JP5372072B2 - ヒートポンプ装置及びヒートポンプ装置の制御方法 - Google Patents
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Description
圧縮機と利用側熱交換器と第1減圧装置と第1熱交換器とが順に配管によって接続され環状に形成された第1回路と、前記第1回路における前記利用側熱交換器と前記第1減圧装置との間の第1接合点から前記第1熱交換器と前記圧縮機との間の第2接合点までが配管によって接続され、前記第1接合点から前記第2接合点までの途中に第2減圧装置と第2熱交換器とが順に設けられた第2回路とを有し、冷媒が循環する冷媒回路と、
前記冷媒回路を循環する冷媒と前記第1熱交換器で熱交換される第1熱媒体の温度を第1温度として検出する第1温度検出装置と、
前記冷媒回路を循環する冷媒と前記第2熱交換器で熱交換される第2熱媒体の温度を第2温度として検出する第2温度検出装置と、
前記第1温度検出装置が検出した第1温度と前記第2温度検出装置が検出した第2温度との温度差に応じて、前記第1減圧装置と前記第2減圧装置との少なくとも一方を制御して、前記第1熱交換器を通過する冷媒の流量である第1冷媒流量と前記第2熱交換器を通過する冷媒の流量である第2冷媒流量とを制御する制御装置と
を備えることを特徴とする。
図1は、実施の形態1に係るヒートポンプ装置1の構成図である。
なお、以下の説明では、熱交換器4を放熱器として使用する場合(四方弁9が実線で示す流路で接続された場合)を想定して説明する。しかし、以下に説明する制御を、熱交換器4を蒸発器として使用する場合(四方弁9が破線で示す流路で接続された場合)に応用することは容易である。熱交換器4を蒸発器として使用する場合については、後に説明を加える。
冷媒回路2には、圧縮機3の吐出側に四方弁9(切替装置)が設けられ、圧縮機3の吸入側に冷媒容器10が設けられる。また、熱交換器6aの近傍には、熱交換器6aへ外気(第1熱媒体)を送る送風機11(第1搬送装置)が設けられる。
熱交換器6bには、熱交換器12により地中から採熱するブラインなどの不凍液(第2熱媒体)がポンプ13により循環する地中熱源側回路14が接続されている。熱交換器4には、ポンプ15により水が循環する水回路16が接続されている。水回路16には、図示されていない放熱器、吸熱器、給湯器等が接続され、水回路16を循環する水を利用して暖房、冷房、給湯等が行われる。
また、ヒートポンプ装置1は、膨張弁5a,5b、送風機11、ポンプ13,15等を制御する制御装置17と、温度検出装置18,19,20a,20b,21a,21b,22a,22bとを備える。
なお、温度検出装置19は、低圧側の冷媒の圧力を検出する装置であってもよい。同様に、温度検出装置22a,22bは、熱交換器6a,6bにおける冷媒の圧力を検出する装置であってもよい。この場合、制御装置17が、温度検出装置19,22a,22bにより検出された圧力から各位置における冷媒の飽和温度を計算すればよい。
図2に示すように、地中温度は多少の変化はあるものの概ね一定であり、外気温度は季節や時間に応じて変化する。そのため、外気温度の方が地中熱温度よりも高い場合と、地中熱温度の方が外気温度よりも高い場合とがある。
ヒートポンプ装置1は、外気温度と地中熱温度とのどちらが高い場合であっても、空気熱源と地中熱源との両方を熱源として利用する。つまり、ヒートポンプ装置1は、図3に示す空気熱源との熱交換量Qaと中熱源との熱交換量Qbとの両方を同時に利用して暖房等を行う。
ヒートポンプ装置1は、外気温度と熱交換器6aにおける冷媒の蒸発温度との温度差や、地中温度と熱交換器6bにおける冷媒の蒸発温度との温度差等に基づき、膨張弁5a,5bの開度を制御する。これにより、熱交換器6a,6bの両方を利用しつつ、熱交換器6a,6bのどちらを主として利用し、どちらを従として利用するかを決定する。例えば、図2に示すように、熱交換器6a,6bにおける蒸発温度が等しい場合、外気温度の方が地中熱温度よりも高いなら、空気熱源を主として利用し、地中熱温度の方が外気温度よりも高いなら、地中熱源を主として利用する。
熱交換器6a,6bにおける冷媒と熱源との熱交換量は、冷媒側から見た場合の熱交換量Qrを式1で表すことができ、熱源側から見た場合の熱交換量Qnを式2で表すことができる。
<式1>
Qr=Gr×(Heo−Hei)
<式2>
Qn=G×Cp×ε×(T−ET)
ここで、Grは熱交換器6a,6bを通過する冷媒流量である。Heoは熱交換器6a,6bの出口側におけるエンタルピーである。Heiは熱交換器6a,6bの入口側におけるエンタルピーである。Gは熱媒体(外気、不凍液)の搬送量である。Cpは比熱である。εは温度効率である。Tは熱源温度である。つまり、Tは、熱交換器6aの場合には外気の温度であり、熱交換器6bの場合には不凍液の温度(地中の温度)である。ETは熱交換器6a,6bにおける冷媒の飽和温度である。
Gr×(Heo−Hei)=G×Cp×ε×(T−ET)
この式を変形すると、次の式になる。
Gr=((G×Cp×ε)/(Heo−Hei))×(T−ET)
ここで、(G×Cp×ε)/(Heo−Hei))をC1と置き換えれば、式3が得られる。
<式3>
Gr=C1×(T−ET)
<式4>
Gr∝Cv×√ΔPLEV
ここで、Cvは流量係数であり、膨張弁5a,5bの口径と開度とに比例して増減する。ΔPLEVは膨張弁5a,5b前後の差圧である。∝は比例することを表す。つまり、式4は、冷媒流量Grが流量係数Cvと差圧ΔPLEVの平方根との積に比例することを表す。
式4に示すように、膨張弁5a,5bの開度を大きくし、流量係数Cvを大きくするほど、膨張弁5a,5bを通過して、熱交換器6a,6bへ流入する冷媒流量Grが増える。そのため、膨張弁5a,5bの口径が同じであれば、熱交換器6a,6bのうち対応する熱源の熱源温度Tが高い方の膨張弁5a又は5bの開度が、熱源温度Tが低い方の膨張弁5a又は5bの開度よりも大きくなるように制御する必要がある。
なお、熱源温度Taと熱源温度Tbとの温度差に応じて、熱源温度Taが熱源温度Tbよりも高くなるほど、冷媒流量Graが多くなり、冷媒流量Grbが少なくなるように、膨張弁5a,5bを制御する必要がある。
したがって、熱交換器6a,6bのうち、対応する熱源の熱源温度Tと飽和温度ETとの温度差が大きい方へより多くの冷媒が流れるように、膨張弁5a,5bを制御する必要がある。
なお、温度差ΔTaと温度差ΔTbとの差に応じて、温度差ΔTaが温度差ΔTbよりも大きくなるほど、冷媒流量Graが多くなり、冷媒流量Grbが少なくなるように、膨張弁5a,5bを制御する必要がある。
<式5>
G=F×C2
ここで、Fは、熱交換器6aの場合は送風機11の回転数であり、熱交換器6bの場合はポンプ13の回転数である。C2は設置条件等によって決まる値である。つまり、搬送量Gは送風機11やポンプ13の回転数Fに比例する。送風機11やポンプ13の回転数Fと搬送量Gとの関係(C2の値)が予め分かっていれば、回転数Fから搬送量Gを計算することができる。回転数Fと搬送量Gとの関係は、例えば、事前にシミュレーション等を行うことで把握することができる。
したがって、熱交換器6a,6bのうち、対応する熱媒体の搬送量Gと、対応する熱源の熱源温度Tと飽和温度ETとの温度差との積が大きい方へより多くの冷媒が流れるように、膨張弁5a,5bを制御する必要がある。
なお、搬送量Gaと温度差ΔTaとの積と搬送量Gbと温度差ΔTbとの積との差に応じて、搬送量Gaと温度差ΔTaとの積が搬送量Gbと温度差ΔTbとの積よりも大きくなるほど、冷媒流量Graが多くなり、冷媒流量Grbが少なくなるように、膨張弁5a,5bを制御する必要がある。
<式6>
Gra×(Heoa−Heia)=Ga×Cpa×εa×(Ta−ETa)
<式7>
Grb×(Heob−Heib)=Gb×Cpb×εb×(Tb−ETb)
冷媒側エンタルピー差である(Heoa−Heia)と(Heob−Heib)とが同じとなるように膨張弁5a,5bを制御していると仮定すると、式6と式7とから、冷媒流量Gra,Grbと、熱源温度Ta,Tbとの関係は式8で表すことができる。
<式8>
Gra=βab×(Ta−ETa)/(Tb−ETb)×Grb
ここで、βab=(Ga×Cpa×εa)/(Gb×Cpb×εb)であり、βabは熱交換器6aと熱交換器6bとの熱交換性能の比を表す。
式4より、冷媒流量Grと膨張弁5a,5bの流量係数Cvとは比例する。そのため、式8から式9が得られる。
<式9>
Cva=βab×(Ta−ETa)/(Tb−ETb)×Cvb
ここで、Cvaは膨張弁5aの流量係数であり、Cvbは膨張弁5bの流量係数である。
まず、熱交換器6a,6bから流出する冷媒の出口温度(温度検出装置21a,21bにより計測される温度)を用いる場合の制御方法について説明する。
制御装置17は、熱交換器6a,6bから流出した冷媒の出口過熱度SH(飽和温度ETと熱交換器6a,6bから流出した冷媒の出口温度Trの偏差)が予め定められた目標値SHm(目標出口過熱度)となるように制御する。例えば、式10基づき、膨張弁5a,5bの開度LEVが決定される。
<式10>
LEV(n+1)=LEV(n)+α×(SH−SHm)
ここで、LEV(n+1)は時刻n+1における膨張弁5a,5bの開度である。LEV(n)は時刻n+1よりも所定時間前の時刻nにおける膨張弁5a,5bの開度である。αは予め定められた開度決定変数である。なお、膨張弁5a,5bの開度の初期値は、シミュレーション等により予め決定しておけばよい。また、開度決定変数αや目標値SHmは、膨張弁5aの開度を計算する場合と膨張弁5bの開度を計算する場合とで異なる値としてもよい。
(S1:温度検出工程)
温度検出装置21aは熱交換器6aの出口温度Traを検出する。温度検出装置21bは熱交換器6bの出口温度Trbを検出する。温度検出装置22aは飽和温度ETaを検出する。温度検出装置22bは飽和温度ETbを検出する。
(S2:過熱度計算工程)
制御装置17は、飽和温度ETaと出口温度Traとの偏差である熱交換器6aの出口過熱度SHaを計算する。同様に、制御装置17は、飽和温度ETbと出口温度Trbとの偏差である熱交換器6bの出口過熱度SHbとを計算する。
(S3:開度計算工程)
制御装置17は、計算した出口過熱度SHa,SHbと、式10とを用いて、膨張弁5a,5bの開度を計算する。具体的には、制御装置17は、出口過熱度SHaを式10の過熱度SHに代入し、所定時間前の膨張弁5aの開度をLEV(n)に代入して、膨張弁5aの開度を計算し、出口過熱度SHbを式10の過熱度SHに代入し、所定時間前の膨張弁5bの開度をLEV(n)に代入して、膨張弁5bの開度を計算する。
(S4:開度制御工程)
制御装置17は、S3で計算した開度になるように、膨張弁5a,5bを制御する。
なお、ヒートポンプ装置1が温度検出装置22a,22bを備えていないような場合には、飽和温度ETa,ETbに代えて、温度検出装置19により検出される飽和温度ETを用いてもよい。
圧縮機3に吸入される冷媒の温度を用いて制御を行う場合、膨張弁5a,5bの一方の開度を式10により決定し、他方の開度を式9により決定する。
(S11:温度検出工程)
温度検出装置18は、圧縮機3に吸入される冷媒の温度Trを検出する。温度検出装置19は飽和温度ETを検出する。温度検出装置20aは外気の温度(空気熱源の熱源温度Ta)を検出する。温度検出装置20bは不凍液の温度(地中熱源の熱源温度Tb)を検出する。
(S12:過熱度計算工程)
制御装置17は、飽和温度ETと圧縮機3に吸入される冷媒の温度Trとの偏差である吸入過熱度SHを計算する。
(S13:処理熱量判定工程)
制御装置17は、熱源温度Taと熱源温度Tbとに基づき、熱交換器6aの熱交換量Qaと、熱交換器6bの熱交換量Qbとのどちらが多いかを判定する。
(S14:第1開度計算工程)
制御装置17は、熱交換器6a,6bのうち、S13で熱交換量が多いと判定された方に対応する膨張弁5a又は5bの開度を計算する。例えば、膨張弁5bの熱交換量Qbが多いと判定された場合、制御装置17は、吸入過熱度SHを式10の過熱度SHに代入し、所定時間前の計算する膨張弁5bの開度をLEV(n)に代入して、膨張弁5bの開度を計算する。
(S15:第2開度計算工程)
制御装置17は、熱交換器6a,6bのうち、S13で熱交換量が多いと判定されなかった方に対応する膨張弁5a又は5bの開度を計算する。ここでは、制御装置17は、式9を用いて、膨張弁5a又は5bの開度を計算する。例えば、膨張弁5aの熱交換量Qaが多いと判定されなかった場合、制御装置17は、熱源温度Taと熱源温度Tbとの比と、S14で計算した膨張弁5bの開度との積を計算して、膨張弁5aの開度を計算する。
(S16:開度制御工程)
制御装置17は、S14,S15で計算した開度になるように、膨張弁5a,5bを制御する。
また、ここでは、温度検出装置19により、飽和温度ETを検出している。しかし、S11において熱交換器6aを流れる冷媒の飽和温度ETaと、熱交換器6bを流れる冷媒の飽和温度ETbとをそれぞれ検出し、S12において熱交換器6aの出口過熱度SHaを計算する場合には飽和温度ETaを用い、熱交換器6bの出口過熱度SHbを計算する場合には飽和温度ETbを用いてもよい。そして、S14,S15で、飽和温度ETに代えて、飽和温度ETaと飽和温度ETbとを用いてもよい。この場合、熱交換器6a,6bの熱交換性能が同じであれば、熱交換器6a,6bのうち、熱源温度Tと飽和温度ETとの差が大きい方へ多くの冷媒が流れるようになる。この場合、S13において熱源温度Taと飽和温度ETaとの温度差と、熱源温度Tbと飽和温度ETbとの温度差とのどちらが大きいかを判定し、S14で温度差の大きい方に対応する膨張弁5a又は5bの開度を計算するようにしてもよい。
また、S15において膨張弁5a又は5bの開度を計算する際、熱交換器6aと熱交換器6bとの熱交換性能の比も用いてもよい。熱交換器6aと熱交換器6bとの熱交換性能の比を用いることにより、熱交換器6a,6bの熱交換性能と、熱源温度Tと飽和温度ETとの差との積が大きい方へ多くの冷媒が流れるような制御となる。
熱交換器6aは、空気を熱源とするため、暖房運転の場合は冷媒温度が0℃以下になると、表面に霜が付く現象(着霜)が発生する。熱交換器6aの表面で霜が成長すると、熱交換器6aを通過する風量が低下するため、熱交換器6aでの熱交換量が低下し、さらに冷媒温度が低下する。このため、霜を溶かすための制御である除霜制御が必要となり、単位時間当たりの暖房能力が低下する。
そこで、着霜が発生する場合、送風機11の風量を増加させ熱交換器6aの熱交換性能を上げる、又は、膨張弁5aの開度を小さくすること等によって熱交換器6aでの熱交換量を減らして着霜量を増加させないようにする。これにより、熱交換器6aへの着霜量を減らし、できるだけ除霜運転を遅延させることができる。
(S21:温度検出工程)
温度検出装置19は飽和温度ETを検出する。
(S22:温度比較工程)
制御装置17は、飽和温度ETと、所定の温度(例えば0℃もしくは0℃+設定値)とを比較する(S22)。制御装置17は飽和温度ETが所定の温度より低い場合(S22でYES)、処理をS23へ進め、飽和温度ETが所定の温度以上の場合(S22でNO)、処理をS21へ戻し、所定時間後再び飽和温度ETを検出させる。
(S23:風量判定工程)
制御装置17は、飽和温度ETが所定の温度より低い場合、送風機11の風量すなわち送風機11の回転数が最大値となっているか否かを判定する。制御装置17は、風量が最大値となっている場合(S23でYES)、処理をS24へ進め、風量が最大値となっていない場合(S23でNO)、処理をS25へ進める。
(S24:開度制御工程)
制御装置17は、これ以上風量は増やせないので、膨張弁5aの開度を小さくする。
(S25:風量制御工程)
制御装置17は、風量を増やせるので、送風機11の風量を増加させる。
一般に、空気熱源の熱交換器6aの容積は、地中熱源の熱交換器6bの容積よりも大きい場合が多い。熱交換器6aの容積が大きい場合、熱交換器6a側の膨張弁5aの開度を小さくすると、冷媒流量が低下し、液冷媒量が増加して、冷媒回路2が冷媒不足に陥る可能性がある。この場合、冷媒不足を検知し、膨張弁5aの開度を大きくすれば、熱交換器6aへ冷媒が流れるため、熱交換器6aに溜まっていた冷媒が押し出され冷媒回路2の冷媒不足が解消される。
冷媒不足を検知する方法としては、例えば膨張弁5aの開度が所定値以下の状態が所定時間継続された場合や、膨張弁5aの開度が所定値以上にもかかわらず、吸入過熱度が所定値以下とならない場合などで判定することができる。
(S31:温度検出工程)
温度検出装置18は、圧縮機3に吸入される冷媒の温度Trを検出する。温度検出装置19は飽和温度ETを検出する。
(S32:過熱度計算工程)
制御装置17は、飽和温度ETと圧縮機3に吸入される冷媒の温度Trとの偏差である吸入過熱度SHを計算する。
(S33:過熱度判定工程)
制御装置17は、計算した吸入過熱度SHが、所定の過熱度SHmaxより大きい状態を、所定時間X以上継続しているか否かを判定する。制御装置17は、所定時間X以上継続している場合(S33でYES)、処理をS35へ進め、所定時間X以上継続していない場合(S33でNO)、処理をS34へ進める。
(S34:開度判定工程)
制御装置17は、膨張弁5aの開度が、所定開度LEVminより小さい状態を、所定時間Y以上継続しているか否かを判定する。制御装置17は、所定時間Y以上継続している場合(S34でYES)、処理をS35へ進める。一方、制御装置17は、所定時間Y以上継続していない場合(S34でNO)、熱交換器6aに冷媒が溜まっていないと判定し、処理をS31へ戻す。そして、制御装置17は、所定時間後再び飽和温度ETと温度Trとを検出させる。
(S35:開度制御工程)
制御装置17は、膨張弁5aの開度を大きくする。
つまり、熱交換器4を蒸発器として使用する場合にも、空気熱源の熱源温度Taと地中熱源の熱源温度Tbとの温度差に応じて、膨張弁5a,5bを制御して、熱交換器6aへ流れる冷媒流量Graと熱交換器6bへ流れる冷媒流量Grbとを制御することができる。但し、この場合、熱源温度Taが熱源温度Tbよりも低くなるほど、冷媒流量Graが多くなり、冷媒流量Grbが少なくなるように、膨張弁5a,5bを制御する必要がある。また、温度差ΔTaと温度差ΔTbとを用いる場合にも、上記説明と同様の制御を行うことができるし、さらに搬送量Gを用いる場合にも、上記説明と同様の制御を行うことができる。
したがって、実施の形態1に係るヒートポンプ装置1は、暖房運転や給湯運転の場合だけでなく、冷房運転の場合にも、季節や時間毎に変化する条件に応じて熱交換器6a,6bへ最適な冷媒流量の配分を行うことができる。
Claims (12)
- 冷媒が循環する冷媒回路であって、圧縮機と利用側熱交換器と第1減圧装置と第1熱交換器とが順に配管によって接続され環状に形成されるとともに、前記利用側熱交換器と前記第1減圧装置との間の第1接合点から前記第1熱交換器と前記圧縮機との間の第2接合点までが配管によって接続され、前記第1接合点から前記第2接合点までの途中に第2減圧装置と第2熱交換器とが順に設けられた冷媒回路と、
前記冷媒回路を循環する冷媒と前記第1熱交換器で熱交換される第1熱媒体の温度を第1温度として検出する第1温度検出装置と、
前記冷媒回路を循環する冷媒と前記第2熱交換器で熱交換される第2熱媒体の温度を第2温度として検出する第2温度検出装置と、
前記第1減圧装置と前記圧縮機との間を流れる冷媒の飽和温度を第1飽和温度として検出する第1飽和温度検出装置と、
前記第2減圧装置と前記圧縮機との間を流れる冷媒の飽和温度を第2飽和温度として検出する第2飽和温度検出装置と、
前記第1飽和温度検出装置が検出した第1飽和温度と前記第1温度検出装置が検出した第1温度との差である第1温度差と、前記第2飽和温度検出装置が検出した第2飽和温度と前記第2温度検出装置が検出した第2温度との差である第2温度差との差に応じて、前記第1減圧装置と前記第2減圧装置との少なくとも一方を制御して、前記第1熱交換器を通過する冷媒の流量である第1冷媒流量と前記第2熱交換器を通過する冷媒の流量である第2冷媒流量とを制御する制御装置と
を備えることを特徴とするヒートポンプ装置。 - 前記ヒートポンプ装置は、さらに、
前記第1熱交換器へ前記第1熱媒体を搬送する第1搬送装置と、
前記第2熱交換器へ前記第2熱媒体を搬送する第2搬送装置と
を備え、
前記制御装置は、前記第1搬送装置により搬送される前記第1熱媒体の量である第1搬送量と前記第1温度差との積と、前記第2搬送装置により搬送される前記第2熱媒体の量である第2搬送量と前記第2温度差との積との差に応じて、前記第1減圧装置と前記第2減圧装置との少なくとも一方を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ装置。 - 前記ヒートポンプ装置は、さらに、
前記第1熱交換器と前記圧縮機との間を流れる冷媒の温度を第1出口温度として検出する第1出口温度検出装置
を備え、
前記制御装置は、時刻n+1における前記第1減圧装置の開口開度LEV1(n+1)を、時刻n+1よりも所定時間前の時刻nの開口開度LEV1(n)と、所定の値α1と、前記第1出口温度検出装置が検出した第1出口温度と前記第1飽和温度との差である第1出口過熱度SH1と、予め設定された目標出口過熱度SHmとを用いて、LEV1(n+1)=LEV1(n)+α1×(SH1−SHm)により計算し、計算した開口開度LEV1(n+1)になるように前記第1減圧装置を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ装置。 - 前記第1出口温度検出装置は、前記第1熱交換器と前記第2接合点との間を流れる冷媒の温度を第1出口温度として検出し、
前記ヒートポンプ装置は、さらに、
前記第2熱交換器と前記第2接合点との間を流れる冷媒の温度を第2出口温度として検出する第2出口温度検出装置
を備え、
前記制御装置は、前記時刻n+1における前記第2減圧装置の開口開度LEV2(n+1)を、前記時刻nの開口開度LEV2(n)と、所定の値α2と、前記第2出口温度検出装置が検出した第2出口温度と前記第2飽和温度との差である第2出口過熱度SH2と、前記目標出口過熱度SHmとを用いて、LEV2(n+1)=LEV2(n)+α2×(SH2−SHm)により計算し、計算した開口開度LEV2(n+1)になるように前記第2減圧装置を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載のヒートポンプ装置。 - 前記制御装置は、前記時刻n+1における前記第2減圧装置の開口開度LEV2(n+1)を、所定の値βと、前記第1温度差ΔT1と、前記第2温度差ΔT2と、前記開口開度LEV1(n+1)とを用いて、LEV2(n+1)=β×(ΔT2/ΔT1)×LEV1(n+1)により計算し、計算した開口開度LEV2(n+1)になるように前記第2減圧装置を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載のヒートポンプ装置。 - 前記制御装置は、前記第1温度差が前記第2温度差よりも大きくなるほど、前記第1冷媒流量が多くなるとともに、前記第2冷媒流量が少なくなるように、前記第1減圧装置と前記第2減圧装置との少なくとも一方を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ装置。 - 前記制御装置は、前記第1搬送量と前記第1温度差との積が、前記第2搬送量と前記第2温度差との積よりも大きくなるほど、前記第1冷媒流量が多くなるとともに、前記第2冷媒流量が少なくなるように、前記第1減圧装置と前記第2減圧装置との少なくとも一方を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載のヒートポンプ装置。 - 前記ヒートポンプ装置は、さらに、
前記第1熱交換器へ前記第1熱媒体を搬送する第1搬送装置と
を備え、
前記制御装置は、前記第1温度が所定の温度より低くなった場合、前記第1熱交換器への前記第1熱媒体の搬送量が多くなるように、前記第1搬送装置を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ装置。 - 前記制御装置は、前記第1温度が所定の温度より低くなった場合、前記第1冷媒流量が少なくなるように、前記第1減圧装置を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ装置。 - 前記ヒートポンプ装置は、さらに、
前記圧縮機へ吸入される冷媒の飽和温度を吸入飽和温度として検出する吸入飽和温度検出装置と、
前記圧縮機へ吸入される冷媒の温度を吸入温度として検出する吸入温度検出装置と
を備え、
前記制御装置は、前記吸入飽和温度検出装置が検出した吸入飽和温度と、前記吸入温度検出装置が検出した吸入温度との差が所定値より大きい場合、前記第1減圧装置の開度を大きくする
ことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ装置。 - 前記ヒートポンプ装置は、さらに、
前記圧縮機の吐出側に冷媒の循環方向を切り替える切替装置
を備えることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ装置。 - 冷媒が循環する冷媒回路であって、圧縮機と利用側熱交換器と第1減圧装置と第1熱交換器とが順に配管によって接続され環状に形成されるとともに、前記利用側熱交換器と前記第1減圧装置との間の第1接合点から前記第1熱交換器と前記圧縮機との間の第2接合点までが配管によって接続され、前記第1接合点から前記第2接合点までの途中に第2減圧装置と第2熱交換器とが順に設けられた冷媒回路を備えるヒートポンプ装置の制御方法であり、
温度検出装置が、前記冷媒回路を循環する冷媒と前記第1熱交換器で熱交換される第1熱媒体の温度を第1温度として検出する第1温度検出工程と、
温度検出装置が、前記冷媒回路を循環する冷媒と前記第2熱交換器で熱交換される第2熱媒体の温度を第2温度として検出する第2温度検出工程と、
飽和温度検出装置が、前記第1減圧装置と前記圧縮機との間を流れる冷媒の飽和温度を第1飽和温度として検出する第1飽和温度検出工程と、
飽和温度検出装置が、前記第2減圧装置と前記圧縮機との間を流れる冷媒の飽和温度を第2飽和温度として検出する第2飽和温度検出工程と、
制御装置が、前記第1飽和温度検出工程で検出した第1飽和温度と前記第1温度検出工程で検出した第1温度との差である第1温度差と、前記第2飽和温度検出工程で検出した第2飽和温度と前記第2温度検出工程で検出した第2温度との差である第2温度差との差に応じて、前記第1減圧装置と前記第2減圧装置との少なくとも一方を制御して、前記第1熱交換器を通過する第1冷媒流量と前記第2熱交換器を通過する第2冷媒流量とを制御する制御工程と
を備えることを特徴とするヒートポンプ装置の制御方法。
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