JP5806567B2 - ポリイミド繊維およびそれを用いた繊維構造物 - Google Patents

ポリイミド繊維およびそれを用いた繊維構造物 Download PDF

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本発明は、耐熱性・難燃性に優れるとともに、染色性にも優れるポリイミド繊維、及びそれを用いた繊維構造物に関する。
ポリエーテルイミド繊維は、耐熱性、難燃性に優れる繊維であり、産業資材分野、電気電子分野、農業資材分野、アパレル分野、光学材料分野、航空機・自動車・船舶分野などをはじめとして多くの用途に極めて有効に使用されている。
ポリイミド繊維は、例えば、特許文献1(特開2009-228189)に記載されるように、有機溶剤可溶性のポリアミド酸を乾式紡糸法により紡糸してポリアミド酸繊維を得た後、これをイミド化して製造することができ、この文献では、得られたポリイミド繊維が耐熱性に優れていることが記載されている。
また、非特許文献1(繊学誌,vol. 42,T554)には、ポリイミド繊維の湿式紡糸法が記載され、そこで、高強度・高弾性率であるポリイミド繊維について検討されている。
特開2009-228189号公報
繊学誌,vol. 42,T554
しかしながら、前記文献には、ポリイミド繊維について、耐熱性、強度、弾性率についての検討はなされているが、耐熱性、難燃性であるだけでなく、染色可能な繊維については、何ら検討されていない。
従って本発明の目的は、耐熱性であるだけでなく、難燃性をも有しているポリイミド繊維を提供することにある。
本発明の別の目的は、繊維としての強伸度を充分満足させるだけでなく、さらに易染色性を有しているポリイミド繊維を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、このような優れたポリイミド繊維をもちいた繊維構造物を提供することにある。
本発明者は、前記問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、(i)特定の構造を有する芳香族酸無水物同士を組み合わせるとともに、さらに(ii)これらの酸無水物の割合を特定の割合にしてポリアミド酸繊維を形成し、このポリアミド酸繊維をイミド化することにより、従来では得ることが不可能であった耐熱性、難燃性であるだけでなく、染色可能な繊維を得ることが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のポリイミド繊維は、下記式(I):
Figure 0005806567
(式中、R1は、直鎖または分岐鎖のC1−3アルキレン基、または−O−を表す。)
で表される少なくとも1種の芳香族酸無水物(A)と、
下記式(II)および(III):
Figure 0005806567
(式中、R2は、直接結合、−CO−、または−O−を表す。)
からなる群から選ばれた少なくとも1種の芳香族酸無水物(B)と、
芳香族ジアミンとを重合し;
前記芳香族酸無水物(A)と前記芳香族酸無水物(B)との割合(重量比)が、95/5〜15/85の範囲となるように配合して得られたポリアミド酸繊維が、イミド化されたポリイミド繊維である。
前記ポリイミド繊維は、通常、染顔料による染色性に優れている。また、耐熱性にも優れているため、250℃における乾熱収縮率が、5%以下であってもよい。
前記ポリイミド繊維は、さらに難燃性にも優れており、例えば、JIS L 1091 E法に準じた燃焼性試験において、限界酸素指数値(LOI値)が25以上であってもよい。
本発明は、前記ポリイミド繊維を含む繊維構造物についても包含し、繊維構造物としては、例えば、紐類、ロープ類、布帛、耐熱性フィルター、および繊維製品などを例示することができる。
本発明のポリイミド繊維は、耐熱性であるだけでなく、難燃性をも有している。
また、本発明のポリイミド繊維は、繊維としての強伸度を充分満足させるだけでなく、さらに易染色性も有している。
さらにまた、本発明では、このような優れた性質を有するポリイミド繊維を、用いた各種繊維構造物を得ることができる。
本発明のポリイミド繊維は、下記式(I)で表される少なくとも1種の芳香族酸無水物(A)と、下記式(II)および(III)からなる群から選ばれた少なくとも1種の芳香族酸無水物(B)と、芳香族ジアミンと、を重合してなるポリアミド酸溶液を、乾式紡糸、乾湿式紡糸、または湿式紡糸してポリアミド酸繊維を得て、このポリアミド酸繊維をイミド化することにより得られた繊維である。
Figure 0005806567
(式中、R1は、直鎖または分岐鎖のC1−3アルキレン基、または−O−を表す。)
Figure 0005806567
(式中、R2は、直接結合、−CO−、または−O−を表す。)
芳香族酸無水物(A)としては、好ましくは、式(I)においてR1が−CH−、−C(CH−、および/または−O−である酸無水物であってもよく、より好ましくは、式(I)においてR1が−C(CH−である酸無水物であってもよい。
また、芳香族酸無水物(B)としては、好ましくは、式(II)の化合物であってもよい。
ここで、前記芳香族酸無水物(A)と前記芳香族酸無水物(B)との割合(重量比)は、(A)/(B)=95/5〜15/85の範囲となるように配合することが必要である。
芳香族酸無水物(A)の割合が少なすぎると、得られるポリイミド繊維の染色性が低減し、芳香族酸無水物(B)の割合が少なすぎると、紡糸が困難となる。好ましくは、(A)/(B)=90/10〜20/80であってもよく、より好ましくは(A)/(B)=88/12〜30/70であってもよい。
本願発明に好適に用いることのできる芳香族ジアミンとしては、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタンなどを例示することができる。これらの芳香族ジアミンは、単独で、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、p−フェニレンジアミンを好ましく使用することが出来る。
本願発明のポリアミド酸溶液は、上記芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンとを有機溶剤溶液中で反応させることで合成することができる。
上記ポリアミド酸溶液の合成に用いられる有機溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ―ブチロラクトン等の有機極性アミド系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等の水溶性エーテル系溶剤、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、エチレングリコール等の水溶性アルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル等の水溶性ニトリル系溶剤等が用いられる。
得られたポリアミド酸溶液の粘度は、B型粘度計で測定した場合に、23℃で1〜100Pa・s程度であってもよく、好ましくは5〜80Pa・s程度、より好ましくは10〜40Pa・s程度であってもよい。
なお、ポリアミド酸溶液には、必要に応じて、脱水剤(例えば、)イミド化触媒、各種フィラー、酸化防止剤、難燃剤、消泡剤、潤滑剤、着色剤等の添加剤を混和してもよい。これらの添加剤は、単独で、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。イミド化触媒としては、3級アミンを用いることが好ましく、より好ましいものは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン、イソキノリンを用いることが好ましい。
得られた紡糸原液は、通常、ノズルからポリイミドに対して固化能を有する固化液あるいは、気体中に吐出される。紡糸形式としては、湿式紡糸、乾湿式紡糸あるいは乾式紡糸などが挙げられる。なお、湿式紡糸とは、紡糸ノズルから直接固化浴に紡糸原液を吐出する方法のことであり、乾湿式紡糸とは、紡糸ノズルから一旦任意の距離の空気中あるいは不活性ガス中に紡糸原液を吐出し、その後に固化浴に導入する方法のことである。また、乾式紡糸とは、空気中あるいは不活性ガス中に紡糸原液を吐出する方法のことである。
本発明のポリイミド繊維は、湿式紡糸または乾湿式紡糸で製造するのが好ましく、特に乾湿式紡糸で製造するのが好ましい。
本発明において、湿式紡糸または乾湿式紡糸の際に用いる固化浴としては、紡糸されたポリイミドに対して固化能を有する限り特に限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノ−ル、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類等の有機溶媒を用いることができる。これらのうち、環境への付加が少ないため水が好ましい。
次に固化された原糸は、適宜、室温などで減圧乾燥させた後、熱処理による固相反応を経て、イミド化される。熱処理は、通常、不活性雰囲気下(窒素、アルゴン等の不活性ガス中)で行なわれる。熱処理は、一定の温度で行ってもよいし、順次昇温して行なってもよい。
好ましい熱処理の温度条件は、室温から400℃程度まで順次昇温することであり、この場合、室温を経て、複数の温度にそれぞれ設定された加熱炉を順次通過することにより、加熱温度を昇温する。例えば、各加熱炉の温度は、第1の加熱炉が100℃以上200℃未満に、第2の加熱炉が200℃以上300℃未満に、そして第3の加熱炉が300〜400℃程度に、それぞれ設定されていてもよい。
イミド化された繊維は、必要に応じて、延伸処理される。延伸は、公知または慣用の手段により行うことができ、例えば300℃以上(例えば、350〜400℃程度)で延伸を行うことができる。また、延伸倍率としては、1.1倍以上(好ましくは1.5〜3倍程度)であってもよい。なお、ここでいう延伸倍率とは、固相反応を経てイミド化した繊維に対して行なわれる乾熱延伸倍率を意味している。
[ポリイミド繊維の性質]
このようにして得られたポリイミド繊維は、耐熱性、難燃性、染色性、強度に優れた繊維である。また、ポリイミド繊維は、フィラメントまたはステープルのいずれの形態であってもよく、フィラメントは、モノフィラメントであってもマルチフィラメントのいずれであってもよい。
ポリイミド繊維の単繊維繊度は、用途に応じて1〜100dtex程度の広い範囲から適宜設定することができるが、例えば、3〜60dtex程度であってもよく、好ましくは5〜50dtex程度であってもよい。
(ポリイミド繊維の強度)
例えば、ポリイミド繊維では、室温下(例えば25℃)での強度が、1.0cN/dtex以上(例えば、1.3〜10cN/dtex程度)、好ましくは2.0cN/dtex以上(例えば、2.3〜8cN/dtex程度)、さらに好ましくは3.0cN/dtex以上(例えば、3.3〜6cN/dtex程度)を示してもよい。なお、前記強度は、後述する実施例に記載した方法により測定される値である。
(ポリイミド繊維の伸度)
ポリイミド繊維の伸度は、糸を構成する単繊維繊度や糸全体の繊度に応じて、適宜定められるが、例えば、10〜60%程度、好ましくは20〜50%程度であってもよい。なお、前記伸度は、後述する実施例に記載した方法により測定される値である。
(ポリイミド繊維の耐熱性)
本発明のポリイミド繊維は、耐熱性の尺度として、250℃における乾熱収縮率が、5%以下であってもよく、好ましくは3%以下であってもよく、さらに好ましくは1%以下であってもよい。なお、前記乾熱収縮率は、後述する実施例に記載した方法により測定される値である。
(ポリイミド繊維の難燃性)
本発明のポリイミド繊維は、難燃性の尺度として、JIS L 1091 E法に準じた燃焼性試験において、限界酸素指数値(LOI値)が25以上であってもよく、好ましくは28以上であってもよく、さらに好ましくは30以上であってもよい。なお、前記燃焼性試験は、後述する実施例に記載した方法により測定される値である。
(ポリイミド繊維の染色性)
本発明のポリイミド繊維は、特に染色性に優れており、幅広い種類の染料(例えば、酸性染料、カチオン染料、分散染料、建染染料など)、顔料によって良好に染色され得る。本発明のポリイミド繊維は、特に、分散染料を用いて染色可能であるため、多種多様な色へと染色することができるだけでなく、高い堅牢度の染色物を得ることができる。
例えば、好適な分散染料としては、拡散性がよく、無機性/有機性比において無機性が高い染料であり、一般的に水酸基やハロゲンを含む染料が挙げられ、具体的には、例えば、ダイスターk(株)製「Dianix Yellow E-3G」、「Dianix Red E-FB」、「Dianix Orange 2G-FS」、「DianixBlue 3RSF」、「Dianix Blue S-2G」、「Dianix Blue TA-N」、「Dianix Navy S-2G」、日本化薬(株)製「Kayalon Micro Yellow AQ-LE」、「Kayalon Micro Red AQ-LE」、「Kayalon P Black ECX 300」などが挙げられる。
なお、染色後には、通常行われている方法により、染色処理された染色物を還元洗浄浴(苛性ソーダ等のアルカリ、ハイドロサルファイトなどの還元剤、界面活性剤等を含む水溶液)に浸漬することによる還元洗浄を行って、繊維表面に付着した染料等の不純物の除去を行って、染色されたポリイミド繊維および繊維構造物を得ることができる。
[ポリイミド繊維を含む繊維構造物]
本発明のポリイミド繊維は、耐熱性、難燃性、染色性などに優れているため、紐類、ロープ類、布帛(編織物、不織布)、各種繊維製品などの繊維構造物として利用することが可能である。繊維製品としては、例えば、衣料、繊維製インテリア製品、繊維性床敷物、寝具、およびフィルターなどが挙げられ、特に、耐熱性、難燃性などに優れるため、耐熱フェルト、乾式フィルター、バグフィルターなどの耐熱性繊維構造物や、難燃性、染色性に優れるため、防護服(特に防炎耐熱服)、各種繊維製インテリア製品などとして、有用に利用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定されるものではない。
[繊維強度 cN/dtex]
JIS L1013試験法に準拠して、予め調湿されたヤーンを試長20cm、初荷重0.25cN/dtex及び引張速度50%/分の条件で測定し、n=20の平均値を採用した。また繊維繊度(dtex)は質量法により求めた。
[伸度:%]
JIS L1013に準拠して、予め調湿されたヤーンを試長20cm、初荷重0.25cN/dtex及び引張速度50%/分の条件で測定し、引張破断時の破断強伸度を求め、n=20の平均値を採用した。
[乾熱収縮率 %]
10cmに切り出した繊維、あるいは10cm角に切り出した該繊維からなる布帛を、末端フリーの状態で250℃に保たれた空気恒温槽中で10分間保持した後の繊維長、あるいは布帛長(Xcm)から、次式を用いて算出した。
乾熱収縮率(%)=<(10−/10>×100
[染色性]
繊維を筒編みにして、分散染料(Dianix Blue TA-N 2%owf、Disper TL 1g/L、ウルトラMTレベル1g/L)にて130℃30分染色を行った。その後、還元洗浄(NaC01g/L、ハイドロサルファイト 1g/L、アミラジンD 1g/L)を80℃で20分行い、得られた繊維を乾燥した。
得られた繊維について、日立分光光度計C・2000S型日立カラーアナライザーにてb*の測定をおこなった。染色性の評価として、○:b*<−20、△:b*=−20〜0、×:b*>0とした。
[難燃性評価]
得られた繊維より筒編地を作製し、付着している油分を除去した後、JIS L 1091 E法に従い、限界酸素指数値(LOI値)を求めた。
[実施例1]
(原液調整)
室温にてモルキュラーシーブにより脱水したN−メチルピロリドン(NMP)208.2g中に和光純薬工業株式会社製p−フェニレンジアミン(PPA)10.8gを溶解した。その溶液中にPolysciences、lnc.社製2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパンニ無水物(BPADA)26.13gを投入し、完全に溶解するまで撹拌した。次いで和光純薬製1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(PMDA)10.96gを投入し、4時間撹拌した所、粘調性液体(32Pa・s)を得た。
(紡糸)
この液体をφ0.15×10ホールのノズルから空気中に押し出し、水中で固化させ2m/minで巻き取り、単糸78dtexの繊維を得た。この繊維を室温で1昼夜減圧乾燥した。
(固相反応)
出来た繊維を窒素中で室温から330℃まで加熱し、3時間保持した。
(延伸)
出来た繊維を360℃にて2.0倍延伸し、ポリイミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
[実施例2]
PPA10.8gのNMP 175.2g溶液中にBPADA13.07g、PMDA16.44gを添加する以外は実施例1と同様にして紡糸原液を作製し、ポリイミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
[実施例3]
PPA10.8gのNMP 241.2g溶液中にBPADA39.2g、PMDA5.48gを添加する以外は実施例1と同様にして紡糸原液を作製し、ポリイミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
[比較例1]
PPA10.8gのNMP267.6g溶液中にBPADA49.65g、PMDA1.10gを添加する以外は実施例1と同様にして紡糸原液を作製し、繊維化した。しかし、固相反応時に膠着しポリイミド繊維を取り出せなかった。
[比較例2]
PPA10.8gのNMP148.9g溶液中にBPADA2.61g、PMDA20.83gを添加する以外は実施例1と同様にして紡糸原液を作製し、ポリイミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
[比較例3]
(重合、原液調整)
PPA10gのDMS0166.2g溶液中にBPADA48.39gを添加して完全に溶解後、無水酢酸19g、ピリジン1.9gを添加して、4時間撹絆して紡糸原液とした。
(紡糸)
この液体をφ0.15×10ホールのノズルから空気中に押し出し、メタノール/DMSO=70/30溶液中で固化させ2m/minで巻き取り、55dtexの繊維を得た。この繊維を室温で1昼夜減圧乾燥した。
(固相反応)
出来た繊維を窒素中で室温から235℃まで加熱し、1時間保持した。出来た物性を表1に示す。
Figure 0005806567
表1に示すように、実施例1〜3のポリイミド繊維は、耐熱性に優れるとともに、難燃性にも優れている。さらに、これらの繊維は、分散染料での染色性も良好である。
一方、比較例1は、固相反応時に膠着し、ポリイミド繊維を得ることができなかったため、繊維としての評価を行なうことができなかった。
また、比較例2は、繊維化は可能であったものの、染色性に劣っている。さらに、比較例3は、強度が充分でないだけでなく、耐熱性も劣っている。
本発明のポリイミド繊維は、耐熱性、難燃性に優れると共に、染色性も有しているため、紐類、ロープ類、布帛(編織物、不織布)、各種フィルター類として利用できるほか、各種繊維構造物の材料として用いることが可能である。
以上のとおり、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。

Claims (5)

  1. 下記式(I):
    Figure 0005806567
    (式中、R1は、−C(CH を表す。)
    で表される少なくとも1種の芳香族酸無水物(A)と、
    下記式(II):
    Figure 0005806567
    で表される芳香族酸無水物(B)と、
    3,4−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、およびビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタンからなる群から選択される少なくとも一種の芳香族ジアミンとを重合し;
    前記芳香族酸無水物(A)と前記芳香族酸無水物(B)との割合(重量比)が、95/5〜15/85の範囲となるように配合して得られたポリアミド酸繊維が、イミド化されたポリイミド繊維。
  2. 請求項1おいて、250℃における乾熱収縮率が、5%以下であるポリイミド繊維。
  3. 請求項1または2において、JIS L 1091 E法に準じた燃焼性試験において、限界酸素指数値(LOI値)が25以上であるポリイミド繊維。
  4. 請求項1〜のいずれか一項記載のポリイミド繊維を含む繊維構造物。
  5. 請求項において、紐類、ロープ類、布帛、耐熱性フィルター、および繊維製品からなる群から選ばれる繊維構造物。
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