JP5368709B2 - ポリイミド繊維集合体及びその利用、並びに当該ポリイミド繊維集合体の製造方法 - Google Patents

ポリイミド繊維集合体及びその利用、並びに当該ポリイミド繊維集合体の製造方法 Download PDF

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本発明はポリイミド繊維集合体及びその利用、並びに当該ポリイミド繊維集合体の製造方法に関する。
現在の建築物の外壁の断熱・吸音材や、各種発熱体の断熱材料、各種音響設備の吸音材等の多くには、ガラスウールからなる断熱・吸音材が広く用いられている。これは、吸音特性・断熱性能・難燃性能に優れる材料であることから一般的には用いられている。また、軽量が要求される航空機の外壁用の断熱・吸音用途にも、低嵩密度のガラスウール繊維を袋に詰めたもの(Insulation Blanket)が広く用いられている。ガラスウールの特徴としては、不燃であり、断熱性能に優れ、しかも、吸音特性に優れる材料であり、成形方法によっては軽量になるため現在の航空機用断熱・吸音材には広く用いられている(非特許文献1〜2、特許文献1〜2参照)。
一方で、非熱可塑性繊維と熱可塑性繊維を組み合わせて上記ガラスウールの代替製品として用いる為の材料が開発されている(特許文献3〜4参照)。
航空技術、No.581、34項〜39項(2003年) 「日本航空宇宙学会 第40回飛行機シンポジウム」 267項〜270項 (2002年) 米国特許第6551951号公報 米国特許第6627561号公報 米国特許第6383623号公報 米国特許第6579396号公報
上記非特許文献1〜2にも記載があるように、航空機用途の断熱・吸音材料には難燃性の基準に適合する材料であることは少なくとも必要であり、さらに、航空機の運行時の燃費向上などから、軽量の部材であることが求められている。ところが、従来のガラスウールでは、難燃性の基準に対応できる材料ではあるがガラスの密度(2.5g/cm)がフッ素系繊維を除く高耐熱性繊維、例えばm−アラミド繊維では、1.38g/cm、p-アラミド繊維では、1.44g/cm、ポリイミド繊維では、1.41g/cmと比較して重く、軽量化することが現状では難しい問題があった。また、より断熱・吸音特性を向上させる上で、断熱・吸音材を航空機の外壁内部に設置した後に、ヒートガン等の過熱処理装置により形状保持ができることが、断熱・吸音材の重なり部位に隙間を生じさせないためにも必要であった。ところが、ガラス繊維は低温のヒートガン処理等では加熱成形が難しく、屈曲部位に対して形状追従性はあるものの、ヒートガン等の加熱装置により加熱による形状保持をすることができなかった。一方、特許文献3〜4では、非熱可塑性繊維を熱可塑性樹脂で繋ぎ合せて作製したものの報告があるが、非熱可塑性樹脂が形状保持を阻害するため形状保持の観点で好ましくなかった。
本発明者らは、前記問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ポリイミド繊維同士が、構成しているポリイミド繊維により一部結合されている繊維集合体を用いることで上記問題点を解決しうることを見出した。本発明の繊維集合体の構成を詳述すると下記の構成となる。
すなわち、本願発明の繊維集合体は、貯蔵弾性率の低下温度が200℃以上350℃以下の範囲にあるポリイミド樹脂からなるポリイミド繊維のみからなり、当該ポリイミド繊維同士が少なくとも一部結合されていることを特徴とするポリイミド繊維集合体である。
更に、前記ポリイミド樹脂は、少なくともピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物から選ばれる1種以上の酸二無水物と、少なくとも4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンから選ばれる1種以上のジアミンを用いたポリイミド樹脂であることを特徴とするポリイミド繊維集合体である。
更に、前記ポリイミド繊維集合体繊維の平均繊維径が1〜100μmであって、繊維集合体の嵩密度が1.0〜80.0kg/mであることを特徴とするポリイミド繊維集合体である。
また、本願発明の別の発明は、ポリイミド繊維集合体を用いた断熱・吸音材である。
また、本願発明の別の発明は、ポリイミド繊維集合体を用いた吸音材料である。
また、本願発明の別の発明は、ポリイミド繊維集合体を用いた断熱材料である。
また、本願発明の別の発明は、ポリイミド繊維集合体を用いた難燃マットである。
また、本願発明の別の発明は、ポリイミド繊維集合体を用いた濾布である。
また、本願発明の別の発明は、ポリイミド繊維集合体を用いた耐熱服である。
また、本願発明の別の発明は、ポリイミド繊維集合体を用いた不織布である。
また、本願発明の別の発明は、ポリイミド繊維集合体を用いた航空機用断熱吸音材である。
また、本願発明の別の発明は、貯蔵弾性率の低下温度が200℃以上350℃以下の範囲にあるポリイミド樹脂からなるポリイミド繊維のみからなり、当該ポリイミド繊維同士が少なくとも一部結合されているポリイミド繊維集合体の製造方法であって、ポリイミド繊維の原料となるポリアミド酸溶液及び/又はポリイミド溶液流を気流にてひきとりながら紡糸して、捕集装置に積層して繊維集合体を作製し、最高加熱温度が、ポリイミド繊維の貯蔵弾性率の低下温度から−50℃以上+110℃以下の温度まで加熱・焼成することを特徴とするポリイミド繊維集合体の製造方法である。
本発明の断熱・吸音材料は、軽量であって、吸音特性に優れ、しかもヒートガン等の加熱装置により形状保持を容易にすることができる航空機用途に最適な断熱・吸音材料であり航空機の軽量化、燃費向上に役立つ製品である。更には、航空機用途に限らず、断熱の必要な配管の保温・断熱や、吸音の必要な空間の吸音材料、更には、嵩密度を上げることで防振や制震等の機能も発揮する製品である。
本願発明のポリイミド繊維集合体は、貯蔵弾性率の低下温度が200℃以上350℃以下の範囲にあるポリイミド樹脂からなるポリイミド繊維のみからなり、当該ポリイミド繊維同士が一部結合されているポリイミド繊維集合体である。
本願発明におけるポリイミド繊維とは、ポリイミド樹脂からなる繊維状の形状を有するポリイミド繊維を示す。本願発明におけるポリイミド樹脂とは、当該ポリイミド樹脂を用いて作製したポリイミドフィルムの動的粘弾性挙動を測定した際に、貯蔵弾性率が大きく低下するポリイミド樹脂である。より具体的には、窒素気流中で室温から400℃の間に、貯蔵弾性率が低下し始める温度を有し、その貯蔵弾性率の低下温度が200℃以上350℃以下になるものが本願発明に好適なポリイミド樹脂である。このようなポリイミド樹脂のみを用いることでポリイミド繊維の成形過程において、ポリイミド樹脂同士が融着して3次元架橋が進み、圧縮に対する耐性が向上するので好ましい。また、本願発明のポリイミド繊維集合体の特徴である熱成形性に関して350℃以下の温度で熱変形が生じるのでヒートガン等の簡便な装置で、曲面等の部位にはめこんだ後に形状を固定することができるので好ましい。一方、200℃より低い耐熱温度では、特殊環境における断熱・吸音材として十分な機能を発揮できない。さらには、断熱・吸音材の近傍に高温の炎が接近した場合に、容易に溶融してしまうため好ましくない。そのために、少なくとも200℃以上の貯蔵弾性率の低下温度を有していることが好ましい。また、ヒートガン等の簡便な装置で加熱して熱成型することを考慮すると貯蔵弾性率の低下温度は350℃以下であることが好ましい。なお、本発明の効果を阻害しない範囲において、非熱可塑性樹脂のような、貯蔵弾性率の低下温度が200℃以上350℃以下の範囲にあるポリイミド樹脂以外のポリイミド樹脂からなるポリイミド繊維やその他の繊維を用いても良い。
本願発明における貯蔵弾性率の低下温度とは、ポリイミド繊維の原料となるポリアミド酸溶液から25μm厚みのポリイミドフィルムを作製して、そのフィルムの動的粘度弾性挙動を測定した際に、貯蔵弾性率E’が大きく低下する温度を意味する。詳述すると、ポリイミドフィルムの製造方法は、ガラス基板上に最終ポリイミドフィルムの厚みが25μmになるようにポリアミド酸溶液を塗布して、室温のオーブンに投入して、300℃になるまで6℃/分の昇温速度で昇温させる。そして、室温になるまでゆっくりと冷却を行うことでガラス基板上にポリイミドフィルムを作製することができる。このポリイミドフィルムをガラス基盤から引き剥がし、9mmの幅で40mm長さに切り出して、セイコー電子(株)製 DMS200の装置にセットする。引張りモードで、下記の測定条件で行うことで動的粘弾性挙動を測定できる。
<測定条件>
プロファイル温度: 20℃〜400℃(昇温速度:3℃/分)但し、ポリイミドフィルムが溶融してしまう場合には、適宜温度を低下させることが好ましい。
周波数: 5Hz
Lamp.(交流歪振幅目標値): 20μm
Fbase(測定中のテンションの最小値):0g
F0gain(測定中にテンションを交流力振幅に応じて変化させる場合の係数):3.0。
この測定条件での測定によって、上述のプロファイル温度における貯蔵弾性率E’及び、損失弾性率E”の値がそれぞれ得られる。貯蔵弾性率E’の低下温度とは、急激に貯蔵弾性率が低下し始める時の温度である。図1の動的粘弾性を測定した例を用いて説明を行うと、貯蔵弾性率が変化し始めるまでの直線に対する接線50と、貯蔵弾性率が変化しはじめて変化し終わった直線に対する接線51とをひき、その交点52の温度を求める。この温度が貯蔵弾性率の低下温度となる。
また、本願発明のポリイミド繊維は、貯蔵弾性率の最低値53が1.00×10Pa以下であることが、ポリイミド繊維の融着を促し、ポリイミド繊維集合体を作製した場合に、圧縮に対する弾性回復力に優れるポリイミド繊維集合体を得ることができるので好ましい。本願発明における、貯蔵弾性率の最低値とは、貯蔵弾性率の低下し始める温度以上の温度で、貯蔵弾性率が最も低下する部位の温度を示す。図示するなら、図1の53に示す部位の貯蔵弾性率である。この値が、1.00×10Pa以下であることが好ましく、より好ましくは、5.00×10Pa以下であることが好ましい。
また、本願発明におけるポリイミド繊維を構成するポリイミド樹脂とは、原料として、少なくともピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物から選ばれる1種以上の酸二無水物と、少なくとも4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンから選ばれる1種以上のジアミンを用いたポリイミド樹脂であればよい。
中でも、本願発明で好適に用いることのできるポリイミド樹脂は、下記の組み合わせからなるポリイミド繊維である。特に下記の構造にすることでポリイミド樹脂の貯蔵弾性率の低下温度を200℃以上350℃以下の範囲に調整することができる。
(1)ピロメリット酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンからなるポリイミド樹脂であって、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを全ジアミンを100モルとした場合に30モル以上使用したポリイミド樹脂、
(2)ピロメリット酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンからなるポリイミド樹脂であって、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを全ジアミンを100モルとした場合に30モル以上使用したポリイミド樹脂、
(3)ピロメリット酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンからなるポリイミド樹脂であって、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンを全ジアミンを100モルとした場合に30モル以上使用したポリイミド樹脂、
(4)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるポリイミド樹脂、
(5)3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるポリイミド樹脂、
(6)2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるポリイミド樹脂、
(7)2,3,3’,4―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p-フェニレンジアミンからなるポリイミド樹脂、
(8)2,3,3’,4―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるポリイミド樹脂、
(9)2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンからなるポリイミド樹脂、
(10)2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物と、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンからなるポリイミド樹脂、
(11)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンからなるポリイミド樹脂が好適に用いられる。
尚、上記のポリイミド樹脂は、貯蔵弾性率の低下温度が好適な範囲になるように、下記の酸二無水物やジアミンを併用することができる。併用することのできる酸二無水物としては、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3´,4,4´−テトラカルボン酸二無水物、2,2´−ヘキサフルオロプロピリデンジフタル酸二無水物、4,4’―オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’―ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
尚、併用する酸二無水物の使用量は、全酸二無水物を100モルとした場合に、50モル以下で使用することが耐熱性を損なわないので好ましい。特に好ましい使用量は、30モル以下で使用することが好ましい。
また、併用できるジアミンとしては、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、(4−アミノフェノキシフェニル)(3−アミノフェノキシフェニル)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,3’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)] −1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、p-フェニレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、m−フェニレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、ビスフェノールA−ビス(4−アミノベンゾエート)、及び、下記一般式群(1)から選ばれるジアミン成分を用いることが好ましい。
(式中、o、p及びqは、それぞれ独立して、1〜30の整数を示す。R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、または芳香族基を示し、mは1〜40の整数、nは1〜20の整数を示す。R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基である。)。
特に、最終的に得られるポリイミド樹脂の耐熱性や耐薬品性を向上させるためには、芳香族系のジアミンである、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、を併用することが好ましい。特に、好ましくはp−フェニレンジアミンを併用することが好ましい。
更には、側鎖にカルボキシル基や水酸基を有するジアミノ化合物として、例えば、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシビフェニル、[ビス(4-アミノ-2-カルボキシ)フェニル]メタン、[ビス(4-アミノ-3-カルボキシ)フェニル]メタン、[ビス(3-アミノ-4-カルボキシ)フェニル]メタン、[ビス(3-アミノ-5-カルボキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、2,3−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニルを一部併用することもできる。
このような側鎖にカルボキシル基や、水酸基を有するジアミノ化合物を併用することでポリイミド繊維を他の反応性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)で硬化させるときに、硬化しやすくなるので好ましい。また、エポキシ樹脂等の反応活性点を持たせることで繊維同士の結合ができるので繊維同士の絡み合いが増えるので好ましくなる。
エポキシ樹脂等の反応性樹脂の反応方法としては、出来上がったポリイミド繊維を反応性樹脂溶液に浸漬したのち、加熱乾燥することで架橋したポリイミド繊維を得る方法や紡糸の際に反応性樹脂溶液を噴霧しながら紡糸する方法等の方法を採用することでポリイミド繊維を得ることができる。
本願発明で、併用することのできるジアミンの使用量は、全ジアミンを100モルとした場合に、60モル以下で使用することが耐熱性を損なわないので好ましい。特に好ましい使用量は、40モル以下で使用することが好ましい。また、芳香族系のジアミンと側鎖にカルボキシル基や水酸基を有するジアミノ化合物の使用割合は、適宜選定することが好ましい。特に、側鎖にカルボキシル基や水酸基を有するジアミノ化合物は、全ジアミンを100モルとした場合に、20モル以下で使用することでポリアミド酸溶液の貯蔵安定性を向上させることができるので好ましい。また、特に好ましい使用量は15モル以下である。
本願発明のポリアミド酸溶液に用いられる有機溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ―ブチロラクトン等の有機極性アミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等の水溶性エーテル化合物、プロピレングリコール、エチレングリコール等の水溶性アルコール系化合物、アセトン、メチルエチルケトン等の水溶性ケトン系化合物、アセトニトリル、プロピオニトリル等の水溶性ニトリル化合物等が用いられる。これらの溶媒は2種以上の混合溶媒として使用することも可能であり、特に制限されることはない。中でもN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンを用いることがポリアミド酸溶液の樹脂濃度を高くすることができるので好ましい。
本願発明に好適に用いられるポリアミド酸溶液は、上記の酸二無水物とジアミンを上記有機溶剤中で反応させて得られるポリアミド酸溶液である。
特に、ポリアミド酸の製造には、純度の高い酸二無水物を用いることが分子量を上げて紡糸し易いポリアミド酸溶液にする上で好ましい。本願発明で好ましい酸二無水物の純度は閉環構造を有する酸二無水物が、98%以上の純度で含有されている物を用いることが好ましく、特に好ましくは、99%以上の純度である。
本願発明におけるポリアミド酸溶液の製造方法では、前記酸二無水物と前記ジアミンの使用量がそれぞれのモル数に対する比として好ましくは0.90〜1.10で制御することで本願発明の紡糸に適したポリアミド酸溶液を調整することができる。より好ましくは0.95〜1.05で反応させポリアミド酸とすることが好ましい。このような反応比率で反応ささせることでポリアミド酸からポリイミドへのイミド化の際に分子量の低下が起きず、耐熱性、耐薬品性に優れるポリイミド繊維を製造することができるので好ましい。
ポリアミド酸溶液のポリマー濃度としては、固形分濃度として0.1〜50重量%、特に好ましくは1〜40重量%である。ポリアミド酸の重合条件としては、不活性ガス雰囲気下で−20〜60℃、好ましくは50℃以下で攪拌することで、目的とするポリアミド酸を重合することができる。
また、本願発明の繊維集合体は、貯蔵弾性率の低下温度が、200℃以上350℃以下であるポリイミド樹脂であれば良く、繊維集合体に用いられる原料は、上記のポリアミド酸溶液に限らない。例えば、上記ポリアミド酸溶液を一度イミド化した後に、再度、有機溶剤に溶解して紡糸原液として用いることもできる。更には、上記酸二無水物と下記に示す、ジイソシアネート化合物を反応させて得られるポリイミド樹脂を用いることもできる。
ジイソシアネート化合物としては例えば、ジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、3,2′−又は3,3′−又は4,2′−又は4,3′−又は5,2′−又は5,3′−又は6,2′−又は6,3′−ジメチルジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、3,2′−又は3,3′−又は4,2′−又は4,3′−又は5,2′−又は5,3′−又は6,2′−又は6,3′−ジエチルジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、3,2′−又は3,3′−又は4,2′−又は4,3′−又は5,2′−又は5,3′−又は6,2′−又は6,3′−ジメトキシジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,3′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,4′−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4′−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート、4,4′−[2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン]ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートを使用することが好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式イソシアネート及び3官能以上のポリイソシアネートを用いてもよく、経日変化を避けるために必要なブロック剤で安定化したものを使用してもよい。ブロック剤としては、アルコール、フェノール、オキシム等があるが、特に制限はない。
尚、酸二無水物とジイソシアネートの配合量を、酸無水物基数とイソシアネート基数の比率が、イソシアネート基/酸無水物基=0.95〜1.05になるように無溶媒あるいは有機溶媒中で反応させることで本願発明に好適なポリイミド樹脂を得ることができる。
この時の反応温度は、60〜250℃とすることが好ましく、より好ましくは、60〜200℃であり、特に好ましくは70℃〜180℃である。反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件などにより適宜選択することができる。
また、無溶剤で反応させることもできるが、ポリイミド樹脂を安定的に生産する上で、溶剤系で反応させることが好ましい。例えば有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類、メチルモノグライム(1,2-ジメトキシエタン)、メチルジグライム(ビス(2-メトキシエテル)エーテル)、メチルトリグライム(1,2−ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)、メチルテトラグライム(ビス[2−(2−メトキシエトキシエチル)]エーテル)、エチルモノグライム(1,2−ジエトキシエタン)、エチルジグライム(ビス(2−エトキシエチル) エーテル)、ブチルジグライム(ビス(2−ブトキシエチル)エーテル)等の対称グリコールジエーテル類、γ―ブチロラクトンやN−メチル−2−ピロリドン、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、n―プロピルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名、カルビトールアセテート、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル))、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3―ブチレングリコールジアセテート等のアセテート類や、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,3―ジオキソラン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールものエチルエーテル等のエーテル類の溶剤を用いることもできる。
尚、反応の際に用いられる溶剤量は、反応溶液中の溶質(酸二無水物とジイソシアネート類)の溶質重量濃度が5重量%以上90重量%以下となることが好ましく。更に好ましくは、10重量%以上80重量%以下となることが好ましい。上記濃度に調整することで、重合反応が起こり安く所望の構造物質が得られるので好ましい。
必要に応じて、三級アミン類、アルカリ金属、アルカリ土類金属、錫、亜鉛、チタニウム、コバルト等の金属又は半金属化合物等の触媒存在下に反応を行っても良い。
上記ポリアミド酸溶液もしくは、ポリイミド溶液は、紡糸する前に、脱水剤、イミド化触媒、各種フィラー、酸化防止剤、難燃剤、消泡剤、潤滑材、着色剤等を1種あるいは2種以上、混合しておくこともできる。脱水剤としては、無水酢酸が好ましく用いられる。イミド化触媒としては、3級アミンを用いることが好ましく、より好ましいものは、ピリジン、ピコリン、イソキノリンを用いることが好ましい。
尚、本願発明の紡糸用途のポリアミド酸溶液もしくはポリイミド樹脂溶液は、B型粘度計で測定した場合に、23℃で300ポイズ以上10000ポイズ以下の溶液粘度を有することが紡糸したときに安定して紡糸できるので好ましい。特に好ましくは、溶液粘度は500ポイズ以上6000ポイズ以下、特に好ましい溶液粘度は1000ポイズ以上4000ポイズ以下に制御することが好ましい。
さらに、B型粘度計で10回転/分で測定した場合と、2回転/分で測定した場合の粘度から下記一般式(1)を用いて算出されるチキソ指数が1.00以上1.50以下であることが、紡糸繊維を気流で引き伸ばした時に安定して紡糸されやすいので好ましい。特に、チキソ指数が1.5より大きくなると溶液を気流で紡糸する際に、伸びなく紡糸できなくなるので好ましくない。また、本願発明の紡糸方法では、より好ましいチキソ指数は、1.00以上1.20以下である。このような範囲にすることで紡糸繊維をより細く紡糸することができるので好ましい。
チキソ指数 = (2回転/分におけるポリアミド酸溶液もしくはポリイミド樹脂溶液の粘度)/(10回転/分におけるポリアミド酸溶液もしくはポリイミド樹脂溶液の粘度) 一般式(1)。
<紡糸方法>
本願発明のポリイミド繊維の製造方法は、上記ポリアミド酸溶液及び/又はポリイミド溶液を、気流にて引き取りながら紡糸し、積層してなるポリイミド繊維の製造方法を用いることで作製しうる。紡糸繊維の詳細な製造装置を図2を用いて説明を行う。
本願発明のポリイミド繊維の製造方法は、図2に示す気流発生装置1により発生した気流4により、紡糸口金2から吐出された紡糸原液(ポリアミド酸溶液もしくはポリイミド溶液)5を引き取ることにより表面の有機溶剤を一部除去しながら紡糸する方法である。つまり、気流にて引き取るとは、紡糸口金2から吐出された紡糸原液を外力(気流)にて紡糸原液を繊維状に引き伸ばしながら短繊維もしくは、長い繊維状に成型することを意図している。外力として気流以外の外力を併用することも可能であるが少なくとも気流は必ず用いている方法が本願発明における気流にて引き取る方法である。また、この気流により引き取ることにより室温付近での乾燥が難しい、高沸点溶剤であっても容易に乾燥することができるので紡糸したポリアミド酸溶液もしくはポリイミド溶液が引き伸ばされた繊維表面から効率よく溶剤を除去することができる。
本願発明のポリイミド繊維の繊維径は、紡糸口金2のオリフィス径及び、ポリアミド酸溶液もしくはポリイミド溶液の吐出量により制御することができる。オリフィス径が小さい程、ポリイミド繊維の繊維径を小さくすることができ、ポリアミド酸溶液もしくはポリイミド溶液の吐出量が少ない程、ポリイミド繊維の繊維径を小さくすることができる。
本願発明の紡糸口金2のオリフィス径としては、直径0.01mm〜1.00mmの物を用いることが繊維を紡糸する際に安定的に紡糸できると共に、最終的に得られるポリイミド繊維の繊維径を100μm以下、好ましくは0.5〜50μmの範囲に制御し易くなるので好ましい。特に好ましいオリフィス径は、直径0.05mm〜0.80mmのオリフィスを用いることが好ましい。また、紡糸口金2の吐出口のオリフィス形状は、円形、楕円形、星型、アレイ型等、どのような形状でも使用することができる。特に、円形のオリフィスを用いることが紡糸繊維表面の溶剤量をコントロールし易くなるので好ましい。
上記オリフィスに流すポリアミド酸溶液もしくはポリイミド溶液の流量は、オリフィス径と固形分濃度から適宜選定される。特に、ポリイミド繊維が太い場合には、ポリアミド酸溶液もしくはポリイミド溶液の吐出量を低下させることで100μm以下、好ましくは0.5〜50μmの繊維径に制御することができる。
本願発明におけるポリアミド酸溶液もしくはポリイミド溶液5をひきとるための気流4は5m/秒以上400m/秒以下の風速を有していることが好ましく、特に好ましくは10m/分以上350m/秒以下であることが紡糸繊維を細くすることができるので好ましい。また、紡糸繊維の表面から効率よく溶剤を揮発させることができるので好ましい。
上記、気流によりひきとられたポリアミド酸溶液もしくはポリイミド溶液は、捕集装置8により捕集される。捕集装置8の表面は、気流を上手く逃がすために、金網状の捕集装置11のようになっていることが好ましい。また、捕集装置8と紡糸口金2との距離は、1m以上が好ましく、特に2m以上であることが好ましい。捕集装置8と紡糸口金2の距離を1m以上に制御することで紡糸されたポリアミド酸繊維もしくはポリイミド繊維表面の溶剤濃度が低くなり、嵩密度の小さいポリアミド酸繊維もしくはポリイミド繊維の集合体となる。このようにして、最終的に得られるポリイミド繊維からなる集合体の嵩密度を1.0〜80.0kg/mに制御することができる。特に、嵩密度を低くするには、捕集装置8と紡糸口金2の距離を遠くすることが好ましい。また、嵩密度を高めるには、捕集装置8と紡糸口金2の距離を近くすることが好ましい。
次いで、積層したポリアミド酸もしくはポリイミド繊維の集合体3は、ベルトから引き剥がされて搬送方向6の方向に搬送される。搬送されたポリアミド酸もしくはポリイミド繊維の集合体3は、インライン中或いはオフラインの加熱・乾燥装置9により残留揮発分を乾燥・除去すると共に、加熱イミド化される。また、ポリアミド酸もしくはポリイミド繊維の集合体3は、端部を固定して搬送し、加熱・乾燥を実施する。或いは、搬送台上にのせて加熱・乾燥することができる。また、オフライン装置では、ポリアミド酸もしくはポリイミド繊維の集合体3を特定の成形装置に入れて焼成することでポリイミド繊維の集合体を作製することも可能である。
ポリアミド酸もしくはポリイミド繊維の集合体3の加熱・乾燥は、最高加熱温度が、ポリイミド繊維の貯蔵弾性率の低下温度から−50℃以上+110℃以下の範囲にて焼成することで本願発明に好ましいポリイミド繊維集合体を得ることができる。
本願発明における最高加熱温度とは、ポリイミド繊維の加熱・焼成工程においてもっとも高い温度を示し、例えば、100℃、200℃、300℃、400℃といった異なる加熱温度で加熱した場合には、最も高い温度である400℃を最高加熱温度とする。また、最高加熱温度は、貯蔵弾性率の低下温度から−50℃以上+110℃以下であれば良く、その温度に達するまでの加熱温度は特に限定されるものではないが、好ましくは、最高加熱温度に達するまでには、その温度以下の温度で焼成した後に最高加熱温度で加熱することが好ましい。このような温度履歴を経ることでポリイミド繊維のイミド化率を100%近くに達することができるので好ましい。なお、最高加熱温度までの温度履歴はポリイミド繊維の化学構造から適宜選定することが好ましい。
最高加熱温度を貯蔵弾性率の低下温度から、−50℃以上+110℃以下の範囲で焼成することで完全にイミド化反応を進めることができると共に、繊維同士が融着しやすくなるので好ましい。また、最高加熱温度が、貯蔵弾性率の低下温度から−50℃以下の温度で焼成すると完全にイミド化反応が進まず、加水分解等により分解しやすくなるので好ましくない。また、加熱温度が高すぎると、ポリイミド繊維が溶けて密度が高くなりすぎるので好ましくない。このような温度範囲で焼成することで繊維集合体の嵩密度を1.0〜80.0kg/mに調整することが可能となる。特に、本願発明のポリイミド繊維集合体の製造方法を用いた場合には、繊維集合体の嵩密度を1.0〜10.0kg/mと非常に低い範囲に制御することが可能となる。このように嵩密度を低くすることで航空機用断熱吸音材として用いることで、航空機を軽量化することができ燃費向上等に大きく貢献することになる。
ポリアミド酸繊維もしくはポリイミド繊維集合体の加熱・乾燥・焼成の時間については適宜選定することが好ましい。
また、本願発明のポリイミド繊維は、成形工程において気流により引き取られながら紡糸される。気流は、一方向からあてられるので、ポリアミド酸もしくは、ポリイミド溶液の気流があたる面と、その反対面では乾燥状態が異なる。その為、ポリアミド酸もしくはポリイミド繊維の集合体3を乾燥すると収縮応力の違いから繊維が湾曲することになる。湾曲したポリイミド繊維は、嵩密度を小さくする効果を発揮する。本願発明のポリイミド繊維は、曲率半径で1μm以上1m以下の曲率半径を持つことが好ましい。
ポリアミド酸もしくはポリイミド繊維の集合体3は、加熱・乾燥することでポリイミド繊維の集合体7となる。このポリイミド繊維の集合体7は、巻き取り装置10により巻き取られることで、ロール状のポリイミド繊維の集合体のロール12を形成することができる。
本願発明のポリイミド繊維集合体は、貯蔵弾性率の低下温度を有するポリイミド樹脂のみからなり、ヒートガン等の加熱処理装置により熱成型による形状保持が容易に行える特徴を有している。このような特徴を有することから断熱・吸音材料を曲面や凹凸部に沿わしてはめ込んだ後に加熱処理を行うことで形状が保持されて隙間なく敷き詰められることから、高い断熱性能や高い吸音性能を発現することができる。本願発明のポリイミド繊維集合体を熱成型するには、貯蔵弾性率の低下温度よりも10℃以上高い温度で加熱することが好ましく、特に好ましくは、30℃以上高い温度で加熱することが好ましい。
なお、貯蔵弾性率の低下温度よりも200℃以上高い温度で加熱するとポリイミド繊維集合体が熱融解するので好ましくない。そのため、熱成型するには、貯蔵弾性率の低下温度よりも10℃以上200℃以下の温度範囲で加熱することが好ましい。このような温度で焼成することで加熱前の嵩密度を保った状態で熱成型が容易に行えるので好ましい。
本願発明のポリイミド繊維の集合体は、高い空隙率を有するので吸音特性に優れており、特に、航空機用途の断熱・吸音材料としては好適に用いられる。また、他の用途としては例えば建築部材用途の吸音材料、車内や列車内の騒音を減らすための吸音材料、音響設備に用いられる吸音材料等の各種吸音材料に好適に用いることができる。
また、高い空隙率を有しているので、例えば建築部材用途の断熱材料や、車のエンジンルーム内の断熱材料や、車内や列車内の断熱材料、各種高温配管を覆う断熱材料等の各種断熱材料にも好適に用いることができる。特に好適には、軽量であることから航空機用途の断熱材料として好適に用いることができる。
また、非可塑性ポリイミド繊維でできているので、高い難燃性が求められる航空機用途の難燃カーペット代替や、難燃毛布代替等の難燃マットの用途にも広く用いることができる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<平均繊維径>
平均繊維径の測定方法は、電子顕微鏡(日本電子データム株式会社製、JSM−6380LA)により繊維径を30本測定した。異形断面を有する繊維に関しては、繊維の最大の幅を直径として算出した。その平均値を平均繊維径とした。
<ポリイミド樹脂の貯蔵弾性率の低下温度の測定>
ポリアミド酸溶液もしくはポリイミド溶液を、厚みが1cmのガラス基板上に塗布して、室温から300℃まで6℃/分の昇温速度で昇温させて焼成を行った。出来上がったガラス基板上のポリイミドフィルムは完全に冷却した後に、水中に沈めることで引き剥がした。このポリイミドフィルムを50℃のオーブン中で30分かけて完全に乾燥を行った。
乾燥したポリイミドフィルムを、9mm幅×40mm長さに切り出して、セイコー電子(株)製 DMS200の装置にセットした後に、引張りモードで、下記の測定条件で行った。
<測定条件>
プロファイル温度: 20℃〜400℃(昇温速度:3℃/分)但し、ポリイミドフィルムが溶融してしまう場合には、適宜温度を低下させた。
周波数: 5Hz
Lamp.(交流歪振幅目標値): 20μm
Fbase(測定中のテンションの最小値):0g
F0gain(測定中にテンションを交流力振幅に応じて変化させる場合の係数):3.0
この測定条件での測定によって、上述のプロファイル温度における貯蔵弾性率E’及び、損失弾性率E”の値がそれぞれ得られる。貯蔵弾性率E’の低下温度とは、急激に貯蔵弾性率が低下し始める時の温度である。図1の動的粘弾性を測定した例を用いて説明を行うと、貯蔵弾性率が変化し始めるまでの直線に対する接線50と、貯蔵弾性率が変化しはじめて変化し終わった直線に対する接線51とをひき、その交点52の温度を求める。この温度が貯蔵弾性率の低下温度となる。
<垂直入射吸音率測定>
ASTM−E−1050の垂直入射吸音率試験に準じて、サンプル径φ29mm、厚み2.54cm(1インチ)、背後空気層0mm、測定周波数域500〜6300Hz(1/3オクターブバンド)の条件にて測定した。
<嵩密度の測定方法>
得られた非ポリイミド繊維の集合体を10cm×10cm×2.5cmに切り出して、その重量を測定して嵩密度を測定した。
<燃焼性試験方法>
1.5cm×20cm×2.5cm厚みのサンプルを切り出して、長さ方向が重力方向に向くように設置し、サンプル下部にULバーナーにメタンガス105ml/分の流量で流し、そのガスを燃焼させて得られる炎にて60秒間燃焼した後、燃焼が全長に渡っておこらないものを合格と判断した。
<熱成型性>
評価サンプル23を40cm×10cm×2.5cmに切り出して、図3に示す様に凸型の金属製の金具21(凸部の高さが5cm)に押し付けて、ヒートガン22にて加熱して室温に戻した時に、形状が固定して凸部を覆い隠している場合(図3(3a))には○、凸部に沿った形状を保持できない場合(図3(3b))には×と評価した。尚、加熱温度は、貯蔵弾性率の低下温度よりも10℃以上200℃以下の温度範囲で調整することが好ましく、本願発明の実施例では、表1記載の温度で熱成型を実施した。
(合成例1)
チッソ置換を行った2Lのガラス製セパラブルフラスコ中に、溶液を攪拌するための攪拌翼を取りつけた反応装置内で反応を行った。まず、4,4−ジアミノジフェニルエーテル(以下、4,4’-ODAと略す)18.0g(0.09モル)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下、BAPPと略す)86.3g(0.21モル)をN,N−ジメチルホルムアミド769gに溶解する。この溶液を40℃に保温した。この溶液中に、ピロメリット酸二無水物(以下PMDAと略す)65.5g(0.30モル)を投入して完全に溶解した。この溶液に0.33gのPMDAを4.18gのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した溶液を少量づつ添加して、溶液の粘度が23℃で1860ポイズになった時点で添加を止めて紡糸用の高分子樹脂溶液とした。尚、この溶液の23℃での粘度をB型粘度計で10回転/分と2回転/分の2つの回転数で溶液の粘度測定を行い、その溶液粘度からチキソ指数を求めると1.07であった。固形分濃度は18%であった。このポリイミド樹脂からポリイミドフィルムを作製して、貯蔵弾性率の測定を行ったところ、貯蔵弾性率の低下温度は305℃であった。
(合成例2)
チッソ置換を行った2Lのガラス製セパラブルフラスコ中に、溶液を攪拌するための攪拌翼を取りつけた反応装置内で反応を行った。まず、4,4’-ODAを30.1g(0.15モル)、BAPP61.6g(0.15モル)をN,N−ジメチルホルムアミド712gに溶解する。この溶液を40℃に保温した。この溶液中に、ピロメリット酸二無水物(以下PMDAと略す)65.2g(0.299モル)を投入して完全に溶解した。この溶液に0.30gのPMDA(0.001モル)を4.18gのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した溶液を少量づつ添加して、溶液の粘度が23℃で1200ポイズになった時点で添加を止めて紡糸用の高分子樹脂溶液とした。尚、この溶液の23℃での粘度をB型粘度計で10回転/分と2回転/分の2つの回転数で溶液の粘度測定を行い、その溶液粘度からチキソ指数を求めると1.03であった。固形分濃度は18%であった。このポリイミド樹脂からポリイミドフィルムを作製して、貯蔵弾性率の測定を行ったところ、貯蔵弾性率の低下温度は316℃であった。
(合成例3)
チッソ置換を行った2Lのガラス製セパラブルフラスコ中に、溶液を攪拌するための攪拌翼を取りつけた反応装置内で反応を行った。まず、4,4’-ODAを60.1g(0.300モル)をN,N−ジメチルホルムアミド670gに溶解する。この溶液を30℃に保温した。この溶液中に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと略す)87.9g(0.299モル)を投入して完全に溶解した。この溶液に0.44gの3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を5.81gのN,N−ジメチルホルムアミドに分散してスラリー溶液とした溶液を少量づつ添加して、溶液の粘度が23℃で1660ポイズになった時点で添加を止めて紡糸用の高分子樹脂溶液とした。尚、この溶液の23℃での粘度をB型粘度計で10回転/分と2回転/分の2つの回転数で溶液の粘度測定を行い、その溶液粘度からチキソ指数を求めると1.01であった。固形分濃度は18.0%であった。このポリイミド樹脂からポリイミドフィルムを作製して、貯蔵弾性率の測定を行ったところ、貯蔵弾性率の低下温度は303℃であった。
(実施例1〜3)
合成例1〜3で得られたポリアミド酸溶液を用いて紡糸実験を行った。紡糸実験は図2と同様の装置を用いて行った。但し、捕集装置8は固定した状態で紡糸を行い、得られたポリアミド酸繊維の集合体を下記条件で焼成して繊維集合体を得た。
紡糸口金2からのポリアミド酸溶液5の吐出量及び紡糸口金2のオリフィス径は表1に記載の条件で吐出して紡糸を行った。図2記載の紡糸方法に沿って説明を行うと、まず、紡糸口金2のオリフィスから気流発生装置1の吐出口までの距離は20cmに設置し、気流4はポリアミド酸溶液をひきとるように、ポリアミド酸溶液の吐出方向に垂直に気流があたるように設定して紡糸を行った。気流発生装置1からの風速はポリアミド酸繊維と交差するポイントでの風速を測定した結果を表1に記載する。この紡糸繊維を、2.0m飛行させて捕集ネット11上で捕集した。この状態で5時間捕集を行い、一部溶剤が残ったポリアミド酸繊維の集合体を得た。このポリアミド酸繊維の集合体を、捕集ネット11から取り外して、金属製の容器に入れて加熱・乾燥を行った。加熱温度は、100℃のオーブンで3分間乾燥を行い、表1記載の最高温度まで、1時間かけて序除に温度を上げた。表1記載の最高温度の状態で5分間焼成を行いポリイミド繊維の集合体を得た。
得られたポリイミド繊維の集合体の物性評価を行った。その結果を表1に纏める。
(参考例1)
現在航空機用途に使用されている低嵩密度のガラスウール製の断熱・吸音材料(Johns Manville社製、Microliter(登録商標) AA Premium NR、嵩密度5.5kg/m品)について同一条件で測定を行った。
動的粘弾性挙動の測定結果の例 本願発明の紡糸装置の模式図 熱成形性の試験方法に関する説明図 ポリイミド繊維の繊維集合体(実施例1)の写真 ポリイミド繊維の繊維集合体(実施例2)の写真 ポリイミド繊維の繊維集合体(実施例3)の写真
符号の説明
1 気流発生装置
2 紡糸口金
3 ポリアミド酸繊維もしくはポリイミド繊維の集合体
4 気流
5 ポリアミド酸溶液もしくはポリイミド樹脂溶液
6 搬送方向
7 ポリイミド繊維の集合体
8 捕集装置
9 加熱・乾燥装置
10 巻き取り装置
11 金網状の捕集装置
12 ポリイミド繊維の集合体のロール
21 凸型の金属製の金具
22 ヒートガン(加熱処理装置)
23 評価サンプル
50 貯蔵弾性率が変化し始めるまでの直線に対する接線
51 貯蔵弾性率が変化しはじめて変化し終わった直線に対する接線
52 交点(貯蔵弾性率の変曲温度)
53 貯蔵弾性率の最低値

Claims (10)

  1. 貯蔵弾性率の低下温度が200℃以上350℃以下の範囲にあるポリイミド樹脂からなるポリイミド繊維のみからなり、当該ポリイミド繊維同士が少なくとも一部結合されており、
    平均繊維径が1〜100μmであって、嵩密度が1.0〜10.0kg/mであることを特徴とするポリイミド繊維集合体。
  2. 前記ポリイミド樹脂は、原料として、少なくともピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物から選ばれる1種以上の酸二無水物と、少なくとも4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンから選ばれる1種以上のジアミンを用いたポリイミド樹脂であることを特徴とする請求項1記載のポリイミド繊維集合体。
  3. 請求項1又は2に記載のポリイミド繊維集合体を用いて得られる吸音材料。
  4. 請求項1又は2に記載のポリイミド繊維集合体を用いて得られる断熱材料。
  5. 請求項1又は2に記載のポリイミド繊維集合体を用いて得られる難燃マット。
  6. 請求項1又は2に記載のポリイミド繊維集合体を用いて得られる濾布。
  7. 請求項1又は2に記載のポリイミド繊維集合体を用いて得られる耐熱服。
  8. 請求項1又は2に記載のポリイミド繊維集合体を用いて得られる不織布。
  9. 請求項1又は2に記載のポリイミド繊維集合体を用いて得られる航空機用断熱吸音材。
  10. 貯蔵弾性率の低下温度が200℃以上350℃以下の範囲にあるポリイミド樹脂からなるポリイミド繊維のみからなり、当該ポリイミド繊維同士が少なくとも一部結合されているポリイミド繊維集合体の製造方法であって、
    前記ポリイミド繊維集合体における繊維の平均繊維径が1〜100μmであって、繊維集合体の嵩密度が1.0〜10.0kg/mであり、
    ポリイミド繊維の原料となるポリアミド酸溶液及び/又はポリイミド溶液流を気流にてひきとりながら紡糸して、捕集装置に積層して繊維集合体を作製し、最高加熱温度が、ポリイミド繊維の貯蔵弾性率の低下温度から−50℃以上+110℃以下の温度まで加熱・焼成することを特徴とするポリイミド繊維集合体の製造方法。
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