JP5369994B2 - 水蒸気透過度測定方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、プラスチィックフィルムやシート状試料の水蒸気透過を測定する水蒸気透過度測定方法および装置に関する。
ガスバリアフィルムは、プラスチック表面に、酸化ケイ素、酸化アルミなどのバリア薄膜を形成することにより、酸素や水蒸気の透過を遮断する性能を持ち、食品や薬品、電子材料などの包装材料として注目されている。
さらに近年では、プラスチック基材を用いたフレキシブルな液晶表示素子やEL表示素子などでも、ガスバリアフィルムが用いられるようになってきている。
従来から行われているガス透過性の評価としては、JIS Z 0208で規定されているカップ法や、JIS K 7129 B法として規定されているモコン法などがあるが、どちらの方法も、通常数10cm程度の一定面積に対する平均透過度を測定する。
一方、最近、水蒸気透過度を測定する別の方法として、カルシウムの腐食を利用するものも提案されてきている。
この方法は、図6に示すように、バリアフィルムのバリア層2上にカルシウム層3、Al層4の順で膜を形成し、続いてバリアフィルムの基材面1が露出するように熱可塑性樹脂5中に埋め込むとともにガラス板6に貼り付けた構成のカルシウム腐食式水蒸気透過セルを試験片として作成する。
そして、このカルシウム腐食式水蒸気透過セルを恒温恒湿環境下に一定時間放置し、バリアフィルムの基材側から透過した水蒸気によるカルシウムの腐食状態を光学顕微鏡により観察するものである。
この方法では、バリアフィルムの測定面中で水蒸気が透過した箇所のみカルシウムの腐食が進行するため、光学顕微鏡観察により透過箇所の特定が可能である。これにより、欠陥の位置や数密度といった情報を得ることが出来る(特許文献1参照)。
特開2005−181300号公報
特許文献1に開示されているカルシウム腐食を用いて水蒸気透過度を測定する方法では、欠陥の位置特定という、他の従来法にはない特徴があるが、試験片内部に腐食が発生するCa層があるため、観察手段が光学的な方法に限定されている。その結果、欠陥位置の特定も、光学顕微鏡の限度である〜数μmに留まるという課題があった。
実際には、図6に示した従来技術の試験片のように、樹脂基材越しに腐食状態を観察するが、基材の厚さは100μm程度あることが多く、光学レンズにも解像度は劣るが作動距離が長いものを使う必要があり、欠陥の位置特定精度はさらに低下してしまうという課題があった。
また、ガスバリアフィルムの欠陥には、μmより疎らに分布した比較的大きな欠陥(マクロ欠陥)の他に、μmよりも小さな領域に分布する微細な欠陥(ナノ欠陥)も多数存在すると考えられる。
この微細な欠陥は、薄膜中の構造欠陥に由来するとも考えられるため、ナノ欠陥の位置特定すなわち、分布状態を測定することは薄膜自体のバリア性を評価する上でも非常に重要である一方、このような分布状態を測定することは困難であるという課題があった。
本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、その目的は、バリアフィルム中の微細な欠陥による水蒸気透過を、その位置と分布について高解像度で測定できる蒸気透過度測定方法および装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の水蒸気透過度測定方法は、フィルム状試料の一方の面に、常温において水蒸気腐食性のある薄膜を形成するステップと、前記フィルム状試料の他方の面にのみ水蒸気供給機構により水蒸気を供給し、前記水蒸気供給機構により前記他方の面に水蒸気が供給された状態の前記フィルム状試料を、湿度一定環境下に一定時間放置するステップと、前記一定時間放置する前の前記水蒸気供給機構により前記他方の面に水蒸気が供給されていない状態の前記フィルム状試料と、前記一定時間放置した後の前記フィルム状試料との前記一方の面に形成された前記薄膜の腐食により発生した前記薄膜の表面形状変化における凹凸を、表面形状測定手段により測定するステップと、を備え、前記フィルム状試料を湿度一定環境下に一定時間放置するステップは、前記フィルム状試料の前記薄膜が形成された一方の面を相対湿度がほぼ0%の湿度一定環境下に露出させた状態で一定時間放置する、ことを特徴とする。
また、本発明の水蒸気透過度測定装置は、常温において水蒸気腐食性のある薄膜が一方の面に形成されたフィルム状試料の他方の面に水蒸気を供給する水蒸気供給機構と、前記フィルム状試料の前記薄膜が形成された一方の面が露出した雰囲気を、湿度一定に維持する湿度一定維持手段と、前記水蒸気供給機構により前記他方の面に水蒸気が供給された状態で、前記湿度一定維持手段により湿度一定に維持された前記雰囲気中に一定時間放置した後と、前記水蒸気供給機構により前記他方の面に水蒸気が供給されていない状態の前記一定時間放置する前の、前記フィルム状試料の前記一方の面に形成された前記薄膜の腐食により発生した前記薄膜の表面形状変化における凹凸を測定する表面形状測定手段と、を備え、前記湿度一定維持手段は、前記フィルム状試料の前記薄膜が形成された一方の面が露出した雰囲気中の相対湿度をほぼ0%の湿度一定に維持する、ことを特徴とする。
本発明によれば、バリアフィルムの微細な欠陥による水蒸気透過を、その透過位置、分布について高解像度で測定できる水蒸気透過度測定方法および装置を提供できる効果がある。
本発明の実施の形態の水蒸気透過度測定方法が適用される試料を示す模式図である。 本発明の実施の形態の水蒸気透過度測定方法が適用される水蒸気透過測定装置の試料を設置する測定セルの構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態の水蒸気透過測定装置における水蒸気透過測定を示す模式図である。 本発明の実施の形態の水蒸気透過度測定装置に用いられる試料における乾燥状態での表面形状を示す模式図である。 本発明の実施の形態の水蒸気透過度測定装置に用いられる湿度雰囲気に1時間晒した後の試料における表面形状を示す模式図である。 従来のカルシウム腐食式水蒸気透過セルの構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
なお、本発明にかかる水蒸気透過度測定装置は、以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本実施の形態の水蒸気透過度測定方法が適用されるフィルム状試料(以下、試料という)7を示す構成図である。
この試料7は、樹脂基材1の片面に形成されたバリア層2の上にCa層3とAl層4をこの順番で積層して形成したものである。Ca層3およびAl層4はどちらも厚さは約100nmであり、真空蒸着法で形成した。Ca層3はバリア膜2を通じて透過してきた水蒸気により腐食し、水蒸気の透過場所を特定するためのものであり、Al層4は、Ca層3がバリア膜2と接する面の反対面からの腐食を防ぐために設けたものである。
次に、試料7を設置する測定セル8について説明する。
図2は、本実施の形態の水蒸気透過度測定方法が適用される水蒸気透過測定装置の構成を示す模式図である。
図2に示すように、水蒸気透過測定装置は、試料7を載置する測定セル8を備えている。
測定セル8は、下容器9と、隔壁10と、湿度調整ピン14と、固定板18とを含んで構成されている。
下容器9は、円形の底壁9Aと、底壁9Aの周囲から起立された円筒状の側壁9Bと、側壁9Bの上部内周で形成される開口部9Cと、側壁9Bの上端の全周に沿って側壁9Bの半径方向外方に環板状に延在するフランジ部17とを有している。
フランジ部17の上面にはOリング19が配置されている。
隔壁10は、下容器9に設けられ下容器9の内部空間を上側の空間S1と下側の空間S2に2分するものである。
隔壁10は、上下の仕切り部材K1、K2と、それら仕切り部材K1,K2の縁部間を接続する縦仕切り部材K3とを有している。縦仕切り部材K3はアルミ製である。
縦仕切り部材K3に穴11が形成され、この穴11と同軸上に位置する側壁9Bに穴12が形成されている。
穴11、12の内周面には、湿度調整ピン14に弾接するOリング13がそれぞれ設けられている。
また、上仕切り部材K1の下面には、板状の湿度調整ピン支持部K4が垂設されている。
湿度調整ピン支持部K4には、穴11、12と同軸上に延在するネジ穴30が貫通形成されている。湿度調整ピン支持部K4はアルミ製である。
湿度調整ピン14は、長手方向の中央部に形成されたネジ部31と、ネジ部31を除く両端部分に形成された軸部14A、14Bとを有している。
湿度調整ピン14は、ネジ部31がネジ穴30に螺合されることで湿度調整ピン支持部K4に支持されている。
また、湿度調整ピン14は、一方の軸部14AがOリング13を介して穴11に挿通され、他方の軸部14BがOリング13を介して穴12に挿通されている。そして、各Oリング13により穴11,12と湿度調整ピン14との間の気密が保持されている。
湿度調整ピン14を反時計方向へ回転させると、ネジ部31がネジ穴30内で案内されて湿度調整ピン14は一方の軸部14Aが穴11から外れる方向に移動する。
また、湿度調整ピン14を時計方向へ回転させると、ネジ部31がネジ穴30内で案内されて湿度調整ピン14は一方の軸部14Aが穴11に挿入する方向に移動する。
固定板18は、フランジ部17と同形同大の環板状を呈し、したがって、開口部9Cと同形同大の穴が形成されている。
固定板18は、フランジ部17に載置された試料7の上からフランジ部17に載置され、したがって、試料7は、固定板18とフランジ部17との間で挟持される。
その際、この固定には、たとえば少なくとも4本の固定用ネジを用い、下容器9のフランジ部17上面に配置してあるOリング19が充分変形し、試料7とフランジ部17との間の気密が保持されるように確実に固定する。
次に使用方法について説明する。
湿度調整ピン14を反時計方向に回転させ、湿度調整ピン14を下容器9から抜出し、穴12を開放する。
開放された穴12から水15を下容器9の隔壁10の下側の空間S2に注入する。
水15が下容器9に注入されたならば、湿度調整ピン14を穴12から挿入し、湿度調整ピン14のネジ部31をネジ穴30に螺合させ、一方の軸部14Aを穴11に挿入する。
この状態では、湿度調整ピン14の一方の軸部14Aと他方の軸部14Bとがそれぞれ穴11、12のOリング13に挿入された状態となることから、各Oリング13により穴11,12と湿度調整ピン14との間の気密が保持されている。
このため、水15が注入された下容器9の下側の一方の空間S2は気密状態に保持される。
一方、湿度調整ピン14を反時計方向に回転させると、湿度調整ピン14が一方の軸部14Aから他方の軸部14Bに向かう方向に移動し、やがて、一方の軸部14Aが穴11から引き抜かれると、穴11が開放される。したがって、穴11を介して隔壁10の上側の空間S1と下側の空間S2とが連通することになる。
この下容器9を相対湿度がほぼ0%のグローブボックス16に入れ、その中で、下容器9のフランジ部17に試料7をバリア層2が上側になるように設置する。
続いて、中心に穴を有するドーナツ形状の固定板18により、試料7を固定する。
この固定には、たとえば少なくとも4本の固定用ネジを用い、下容器9のフランジ部17上面に配置してあるOリング19が充分変形し、試料7とフランジ部17との間の気密が保持されるように確実に固定する。
また、試料7をOリング19の周上で均等に固定するために、固定用ネジは等間隔で取り付ける(4本の場合は90°間隔)ことが望ましい。
続いて、同じグローブボックス16内に設置してある小型の原子間力顕微鏡の試料ステージ(不図示)に測定セル8をセットする。
その際、測定セル8はネジなどにより確実に前記試料ステージに固定する。
続いて、通常の手順により、まず乾燥状態での試料7の表面形状測定を行う。
次に、測定セル8の湿度調整ピン14を反時計方向へ回転させ、緩め、穴11から湿度調整ピン14の一方の軸部14Aが引き抜かれた状態にする。
そして、穴11を通じて湿度雰囲気21を下容器9の上側の空間S1に導き、湿度雰囲気21の水蒸気が試料7の基材面側に達するようにする。
試料7の上面側は乾燥状態であるため、試料7の上面と下面で水蒸気の分圧が異なる。その結果、図3に示すように、湿度雰囲気21中の水蒸気は樹脂基材1を透過し、バリア層2に達する。
さらに、バリア層2に存在する欠陥を透過した後、Ca層3に到達し腐食させる。図3の符号22は湿度雰囲気21中の水蒸気がバリア層2に存在する欠陥を透過した後、Ca層3に到達することで生じた腐食箇所を示している。腐食したCaは体積膨張を伴う。
Al層4自体はCa層3に比べ腐食および体積変化は小さいが、Ca層3の膨張を反映した盛り上がった形として、Al層4の表面形状は変化する。このAl層4の表面形状の変化はnmオーダーと僅かではあるが、原子力顕微鏡の感度であれば充分検出可能である。
そこで、湿度雰囲気21を下容器9の上側の空間S1に導入した一定時間後に、サンプル試料の表面形状測定を行い、表面形状の盛り上がった凸形状の位置、数を測定することにより、Ca層3の腐食箇所、すなわち、水蒸気の透過箇所を、その位置、分布と共に測定することが出来る。
より好ましくは、始めに乾燥状態で測定したエリアと同じエリアを湿度雰囲気導入後も測定し比較することにより、僅かな表面形状変化、すなわち、僅かなCa層3の腐食の発生・進行を高感度に検出することが出来る。
また、凸形状の測定から、Ca層3の腐食体積と要した水蒸気量を推定することが可能であり、経過時間を考慮することにより特定の欠陥からの水蒸気透過度を数値評価することも可能である。
本実施の形態では、小型の原子間力顕微鏡をグローブボックス16内に設置して測定を行ったが、他にも、環境制御型の原子間力顕微鏡(例えば、Agilent SPM5500)を用いてもよい。
また、本実施の形態では、試料に湿度雰囲気21を供給するために、湿度調整ピン14を緩めて一方の軸部14Aと穴11との間に隙間を生じさせ、水が入った空間S2の気密を破っているが、湿度調整ピン14以外に、油圧または気圧型のシリンダー−ピストン機構を用いて、湿度雰囲気21を供給するための連通孔(穴11)の開け締めを行なっても良い。
以上のように、本実施の形態の測定セル8を上記の手順で用いることにより、試料7の樹脂基材1(下面)からバリア層2(上面)の方向に一方向的に水蒸気が透過する状態を作り、この水蒸気がバリア層2の欠陥を透過してCa層3を腐食・体積変化させる。
この変化を表面形状の変化として原子間力顕微鏡により高感度に測定することにより、バリアフィルムの水蒸気透過を、1μm以内の高解像度で、透過位置、分布と共に測定することが可能となる。
その結果、薄膜自体のバリア性評価が可能となる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
本実施例では、水蒸気透過測定に用いる下容器9として、開口直径を15mm、上部固定面の外周直径を30mm、高さ25mmのアルミ製カップを作成した。そのフランジ部17には、直径20mmのOリングを配置した。次に固定板18として、内周径15mm、外周径30mm、厚さ3mmの中心に穴のあいたドーナツ形状のアルミ円盤を作成した。固定板18と下容器9のフランジ部17とには、中心から半径12.5mmの位置に、90°間隔で3mmのネジ穴4つ設け、固定板18を下容器9のフランジ部17へネジにより取り付けることで、固定板18と下容器9との間を固定させた。
次に、測定セル8の隔壁10として、外形が直径15mm厚さ2mmの符号K1、K2で示す上下の仕切り部材を2枚、長さ15×10mm、厚さ5mmの符号K3で示す縦仕切り部材を1枚(測定セル8の内壁に嵌るようにエッジを削っている)、長さ7×10mm、厚さ4mmの湿度調整ピン支持部K4を構成するアルミ板1枚を用意した。
そして、図2に示すような位置関係でそれぞれをエポキシ接着剤で接着し、さらにセル内壁とも接着し、気密保持を持たせた。
縦仕切り部材K3の中央には、直径3mmの穴11とOリング13を設け、直径3mmの湿度調整ピン14が気密を保ちながら移動する構成とした。
また、湿度調整ピン支持部K4には、3mmのネジ穴30を設けた。さらに、縦仕切り部材K3に設けた穴11、湿度調整ピン支持部K4に設けたネジ穴30と同軸上になるように、縦仕切り部材K3に設けた穴11と同じ構成の気密穴12を下容器9の側壁9Bに形成した。これにより、水蒸気雰囲気21を供給するための開閉部分を作製した。
また、試料フィルムとして、12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)の上に抵抗加熱蒸着法により、酸化ケイ素バリア膜を100nm形成したものを用いた。この試料の水蒸気透過度をモコン法で測定した結果、2g/m2/dayであった。
このバリア膜側に、同様に蒸着法によりCa、Alの順で薄膜を形成した。それぞれの厚さは50nmとした。作製した試料フィルムはCa腐食が進行しないように、相対湿度がほぼ0%の乾燥したグローブボックス中に置いた。
次に、測定セル8の下側の空間S2底部に水を注入した後、湿度調整ピン14により気密保持した測定セル8をグローブボックス16内に入れ、その中で、測定セル8のフランジ部17に、試料7をバリア面が上側になるように載せ、固定板18およびネジ(4本)により固定した。
試料7を固定した測定セル8を、原子間顕微鏡20の試料ステージに固定した。本実施例では、卓上型の小型AFMを同じグローブボックス内に入れ、試料7のバリア面、つまりAl層4の表面に探針を降ろし表面形状測定を行なった。結果を図4に示す。測定サイズは、800×600nmで行なった。
次に、測定セル8の湿度調整ピン14を緩め、縦仕切り部材K3に形成されている穴11と湿度調整ピン14先端部との間に間隙を生じさせ、試料7の樹脂基材1の表面を高湿雰囲気に晒した。1時間後に原子間力顕微鏡20により始めに測定した乾燥状態と同じ箇所の表面形状を測定した。結果を図5に示す。測定サイズは800×600nmで行なった。
図5より、1時間高湿雰囲気に晒さらすことにより、A,B,Cの3箇所において凸状の新たな形状が形成されたことが確認出来る。同様の測定を、測定セルの湿度調整ピン14を緩めず、従って高湿雰囲気に晒さずに1時間経過後に測定した場合は、このような凸形状の発生は見られなかった。このことより、形成された凸形状は、バリア層の欠陥を透過した水蒸気により、Ca層3が腐食・体積膨張した結果であると考えられる。
図4および図5から明らかなように、本実施例では、発生した約100nm離れた凸形状の判別・計数が可能である。従って、この水蒸気透過測定方法および装置によれば、バリアフィルムの水蒸気透過を、1μm以内の高解像度で、透過位置、分布、共に測定することが可能であることが確認された。
以上、説明したように、この水蒸気透過度測定方法および装置によれば、バリアフィルムの水蒸気透過を、従来不可能であった1μm以内の高解像度で、透過位置、分布、共に測定することが出来、薄膜自体のバリア性評価が可能となる。各種分野のバリアフィルム製品に広く利用することが出来る。
1・・・樹脂基材、2・・・バリア層、3・・・Ca層、4・・・Al層、7・・・試料、8・・・測定セル、9・・・下容器(容器)、10・・・隔壁、11・・・穴(水蒸気供給機構、供給手段)、12・・・穴、13・・Oリング、14・・・湿度調整ピン(水蒸気供給機構、供給手段、水蒸気供給操作機構)、15・・・水、16・・・グローブボックス(湿度一定維持手段)、17・・・フランジ部、18・・・固定板、19・・・Oリング(封止手段)、20・・・原子間力顕微鏡(表面形状測定手段)、21・・・湿度雰囲気、S2・・・空間(水蒸気供給機構、供給手段、溶液貯溜部)、30・・・ネジ穴。

Claims (8)

  1. フィルム状試料の一方の面に、常温において水蒸気腐食性のある薄膜を形成するステップと、
    前記フィルム状試料の他方の面にのみ水蒸気供給機構により水蒸気を供給し、前記水蒸気供給機構により前記他方の面に水蒸気が供給された状態の前記フィルム状試料を、湿度一定環境下に一定時間放置するステップと、
    前記一定時間放置する前の前記水蒸気供給機構により前記他方の面に水蒸気が供給されていない状態の前記フィルム状試料と、前記一定時間放置した後の前記フィルム状試料との前記一方の面に形成された前記薄膜の腐食により発生した前記薄膜の表面形状変化における凹凸を、表面形状測定手段により測定するステップと、を備え、
    前記フィルム状試料を湿度一定環境下に一定時間放置するステップは、前記フィルム状試料の前記薄膜が形成された一方の面を相対湿度がほぼ0%の湿度一定環境下に露出させた状態で一定時間放置する、
    とを特徴とする水蒸気透過度測定方法。
  2. 前記表面形状測定手段は、前記フィルム状試料の前記一方の面に形成された前記薄膜の腐食により発生した前記薄膜の表面形状変化における凹凸を、前記薄膜の表面に探針を降ろし測定することを特徴とする請求項1記載の水蒸気透過度測定方法。
  3. 前記表面形状測定手段は、原子間力顕微鏡であることを特徴とする請求項1記載の水蒸気透過度測定方法。
  4. 常温において水蒸気腐食性のある薄膜が一方の面に形成されたフィルム状試料の他方の面に水蒸気を供給する水蒸気供給機構と、
    前記フィルム状試料の前記薄膜が形成された一方の面が露出した雰囲気を、湿度一定に維持する湿度一定維持手段と、
    前記水蒸気供給機構により前記他方の面に水蒸気が供給された状態で、前記湿度一定維持手段により湿度一定に維持された前記雰囲気中に一定時間放置した後と、前記水蒸気供給機構により前記他方の面に水蒸気が供給されていない状態の前記一定時間放置する前の、前記フィルム状試料の前記一方の面に形成された前記薄膜の腐食により発生した前記薄膜の表面形状変化における凹凸を測定する表面形状測定手段と、を備え、
    前記湿度一定維持手段は、前記フィルム状試料の前記薄膜が形成された一方の面が露出した雰囲気中の相対湿度をほぼ0%の湿度一定に維持する、
    とを特徴とする水蒸気透過度測定装置。
  5. 前記表面形状測定手段は、前記フィルム状試料の前記一方の面に形成された前記薄膜の腐食により発生した前記薄膜の表面形状変化における凹凸を、前記薄膜の表面に探針を降ろし測定することを特徴とする請求項記載の水蒸気透過度測定装置。
  6. 前記表面形状測定手段は、原子間力顕微鏡であることを特徴とする請求項5記載の水蒸気透過度測定装置。
  7. 前記水蒸気供給機構は、
    開口部の周囲にフランジ部が構成された容器と、
    前記水蒸気腐食性の薄膜が形成された一方の面を、前記湿度一定維持手段により湿度一定に維持される前記雰囲気中に露出させた状態で、前記容器の開口部を覆って前記フランジ部に載置された前記フィルム状試料の他方の面と前記フランジ部との間を水蒸気が透過不能となるように封止し、前記フィルム状試料の他方の面が露出している前記容器内の空間と前記湿度一定維持手段により湿度一定に維持される前記雰囲気との間を分離遮断する封止手段と、
    前記封止手段により前記雰囲気との間が分離遮断された前記容器内の空間に露出している前記フィルム状試料の他方の面へ水蒸気を供給する供給手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項記載の水蒸気透過度測定装置。
  8. 前記供給手段は、
    前記容器内に構成され水蒸気を発生させる溶液貯溜部と、
    前記容器内の空間に露出している前記フィルム状試料の他方の面への前記水蒸気の供給を、前記溶液貯溜部と前記フィルム状試料の他方の面が露出している前記容器内の空間との間を連通させるか遮断するかで制御する水蒸気供給操作機構と、
    を備えたことを特徴とする請求項記載の水蒸気透過度測定装置。
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