JP5371476B2 - 光電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は光電変換素子及びその製造方法に関する。
現在主流である太陽電池としては、結晶系シリコンやアモルファスシリコンを用いたシリコン系太陽電池、GaAs、CuInSe(S)やCdTe等の化合物を用いた化合物系太陽電池、有機薄膜を用いた有機薄膜系太陽電池、色素を増感剤として吸着させた色素増感型太陽電池がある。色素増感型太陽電池は、透明導電膜が形成されたガラス基板に光電変換層が積層されたものと対向電極とを電解質層を介して設置した光電変換素子を用いている。光電変換層は、例えば、酸化チタン微粒子と、この酸化チタン微粒子に付着した光増感剤としての色素(ルテニウム錯体)とを備えている。このような色素増感型太陽電池は、前述したシリコン系太陽電池よりも発電効率が低い。発電効率が低い要因の一つとして、太陽光の波長領域に対する色素の吸収波長領域がシリコン系太陽電池に比べて狭いため、太陽光のエネルギーを十分に吸収しきれていないことが挙げられる。
このため、吸収波長領域の異なる色素を有する光電変換層を二層有することで、吸収波長領域を拡大した色素増感型太陽電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−222971号公報(請求項1、図1)
しかしながら、色素増感型太陽電池で用いられる増感色素は、どれも最大感度吸収波長領域(吸収ピーク)が長波長領域(700nm〜)にないために、上記特許文献1に記載されている色素増感型太陽電池では、十分に吸収波長領域を長波長側まで拡大できていない。このため、太陽光のエネルギーを十分に活用できていないという問題がある。
そこで、本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、長波長領域の波長も吸収できるように吸収波長領域が広く変換効率の高い光電変換素子及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明の光電変換素子は、導電性支持体と、光電変換層と、電解質層と、対向電極とをこの順で積層してなる光電変換素子において、前記光電変換層が、半導体粒子と、少なくとも一種以上の増感色素及びこの増感色素とは異なる光の吸収波長領域を有する結晶性シリコン微粒子とを備えたことを特徴とする。
この増感色素とは異なる光の吸収波長領域を有する結晶性シリコン微粒子を備えたことで、色素とは異なる波長の光を吸収できるので、本発明の光電変換素子は吸収波長領域が広い。このため、本発明の光電変換素子はより変換効率を高めることが可能である。なお、ここでいう付着は、化学的に吸着した状態をいう。化学的に吸着した状態とは、共有結合又はイオン結合によって原子や分子が結合した状態をいう。また、吸収波長領域は、太陽光のスペクトルのうちその物質が吸収できる波長領域をいい、異なる吸収波長領域とは、吸収波長領域が完全に異なる場合だけでなく、最大感度波長領域が異なり、その他の波長領域は同一である場合も含む。
光電変換層は、半導体粒子に結晶性シリコン微粒子が付着し、さらにこれらのまわりに前記増感色素が付着していることが好ましい。このように光電変換層が構成されていることで、結晶性シリコン微粒子での電荷分離により生じた電子と、増感色素での電荷分離により生じた電子とがそれぞれ干渉せずに半導体粒子へ注入され導電性支持体に到達することができる。また、結晶性シリコン微粒子が付着した半導体粒子に増感色素が付着しているので、増感色素の表面積が大きくなり、増感色素による発電量自体も向上する。従って、広い吸収波長領域に応じた変換効率を得ることができる。
記増感色素がルテニウム錯体からなることが好ましい。結晶性シリコン微粒子とこの増感色素の組み合わせによれば、吸収波長領域は約400〜約1200nmまで及ぶので発電効率が最も高くなる。
本発明の光電変換素子の製造方法は、導電性支持体上に、光電変換層を形成する光電変換層形成工程と、対向電極を設置した後に前記光電変換層と対向電極との間に電解液を注入して電解質層を形成する電解質層形成工程とを備えた光電変換素子の製造方法において、前記光電変換層形成工程は、前記導電性支持体上に半導体粒子からなる半導体粒子層を設け、次いで、この半導体粒子層の表面に結晶性シリコン微粒子を付着させ、その後増感色素を半導体粒子層全体に付着させることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、増感色素とは異なる光の吸収波長領域を有する結晶性シリコン微粒子を備えた光電変換層を有する光電変換素子を製造できる。この光電変換素子では、増感色素とは異なる波長の光を吸収できるので、本発明の光電変換素子は吸収波長領域が広い。このため、本発明の光電変換素子は変換効率を高めることが可能である。
本発明の光電変換素子及びその製造方法によれば、長波長領域の波長も吸収できるため、変換効率が向上するという優れた効果を奏し得る。
実施形態にかかる光電変換素子の(a)模式図、(b)一部拡大図である。 実施例及び比較例の結果を示すグラフである。
本発明の光電変換素子の構成を、図1に示す。図1は、本実施形態の光電変換素子を説明するための図であり、(a)は断面模式図、(b)は(a)の一部拡大図である。
光電変換素子1は、透明導電性基板2(導電性支持体)を備える。透明導電性基板2は、ガラス基板などの透光性を有する基板に透明導電膜が形成されて、集電電極して機能するものである。透明導電膜としては、公知の透明導電膜を用いることができ、公知の透明導電膜材料としては、例えば、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化ガリウム、In(ZnO)、及びInGaO(ZnO)等や、これら酸化物にドーパントを添加したもの、例えば、錫添加酸化インジウム(ITO)、アンチモン添加酸化錫(ATO)、亜鉛添加酸化インジウム(IZO)及びアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)等が挙げられる。
透明導電性基板2と対向して対向電極3が設けられている。対向電極3は、透明な基板上に透明導電膜が形成されて構成されていてもよく、また、基板上に不透明な導電膜が形成されて構成されていてもよい。不透明な導電膜を形成する場合には、この導電膜が反射性を有していれば、透明導電性基板2から入射した光をこの対向電極で反射させることができ、光電変換素子1内部で光電変換層を通過した光を反射させて吸収でき、変換効率を向上させる。導電膜としては、公知の金属膜(例えば、金、銀、銅、白金等からなる金属膜やこれらのうちの少なくとも1種を含む合金膜)や炭素膜を用いることが可能である。
透明導電性基板2と対向電極3との間には、透明導電性基板2側から、光電変換層4と電解質層5とがこの順で積層されている。
光電変換層4は、半導体粒子41からなる半導体粒子層42を備える。また、この半導体粒子41には、増感剤として、増感色素43と増感色素43とは異なる吸収波長領域を有するシリコン微粒子44とが付着している。シリコン微粒子44は、半導体粒子層42の表面近くに全体的に分布して付着しており、増感色素43は、これらの半導体粒子41及びシリコン微粒子44の周囲にほぼ全体的に付着し、一部半導体粒子41とシリコン微粒子44との表面が電解質層5に露出している。
本実施形態の光電変換素子1は、増感色素43と、増感色素43とは異なる吸収波長領域を有するシリコン微粒子44とを備えることで、光電変換素子1で吸収できる波長領域を広げ、これにより発電効率を向上させるものである。即ち、シリコン微粒子44は、所定の波長領域の光を吸収して電荷分離を行い電子を供給し、増感色素43も別の所定の波長領域の光を吸収して電荷分離を行って電子を供給する。このように、増感色素43の吸収波長領域と異なる吸収波長領域を有するシリコン微粒子44を用いているので、一つの色素のみを用いる光電変換素子よりもシリコン微粒子44の分だけ吸収波長領域を広げることができる。その結果、変換効率を向上させることが可能である。
これらの増感色素43及びシリコン微粒子44における励起電子の流れは、干渉せずそれぞれ独立している。即ち、本実施形態においては、電子の生成ルートが二つあり、増感色素43による光電変換とシリコン微粒子44による光電変換とは別々に行われている。この点について図1(b)を用いて説明する。図1(b)に示すように、増感色素43内で電荷分離により生成され励起された電子e1は、増感色素43中を通過して半導体粒子41に注入され、透明導電性基板2に到達する。他方で、シリコン微粒子44内で電荷分離により励起された電子e2は、シリコン微粒子44から半導体粒子41へ流入し、透明導電性基板2に到達する。このように、本実施形態においては、電荷分離による各励起電子は、それぞれ干渉せずに独立に集電電極である透明導電性基板2に到達して集電されるように構成されていることから、上述したような幅広い吸収波長領域に対応して集電を行うことができ、変換効率をより高めることを可能としている。なお、電荷分離により生成された正孔はそれぞれ電解質層5へ注入され、電解質層5において再結合されるのでチャージアップの問題は生じない。因みに、シリコン微粒子44で生成された正孔のうち、電解質層5に流入しないでシリコン微粒子44に留まったものについては、増感色素43において生成された電子e1と再結合する。この場合、再結合する電子e1は少ないので、全体としてシリコン微粒子44を有しない光電変換素子に比べて幅広い吸収波長領域に対応して集電を行うことができ、変換効率をより高めることを可能としている。
また、本実施形態においては、後述するように半導体粒子41にシリコン微粒子44を付着させ、その後全体に増感色素43を付着させているので、より増感色素43が付着している面積が広くなっているため、変換効率が上昇する。
従って、本実施形態では、シリコン微粒子44が増感色素43による集電をほとんど妨げないので、増感色素43による集電と、シリコン微粒子44による集電とがほぼ独立して行われている。かつ、増感色素43の付着面積(比表面積)が広くなっている。これらの結果、本実施形態の光電変換素子1では、太陽光のエネルギーをより多く吸収でき、変換効率をより高めているのである。
半導体粒子41としては、公知の半導体、即ち、Si、Ge等のIV族元素や、GaAsInP等のIII―V族化合物、カルコゲン化合物、酸化物、有機化合物などが挙げられる。特に、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Crの酸化物が好ましい。この中でも特にTiの酸化物であるTiO2が、電解液中への光溶解の回避と高い光電変換特性の点で最も好ましい。
半導体粒子41は、例えば粒径が5〜300nmであり、好ましくは20〜50nmである。この範囲であることにより、表面積を十分に大きくさせることができるので、半導体粒子41に付着する増感色素43の表面積が大きくなり、変換効率を高めることができる。他方で、粒径が5nm未満であると、作製が困難であることに加え、色素分子と同程度の大きさになってしまうので色素を半導体粒子層の内部まで定着させることも困難であり、さらにまた電解質が半導体粒子の内部まで入り込めず発電性能が低下してしまう。また、半導体粒子層42の厚さは、5〜20μmであることが好ましく、より好ましくは、10〜14μmである。膜厚が20μmを超えると、電子が透明導電性基板まで到達する経路が長くなるため、電子が失活する可能性が高くなる。また、薄すぎると色素吸着量が少なすぎて変換効率が減少する。
シリコン微粒子44は、アモルファスシリコンや結晶型シリコンが挙げられ、ノンドープシリコンでもドープシリコンでもよいが、リンやガリウム、ホウ素などの通常ドーパントとして用いられる物質がドープされたものが好ましい。特に広い吸収波長領域とするために、長波長領域で広い吸収波長領域(400〜1200nm、最大感度吸収波長領域約900nm)を有する結晶型シリコン微粒子を用いることが好ましい。このような結晶型シリコン微粒子としては、通常シリコン系太陽電池で用いられる増感色素43としては、結晶型シリコン微粒子とは異なる波長吸収領域を有するものを選択し、可視光域で広い吸収波長領域(400〜800nm、最大感度吸収波長領域約550nm)を有するルテニウム錯体色素、特にルテニウム−ビス(RuL2)タイプの遷移金属錯体を増感色素として用いることが好ましい。この場合には、両者を光電変換層に有することで、最も幅広い吸収波長領域を有する発電効率の高い太陽電池として用いることが可能である。
増感色素43としては、上記のルテニウム−ビス(RuL2)タイプの遷移金属錯体以外にも、例えば、RuL2(H2O)2タイプのルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体又はルテニウム−トリス(RuL3)、オスニウム−トリス(OsL3)、オスニウム−ビス(OsL2)タイプの遷移金属錯体、若しくは亜鉛−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィリン、鉄−ヘキサシアニド錯体、フタロシアニンなどを含有させてさらに吸収波長領域を拡大させて変換効率を上昇させてもよい。また、有機色素を含有させてもよい。有機色素としては、9−フェニルキサンテン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素、トリフェニルメタン系色素、テトラフェニルメタン系色素、キノン系色素、アゾ系色素、インジゴ系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素などが挙げられる。これらの一又は二以上の増感色素43を選択して光電変換層4中に二以上の増感色素を含有させてもよい。
シリコン微粒子44は、その粒径が20nm以下、特に1〜6nmであることが好ましい。この範囲であることで、増感色素43の付着を妨げることがなく、また、シリコン微粒子44自体が光電変換に十分に寄与することができる。
電解質層5は、酸化体と還元体からなる一対の酸化還元系物質が溶媒中に含まれていれば特に限定されない。例えば、一対の酸化還元系物質としては、塩素化合物−塩素、ヨウ素化合物−ヨウ素、臭素化合物−臭素や、金属イオン(例えば水銀イオン(II)−水銀イオン(I)、銅イオン(II)−銅イオン(I)、鉄イオン(III)−鉄イオン(II)、マンガン酸イオン−過マンガン酸イオン)などが挙げられる。特に、ヨウ素化合物−ヨウ素が好ましく、ヨウ素化合物としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨージド、ピリジニウムヨージド等のヨウ化4級アンモニウム塩化合物、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム等のヨウ化ジイミダゾリウム化合物が特に好ましい。
一対の酸化還元系物質が含まれる溶媒は、酸化還元系構成物質を溶解してイオン伝導性に優れた化合物が好ましい。溶媒としては水性溶媒及び有機溶媒のいずれも使用できるが、酸化還元系構成物質をより安定化するため、有機溶媒が好ましい。例えば、有機溶媒としては、エステル化合物、エーテル化合物、複素環化合物、ニトリル化合物及び非プロトン性極性化合物などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いることもでき、また、2種類以上を混合してもよい。特に、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物を用いることが好ましい。
このような光電変換素子1の形成方法について説明する。
初めに、透明導電性基板2に、半導体粒子層42を形成する。形成方法としては、公知の湿式塗布法やスパッタリング法等が挙げられるが、湿式塗布法、特にスキージ法により塗布成膜した後に例えば120℃で乾燥させて半導体粒子41を形成することが好ましい。
次いで、シリコン微粒子44を半導体粒子41上に付着させる。この場合、シリコン微粒子44は、半導体粒子41に化学的に吸着した状態となるように形成する。これは、半導体粒子41に単にシリコン微粒子44が単に接触している状態であると、その後の工程においてシリコン微粒子44が半導体粒子41からとれやすいからである。シリコン微粒子44を付着させるには、シリコン微粒子44を形成しながら半導体粒子41上に付着させる方法と、形成されたシリコン微粒子44を半導体粒子41上に付着させる方法とがある。シリコン微粒子44を形成しながら半導体粒子41上に付着させるには、例えばCVD法、スパッタリング法、真空蒸着法、アークプラズマ蒸着法等が挙げられる。特に、簡易に所望の粒径となるように制御して粒子を形成できるアークプラズマ蒸着法が好ましい。このアークプラズマ蒸着法について、以下説明する。
アークプラズマ蒸着法では、同軸型真空アーク蒸着装置を用いてシリコン微粒子44を形成する。この同軸型真空アーク蒸着装置は、円筒状のトリガ電極とシリコン微粒子44の材料(以下、シリコン材料という)で先端部が構成された円筒状のカソード電極とが、円板状の絶縁碍子を挟んで隣接して配置されてなると共に、前記カソード電極とトリガ電極との周りに同軸状に円筒状のアノード電極が配置されている同軸型真空アーク蒸着源を備えている。シリコン材料としては、ホウ素ドープシリコンや、リンドープシリコン等を用いることが可能であり、シリコン微粒子44を結晶型シリコン微粒子として作製する場合には、ホウ素ドープシリコンを用いることが好ましい。
そして、トリガ電極とアノード電極との間に電圧を印加してトリガ放電をパルス的に発生させ、また、カソード電極とアノード電極との間のアーク電源から電圧を印加してアーク放電を断続的に誘起させることにより、シリコン材料表面を融解させて生成された電子を電子流として放出させる。この電子流に前記シリコン材料から生成されたイオンがクーロン引力によって引き寄せられて放出され、半導体粒子41に到達して付着する。これがシリコン微粒子44となる。このアークプラズマ蒸着法によれば、シリコン微粒子44はアーク放電の発生回数によりその粒子数を制御できると共に、アーク電源に接続されたコンデンサユニットの容量を変化させることで粒子径を制御することも可能である。
この場合、アークプラズマ蒸着法の実施条件としては、例えば、トリガ電極−カソード電極間の印加電圧:3.4kV以下、カソード電極−アノード電極間のアーク電源の印加電圧:60〜400V、アーク電源に接続されたコンデンサユニットの容量:360〜8800μFが挙げられる。この範囲であれば、所望量のシリコン微粒子44を所望の大きさで形成することが可能である。
CVD法としては、例えば、シランガスやボランガスを原料ガスとして用いて成膜時間を制御しながら粒子状に形成する方法が挙げられる。スパッタリング法としては、例えば、ホウ素ドープシリコンターゲットに対してスパッタリングガスとしてアルゴンガスを導入してスパッタリングし成膜時間を制御しながら粒子状に形成する方法が挙げられる。真空蒸着法としては、例えば、ホウ素ドープシリコンを原料として成膜時間をコントロールして粒子状に形成する方法が挙げられる。
形成されたシリコン微粒子44を半導体粒子41上に付着させる方法としては、微粒子堆積法及び湿式塗布法が挙げられる。微粒子堆積法としては、例えば、シリコン微粒子44をレーザアブレーションや蒸発凝縮法等で生成し、生成されたシリコン微粒子44を、例えば放射線照射により荷電させる。そして、荷電されたシリコン微粒子44を、キャリアガス(ヘリウム等)によって堆積チャンバに導入して、基板上に堆積させる。このようにしてシリコン微粒子44を基板上に散在した状態で堆積させることができる。
また、湿式塗布法としては、シリコン微粒子44を含有する塗布液を半導体粒子層42に塗布してシリコン微粒子44を半導体粒子41に付着させることが挙げられる。例えば、シリコン微粒子44の材料を含んだ溶液を基板上に例えばスピンコーティングにより塗布して膜を形成する。この場合、溶液中にはシリコン微粒子44の凝集を防ぐために、溶媒(例えば水)中に界面活性剤を添加する。
シリコン微粒子44を付着させた後に、増感色素43を付着させる。増感色素43の付着方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば浸漬法によりシリコン微粒子44が付着した状態で基板を所望の増感色素43を含有する溶液中に浸漬させ、洗浄し乾燥することで色素を付着させることが可能である。
従来では、半導体粒子への増感色素の吸着量を定量的に制御することが難しいことから、異なる吸収波長領域を有する増感色素を2以上含有させる場合には、それぞれの増感色素を含有する層を別々に設けていた。このように従来では二層以上光電変換層を形成するために工程数が多く量産に向いていないという問題があった。この点、本実施形態においては、シリコン微粒子44を上記のように簡易に形成でき、またこのシリコン微粒子44と増感色素43とを同一の層に形成できるので、工程数が少なく、さらに増感色素43の比表面積を増加させることができる。また、従来は光電変換層を電解反応を用いて形成していたが、このような形成方法は、小型基板の形成には向いているが大型基板の形成には向いていないという問題があった。この点、本実施形態においては、シリコン微粒子44を例えばアークプラズマ蒸着法のように大型基板にも対応した形成方法により形成することができるので、より実用化に適している。
その後、図示しない防水性のスペーサーを介して対向電極3を設置し、光電変換層4と対向電極3との間に電解液を注入して電解質層5を形成する。このようにして本実施形態の光電変換素子1を得ることができる。
このようにして得られた光電変換素子1は、この光電変換素子1を各セルとして縦横に並設して色素増感型太陽電池モジュールとすることができる。この色素増感型太陽電池モジュールは、従来よりも高い変換効率を有する光電変換素子1を用いているので、より発電効率の高い色素増感型太陽電池とすることができる。
本実施例では、光電変換素子1を作製してその電流電圧特性を調べた。
初めに、透明導電膜として、フッ素ドープ酸化錫膜が形成されたガラス基板上に、スキージ法により酸化チタンペースト(商品名:PECC−K01、ペクセルテクノロジー社製)を塗布し、その後ドライオーブン内で120℃で乾燥させ酸化チタン粒子(半導体粒子41)からなる半導体粒子層42を形成した。形成された半導体粒子層42の膜厚は10μm、酸化チタン粒子の平均粒径は20nmであった。
次いで、アークプラズマ法により、結晶性のシリコン微粒子44を半導体粒子41上に付着させた。アークプラズマ法の実施条件は、ターゲット:ホウ素ドープシリコンターゲット、トリガ電極−カソード電極間の印加電圧:3.4kV、カソード電極−アノード電極間のアーク電源の印加電圧:80V、アーク電源に接続されたコンデンサユニットの容量:1800μFであった。
シリコン微粒子44を付着させた後、アセトニトリルとブタノールとを1:1の割合で混合した溶剤中にRu錯体色素を0.1wt%添加した溶液中に24時間浸漬させた。その後、アセトニトリルで洗浄し、乾燥させて増感剤としてのRu色素を付着させた。
次いで、得られた基板を防水性のスペーサーとしてのビニルシートを介して対向電極である白金膜が形成されたガラス基板と狭持した。最後に、ヨウ素系の酸化還元対を含む電解液(商品名:PECE−K01、ペクセルテクノロジー社製)を注入し、本実施形態の光電変換素子1を得た。
(比較例1)
実施例1とは、シリコン微粒子44を付着させない点以外は全て同一の手順で光電変換素子を作製した。即ち、比較例1で作製した光電変換素子は、光電変換層に酸化チタン粒子と色素とを備え、シリコン微粒子44を有していない。
実施例1及び比較例1で作製した光電変換素子の電流−電圧特性を測定した。測定には、100mW/cmの模擬太陽光をソーラーシミュレーター(商品名:WXS―50S−1、5、ワコム電創社製)を透明導電性基板2側から入射した。結果を図2に示す。
図2に示すように、比較例1で作製した光電変換素子(色素/TiO)は、短絡電流密度が11.1mA/cmとなり、変換効率は5.3%であった。他方で、実施例1で作製した光電変換素子(色素/Si/TiO)は、短絡電流密度が13.0mA/cmとなり、変換効率は6.5%であった。従って、実施例1で作製した光電変換素子は、変換効率が約18%向上した。なお、本実施例1及び比較例1においては透明導電性基板と対向電極とを完全に封止していないが、完全に封止することにより、変換効率はより向上(例えば8%以上)することが見込まれる。
このように、本実施形態における光電変換素子1によれば、簡易な構成で変換効率が従来のものよりも高いので、色素増感型太陽電池とする場合により高い発電効率とすることが可能である。
本発明の光電変換素子は、太陽電池素子として用いることができる。従って、太陽電池製造分野において利用可能である。
1 光電変換素子
2 透明導電性基板
3 対向電極
4 光電変換層
5 電解質層
41 半導体粒子
42 半導体粒子層
43 増感色素
44 シリコン微粒子

Claims (4)

  1. 導電性支持体と、光電変換層と、電解質層と、対向電極とをこの順で積層してなる光電変換素子において、
    前記光電変換層が、半導体粒子と、少なくとも一種以上の増感色素及びこの増感色素とは異なる光の吸収波長領域を有する結晶性シリコン微粒子とを備えたことを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記光電変換層は、半導体粒子に結晶性シリコン微粒子が付着し、さらにこれらのまわりに前記増感色素が付着していることを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
  3. 記増感色素がルテニウム錯体からなることを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
  4. 導電性支持体上に、光電変換層を形成する光電変換層形成工程と、対向電極を設置した後に前記光電変換層と対向電極との間に電解液を注入して電解質層を形成する電解質層形成工程とを備えた光電変換素子の製造方法において、
    前記光電変換層形成工程は、
    前記導電性支持体上に半導体粒子からなる半導体粒子層を設け、
    次いで、この半導体粒子層の表面に結晶性シリコン微粒子を付着させ、その後増感色素を半導体粒子層全体に付着させることを特徴とする光電変換素子の製造方法。
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