JP2009091457A - 新規なポリイミド発泡体およびその製造方法 - Google Patents

新規なポリイミド発泡体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、高発泡倍率のポリイミド樹脂発泡体およびポリイミド発泡体の製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】 少なくともピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテル及びシロキサンジアミンからなるポリイミド発泡体であって、その前駆体であるポリアミド酸溶液を減圧・乾燥させてポリイミド発泡体を成形することを特徴とするポリイミド発泡体の製造方法を用いることで耐熱性を有し、低密度なポリイミド発泡体を得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明はポリイミド発泡体、およびその製造方法に関する。
ポリイミド発泡体は、ポリイミド樹脂由来の耐熱性を有している発泡体樹脂として、様々な極限用途で使用されている。例えば、耐熱性の要求される航空機用途の断熱材料や、原子炉内部の断熱用途、更には、航空宇宙用途の断熱材料として広く使用されている。更には、航空機の構造材内部を軽量で強固なものにするために、発泡体を埋め込む等の使用方法で使用されている。
このようなポリイミド発泡体の製造方法としては、エステル化したテトラカルボン酸とジアミンを混合して粉末状にしたポリイミド前駆体の微粒子を作製した後に、マイクロ波照射等によって急激に加熱・膨張させることでポリイミド発泡体を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、減圧装置内に原料樹脂を連続的に搬送して原料樹脂を発泡させた後に、発泡体を所望の液体で冷却することにより連続的に発泡体を製造する装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法ではイミド系樹脂の発泡も可能であるとされている。
特許第3687496号公報 特開平9−131741号公報
ところが、前記特許文献1に記載の方法では、ポリイミド発泡体前駆体の微粒子が、発泡温度での伸長粘度に優れる必要があり、更に、低温でのイミド化反応が同時に起きる等の制限があり、特定の原料を組み合わせてポリイミド発泡体を作製する必要があった。例えば、特許文献1では、芳香族カルボン酸成分は50モル%以上が2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分でありジアミン成分は0.1〜10モル%のジアミノシロキサン成分を含むポリイミド樹脂である。また、従来のポリイミド発泡体の製造方法では、ポリイミド発泡体の発泡倍率を大きくするには、粒子中に含まれる発泡剤としての溶剤量を増やす等の方法が使用されるが、この方法では、粒子状のポリイミド前駆体では発泡の制御が難しい等の問題があった。
また、特許文献2の方法では、実質的に溶融した熱可塑性樹脂、或いは熱硬化性樹脂が使用できるだけであり、ポリイミド樹脂の様にガラス転移温度が非常に高く、しかも、発泡直後に液体で冷却する方法では、本願発明の様にポリアミド酸溶液の発泡体を作製したとしても、樹脂の分子量低下が起きて安定的なポリイミド発泡体を製造することは難しかった。また、熱可塑性ポリイミド樹脂を用いた場合には、溶融温度を抑える必要性があり、耐熱性の低い発泡体しか製造できない問題があった。
本発明者らは、前記問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、耐熱性に優れ、しかも低密度のピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテルからなるポリイミド発泡体の製造方法を検討した結果、シロキサンジアミンを併用して、ポリアミド酸溶液を調整し、該ポリアミド酸溶液を減圧・乾燥させることでポリイミド発泡体を製造可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、少なくともピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテル及びシロキサンジアミンからなるポリイミド発泡体に関する。該ポリイミド発泡体の発泡体密度は1kg/m〜10kg/mであることが好ましい。また、該ポリイミド発泡体中に含まれるシロキサンジアミンの含有割合が全ジアミン100モルに対して0.5〜30モルの割合で含有されることが好ましい。また、本発明は、少なくともピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテル及びシロキサンジアミンからなるポリアミド酸溶液を減圧・乾燥させてポリイミド発泡体を成形することを特徴とするポリイミド発泡体の製造方法に関する。
本発明によれば、発泡倍率の高いポリイミド発泡体を簡便に作製でき、そのポリイミド発泡体は、耐熱性、機械的物性、耐薬品性に優れる。本発明のポリイミド発泡体は発泡倍率が大きく、例えば軽量な耐熱性衣料の難燃・断熱用綿材の代替品としての使用や、自動車用途、航空機用途の高温下での断熱・遮音材、宇宙用途の断熱材、更には、建築用部材として壁の断熱遮音材としての使用も可能である。
以下、本発明について詳述する。本発明におけるポリイミド発泡体とは、ポリイミド樹脂からなるセルが重なりあった構造を有する発泡体状の成形体である。本願発明のポリイミド発泡体はピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテル及びシロキサンジアミンからなるポリイミド発泡体である。ピロメリット酸を使用することでポリイミド樹脂に成形した場合に、ポリイミド発泡体の弾性率が向上するので剛性に優れるポリイミド発泡体を得ることができるので好ましい。また、ジアミノジフェニルエーテルを使用することでポリイミド発泡体の耐熱性を向上させることができると共に、ポリアミド酸からポリイミド樹脂へイミド化反応が進行し易いので好ましい。また、シロキサンジアミンを併用することでポリアミド酸溶液に泡が発生した際に、泡が安定化する整泡効果を持ち発泡体の形状を安定化させて発泡倍率の高いポリイミド発泡体を製造し易くなるので好ましい。
本願発明で好適に用いられるジアミノジフェニルエーテルは、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルエーテルなどである。特に、最終のポリイミド発泡体の耐熱温度を高くできることから4,4’-ジアミノジフェニルエーテルを用いることが好ましい。
また、本願発明で好適に用いられるシロキサンジアミンは、一般式(1)で示される構造を有するジアミン化合物である。
Figure 2009091457
(式中、R、Rは炭素数1〜12のアルキル基もしくは芳香族基であり、R、Rは同一であっても異なっていても良い。mは1〜40の整数、nは1〜20の整数を示す。)。
本願発明で用いられるシロキサンジアミンは、特に式中のR、Rがメチル基であって、mが7〜10、n=2〜5のものを用いることが好ましい。この原料を用いることでポリイミド樹脂の発泡が制御し易くなるとともに、ポリイミド樹脂の耐熱性を損なうことが無いので好ましい。また、ポリイミド発泡体中に含まれるシロキサンジアミンの含有割合が全ジアミン100モルに対して0.5〜30モルの割合で含有されることが好ましい。この範囲に制御することで発泡の制御が行い易くなるとともに、400℃以上の耐熱性を有するので好ましい。
また本願発明のポリイミド発泡体、及びその製造方法においては、ポリイミド樹脂の耐熱性や耐薬品性を損なわない範囲で、ポリイミド樹脂の原料として、上記以外の酸二無水物やジアミノ化合物を使用することができる。
例えば、酸二無水物としては、3,3’,4,4’―ベンゾフェノン酸二無水物、3,3’,4,4’―ビフェニル酸二無水物、2,3,3’,4―ビフェニル酸二無水物を併用することができる。
ジアミノ化合物としては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、(4−アミノフェノキシフェニル)(3−アミノフェノキシフェニル)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、(4−アミノフェノキシフェニル)(3−アミノフェノキシフェニル)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、(4−アミノフェノキシフェニル)(3−アミノフェノキシフェニル)フェニル]スルフィド、3,3’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]エタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)] −1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−P−アミノベンゾエート、ポリ(テトラメチレン/3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、トリメチレン―ビス(4−アミノベンゾエート)、p-フェニレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、m−フェニレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、ビスフェノールA−ビス(4−アミノベンゾエート)、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシビフェニル、[ビス(4-アミノ-2-カルボキシ)フェニル]メタン、[ビス(4-アミノ-3-カルボキシ)フェニル]メタン、[ビス(3-アミノ-4-カルボキシ)フェニル]メタン、[ビス(3-アミノ-5-カルボキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4‘−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、2,3−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニルを併用することができる。
特に、p−フェニレンジアミンを併用することで耐熱性を向上させることができるので好ましい。
本願発明のポリアミド酸溶液の製造方法において好適に用いることのできる溶剤は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ―ブチロラクトン等の有機極性アミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等の水溶性エーテル化合物、アセトン、メチルエチルケトン等の水溶性ケトン系化合物、アセトニトリル、プロピオニトリル等の水溶性ニトリル化合物等があげられる。これらの溶媒は2種以上の混合溶媒として使用することも可能であり、特に制限されることはない。
中でも、ポリアミド酸の溶解性および発泡性の点から、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、アセトン、メチルエチルケトンを選定することが好ましい。
本願発明におけるポリアミド酸溶液の製造方法は、前記の有機溶媒中、ジアミンと酸二無水物の使用量がそれぞれのモル数に対する比として好ましくは0.90〜1.10で制御することでポリアミド酸溶液を製造することができる。より好ましくは0.95〜1.05で反応させポリアミド酸とすることが好ましい。また、ポリアミド酸の製造には、酸二無水物を無水化した酸二無水物を用いることが分子量を上げ易くなるので好ましく、その酸二無水物の純度は閉環構造を有する酸二無水物が、98%以上の高純度で含有されている物を用いることが好ましい。ポリアミド酸溶液のポリマー濃度としては、固形分濃度として0.1〜50重量%、特に好ましくは1〜40重量%である。ポリアミド酸の重合条件としては、不活性ガス雰囲気下で−20〜50℃、好ましくは−20〜40℃で攪拌することで、目的とするポリアミド酸を重合することができる。
本願発明のポリイミド発泡体の製造方法は、上記ポリアミド酸溶液を、減圧・乾燥できる装置に搬送してポリイミド発泡体を成形する方法を用いる。ポリアミド酸を入れる反応装置の真空度と加熱温度は、発泡状態により適宜選定することが好ましいが、ポリアミド酸溶液が蒸発するまでの減圧度と加熱温度は、真空度は200Torr以下、加熱温度は30℃〜250℃の間で制御することが好ましい。真空度が200Torrより大きいと泡が破泡して上手く成形できない場合がある。また、温度が250℃よりも高いと樹脂の粘度が下がりすぎるので好ましくない場合がある。特に好ましい真空度と加熱温度は、100Torr以下で、50℃〜200℃以下で発泡させることが好ましい。
発泡体の発泡倍率の制御方法は、上記真空度及び加熱温度、更には、含有している溶剤量を調整することでポリイミド発泡体の制御が行える。溶剤量は、適宜調整することが好ましい。好ましい溶剤量はポリアミド酸の固形分濃度で10%以上50%以下の濃度で調整することが好ましい。この溶剤量に調整することで発泡体の密度が、本願発明で最も好ましい1kg/m〜10kg/mに調子しやすくなるので好ましい。特に好ましい濃度は15%以上30%以下で制御することが好ましい。
本願発明のポリイミド発泡体は、1kg/m〜10kg/mと軽い材質になっていることから、軽量な耐熱性衣料の難燃・断熱用綿材の代替品としての使用や、LPGガスタンカーの断熱材、原子炉等の極限用途での断熱材、自動車用途、航空機用途の高温下での断熱・遮音材、宇宙用途の断熱材、更には、建築用部材として壁の断熱遮音材としての使用も可能である。中でも特に、軽量化が求められる航空宇宙用途の吸音材料や断熱部材として好ましく用いることができる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。また以下の各実施例における評価項目は以下のとおりの手法にて実施した。
[発泡倍率]
1辺が10cmの立方体を切り出して重量を測定し、密度の算出を行った。
(実施例1)
容量が2Lのガラス製のセパラブルフラスコに、シロキサンジアミン(東レ・ダウコーニング社製:商品名BY16−853U、分子量910、一般式(1)中のR1、Rがメチル基、n=3、m=9である。)を9.10g(0.01モル)とN,N−ジメチルホルムアミドを372gを添加して攪拌した。この溶液に、4,4−ジアミノジフェニルエーテルを38.1g(0.19モル)添加して、攪拌溶解させた。次いで、ピロメリット酸二無水物43.6g(0.20モル)を添加してポリアミド酸溶液(固形分濃度18%)を得た。
Figure 2009091457
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂で内壁をコーティングした円錐型の容器(直径が20cmで高さが20cmの容器)に入れて、真空乾燥装置に投入した。投入時の真空乾燥装置の温度は100℃で投入した。また、真空度は1Torr以下になるように、一気に真空ポンプで排気した。その結果、容器内のポリアミド酸溶液は発泡して、円錐型の容器内に発泡体が得られた。
減圧状態(1Torr以下)の状態で真空オーブンを210℃まで昇温させて1時間真空中で焼成を行った。
内部の固形分を取り出して、100℃から420℃まで1時間かけて焼成を行いポリイミド発泡体を得た。
このポリイミド発泡体の密度は5.2kg/mであった。
(実施例2)
容量が2Lのガラス製のセパラブルフラスコに、シロキサンジアミン(東レ・ダウコーニング社製:商品名BY16−853U、分子量910、一般式(1)中のR1、Rがメチル基、n=3、m=9である。)を18.2g(0.02モル)とN,N−ジメチルホルムアミドを363gを添加して攪拌した。この溶液に、4,4−ジアミノジフェニルエーテルを36.1g(0.18モル)添加して、攪拌溶解させた。次いで、ピロメリット酸二無水物43.6g(0.20モル)を添加してポリアミド酸溶液(固形分濃度18%)を得た。
Figure 2009091457
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂で内壁をコーティングした円錐型の容器(直径が20cmで高さが20cmの容器)に入れて、真空乾燥装置に投入した。投入時の真空乾燥装置の温度は100℃で投入した。また、真空度は1Torr以下になるように、一気に真空ポンプで排気した。その結果、容器内のポリアミド酸溶液は発泡して、円錐型の容器内に発泡体が得られた。
減圧状態(1Torr以下)の状態で真空オーブンを210℃まで昇温させて1時間真空中で焼成を行った。
内部の固形分を取り出して、100℃から420℃まで1時間かけて焼成を行いポリイミド発泡体を得た。
このポリイミド発泡体の密度は6.2kg/mであった。
(実施例3)
容量が2Lのガラス製のセパラブルフラスコに、シロキサンジアミン(東レ・ダウコーニング社製:商品名BY16−853U、分子量910、一般式(1)中のR1、Rがメチル基、n=3、m=9である。)を36.4g(0.04モル)とN,N−ジメチルホルムアミドを345gを添加して攪拌した。この溶液に、4,4−ジアミノジフェニルエーテルを32.1g(0.16モル)添加して、攪拌溶解させた。次いで、ピロメリット酸二無水物43.6g(0.20モル)を添加してポリアミド酸溶液(固形分濃度18%)を得た。
Figure 2009091457
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂で内壁をコーティングした円錐型の容器(直径が20cmで高さが20cmの容器)に入れて、真空乾燥装置に投入した。投入時の真空乾燥装置の温度は100℃で投入した。また、真空度は1Torr以下になるように、一気に真空ポンプで排気した。その結果、容器内のポリアミド酸溶液は発泡して、円錐型の容器内に発泡体が得られた。
減圧状態(1Torr以下)の状態で真空オーブンを210℃まで昇温させて1時間真空中で焼成を行った。
内部の固形分を取り出して、100℃から420℃まで1時間かけて焼成を行いポリイミド発泡体を得た。
このポリイミド発泡体の密度は4.5kg/mであった。
(実施例4)
容量が2Lのガラス製のセパラブルフラスコに、シロキサンジアミン(東レ・ダウコーニング社製:商品名BY16−853U、分子量910、一般式(1)中のR1、Rがメチル基、n=3、m=9である。)を9.42g(0.01モル)とN,N−ジメチルホルムアミドを281gを添加して攪拌した。この溶液に、4,4−ジアミノジフェニルエーテルを18.0g(0.09モル)およびp−フェニレンジアミンを10.8g(0.10モル)を添加して、攪拌溶解させた。次いで、ピロメリット酸二無水物43.6g(0.20モル)を添加してポリアミド酸溶液(固形分濃度18%)を得た。
Figure 2009091457
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂で内壁をコーティングした円錐型の容器(直径が20cmで高さが20cmの容器)に入れて、真空乾燥装置に投入した。投入時の真空乾燥装置の温度は100℃で投入した。また、真空度は1Torr以下になるように、一気に真空ポンプで排気した。その結果、容器内のポリアミド酸溶液は発泡して、円錐型の容器内に発泡体が得られた。
減圧状態(1Torr以下)の状態で真空オーブンを210℃まで昇温させて1時間真空中で焼成を行った。
内部の固形分を取り出して、100℃から420℃まで1時間かけて焼成を行いポリイミド発泡体を得た。
このポリイミド発泡体の密度は8.1kg/mであった。
(比較例1)
容量が2Lのガラス製のセパラブルフラスコに、N,N−ジメチルホルムアミドを381gを添加して攪拌した。この溶液に、4,4−ジアミノジフェニルエーテルを40.1g(0.20モル)を添加して、攪拌溶解させた。次いで、ピロメリット酸二無水物43.6g(0.20モル)を添加してポリアミド酸溶液(固形分濃度18%)を得た。
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂で内壁をコーティングした円錐型の容器(直径が20cmで高さが20cmの容器)に入れて、真空乾燥装置に投入した。投入時の真空乾燥装置の温度は100℃で投入した。また、真空度は1Torr以下になるように、一気に真空ポンプで排気した。ところが、この溶液は全く発泡することが無かった。

Claims (4)

  1. 少なくともピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテル及びシロキサンジアミンからなるポリイミド発泡体。
  2. 前記ポリイミド発泡体の発泡体密度が1kg/m〜10kg/mであることを特徴とする請求項1記載のポリイミド発泡体。
  3. 前記ポリイミド発泡体中に含まれるシロキサンジアミンの含有割合が全ジアミン100モルに対して0.5〜30モルの割合で含有されることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のポリイミド発泡体。
  4. 少なくともピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテル及びシロキサンジアミンからなるポリアミド酸溶液を減圧・乾燥させてポリイミド発泡体を成形することを特徴とするポリイミド発泡体の製造方法。
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