JP4473009B2 - 走査型プローブ顕微鏡および該顕微鏡による測定方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡および該顕微鏡による測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、走査型プローブ顕微鏡および該顕微鏡による測定方法に関わり、特に試料周囲の環境変化に伴う試料の表面形状変化が測定可能な走査型プローブ顕微鏡および該顕微鏡による測定方法に関する。
従来の走査型プローブ顕微鏡は、先端に探針を有するカンチレバーと、該カンチレバーの変位を検出する変位検出手段と、試料を移動させる試料移動手段からなり、測定環境として湿度などの影響のないように工夫された環境で、試料表面の凹凸形状などが測定されていた。(例えば、特許文献1参照)
こういった走査型プローブ顕微鏡が観察する試料は、主として金属などの表面が比較的固い材料であるが、最近ではこれに限らず、表面が比較的柔らかい高分子材料などの観察も行うようになってきている。
高分子材料は、シート状あるいは表面コート材として用いられている。たとえば電子機器の分野では電子部品のモールド部や保護膜部分、化学の分野では液と接触する部品や液と接触する保護膜部分、機械の分野ではオイルのシール部分やガスのシール部分に用いられている。しかしながら、それらが使用される環境は、高湿度環境、有機溶媒環境、機械オイルに曝される環境など様々である。水、有機溶媒、機械オイル、ガスなどとの反応性評価あるいは吸収する、しないの特性評価が行われ、必要とする素材特性を向上させるべく環境試験が行われ、素材の材料開発が盛んになってきている。
特に高分子材料は、シート状あるいは表面コート膜として製品に利用されているが、製品の厚みが薄いために水、有機溶媒、オイル、ガスなどを吸収するかどうかを評価するには、厚みの微小な変化を寸法変化として高分解能に測定する技術が望まれつつある。また、複数の成分を混合したブレンド材ではどの成分が水、有機溶媒、機械オイル、ガスを吸収しやすいか、環境変化によって表面がどう変化するか、表面内での形状変化を測定する技術も望まれつつある。
しかしながら、従来の走査型プローブ顕微鏡では、測定環境として湿度の影響が無いように制御された環境下で管理されていたため、試料周囲を湿度変化が可能な環境にして、水分の吸収に伴う試料の変化を測定することがされていなかった。
また、従来の走査型プローブ顕微鏡による測定では、試料表面の凹凸形状は測定されているが、試料表面内における相対的な高さの差が得られるのみで、水分の吸収に伴う試料の厚み方向の寸法変化を測定することはできなかった。
特開平11−83873号公報
本発明は、上記問題点を解決し、試料周囲を取り巻く環境変化に伴う試料の寸法・形状変化が測定可能な、走査型プローブ顕微鏡と該顕微鏡による測定方法を提供することを課題とする。
上記の問題点を解決するために、本発明では、走査型プローブ顕微鏡において、先端に探針を有するカンチレバーと、該カンチレバーの変位を検出する変位検出手段と、ガスを導入する手段と該ガス導入に伴う試料の寸法・形状変化を相殺する試料移動手段とを備えた走査型プローブ顕微鏡とした。
また、本発明では、先端に探針を有するカンチレバーと、ガスを導入するガス導入手段と、該ガス導入手段によるガス導入に伴う試料の寸法・形状変化を前記カンチレバーの変位として検出する変位検出手段と、試料上下動作を固定する手段とを備えた走査型プローブ顕微鏡とした。
また、本発明では、前記ガス導入手段が、酸素、窒素など単体ガスの配管手段と混合する手段を備えた走査型プローブ顕微鏡とした。
また、本発明では、前記ガス導入手段が、乾燥ガスの配管手段と、高湿度ガスの配管手段と、該乾燥ガスと該高湿度ガスとを混合する手段と、を備えた走査型プローブ顕微鏡とした。
また、本発明では、前記ガス導入手段が、乾燥ガスの配管手段と、有機溶媒を含むガスの配管手段と、該乾燥ガスと該有機溶媒を含むガスとを混合する手段と、を備えた走査型プローブ顕微鏡とした。
また、本発明では、前記ガス導入手段が、乾燥ガスの配管手段と、オイルを含むガスの配管手段と、該乾燥ガスと該有機溶媒を含むガスとを混合する手段と、を備えた走査型プローブ顕微鏡とした。
また、本発明では、試料面上に探針の先端部と試料との接触面積より大きな面積を有し、前記探針が前記試料面に沈むことを防止する沈み防止手段を備えた走査型プローブ顕微鏡とした。
また、本発明では、真空容器と排気の手段とをさらに備えた走査型プローブ顕微鏡とした。
また、本発明では、圧力を測定する手段をさらに備えた走査型プローブ顕微鏡とした。
また、本発明では、先端に探針を有するカンチレバーと、該カンチレバーの変位を検出する変位検出手段と、ガスを導入するガス導入手段と、該ガス導入手段によるガス導入に伴う試料の寸法・形状変化を相殺する試料移動手段と、を備えた走査型プローブ顕微鏡による測定方法として、ガス導入手段でガスを導入し、探針で試料面上を走査することで試料面内における寸法・形状変化の違いを分布像として測定する測定方法とした。
また、本発明では、先端に探針を有するカンチレバーと、該カンチレバーの変位を検出する変位検出手段と、ガスを導入するガス導入手段と、該ガス導入手段によるガス導入に伴う試料の寸法・形状変化を相殺する試料移動手段とを備えた走査型プローブ顕微鏡による測定方法として、非膨潤基板に前記探針を接触させて測定し測定系全体の寸法変化の基準とし、次に測定したい試料上に探針を接触させて測定系と試料の合計の寸法変化とし、前記測定系全体の寸法変化の基準と、前記測定系と前記試料の合計の寸法変化との差をとることで、試料のみの寸法変化を測定する測定方法とした。
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
つまり、本発明の走査型プローブ顕微鏡では、先端に探針を有するカンチレバーと、該カンチレバーの変位を検出する変位検出手段と、ガスを導入するガス導入手段と、該ガス導入手段によるガス導入に伴う試料の寸法・形状変化を相殺する試料移動手段と、を備えた構成としたことにより、ガス導入に伴う試料の寸法・形状変化を前記試料移動手段の上下動させる制御量で測定することで、試料表面の相対的な凹凸差だけでなく、試料のガス導入による試料厚みの変化を測定可能にする効果がある。
また、先端に探針を有するカンチレバーと、ガスを導入するガス導入手段と、該ガス導入手段によるガス導入に伴う試料の寸法・形状変化を前記カンチレバーの変位として検出する変位検出手段と、試料上下動作を固定する手段とを備えた構成としたことにより、ガス導入に伴う試料の寸法・形状変化を前記カンチレバーの変位として検出する変位検出手段で測定することで、試料のガス導入による試料厚みの変化を測定可能にする効果がある。
また、酸素、窒素など単体ガスの配管手段と混合する手段を備えた構成としたことにより、複数のガスの混合比率を変化させることができ、前記混合割合に応じた試料厚みの変化を測定可能にする効果がある。
また、乾燥ガスの配管手段と、高湿度ガスの配管手段と、該乾燥ガスと該高湿度ガスを混合する手段と、を備えた構成としたことにより、所望の湿度のガスを導入することができ、試料周囲環境の湿度を変えることができ、水分が試料に吸収されたり、試料から水分を放出したりして試料の厚みが変化し、つまり、試料の水分の吸収性を測定可能にする効果がある。
また、乾燥ガスの配管手段と、有機溶媒を含むガスの配管手段と、該乾燥ガスと該有機溶媒を含むガスを混合する手段と、を備えた構成としたことにより、試料の有機溶媒の吸収性を測定可能にする効果がある。
また、乾燥ガスの配管手段と、オイルを含むガスの配管手段と、該乾燥ガスと該オイルを含むガスを混合する手段と、を備えた構成としたことにより、試料のオイルの吸収性を測定可能にする効果がある。
また、試料面上に探針の先端部と試料との接触面積より大きな面積を有する沈み防止手段を備えた構成としたことにより、探針の試料面への沈みを防止し、試料の寸法変化を高分解能に測定することができる。
また、真空容器と排気の手段を備えた構成としたことにより、試料周囲の環境を真空環境にすることで、試料内部のガス放出に伴う試料の収縮具合を測定することができる。
また、圧力を測定する手段を備えた構成としたことにより、試料内部へのガス吸収に伴う試料の膨張具合を測定することができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡による試料測定方法として、前記ガス導入手段でガス導入をし、試料面上を走査することで環境変化に応じた試料面内における寸法・形状変化の違いを分布像として測定することができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡による試料測定方法として、非膨潤基板に探針を接触させて寸法変化を測定し測定系全体の寸法変化の基準とし、次に測定したい試料上に探針を接触させて測定系と試料の合計の寸法変化とし、両者の差をとることで試料のみの寸法変化を測定することができる。
本発明の実施の形態について、以下に図面を参照して詳細に説明する。
第1の実施例
図1、図2及び図3は、本発明の走査型プローブ顕微鏡における第1の実施例を模式的に示す図であり、図1は、装置の外観を示し、図2は、ガス導入手段の詳細を示し、図3は、試料に環境変化を与えて試料の状態を測定する工程を示す。
図1において、カンチレバー1は、材質としてシリコンあるいは窒化珪素を用いて作られており、長さが200um程度、幅が40um程度、厚みが3um程度の形状をしている。カンチレバー1の先端には、エッチングにより作られた高さが3〜7um程度、先端半径が10nm程度の微小な探針2があり、カンチレバー台3に装着される。カンチレバー台3は、密封容器11に固定されている。密封容器11の上部には、透明なガラス製のウインドウ33が、図示しないOリングで密封性が確保された状態で取り付けられている。
試料4は、試料台5の上に設置されている。試料台5は、試料移動手段6に設置されている。試料移動手段6は、密封容器11の内部に設置されており、上下方向の動作と水平方向の動作が可能である。試料移動手段6を上下方向に動作させることで、探針2を試料表面に対して押し付けたり離したりすることができる。また、試料移動手段6を水平方向に動作させることで、探針2と試料表面との接触位置を相対的に移動させることができる。
カンチレバー1には、図示しないレーザ光源によりレーザ7がウインドウ33を介して照射されている。カンチレバー1でのレーザ7の反射光は、図示しない支持体に固定されている変位検出手段8に到達する。反射光の変位検出手段8の到達位置により、カンチレバー1の変位が得られる。そして、この第1の実施例では、ガス導入手段9が密封容器11に固定されている。
図2において、ガス導入手段9は、第1の配管手段41の途中に流量調整手段43が介在し、第2の配管手段42の途中には流量調整手段44が介在し、それぞれ混合手段45と接続されている。第1の配管手段41と第2の配管手段42は、例えば金属菅で構成され、図示しないガス供給源と結合可能な継ぎ手を有し、気密性が確保されている。すべての配管内部は、ガスと反応しない耐食性のある材料、例えばステンレス材などが用いられる。図中の太い矢印は、ガスの流れの方向を示しており、第1の配管手段41および第2の配管手段42それぞれの左側に示されている矢印は、図示しないガス供給源からこのガス導入手段9にガスが流入してくることを示す。また、図中右端にある太い矢印は、ガス導入手段9に流入されたガスが、混合手段45を経て図1に示す密封容器11内に流出することを示す。
第1の流量調整手段43と第2の流量調整手段44は、例えばガスが流れる部分の断面積(開口面積)を調整できる機構(例えば、絞り機構など)をそれぞれ有しており、開口を小さくすることでガスが流れる際の抵抗が増え、流量を少なくすることができる。逆に開口を大きくすることでガスが流れやすくなり、流量を大きくすることができる。混合手段44は、配管との接続部を有し、内部にはガスが混ざり合う空間を有している。この混合手段44は、空間内部にガスの流れる向きを強制的に変更させる遮蔽板などの部品を設けると、異なるガス同志が効率よく混ざるようになり、さらによい。また、空間内部には、耐食性のあるステンレス製の金網などをメッシュを適宜選定して内蔵させると、ガスを効率よく攪拌するようになり、さらによい。ガスの混合する割合は、流量調整手段の開口を調節することで達成される。混合されたガスは、別の配管より放出される。
ガス導入手段9は、第1の配管手段41にはたとえば窒素などの乾燥ガスを導入し、第2の配管手段42にはたとえば窒素ガスを水中でバブリング処理した後の湿度100%のガスを導入し、第1の流量調整手段43および第2の流量調整手段44により、それぞれ流量を調整することで混合手段45の内部で攪拌されて、所望の湿度のガスを作製し、放出することができる。
また、ガス導入手段9は、第1の配管手段41にたとえば窒素などの乾燥ガスを導入し、第2の配管手段42にたとえばアルコールなどの有機溶媒を適宜含ませたガスを導入すれば、同様に所望の有機溶媒含有率のガスを作製し、放出することができる。
また、ガス導入手段9は、第1の配管手段41にたとえば窒素などの乾燥ガスを導入し、第2の配管手段42にたとえば機械オイルを含ませたガスを導入すれば、同様に所望のオイル含有率のガスを作製し、放出することもできる。
また、ガス導入手段9は、たとえば酸素や窒素などのガスを混合するために、第1の配管手段41にある種類のガスを導入し、第2の配管手段42に別の種類のガスを導入すれば所望の混合比率のガスを作製し、放出することができる。
また、ガス導入手段9は、第1の流量調整手段43および第2の流量調整手段44は、それぞれモータなどで自動調整できるようにしておけば、所望の湿度のガス、有機溶媒含有率のガス、オイル含有率のガス、所望の混合比率のガスを自動で作製し,放出することもできる。
なお、前記までに説明のガス導入手段9は,単独でも複数の組み合わせでも構わない。
また、図2の第1の流量調整手段43および第2の流量調整手段44をモータなどで自動調整していけば、湿度の変化や、有機溶媒の含有率変化、オイルの含有率変化、混合ガスの混合比率変化に応じた試料4の寸法変化は、カンチレバーの変位を変位検出手段8の信号変化として得られる。得られた信号変化をコンピュータなどに取り込むことでディスプレイ画面に自動表示され、試料4の寸法変化が効率よく測定される。
次に、図3を参照して第1の実施例の走査型プローブ顕微鏡により、試料周囲の環境変化による試料の寸法変化として、厚み変化を測定する方法について説明する。なお、図3では、試料周囲の環境を作製するための密封容器およびガス導入手段は省略し、密封容器内部の主要な構成要素とその動作を示す。
図3(a)は、試料に環境変化を与える前段階の状態を示す図である。図3(b)は、試料に環境変化が加わり、試料の厚みが変化した状態を示す図である。図3(c)は、試料の厚み変化測定のために、試料移動手段を移動させた状態を示す図である。
図3(a)で、探針2は試料4の表面に接触していて、レーザ7はカンチレバー1に照射され、反射光は変位検出手段8のある位置に到達し、到達位置が一定になるように試料移動手段6の上下動作で常時制御されている。次に、たとえば高湿度ガスを導入することにより試料の周囲環境を変化させると、図3(b)に示すように、PMMA(アクリル)、PC(ポリカーボネート)などの高分子試料では、試料4は周囲環境から水分を吸収することで膨潤し、試料の膨潤分Eだけ試料上面の高さが高くなる。なお、試料4は水を吸収して膨潤するとき、厚み方向の寸法以外にも幅方向と長さ方向の寸法も変化する。厚み方向以外の膨潤による寸法変化は、試料4を試料台5に対して垂直に立て直すことにより同様に測定できる。以降、試料の厚み方向の寸法変化を厚み方向の膨潤として説明をする。
試料4が膨潤すると、探針2は試料4の上面に接触しているので、カンチレバー1は上方向に反り、レーザ反射光22の到達位置は実線で示す位置から破線で示す位置に変化する。次に、図3(c)に示すようにレーザ反射光の到達位置が元の位置(図3(a)に示す位置)に戻るように、試料移動手段6の上下方向動作で制御量Cだけ試料4の上面の高さを下げてやる。これにより、制御量Cの値が試料の膨潤分Eとなる。
試料移動手段6に、たとえば圧電素子を利用する場合には、圧電素子に印加する電圧と伸縮量の関係を予め測定しておいて、制御量Cを実現する印加電圧から試料4の膨潤量が決定される。圧電素子を用いる長所は、試料の寸法変化が数um程度と小さいときに分解能よく測定できることである。
また、試料移動手段6にモータによる送り機構を利用する場合には、モータの回転角度と上下移動量との関係から試料4の膨潤量を決定してもよい。モータによる送り機構を用いる長所は、試料の寸法変化が数mm程度と大きい変化量にも対応できることである。
また、試料移動手段6にリニアセンサを内蔵させる場合には、リニアセンサの検出量から試料移動手段の上下移動量を測定し、試料4の膨潤量が決定される。リニアセンサを内臓させる長所は、実際に移動した量、つまり試料の寸法変化分を直接測定できることである。
なお、低湿度ガスをガス導入手段で導入すると、試料4内部に含有されている水分が試料周囲環境へ放出し、試料4は収縮し、試料の寸法変化として厚み方向の収縮分が測定される。
以上までは、所望の湿度のガスにより環境として湿度を変化させることで、試料の膨潤あるいは収縮として試料の寸法変化は測定される場合を説明してきた。同様に、環境変化として、湿度の変化以外に、有機溶媒の含有率変化、オイルの含有率変化、混合ガスの混合比率変化をさせてもよい。環境変化により試料が膨潤、収縮し、試料の寸法変化は前述のとおり測定される。
第2の実施例
次に、本発明における第2の実施例について図4を参照して説明する。この第2の実施例が第1の実施例と異なるところは、特に試料周囲の環境として圧力に着目し、圧力を変化させることが可能な構成を有する点にある。図4は、本発明の走査型プローブ顕微鏡における第2の実施例を模式的に示す図である。図4に示す走査型プローブ顕微鏡において、第1の実施例で示したものと共通の構成要素には同じ符号を用い、その詳細説明は省略する。
図4において、カンチレバー1、試料4、試料台5、試料移動手段6は、真空容器31の内部に設置される。真空容器31には真空排気手段32が接続されている。真空容器31の上部にはウインドウ33があり、図示しないOリングにより真空気密性が確保されている。レーザ7はウインドウ33を介してカンチレバー1に照射され、反射光は変位検出手段8に到達している。また真空容器31にはガス導入手段9が接続されている。また、真空容器31には圧力を測定する手段34が取り付けられている。
真空容器31の内部は、真空排気手段32によりガスを吸引排出させることで、大気圧より低い圧力に設定することができ、また、ガス導入手段9によりガスを導入することで、大気圧より高い圧力に設定することができる。圧力を測定する手段34は、真空容器31内を大気圧より低くしたり真空状態にしたりするときは、ピラニゲージやコールドカソードゲージなどの真空計であり、真空容器31内を大気圧より高い圧力、つまり加圧状態にするときは圧力計である。これらの真空計や圧力計は、前述したように真空容器31内の設定圧力別に個々に設けても良いが、双方を同時に設けても良い。真空計と圧力計の双方を同時に設けることにより、1つの真空容器で真空状態から大気圧よりも高い圧力状態に設定可能となる。
まず、試料周囲の圧力という環境の変化に伴う、試料の収縮による厚み変化を測定する例を説明する。探針2を試料4に接触させた状態で、真空排気手段32により、真空容器31の内部を真空状態にすると、試料4の内部に含有するガスが放出され、試料4は収縮し、試料の厚み変化が測定される。真空度と収縮具合の関係を求めることができる。
次に、試料4が収縮した状態で探針2を試料4に接触させたまま、ガス導入手段9により真空容器31内にガスを導入していくと、試料4はガスを吸収して膨張し、試料の厚み変化が測定される。ガスを導入する際の真空度と膨張具合の関係を求めることもできる。
さらに、真空容器31の内部が大気圧に戻ってもガスを導入し続ければ、真空容器31の内部は大気圧より高い加圧状態となり、試料4の内部にさらにガスが侵入していくことで、試料4は膨張し、試料の厚み変化が測定される。ガスの圧力と膨張具合の関係を求めることもできる。
従って、この第2の実施例における走査型プローブ顕微鏡では、試料周囲の圧力という環境の変化により,試料の厚み方向の膨張あるいは収縮といった寸法変化が測定される。
第3の実施例
次に、本発明における第3の実施例について図5を参照して説明する。この第3の実施例では、第1または第2の実施例の走査型プローブ顕微鏡を用いて、直接探針を試料面に触れさせると探針自体が試料に沈みこんでしまうような柔らかい試料の、環境変化による厚み方向の膨張や収縮による寸法変化の具体的な測定方法を説明する。
図5は、本発明の走査型プローブ顕微鏡における第3の実施例を模式的に示す図であり、(a)は、試料周囲の環境が変化する前の状態を示す図、(b)は、環境変化による試料の厚み変化測定のために、試料移動手段を移動させた状態を示す図である。なお、図5では、試料周囲の環境を作製するための密封容器やガス導入手段などは省略してあり、内部の主要な構成要素とその動作を示している。図5に示す走査型プローブ顕微鏡において、第1や第2の実施例で説明したものと共通の構成要素には同じ符号を用い、その詳細説明は省略する。
図5において、試料4が探針2より柔らかい場合を説明する。試料4が探針2より柔らかすぎると探針2が試料面に接触したあと、試料面に沈み込んでしまう。試料周囲の環境変化により探針の試料面への沈み込み分が変化すると、試料の寸法変化は正確に測定できなくなる。そこで本発明では図5(a)に示すように、試料4上には、探針2の先端部と試料4との接触面積より十分大きな面積を有する沈み防止手段51が乗せられている。沈み防止手段51は、探針の材質のかたさ以上のものが望ましく、シリコン、窒化珪素、アルミナ、石英、炭化珪素、クロムなどの材質で、寸法は例えば数mm角程度、厚み1mm程度の板形状であればよい。
この状態でカンチレバー1の探針2を沈み防止手段51に接触させれば、探針2の沈み込みは無くなる。例えば高湿度ガスを導入すると試料の膨潤分Eだけ試料4が膨潤し、探針2との接触位置の高さが上昇した分、図5(b)に示すように試料移動手段6の上下動作で制御量Cだけ下げてやれば、試料4の膨潤量を測定できる。これは、第1の実施例でも説明したとおりである。やわらかい試料面上でも探針2が沈み込まない分、試料4の膨潤量を正確に測定することができる。
なお、低湿度ガスをガス導入手段で導入すると、試料4の内部に含有されている水分が試料周囲環境へ放出し、試料4は収縮し、試料の寸法変化として厚み方向の収縮分が測定される。
ここで、本発明の走査型プローブ顕微鏡を用いて、環境変化による試料の寸法変化として測定した結果の表示方法の1例を図6にグラフで示す。図6において、横軸は環境制御量であり、縦軸は試料移動手段6の制御量である。環境制御量における環境とは、試料周囲の湿度、有機溶媒の含有率、オイルの含有率、複数のガスの混合比率、真空容器内の圧力などである。まず、環境を変化させる前の探針2を試料4の上面に接触させた状態での環境制御量と試料移動手段6の制御量との交点をプロットし、これをグラフの起点とする。図6においては、太い曲線の左端がこの起点にあたる。次いで、環境制御量を変化させていく。環境制御量を変化させながら試料移動手段6の制御量を同時にプロットしていけば、試料の寸法変化は太い曲線で示すようなグラフとして表示される。試料の寸法変化は、膨潤あるいは収縮の変化量である。
第4の実施例
次に、本発明における第4の実施例について図7を参照して説明する。この第4の実施例では、第1または第2の実施例の走査型プローブ顕微鏡を用いて、表面に膨潤しやすい部分と膨潤しにくい部分とが存在する試料の、環境変化による厚み方向の膨張や収縮による寸法変化の具体的な測定方法を説明する。
ここで、表面に膨潤しやすい部分と膨潤しにくい部分とが存在する試料について説明する。このような試料となる材料は、高分子材料において、一般に素材の強度特性と衝撃特性を両立させるために、それぞれの特性を有する材料同士を混合させ、ブレンド材として開発されている。ブレンド材の一例として、ポリプロピレン中にゴムを分散させたブレンド材で説明する。高膨潤性のゴムなどは水を含みやすく、やわらかいが、強度が要求される構造体材料には不向きである。一方、低膨潤性のポリプロピレンなどは水を含みにくく、かたいので構造体には向いているが、外部からの衝撃には不向きである。ポリプロピレンは構造体となり、ポリプロピレン中に分散させたゴムは外部からの衝撃を緩和する。従って、ポリプロピレン中にゴムを分散させたブレンド材は、強度特性と衝撃特性の双方について高い性能を持つことができる。
このようなブレンド材に用いられる材料のうち膨潤性が高い材料としては、ゴムの他にPC(ポリカーボネート)やPMMA(アクリル)などがあり、膨潤性が低い材料としては、ポリプロピレンの他にポリスチレンなどがある。
図7は、本発明の走査型プローブ顕微鏡における第4の実施例を模式的に示す図であり、(a)は、試料周囲の環境が変化する前の状態を示す図、(b)は、環境変化によって試料の厚みが変化した状態を示す図である。なお、図7では、試料周囲の環境を作製するための密封容器やガス導入手段などは省略し、内部の主要な構成要素とその動作を示している。図7に示す走査型プローブ顕微鏡において、第1や第2の実施例で説明したものと共通の構成要素には同じ符号を用い、その詳細説明は省略する。
図7において、試料4は、例えば高分子材料のブレンド材であり、図7(a)に示すように、試料4の表面には膨潤しやすい部分である高膨潤性部71(たとえばゴムやポリカーボネートやPMMAなど)と、膨潤しにくい部分である低膨潤性部72(たとえばポリプロピレンやポリスチレンなど)とがある。なお、図7(a)においては、湿度を変化させる前の一般的な計測室での環境下に置かれたものと同じ環境を想定して試料を描いており、この環境下では、高膨潤性部71の方が低膨潤性部72よりも厚みが薄いと考えられることから、この厚みの違いを誇張して高膨潤性部71を薄く、低膨潤性部72を厚く段差があるように描いている。また、図7(a)では、低膨潤性部72が1箇所であるかのように描かれているが、あくまでも試料の一部を簡略化し誇張して描いたためであって、実際の試料では、微小な表面範囲であっても多数の高膨潤性部71および低膨潤性部72が存在する。
このようなブレンド材試料の周囲環境の湿度変化による厚み変化を測定するために、探針2を試料4の表面上に接触させ試料移動手段6で水平方向に走査すれば、表面の高膨潤性部71と低膨潤性部72との違いによる凹凸像が測定される。次に図7(b)に示すように、例えば高湿度ガスを導入することで、高膨潤性部71は大きく膨潤し、低膨潤性部72は膨潤しにくいので、表面凹凸像を測定すれば試料面内における膨潤量の違いは相対的な高さの分布像として測定される。膨潤量の違いを測定することは、ブレンド材料の素材開発において混合割合を決める指針となる。
第5の実施例
次に、本発明における第5の実施例について図8を参照して説明する。この第5の実施例では、これまでの実施例における試料寸法変化測定が、試料移動手段6の動作によるものであったのに対し、変位検出手段8の機能による試料寸法変化測定の具体例を説明する。
図8は、本発明の走査型プローブ顕微鏡における第5の実施例を模式的に示す図である。なお、図8では、試料周囲の環境を作製するための密封容器やガス導入手段などは省略し、内部の主要な構成要素とその動作を示している。図8に示す走査型プローブ顕微鏡において、第1や第2の実施例で示したものと共通の構成要素には同じ符号を用い、その詳細説明は省略する。
図8において、試料移動手段6の上下方向動作を固定し、例えば所望の高湿度ガスを導入することで、試料4の周囲環境を変化させる。試料4は試料の膨潤分Eだけ探針2を上へ押し上げる。レーザ7の反射光は試料が膨潤前は破線、試料が膨潤後は実線となり変位検出手段8への到達位置が変化し、到達位置の差として変位量Gが得られる。本実施例では試料移動手段6の上下動作は固定されているので、試料の膨潤量Eは変位量Gとなる。
なお、所望の低湿度のガスを導入すれば、逆に試料の収縮量が測定される。
第6の実施例
次に、本発明における第6の実施例について図9を参照して説明する。この第6の実施例では、これまでの実施例における試料寸法変化測定が、試料移動手段6の動作または変位検出手段8の機能のいずれか一方のみによる作用で行われていたのに対し、双方の動作と機能を併せ持って試料寸法変化の測定を行う具体例を説明する。
図9は、本発明の走査型プローブ顕微鏡における第6の実施例を模式的に示す図であり、(a)は、試料周囲の環境を変化させる前の、上下に振動するカンチレバーが下側にある瞬間で、探針が試料と接触した状態を示す図、(b)は、試料周囲の環境を変化させる前の、上下に振動するカンチレバーが上側にある瞬間を示す図、(c)は、試料に環境変化が加わり試料の厚みが変化したときの探針が試料と接触した状態を示す図、(d)は、試料の厚み変化測定のために、試料移動手段を移動させた状態を示す図である。なお、図9は、試料周囲の環境を作製するための密封容器やガス導入手段などは省略し、内部の主要な構成要素とその動作を示している。図9に示す走査型プローブ顕微鏡において、第1や第2の実施例で示したものと共通の構成要素には同じ符号を用い、その詳細説明は省略する。
図9に示すように、カンチレバー1には加振手段91が取り付けられている。加振手段91は圧電素子で構成され、この圧電素子に交流の電圧を印加することにより、カンチレバー1が特定の周波数で上下方向に振動する状態となる。印加電圧が大きければカンチレバー1の振動量(振幅)は大きく、印加電圧が小さければカンチレバー1の振動量は小さくなる。レーザ7は、カンチレバー1に照射されていて、図9(a)に示すように、振動しているカンチレバー1が下側にある瞬間で、探針が試料4に接触している状態での反射光は、実線で示すように変位検出手段8へ到達している。また、図9(b)に示すように、振動しているカンチレバー1が上側にある瞬間では探針が試料4から離れ、レーザ反射光は破線で示すように変位検出手段8へ到達している。カンチレバー1は一定の振動量、周波数で振動していて、振動量は第1の振動量Y1である。
次に図9(c)に示すように、高湿度ガスなどにより試料4が試料の膨潤分Eだけ膨張すると、カンチレバー1の振動量は、試料面が高くなったところで探針が接触するので、第2の振動量Y2に減少する。このとき図9(d)に示すように試料移動手段6の上下動作により、制御量Cだけ試料の膨潤分Eを相殺するように試料4を下げてやれば、第2の振動量Y2は、元の第1の振動量Y1になる。湿度変化にともない第1の振動量Y1が一定になるように制御してやれば、制御量Cは試料の膨潤分Eとなる。
試料4が探針2より特に柔らかい場合には、本実施例のようにカンチレバー1を上下に振動させながら膨潤量を測定することが有効である。本発明における他の実施例での、探針2と試料4表面とを直接接触させて測定する方法では、カンチレバー1を振動させていない。そのため、試料4表面を走査している際のカンチレバー1はたわみ、そのたわみ荷重が先端径の小さい探針2を介して一時的に試料4表面を押す方向に加わる。しかしながら、カンチレバー1を振動させた場合には、探針2の先端と試料4表面とが接触する際のカンチレバー1のたわみは逆方向の状態にあり、試料4表面を押す方向の力は非常に小さくしかも瞬間的である。従って、カンチレバー1を上下に振動させて試料4表面を走査することにより、試料4が探針2より特に柔らかい場合であっても、探針2の先端が試料4に沈んでしまうようなことがなく、正確な試料4の測定が行える。
なお、高湿度ガスではなく低湿度ガスにより試料周囲の環境変化を行えば、試料の収縮量が測定される。
第7の実施例
次に、本発明の第7の実施例について図10を参照して説明する。これまでの第1から第6の実施例では、被測定物である試料の環境変化に伴う厚み方向の寸法変化を測定する装置または測定方法の例を説明してきたが、この第7の実施例では、試料ではなく、環境変化に伴う測定装置側への影響による測定誤差を防止するための具体的な方法について説明する。被測定物である試料が膨潤する際に、測定装置側の各部も膨潤してしまい、試料の測定結果に誤差を生じさせてしまうことがある。この測定装置側の膨潤による測定誤差を防止する方法を図10に示す。
図10は、本発明の走査型プローブ顕微鏡における第7の実施例を模式的に示す図であり、(a)は、測定装置の環境変化に伴う厚み方向の寸法変化を測定する状態を示す図、(b)は、試料の環境変化に伴う厚み方向の寸法変化を測定する状態を示す図である。なお、図10では、試料周囲の環境を作製するための密封容器およびガス導入手段などは省略し、内部の主要な構成要素とその動作を示している。図10に示す走査型プローブ顕微鏡において、第1の実施例で示したものと共通の構成要素には同じ符号を用い、その詳細説明は省略する。
図10(a)に示すように、試料台5の上には、湿度などで膨潤しない非膨潤基板101上に膨潤する試料102が乗せられている。非膨潤基板101は、例えばSi基板などで、膨潤する膨潤性試料102は、例えばPMMA(アクリル)、PC(ポリカーボネート)などの高分子材料である。まず、探針2を膨潤しない部分である非膨潤基板101に接触させ、例えば環境の湿度を高くすると膨潤した量は試料移動手段6の制御量から求めることができ、寸法変化分は測定系全体の膨潤量となる。測定系全体の膨潤量は構成部品である試料移動手段6などの膨潤量である。この測定系全体の膨潤量を測定系全体の寸法変化の基準とする。
次に、探針2を膨潤性試料102に接触させて、前記湿度を高くしたときと同じことをしてやれば、図10(b)に示すように膨潤性試料102は湿度が高くなると膨潤し、膨潤量は試料移動手段6の制御量から求められ、寸法変化分は、測定系全体の膨潤量と試料自身の膨潤量の合計となる。よって、測定系全体の寸法変化の基準と、測定系全体と試料自身の合計の寸法変化との差をとることで、測定装置側の測定誤差を防止して試料102のみの膨潤量が正確に求められる。
また、試料周囲の環境変化として、湿度を低くする際には同じく差をとることで試料のみの収縮量が正確に求められる。
なお、変位検出手段としてカンチレバーにレーザを照射してレーザ反射光の到達位置を変位検出手段で測定する例として説明してきたが、カンチレバー自身にひずみ抵抗変化を検出する部分を内臓した、いわゆる自己検知型のカンチレバーを利用して試料の膨潤量、収縮量という寸法変化を同様に測定してもよい。
また、試料台5に加熱冷却機能を設け、環境変化として試料温度を変化させ、水分の吸収に応じた膨潤量、あるいは水分の放出に応じた収縮量を寸法変化として測定してもよい。
本発明の走査型プローブ顕微鏡における第1の実施例を示す模式図。 本発明の走査型プローブ顕微鏡におけるガス導入手段の詳細を示す模式図。 本発明の走査型プローブ顕微鏡における試料に環境変化を与えて試料の寸法変化を測定する工程を示す模式図。 本発明の走査型プローブ顕微鏡における第2の実施例を示す模式図。 本発明の走査型プローブ顕微鏡における第3の実施例を模式的に示す図であり、(a)は、試料周囲の環境が変化する前の状態を示す図、(b)は、環境変化による試料の厚み変化測定のために、試料移動手段を移動させた状態を示す図である。 本発明における走査型プローブ顕微鏡を用いて、試料の膨潤量を測定した結果の表示方法の1例を示す図。 本発明の走査型プローブ顕微鏡における第4の実施例を模式的に示す図であり、(a)は、試料周囲の環境が変化する前の状態を示す図、(b)は、環境変化によって試料の厚みが変化した状態を示す図である。 本発明の走査型プローブ顕微鏡における第5の実施例を示す模式図。 本発明の走査型プローブ顕微鏡における第6の実施例を模式的に示す図であり、(a)は、試料周囲の環境を変化させる前の、上下に振動するカンチレバーが下側にある瞬間で、探針が試料と接触した状態を示す図、(b)は、試料周囲の環境を変化させる前の、上下に振動するカンチレバーが上側にある瞬間を示す図、(c)は、試料に環境変化が加わり試料の厚みが変化したときの探針が試料と接触した状態を示す図、(d)は、試料の厚み変化測定のために、試料移動手段を移動させた状態を示す図である。 本発明の走査型プローブ顕微鏡における第7の実施例を模式的に示す図であり、(a)は、測定装置の環境変化に伴う厚み方向の寸法変化を測定する状態を示す図、(b)は、試料の環境変化に伴う厚み方向の寸法変化を測定する状態を示す図である。
符号の説明
1 カンチレバー
2 探針
3 カンチレバー台
4 試料
5 試料台
6 試料移動手段
7 レーザ
8 変位検出手段
9 ガス導入手段
11 密封容器
22 反射光
31 真空容器
32 真空排気手段
33 ウインドウ
34 圧力を測定する手段
41 第1の配管手段
42 第2の配管手段
43 第1の流量調整手段
44 第2の流量調整手段
45 混合手段
51 沈み防止手段
71 高膨潤性部
72 低膨潤性部
91 加振手段
101 非膨潤基板
102 膨潤性試料
E 試料の膨潤分
C 制御量
G 変位量
Y1 第1の振動量
Y2 第2の振動量

Claims (7)

  1. 先端に探針を有するカンチレバーと、
    該カンチレバーの変位を検出する変位検出手段と、
    前記探針の先端の沈み防止手段と、
    ガスを導入するガス導入手段と、
    試料移動手段と、を備え、
    前記沈み込み防止手段は前記探針の先端と試料と間に配置され、該探針の先端の試料への接触面積よりも大きい面積を有し、前記探針が試料表面に沈み込むのを防止し、
    前記ガス導入手段によるガス導入前に試料の測定面に対して前記沈み防止手段を介して前記探針を接触させたときの前記カンチレバーの変位の初期値及び前記試料移動手段による試料の厚さ方向の初期値を取得し、
    前記ガス導入手段により前記ガスを導入して試料を当該ガス環境下に置き、
    前記試料移動手段により前記カンチレバーの初期の変位値となるよう試料の厚さ方向への移動を行い、
    前記移動手段の試料厚さ方向の移動に基づいて前記ガスの導入に伴う前記試料の厚さ方向の変化量を算出すること、を特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 先端に探針を有するカンチレバーと、
    該カンチレバーの変位を検出する変位検出手段と、
    非膨潤性基板と、
    ガスを導入するガス導入手段と、
    試料移動手段と、を備え、
    前記ガス導入手段によるガス導入前に試料の測定面に対して前記探針を接触させたときの前記カンチレバーの変位の初期値及び前記試料移動手段による試料の厚さ方向の初期値を取得し、
    前記ガス導入手段によるガスを導入して前記試料を当該ガス環境下に置き、
    前記試料移動手段により前記カンチレバーの初期の変位値となるよう試料の厚さ方向への移動を行い、
    前記移動手段の試料厚さ方向の移動に基づいて前記ガス導入に伴う前記試料の厚さ方向の変化量を算出し、
    前記非膨潤性基板について前記の試料と同様にガス導入前後における厚さ方向の変化量をガス導入による測定系の高さ方向の変化量として算出し、
    前記試料の厚さ方向の変化量から前記測定系の高さ方向の変化量を補正して試料の変化量を算定すること、を特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  3. 請求項2に記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    更に、前記探針先端と前記試料の測定面との間に沈み防止手段を備え、
    当該沈み防止手段が前記探針の先端と前記試料の測定面との接触面積よりも大きい面積を有し、前記探針が前記試料表面に沈み込むのを防ぐようにした走査型プローブ顕微鏡。
  4. 前記試料移動手段が圧電素子であって、
    前記試料の厚さ方向の変化量を算出する工程が、前記圧電素子への印加電圧と伸縮量の関係に基づいて行うものである
    請求項1乃至3のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
  5. 前記試料移動手段がモータによる送り機構であって、
    前記試料の厚さ方向の変化量を算出する工程が、前記モータの回転角度と移動量の関係に基づいて行うものである
    請求項1乃至3のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
  6. 前記試料移動手段がリニアセンサを含むものであって、
    前記試料の厚さ方向の変化量を算出する工程が、前記リニアセンサの検出量に基づいて行うものである
    請求項1乃至3のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
  7. 先端に探針を有するカンチレバーと、
    該カンチレバーの変位を検出する変位検出手段と、
    非膨潤性基板と、
    ガスを導入するガス導入手段と、
    試料移動手段と、を備え、
    前記ガス導入手段によるガス導入前に試料の測定面に対して前記探針を接触させたときの前記カンチレバーの変位の初期値及び前記試料移動手段による試料の厚さ方向の初期値を取得する工程と、
    前記ガス導入手段によるガスを導入して前記試料を当該ガス環境下に置く工程と、
    前記試料移動手段により前記カンチレバーの初期の変位値となるよう試料の厚さ方向への移動を行う工程と、
    前記移動手段の試料厚さ方向の移動に基づいて前記ガス導入に伴う前記試料の厚さ方向の変化量を算出する工程と、
    前記非膨潤性基板について前記の試料と同様にガス導入前後における厚さ方向の変化量をガス導入による測定系の高さ方向の変化量として算出する工程と、
    前記試料の厚さ方向の変化量から前記測定系の高さ方向の変化量を補正して試料の変化量を算定する工程と、を備えたことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の測定方法。
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