JP2013109958A - 光電変換素子および光電変換素子モジュール - Google Patents

光電変換素子および光電変換素子モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】変換効率の高い光電変換素子および光電変換素子モジュールを提供する。
【解決手段】本発明の光電変換素子は、透光性基板と、該透光性基板に相対して設置された支持基板と、透光性基板と支持基板との間に、導電層と、該導電層に接する光電変換層と、触媒層と、対極導電層と、キャリア輸送材料と、透光性基板と支持基板とを固定するための封止材とを有し、光電変換層を透光性基板に向けて垂直に投影したときの投影面積に対し、導電層、触媒層、および対極導電層のいずれかと、キャリア輸送材料とが接する部分を透光性基板に向けて垂直に投影したときの投影面積の割合は、1.2以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子および光電変換素子モジュールに関する。
化石燃料に代わるエネルギー源として、太陽光を電力に変換する太陽電池が注目されている。現在、結晶系シリコン基板を用いた太陽電池や、薄膜シリコン太陽電池が実用化されている。しかし、前者の太陽電池は、シリコン基板の作製コストが高いという問題がある。後者の薄膜シリコン太陽電池は、多種の半導体製造用ガスや複雑な装置を用いる必要があるために製造コストが高くなるという問題がある。このため、いずれの太陽電池も、光電変換の高効率化による発電出力当たりのコストを低減するという課題を解決するには至っていない。
さらに、新しいタイプの太陽電池として、金属錯体の光誘起電子移動を応用した光電変換素子が提案されている(たとえば、特許文献1)。この光電変換素子の構造は、2枚のガラス基板の間に、光増感色素を吸着させて可視光領域に吸収スペクトルをもたせた光電変換層と電解液とを挟持している。上記の2枚のガラス基板の表面にはそれぞれ、第1電極および第2電極が形成されている。
そして、第1電極側から光を照射すると、光電変換層に電子が発生し、発生した電子が一方の第1電極から外部電気回路を通って対向する第2電極に移動する。移動した電子は、電解質中のイオンに運ばれて光電変換層に戻る。このような一連の電子の移動により、電気エネルギーを取り出すことができる。
上記特許文献1に記載の光電変換素子は、2枚のガラス基板の電極間に電解液を注入した構造である。このため、小面積の太陽電池の試作は可能であるが、1m角のような大面積の太陽電池を作製することは困難である。すなわち、1つの太陽電池セルの面積を大きくすると、発生電流は面積に比例して増加するが、第1電極の面内方向の抵抗が増大し、それに伴って太陽電池としての内部直列電気抵抗が増大する。その結果、光電変換時の電流電圧特性における曲線因子(FF:フィルファクタ)が低下するという問題が起こる。
FFの低下を防止するための試みとして、特許文献2には、第1電極102上に集電電極103を形成した色素増感太陽電池モジュールが提案されている。図5(a)は、特許文献2の色素増感太陽電池モジュールの上面図であり、図5(b)は、特許文献2の色素増感太陽電池モジュールをA−Aで切断したときの断面図である。
特許文献2の色素増感太陽電池モジュールは、図5(b)に示されるように、第1電極102上の同一平面内に複数の短冊状の光電変換層104が形成されている。そして、光電変換層104の間に、金と銀の合金からなる格子状の集電電極103を形成している。この集電電極103を形成することにより、電気抵抗を低減することができ、飛躍的にFFが向上するとともに短絡電流密度を向上させることができる。
また、特許文献2とは別のFFの低下を防止する試みとして、特許文献3には、図6(a)および図6(b)に示される色素増感太陽電池が提案されている。図6(a)は、特許文献3に示される色素増感太陽電池の模式的な断面図であり、図6(b)は、特許文献3に示される色素増感太陽電池の別の形態の模式図である。
特許文献3の色素増感太陽電池は、図6(a)に示されるように、第1電極201上に光電変換層203を形成し、該光電変換層203上(すなわち、光電変換層203の第1電極201と接触する面の反対面)に、集電電極204を形成したものである。また、特許文献3に開示される別の形態の色素増感太陽電池として、図6(b)に示されるように、集電電極204をライン状や格子状に形成し、電解質の移動の妨げとならない形状も提案されている。このようにして5cm角の光電変換層203上に集電電極204を形成することにより、飛躍的にFFが向上し、短絡電流密度を向上させることができる。
特許第2664194号公報 特開2003−203681号公報 特許第4474691号公報
しかしながら、特許文献2に示されるように集電電極の形状を変えても、FFの上限は0.66〜0.67程度に留まり、さらなるFFの向上は望めなかった。また、特許文献3の色素増感太陽電池は、集電電極204の材料によっては、集電電極204からのリーク電流が大きくなり、開放電圧が低下する問題があり、結果的に変換効率が向上しなかった。
また、特許文献3の色素増感太陽電池において、光電変換層203の膜厚によっては、光電変換層203の膜厚方向に電子の分布が生じ、受光面から膜厚方向に向かって電子の分布が小さくなる。このため、電子の分布が小さいところに集電電極204を設置しても、集電が効率的に進まないという問題もあった。
本発明は、上記のような現状に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、FFを向上し、変換効率が向上する光電変換素子および光電変換素子モジュールを提供することである。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行なった結果、光電変換層を透光性基板に向けて垂直に投影したときの投影面積に対し、導電層、触媒層、および対極導電層と、キャリア輸送材料とが接する部分を透光性基板に向けて垂直に投影したときの投影面積の割合を1.2以下とすることにより、FFを向上し、変換効率が向上する光電変換素子および光電変換素子モジュールを完成させるに至った。
すなわち、本発明の光電変換素子は、透光性基板と、該透光性基板に相対して設置された支持基板と、透光性基板と支持基板との間に、導電層と、該導電層に接する光電変換層と、触媒層と、対極導電層と、キャリア輸送材料と、透光性基板と支持基板とを固定するための封止材とを有し、光電変換層を透光性基板に向けて垂直に投影したときの投影面積に対し、導電層、触媒層、および対極導電層のいずれかと、キャリア輸送材料とが接する部分を透光性基板に向けて垂直に投影したときの投影面積の割合は、1.2以下であることを特徴とする。
上記の封止材は、光電変換層と接することが好ましい。光電変換層と触媒層との間に多孔質絶縁層を有することが好ましい。多孔質絶縁層は、その内部に封止材を構成する材料を含む部分があることが好ましい。
光電変換層を導電層に向けて垂直に投影したときの投影面以外の導電層に接する絶縁層を有することが好ましい。また、光電変換層を対極導電層に向けて垂直に投影したときの投影面以外の対極導電層に接する絶縁層を有することが好ましい。絶縁層は、導電層および対極導電層に接することが好ましい。
支持基板は、キャリア輸送材料を注入するための注入孔を有し、該注入孔は、光電変換層を支持基板に投影した投影面の少なくとも一部に位置することが好ましい。
支持基板上に、注入孔を封止するための注入孔封止を有し、該注入孔封止を構成する材料の少なくとも一部は、導電層または対極導電層に接することが好ましい。
本発明は、2以上の光電変換素子を電気的に直列に接続されてなる光電変換素子モジュールでもあり、上記の2以上の光電変換素子のうちの少なくとも1つは、上記の光電変換素子であることを特徴とする。本発明は、2以上の光電変換素子を電気的に並列に接続されてなる光電変換素子モジュールでもあり、上記の2以上の光電変換素子のうちの少なくとも1つは、上記の光電変換素子であることを特徴とする。
本発明は、3以上の光電変換素子を電気的に直列および/または並列に接続されてなる光電変換素子モジュールでもあり、3以上の光電変換素子のうちの少なくとも1つは、上記の光電変換素子であることを特徴とする。上記の光電変換素子モジュールを構成する全ての光電変換素子が上記の光電変換素子であることを特徴とする。
本発明によれば、FFを向上することができ、変換効率の高い光電変換素子および光電変換素子モジュールを提供することができる。
(a)は、本発明の光電変換素子の上面図であり、(b)は、(a)の光電変換素子をA−Aで切断したときの断面図である。 (a)は、本発明の光電変換素子をある一方の面で切断したときの断面図であり、(b)は、(a)の光電変換素子をB−Bで切断したときの断面図である。 (a)は、本発明の光電変換素子をある一方の面で切断したときの断面図であり、(b)は、(a)の光電変換素子をC−Cで切断したときの断面図である。 本発明の光電変換素子モジュールの構造の一例を模式的に示す断面図である。 (a)は、特許文献2に示される色素増感太陽電池モジュールの上面図であり、(b)は、(a)の色素増感太陽電池モジュールをA−Aで切断したときの断面図である。 (a)は、特許文献3に示される色素増感太陽電池の模式的な断面図であり、(b)は、特許文献3に示される色素増感太陽電池の別の形態の模式図である。
以下、本発明の光電変換素子および光電変換素子モジュールについて図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法関係を表わすものではない。
(実施の形態1)
<光電変換素子>
図1(a)は、本発明の光電変換素子の上面図であり、(b)は、(a)の光電変換素子をA−Aで切断したときの断面図である。本発明の光電変換素子10は、図1に示されるように、透光性基板1と、該透光性基板1に相対して設置された支持基板7と、透光性基板1と支持基板7との間に、導電層2と、該導電層2に接する光電変換層3と、触媒層5と、対極導電層6と、透光性基板1と支持基板7と封止材9とで囲まれた領域に注入されたキャリア輸送材料4と、透光性基板1と支持基板7とを固定するための封止材9とを有する。そして、光電変換層3は、多孔性半導体とキャリア輸送材料と光増感剤とを含み、光電変換層3を透光性基板1に向けて垂直に投影したときの投影面積に対し、導電層2、触媒層5、および対極導電層6のいずれかと、キャリア輸送材料4とが接する部分を透光性基板1に向けて垂直に投影したときの投影面積の割合は、1.2以下であることを特徴とする。このような構造とすることにより、FFを向上することができ、光電変換素子の光電変換効率を高めることができる。
上記のキャリア輸送材料4は、光電変換層3だけではなく、触媒層5の空隙にも充填されている。以下においては、本発明の光電変換素子10を構成する各部を説明する。
≪透光性基板≫
本発明において、透光性基板1は、少なくとも受光面が光透過性を有する必要があるため、光透過性の材料からなる必要がある。ただし、透光性基板1は、必ずしもすべての波長領域の光に対して透過性を有する必要はなく、後述する色素に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過させる材料であればよい。かかる透光性基板1は、その厚みが0.2〜5mm程度であることが好ましい。
このような透光性基板1を構成する材料としては、一般に太陽電池に使用されている材料であれば特に限定されず、たとえばソーダガラス、溶融石英ガラス、結晶石英ガラスなどのガラス基板、可撓性フィルムなどの耐熱性樹脂板などを用いることができる。可撓性フィルムとしては、たとえばテトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、フェノキシ樹脂、テフロン(登録商標)などを挙げることができる。
透光性基板1上に加熱を伴って他の部材を形成する場合、すなわちたとえば、透光性基板上に250℃程度の加熱を伴って多孔性半導体からなる光電変換層3を形成する場合、透光性基板1としてテフロン(登録商標)を用いることが好ましい。テフロン(登録商標)は、250℃以上の耐熱性を有するからである。透光性基板1は、他の構造体に取り付けるときの基体として利用することができる。すなわち、透光性基板1の周辺部に対し、金属加工部品とねじを用いることにより、他の構造体に容易に取り付けることができる。
≪導電層≫
本発明において、導電層2は、後述する光増感剤に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過する材料であればよく、必ずしもすべての波長領域の光に対して透過性を有する必要はない。このような材料としては、たとえばインジウム錫複合酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)、フッ素をドープした酸化錫(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)、タンタルあるいはニオブをドープした酸化チタンなどを挙げることができる。
かかる導電層2は、スパッタ法、スプレー法などの公知の方法により、透光性基板1上に形成することができる。導電層2の膜厚は、0.02〜5μm程度であり、その膜抵抗は低いほど好ましく、40Ω/sq以下がより好ましい。
透光性基板1としてソーダ石灰フロートガラスを用いる場合は、透光性基板1上に、FTOからなる導電層2を積層することが好ましく、市販品の導電層2付きの透光性基板1を用いてもよい。
≪光電変換層≫
本発明において、光電変換層3は、多孔性半導体とキャリア輸送材料と光増感剤とを含むものであり、光増感剤を吸着した多孔性半導体からなるものである。このような構成の光電変換層3は、キャリア輸送材料が層内外を移動することができる。以下に、多孔性半導体および光増感剤をそれぞれ説明する。
(多孔性半導体)
光電変換層3を構成する多孔性半導体は、一般に光電変換材料に使用されるものであればその種類は特に限定されず、たとえば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム、硫化鉛、硫化亜鉛、リン化インジウム、銅−インジウム硫化物(CuInS2)、CuAlO2、SrCu22などの半導体およびこれらの組み合わせを用いることができる。これらの中でも、安定性および安全性の点から、酸化チタンを用いることが特に好ましい。
多孔性半導体に好適に用いられる酸化チタンとしては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの各種の狭義の酸化チタンおよび水酸化チタン、含水酸化チタン等を挙げることができ、これらを単独または2種以上を混合して用いることができる。アナターゼ型とルチル型との2種類の結晶系酸化チタンは、その製法や熱履歴によりいずれの形態にもなるが、多孔性半導体を構成する酸化チタンとしては、アナターゼ型酸化チタンの含有率が高いことが好ましく、80%以上のアナターゼ型酸化チタンを含むことがより好ましい。
多孔性半導体は、単結晶および多結晶のいずれによって形成されてもよいが、安定性、結晶成長の容易さ、製造コストなどの観点から、多結晶であることが好ましい。また、多孔性半導体は、ナノスケールからマイクロスケールの半導体微粒子によって構成されることが好ましく、より好ましくは酸化チタンの微粒子を用いることである。かかる酸化チタンの微粒子は、気相法、液相法(水熱合成法、硫酸法)など公知の方法により製造することができる。また、デグサ(Degussa)社が開発した塩化物を高温加水分解することによっても得ることができる。
また、多孔性半導体を構成する半導体微粒子としては、同一の組成からなる半導体化合物を用いてもよいし、2種類以上の異なる組成の半導体化合物を混合して用いてもよい。また、半導体微粒子の粒子サイズとしては、100〜500nm程度の平均粒子径のものを用いてもよいし、5nm〜50nm程度の平均粒子径のものを用いてもよいし、これらの半導体微粒子を混合したものを用いてもよい。100〜500nm程度の粒子径の半導体微粒子は、入射光を散乱させ光捕捉率の向上に寄与し、5nm〜50nm程度の平均粒子径の半導体微粒子は、吸着点をより多くして色素の吸着量の向上に寄与するものと考えられる。
異なる粒子径の半導体微粒子を2種以上混合して多孔性半導体を構成する場合は、粒子径が小さい半導体微粒子の平均粒子径が、粒子径が大きい半導体微粒子の平均粒子径の10倍以上であることが好ましい。2種以上の半導体微粒子を混合する場合、吸着作用の強い半導体化合物を粒子サイズの小さな半導体微粒子とするのが効果的である。
多孔性半導体の膜厚、すなわち光電変換層3の膜厚は、特に限定されるものではないが、たとえば0.1〜100μm程度であることが好ましい。多孔性半導体は、その表面積が大きなものが好ましく、たとえば10〜200m2/g程度であることが好ましい。
(光増感剤)
上記の多孔性半導体に吸着される光増感剤は、光電変換素子に入射した光エネルギを電気エネルギに変換するために設けられるものである。このような光増感剤を多孔性半導体に強固に吸着させるためには、光増感剤を構成する分子中にインターロック基を有するものが好ましい。ここで、インターロック基とは、一般に、多孔性半導体に色素が固定される際に介在し、励起状態の色素と半導体の伝導帯との間の電子の移動を容易にする電気的結合を提供するものであり、具体的にはカルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などの官能基を挙げることができる。
多孔性半導体に吸着される光増感剤としては、可視光領域や赤外光領域に吸収をもつ種々の有機色素の他、金属錯体色素などを用いることができ、これらの色素の1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。有機色素の吸光係数は、一般に後述する金属錯体色素の吸光係数に比べて大きい。
上記の有機色素としては、たとえばアゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素などを挙げることができる。
上記の金属錯体色素としては、金属原子に遷移金属が配位結合したものである。このような金属錯体色素としては、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ルテニウム系色素などを挙げることができる。金属錯体色素を構成する金属原子としては、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、Te、Rhなどを挙げることができる。中でも、フタロシアニン系色素、ルテニウム系色素に金属が配位したものが好ましく、ルテニウム系金属錯体色素が特に好ましい。
特に、次式(1)〜(3)で表されるルテニウム系金属錯体色素が好ましい。市販のルテニウム系金属錯体色素としては、たとえば、Solaronix社製の商品名Ruthenium535色素、Ruthenium535−bisTBA色素、Ruthenium620−1H3TBA色素などを挙げることができる。
Figure 2013109958
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≪キャリア輸送材料≫
本発明において、図1に示される光電変換素子10内の空間や空隙の全域にキャリア輸送材料が充填されている。すなわち、キャリア輸送材料4は、図1に示されるように、導電層2、支持基板7、および封止材9によって囲まれた領域に含まれている。さらに、キャリア輸送材料4は、光電変換層3および触媒層5の空隙にも充填されている。なお、本明細書において、キャリア輸送材料4は、便宜的に他の構成要素が介在せず、キャリア輸送材料のみで満たされている領域を意味する。
このようなキャリア輸送材料は、イオンを輸送できる導電性材料で構成されるものであり、好適な材料としては、液体電解質、固体電解質、ゲル電解質、溶融塩ゲル電解質などを用いることができる。
液体電解質は、酸化還元種を含む液状物であればよく、一般に太陽電池の分野に使用されるものであれば特に限定されず、たとえば酸化還元種とこれを溶解可能な溶剤からなるもの、酸化還元種とこれを溶解可能な溶融塩からなるもの、または酸化還元種とこれを溶解可能な溶剤と溶融塩からなるものを用いることができる。
酸化還元種としては、たとえば、I-/I3-系、Br2-/Br3-系、Fe2+/Fe3+系、キノン/ハイドロキノン系などを挙げることができ、具体的には、ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化カルシウム(CaI2)などの金属ヨウ化物とヨウ素(I2)の組み合わせ、テトラエチルアンモニウムアイオダイド(TEAI)、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド(TPAI)、テトラブチルアンモニウムアイオダイド(TBAI)、テトラヘキシルアンモニウムアイオダイド(THAI)などのテトラアルキルアンモニウム塩とヨウ素の組み合わせ、および臭化リチウム(LiBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr2)などの金属臭化物と臭素の組み合わせが好ましく、これらの中でも、LiIとI2の組み合わせが特に好ましい。
また、酸化還元種の溶剤としては、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物、エタノールなどのアルコール類、水、非プロトン極性物質などが挙げられる。これらの中でも、カーボネート化合物やニトリル化合物が特に好ましい。これらの溶剤は2種類以上を混合して用いることもできる。
固体電解質は、電子、ホール、イオンを輸送できる導電性材料で、太陽電池の電解質として用いることができ、流動性がないものであればよい。具体的には、ポリカルバゾールなどのホール輸送材、テトラニトロフロオルレノンなどの電子輸送材、ポリロールなどの導電性ポリマー、液体電解質を高分子化合物により固体化した高分子電解質、ヨウ化銅、チオシアン酸銅などのp型半導体、溶融塩を含む液体電解質を微粒子により固体化した電解質などが挙げられる。
ゲル電解質は、通常、電解質とゲル化剤からなる。ゲル化剤としては、たとえば、架橋ポリアクリル樹脂誘導体や架橋ポリアクリロニトリル誘導体、ポリアルキレンオキシド誘導体、シリコーン樹脂類、側鎖に含窒素複素環式四級化合物塩構造を有するポリマーなどの高分子ゲル化剤などが挙げられる。
溶融塩ゲル電解質は、通常、上記のようなゲル電解質と常温型溶融塩からなる。常温型溶融塩としては、たとえば、ピリジニウム塩類、イミダゾリウム塩類などの含窒素複素環式四級アンモニウム塩化合物類などが挙げられる。
上記の電解質には、必要に応じて添加剤を加えてもよい。添加剤としては、t-ブチルピリジン(TBP)などの含窒素芳香族化合物、ジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(DMPII)、メチルプロピルイミダゾールアイオダイド(MPII)、エチルメチルイミダゾールアイオダイド(EMII)、エチルイミダゾールアイオダイド(EII)、ヘキシルメチルイミダゾールアイオダイド(HMII)などのイミダゾール塩が挙げられる。
電解質中の電解質濃度は、0.001mol/L以上1.5mol/L以下の範囲が好ましく、0.01mol/L以上0.7mol/L以下の範囲がより好ましい。ただし、光電変換素子モジュールにおいて、支持基板7が受光面となる場合、入射光が電解液を通して光電変換層3に達し、キャリアが励起されることになる。そのため、電解質濃度により、太陽電池の性能が低下する場合があるので、この点を考慮して電解質濃度を設定することが好ましい。
≪触媒層≫
本発明において、触媒層5は、対極導電層6に接して設けられるものであり、該触媒層5により対極導電層6との電子の受け渡しを効率的に行なうことができる。このような触媒層5は、その表面で電子の受け渡しができる材料であれば特に限定されずいかなるものをも用いることができ、たとえば白金、パラジウムなどの貴金属材料、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレンなどのカーボン系材料などを挙げることができる。
≪対極導電層≫
本発明において、対極導電層6は、導電性を有するものであれば特に限定されず、光透過性を必ずしも有していなくてもよい。ただし、支持基板7を受光面にする場合は、導電層と同様に光透過性を有する必要がある。
上記の対極導電層6を構成する材料としては、たとえば、インジウム錫複合酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)、酸化錫にフッ素をドープしたもの(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)などを用いることができる他、チタン、ニッケル、タンタルなど、電解液に対して腐食性を示さない金属を用いてもよい。このような材料からなる対極導電層6は、スパッタ法、スプレー法などの公知の方法により形成することができる。また、触媒層が、十分な導電性を有する場合は、単一の層のみで触媒層と対極導電層とを兼ねることもできる。
対極導電層6の膜厚は、0.02μm〜5μm程度であることが好ましく、対極導電層6の膜抵抗は低いほどよく、40Ω/sq以下が好ましい。対極導電層6を構成する材料が緻密な構造のものである場合は、光増感剤を吸着しやすくしたり、キャリア輸送材料が容易に通過したりするように、対極導電層6に複数の小孔を形成することが好ましい。
かかる小孔は、対極導電層6に対し、物理接触やレーザー加工をすることによって形成することができる。小孔の大きさは、0.1〜100μm程度が好ましく、1〜50μm程度がより好ましい。小孔間の間隔は1〜200μm程度であることが好ましく、10〜300μm程度であることがより好ましい。また、対極導電層6にストライプ状の開口部を形成することによっても同様な効果が得られる。ストライプ状の開口部は、1μm〜200μm程度の間隔であることが好ましく、より好ましくは10μm〜300μm程度の間隔である。
≪支持基板≫
本発明において、支持基板7は、キャリア輸送材料4を内部に保持し、かつ外部からの水などの浸入を防ぐことができるものを用いる必要がある。このような支持基板7が受光面となる場合は、透光性基板1と同様の光透過性が必要となるため、透光性基板1と同様の材料を用いる必要がある。光電変換素子を屋外に設置する場合を考慮すると、支持基板7は、強化ガラスなどを用いることが好ましい。
ここで、支持基板7(表面に触媒層や対極導電層が形成される場合これらも含む)は、透光性基板1上に形成された光電変換層3とは接触しないことが好ましい。これにより光電変換素子の内部に十分な量のキャリア輸送材料4を保持することができる。このような支持基板7は、キャリア輸送材料4を注入するための注入口を備えることが好ましい。かかる注入口から真空注入法や真空含浸法などを用いてキャリア輸送材料を注入することができる。
また、支持基板7と透光性基板1上に形成された光電変換層3とが接触していないことにより、注入口からキャリア輸送材料を注入するときの注入速度を速くすることができる。このため、光電変換素子および光電変換素子モジュールの製造タクトを向上させることができる。
本実施の形態において、支持基板7は、キャリア輸送材料4を注入するための注入孔8’を有する。この注入孔8’は、光電変換層3を支持基板7に投影した投影面の少なくとも一部に位置することが好ましい。このような位置に注入孔8’を設けることにより、注入孔と同じ投影部分に位置する導電層部分の面積を減らすことができるため、投影面積の割合を減らすことができる。
≪封止材≫
本発明において、封止材9は、透光性基板1と支持基板7とを結合させるために設けられるものである。このような封止材9は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、ホットメルト樹脂、ガラス系材料などからなることが好ましく、これらの2種類以上を用いて積層構造にしてもよい。
封止材9を構成する材料としては、たとえば、スリーボンド社製、型番:31X−101や、スリーボンド社製、型番:31X−088等のように、一般に市販されているエポキシ樹脂などを挙げることができる。シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスフリットを用いて封止材9を形成する場合は、ディスペンサーを用いて形成することが好ましく、ホットメルト樹脂を用いて封止材9を形成する場合は、シート状のホットメルト樹脂にパターニングした穴を開けることにより形成することができる。
本発明において、封止材9は、光電変換層3と接することが好ましい。封止材9が光電変換層3と接することにより、投影面積の割合を減らすことができる。
≪注入孔封止≫
上記の支持基板7上に、注入孔8’を封止するための注入孔封止8を有する。ここで、注入孔封止8を構成する材料の少なくとも一部は、導電層2または対極導電層6に接することが好ましい。このように注入孔封止8を構成する材料が、導電層2または対極導電層6に接することにより、封止孔周辺の電解液と接する導電層または対極導電層の面積を減らすことができるため、投影面積の割合を減らすことができる。なお、注入孔封止8を構成する材料としては、上記の封止材9を構成する材料と同一のものを用いることができる。以下においては、多孔性半導体の形成および光増感剤の吸着方法を説明する。
≪多孔性半導体の形成方法≫
導電層2上に多孔性半導体を形成する方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。すなわちたとえば、半導体微粒子を適当な溶剤に懸濁した懸濁液を、公知の方法を用いて所定の場所に塗布し、乾燥および焼成の少なくとも一方を行なうことによって多孔性半導体を形成する。
光電変換層3と封止材9とが接触するように光電変換層3を形成したい場合は、懸濁液の粘度を低く調整し、これをディスペンサーなどから封止材9によって分割される領域に塗布することが好ましい。これによりペーストの自重で当該領域の端部まで広がり容易にレベリングする。
懸濁液に用いる溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのグライム系溶剤、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、イソプロピルアルコール/トルエンなどのアルコール系混合溶剤、水などを挙げることができる。また、このような懸濁液の代わりに市販の酸化チタンペースト(たとえば、Solaronix社製、Ti−nanoxide、T、D、T/SP、D/SP)を用いてもよい。
このようにして得られた懸濁液を導電層2上に塗布した上で、乾燥および焼成の少なくとも一方を行なうことにより、導電層2上に多孔性半導体を形成する。懸濁液を塗布する方法としては、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法、スクリーン印刷法など公知の方法を用いることができる。
ここで、多孔性半導体を乾燥および焼成するために必要な条件(温度、時間、雰囲気など)は、半導体微粒子の種類に応じて適宜設定すればよく、たとえば、大気雰囲気下または不活性ガス雰囲気下で乾燥および焼成する場合は、50〜800℃程度の範囲で10秒〜12時間程度行なうことが好ましい。この乾燥および焼成は、単一の温度で1回または温度を変化させて2回以上行なってもよい。
多孔性半導体は、複数層を積層したものであってもよい。多孔性半導体を積層させるためには、異なる半導体微粒子の懸濁液を調製し、塗布、乾燥、および焼成の少なくともいずれかの工程を2回以上繰り返すことが好ましい。
このようにして多孔性半導体を形成した後、多孔性半導体の性能を向上させるために、後処理を行なうことが好ましい。多孔性半導体に対し後処理を行なうことにより、半導体微粒子同士の電気的接続を向上したり、多孔性半導体の表面積を増加させたり、半導体微粒子上の欠陥準位を低減させたりすることができる。たとえば、酸化チタンからなる多孔性半導体を、四塩化チタン水溶液で後処理することにより、多孔性半導体の性能を向上させることができる。
≪光増感剤の吸着≫
次に、多孔性半導体に光増感剤を吸着させることにより、光電変換層3を作製する。光増感剤を吸着させる方法としては特に限定されず、たとえば、多孔性半導体を上述の色素吸着用溶液に浸漬する方法を用いることができる。この際、色素吸着用溶液を多孔性半導体内の微細孔奥部まで浸透させるために、色素吸着用溶液を加熱してもよい。
光増感剤を溶解させる溶剤としては、光増感剤を溶解するものであればよく、たとえば、アルコール、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。かかる溶剤は、精製されたものを用いることが好ましく、2種類以上を混合して用いてもよい。
色素吸着用溶液に含まれる色素の濃度は、使用する色素、溶剤の種類、色素吸着工程などの条件に応じて適宜設定することができるが、吸着機能を向上させるためには、高濃度であることが好ましく、たとえば、1×10-5mol/L以上であることが好ましい。色素吸着用溶液の調製においては、色素の溶解性を向上させるために加熱してもよい。
(実施の形態2)
図2(a)は、本発明の光電変換素子をある一方の面で切断したときの断面図であり、(b)は、(a)の光電変換素子をB−Bで切断したときの断面図である。
本実施の形態の光電変換素子は、図2(a)および図2(b)に示されるものであってもよい。すなわち、本実施の形態の光電変換素子は、図2(b)に示されるように、透光性基板11と支持基板17とが封止材19により固定されたものであり、透光性基板11上に形成された導電層12と、該導電層12上に形成された光電変換層13とを有するものである。
そして、導電層12には、スクライブライン12’が設けられている。該スクライブライン12’上および光電変換層13上には、多孔質絶縁層111が設けられる。該多孔質絶縁層111上に触媒層15および対極導電層16が設けられる。また、支持基板17が封止材19によって透光性基板11に接合されている。支持基板17と封止材19と透光性基板11によって囲まれた領域にキャリア輸送材料14が充填されている。キャリア輸送材料14は、光電変換層13、多孔質絶縁層111、および触媒層15の空隙にも充填されている。以下においては、実施の形態1で用いない多孔質絶縁層を説明する。多孔質絶縁層111以外の各部は、実施の形態1で説明したものと同一のものを用いることができる。
≪多孔質絶縁層≫
本実施の形態において、光電変換層13と触媒層15との間に多孔質絶縁層111を有する。多孔質絶縁層111は、光電変換層13から対極導電層16へのリーク電流を低減するために設けられるものである。多孔質絶縁層111は、光電変換層3に接して設けられ、内部にキャリア輸送材料を含むものである。図2(a)に示すように、光電変換層3の上部および側面を覆うように多孔質絶縁層111を形成することにより、光電変換層3からのリーク電流を低減することができる。
上記の多孔質絶縁層111は、その内部に封止材19を構成する材料を含む部分があることが好ましい。このように多孔質絶縁層111の一部が封止材を含むことにより、多孔性絶縁層と接する部分の導電層部分を覆うことになり、結果として投影面積の割合を減らすことができる。
多孔質絶縁層111を構成する材料としては、たとえば、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、シリカガラス、ソーダガラスなどの酸化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウムなどが挙げられ、これらの材料の1種または2種以上を組合せて用いることができる。多孔質絶縁層111に用いる材料は、粒子状であるのが好ましく、その平均粒径は5〜500nmであることがより好ましく、さらに好ましくは10〜300nmである。また、粒径が100nm〜500nmの酸化チタンまたはルチル型酸化チタンを好適に用いることができる。
上記の多孔質絶縁層111は、1×1012Ω・cm以下の導電率の材料からなることが好ましく、導電率が低いほど好ましい。このような導電率の材料を用いることにより、光電変換層13から対極導電層16へのリーク電流を低減することができる。一方、多孔質絶縁層111が1×1012Ω・cmを超える導電率の材料であると、リーク電流が流れやすくなり、フィルファクタが低下する等により光電変換効率が低下するため好ましくない。
上記の多孔質絶縁層111は、0.2μm以上20μm以下の膜厚であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上5μm以下の膜厚である。多孔質絶縁層111の膜厚が20μmを超えると、短絡電流値(Jsc)が低下するため好ましくない。また、多孔質絶縁層111の膜厚が0.2μm未満であると、リーク電流が発生しやすくなるため好ましくない。
≪多孔質絶縁層の形成≫
次に、光電変換層3上に多孔質絶縁層111を形成する方法を説明する。多孔質絶縁層111は、上述の多孔性半導体と同様の方法を用いて形成することができる。すなわち、上記微粒子状の絶縁物を適当な溶剤に分散し、さらにエチルセルロース、ポリエチレングリコール(PEG)などの高分子化合物を混合してペーストを作製する。このようにして得られたペーストを光電変換層3上に塗布し、乾燥および焼成の少なくとも一方を行なう。これにより、光電変換層3上に多孔質絶縁層111を形成する。
(実施の形態3)
図3(a)は、本発明の光電変換素子をある一方の面で切断したときの断面図であり、(b)は、(a)の光電変換素子をC−Cで切断したときの断面図である。本実施の形態の光電変換素子は、図3に示される形態のものであってもよい。図3に示される光電変換素子は、実施の形態2の光電変換素子に対し、封止材29と透光性基板21との間に絶縁層122を設けたこと、多孔質絶縁層121の上面に触媒層25および対極導電層26を設けたことが異なる他は同一である。以下においては、実施の形態1および2で用いていない絶縁層を説明する。
≪絶縁層≫
本実施の形態で用いられる絶縁層122は、導電層22または対極導電層26とキャリア輸送材料24との接触を抑制するために設けられるものである。導電層22または対極導電層26とキャリア輸送材料24との接触を抑制することにより、実質的な電解液と接する導電層または対極導電層の面積を減らすことができるため、投影面積の割合を減らすことができる。
上記の絶縁層122を形成する材料は、電気的に絶縁できる材料であればよく、その内部構造は緻密であることが好ましい。このような絶縁層122を構成する材料としては、たとえばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、ホットメルト樹脂、ガラス系材料などを挙げることができ、これらの2種類以上を用いて複数層構造にしてもよい。
ただし、多孔性半導体を形成する前に絶縁層122を形成する場合、絶縁層122は、多孔性半導体の形成時の加熱温度に対する耐熱性を有する必要がある。また、透光性基板1を受光面とする場合、絶縁層122も紫外線に照射されることになるため、紫外線に対する耐光性が必要となる。以上のような観点から、絶縁層122としては、ガラス系材料を用いることがより好ましく、さらに好ましくは、ビスマス系ガラスペーストを用いることである。
上記で挙げたガラス系材料としては、たとえば、ガラスペーストやガラスフリットとして市販されているものがある。キャリア輸送材料との反応性や環境問題を考慮すれば、鉛フリーの材料であることが好ましい。さらに、ガラス材料からなる透光性基板21上に絶縁層122を形成する場合、550℃以下の焼成温度で形成されることが好ましい。
上記の絶縁層122は、光電変換層23を導電層22に向けて垂直に投影したときの投影面以外の導電層22に接することが好ましい。これにより、電解液と接する導電層の面積を減らすことができる。また、絶縁層122が、光電変換層23を対極導電層26に向けて垂直に投影したときの投影面以外の対極導電層26に接していてもよい。これにより、電解液と接する対極導電層の面積を減らすことができる。絶縁層122は、導電層22および対極導電層26に接することが好ましい。これにより、電解液と接する導電層および対極導電層の両方の面積を減らすことができる。
≪光電変換素子モジュール≫
本発明は、2以上の光電変換素子を電気的に直列に接続されてなる光電変換素子モジュールでもあり、2以上の光電変換素子のうちの少なくとも1つは、本発明の光電変換素子であることを特徴とするものである。図4は、本発明の光電変換素子モジュールの構造の一例を模式的に示す断面図である。
図4の光電変換素子モジュールは、本発明の光電変換素子を4つ接続したものであり、各光電変換素子が、図1に示されるように、透光性基板31と、該透光性基板31上に形成された導電層32と、該導電層32上に形成された光電変換層33と、該光電変換層33に接して形成された多孔質絶縁層311と、該多孔質絶縁層311に接して形成された触媒層35とを有する。そして、光電変換層33を透光性基板31に向けて垂直に投影したときの投影面積に対し、導電層32、触媒層35、および対極導電層36と、キャリア輸送材料34とが接する部分を透光性基板31に向けて垂直に投影したときの投影面積の割合は、1.2以下であることを特徴とする。
上記の光電変換層33、多孔質絶縁層311、および触媒層35の空隙には、キャリア輸送材料が充填されている。また、触媒層35上には対極導電層36が形成される。透光性基板31と支持基板37とは封止材39によって接続される。また、導電層32は、部分的に断続されており、その断続されている部分をスクライブライン32’という。そして、透光性基板31の端部には、集電電極41が設けられている。
本発明の光電変換素子モジュールは、図4に示されるもののみに限定されず、2以上の光電変換素子を電気的に直列および/または並列に接続されてなるものも含まれ、2以上の光電変換素子のうちの少なくとも1つが、本発明の光電変換素子である限り本発明を逸脱するものではない。光電変換素子モジュールは、3以上の光電変換素子を含むことが好ましい。上記の光電変換素子モジュールを構成する全ての光電変換素子が本発明の光電変換素子であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下において、各層の膜厚は、特に断りのない限り、表面粗さ形状測定機(株式会社東京精密製、商品名:サーフコム1400A)を用いて測定した値である。
<実施例1>
本実施例では、図1に示される光電変換素子10を作製した。まず、10mm×65mm×厚さ1.0mmの透明電極基板(日本板硝子株式会社製、SnO2膜付ガラス、シート抵抗:10.5Ω/□)を用意した。該透明電極基板は、ガラスからなる透光性基板1上に、SnO2からなる導電層2を成膜したものである。
そして、5mm×50mmのパターンを有するスクリーン版とスクリーン印刷機(ニューロング精密工業株式会社製、型番:LS−150)を用いて、上記の導電層2上に、市販の酸化チタンペースト(Solaronix社製、商品名:D/SP)を塗布し、室温で1時間レベリングを行なった。
その後、酸化チタンペーストの塗膜を80℃に設定したオーブンで20分間乾燥した。さらに、上記塗膜を500℃に設定した焼成炉(株式会社デンケン製、型番:KDF P−100)を用いて空気中で60分間焼成した。上記と同様に、酸化チタンペーストの塗布および焼成を各4回ずつ繰り返すことにより、膜厚25μmの多孔性半導体を作製した。
次いで、体積比1:1のアセトニトリルとt−ブタノールとの混合溶剤に対し、上記式(2)の色素(Solaronix社製、商品名:Ruthenium620 1H3TBA)を濃度4×10-4モル/リットルになるように溶解させて色素吸着用溶液を調製した。
この色素吸着用溶液に、上記で作製した多孔性半導体を浸漬させて、その状態を室温で100時間保った。その後、多孔性半導体をエタノールで洗浄し、約60℃で約5分間乾燥させることにより、多孔性半導体に色素を吸着させた。このようにして色素が吸着した多孔性半導体からなる光電変換層3を作製した。
上記の透光性基板1および導電層2と同様の10mm×65mm×厚さ1.0mmの透明電極基板を支持基板7および対極導電層6として用いた。そして、該対極導電層6の表面にPtからなる触媒層5を形成した。
そして、光電変換層3が形成された透光性基板1と、支持基板7とを熱融着フィルム(デュポン社製、ハイミラン1702)を用いて貼り合せた。そして、約100℃に設定したオーブンで10分間加熱することにより、熱融着フィルムの開口部(内寸)が5.5mm×51mmとなるように圧着した。
次に、開口部を有する熱溶着フィルム(デュポン社製、ハイミラン1702)を用いて、支持基板7と透光性基板1とを貼り合わせた。次いで、約100℃に設定したオーブンで10分間加熱することにより、支持基板7と透光性基板1とを圧着した。この熱融着フィルムが封止材9となる。
次いで、支持基板7に設けられた注入孔8’から予め調製したキャリア輸送材料を注入した。キャリア輸送材料は、アセトニトリルを溶剤として、酸化還元種としてLiI(アルドリッチ社製)が濃度0.1モル/リットル、I2(キシダ化学社製)が濃度0.01モル/リットルになり、さらに添加剤としてt−ブチルピリジン(アルドリッチ社製)が濃度0.5モル/リットル、ジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(四国化成工業社製)が濃度0.6モル/リットルになるように調整したものを用いた。
そして、注入孔8’を紫外線硬化樹脂(スリーボンド社製、型番:31X−101 229)を用いて注入孔封止8を形成することにより、注入孔8’を封止した。得られた光電変換素子の透光性基板1に対し、Agペースト(藤倉化成株式会社製、商品名:ドータイト)を塗布することにより、集電電極を形成した。以上のようにして本実施例の光電変換素子(単セル)を完成した。
<実施例2〜3、比較例1>
実施例1に対し、熱融着フィルムの開口部(内寸)が以下の表1に示すように異なる他は、実施例1と同様にして、実施例2〜3および比較例1の光電変換素子を作製した。
<実施例4>
本実施例では、図2に示される光電変換素子を作製した。まず、実施例1で用いた透明電極基板の導電層をレーザースクライブにより切断することにより、スクライブライン12’を形成した。そして、実施例1と同様の方法により、導電層上に膜厚25μmの多孔性半導体を作製した。
上記の多孔性半導体上に、平均粒経50nmのジルコニア粒子を含むペーストを、5.8mm×51mmのパターンを有するスクリーン版を用いてスクリーン印刷機で塗布した。該ペーストを500℃で60分間焼成することにより、平坦部分の膜厚が13μmの多孔質絶縁層111を形成した。
次いで、上記の多孔質絶縁層111上に、蒸着法によってPtからなる触媒層15を形成した。該触媒層15は、多孔性半導体と同一の位置および大きさとした。さらに、この触媒層15上に、9mm×50mmの大きさの対極導電層16を蒸着により形成した。次に、実施例1と同様の方法で多孔性半導体に色素を吸着させることにより、光電変換層13を作製した。
次いで、11mm×60mmの大きさのガラス基板からなる支持基板17を準備した。そして、上記の積層体を形成した透光性基板11と支持基板17とを熱融着フィルム(デュポン社製、ハイミラン1702)を用いて貼り合わせた。そして、約100℃に設定したオーブンで10分間加熱することにより、支持基板17と透光性基板11とを圧着した。この熱融着フィルムが封止材19となる。上記の熱融着フィルムは、多孔質絶縁層と同一形状の開口部で、熱圧着後の熱融着フィルムの開口部(内寸)は、5.8mm×51mmであった。
上記の支持基板17に対し、光電変換層13を投影した部分に注入孔18’を作製した。このような位置に注入孔18’を形成したことが異なる他は、実施例1と同様にして本実施例の光電変換素子を作製した。
<実施例5および比較例2>
実施例4に対し、熱融着フィルムの開口部(内寸)が以下の表1に示すように異なる他は、実施例4と同様にして、実施例5および比較例2の光電変換素子を作製した。
<実施例6>
本実施例では、図3に示される構造の光電変換素子を作製した。本実施例の光電変換素子は、多孔質絶縁層121の大きさを5.8mm×50mmとしたこと、多孔質絶縁層121の両端に絶縁層122を形成したこと、および対極導電層を9mm×51mmとしたことが異なる他は、実施例5と同様の方法によって作製した。なお、絶縁層122は、ガラスペーストを用いて5.8mm×4mmの大きさのものを形成した。
<実施例1〜6および比較例1〜2の光電変換素子の太陽電池特性>
実施例1〜6および比較例1の光電変換素子の受光面に対し、開口部の面積が1.5cm2である黒色のマスクを設置した。そして、各光電変換素子の受光面に対し、AM1.5ソーラーシミュレータを用いて1kW/m2の強度の光を照射することにより、短絡電流値Jsc(mA/cm2)、開放電圧Voc(V)、フィルファクタ(FF)、および光電変換効率(%)を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2013109958
表1において、実施例1〜6の光電変換素子と、比較例1および2の光電変換素子とを対比すると、実施例1〜6において、光電変換層を透光性基板に向けて垂直に投影したときの投影面積に対し、導電層、触媒層、および対極導電層と、キャリア輸送材料とが接する部分を透光性基板に向けて垂直に投影したときの投影面積の割合は、1.2以下である。これにより、FFを向上させることができ、変換効率を向上させることができる。
<実施例7>
本実施例では、図4に示される構造の光電変換素子モジュールを作製した。まず、縦70mm×横37mmの透明電極基板(日本板硝子株式会社製、SnO2膜付ガラス)を用意した。該透明電極基板は、ガラスからなる透光性基板31上に、SnO2からなる導電層32が成膜されたものである。
上記の導電層32をレーザースクライブによって切断することにより、縦方向に平行に60μmの幅のスクライブライン32’を形成した。該スクライブライン32’は透光性基板31の左端部から9.5mmの位置と、そこから7mm間隔で合計4箇所に形成した。
次に、実施例1と同様の方法により、透光性基板31の左端部から6.9mmの位置を中心として膜厚25μm、幅5mm、長さ50mmのサイズの多孔性半導体を形成し、その位置から7mmの間隔で同様のサイズの多孔性半導体を3つ形成した。
そして、該多孔性半導体上に、実施例1と同様の方法によって多孔質絶縁層311を作製した。かかる多孔質絶縁層311は、透光性基板31の左端から6.9mmの位置を中心として、幅5.6mm、長さ51mmのサイズで1つ形成した。この左端の多孔質絶縁層24の中心から7mmの間隔で同様のサイズの多孔質絶縁層を3つ作製した。
次いで、多孔質絶縁層311上に実施例1と同様の方法によってPtからなる触媒層35を形成した。触媒層35は、多孔性半導体と同様の位置および大きさとした。そして、実施例4と同様の方法によって、対極導電層36を形成した。対極導電層36は、透光性基板31の左端部から7.2mmの位置を中心として、幅5.6mm、長さ50mmのサイズで1つ形成し、該左端の多孔質絶縁層311の中心から7mmの間隔で同様の大きさの対極導電層36を3つ形成した。
次に、実施例1で用いた色素吸着用溶液に4つの多孔性半導体を浸漬させて、室温で120時間保持することによって、多孔性半導体に色素を吸着させた。次に、光電変換層33の間および透光性基板31の周囲に、ディスペンサー(EFD社製 ULTRASAVER)を用いて紫外線硬化樹脂(スリーボンド社製 31X−101)を塗布した。そして、縦65mm×横30mmのガラス基板からなる支持基板37を貼り合わせて、紫外線ランプ(EFD社製 NOVACURE)を用いて紫外線を照射した。このようにして紫外線硬化樹脂を硬化させて封止材39を形成した。封止材39によって形成された開口部は、5.8mm×51mmであった。
その後、実施例1と同様の方法によって支持基板37に予め設けてある注入孔からキャリア輸送材料を注入した。そして、注入口を紫外線硬化樹脂で封止することにより本実施例の光電変換素子モジュールを完成した。この光電変換素子モジュールの透光性基板上にAgペースト(藤倉化成株式会社製、商品名:ドータイト)を塗布することにより、集電電極41を形成した。
<実施例8>
実施例7に対し、多孔質絶縁層の内部に封止部を約0.2mm程度浸透させたことが異なる他は、実施例7と同様にして本実施例の光電変換素子モジュールを作製した。
<実施例9>
実施例7に対し、対極導電層を形成した後に、光電変換層の直列方向にスクライブラインを形成することにより、直列方向に4列、並列方向に2列の光電変換素子を作製したことが異なる他は、実施例7と同様にして、本実施例の光電変換素子モジュールを作製した。
<比較例3>
実施例7において、封止部の開口部を5.8mm×55mmとしたことが異なる他は、実施例7と同様にして本比較例の光電変換素子モジュールを作製した。
<実施例7〜9および比較例3の光電変換素子モジュールの太陽電池特性>
実施例7〜9および比較例3の光電変換素子モジュールの受光面に対し、開口部の面積が7.8cm2である黒色のマスクを設置した。そして、各光電変換素子の受光面に対し、AM1.5ソーラーシミュレータを用いて1kW/m2の強度の光を照射することにより、短絡電流値Jsc(mA/cm2)、開放電圧Voc(V)、フィルファクタ(FF)、および光電変換効率(%)を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2013109958
実施例7〜9の光電変換素子モジュールと、比較例3のそれとを対比することによっても、上記の実施例1〜6および比較例1〜2の対比と同様の結論が導き出される。すなわち、実施例7〜9の光電変換素子モジュールは、比較例3のそれに比して、FFが高く、変換効率が高くなっている。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,11,21,31 透光性基板、2,12,22,32 導電層、3,13,23,33 光電変換層、4,14,24,34 キャリア輸送材料、5,15,25,35 触媒層、6,16,26,36 対極導電層、7,17,27,37 支持基板、8,18,28 注入孔封止、8’,18’,28’ 注入孔、9,19,29,39 封止材、10,20,30 光電変換素子、12’,22’,32’ スクライブライン、111,121,311 多孔質絶縁層、122 絶縁層、41 集電電極、203 光電変換層、204 集電電極。

Claims (13)

  1. 透光性基板と、
    前記透光性基板に相対して設置された支持基板と、
    前記透光性基板と前記支持基板との間に、導電層と、前記導電層に接する光電変換層と、触媒層と、対極導電層と、キャリア輸送材料と、前記透光性基板と前記支持基板とを固定するための封止材とを有し、
    前記光電変換層を前記透光性基板に向けて垂直に投影したときの投影面積に対し、前記導電層、前記触媒層、および前記対極導電層のいずれかと、前記キャリア輸送材料とが接する部分を前記透光性基板に向けて垂直に投影したときの投影面積の割合は、1.2以下である、光電変換素子。
  2. 前記封止材は、前記光電変換層と接する、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記光電変換層と前記触媒層との間に多孔質絶縁層を有する、請求項1または2に記載の光電変換素子。
  4. 前記多孔質絶縁層は、その内部に前記封止材を構成する材料を含む部分がある、請求項3に記載の光電変換素子。
  5. 前記光電変換層を前記導電層に向けて垂直に投影したときの投影面以外の前記導電層に接する絶縁層を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 前記光電変換層を前記対極導電層に向けて垂直に投影したときの投影面以外の前記対極導電層に接する絶縁層を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子。
  7. 前記絶縁層は、前記導電層および前記対極導電層に接する、請求項5または6に記載の光電変換素子。
  8. 前記支持基板は、キャリア輸送材料を注入するための注入孔を有し、
    前記注入孔は、前記光電変換層を前記支持基板に投影した投影面の少なくとも一部に位置する、請求項1〜7のいずれかに記載の光電変換素子。
  9. 前記支持基板上に、前記注入孔を封止するための注入孔封止を有し、
    前記注入孔封止を構成する材料の少なくとも一部は、前記導電層または前記対極導電層に接する、請求項8に記載の光電変換素子。
  10. 2以上の光電変換素子を電気的に直列に接続されてなる光電変換素子モジュールであって、
    前記光電変換素子の少なくとも1つは、請求項1〜9のいずれかに記載の光電変換素子である、光電変換素子モジュール。
  11. 2以上の光電変換素子を電気的に並列に接続されてなる光電変換素子モジュールであって、
    前記光電変換素子の少なくとも1つは、請求項1〜9のいずれかに記載の光電変換素子である、光電変換素子モジュール。
  12. 3以上の光電変換素子を電気的に直列および/または並列に接続されてなる光電変換素子モジュールであって、
    前記光電変換素子の少なくとも1つは、請求項1〜9のいずれかに記載の光電変換素子である、光電変換素子モジュール。
  13. 請求項10〜12に記載の光電変換素子モジュールであって、
    前記光電変換素子の全てが請求項1〜9のいずれかに記載の光電変換素子である、光電変換素子モジュール。
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