)Cのペプチドが合成されるのが好ましい。この化学式において、Cはシステイン残基であり、(X)は少なくとも1つのフランキング配列を表し、(X)はその少なくとも1つのたんぱく性分子に由来するあらゆる配列を表す。 (X)および(X)はそれぞれ少なくとも1つのフランキング配列を表すのが好ましい。
結果として生じるペプチドは、本発明に従う安定した試験化合物を生産するために、もう一度足場にカップリングされるのが好ましい。試験化合物は、ここでも所望の官能性(たとえば抗体、T細胞、リガンドまたは受容体などの注目する結合化合物に結合する能力)に関してスクリーニングされるのが好ましい。試験化合物は、有望なペプチド(X)が選択された第1のスクリーニングと比較して同じ官能性に関して試験されるのが好ましい。本発明のこの実施形態は、二次、三次および/または四次構造が知られていないか、部分的にしか知られていないたんぱく性分子に、少なくとも部分的に由来する免疫原性化合物および/または結合化合物を生産および/または同定するのに特に適している。1つの実施形態によれば、2,3または4セットのペプチドが合成され、ペプチドの1セットはほぼ同じ長さのペプチドを含み、結果として生じるペプチドは注目する結合分子を使用する第1のスクリーニング検定にかけられる。その後、有望な候補であると思われるペプチドは、化学式C(X)C(X)および/または(X)C(X)Cの化合物を生成するために、二次、三次および/または四次構造が知られていないか、部分的にしか知られていないそのたんぱく性分子に由来する第2のペプチドにカップリングされる。その後、結果として生じるペプチドは、再び注目する結合分子を使用する第2のスクリーニング検定によってスクリーニングされる。
ゆえに、1つの実施形態は、式C(X)C(X)またはC(X)C(X)を含むペプチドが生産される本発明に従う方法を提供し、ここで、Cはシステイン残基であり、(X)はフランキング配列の少なくとも1つを表し、(X)は少なくとも1つのたんぱく性分子に由来するあらゆる配列を表す。 (X)および(X)はそれぞれフランキング配列の少なくとも1つを表すのが好ましい。
ここで、重複ペプチドは、たんぱく性分子の一次配列に由来し、各ペプチドがその一次配列の少なくとも1つのアミノ酸残基を、別のペプチドと共通して有するペプチドとして定義される。たとえば、長さnの複数のペプチドが生産され、第1のペプチドは、たんぱく性分子の一次配列の、位置1にて開始し、位置nにて終了する。第2のペプチドは、たんぱく性分子の一次配列の、位置2にて開始し、位置n+1にて終了する。第3のペプチドは、たんぱく性分子の一次配列の、位置3にて開始し、位置n+2にて終了する、などである。ここでは、本質的に同じ長さを有するペプチドは、アミノ酸残基の量が互いに最大で5アミノ酸残基異なるペプチドとして定義される。これらのペプチドは、正確に同じ量のアミノ酸残基を有するのが好ましい。
本発明に従うペプチドは、足場と反応することができる少なくとも2つの基を含むのが好ましい。本発明のペプチドが足場と反応することができる2つの基を有する場合、結合に適した2つの部位を有する足場が使用されるのが好ましい。ここで、「結合に適した部位」および「結合部位」という語句は同じ意味で使用され、足場と反応することができる基を結合することができる部位として定義され、その基は本発明に従うペプチド上に存在する。その基はSH官能基であるのが好ましく、求核置換反応に使用されるのが好ましい。したがって、足場の適した結合部位の例は、炭素よりも電気陰性度が大きいヘテロ原子に結合した飽和炭素である。
2つの結合部位を含む足場の例は、2つのハロゲン置換基を含む芳香族分子である。好ましくは、ビス(ブロモメチル)ベンゼン、(ブロモメチル)(クロロメチル)ベンゼンまたはビス(クロロメチル)ベンゼンが使用される。メタ-ジブロモキシレン(m-T2)が使用されるのが最も好ましい。
1つの実施形態においては、足場と反応することができる少なくとも3つの基を含む、本発明に従うペプチドが生産される。この実施形態は、3つの部位にて足場に結合する本発明のペプチドによって、少なくとも2つのループが形成されるという利点をもたらす。少なくとも2つのループの各々は、連続結合部位および/または免疫原性部位の存在を試験するのに適している。しかし、不連続結合部位および/または免疫原性部位の存在を調査するために、少なくとも2つのループが一緒に試験されるのが好ましい。好ましい実施形態において、各ループはフランキング配列の少なくとも一部を含むので、種々のフランキング配列(の一部)の特性が同時に試験される。ゆえに、本発明のペプチドは、少なくとも2つのフランキング配列、および足場と反応することができる少なくとも3つの基を含むのが好ましい。足場と反応することができる少なくとも3つの基は、システイン残基であるのが好ましい。したがって、ペプチドが少なくとも3つのシステイン残基および少なくとも2つのフランキング配列を含む、本発明に従う方法が提供される。
もちろん、本発明のペプチドが足場と反応することができる3つの基を含む場合、結合に適した(少なくとも)3つの部位を有する足場が使用されるのが好ましい。たとえば、3つのハロゲン置換基を含む芳香族分子が使用される。この芳香族分子には、好ましくは、トリス(ブロモメチル)ベンゼン、ビス(ブロモメチル)(クロロメチル)ベンゼン、(ブロモメチル)ビス(クロロメチル)ベンゼンまたはトリス(クロロメチル)ベンゼンが含まれる。2,4,6-トリス(ブロモメチル)メシチレン(T3)が使用されるのが最も好ましい。
同様に、本発明のペプチドが足場と反応することができる4つの基を含む場合、結合に適した4つの部位を有する足場が使用されるのが好ましい。4つのハロゲン置換基を含む芳香族分子が使用されるのが好ましい。この芳香族分子には、好ましくは、テトラ(ブロモメチル)ベンゼン、トリス(ブロモメチル)(クロロメチル)ベンゼン、ビス(ブロモメチル)ビス(クロロメチル)ベンゼン、(ブロモメチル)トリス(クロロメチル)ベンゼンまたはテトラ(クロロメチル)ベンゼンが含まれる。1,2,4,5-テトラブロモジュレン(T4)が使用されるのが最も好ましい。
1つの好ましい実施形態において、化学式C(X)C(X)CまたはC(X)C(X)Cのペプチドが生産される。この化学式において、Cは足場と反応することができる基であり、システイン残基であるのが好ましく、(X)は少なくとも1つのフランキング配列を表し、(X)は注目するたんぱく性分子に由来するあらゆる配列を表す。(X)は(X)と同じたんぱく性分子に由来するのが好ましい。(X)および(X)はそれぞれ、少なくとも1つのフランキング配列を表すのが好ましい。1つの実施形態において、(X)および(X)の長さはほぼ同じであり、(X)のアミノ酸残基量と(X)のアミノ酸残基量との差異は5以下であることを意味する。このようなペプチドが足場と結合する場合、本質的に同じ長さの2つのループが形成される。しかし、これは必須ではない。別の実施形態において、(X)および(X)の長さは互いにかなり異なり、(X)のアミノ酸残基量と(X)のアミノ酸残基量とは互いに6アミノ酸残基以上異なることを意味する。このようなペプチドが足場とカップリングされる場合、かなり異なる長さの2つのループが得られる。
足場と反応することができる3つの基を含む前述の化学式のペプチドは、3つの結合部位を有する足場にカップリングされるのが好ましい。このペプチドは、好ましくは3つのハロゲン置換基を含む芳香族分子に、より好ましくはトリス(ブロモメチル)ベンゼンに、最も好ましくは2,4,6-トリス(ブロモメチル)メシチレン(T3)にカップリングされる。これはたとえば図7に表わされる構造をもたらし、1つの足場上の2つのペプチドループを試験するのに特に適している。
化学式C(X)C(X)CまたはC(X)C(X)Cのペプチドが、種々の実施形態において生産される。1つの実施形態において、注目するたんぱく性分子の種々のフランキング配列が選択され、これらのフランキング配列は、化学式C(X)C(X)CまたはC(X)C(X)Cのペプチドを生成するために、ランダムに組合わされる。ここで、(X)および(X)は双方とも、少なくとも1つのフランキング配列を含む。そのフランキング配列は、注目するたんぱく性分子の少なくとも1つの表面露出領域から選択されるのが好ましい。別の実施形態において、本発明の方法が、複数のペプチドを生産するために初めに実行される。それら複数のペプチドは、所望の免疫原性および/または結合特性を有する化学式(X)の少なくとも1つの有望な候補のペプチドを同定するために、たとえば抗体および/またはT細胞などの注目する結合分子でスクリーニングされる。その後、有望な候補のペプチドは、化学式C(X)C(X)CまたはC(X)C(X)Cのペプチドを得るために、化学式(X)の別のペプチドと組合わされる。化学式(X)のペプチドは、化学式(X)の有望な候補のペプチドと同じたんぱく性分子に由来するのが好ましい。1つの好ましい実施形態において、化学式(X)の有望な候補のペプチドと同じたんぱく性分子に少なくとも部分的に由来する重複ペプチドを含む化学式(X)の複数のペプチドが生産される。その後、重複ペプチドを含む各ペプチド(X)は、化学式(X)の有望な候補のペプチドにカップリングされる。結果として生じるペプチドC(X)C(X)CまたはC(X)C(X)Cは、その後、好ましくは化学式(X)の有望な候補のペプチドが選択された同じ種類のスクリーニング検定において、再びスクリーニングされる。少なくとも1つのペプチドC(X)C(X)CまたはC(X)C(X)Cが所望の免疫原性および/または結合特性を有すると思われる場合、そのペプチドが選択される。
化学式C(X)C(X)CまたはC(X)C(X)Cのペプチドが膜貫通たんぱくに少なくとも部分的に由来する場合、ペプチド(X)および(X)はともに、その膜貫通たんぱくの細胞外ループドメインおよび/または遊離N-末端の双方に由来するのが好ましい。ここで、膜貫通たんぱくの遊離N-末端は、アミノ酸1で開始し、第1の膜貫通ドメイン(ほとんど膜貫通らせん)の第1アミノ酸残基にて終了する、たんぱくの直鎖N-末端部分として定義される。1つの実施形態において、本発明の方法が初めに実行され、膜貫通たんぱくの細胞外ループドメインおよび/または遊離N-末端に存在する少なくとも1つのアミノ酸残基が選択される。本実施形態によれば、細胞外ループドメインおよび/または遊離N-末端に存在する少なくとも1つのフランキング配列を含む生産されたペプチドは、所望の免疫原性および/または結合特性を有する化学式(X)の少なくとも1つの有望な候補のペプチドを同定するために、たとえば抗体および/またはT細胞などの注目する結合分子でスクリーニングされる。有望な候補のペプチドは、その後、化学式C(X)C(X)CまたはC(X)C(X)Cのペプチドを得るために、その膜貫通たんぱくの細胞外ループドメインおよび/または遊離N-末端由来の少なくとも1つのフランキング配列を含む化学式(X)の別のペプチドと組合わされる。1つの実施形態において、(X)および(X)は、同じ細胞外ループドメインおよび/または遊離N-末端に由来する少なくとも1つのフランキング配列を含む。代わりに、またはさらに、(X)および(X)は、同じ膜貫通たんぱくの異なるドメインに由来する少なくとも1つのフランキング配列を含む。
化学式C(X)C(X)CまたはC(X)C(X)Cのペプチドが、cys-ノットスーパーファミリの一員などの、システイン残基間の少なくとも2つの内部シスチン結合を含むたんぱく性分子に少なくとも部分的に由来する場合、ペプチド(X)および(X)は双方が、そのたんぱく性分子の1つ以上のシステイン残基の少なくとも1つのフランキング配列を含むのが好ましい。たんぱく性分子のシステイン残基のみが選択される本発明の方法が、実行されるのが好ましい。結果として、少なくとも1つのシステイン残基のフランキング配列(の組合せ)のみを含むペプチドが生産される。
注目するたんぱく性分子の(二次、三次および/または四次)構造が知られていなければ、重複ペプチドのセットが生成されるのが好ましい。1つの実施形態において、足場と反応することができる3つの基は、それぞれの重複ペプチド内の3つの部位に配置される。結果として生じるペプチドは、その後、本発明に従う試験化合物を提供するために、(少なくとも)3つの結合部位を含む足場にカップリングされるのが好ましい。好ましい実施形態において、足場と反応することができる1つの基は、重複ペプチドの第1のアミノ酸残基に配置され、足場と反応することができる1つの基は、重複ペプチドの最後のアミノ酸残基に配置され、足場と反応することができる1つの基は、足場と反応することができる第1の基と最後の基との間に配置される。足場と反応することができる基はシステイン残基であるのが好ましいため、化学式C(X)C(X)Cのペプチドが生産されるのが好ましい。ここで、(X)および(X)は同じ重複ペプチドの一部であるのが好ましい。このペプチドC(X)C(X)Cは、重複ペプチドの配列の第1のアミノ酸残基と、その重複ペプチドの配列の最後のアミノ酸残基と、第1のアミノ酸残基と最後のアミノ酸残基との間に位置する1つのアミノ酸残基とを、システインで置換することによって生産されるのが好ましい。代わりに、(X)および(X)は重複ペプチドをそれぞれ含む。1つの実施形態において、(X)および(X)はほぼ同じ量のアミノ酸残基を含む。その場合、n個のアミノ酸残基から成る重複ペプチドのセットが生産されるのが好ましく、nは奇数である。その後、アミノ酸残基1、(n+l)/2およびnがシステインによって置換される。他の利用可能なシステイン残基は、別のアミノ酸残基によって置換されるか、(たとえば保護基によって)不活性にされるのが好ましく、それによって他の利用可能なシステイン残基はペプチドと足場とのカップリング反応を妨げなくなる。結果として生じるペプチドC(X)C(X)Cは、その後、(少なくとも)3つの結合部位を含む足場とカップリングされるのが好ましく、続いて所望の特性に関して試験される。
さらなる実施形態において、化学式C(X)C(G)C(X)CまたはC(X)C(G)C(X)Cのペプチドが生産される。この化学式において、Cは足場と反応することができる基であり、好ましくはシステイン残基であり、(G)はスペーサを表し、(X)は少なくとも1つのフランキング配列を表し、(X)は少なくとも1つのたんぱく性分子に由来するあらゆる配列を表す。(X)および(X)はそれぞれ、注目する同じたんぱく性分子の少なくとも1つのフランキング配列を表すのが好ましい。
もちろん、スペーサを別のフランキング配列(X)によって置換することも可能である。その場合、化学式C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)Cおよび/またはC(X)C(X)C(X)Cのペプチドが生産される。
前述の化学式のペプチドは、(少なくとも)4つの結合部位を含む足場と、または、それぞれの足場が(少なくとも)2つの結合位置を含む2つの足場と、カップリングするのに特に適している。結果として生じる化合物の限定しない図解例が、図7および8に表わされている。
たとえば2つの別々のm-P2分子など、少なくとも2つの結合部位を有する2つの足場が使用される場合、どのシステイン残基が第1の足場にカップリングされ、どのシステイン残基が第2の足場にカップリングされるのかを、調整することがときおり所望される。たとえば、化学式C(X)(G)(X)のペプチドが使用される場合、CおよびCはしばしば第1の足場と結合することが意図され、CおよびCは第2の足場と結合することが意図される。これは、たとえば、第2の足場(たとえばCおよびC)に結合させようとする2つのシステイン残基に、たとえばメトキシトリチル(Mmt)またはトリチル(Trt)などの保護基を備えることによって、実行される。第1のカップリング反応において、保護されたCおよびCを含むペプチドは第1の足場とインキュベートされる。その際、CおよびCのみが足場と結合することができる。その後、CおよびCが脱保護される。結果として生じる複合体が、今度は、第1の足場と同じ種類の足場であってもよい第2の足場とインキュベートされる(これは必須ではなく、第2の足場と第1の足場とは互いに異なってもよい)。今回は、CおよびCは第2の足場と結合することができる。このようにして、CおよびCは第1の足場と結合し、CおよびCは第2の足場と結合する。もちろん、他の組合せが可能である。
化学式C(X)C(G)C(X)C、C(X)C(G)C(X)C、C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)CまたはC(X)C(X)C(X)Cのペプチドが膜貫通たんぱくに少なくとも部分的に由来する場合、ペプチド(X)、(X)および任意で(X)は、その膜貫通たんぱくの細胞外ループドメインおよび/または遊離N-末端に由来するのが好ましい。1つの実施形態において、化学式(X)の少なくとも1つの有望なペプチドが、前述のように、第1のスクリーニング方法の間に選択され、この化学式(X)のペプチドは、膜貫通たんぱくの細胞外ループドメインおよび/または遊離N-末端に由来する少なくとも1つのフランキング配列を含む、本発明の方法が実行される。この化学式(X)の有望なペプチドは、その後、C(X)C(G)C(X)C、C(X)C(G)C(X)C、C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)CおよびC(X)C(X)C(X)Cから成る群から選択される化学式のペプチドを得るために、化学式(X)の別のペプチドおよび/または化学式(X)の別のペプチドと組合わされる。1つの実施形態において、(X)、(X)および任意で(X)は、同じ細胞外ループドメインおよび/または遊離N-末端に由来する少なくとも1つのフランキング配列を含む。代わりに、またはさらに、(X)、(X)および任意で(X)は膜貫通たんぱくの異なるドメインに由来する少なくとも1つのフランキング配列を含む。
C(X)C(G)C(X)C、C(X)C(G)C(X)C、C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)C、C(X)C(X)C(X)CおよびC(X)C(X)C(X)Cから成る群から選択される化学式のペプチドが、たとえばcys-ノットスーパーファミリの一員などの、システイン残基間の少なくとも2つの内部シスチン結合を含むたんぱく性分子に少なくとも部分的に由来する場合、ペプチド(X)、(X)および任意で(X)は、そのたんぱく性分子の1つ以上のシステイン残基の少なくとも1つのフランキング配列を含むのが好ましい。たんぱく性分子のシステイン残基のみが選択される、本発明の方法が実行されるのが好ましい。結果として、少なくとも1つのシステイン残基のフランキング配列(の組合せ)のみを含むペプチドが生産される。1つの好ましい実施形態においては、たんぱく性分子の少なくとも2つのシステイン残基の、少なくとも1つのフランキング配列を含むペプチドが生成される。たんぱく性分子の少なくとも2つのシステイン残基の、少なくとも2つのフランキング配列を含むペプチドが生成されるのが最も好ましい。
1つの好ましい実施形態において、本発明に従う方法は以下のように実行される。たんぱく性分子のSS-架橋の第1のシステインCys-1、Cys-1のフランキング配列(X)であって、C-末端の方向に位置し、xアミノ酸残基の長さを有するフランキング配列(X)を含み、第2のシステインCが続き、n個のグリシン残基(G)が続き、第3のシステインCが続き、そのSS-架橋の第2のシステイン残基Cys-2のフランキング配列(X)であって、N-末端の方向に位置し、yアミノ酸残基の長さを有するフランキング配列(X)が続き、そのSS-架橋の第2のシステインCys-2が続く、複数のペプチドが生産される。結果として生じるペプチドは、化学式Cys-1(X)C(G)C(X)Cys-2を含む。複数の異なるペプチドが合成されるのが好ましく、0はx、nおよびyよりも小さいかそれらに等しく、x、nおよびyは6よりも小さいかそれに等しい。さらに、x+n+yは21よりも小さいかそれに等しいのが好ましく、結果として生じるペプチドは25アミノ酸残基よりも小さいかそれに等しい。生産されたペプチドが、その後、所望の免疫原性および/または結合特性に関してスクリーニングされるのが好ましい。これは、(少なくとも)4つの結合部位を含む足場との、またはそれぞれが(少なくとも)2つの結合部位を含む2つの足場との、そのペプチドのカップリング後に実行されるのが好ましい。そのペプチドがT4足場、または2つのT2足場とカップリングされるのが最も好ましい。それぞれの足場が(少なくとも)2つの結合部位を含む2つの足場が使用される場合、2つのシステイン残基Cys-1およびCys-2は、ループを形成するために同じ足場とカップリングされるのが好ましい。他の2つのシステイン残基は、ループを形成するために別の足場とカップリングされるのが好ましい。既に説明したように、これは、たとえば、Cys-1およびCys-2に保護基を備え、他の2つのシステイン残基を保護されていないままにすることによって、達成される。その場合、非保護システインが、ループを形成するために足場にカップリングされる。その後、Cys-1およびCys-2が脱保護され、別の足場にカップリングされる。
Cys-1およびCys-2にたとえばTrtなどの第1の種類の保護基を備え、他の2つのシステイン残基にたとえばMmtなどの第2の種類の保護基を備えることも可能である。両種類の保護基は異なる試薬を用いて除去される。このように、どのシステイン残基が足場に結合することができるかを決定することが可能である。
さらなる実施形態において、化学式C(X)C(X)(G)(X)C(X)Cのペプチドが生産される。この化学式において、Cは足場と反応することができる基であり、好ましくはシステイン残基であり、(G)はスペーサを表し、(X)、(X)、(X)および(X)はそれぞれ注目するたんぱく性分子の少なくとも1つのフランキング配列を表す。このペプチドは2つの足場にカップリングするのに特に適しており、各足場は(少なくとも)2つの結合部位を含む。
好ましい実施形態において、この化学式のペプチドは、(少なくとも)2つのSS-架橋を含む注目するたんぱく性分子のフランキング配列を用いて合成され、そのたんぱく性分子の一次配列において、第2のSS-架橋の第1のシステインは第1のSS-架橋の第2のシステインからN-末端方向に位置し、第2のSS-架橋の第1のシステインおよび第1のSS-架橋の第2のシステインは互いから6アミノ酸残基内に位置するのが好ましく、たんぱく性分子の一次配列内のSS-架橋の各システインの位置は知られている。ゆえに、第2のSS-架橋の第1のシステインが位置nに位置する場合、第1のSS-架橋の第2のシステインは、位置n+1、n+2、n+3、n+4、n+5またはn+6に位置するのが好ましい。この実施形態によれば、第1のSS-架橋の第1のシステインCys-1.1、このCys-1.1のフランキング配列(X)であって、C-末端の方向に位置し、xアミノ酸残基の長さを有するフランキング配列(X)を含み、第2のSS-架橋の第1のシステインCys-1.2が続き、このCys-1.2のフランキング配列(X)であって、C-末端の方向に位置し、mアミノ酸残基の長さを有するフランキング配列(X)が続き、n個のグリシン残基(G)が続き、一次配列に存在する(第1のSS-架橋の第2のシステイン(Cys-2.1)または第2のSS-架橋の第2のシステイン(Cys-2.2)のいずれかであり得る)第3のシステイン残基のフランキング配列であって、N-末端の方向に位置し、pアミノ酸残基の長さを有するフランキング配列が続き、その第3のシステイン残基が続き、一次配列に存在する第4のシステイン残基のフランキング配列であって、C-末端の方向に位置し、yアミノ酸残基の長さを有するフランキング配列が続き、一次配列に存在する第4のシステイン残基であって、第1のSS-架橋の第2のシステイン(Cys-2.1)または第2のSS-架橋の第2のシステイン(Cys-2.2)のいずれかであり得る第4のシステイン残基が続く、複数のペプチドが生産される。
結果として生じるペプチドは、化学式
Cys-1.1(X)Cys-1.2(X)(G)(X)Cys-2.1(X)Cys-2.2
または
Cys-1.1(X)Cys-1.2(X)(G)(X)Cys-2.2(X)Cys-2.1
を含む。
複数の異なるペプチドが合成されるのが好ましく、0はx、m、n、pおよびyよりも小さいかそれらに等しく、x、m、n、pおよびyは6よりも小さいかそれに等しい。さらに、x+m+n+p+yは21よりも小さいかそれに等しいのが好ましく、結果として生じるペプチドは25アミノ酸残基よりも小さいかそれに等しい。生産されたペプチドは、その後、所望の免疫原性および/または結合特性に関してスクリーニングされるのが好ましい。これは、(少なくとも)4つの結合部位を含む足場との、またはそれぞれが(少なくとも)2つの結合部位を含む2つの足場との、ペプチドのカップリング後に実行されるのが好ましい。ペプチドがT4足場または2つのT2足場とカップリングされるのが最も好ましい。それぞれの足場が(少なくとも)2つの結合部位を含む2つの足場が使用される場合、第1のSS-架橋の2つのシステイン残基は、ループを形成するために、同じ足場とカップリングされるのが好ましい。第2のSS-架橋の2つのシステイン残基は、ループを形成するために、別の足場とカップリングされるのが好ましい。これは、既に説明したように実行されるのが好ましい。たとえば、第1のSS-架橋の2つのシステイン残基には保護基が備えられるが、他の2つのシステイン残基は非保護のままである。その場合、非保護システインが、ループを形成するために、足場とカップリングされる。その後、第1のSS-架橋の2つのシステイン残基が脱保護され、別の足場にカップリングされる。
第1のSS-架橋の2つのシステイン残基に、たとえばTrtなどの、第1の種類の保護基を備え、他の2つのシステイン残基に、たとえばMmtなどの、第2の種類の保護基を備えることも可能である。両種類の保護基は異なる試薬を用いて除去される。このように、どのシステイン残基が足場に結合することができるかを決定することが可能である。
さらなる実施形態において、化学式C(X)(G)(X)C(X)(G)(X)C(X)(G)(X)Cのペプチドが生産される。この化学式において、Cは足場と反応することができる基であり、好ましくはシステイン残基であり、(G)、(G)および(G)はスペーサを表し、(X)、(X)、(X)、(X)、(X)および(X)はそれぞれ少なくとも1つのフランキング配列を表す。このペプチドには3つのスペーサが備えられており、そのペプチド内での柔軟なループを許容する。この化学式に従うペプチドはまた、2つの足場とカップリングするのに特に適しており、各足場は(少なくとも)2つの結合部位を含む。
好ましい実施形態において、この化学式に従うペプチドは、(少なくとも)2つのSS-架橋を含む注目するたんぱく性分子のフランキング配列を用いて合成され、そのたんぱく性分子の一次配列内のSS-架橋の各システイン位置は正確に知られておらず、そのたんぱく性分子の一次配列において、2つのシステイン残基は互いから6アミノ酸残基内に位置する。この場合、当業者は予め、第2のSS-架橋の第1のシステインが、第1のSS-架橋の第2のシステインからN-末端方向に位置するか、またはC-末端方向に位置するかを知らない。したがって、前述の化学式の複数の分子を合成するのが好ましく、複数のペプチドは、所望の結合特性および/または免疫原性を有するペプチドをスクリーニングするために、システインおよびフランキング配列の異なる組合せを含む。本発明に従う方法は、SS-架橋のシステイン残基およびそのフランキング配列を選択する工程を含むのが好ましい。なぜなら、たんぱく性分子のシステイン間のSS-架橋はしばしば内部ループをもたらすからである。このようなループは通常、たんぱく性分子と別の化合物との相互作用に関わることがわかっている。ゆえに、SS-架橋のシステイン残基のフランキング配列は、注目するたんぱく性分子内の他の配列と比較して、結合事象および/または免疫力に関連する機会が増大する。
1つの好ましい実施形態において、一次配列にみられる第1のシステイン(C)、このCのフランキング配列(X)であって、C-末端の方向に位置し、mアミノ酸残基の長さを有するフランキング配列(X)を含み、n個のグリシン残基(G)が続き、一次配列にみられる第3のシステイン(C)のフランキング配列(X)であって、N-末端の方向に位置し、pアミノ酸残基の長さを有するフランキング配列(X)が続き、Cが続き、Cのフランキング配列(X)であって、C-末端の方向に位置し、qアミノ酸残基の長さを有するフランキング配列(X)が続き、r個のグリシン残基(G)が続き、一次配列に存在する第2のシステイン残基(C)のフランキング配列であって、N-末端の方向に位置し、sアミノ酸残基の長さを有するフランキング配列が続き、C(たとえば第1のSS-架橋の第2のシステインまたは第2のSS-架橋の第1のシステインであり得る)が続き、一次配列に存在するCのフランキング配列であって、C-末端の方向に位置し、tアミノ酸残基の長さを有するフランキング配列が続き、u個のグリシン残基(G)が続き、一次配列に存在する第4のシステイン残基(C)のフランキング配列であって、N-末端の方向に位置し、vアミノ酸残基の長さを有するフランキング配列が続き、第4のシステイン残基(C)が続く、複数のペプチドが生産される。結果として生じるペプチドは、化学式
(X)(G)(X)(X)(G)(X)(X)(G)(X)
のものである。
複数の異なるペプチドが合成されるのが好ましく、0はm、n、p、q、r、s、t、uおよびvよりも小さいかそれらに等しく、m、n、p、q、r、s、t、uおよびvは6よりも小さいかそれに等しい。さらに、m+n+p+q+r+s+t+u+vは21よりも小さいかそれに等しいのが好ましく、結果として生じるペプチドは25アミノ酸残基よりも小さいかそれに等しい。生産されたペプチドは、その後、所望の免疫原性および/または結合特性に関してスクリーニングされるのが好ましい。これは、(少なくとも)4つの結合部位を含む足場との、またはそれぞれが(少なくとも)2つの結合部位を含む2つの足場との、ペプチドのカップリング後に実行されるのが好ましい。ペプチドがT4足場または2つのT2足場とカップリングされるのが最も好ましい。それぞれの足場が(少なくとも)2つの結合部位を含む2つの足場が使用される場合、CおよびCは、ループを形成するために、同じ足場とカップリングされるのが好ましい。CおよびCは、ループを形成するために、別の足場とカップリングされるのが好ましい。これは、既に説明したように実行されるのが好ましい。たとえば、CおよびCには保護基が備えられるが、他の2つのシステイン残基は非保護のままである。その場合、非保護のCおよびCが、ループを形成するために、足場とカップリングされる。その後、CおよびCが脱保護され、別の足場にカップリングされる。
およびCに、たとえばTrtなどの、第1の種類の保護基を備え、CおよびCに、たとえばMmtなどの、第2の種類の保護基を備えることも可能である。両種類の保護基は異なる試薬を用いて除去される。このように、どのシステイン残基が足場に結合することができるかを決定することが可能である。
もちろん、他の組合せを生成することも可能である。前述の実施形態は、たとえば、ペプチド内でC、Cおよびそれらのフランキング配列の位置が交換されて、たとえば化学式
(X)(G)(X)(X)(G)(X)(X)(G)(X)
のペプチドをもたらすように、修正される。
原則として、本発明に従う方法は、一次配列が知られているあらゆるたんぱく性分子に応用できる。しかし、好ましい実施形態においては、たんぱく性分子が、シスチン-ノットファミリ、膜貫通たんぱく、TNF-アルファ、HGF-SF、FGF-ベータ、インターロイキン、IL-5、ケモカイン、Gたんぱく結合受容体、CCR4、CXCR5、IGF、LMF、エンドセリン-1、VIP、CGRP、PIF、EGF、TGF-アルファ、EGFRファミリ、HER1、HER2/neu、HER3、HER4、p53、コルチコトロピン RF、ACTH、副甲状腺ホルモン、CCK、サブスタンスP、NPY、GRP、ニューロトロフィン、アンジオテンシン-2、アンギオジェニン、アンジオポイエチン、ニューロテンシン、SLCLC、SARS-由来たんぱく、HIV-由来たんぱく、パピローマウイルス-由来たんぱくおよびFMDVから成る群から選択される、本発明に従う方法が提供される。本発明の方法は、その群の一員から少なくとも部分的に由来する免疫原性化合物および/または結合化合物を生成するのに、特に適していることがわかった。
本発明に従う方法が膜貫通たんぱくの一次配列から少なくとも1つのアミノ酸残基を選択する工程を含む場合、細胞外ドメインから少なくとも1つのアミノ酸残基を選択するのが好ましい。しかし、本発明によれば、細胞外ドメインならびにそのような細胞外ドメインのN-末端方向に位置する3つのアミノ酸残基およびC-末端方向に位置する3つのアミノ酸残基から成る膜貫通たんぱくの配列を考慮したときに、最適な試験結果が得られる。したがって、少なくとも1つのアミノ酸残基が、少なくとも1つの膜貫通たんぱくの配列であって、細胞外ドメイン、その少なくとも1つの膜貫通たんぱくのN-末端の方向に位置する3つのフランキングアミノ酸残基、および、その少なくとも1つの膜貫通たんぱくのC-末端の方向に位置する3つのフランキングアミノ酸残基を含む配列から選択される、本発明に従う方法が提供される。
1つの特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、シスチン-ノットスーパーファミリの一員から、好ましくはシスチン-ノット成長因子スーパーファミリの一員から少なくとも部分的に由来する、免疫原性化合物および/または結合化合物の、存在および/または同定に関する試験に適した化合物を生産するために実行される。
成長因子は、生体内および生体外の双方で細胞増殖を誘導する特性を共有するポリペプチドの、比較的大きな群を代表している。成長因子間の配列類似レベルは高くないが、成長因子は、それらの構造的および機能的類似性に基づいて、スーパーファミリに分類することができる。
4つの成長因子である、4つの別々のスーパーファミリ由来の神経成長因子(NGF)、形質転換成長因子-ベータ(TGF-ベータ)、血小板由来成長因子(PDGF)およびヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の結晶構造は、これらのたんぱくが構造的に関連し、共通した総合的なトポロジを共有することを明らかにした。これらのたんぱくは配列相同性をほとんど示さないが、これらはすべて、「シスチン-ノット」配座を形成するように結合した6つのシステインの異常配置を有する。これらたんぱくの活性型はダイマーであり、ホモダイマーまたはヘテロダイマーのいずれかである。それらの形状のため、シスチン-ノット成長因子がダイマーを形成するための固有の要件があると思われる。この組織化の追加のレベルは、この単純な構造モチーフ周辺で構築される構造の多様性を増大させる。
形質転換成長因子-ベータ2(TGF-ベータ2)、血小板由来成長因子(PDGF)、神経成長因子(NGF)およびヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の結晶構造において、6つの保存されたシステイン残基(配列順にCysI〜CysVI)は、ノット様トポロジに配置された3つのジスルフィド結合を形成する。CysIIとCysVとの間([CysII〜V])およびCysIIIとCysVIとの間([CysIII〜VI])の2つのジスルフィド結合は、8つのアミノ酸の環状構造を形成し、この環状構造を、残りの(CysIとCysIVとの間の)ジスルフィド結合が貫通する(図1A参照)。保存されたシステインI〜VIのジスルフィド結合に含まれる硫黄(S)原子は、通常S1〜S6と呼ばれる。7以上のシステイン残基を有するシスチンノットドメインを見出すことができる。「追加の」システイン残基は通常、二量化中に、シスチンノットドメイン内または鎖間ジスルフィド結合内に、さらにジスルフィド結合を創出するのに使用される。しかし、相同性およびトポロジに基づいて、どのシステインが6つの保存された残基CysI〜CysVIを表すのかを示すことは常に可能である(さらに以下を参照)。
ジスルフィド結合の類似したノット配置が、いくつかの酵素阻害剤および電位依存性のCa2+チャンネルに結合する神経毒の構造において述べられている(McDonaldら、1993年、Cell、第73巻、421−424頁)。しかし、それらの配列においては、シスチントポロジが異なっている。Cys[III〜VI]は、Cys[I〜IV]およびCys[II〜V]によって形成される大環状環を貫通する。ゆえに、シスチン-ノットたんぱくは、2つの構造的分類、つまり、成長因子型および阻害剤様シスチンノット、に分類される。
シスチン-ノット成長因子スーパーファミリは、糖たんぱくホルモン(たとえば卵胞刺激ホルモン(FSH))、形質転換成長因子ベータ(TGF-ベータ)たんぱく(たとえば骨形成たんぱく4)、血小板由来成長因子様(PDGF様)たんぱく(たとえば血小板由来成長因子A)、神経成長因子(NGF)(たとえば脳由来神経栄養因子)を含むサブファミリに分けられる(表12も参照)。
すべての成長因子シスチンノットの構造は、ノットの「上に」2つの歪んだベータ-ヘアピン(ベータ-1およびベータ-3)ループおよびノットの「下に」1つの(ベータ-2)ループを備える、類似したトポロジを有する。ベータ-1ループは、CysIとCysIIとの間の一連のアミノ酸によって形成される。ベータ-2ループは、CysIIIとCysIVとの間のアミノ酸によって形成され、ベータ-3ループは、CysIVとCysVとの間のアミノ酸によって形成される(図1A参照)。ヘアピンループの大きさ(つまり、示されるシステイン間のアミノ酸の数)は、ファミリの構成員間でかなり変動することができる。
Cys-ノットたんぱくファミリには、3つの異なる「フィンガープリント」、つまり、(1)GFCYSKNOT、(2)GLYCOHORMONE、および(3)NGFがある。これらのフィンガープリントは、主に、Cys-ノット周囲のアミノ酸の(1)数および(2)性質において、互いに異なる。フィンガープリントは特定のたんぱく(サブ)ファミリの特徴を含むので、あるたんぱくが、あるたんぱく(サブ)ファミリに属するかを決定するのに使用することができる。
たとえば、「NGF」は、神経成長因子にサインを付与する4-要素フィンガープリントである。このフィンガープリントは、5つの配列の初めのアラインメントに由来している。モチーフはそのアラインメントのC-末端部分の保存領域から得られ、それぞれの領域が、ジスルフィド結合形成に含まれる6つのCys-残基の少なくとも1つを含んでいた。モチーフ2および3は、PROSITEパターンのNGFによってコードされる領域にわたっている(PS00248;[GSR]-CysII-[KRL]-G-[LIV]-[DE]-x(3)-[YW]-x-S-x-CysIII)。角括弧内のアミノ酸は、その位置でのあり得るアミノ酸を示す。たとえば、CysIIに対するN-末端残基は、Gly、SerまたはArgのいずれかであり得る。xはあらゆるアミノ酸を示す。OWL22.1アルゴリズムを使用する2回の反復が収束に達することが求められて、その点にて28の配列を含む真のセットが同定された。STPR37_9fのアップデート版は、33の配列の真のセットを同定した。
「GLYHORMONE」は、糖たんぱくホルモンにサインを付与する4-要素フィンガープリントである。このフィンガープリントは、8つの配列の最初のアラインメントに由来している。モチーフは実質的に全アラインメント長に及ぶ保存領域から得られ、モチーフ2および4は、PROSITEパターンのGLY_HORMONE_ALPHA_1(PS00779:CysII-x-G-C-CysIII-[FW]-S-[EQS]-A-[FY]-P-T-P)、およびGLY_HORMONE_ALPHA_2(PS00780:N-H-T-x-CysV-x-CysVI-x-T-Cys-x(2)-H-K)によってコードされる領域を含んでいた。OWL22.1の2回の反復が収束に達することが求められて、その点にて23の配列を含む真のセットが同定された。STPR37_9fのアップデート版は、34の配列の真のセットを同定した。
「GFCYSKNOT」は、成長因子シスチンノットファミリにサインを付与する2-要素フィンガープリントである。このフィンガープリントは、25の配列の最初のアラインメントに由来している。モチーフ1は、CysII-x-G-x-CysIIIコンセンサスにわたり(PROSITEパターンのPDGF(PS00249:P-[PSR]-Cys-V-x(3)-R-CysII-[GSTA]-G-Cys-CysIII)、TGF_BETA(PS00250:[LIVM]-x(2)-P-x(2)-[FY]-x(4)-CysII-x-G-x-CysIII)、GLY_HORMONE_BETA_1(PS00261:CysII-[STAGM]-G-[HFYL]-CysIII-x-[ST])、およびNGF(PS00248;[GSR]-CysII-[KRL]-G-[LIV]-[DE]-x(3)-[YW]-x-S-x-CysIII)参照)、モチーフ2はCysV-x-CysVIパターンにわたる。OWL26.0の4回の反復が収束に達することが求められて、その点にて192の配列を含む真のセットが同定された。いくつかの偽陽性も同定され、それらのほとんどが非常に偏った(システイン-リッチ)配列である(たとえば、メタロチオネインおよびケラチン)。STPR37_9fのアップデート版は、198の配列の真のセットを同定した。
本発明は、これらの1つ1つの模倣体、および発見されるこれらのファミリの構成員の1つ1つの模倣体を、設計し生産する方法を提供する。
現在、たとえばTNF-アルファ、CD(分化抗原のクラスタ)-ファミリ、サイトカイン、抗体または細胞表面受容体といった複合たんぱくの結合部位を、合成ペプチドを用いて模倣することが、たんぱく科学および薬剤開発において最も活発な領域の1つである。多くのたんぱくは、露出した表面の比較的小さい領域を含んだ相互作用を介して、生物活性を発現する。したがって、これらの表面エピトープを模倣する分子は非常に興味深い。なぜなら、それらは、たとえば、たんぱくおよびDNAなどの、ある生理学的分子を認識するたんぱくの能力といった完全たんぱくの生物活性を、比較的小さな合成分子において模倣する手段を提供するからである。短い直鎖ペプチドは、固有の可撓性およびたんぱく分解に対する脆弱性のために、この目的には理想的ではない。代わりに、環化反応によって直鎖ペプチドの鎖を、生物学的に関連のある二次構造を有するループしたペプチド化合物に、束縛するのが好ましい。
本発明は、シスチン-ノット成長因子ファミリ構成員のペプチド模倣体として適しているループしたペプチド構造の設計のための、合理化された戦略を提供する。ここで使用される「ペプチド模倣体」という用語とは、ある生理学的分子を認識するCys-ノットファミリ構成員の能力を模倣する(合成)ペプチド化合物をいう。さらに、本発明は、少なくとも1つのジスルフィド結合を含むたんぱく性分子(たとえばシスチン-ノットファミリの一員)に少なくとも部分的に由来する化合物であって、免疫原性化合物および/または結合化合物の存在および/または同定に関する試験に適した化合物の、生産方法を提供する。
本発明の1つの実施形態において、注目するたんぱく性分子は、2つのシステイン残基間のジスルフィド結合を含み、ここで、2つのシステイン残基は一次配列において、互いから最小で3アミノ酸残基、最大で21アミノ酸残基離れて位置する(第1のシステインの位置をx、第2のシステインの位置をx+nとするとき、3=<n=<21であることを意味する)。この実施形態において、(X)(X)n−1x+n(X)の化学式の少なくとも1つのペプチドが合成されるのが好ましい。ここで、CおよびCx+nはそれぞれ位置xおよび位置x+nのシステイン残基を表し、(X)は、m個のアミノ酸残基から成りN-末端の方向に位置するCのフランキング配列を表し、(X)は、p個のアミノ酸残基から成りC-末端の方向に位置するCx+nのフランキング配列を表し、(X)n−1は、たんぱく性分子の一次配列内の第1システイン残基と第2システイン残基との間に位置するn−1個のアミノ酸残基を表す。1つの実施形態において、第1のシステイン残基と第2のシステイン残基との間に位置するアミノ酸残基の少なくとも1つが修飾されるが、これは必須ではない。
既に説明したように、CおよびCx+n以外に、そのペプチド内には他のシステイン残基が存在しないのが好ましい。(X)、(X)n−1および/または(X)の一部である、たんぱく性分子の一次配列における他のシステイン残基は、そのような「付加的」システイン残基とCおよび/またはCx+nとの相互作用を避けるために、たとえばアラニンなどの別のアミノ酸残基に変更されるか、あるいは、たとえば保護基を用いて不活性にされるのが好ましい。好ましい実施形態において、化学式(X)(X)n−1x+n(X)のペプチドのセットが生産され、フランキング配列(X)および(X)は少なくとも部分的に異なる長さのものであり、mおよびpは式0=<m、p=<18を満たすのが好ましい。さらに、m+n+pは、25アミノ酸残基以下の長さのペプチドを生産するために、23よりも小さいかそれに等しいのが好ましい。少なくとも1つのペプチドは、その後、足場にカップリングされる。
本発明のさらなる実施形態において、注目するたんぱく性分子は、2つのシステイン残基間のジスルフィド結合を含み、ここで、2つのシステイン残基は一次配列において、互いから22アミノ酸残基以上離れて位置している(第1のシステインの位置をx、第2のシステインの位置をx+nとするとき、n>21であることを意味する)。この実施形態において、たんぱく性分子の一次配列内の位置x+[(n−20)/2]のアミノ酸残基にて開始し、位置x+[(n+20)/2]のアミノ酸残基にて終了する、たんぱく性分子の一次配列の一部が考慮されるのが好ましい。ゆえに、本発明の方法は、その部分を用いて実行されるのが好ましく、これは、その部分の少なくとも1つのアミノ酸が選択されたり、そのアミノ酸の少なくとも1つのフランキング配列が選択されたりなどすることを意味する。したがって、1つの実施形態は、少なくとも1つのアミノ酸残基が少なくとも1つのたんぱく性分子のSS-架橋配列から選択される、本発明に従う方法を提供する。SS-架橋の2つのシステインは、位置xおよび(x+n)に位置するのが好ましく、n>21であり、アミノ酸残基は、アミノ酸位置x+[(n−20)/2]にて開始し、アミノ酸位置x+[(n+20)/2]にて終了するSS-架橋配列の領域から選択されるのが好ましい。
以下の非限定的な例が、この実施形態を明確にする。2つのシステイン残基が、たんぱく性分子の一次配列の位置1および31に位置する場合、以下の値が使用される:x=1、x+n=31およびn=30。その後、アミノ酸位置1+[(30−20)/2]=6にて開始し、アミノ酸位置1+[(30+20)/2]=26にて終了する、2つのシステイン残基間の配列が考慮される。ゆえに、たんぱく性分子の一次配列内の位置6〜26の配列が考慮される。位置6〜26の配列から少なくとも1つのアミノ酸残基が選択されたり、少なくとも1つのその選択されたアミノ酸残基の、少なくとも1つのフランキング配列が選択されたりなどする。ここでも、好ましくは異なる長さであり、および/または、好ましくは異なるフランキング配列を含む、複数のペプチドが生成されるのが好ましい。
nが奇数である場合、値[(n−20)/2]および[(n+20)/2]は整数ではない。その場合、結果として生じる値は丸められる。その値よりも小さいか大きい初めの整数値がとられる。たとえば、n=35の場合、[(n−20)/2]の値は7.5である。その場合、値7または8のどちらかが選択される。
注目するたんぱく性分子が2つ以上の内部ジスルフィド結合を含み、各ジスルフィド結合が2つのシステイン残基間にある場合、少なくとも1つのシステイン残基が選択される本発明の方法が提供されるのが好ましい。したがって、本発明は、少なくとも1つのたんぱく性分子の一次配列内の選択されるアミノ酸残基の少なくとも1つが、システイン残基である本発明に従う方法を提供する。選択されるアミノ酸残基は、それぞれそのたんぱく性分子のシステイン残基であるのがより好ましい。結果として、このより好ましい実施形態においては、選択されるフランキング配列はそれぞれシステイン残基のフランキング配列である。少なくとも1つのシステイン残基の少なくとも1つのフランキング配列を含むペプチドが生産される。異なるフランキング配列が、1つのペプチド内で組み合わされるのが好ましい。さらに好ましい実施形態において、異なる長さのフランキング配列を含む複数のペプチドが生産される。この実施形態は、結合化合物および/または免疫原性化合物をスクリーニングするのに特に有用である。なぜなら、通常、ジスルフィド結合を介して互いに結合するシステイン残基のフランキング配列は、しばしば相互作用事象と関連があるからである。
シスチンノットファミリの一員は、2つ以上のジスルフィド結合を含む。少なくとも3つのジスルフィド結合が、システイン残基の3対間に存在する。ゆえに、シスチンノットスーパーファミリの一員は、少なくとも6つのシステイン残基を含む(配列順にCysI〜CysVI)。シスチンノットファミリの一員が注目するたんぱく性分子として考慮される場合、システイン残基の少なくとも2つは本発明に従う方法において選択されるのが好ましい。CysIVおよびCysVが選択されるのが最も好ましい。なぜなら、それらの間のシステイン残基およびアミノ酸残基が、必然的にたんぱく性分子内にベータ-3ヘアピン(B3)ループを形成するからである。このループを模倣するペプチドは、システイン-ノットファミリの一員のペプチド模倣体として、特に適していることが分かった。
本発明に従う方法で設計され合成される化合物は、注目する免疫原性化合物および/または結合化合物をスクリーニングするのに特に適している。1つの実施形態において、本発明に従う複数のペプチドが合成され、たとえば抗体かその機能部分、誘導体および/もしくは類似体、ならびに/または、T細胞かその機能部分、誘導体および/もしくは類似体などの、注目する結合化合物とインキュベートされる。結合したペプチドは選択され、および/または同定される。したがって、1つの実施形態は、注目する免疫原性化合物および/または結合化合物の存在および/または同定に関するスクリーニング方法であって、
本発明に従う方法によって異なるペプチドを含む複数の化合物を生産する工程と、
それらの化合物の少なくとも1つが、少なくとも1つのたんぱく性分子に特異的な抗体かその機能部分、誘導体もしくは類似体、または、少なくとも1つのたんぱく性分子に特異的なT細胞かその機能部分、誘導体もしくは類似体、に特異的に結合することができるかを試験する工程とを、含む方法を提供する。複数の化合物は、所望の特性を備える化合物が存在する機会を増大させるために、少なくとも10、より好ましくは少なくとも100、最も好ましくは少なくとも1000の化合物を含むのが好ましい。
抗体またはT細胞の機能部分は、種類において同じ免疫原性を有する一部として定義され、量において同じ免疫原性を有することは必須ではない。免疫原性とは、抗原を特異的に結合する能力を意味する。抗体またはT細胞の誘導体は、結果として生じる誘導体の免疫原性が、種類において本質的に同じであるように変更された抗体またはT細胞として定義され、量において本質的に同じ免疫原性を有することは必須ではない。誘導体は、たとえば保存的なアミノ酸置換といった、多くの方法で提供することができる。当業者は、抗体またはT細胞の類似化合物を充分に生成することができる。これは、たとえば、ペプチドライブラリのスクリーニングを介してなされる。そのような類似物は、種類において本質的に同じ抗体またはT細胞の免疫原性を有し、量において本質的に同じ特性を有することは必須ではない。
1つの実施形態において、本発明のペプチドの免疫原性は、ヒトでない動物に化合物を投与して、免疫応答が誘導されるかを決定することによって試験される。したがって、免疫原性化合物の存在および/または同定に関するスクリーニング方法であって、
本発明に従う方法によって異なるペプチドを含む複数の化合物を生産する工程と、
化合物の少なくとも1つが免疫応答を誘導することができるかどうかを試験する工程とを含む方法が提供される。
本発明のペプチドが注目するたんぱく性分子に対して免疫応答を誘導することができるかを試験するのが好ましい。これは、たとえば、ヒトでない動物に本発明のペプチドを与え、ヒトでないその動物から抗体および/またはT細胞を得て、注目するたんぱく性分子(のエピトープ)とその抗体および/またはT細胞をインキュベートし、その抗体および/またはT細胞が注目するたんぱく性分子(のエピトープ)と特異的に結合することができる抗体および/またはT細胞を含むかどうかを決定することによって、実行される。
本発明の化合物が注目する免疫原性化合物および/または結合化合物であると思われる場合、その化合物が選択されるのが好ましい。したがって、注目の免疫原性部位または結合部位を含む化合物を選択する工程をさらに含む、本発明に従う方法も、またここで提供される。選択された化合物は同定されるのが好ましい。
1つの実施形態においては、選択された化合物は免疫原性化合物および/または結合化合物として直接使用される。別の実施形態においては、選択された化合物は有望な候補化合物として扱われる。これは、さらなる調査が実行されることを意味する。1つの実施形態において、この候補化合物は、スクリーニングの第1ラウンドの後、さらに試験される。たとえば、有望な候補化合物が生体外スクリーニング方法中に選択された場合、たとえばヒトでない動物の生体内にてさらに試験される。1つの実施形態において、この有望な候補化合物は修飾されて、少なくとも1つの改良された特性の存在に関して再び試験される。これは、たとえば置換ネットマッピング(replacement net mapping)で実行され、置換ネットマッピングにおいては複数のペプチドが合成される。各ペプチドにおいて、元々の有望なペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基が、別のアミノ酸残基によって置換される。結果として生じるペプチドは、修飾されたペプチドの少なくとも1つが少なくとも1つの改良された特性を含むかどうかを決定するために、再び試験される。
1つの実施形態において、第1のスクリーニングにおいて同定された有望な候補ペプチドは、改良された免疫原性および/または結合特性を有する化合物を検索するために、別のペプチド配列と組合わされる。
本発明の方法は、注目する免疫原性および/または結合特性を有する本発明に従う化合物の、生産および/または同定に適している。したがって、本発明に従う方法によって取得可能な、所望の免疫原性および/または結合特性を有する単離、合成または組換え化合物もまた、ここで提供される。その化合物は、足場とカップリングされた、本発明に従うペプチドを含むのが好ましい。この足場は、(ヘテロ)芳香族分子、より好ましくはハロメチルアレーン ビス(ブロモメチル)ベンゼン、トリス(ブロモメチル)ベンゼンまたはテトラ(ブロモメチル)ベンゼンを含むのが好ましい。この足場は、少なくとも1つのメタ-ジブロモキシレン(m-T2)足場、少なくとも1つの2,4,6-トリス(ブロモメチル)メシチレン(T3)足場、および/または少なくとも1つの1,2,4,5-テトラブロモジュレン(T4)足場を含むのが最も好ましい。本発明に従う化合物は、広範な種々の用途に適している。たとえば、本発明に従う化合物は治療の用途に用いられる。本発明に従う化合物は、たとえば、受容体-リガンド結合対に対するアゴニストまたはアンタゴニストとしての使用に適している。1つの実施形態において、所望の免疫原性を有する化合物が合成され選択される。したがって、本発明は、本発明に従う方法によって取得可能な免疫原性化合物を提供する。この免疫原性化合物は、たとえば、本発明の方法によって取得可能な免疫原性ペプチドから成る。しかし、本発明に従う免疫原性化合物は、免疫原性ペプチドの安定性および生物活性を改良するために、足場に結合された免疫原性ペプチドを含むのが好ましい。1つの実施形態において、本発明に従う免疫原性ペプチドは、少なくとも2つのSH-官能基を介して(ヘテロ)芳香族分子、好ましくはハロメチルアレーンに結合される。なぜなら、このようなカップリング反応は、(あらゆる付加的システイン残基を除いて)その免疫原性ペプチドのアミノ酸残基を保護する必要なく、水溶液内でさえ、容易にかつ迅速に実行されるからである。さらに、結果として生じる免疫原性化合物は安定しており、ペプチドは生物学的に重要な構造を含む。特に好ましい実施形態において、本発明に従う免疫原性ペプチドは、ビス(ブロモメチル)ベンゼン、トリス(ブロモメチル)ベンゼンまたはテトラ(ブロモメチル)ベンゼンにカップリングされる。少なくとも1つのメタ-1,3-ビス(ブロモメチル)ベンゼン(m-T2)、オルト-1,2-ビス(ブロモメチル)ベンゼン(o-T2)、パラ-1,4-ビス(ブロモメチル)ベンゼン(p-T2)、メタ-1,3-ビス(ブロモメチル)ピリジン(m-P2)、2,4,6-トリス(ブロモメチル)メシチレン(T3)、メタ-1,3-ビス(ブロモメチル)-5-アジドベンゼン(m-T3-N3)および/または1,2,4,5-テトラブロモジュレン(T4)足場にカップリングされる免疫原性ペプチドを含む、免疫原性化合物が提供されるのが最も好ましい。
さらに、本発明は、本発明に従う方法によって取得可能な免疫原性化合物を含む免疫原性組成物を提供する。1つの実施形態において、この免疫原性化合物は、たとえば食塩溶液といった適した担体、および/もしくはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン(たとえばBSAまたはRSA)、オボアルブミン、ジフテリア毒素(DT)、ウイルス様粒子などのたんぱく担体、または当該技術でよく知られているあらゆる他の適した担体に結合される。しかし、足場にカップリングされた本発明に従う免疫原性化合物の使用は、しばしば担体を使用する必要性を除去する。これは、そのような付加的担体に対して特異的に向けられる免疫応答が避けられるという利点を提供する。したがって、1つの実施形態は、足場に結合された免疫原性ペプチドを含む免疫原性化合物を含む免疫原性組成物を提供し、この免疫原性組成物は(本質的に)付加的担体を欠いている。1つの実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、たとえば完全フロインドアジュバント(FCA)、不完全フロインドアジュバント(IFA)、水中油滴(O/W型)エマルジョンもしくは二重水中油滴(O/W/O型)エマルジョン、アルミニウム塩アジュバント、Montanide ISA、MF59、水酸化アルミニウム、Titermax、RIBI、サポニン、および/またはCoVaccineなどの適したアジュバントを含む。本発明に従う免疫原性組成物は、経口で、もしくはエアロゾルによって投与されるのが好ましく、または、筋肉内に、皮下に、もしくは高圧無針経皮的注射を介して、注射されるのが好ましい。治療的および/または予防的用途において使用される、本発明に従う(免疫原性)ペプチドおよび/または(免疫原性)化合物の投与量範囲は、厳密なプロトコール要件が存在し、ここでさらなる説明を必要としない、臨床試験における病院での上昇投与量試験に基づいて設計される。通常、体重1キログラムあたり1μg〜1mgの投与量が使用される。
好ましい実施形態は、本発明に従う少なくとも2つの異なる免疫原性ペプチドを含む、本発明に従う免疫原性組成物を提供する。これらの少なくとも2つの異なる免疫原性ペプチドは、注目するたんぱく性分子に対して特異的に向けられる免疫応答を誘導することができるのが好ましい。これらの少なくとも2つの異なる免疫原性ペプチドは、宿主の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも95%において、注目するたんぱく性分子に対して特異的に向けられる防御免疫応答を誘導することができるのが最も好ましい。ここで、たんぱく性分子に対する防御免疫応答は、そのたんぱく性分子の少なくとも1つの特性を弱めることが可能な免疫応答として定義される。
1つの実施形態において、本発明のこれらの異なるペプチドはそれぞれ、宿主の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも95%において、たんぱく性分子に対する防御免疫応答を誘導することができる。しかし、1つの実施形態において、本発明の単一のペプチドはそれぞれ、単独では注目するたんぱく性分子に対して防御免疫応答を本質的に誘導することができないが、本発明に従う少なくとも2つのペプチドの組合せは、宿主の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも95%において、たんぱく性分子に対する防御免疫応答を誘導することができる。この場合、本発明に従う少なくとも2つの免疫原性ペプチドを含む免疫原性組成物が特に好ましい。1つの実施形態において、本発明に従う免疫原性組成物は、本発明に従う少なくとも3つの免疫原性ペプチドを含む。
本発明に従う少なくとも2つの免疫原性化合物を含む本発明の免疫原性組成物は、自己抗原に対する免疫付与に特に適している。自己抗原に対する免疫応答が所望される場合、免疫応答を誘導することができるのに充分なほど修飾された自己抗原でありながら、同時に、誘導された免疫応答が自己抗原を認識することができるように、元々の自己抗原に充分に類似する自己抗原が使用されるのが好ましい。このような修飾された自己抗原での免疫付与は通常、修飾自己抗原の非修飾自己抗原との類似性の観点から、効果的な免疫応答をもたらさない。しかし、本発明に従う少なくとも2つの免疫原性ペプチドの組合せは、この問題を少なくとも部分的に解決する。なぜなら、このような組合せは、よりよく防御免疫応答を誘導することができるからである。
1つの実施形態において、本発明に従う少なくとも2つの異なる免疫原性ペプチドが同じ足場に結合される。たとえば、ペプチドが別の立体配座に固定されるため、異なる三次元定位が得られるため、および/または、多価数の結果として、免疫付与は増大される。
本発明に従う方法によって取得可能な免疫原性ペプチドおよび/または免疫原性化合物は、たとえばヒトでない動物において免疫応答を誘導するのに適している。その後、免疫原性ペプチドおよび/または免疫原性化合物を特異的に結合することができる抗体および/またはT細胞を単離することが可能である。代わりに、またはさらに、本発明の免疫原性ペプチドおよび/または免疫原性化合物を特異的に結合することができる、抗体、T細胞、またはその機能部分、誘導体および/もしくは類似体が、たとえば未感作T細胞を、本発明に従う免疫原性ペプチドによって刺激された抗原提示細胞とインキュベートすることによって、生体外で生成される。したがって、1つの実施形態は、注目する免疫原性化合物および/または結合化合物を選択する工程と、免疫原性化合物を特異的に結合することができる抗体、T細胞、またはその機能部分、誘導体および/もしくは類似体を生産する工程とをさらに含む、本発明に従う方法を提供する。したがって、本発明に従う方法によって取得可能な免疫原性ペプチドおよび/または免疫原性化合物を特異的に結合することができる、単離された、または合成された抗体、T細胞、またはその機能部分、誘導体および/もしくは類似体も、ここで提供される。
本発明は、さらに、本発明に従う結合化合物を含むアレイを提供する。このようなアレイは、リガンドまたは受容体などの特定の分子の存在に関して、サンプルをスクリーニングするのに特に適している。
本発明は、さらに、本発明に従う方法によって取得可能な免疫原性ペプチドおよび/または免疫原性化合物を含むアレイを提供する。このようなアレイは、本発明に従う免疫原性ペプチドおよび/または免疫原性化合物を特異的に結合することができる抗体および/またはT細胞の存在に関して、サンプルをスクリーニングするのに特に適している。たとえば、個体から得られるサンプルは、その個体が注目するたんぱく性分子を特異的に結合することができる抗体および/またはT細胞を含むかどうかを決定するために、本発明に従うアレイでスクリーニングされる。このような抗体および/またはT細胞がサンプルに存在すると思われる場合、その個体は注目するたんぱく性分子の存在を含む病気を患っているか、患う危険があるということが示唆される。その病気(の危険)は、たとえば病原体の感染、悪性細胞の存在、自己免疫疾患などによって引き起こされる。
さらなる実施形態は、本発明に従う、抗体、T細胞、またはその機能部分、誘導体および/もしくは類似体を含むアレイを提供する。本発明のこのような抗体、T細胞、機能部分、誘導体および/または類似体は、本発明の免疫原性化合物を特異的に結合することができ、たとえば、そのアレイはサンプル中の免疫原性化合物の存在を決定するのに適している。さらに、その免疫原性化合物が注目する免疫原性たんぱく性分子のペプチド模倣体である場合、本発明の抗体、T細胞、機能部分、誘導体および/または類似体はまた、その注目するたんぱく性分子を特異的に結合することができる。その場合、そのアレイは、注目するたんぱく性分子のサンプル中における存在を決定するのにも適している。
発明の詳細な説明
シスチン-ノット成長因子ファミリの種々の構成員の調査は、シスチン-ノット成長ファミリ構成員のベータ-3ヘアピン(B3)ループのアミノ酸配列に由来し、独特な特徴を有するペプチドが、ペプチド模倣体としての使用に特に適していることを明らかにした。したがって、シスチン-ノット成長因子ファミリの一員のペプチド模倣体が提供され、そのペプチド模倣体は、シスチン-ノット成長因子ファミリ構成員のベータ-3ヘアピン(B3)ループのアミノ酸配列に由来するポリペプチドを含む。このポリペプチドにおいては、2つのアミノ酸残基が、足場を介して互いに共有結合された第1および第2システイン残基によって置換され、a)第1足場付着システイン残基は、野生型B3-ループにおけるアミノ酸CysIVに対応する位置からp残基C-末端方向に位置して、位置CysIV+pとして示され、ここで5≦p≦12である。b)第2足場付着システイン残基は、野生型B3-ループにおけるアミノ酸CysVに対応する位置からq残基N-末端方向に位置して、位置CysV−qとして示され、ここで4≦q≦12であり、(p−q)は−3,−2,−1,0,1,2または3である。また、c)ポリペプチドの長さは位置CysIV+xのアミノ酸から位置CysV+yのアミノ酸までであり、x+y=−1,0,1または2の条件下で、−5x1および1y6である。これらの基準を満たすループしたペプチド構造は、動物において特異的な抗体応答を誘導する能力によってとりわけ明らかなように、Cys-ノットファミリ構成員の模倣体として好適に使用されることがわかった。
ゆえに、B3-ループの天然の立体配座に充分に類似するループしたペプチド構造を達成するために、ポリペプチドの長さ、および、ポリペプチドを足場に付着(環化)されるポリペプチド内のシステイン残基の位置に関して、満たされるべきいくつかの一般的基準がある。ペプチド長は足場の性質にも依存するだろう。これらの一般的基準は、Cys-ノット成長因子ファミリ構成員のすべての構成員においてB3ループの「底」に位置する保存残基CysIVおよびCysVに関する(図1B参照)。天然のたんぱくにおいて、B3-ループは複雑なノット-構造の結果として形成され、CysIVとCysVとの間のジスルフィド結合によって形成されるのではないことに注目すべきである。本発明のペプチド模倣体においては、足場分子がポリペプチドを束縛して、B3-ループを模倣する二次構造を誘導する。足場は、ポリペプチドの末端よりもむしろ、ポリペプチド内のシステインに付着され、ペプチド模倣体はA-形分子として図式的にみなすことができる(図1C参照)。本発明のペプチド模倣体はまた、化学的に結合したペプチド足場(chemically linked peptide scaffold)とも呼ばれ、CLIPSとして短縮表記される。
任意のCys-ノットたんぱくファミリ構成員のB3-ループならびに残基CysIVおよびCysVの同定を、一次アミノ酸配列の配列アラインメントに基づいてすることができる。表13は、異なる哺乳類のCys-ノット成長因子ファミリの種々の構成員の、そのようなアラインメントを示したものである。B3ループは、保存残基CysIVにて開始し、残基CysVに対するN-末端側の残基にて終了する。この残基を残基CysV-1ともいう。一度保存CysIVおよびCysV残基が同定されれば、ポリペプチドの適した長さおよびポリペプチドの足場への付着のためのシステインの位置は、容易に決定することができる。
表14A〜14Eは、Cys-ノット成長因子ファミリの5つの異なるサブファミリに関して、6つの保存Cys残基(CysI〜CysVI)の位置を記載している。たとえば、hCG-アルファは、位置7,12,28,31,32,59,60,82,84および87にそれぞれ位置する、10のシステイン残基(C-1〜C-10)を含む。この配列アラインメントに基づくと、hCGのC-2はCysIに、C-3はCysIIに対応し、C-4は「追加の」システインであり、C-5はCysIIIに対応する。ゆえに、hCGの場合、残基Cys60がCysIVに、残基Cys82がCysVに対応する。別の例として、GLHBサブファミリ構成員FSH-ベータにおいては、Cys51がCysIVに、Cys82がCysVに対応する。同様の様式で、他のCys-ノットファミリ構成員についても、CysIVおよびCysV残基は容易に同定することができる。
満たされるべき第1および第2の基準は、システインが導入され、そのシステインを介してポリペプチドが足場に付着される位置を定義する。第1(つまり、B3-ループの配列に基づくN-末端システイン)および第2(つまりC-末端)システインの位置は、天然のたんぱくに最適に類似する二次構造を誘導する足場の能力に関連すると考えられる。そのポリペプチド内の第1システイン残基は、野生型たんぱくのB3-ループにおけるアミノ酸CysIVに対応するアミノ酸位置から、C-末端方向(つまり「下流」)に位置する。この位置は位置CysIV+pとして示すことができる。位置CysIVへの距離は、少なくとも5残基、最高で12残基でなければならない。言い換えれば、第1の足場付着システインの位置は位置CysIV+pに対応し、5≦p≦12である。第2の足場付着システイン残基は、野生型たんぱくのB3-ループにおけるアミノ酸CysVに対応するアミノ酸位置から、N-末端方向(つまり「上流」)に位置する。この位置は位置CysV−qとして示すことができる。位置CysVへの距離は、少なくとも4残基、最高で12残基でなければならない。言い換えれば、第2の足場付着システインの位置は位置CysV−qに対応し、4≦q≦12である。さらに、ヘアピン形成を乱すことなく両システインを1つの足場に結合させることができるように、両システインはおおよそ互いに反対に位置するのが重要である。その理由のため、(p−q)は−3,−2,−1,0,1,2または3であることが必要である。たとえば、ポリペプチドが足場に付着されるシステインの位置は、アミノ酸位置CysIV+12およびCysV−10、CysIV+11およびCysV−10、CysIV+10およびCysV−8、CysIV+9およびCysV−8、CysIV+8およびCysV−6、CysIV+7およびCysV−5、CysIV+7およびCysV−6、CysIV+7およびCysV−4、CysIV+5およびCysV−4、またはCysIV+6およびCysV−4に対応する。システインに関して好ましい位置は、CysIV+10およびCysV−8、CysIV+7およびCysV−6、またはCysIV+8およびCysV−6である。第1および第2のシステインの位置が位置CysIV+10およびCysV−8に対応する、本発明に従うペプチド模倣体が提供されるのが最も好ましい。
第1および第2のシステインは、結晶構造において、互いに6Åまでの距離内であり、側鎖が同方向を向くアミノ酸の位置に導入されるのが好ましい。側鎖は、表面に露出せず、それでも、B1-およびB3-ループをともに維持する、いわゆる疎水性コアに加わるのが好ましい。
満たされるべき第3の基準は、ペプチド長に対する制限を提示する。この基準によれば、ポリペプチドの長さは、位置CysIV+xのアミノ酸から位置CysV+yのアミノ酸である。ここで、x+y=−1,0,1または2の条件下で−5x1、1y6である。言い換えれば、ポリペプチドの第1の残基は残基CysIV+xに、最後の残基はCysV+yに対応する。x+y=−1,0,1または2であるという条件は、ポリペプチドの足場への付着後に、A-形分子の「足」(図1C参照)が、ポリペプチドの第1および最後の残基がヘアピン構造において「隣接」する残基となることを、確実にするための長さにおおよそ匹敵することを確実にする。たとえば、ペプチドの長さは、CysIV+1からCysV+1まで、CysIV−5からCysV+6まで、CysIV−3からCysV+4まで、CysIV−5からCysV+4まで、またはCysIV−2からCysV+4までである。ポリペプチドの長さは、CysIV+1からCysV+1まで、CysIV−2からCysV+4まで、またはCysIV−5からCysV+4までであるのが好ましい。FSHベータの場合、これは、ポリペプチドが、たとえば、アミノ酸52(Cys51+1)からアミノ酸83(Cys82+1)、またはアミノ酸46(Cys51−5)からアミノ酸86(Cys82+4)までの一連のアミノ酸残基に対応することを意味する。
用語「に由来する」は、ポリペプチド配列が、天然のCys-ノットたんぱくのB3-ループに見られるアミノ酸配列と、同一でなくてもよいことを示すのに使用される。むしろ、ほとんどの場合、ポリペプチドは、導入された2つのシステイン残基に加えて、Cys-ノットファミリの野生型たんぱくにおけるB3-ループの配列とは、少なくとも1つのアミノ酸が異なる。以下に記載するように、前述の2つの位置の2つのシステイン以外の天然の配列におけるあらゆるシステイン残基は、第1および第2のシステイン以外の残基を介したポリペプチドの足場への付着を防止するために、足場と反応しない残基に変更されるのが好ましい。
以上の基準に基づいて、本発明は、Cys-ノット成長因子ファミリのあらゆる公知の、または今後同定される構成員であって、たとえば糖たんぱくホルモン-ベータ(GLHB)ファミリ、血小板由来増殖成長因子(PDGF)ファミリ、形質転換成長因子(TGF)ファミリ、神経成長因子(NGF)ファミリまたは糖たんぱくホルモン-アルファ(GLHA)ファミリの一員である構成員の、ペプチド模倣体を提供する。
前述のように、ここで提供されるペプチド模倣体において、足場分子は、ポリペプチドを物理的に束縛して、B3-ループを模倣する二次構造を誘導する。以下の実施例は、ここで提供されるようなペプチド模倣体における足場の存在の妥当性を実証する。第1および第2のシステインが適した足場を介して結合されると、結果として生じるペプチドは非常に効果的な免疫原になると思われる。反対に、1つのペプチド分子内の第1および第2のシステインが互いに反応してジスルフィド架橋を形成すると、結果として生じるループしたペプチド構造は、試験動物において特有の免疫応答を誘導するのに使用することができない。足場によって付与される物理的束縛は、天然のCys-ノットファミリ構成員のB3-ループの二次構造を模倣するヘアピン構造の形成に重要であると考えられる。
種々のタイプの足場を、本発明に従うループしたペプチド構造において使用することができる。適した足場は、ループしたペプチド構造を形成するために、ポリペプチド内の第1および第2のシステインと反応することができるものである。特に興味深い足場分子は(ヘテロ)芳香族化合物であり、特に、ハロメチルアレーンなどの少なくとも2つのベンジルハロゲン置換基を有するものである。これらの化合物はチオール基に対する反応性が非常に高く、システイン残基を含むペプチドと共有結合を迅速に形成する。1つの実施形態において、足場はビス(ハロメチル)ベンゼンもしくはテトラ(ハロメチル)ベンゼン、またはそれらの誘導体である。好ましい実施形態において、足場はオルト-、メタ-およびパラ-ジハロメチルベンゼン(ジハロキシレンとしても知られる)ならびに1,2,4,5-テトラハロメチルベンゼン(1,2,4,5-テトラハロジュレンとしても知られる)から成る群から選択される。足場は、メタ-ジブロモキシレン(m-T2)または1,2,4,5-テトラブロモジュレン(T4)であるのがより好ましい。ここで使用される用語「足場」は、本発明のペプチド模倣体を作製するために使用することができる未反応分子(たとえばメタ-ジブロモベンゼン)を、および、システインと既に反応して、ジブロモベンゼンの場合、もはやハロゲン原子を含まない、結果として生じるペプチド模倣体内の足場部分を、指すことに注意すべきである。これらの足場でペプチド模倣体を構成する方法は、国際公開第2004077062号パンフレットで説明されている。
非常に有用なペプチド模倣体を生成した足場およびペプチドの組合せが、いくつか観察された。1つの実施形態において、ループしたペプチド構造は、メタ-ジハロキシレン足場、好ましくはメタ-ジブロモキシレンに付着される、CysIV+1からCysV+1までの長さを有するポリペプチドを含む。たとえば1,2,4,5-テトラブロモジュレンといったテトラハロジュレン足場への付着のための好ましいペプチド長は、CysIV−2からCysV+4までである。
ループしたペプチド構造が足場上に形成されるシステインの位置に関して、特に有用な位置が、成長因子のCys-ノットスーパーファミリの異なるサブファミリについて、同定された。
GLBH、PDGFまたはTGFサブファミリの一員の模倣体を得るためのシステインの好ましい位置は、CysIV+10とCysV−8との組合せである。FSHの場合、これは残基61および74に、VEGFの場合、残基78および94に、GDNFの場合、残基112および124に対応する。しかし、GLBHファミリ構成員に関しては、位置CysIV+12およびCysV−10、CysIV+8およびCysV−6、またはCysIV+7およびCysV−5もまた、良好な結果をもたらす。同様に、PDGF-ファミリ構成員については、位置CysIV+8およびCysV−6またはCysIV+12およびCysV−10が、TGFファミリ構成員については、位置CysIV+10およびCysV−10またはCysIV+7およびCysV−4が、適切に使用される。
1つの好ましい実施形態は、本発明に従うVEGFペプチド模倣体を提供する。この模倣体においては、第1のシステインの位置はアミノ酸位置CysIV+8に対応し、第2のシステインの位置は位置CysV−6に対応する。また、ポリペプチドはVEGFたんぱくのB3-ループに由来する。
NGF-ファミリに属する構成員の模倣体を得るためのシステインの好ましい位置は、CysIV+7およびCysV−6である(NGFの場合、残基87および102)。NGFファミリ構成員のためのシステイン位置の他の有用な組合せは、CysIV+5およびCysV−4、CysIV+9およびCysV−8、ならびにCysIV+11およびCysV−10を含む。
GLHA-ファミリに属する構成員の模倣体を得るためのシステインの好ましい位置は、CysIV+8およびCysV−6である(CGの場合、残基68および76)。GLHA-ファミリ構成員のためのシステイン位置の他の有用な組合せは、CysIV+6およびCysV−4を含む。
1つの実施形態において、本発明はGLBH-、PDGF-またはTGF-ファミリの一員の模倣体を提供する。ここで、模倣体は、2つのシステインを介して足場に付着されたループしたペプチド構造であって、構成員のベータ3-ヘアピンループのアミノ酸配列に由来するポリペプチドから成り、ポリペプチドの長さはアミノ酸位置CysIV−5からCysV+4までであり、ポリペプチドは位置CysIV+10の第1のシステインおよび位置CysV−8の第2のシステインを介して、テトラハロメチルベンゼン足場、好ましくはテトラブロモジュレンに付着される。別の実施形態において、ポリペプチドはシステインを介して、たとえばジブロモベンゼンといった二官能化された足場に付着され、ペプチドの長さは、たとえばアミノ酸CysIV+1からCysV+1までと、幾分短い。
別の実施形態において、本発明はGLBH-、PDGF- またはTGF-ファミリの一員の模倣体を提供する。ここで、模倣体は2つのシステインを介して足場に付着されたループしたペプチド構造であって、構成員のベータ3-ヘアピンループのアミノ酸配列に由来するポリペプチドから成り、ポリペプチドの長さはアミノ酸位置CysIV−5からCysV+4までであり、ポリペプチドは位置CysIV+10の第1のシステインおよび位置CysV−8の第2のシステインを介して、テトラハロメチルベンゼン足場、好ましくはテトラブロモジュレンに付着される。別の実施形態において、このポリペプチドはシステインを介して、たとえばジブロモベンゼンといった二官能化された足場に付着され、ペプチドの長さは、たとえばアミノ酸CysIV+1からCysV+1までと、幾分短い。
さらに別の実施形態において、本発明はGLBH-、PDGF- またはTGF-ファミリの一員の模倣体を提供する。ここで、模倣体は2つのシステインを介して足場に付着されたループしたペプチド構造であって、構成員のベータ3-ヘアピンループのアミノ酸配列に由来するポリペプチドから成り、ポリペプチドの長さはアミノ酸位置CysIV−5からCysV+4までであり、ポリペプチドは位置CysIV+10の第1のシステインおよび位置CysV−8の第2のシステインを介して、テトラハロメチルベンゼン足場、好ましくはテトラブロモジュレンに付着される。別の実施形態において、このポリペプチドはシステインを介して、たとえばジブロモベンゼンといった二官能化された足場に付着され、ペプチドの長さは、たとえばアミノ酸CysIV+1からCysV+1までと、幾分短い。
さらなる側面において、本発明はNGF-ファミリの一員の模倣体を提供する。ここで、模倣体は2つのシステインを介して足場に付着されたループしたペプチド構造であって、構成員のベータ3-ヘアピンループのアミノ酸配列に由来するポリペプチドから成り、ポリペプチドの長さはアミノ酸位置CysIV−5からCysV+4までであり、ポリペプチドは位置CysIV+10の第1のシステインおよび位置CysV−8の第2のシステインを介して、テトラハロメチルベンゼン足場、好ましくはテトラブロモジュレンに付着される。別の実施形態において、このポリペプチドはシステインを介して、たとえばジブロモベンゼンといった二官能化された足場に付着され、ペプチドの長さは、たとえばアミノ酸CysIV+1からCysV+1までと、幾分短い。
ポリペプチド長がCysIVおよび/またはCysV残基を含む場合、これは、少なくともこ(れら)のシステインは、足場との化学反応を避けるためにポリペプチド中に存在すべきではないことを意味する。たとえば、これらのシステインは、上述の2つのシステイン以外のシステインを介して足場にポリペプチドが付着するのを避けるために、たとえばアラニン残基といった足場と反応しない残基に変更することが可能である。同様に、天然の配列におけるあらゆる他のシステイン残基は、非システイン残基に変更されるべきである。たとえば、本発明は特定の側面において、メタ-ジブロモベンゼンに付着される配列TFKELVYETRVPGAAHHADSLTYPVATQAHを有するFSHのB3-ループに由来するポリペプチドから成る、FSHのペプチド模倣体を提供する(実施例3も参照)。ポリペプチド長はCysIV+1(Thr52)からCysV+1(His52)までの一連のアミノ酸残基に対応する。下線で示される第1のCは位置CysIV+10(FSHにおけるVal61)に、第2のCは位置CysV−8(FSHにおけるTyr74)に対応する。FSHにおける残基Cys66は、足場との不所望の相互作用を妨げるために、このポリペプチド中には存在しない。FSHに由来するこのポリペプチド中において、それは(3つのアラニン残基の第1の)アラニンである。天然のFSHの配列に関して、同様のアミノ酸変更を、足場1,2,4,5-テトラブロモジュレンに付着されるポリペプチドKIQKTATFKELVYETRVPGAAHHADSLTYPVATQAHAGK(CysIV−5からCysV+4に対応)から成る本発明の別のFSHペプチド模倣体において、見出すことができる。しかし、この場合、FSHにおけるCys84(CysVIに対応)もまた、FSHにおいてみられるように、アラニンに変更されて、最後の5つの残基がCHCGKの代わりにAHAGKとなっている。
保護されたアミノ酸を含むポリペプチドを使用して、そのアミノ酸の不所望の反応性を避けることも可能である。1つの実施形態において、ポリペプチドは、足場への付着が意図される2つのシステインに加えて、除去可能な保護基Cys(StBu)で保護されたシステイン残基(たとえばCysIVに対応する残基)を含む。本発明のペプチド模倣体を生成するための足場への付着に続いて、この保護基は、たとえば1,4-DDTまたはエタンジチオールを用いた還元的処理によって容易に除去することが可能である。
さらなる側面において、ペプチド模倣体が、ポリペプチドを2つのシステインを介して足場に付着させることによって生成される。ここで、ポリペプチドはB3-ループに由来するが、1つ以上のアミノ酸残基がバイオイソステリックユニットによって置換される。バイオイソステリック置換は、生物活性分子における官能基の、類似の大きさおよび物理化学的特性を有する別の官能基による置換として定義することができる。バイオイソステリック置換は、薬剤候補の特性(活性、選択性、輸送)を最適化するのために、不所望の副作用を除去するために、または、より合成しやすい分子を設計するために、医薬品産業において使用されている。バイオイソステリック置換は物理化学的または位相的な根拠による。
さらなる側面において、本発明はhCGのペプチド模倣体を提供する。この模倣体は、hCGのB3-ループに類似するループした構造を形成するために、足場としての1,2,4,5-テトラブロモジュレンに付着されるポリペプチドVVANYEDVKFESRLPGAPRGVNPVSYAVALSAQAALから成るペプチド模倣体を提供する。位置61(CysIV+10)および74(CysV−8)の2つのシステイン(下線で示す)が、配列に組み込まれた。野生型たんぱくにおける位置51(CysIV)、66、82(CysV)および84(CysVI)のシステイン(表13参照)は、アラニン残基に変更された。ポリペプチドの長さはhCGにおけるCysIV−2(Val49)からCysV+4(Leu86)までの一連のアミノ酸残基に対応する。配列NYRDVRFESRLPGAPRGVNPVSYAVALSAQのポリペプチドを含むペプチド模倣体もまた提供され、このペプチドは下線で示されるシステインを介して足場m-T2に付着される。
足場m-T2に付着される配列TFKCLVYETVRVPGAAHHADSLYTYPVACQAHのポリペプチドを含むFSHペプチド模倣体、足場m-T2に付着される配列TFKELVYETCRVPGDAHHADSLCTYPVATQAHのポリペプチドを含むFSHペプチド模倣体、足場T3に付着される配列TFKELVYETCRVPGAAHHADSLCTYPVATQAHのポリペプチドを含むFSHペプチド模倣体、足場m-T2に付着される配列TFKELVYETCRVPGDAHHADKLCTYPVATQAHのポリペプチドを含むFSHペプチド模倣体、足場m-T2に付着される配列TFKELVYETCRVPGDAHKADSLCTYPVATQAHのポリペプチドを含むFSHペプチド模倣体、足場m-T2に付着される配列ESNTMQIMRIKPHQGQHIGEMSLQHのポリペプチドを含むVEGFペプチド模倣体、足場m-T2に付着される配列EESNTMQIMRIKPHQGQHIGEMSLQHNのポリペプチドを含むVEGFペプチド模倣体、および2つの足場m-T2に付着される配列
NYEDVKFESRLPGPRGVNPVSYAVALS


NYRDVRFESRLPGPRGVNPVSYAVALS
のポリペプチドを含むhCGペプチド模倣体もまた提供される。例において示されるように、これらのペプチド模倣体はFSH、hCGおよびVEGF-特異的血清を誘導するのに特に適している。
さらに、本発明は、本発明のペプチド模倣体の調製方法に関する。本発明に従うループしたペプチド化合物を作製する方法であって、修飾されたポリペプチドおよび足場を用意する工程と、ポリペプチドの足場への共有結合を許容する条件下でポリペプチドと足場とを接触させる工程とを含む方法が提供される。接触は溶液中、より好ましくは水溶液中で実行されるのが好ましい。修飾ポリペプチドは注目するたんぱくのB3-ループに由来する配列を有し、ポリペプチドの長さは前述の基準を満たし、ポリペプチドは先に詳細に記載した位置に第1および第2のシステイン残基を含む。ポリペプチドは合成ペプチドであり得る。合成は、標準の固相ペプチド合成またはポリペプチドを生産する他のあらゆる方法を用いて実行することができる。足場は、ポリペプチドの第1および第2システインと共有結合を形成することができる2つの反応基を含むことが好ましく、これによってループしたペプチド構造の形成を誘導する。カップリング反応は、非保護アミノ酸側鎖を有するポリペプチドを用いて実行されるのが好ましい。カップリング反応は溶液中、より好ましくは水溶液中で実行されるのが好ましい。ハロゲン-官能化足場を用いる、ループしたペプチド構造の合成に関する詳細な情報は、国際公開第2004077062号パンフレットにおいて見出すことができる。
別の実施形態において、本発明に従うペプチド模倣体を含むワクチン組成物が提供される。動物試験は、ここで開示される基準を満足するペプチド模倣体を含む組成物が、特異的免疫応答の形成を誘導することができることを明らかにした。実施例3は、m-T2足場に環化されたFSH(残基52〜83)由来のTFKELVYETCRVPGAAHHADSLCTYPVATQAHポリペプチドのラットへの注射が、天然のFSHに反応する抗体の生産をもたらすことを示している。良好な結果は、T4足場に環化されたFSH-由来ペプチドKIQKTATFKELVYETCRVPGAAHHADSLCTYPVATQAHAGK(残基49〜86)によっても得られた。ここで記載されるポリペプチド長の妥当性は、第1システイン(位置CysIV+10)から第2システイン(位置CysV−8)までの配列を有するペプチドが使用されたときの、抗体誘導の大幅な減少によって実証される。足場に付着されると、このペプチドはループした構造を有するが、本発明の特徴的なA-形ペプチド模倣体の「足」を表す遊離端を欠く。
足場m-T2に環化されたFSH-由来ペプチドTFKELVYETCRVPGAAHHADSLCTYPVATQAHが非常に高い抗体力価をもたらす一方で、直鎖ペプチドまたは2つのシステイン間のジスルフィド架橋を介して環化されているペプチドのみを受けたラットの血清が、FSHの顕著な認識を示さなかったことを実証している実施例3および図2から、適当な足場へのペプチドの環化の重要性は明らかである。さらに、この特定のペプチドに関して、メタ-T2足場はオルト-またはパラ-T2足場よりも好ましい。
実施例6は、ペプチド系ワクチンとして種々のペプチド組成物を用いて、ラットで実行されたワクチン接種実験の結果を記載している。ペプチド投与の6週後、ラットの血清がhCG認識能力に関して試験された。比較のために、2つの市販のhCGに対する抗体が含まれた。本発明に従うペプチド模倣体を注射されたラットは、良好なhCG-特異的免疫応答を示したが、同じポリペプチドの直鎖型またはSS-環化型を注射されたラットは、顕著な応答を示さなかった(図3)。
ゆえに、本発明はまた、本発明に従うループしたペプチド化合物を含むワクチンを提供する。免疫原性ペプチド化合物は、細胞性免疫を誘導するために単独で使用することができる。それらはまた、抗体生産または体液性応答を誘導するために、たとえば、他の分子と併せて、ワクチン組成物において使用することもできる。ペプチド模倣体は、たとえばキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン(たとえばBSAまたはRSA)、オボアルブミンなどのたんぱく担体といった担体に、カップリングすることが可能である。さらに、本発明に従うループしたペプチド化合物と特異的に反応する抗体が提供される。
本発明のCys-ノットペプチド模倣体を含むワクチンの使用もまた提供される。
1つの実施形態において、ここで提供されるワクチンは哺乳類、好ましくはヒトにおける避妊ワクチンとして使用される。現在、ホルモン的男性避妊には、2つの主要なアプローチがある。1つは、単独の、またはゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)(類似体または免疫付与)と組合せたテストステロン(類似体)に、もう1つは、卵胞刺激ホルモン(FSH)に対する免疫付与に、頼っている。理論的には、後者の方法は精子形成を抑制するが、性欲を妨げないだろう。好ましい実施形態において、本発明は男性の避妊における使用のための抗-FSHワクチンを提供する。この抗-FSHワクチンは抗-黄体形成ホルモン(LH)抗体を含まないのが好ましい(LHは性欲を維持するのに必須であるテストステロンの誘導に関与する)。
別の実施形態において、本発明は、抗癌治療における治療用ペプチドとしてのループしたペプチド化合物の使用を提供する。たとえば、能動免疫療法において使用することができるワクチンが提供される。たとえば、そのワクチンはhCGを模倣するループしたペプチド化合物を含む。hCGホルモンは妊娠中自然に生産され、成長を促進し、発生中の胚を免疫攻撃(つまり拒否反応)から保護すると考えられている。hCGは、癌の主要な型すべてと関連する悪性腫瘍の生化学的マーカである。hCGの発現は腫瘍の攻撃性に相関することが示されており、つまり、hCGの発現が多くなるほど、腫瘍がより攻撃的になる。双方の場合において、hCGは成長因子として働き、迅速な細胞分裂を促進する。hCGは転移および組織浸潤を促進し、血管新生、つまり血管の形成を助長し、免疫抑制を促進して、胎児または腫瘍が拒絶反応を避けるのを可能とする。したがって、hCGに対して向けられる免疫応答は、腫瘍に対する免疫攻撃を促進し、hCGによって付与されるホルモンの利点を中和させる。結果として、抗-hCGワクチンは受胎能力を阻害するのに効果的で、従って癌を治療するのにも効果的である。確かに、癌においてhCGワクチンを使用する臨床研究は、hCGへの免疫応答が患者の生存に重要な役割を果たすことを示している。
好ましい実施形態において、腫瘍形成生物におけるプロ-血管新生因子に対する様々な宿主免疫応答(体液性、細胞性)を誘導することができる、本発明のペプチド模倣体を含むワクチンが提供される。VEGF-A/VEGFR-2システムのペプチド模倣体が特に興味深い。なぜなら、腫瘍血管新生(腫瘍への新しい血管の形成)におけるこのシステムの役割が重大だからである。
本発明は以下の実施例によって例示される。実施例は決して本発明の範囲を限定しない。
実施例
実施例1:CCR5に基づく免疫原性化合物の設計および調製
材料および方法
マイクロアレイ上でのペプチドの合成およびm-P2またはT3-足場との反応
ポリプロピレン支持体のポリアクリル酸とのグラフト化を、12kGy線量のガンマ放射線を用いて、CuSOを含む6% アクリル酸溶液中で支持体を照射することによって実行した。その後、カルボン酸基を含むグラフト化された固体支持体を、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)とともにジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を用いて、t-ブチルオキシカルボニル-ヘキサメチレンジアミン(Boc-HMDA)と反応させ、その後、トリフルオロ酢酸(TFA)を用いてBoc基を開裂させた。標準Fmoc試薬を用いてペプチドを合成し、アシル化後、室温にて2〜4時間、13.3重量% フェノール、5体積% チオアニソール、2.5体積% 1,2-エタンジチオールおよび5体積% ミリQ水を含むTFA(15ml/g 樹脂)と反応させて脱保護した。HOによる3回の洗浄後、ペプチドマイクロアレイを、20mM 重炭酸アンモニウム(pH7.8)/アセトニトリル(1:1v/v)中のmP2またはT3の1.0mM 過剰溶液で30〜60分間室温にて処理し、その後50% ACN/HOで3回洗浄した。その後、マイクロアレイを過剰ミリポアHOで洗浄し、ディスラプト(disrupt)バッファ(リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中、1% SDS/0.1% β-メルカプトエタノール(BME)、pH7.2)中で70℃30分間超音波分解し、その後、さらに45分間ミリポアHO中で超音波分解した。
足場の合成
足場はAldrich社によって市販されている。
抗体によるマイクロアレイのスクリーニング
マイクロアレイをPBSで30分間前処理し、その後インキュベーションバッファ(5% オボアルブミン、5% ウマ血清および1% Tween-80を含むPBS)で1時間プレコートした。その後、マイクロアレイをmAb(通常、インキュベーションバッファに1/1000希釈)で一夜、4℃にてインキュベートした。PBS/Tween-80(0.05%)で洗浄(3×10分)後、ペプチドをペルオキシダーゼ標識ウサギ抗-マウス抗体と1時間25℃にてインキュベートし(rampo、1/1000;Dako社、Glostrup、デンマーク)、その後、PBS/Tween-80(0.05%)で再度洗浄(3×10分)後、ペルオキシダーゼ基質2,2’-アジノ-ジ-3-エチルベンゾチアゾリンスルホン酸塩(ABTS;30% Hを20μl含む100mlの0.1M クエン酸-リン酸ナトリウム(Mcllvaine)バッファ(pH4.0)中の50mg)とインキュベートした。1時間後、(450nmの)吸光度を、CCDカメラ(XC-77RR、Sony社、日本)を使用して測定した。結合したmAbを、前述のように、ディスラプト-バッファ中で超音波分解によって除去した。マイクロアレイをおよそ10〜15回、スクリーニングのために再使用した。
CCR5
CCR5は、細胞侵入のためにHIVによって使用されるサイトカイン共受容体である。したがって、CCR5に対して特異的に向けられた抗体は、HIVによる細胞侵入を妨げるのに適しているだろう。しかし、完全なCCR5による免疫付与は、CCR5が膜貫通たんぱくであることから問題がある。したがって、CCR5-特異的抗体を誘導することができるように、CCR5に基づく免疫原性化合物が所望される。
適した試験化合物を設計するために、4つのCCR5配列を検討した。1つはN-末端ドメイン(Nt)で、3つは(N-末端方向およびC-末端方向に)膜貫通ドメインの約1〜6の隣接アミノ酸残基で拡張される細胞外ループドメインである。これらの細胞外ループドメインをe1、e2およびe3と称する。考慮したドメインの一次配列は以下のとおりである(N-末端から開始)。
Nt:MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKQIA
e1:PFWAHYAAAQWDFGNTMCQLLTGL
e2:IFTRSQKEGLHYTCSSHFPYSQYQFWKNFQ
e3:NTFQEFFGLNNCSSSNRLDQAM
システイン残基は天然のCCR5において天然のC-架橋を形成する。
e2におけるCys残基のN-末端側の細胞外ドメインをECL2Aと称し、e2におけるCys残基のC-末端側の細胞外ドメインをECL2Bと称する。同様に、e3におけるCys残基のN-末端側の細胞外ドメインをECL3Aと称し、e3におけるCys残基のC-末端側の細胞外ドメインをECL3Bと称する。
ECL2A:TRSQKEGLHYT
ECL2B:SSHFPYSQYQFWK
ECL3A:QEFFGLNN
ECL3B:SSSNRLDQ
その後、種々のアミノ酸残基をNt、e1、e2およびe3の一次配列内で選択する。これら選択したアミノ酸のフランキング配列を選択し、これらフランキング配列を含むペプチドを生産する。システイン残基を、足場と反応することができる基として使用する。
以下のペプチドを合成した。
合成およびスクリーニングされたペプチド
1 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKQIAを覆う直鎖21-マーに重なる全18
2 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆う直鎖18-マーに重なる全9
3 Nt MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆う直鎖19-マーに重なる全8
4 Nt MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆う直鎖20-マーに重なる全7
5 Nt MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆う直鎖21-マーに重なる全6
6 e1 PFWAHYAAAQWDFGNTMCQLLTGLを覆う直鎖18-マーに重なる全7
7 e1 PFWAHYAAAQWDFGNTMCQLLTGLを覆う直鎖1 9-マーに重なる全6
8 e1 PFWAHYAAAQWDFGNTMCQLLTGLを覆う直鎖20-マーに重なる全5
9 e1 PFWAHYAAAQWDFGNTMCQLLTGLを覆う直鎖21-マーに重なる全4
10 e2 IFTRSQKEGLHYTCSSHFPYSQYQFWKNFQを覆う直鎖18-マーに重なる全13
11 e2 IFTRSQKEGLHYTCSSHFPYSQYQFWKNFQを覆う直鎖19-マーに重なる全12
12 e2 IFTRSQKEGLHYTCSSHFPYSQYQFWKNFQを覆う直鎖20-マーに重なる全11
13 e2 IFTRSQKEGLHYTCSSHFPYSQYQFWKNFQを覆う直鎖21-マーに重なる全10
14 e3 NTFQEFFGLNNCSSSNRLDQAMを覆う直鎖18-マーに重なる全5
15 e3 NTFQEFFGLNNCSSSNRLDQAMを覆う直鎖19-マーに重なる全4
16 e3 NTFQEFFGLNNCSSSNRLDQAMを覆う直鎖20-マーに重なる全3
17 e3 NTFQEFFGLNNCSSSNRLDQAMを覆う直鎖21-マーに重なる全2
18 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ6-マーに重なる全23
19 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ7-マーに重なる全23
20 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ8-マーに重なる全21
21 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ9-マーに重なる全20
22 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ10-マーに重なる全19
23 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ11-マーに重なる全18
24 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ12-マーに重なる全17
25 MDYQVS SPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ13-マーに重なる全16
26 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ14-マーに重なる全15
27 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ15-マーに重なる全14
28 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ16-マーに重なる全13
29 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ17-マーに重なる全12
30 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ18-マーに重なる全11
31 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ19-マーに重なる全10
32 MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ20-マーに重なる全9
33 MDYQVSSPIYDTNYYTSEPCQKINVKを覆うT2ループ21-マーに重なる全8
34 e1 AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ6-マーに重なる全8
35 e1 AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ7-マーに重なる全7
36 e1 AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ8-マーに重なる全6
37 e1 AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ9-マーに重なる全5
38 e1 AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ10-マーに重なる全4
39 e1 AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ11-マーに重なる全3
40 e1 AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ12-マーに重なる全2
41 e1 AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ13-マーに重なる全1
42 e2a RSQKEGLHYTを覆うT2ループ6-マーに重なる全7
43 e2a RSQKEGLHYTを覆うT2ループ7-マーに重なる全6
44 e2a RSQKEGLHYTを覆うT2ループ8-マーに重なる全5
45 e2a RSQKEGLHYTを覆うT2ループ9-マーに重なる全4
46 e2a RSQKEGLHYTを覆うT2ループ10-マーに重なる全3
47 e2a RSQKEGLHYTを覆うT2ループ11-マーに重なる全2
48 e2a RSQKEGLHYTを覆うT2ループ12-マーに重なる全1
49 e2b SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ6-マーに重なる全10
50 e2b SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ7-マーに重なる全9
51 e2b SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ8-マーに重なる全8
52 e2b SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ9-マーに重なる全7
53 e2b SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ10-マーに重なる全6
54 e2b SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ11-マーに重なる全5
55 e2b SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ12-マーに重なる全4
56 e2b SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ13-マーに重なる全3
57 e2b SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ14-マーに重なる全2
58 e2b SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ15-マーに重なる全1
59 e3 QEFFGLNNCSSSNRLDを覆うT2ループ6-マーに重なる全13
60 e3 QEFFGLNNCSSSNRLDを覆うT2ループ7-マーに重なる全12
61 e3 QEFFGLNNCSSSNRLDを覆うT2ループ8-マーに重なる全11
62 e3 QEFFGLNNCSSSNRLDを覆うT2ループ9-マーに重なる全10
63 e3 QEFFGLNNCSSSNRLDを覆うT2ループ10-マーに重なる全9
64 e3 QEFFGLNNCSSSNRLDを覆うT2ループ11-マーに重なる全8
65 e3 QEFFGLNNCSSSNRLDを覆うT2ループ12-マーに重なる全7
66 e3 QEFFGLNNCSSSNRLDを覆うT2ループ13-マーに重なる全6
67 e3 QEFFGLNNCSSSNRLDを覆うT2ループ14-マーに重なる全5
68 e3 QEFFGLNNCSSSNRLDを覆うT2ループ15-マーに重なる全4
69 e3 QEFFGLNNCSSSNRLDを覆うT2ループ16-マーに重なる全3
70 e3 QEFFGLNNCSSSNRLDを覆うT2ループ17-マーに重なる全2
71 e3 QEFFGLNNCSSSNRLDを覆うT2ループ18-マーに重なる全1
72 Nt MDYQVSSPIYDINYYTSEPAQKINVKを覆うT2ループ18-マーに重なる全11
73 Nt MDYQVSSPIYDINYYTSEPAQKINVKを覆うT2ループ19-マーに重なる全10
74 Nt MDYQVSSPIYDINYYTSEPAQKINVKを覆うT2ループ20-マーに重なる全9
75 Nt MDYQVSSPIYDINYYTSEPAQKINVKを覆うT2ループ21-マーに重なる全8
76 Nt+e3 MDYQVSSPIYDINYYTSEPA-G-SSSNRLDを覆うT2ループ18-マーに重なる全13
77 Nt+e3 MDYQVSSPIYDINYYTSEPA-G-SSSNRLDを覆うT2ループ19-マーに重なる全12
78 Nt+e3 MDYQVSSPIYDINYYTSEPA-G-SSSNRLDを覆うT2ループ20-マーに重なる全11
79 Nt+e3 MDYQVSSPIYDINYYTSEPA-G-SSSNRLDを覆うT2ループ21-マーに重なる全10
80 Nt+e1 QKINVK-GG-AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ18-マーに重なる全4
81 Nt+e1 QKINVK-GG-AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ19-マーに重なる全3
82 Nt+e1 QKINVK-GG-AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ20-マーに重なる全2
83 Nt+e1 QKINVK-GG-AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ21-マーに重なる全1
84 Nt+ECL3A QKINVK-GG-QEFFGLNNCを覆うT2ループ18-マーに重なる全2
85 Nt+ECL3A QKINVK-GG-QEFFGLNNCを覆うT2ループ19-マーに重なる全1
86 e1+e2a AAAQWDFGNTM-GGG-RSQKEGLHYTCを覆うT2ループ18-マーに重なる全10
87 e1+e2a AAAQWDFGNTM-GGG-RSQKEGLHYTCを覆うT2ループ19-マーに重なる全9
88 e1+e2a AAAQWDFGNTM-GGG-RSQKEGLHYTCを覆うT2ループ20-マーに重なる全8
89 e1+e2a AAAQWDFGNTM-GGG-RSQKEGLHYTCを覆うT2ループ21-マーに重なる全7
90 e1+e2b AAAQWDFGNTM-GGG-SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ18-マーに重なる全12
91 e1+e2b AAAQWDFGNTM-GGG-SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ19-マーに重なる全11
92 e1+e2b AAAQWDFGNTM-GGG-SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ20-マーに重なる全10
93 e1+e2b AAAQWDFGNTM-GGG-SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ21-マーに重なる全9
94 e1+e3 AAAQWDFGNTM-GGGG-QEFFGLNNCを覆うT2ループ18-マーに重なる全9
95 e1+e3 AAAQWDFGNTM-GGGG-QEFFGLNNCを覆うT2ループ19-マーに重なる全8
96 e1+e3 AAAQWDFGNTM-GGGG-QEFFGLNNCを覆うT2ループ20-マーに重なる全7
97 e1+e3 AAAQWDFGNTM-GGGG-QEFFGLNNCを覆うT2ループ21-マーに重なる全6
98 e2a+e2b RSQKEGLHYT-A-SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ18-マーに重なる全9
99 e2a+e2b RSQKEGLHYT-A-SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ19-マーに重なる全8
100 e2a+e2b RSQKEGLHYT-A-SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ20-マーに重なる全7
101 e2a+e2b RSQKEGLHYT-A-SSHFPYSQYQFWKを覆うT2ループ21-マーに重なる全6
102 e2b+e1 CSSHFPYSQYQFWK-GGG-AAAQWDFGNTMCを覆うT2ループ18-マーに重なる全14
103 e2b+e1 CSSHFPYSQYQFWK-GGG-AAAQWDFGNTMCを覆うT2ループ19-マーに重なる全13
104 e2b+e1 CSSHFPYSQYQFWK-GGG-AAAQWDFGNTMCを覆うT2ループ20-マーに重なる全12
105 e2b+e1 CSSHFPYSQYQFWK-GGG-AAAQWDFGNTMCを覆うT2ループ21-マーに重なる全11
106 e2b+e3 CSSHFPYSQYQFWK-GG-QEFFGLNNASSSNRLDを覆うT2ループ18-マーに重なる全17
107 e2b+e3 CSSHFPYSQYQFWK-GG-QEFFGLNNASSSNRLDを覆うT2ループ19-マーに重なる全16
108 e2b+e3 CSSHFPYSQYQFWK-GG-QEFFGLNNASSSNRLDを覆うT2ループ20-マーに重なる全15
109 e2b+e3 CSSHFPYSQYQFWK-GG-QEFFGLNNASSSNRLDを覆うT2ループ21-マーに重なる全14
110 e3+e1 QEFFGLNNASSSNRLD-GGG-AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ18-マーに重なる全15
111 e3+e1 QEFFGLNNASSSNRLD-GGG-AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ19-マーに重なる全14
112 e3+e1 QEFFGLNNASSSNRLD-GGG-AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ20-マーに重なる全13
113 e3+e1 QEFFGLNNASSSNRLD-GGG-AAAQWDFGNTMを覆うT2ループ21-マーに重なる全12
114 Nt+e3b MDYQVSSPIYDINYYTSEC-G-CSSSNRLDを覆うT2ループ21-マーに重なる全9
115 Nt+e3b DYQVSSPIYDINYYTSEPC-G-CSSSNRLDQAMQを覆うT2ループ21-マーに重なる全36
116 Nt+e1 QKINVK-GG-CAAAQWDFGNTMCを覆うT2ループ19〜21-マー
117 e1 AAAQWDFGNTM(左)およびe2a SQKEGLHYT(右)C------1-G-1------Cを覆うP2P2ループ18〜21-マー
118 e1 AQWDFGN(左)およびe2a SSHFPYSQYQFWKN(右)C------1-G-1------Cを覆うP2P2ループ21-マー
119 e1 HYAAAQWDFGNTM(左)およびe2a SSHFPYSQYQFWKN(右)C------1-G-1------Cを覆うP2P2ループ21-マー
120 Nt SEPCQKINVK(左)およびe3 QEFFGLNNCSSSN(右)C------1-G-1------Cを覆うP2P2ループ21-マー
121 e1 AAAQWDFGNTM(左)およびe2a RSQKEGLHYT(右)を覆うT3ループ16〜20-マーペプチド
122 e1 AQWDFGNTM(左)およびe2b SSHFPYSQYQFWKNF(右)を覆うT3ループ20-マーペプチド
123 e2b SSHFPYSQYQFWKNF(左)およびe1 AAAQWDFGNTM(右)を覆うT3ループ20-マーペプチド
124 e2b SSHFPYSQYQFWKNF(左)およびe3 QEFFGLNNASSSNRLDQ(右)を覆うT3ループ20-マーペプチド
125 e1 YAAAQWDFGNTM(左)およびe3 QEFFGLNNASSSNRLDQ(右)、GCG(真中)を覆うT3ループ20-マーペプチド
126 e3 QEFFGLNNASSSNRLDQ(左)およびe1 YAAAQWDFGNTM(右)、GCG(真中)を覆うT3ループ20-マーペプチド
127 e2 SLPGIIFTRSQKEGLHYTCSSHFPYSQYQFWKNFQTLを覆うT3ループ21-マーペプチド
128 Nt DYQVSSPIYDINYYTSEPCQKINVKQIAARLLPPLYSを覆うT3ループ21-マーペプチド
ペプチドの第1シリーズ(前述の表の第1行)において、Nt配列のC-末端アミノ酸K、I、N、V、K、Q、I、およびAを選択した。次に、21アミノ酸残基の長さを有するN-末端フランキング配列を選択した。ゆえに、MDYQVSSPIYDINYYTSEPCQがKのフランキング配列であったり、DYQVSSPIYDINYYTSEPCQKがIのフランキング配列であったり、YQVSSPIYDINYYTSEPCQKIがNのフランキング配列であったりする。その後、これらフランキング配列の1つを含むペプチドを生産した。
同様に、ペプチドの第2シリーズ(前述の表の第2行)において、Nt配列のC-末端アミノ酸P、C、Q、K、I、N、VおよびKを選択した。次に、18アミノ酸残基の長さを有するN-末端フランキング配列を選択した。ゆえに、MDYQVSSPIYDINYYTSEがPのフランキング配列であったり、DYQVSSPIYDINYYTSEPがCのフランキング配列であったり、YQVSSPIYDINYYTSEPCがQのフランキング配列であったりする。その後、これらフランキング配列の1つを含むペプチドを生産した。
第1〜17シリーズ(前述の表の第1〜17行)のペプチドは足場に結合せず、足場-結合ペプチドと比較してあまり適していないように思われた。
ペプチドの第18シリーズにおいて、最初から6番目までのN-末端アミノ酸を除く全アミノ酸を選択し、6アミノ酸長を有するN-末端フランキング配列を選択した。その後、これらフランキング配列の1つおよび2つのシステイン残基を含むペプチドを生産した。ペプチドを、2つのシステイン残基を介してP2足場にカップリングさせた。注目すべきは、フランキング配列が、カップリングを意図されないシステイン残基を含む場合、そのシステインをアラニンで置換したことである。シリーズ19〜75のペプチドを同様に生産した。
シリーズ76〜116において、CCR5の2つの異なるドメインに由来するフランキング配列を組合せた。たとえば、シリーズ76〜79において、Ntに由来するフランキング配列を、e3に由来するフランキング配列に組合せた。同様に、シリーズ80〜83において、Ntに由来するフランキング配列を、e1に由来するフランキング配列に組合せたりなどした。結果として生じるペプチドは、2つのシステイン残基を介してP2にカップリングされた。
シリーズ117〜120において、2つのP2足場を使用した。2つのフランキング配列を含むペプチドを生産し、e1に由来するフランキング配列をE2Aに由来するフランキング配列に組合せ(前述の表の第117〜119行)、Ntに由来するフランキング配列をe3に由来するフランキング配列に組合せた(前述の表の第120行)。システイン残基が各フランキング配列の最初と最後とに存在した(ゆえに、総計で4つのシステインが存在した)。フランキング配列がカップリングを意図されないシステイン残基を含む場合、そのシステインをアラニンで置換した。その後、前述の4つのシステイン残基を用いて、ペプチドを2つのP2足場にカップリングさせた(システイン残基をCおよび1として表に表す)。Cとして表した2つのシステインを双方とも1つのT2足場にカップリングさせ、1として表した2つのシステイン残基を双方とも別の足場にカップリングさせた。
シリーズ121〜128において、T3足場を使用した。異なるCCR5ドメインに由来する2つのフランキング配列を含むペプチドを生産した。T3足場にカップリングさせるために3つのシステイン残基をペプチドに組み込んだ。
スクリーニング検定
生産したペプチドを市販の抗-CCR5抗体2D7とともにインキュベートした。
結果
高い親和性で抗体2D7を結合させることのできる有望な化合物を以下に表わす。
Figure 0005372380
上記表の化合物は、すべてP2またはT3に結合するペプチドを含む。すべての化合物は抗体2D7を結合させることができる。
結論:この例によって、本発明者らは、直鎖ペプチドが2D7を結合させることができない一方で、本発明に従う方法は、2D7を結合させることができるCCR5の模倣体を同定するのに適していることを示している。このようなペプチドは、さらに、HIV感染を無力化することができるCCR5-特異的抗体を誘導するために、免疫付与実験において使用される。
実施例2:インターロイキン5に基づく免疫原性化合物の設計および調製
適当な試験化合物を設計するために、5シリーズの化合物を生成した。その後、化合物を、IL5を特異的に結合させることのできる市販の抗体(抗体39D10)とともにインキュベートした。
シリーズ1
全IL5配列の重複18-マー配列を生成した。これらのペプチドは足場にカップリングしなかった。これらのペプチドは、容認可能な親和性で、39D10を結合させることができなかった。
シリーズ2
全IL5配列の重複13-マー配列を生成した。1つの13-マー配列ならびにN-末端およびC-末端システイン残基を含むペプチドを生産した。13-マー配列がカップリングを意図されないシステイン残基を含む場合、そのシステインをアラニンで置換した。その後、N-末端およびC-末端システイン残基を介して、ペプチドをP2足場にカップリングさせた。その後、結果として生じる化合物を、抗体39D10とともにインキュベートした。いくつかの化合物は結合することができたが、見込みのある化合物は見出されなかった。
シリーズ3〜5において、以下の2つのインターロイキン5配列を考慮した。
パート1、KKKSGEERRRVNQFLDY
パート2、LIANETLRIPVPVHKNH
注目すべきは、パート1の4番目のアミノ酸残基であるセリンは、天然のヒトIL5においてはシステイン残基であることである。足場がこのシステインとカップリングするのを避けるために、このシステインをセリンで置換した。
シリーズ3
このシリーズにおいて、パート1およびパート2の初めの3つのアミノ酸配列および最後の3つのアミノ酸残基を選択した。その後、14〜16アミノ酸残基の長さを有するC-末端およびN-末端フランキング配列を選択した。1つのフランキング配列ならびにN-末端およびC-末端システイン残基を含むペプチドを生産した。その後、N-末端およびC-末端システイン残基を介して、ペプチドをP2足場にカップリングさせた。結果として生じる化合物を,その後、抗体39D10とともにインキュベートした。パート1のフランキング配列を含むいくつかの化合物は、抗体39D10を結合することができた。
シリーズ4
このシリーズにおいて、パート1に由来するフランキング配列をパート2に由来するフランキング配列と組合せた。以下の概略配列に従って21-マーを生産した。
CXXXXXXXXCXXXXXXXXC
CXXXXXXXCXXXXXXXXXC
CXXXXXXCXXXXXXXXXXC
CXXXXXCXXXXXXXXXXXC
CXXXXCXXXXXXXXXXXXC
CXXXCXXXXXXXXXXXXXC
CXXXXXXXXXCXXXXXXXC
CXXXXXXXXXXCXXXXXXC
CXXXXXXXXXXXCXXXXXC
CXXXXXXXXXXXXCXXXXC
CXXXXXXXXXXXXXCXXXC
ここで、X残基の第1の配列はパート1に由来するフランキング配列を表し、X残基の第2の配列はパート2に由来するフランキング配列を表す。ゆえに、フランキング配列長は異なるが、結果として生じるペプチドの全長は同じである(21アミノ酸残基)。ペプチドをT3足場にカップリングさせた。結果として生じる化合物を、その後、抗体39D10とともにインキュベートした。抗体39D10に対して高い結合親和性を有する種々の化合物が見出された。これら化合物を以下に詳細に述べる。
シリーズ5
このシリーズにおいても、パート1に由来するフランキング配列をパート2に由来するフランキング配列と組合せた。このシリーズにおいて、結果として生じるペプチドは異なる長さである(パート1に由来するフランキング配列およびパート2に由来するフランキング配列を含む)。ペプチドを3つのシステイン残基を介してT3にカップリングさせ、その後、抗体39D10とともにインキュベートした。結果を以下に詳細に述べる。
結果
T3にカップリングさせた以下の4つのペプチドは、抗体39D10に対して高い親和性を有すると思われる。
1. Ac-CEERRRVCANETLRIPVPCGSC (T3) 1:1500
2. Ac-CSGEERRRVCANETLRIPCGSC (T3) 1:1500
3. Ac-CEERRRVNQCANETLRIPCGSC (T3) 1:2000
4. Ac-CGEERRRCIANETLRIPCGSC (T3) 1:4000
4つのペプチドすべてが、パート1の部分配列およびパート2の部分配列を含む。
これら4つのペプチドを、全ヒトIL5に対する抗体を誘導することができるかを試験するために、免疫付与実験に使用した。すべてヒトIL5に由来するこれらのペプチドは、(OD最大値の50%であるOD値に従って計算した)抗体力価が1:1500、1:2000および1:4000である全ヒトIL5と、強い交差反応を示す抗体を誘導することができるように思われた。
結論
異なる領域由来のフランキング配列の組合せを含むペプチドは、天然IL5エピトープに最もよく類似するように思われる。これらペプチドは、本発明に従うスクリーニング方法によって見出された。
実施例3:FSHのペプチド模倣体の設計および調製、ならびにペプチドワクチンとしての使用
この実験において、FSHのB3-ループに対応するポリペプチドを設計し、2つのアミノ酸残基を、足場を介して互いに付着するポリペプチド中の第1および第2のシステイン残基で置換した。第1の足場付着システイン残基を、野生型B3-ループ内のアミノ酸CysIVに対応する位置からp残基C-末端方向に位置する位置CysIV+pに導入した。pは5p12である。第2の足場付着システイン残基を、野生型B3-ループ内のアミノ酸CysVに対応する位置からq残基N-末端方向に位置する位置CysV−qに導入した。qは4≦q≦12であって、(p−q)は−3,−2,−1,0,1,2または3である。ポリペプチド長はCysIV+xの位置のアミノ酸からCysV+yの位置のアミノ酸までである。xは−5≦x≦1、yは1≦y≦6であって、x+y=−1,0,1または2の条件である。
ペプチドを、Syro-シンセサイザ(MultiSynTech社、ドイツ)上で、4-(2’4’-ジメトキシフェニル- Fmoc-アミノメチル)-フェノキシ(リンクアミド(RinkAmide))樹脂(BACHEM社、ドイツ)を使用して、固相ペプチド合成によって合成した。全アミノ酸を、側鎖官能基がN-t-Boc(KW)、О-t-Bu(DESTY)、N-Trt(HNQ)、S-Trt(C)、またはN-Pbf(R)基のように保護され、N-アルファ-(Fmoc)のように保護された形態で購入し、使用した。NMP中の6.5倍過剰のHBTU/HOBt/アミノ酸/DIPEA(1:1:1:2)を使用し、二重カップリングを使用する30分の活性化時間のカップリングプロトコールを用いた。アセチル化ペプチドを、13.3重量% フェノール、5体積% チオアニソール、2.5体積% 1,2-エタンジオール、および5体積% ミリQ-HOを含むTFA(15ml/g樹脂)で、2〜4時間室温にて反応させることで樹脂から開裂させ、その後(少なくともTFA体積の3倍の)ジエチルエーテルで沈殿させた。粗ペプチドを、「DeltaPack」(25または40×100mmの内径、15マイクロメートルの粒径、100Aの細孔径;Waters社、米国)または「XTERRA」(50×4.6mmの内径、2.5マイクロメートルの粒径;Waters社、米国)RP-18分取C18カラムで、毎分1〜2% Bの直線的AB-勾配で、逆相高速液体クロマトグラフィ(RPC)によって精製した。溶媒Aは水中の0.05% TFAであり、溶媒Bは0.05% ACNであった。ペプチドの正確な一次イオン分子量を、Micromass ZQ (Micromass社、オランダ)またはVG Quattro II(VG Organic社、英国)の質量分析計で、エレクトロンスプレイイオン化質量分析によって確認した。ポリペプチドを、T2(20% アセトニトリル(ACN)/80% 重炭酸アンモニウム(20mM)、pH7.8中、室温での、ペプチドと1.05等量のT2との1時間の反応)またはT4足場(60% ACN/40% 重炭酸アンモニウム(20mM)、pH7.8中、室温での、ペプチドと0.5等量のT4との1時間の反応)上に環化するか、システインのSS-酸化を介して直接環化した。足場はSigma- Aldrich社から得た。さらに、システインを欠いている直鎖バージョンのポリペプチドを調製した(表4参照)。その後、メスのウィスター系ラットに、0日目に、PBS/CFA 1:1(v/v)(PBS=リン酸緩衝生理食塩水、CFA=完全フロイントアジュバント)中の約2.5mg/mlのペプチドまたはペプチド-T-構成400μlで免疫性を与え、4週後に追加免疫(等量および等濃度)を行った。その後、免疫応答を確認するために抗-ペプチド力価を6週後に測定し、最終的にラットを8週後に出血させて抗血清を収集した。二次抗体としてペルオキシダーゼ標識ヤギ-抗-ラット血清と組合せて、2,2’-アジン-ジ(エチルベンゾチアゾリンスルホン酸塩)(ABTS)を使用する、FSH-結合ELISA(Greiner社、パレスチナ;1μg/ml FSH(Biotrend社)によるGDA-コーティング)にて、抗血清を分析した。抗体pAb 5215(Biogenesis社)およびmAb 6602(Medix Biochemicals社)を、ポジティブコントロールとして分析に含めた。
Figure 0005372380
図2に示す結果は、B3-由来ポリペプチドを足場に付着させることの妥当性を実証している。SS-酸化を介して環化された対応するペプチドおよび直鎖ポリペプチドは、それらだけでは免疫原性がないからである。
以下、表4Bおよび4Cに同じ結果を詳細に表す。CLIPS位置pおよびqなどの種々の値を示す。
Figure 0005372380
Figure 0005372380
この結果は、FSHのベータ3ループに由来する免疫原性化合物を生成できることを、明らかに実証している(表4Bの化合物4および9ならびに表4Cの化合物1を参照)。免疫原性化合物はFSH-特異的抗体の生産を引き起こす。
実施例4:FSHのペプチド模倣体の設計および調製、ならびにペプチドワクチンとしての使用
この実験において、長さおよびCLIPS-付着に関するシステイン残基のキラル配置の点で異なる、FSHのβ3-ループに対応するポリペプチドのセットを前述のように設計し、合成した。ポリペプチドをm-T2上に環化した(20% アセトニトリル/80% 重炭酸アンモニウム(20mM)、pH7.8中、室温でのペプチドと1.05等量のm-T2との1時間の反応)。その後、メスのウィスター系ラットに、0日目に、PBS/CFA 1:1(v/v)(PBS=リン酸緩衝生理食塩水、CFA=完全フロイントアジュバント)中の約2.5mg/mlのペプチドまたはペプチド-T-構成400μlで免疫性を与え、4週後に追加免疫(等量および等濃度)を行った。その後、免疫応答を確認するために抗-ペプチド力価を6週後に測定し、最終的にラットを10週後に出血させて抗血清を収集した。二次抗体としてペルオキシダーゼ標識ヤギ-抗-ラット血清と組合せて、2,2’-アジン-ジ(エチルベンゾチアゾリンスルホン酸塩)(ABTS)を使用する、FSH-結合ELISA(Greiner社、パレスチナ;1μg/ml FSH(Biotrend社)によるGDA-コーティング)にて、抗血清を分析した。抗体pAb 5215(Biogenesis社)およびmAb 6602(Medix Biochemicals社)を、ポジティブコントロールとして分析に含めた。
Figure 0005372380
表7から、足場T2に結合するペプチドTFKELVYETRVPGAHHADSLTYPVATQHを含む化合物が好ましいと結論される。さらに、足場T3に結合するペプチドTFKELVYETRVPGAHHADSLTYPVATQHを含む化合物が好ましい。
実施例5:構造的に最適化されたFSHのペプチド模倣体の設計および調製、ならびにペプチドワクチンとしての使用
本実験において、FSHのβ3-ループに対応するポリペプチドのセットを、m抗体5828および6602でスクリーニングされた置換分析研究由来の抗体結合データを用いて、構造的に最適化した。ポリペプチドをm-T2上に環化した(20% アセトニトリル/80% 重炭酸アンモニウム(20mM)、pH7.8中、室温での、ペプチドと1.05等量のm-T2との1時間の反応)。その後、メスのウィスター系ラットに、0日目に、PBS/CFA 1:1(v/v)(PBS=リン酸緩衝生理食塩水、CFA=完全フロイントアジュバント)中の約2.5mg/mlのCLIPS-ペプチド構成400μlで免疫性を与え、4週後に追加免疫(等量および等濃度)を行った。その後、免疫応答を確認するために抗-ペプチド力価を6週後に測定し、最終的にラットを10週後に出血させて抗血清を収集した。二次抗体としてペルオキシダーゼ標識ヤギ-抗-ラット血清と組合せて、2,2’-アジン-ジ(エチルベンゾチアゾリンスルホン酸塩)(ABTS)を使用する、FSH-結合ELISA(Greiner社、パレスチナ;1μg/ml FSH(Biotrend社)によるGDA-コーティング)にて、抗血清を分析した。抗体pAb 5215(Biogenesis社)およびmAb 6602(Medix Biochemicals社)を、ポジティブコントロールとして分析に含めた。
Figure 0005372380
表8から、足場T2に結合するペプチドTFKELVYETCRVPGDAHHADKLCTYPVATQAHを含む化合物が好ましいと結論される。さらに、足場T2に結合するペプチドTFKELVYETCRVPGDAHKADSLCTYPVATQAHを含む化合物が好ましい。
実施例6:h-CGのペプチド模倣体の設計および調製、ならびにペプチドワクチンとしての使用
本実験においては、hCGのβ3-ループに対応するポリペプチドを前述のように設計し、合成した。ポリペプチドをT2上(20% ACN/80% 重炭酸アンモニウム(20mM)、pH7.8中、室温での、ペプチドと1.05等量のT2との1時間の反応)、またはT4足場上(60% ACN/40% 重炭酸アンモニウム(20mM)、pH7.8中、室温での、ペプチドと0.5等量のT4との1時間の反応)に環化するか、システインのSS-酸化を介して直接環化した。さらに、システインを欠いている直鎖バージョンのポリペプチドを調製した(表5参照)。ラットに、実施例1においてFSH-ペプチドの模倣体に関して述べた種々のペプチドまたはペプチド構成で、免疫性を与えた。ELISA表面上のhCG(Biotrend社から購入)のコーティングを確認するために、hCGに対する市販の抗体CG-B2(Imgen社から購入)を、ポジティブコントロールとして分析に含めた。
Figure 0005372380
図3に示す結果は、B3-由来ポリペプチドを足場に付着させることの妥当性を実証している。SS-酸化を介して環化された対応するペプチドおよび直鎖ポリペプチドは、それらだけでは免疫原性がないからである。
以下、表9Bに同じ結果を詳細に表す。CLIPS位置pおよびqなどの種々の値を示す。
Figure 0005372380
実施例7:hCGのペプチド模倣体の設計および調製、ならびにペプチドワクチンとしての使用
この実験においては、長さおよびCLIPS-付着に関するシステイン残基の位置の点で異なるhCGのβ3-ループに対応するポリペプチドのセットを、前述のように設計し、合成した。ポリペプチドをm-T2上に環化した(20% アセトニトリル/80% 重炭酸アンモニウム(20mM)、pH7.8中、室温での、ペプチドと1.05等量のT2との1時間の反応)。その後、メスのウィスター系ラットに、0日目に、PBS/CFA 1:1(v/v)(PBS=リン酸緩衝生理食塩水、CFA=完全フロイントアジュバント)中の約2.5mg/mlのペプチドまたはペプチド-T-構成400μlで免疫性を与え、4週後に追加免疫(等量および等濃度)を行った。その後、免疫応答を確認するために、抗-ペプチド力価を6週後に測定し、最終的にラットを10週後に出血させて抗血清を収集した。二次抗体としてペルオキシダーゼ標識ヤギ-抗-ラット血清と組合せて、2,2’-アジン-ジ(エチルベンゾチアゾリンスルホン酸塩)(ABTS)を使用する、FSH-結合ELISA(Greiner社、パレスチナ;1μg/ml hCG(Biotrend社)によるGDA-コーティング)にて、抗血清を分析した。抗体B2をポジティブコントロールとして、分析に含めた。
Figure 0005372380
表10から、足場T2に結合するペプチド
*NYEDVRFESCRLPGCPRGVNPVCSYAVALSAQ#+m-T2


*NYRDVRFESCRLPGCPRGVNPVCSYAVALSAQ#+m-T2
を含む化合物が好ましいと結論される。
実施例8:VEGF-Aのペプチド模倣体の設計および調製、ならびにペプチドワクチンとしての使用
この実験においては、長さおよびCLIPS-付着に関するシステイン残基の位置の点で異なる(FSHおよびhCGのB3-ループに対応する)VEGF-Aのβ5ターン-β6-ループに対応するポリペプチドのセットを、前述のように設計し、合成した。ポリペプチドをm-T2上に環化した(20% アセトニトリル/80% 重炭酸アンモニウム(20mM)、pH7.8中、室温での、ペプチドと1.05等量のT2との1時間の反応)。その後、メスのウィスター系ラットに、0日目に、PBS/CFA 1:1(v/v)(PBS=リン酸緩衝生理食塩水、CFA=完全フロイントアジュバント)中の約2.5mg/mlのペプチドまたはCLIPS-ペプチド-構成の400μlで免疫性を与え、4週後に追加免疫(等量および等濃度)を行った。その後、免疫応答を確認するために、抗-ペプチド力価を6週後に測定し、最終的にラットを9週後に出血させて抗血清を収集した。二次抗体としてペルオキシダーゼ標識ヤギ-抗-ラット血清と組合せて、2,2’-アジン-ジ(エチルベンゾチアゾリンスルホン酸塩)(ABTS)を使用する、VEGF-結合ELISA(Greiner社、パレスチナ;0.1μg/ml VEGF-AによるGDA-コーティング)にて、抗血清を分析した。mAb 293をポジティブコントロールとして分析に含めた。
Figure 0005372380
結論:CLIPS位置8,6(p=8およびq=6)および10,8(p=10およびq=8)が好ましい。
(表12)
:Cys-ノットたんぱくサブファミリの要約
糖たんぱくホルモン-αファミリ
糖たんぱくホルモン(またはゴナドトロピン)-α1,2(GLHA-1,2)
糖たんぱくホルモン-βファミリ
胎盤性性腺刺激ホルモン-β(β-CG)
ゴナドトロピン-β1,2(GTH-I,II)
卵胞刺激ホルモン(またはフォロトロピン(follotropin))-β(FSH-β)
黄体形成ホルモン-β(またはルトロピン)-β(β-LH)
甲状腺刺激ホルモン(またはチロトロピン)-β(TSH)
コンタクチン関連たんぱく様2前駆体(CTA-2)
糖たんぱくホルモンベータ-5前駆体(GPB-5)

神経成長因子ファミリ
神経成長因子(NGF)
神経栄養因子-3,4,5,7(NT-3,4,5,7;HDNF)
脳由来神経栄養因子(BDNF)

PDGF-ファミリ
血小板由来増殖成長因子A,B-1,2(PDGF-A,B-1,2)
PDGF関連形質転換たんぱくシス(sis)(TSIS、_SMSAV、P28SIS)
胎盤成長因子(PLGF)
血管内皮増殖因子A,B,C,D,H(VGEF-A,B,C,D,H)
血管内皮増殖因子毒素(TXVE、SWEGF、ICPP)

形質転換成長因子スーパーファミリ
形質転換成長因子-ベータ1〜5(TGFβ1〜5)
アクチビン-β(インヒビン-β)
ATP-依存性CLP-たんぱく分解酵素ATP-結合サブユニットCLPX(CLPX)
骨形成たんぱく2〜8,10,15(BMP2〜8,10,15)
60Aたんぱく前駆体(グラス ボトム ボート(Glass Bottom Boat)たんぱく、60A)
CET-1シノラブディス エレガンス(Caenorphabditis Elegans)
デカペンタプレジックたんぱく前駆体(DECA)
DVR1-たんぱく前駆体(ベジタル ヘミスフィア(Vegital Hemisphere)VG1たんぱく)
ドルサリン-1前駆体(DSL1)
XNR-1,2,4(アフリカツメガエル)
ZNR-1ゼブラダニオ(ゼブラフィッシュ)
VG1-セキショクヤケイ(ニワトリ)
胎盤骨形成たんぱく
節前駆体(NODA)
ノリー病たんぱく(NDP)
前立腺分化因子(PDF)
(胚)成長分化因子1〜9(GDF-1〜9)
グリア細胞系由来神経栄養因子前駆体(GDNF)
左右決定因子-b前駆体(レフティ-bたんぱく、LFTB)
巨核球促進因子(MSF)
ムチン-2前駆体(腸ムチン-2)
ミュラー管抑制因子(MIS)
ニュールツリン前駆体(NRTN)
ペルセフィン(Persephin)前駆体(PSPN)
スクレロスティン(Sclerostin)(SOST)
スクリュー(Screw)たんぱく前駆体(SCW)
ユニビン(Univin)前駆体(UNIV)
Figure 0005372380
表14は、Cys-ノットたんぱくファミリの種々の構成員における保存システインの位置を示し、角括弧内の数字は、たんぱくドメインまたは保存たんぱく領域の多重アラインメントの、Pfamデータベースを示している。第1欄は、たんぱく内部で見つかったシステイン残基すべてを記載している。第2欄は、6つの保存システイン残基(CysI〜CysVI)の称号を表している。他の欄は、個々のサブファミリ構成員に対応するアミノ酸位置(N-末端から開始)を示している。
Figure 0005372380
Figure 0005372380
Figure 0005372380
Figure 0005372380
Figure 0005372380
Cys-ノット成長因子ファミリ構成員のB3-ループおよびそのペプチド模倣体の略図であり、Cys-ノットたんぱくファミリの種々の構成員の一般的なループ-構造を示している。 Cys-ノット成長因子ファミリ構成員のB3-ループおよびそのペプチド模倣体の略図であり、残基CysIVおよびCysVを含むB3-ループを示している。 Cys-ノット成長因子ファミリ構成員のB3-ループおよびそのペプチド模倣体の略図であり、本発明のペプチド模倣体の構造設計を示している。2つのシステインが、これらのシステインを介したポリペプチドの足場(Tとして示す)への共有結合が、天然たんぱくのB3-ループの二次構造に類似する立体配座をとるようにペプチドを誘導するために、ポリペプチド内に導入される。 FSHのペプチド模倣体を使用するワクチン接種実験の結果を示す図である。X-軸に示されるペプチド化合物で免疫付与されたラットの血清が、それらのペプチドが天然FSHに対する免疫応答を誘導することができるかを決定するために、ELISAを使用して分析された。血清の4段階の希釈が試験された(1/10,1/30,1/100および1/300)。FSHに対するポリクローナル抗体5215(no.15)およびモノクローナル抗体6602(no.16)が、ポジティブコントロールとして使用された。詳細は実施例3に記載されている。 hCGのペプチド模倣体を使用するワクチン接種実験の結果を示す図である。X-軸に示されるペプチド化合物で免疫付与されたラットの血清が(使用された異なるペプチドおよび足場については、表5参照)、それらのペプチドが天然hCGに対する免疫応答を誘導することができるかを決定するために、ELISAを使用して分析された。血清の種々の段階の希釈が試験された。抗体hCG-B2(no.7)が、ポジティブコントロールとして使用された。詳細は実施例6に記載されている。 オルト-、メタ-またはパラ-位の2つハロメチル基を有する芳香族足場を示す図である。Halは塩素、臭素またはヨウ素原子を示す。
1,2-ビス(ハロメチル)ベンゼンおよび他の位置異性体
3,4-ビス(ハロメチル)ピリジン(X=N)および他の位置異性体
3,4-ビス(ハロメチル)ピリダジン(X=N)および他の位置異性体
4,5-ビス(ハロメチル)ピリミジン(X=N)および他の位置異性体
4,5-ビス(ハロメチル)ピラジン(X=N)および他の位置異性体
4,5-ビス(ハロメチル)-1,2,3-トリアジン(X=N)および他の位置異性体
5,6-ビス(ハロメチル)-1,2,4-トリアジン(X=N)および他の位置異性体
3,4-ビス(ハロメチル)ピロール(X=N)、-フラン(X=O)、-チオフェン(X=S)および他の位置異性体
4,5-ビス(ハロメチル)イミダゾール(X=N,N)、-オキサゾール(X=N,O)、-チアゾール(X=S)および他の位置異性体
4,5-ビス(ハロメチル)-3H-ピラゾール(X=N,N)、-イソオキサゾール(X=N,O)、-イソチアゾール(X=S)および他の位置異性体
1,2-ビス(-ブロモメチルカルボニルアミノ)ベンゼン(X=NH、X=O)
2,2'-ビス(ハロメチル)ビフェニレン
2,2"-ビス(ハロメチル)テルフェニレン
1,8-ビス(ハロメチル)ナフタレン
1,10-ビス(ハロメチル)アントラセン
ビス(2-ハロメチルフェニル)メタン
オルト-、メタ-またはパラ-位の3つのハロメチル基を有する芳香族足場を示す図である。 1,2,3-トリス(ハロメチル)ベンゼンおよび他の位置異性体 2,3,4-トリス(ハロメチル)ピリジン(X=N)および他の位置異性体 2,3,4-トリス(ハロメチル)ピリダジン(X=N)および他の位置異性体 3,4,5-トリス(ハロメチル)ピリミジン(X=N)および他の位置異性体 4,5,6-トリス(ハロメチル)-l,2,3-トリアジン(X=N)および他の位置異性体 2,3,4-トリス(ハロメチル)ピロール(X=N)、-フラン(X=O)、-チオフェン(X=S)および他の位置異性体 2,4,5-ビス(ハロメチル)イミダゾール(X=N,N)、-オキサゾール(X=N,O)、-チアゾール(X=S)および他の位置異性体 3,4,5-ビス(ハロメチル)-1H-ピラゾール(X=N,N)、-イソオキサゾール(X=N,O)、-イソチアゾール(X=S)および他の位置異性体 2,4,2'-トリス(ハロメチル)ビフェニレン 2,3',2"-トリス(ハロメチル)テルフェニレン 1,3,8-トリス(ハロメチル)ナフタレン 1,3,10-トリス(ハロメチル)アントラセン ビス(2-ハロメチルフェニル)メタン オルト-、メタ-またはパラ-位の4つのブロモメチル基を有する芳香族足場を示す図である。 1,2,4,5-テトラ(ハロメチル)ベンゼンおよび他の位置異性体 1,2,4,5-テトラ(ハロメチル)ピリジン(X=N)および他の位置異性体 2,4,5,6-テトラ(ハロメチル)ピリミジン(X=X=N)および他の位置異性体 2,3,4,5-テトラ(ハロメチル)ピロール(X=NH)、-フラン(X=O)、-チオフェン(X=S)および他の位置異性体 2,2',6,6'-テトラ(ハロメチル)ビフェニレン 2,2",6,6"-テトラ(ハロメチル)テルフェニレン 2,3,5,6-テトラ(ハロメチル)ナフタレン 2,3,7,8-テトラ(ハロメチル)アントラセン ビス(2,4-ビス(ハロメチル)フェニル)メタン(X=CH 単-、二重-および三重-ループペプチド構造の一段階合成の略図である。 二重-ループペプチドの段階的合成の略図である。部分的Cys(Trt)-保護ペプチドのmP2との最初の反応に、残存するTrt-保護基の除去、およびmP2の第2の当量との反応が続く。

Claims (7)

  1. システインを介して足場m-T2に付着されるポリペプチドTFKELVYETCRVPGAAHHADSLCTYPVATQAH、
    システインを介して足場m-T4に付着されるポリペプチドKIQKTATFKELVYETCRVPGAAHHADSLCTYPVATQAHAGK、
    システインを介して足場m-T2に付着されるポリペプチドTFKELVYETCRVPGDAHHADSLCTYPVATQAH、
    システインを介して足場m-T2に付着されるポリペプチドTFKELVYETCRVPGDAHHADKLCTYPVATQAH、
    システインを介して足場m-T2に付着されるポリペプチドTFKELVYETCRVPGDAHKADSLCTYPVATQAH、
    システインを介して足場m-T2に付着されるポリペプチドNYRDVRFESCRLPGAPRGVNPVCSYAVALSAQ、
    システインを介して足場m-T2に付着されるポリペプチドVVANYRDVRFESCRLPGAPRGVNPVCSYAVALSAQAAL、および
    システインを介して2つの足場m-T2に付着されるポリペプチド
    NYRDVRFESCRLPGCPRGVNPVCSYAVALSAQ


    NYRDVRFESCRLPGCPRGVNPVCSYAVALSAQ
    から成るペプチド模倣体の群から選択されるペプチド模倣体。
  2. ポリペプチドおよび足場を用意する工程と、前記ポリペプチドの前記足場への共有結合を許容する条件下で前記ポリペプチドと前記足場とを接触させる工程とを含むことを特徴とする、請求項1に記載のペプチド模倣体の作製方法。
  3. 前記接触させる工程が、溶液中で実行されることを特徴とする請求項2に記載のペプチド模倣体の作製方法。
  4. 前記接触させる工程が、水溶液中で実行されることを特徴とする請求項2に記載のペプチド模倣体の作製方法。
  5. 請求項1に記載のペプチド模倣体を含むワクチン組成物。
  6. 前記ペプチド模倣体が、担体にカップリングされることを特徴とする請求項5記載のワクチン組成物。
  7. 前記担体が、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)であることを特徴とする請求項6記載のワクチン組成物。
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