JP5368045B2 - 金属接着用難燃性樹脂積層体及び配線ケーブル - Google Patents

金属接着用難燃性樹脂積層体及び配線ケーブル Download PDF

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Description

本発明は、金属接着性と難燃性とを兼ね備えた金属接着用難燃性樹脂積層体、例えば金属導体を樹脂皮膜で被覆してなる配線ケーブルにおいてその被覆に用いる金属接着用難燃性樹脂積層体に関する。
配線ケーブルの一種であるフラットケーブルは、金属導体を並列に配置して樹脂フィルムで被覆してなる配線ケーブルであり、例えばパソコンなどの電子機器内部での部品間の結線などに用いられている。
この種の配線ケーブルに用いる樹脂フィルムには、難燃性のほかに、絶縁性、柔軟性、耐熱性、金属導体との接着性などが求められる。そのため、この種の配線ケーブルに用いる樹脂フィルムの多くは、絶縁性や柔軟性等に優れたポリエステル系樹脂などからなる絶縁基材フィルムに、難燃剤等を混合したポリエステル系樹脂を主成分とする接着層を積層してなる絶縁性積層フィルムが使用されている。
この際、難燃化剤として、例えばデカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニル等のハロゲン系難燃剤が用いられてきたが、ハロゲン系難燃剤は、燃焼時にダイオキシン関連物質を生成する等の問題があるため、最近はハロゲン以外の難燃剤が提案され用いられている。
例えば、特許文献1には、接着層に窒素含有有機難燃剤とホウ素化合物を含有させることにより、難燃性を高める手段が開示されている。
また、特許文献2や特許文献3には、接着層に用いるポリエステル樹脂にリン系難燃剤を添加する手段が開示され、特許文献4には、同じく接着層に用いるポリエステル系樹脂にポリ燐酸系難燃剤を添加する手段が開示されている。
さらにまた、特許文献5には、ポリエステル樹脂に、金属水酸化物、窒素含有有機難燃剤及びヒドロキシスズ酸亜鉛を含有する手段が開示されている。
特開2000−80342号公報 特開平9−221642号公報 特開平9−279101号公報 特開2001−89736号公報 特開2004−238608号公報
前述したような従来の技術においては、UL94垂直燃焼試験におけるVTM−0に合格するような高度の難燃性を得るためには、接着剤層に多量の難燃剤を配合する必要があり、そうなると接着剤層と金属との接着性が低下するなどの課題があった。また、接着剤層に配合する難燃剤の量を低減しようとすると、接着層以外の層に難燃剤を含有させる必要があった。
そこで本発明の目的は、このような従来技術の課題に鑑み、ハロゲン系化合物およびリン系化合物を含有せずに、金属接着性および難燃性を兼ね備えた新たな金属接着用難燃性樹脂積層体を提供することにある。
本発明は、金属接着性と難燃性とを兼ね備えた金属接着用難燃性樹脂積層体であって、ガラス転移温度が−80〜30℃であるポリエステル系樹脂(A)、メラミン、及び、フェノキシ樹脂の混合物を主成分とする樹脂組成物aからなるA層を有し、
当該A層上に、ガラス転移温度が50〜120℃であり、結晶融解熱量ΔHmが40〜100J/gであるポリエステル系樹脂(B)を主成分とする樹脂組成物bからなるB層を有する樹脂積層体であり、A層を構成する樹脂組成物a中に占めるメラミンの割合が20〜80質量%であり、かつ、樹脂組成物a中に占めるフェノキシ樹脂の割合が1〜30質量%であることを特徴とする金属接着用難燃性樹脂積層体を提案する。
本発明によれば、接着層(A層)を構成する特定のポリエステル系樹脂に、主に難燃性を向上させるためのメラミンと、主に金属との接着性を向上させるためのフェノキシ樹脂とを配合することで、難燃性を高めることができるばかりか、接着層(A層)と金属との接着性を顕著に高めることができる。また、ハロゲン系化合物、およびリン化合物を含有しないため、環境汚染等の問題を引き起こすことのない安全性に優れた材料を提供することができる。
フェノキシ樹脂は、金属表面に存在する水分と水素結合するため金属との接着性に優れているばかりか、ポリエステル系樹脂と相溶性を有するため、ポリエステル系樹脂(A)にフェノキシ樹脂を配合することで、難燃性を低下させることなく、金属との接着性を高めることができる。
また、メラミンは、燃焼時に不燃性のガスを発生するため、接着層を難燃化することができるばかりか、難燃剤を配合してない外層(B層)をも難燃化することができるため、積層体全体の難燃性を格別に高めることができる。
しかも、フェノキシ樹脂とメラミンとを組み合わせてポリエステル系樹脂(A)に配合することで、互いの特性を打ち消すことなく、相乗的な効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態の1つの例としての金属接着用難燃性樹脂積層体(以下「本積層体」という)について説明する。但し、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本積層体>
本積層体は、ポリエステル系樹脂(A)、メラミン及びフェノキシ樹脂の混合物を主成分とする樹脂組成物aからなるA層上に、ポリエステル系樹脂(B)を主成分とする樹脂組成物bからなるB層を備えた積層体である。
ここで、「A層上に」とは、A層上に直にB層を積層する場合のほか、A層上に他の層を介してB層を積層する場合を包含する意である。
<A層>
本積層体においてA層は、接着層の役割を備えた層であり、このA層は、ポリエステル系樹脂(A)、メラミン及びフェノキシ樹脂からなる混合物を主成分とする樹脂組成物aからなる層である。
(ポリエステル系樹脂(A))
ポリエステル系樹脂(A)は、ガラス転移温度が−80℃〜30℃である樹脂であることが重要である。ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度が−80℃〜30℃であれば、低温から通常の使用温度までの広範囲において、優れた機械特性を有する積層体とすることができる。
かかる観点から、ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度は、−70℃以上であるのが特に好ましく、中でも−60℃以上であるのがさらに好ましい。また、20℃以下であるのが特に好ましく、中でも10℃以下であるのがさらに好ましい。
ポリエステル系樹脂(A)は、結晶融解熱量ΔHmが5〜30J/gである樹脂であることが好ましい。ポリエステル系樹脂(A)の結晶融解熱量ΔHmが5〜30J/gであれば、成形時、二次加工時、及び、使用時において、十分な接着性と耐熱性を兼ね備えた積層体とすることができる。
かかる観点から、ポリエステル系樹脂(A)の結晶融解熱量ΔHmは特に8J/g以上であるのが好ましく、中でも10J/g以上であるのがさらに好ましい。また、特に25J/g以下であるのが好ましく、中でも20J/g以下であるのがさらに好ましい。
なお、ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度及び結晶融解熱量は、次のようにして測定することができる。ポリエステル系樹脂(B)についても同様である。
試験サンプルを5mmφの10mg程度の鱗片状に削り出し、パーキンエルマー製DSC−7を用い、JIS−K7121に基づいて、試験片を200℃で2分保持した後、10℃/分の速度にて−40℃まで降温する。次いで、−40℃から200℃まで10℃/分にて昇温測定を行い、得られたサーモグラムよりガラス転移温度及び結晶融解熱量を読み取ることができる。
ポリエステル系樹脂(A)として、脂肪族ポリエステル、芳香族脂肪族ポリエステル、およびポリエステル系ホットメルト接着剤のうちの一種或いは二種以上の混合樹脂を用いることができる。すなわち、ポリエステル系樹脂(A)は、単一の樹脂であっても、二種類以上の樹脂の混合物であってもよい。
ポリエステル系樹脂(A)として用いる脂肪族ポリエステルとしては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のうちの1種又は2種以上の脂肪族ジカルボン酸と、
ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、トランス−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAおよびテトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)のうちの1種又は2種以上の多価アルコールと、からなる共重合ポリエステルを挙げることができる。
より具体的には、コハク酸と1,4−ブタンジオールの共重合体(三菱化学社製「GSPla」AZシリーズ、昭和高分子社製「ビオノーレ」#1000シリーズ)、コハク酸、1,4−ブタンジオール及びアジピン酸の共重合体であるポリブチレンサクシネート・アジペート共重合体(三菱化学社製「GSPla」ADシリーズ、昭和高分子社製「ビオノーレ」#3000シリーズ)等の脂肪族ポリエステルを挙げることができる。
ポリエステル系樹脂(A)として用いる芳香族脂肪族ポリエステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸およびエチレン−ビス−p−安息香酸のうちの1種又は2種以上の芳香族ジカルボン酸と、
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のうちの1種又は2種以上の脂肪族ジカルボン酸と、
ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、トランス−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAおよびテトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)のうちの1種又は2種以上の多価アルコールと、からなる共重合ポリエステルを挙げることができる。
より具体的には、アジピン酸、1,4―ブタンジオール、及び、テレフタル酸を重合して得られるポリブチレンアジペート・テレフタレート共重合体(BASF社製「エコフレックス」シリーズ、Eastman Chemicals社製の「Eastar Bio」シリーズ)等の芳香族脂肪族ポリエステルを挙げることができる。
以上の中でも、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸及びイソフタル酸から選ばれる少なくとも1種類の多価カルボン酸成分と、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールから選ばれる少なくとも1種類の多価アルコール成分と、を含む共重合ポリエステルが、ポリエステル系樹脂(A)として好ましい。
これら脂肪族ポリエステルおよび芳香族脂肪族ポリエステルの質量平均分子量は、50,000〜400,000であるのが好ましい。これらのポリエステルの質量平均分子量が、50,000以上であれば、難燃性の不足や機械強度の不足により積層体が破損する問題が発生しない。また、質量平均分子量が400,000以下であれば、樹脂の粘度が高すぎることによる成形不良という問題が発生しない。
かかる観点から、脂肪族ポリエステルおよび芳香族脂肪族ポリエステルの質量平均分子量は、80,000以上であるのが特に好ましく、中でも100,000以上であるのがさらに好ましい。また、300,000以下であるのが特に好ましく、中でも250,000以下であるのがさらに好ましい。
なお、質量平均分子量は以下の方法で測定することができる。他の樹脂についても同様である。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、溶媒クロロホルム、溶液濃度0.2wt/vol%、溶液注入量200μL、溶媒流速1.0ml/分、溶媒温度40℃で測定を行い、ポリスチレン換算で質量平均分子量を算出することができる。この際に用いる標準ポリスチレンの質量平均分子量は、2000000、430000、110000、35000、10000、4000、600である。
ポリエステル系樹脂(A)として用いるポリエステル系ホットメルト樹脂としては、二塩基酸とグリコールとの重縮合ポリマーであるポリエステル系ホットメルト樹脂を主成分として含有する樹脂組成物等を挙げることができる。
ポリエステル系ホットメルト接着剤の原料モノマーとして用いられる二塩基酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられ、グリコールの具体例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ポリオキシレングリコール等が挙げられる。
上記の中でも、アジピン酸や1,4−ブタンジオール等を分子骨格に含むポリエステル樹脂からなるホットメルト樹脂が好ましく用いられる。
市販されているポリエステル系ホットメルト樹脂として、例えば日本合成化学工業社製「ニチゴーポリエスター」シリーズや東洋紡績社製「バイロン」シリーズを挙げることができる。
ポリエステル系ホットメルト接着剤の質量平均分子量は、20,000〜120,000であるのが好ましい。この範囲であれば、実用上十分な機械特性を有し、かつ、溶融粘度が適当であるために、成形加工に問題が発生する可能性が低い。
かかる観点から、ポリエステル系ホットメルト接着剤の質量平均分子量は、25,000以上であるのが特に好ましく、中でも30,000以上であるのがさらに好ましい。また、110,000以下であるのが特に好ましく、中でも100,000以下であるのがさらに好ましい。
(メラミン)
メラミンとは、構造の中心にトリアジン環を持つ有機窒素化合物の一種であり、例えば2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジンを挙げることができる。
メラミンは、燃焼時に不燃性のガスを発生するため、A層を難燃化することができるばかりか、B層をも難燃化することができ、本積層体全体の難燃性を格段に高めることができる。
本積層体で使用するメラミンの平均粒径は、10μm以下であるのが好ましく、特に8μm以下、中でも5μm以下であるのがさらに好ましい。メラミンの平均粒径を10μm以下とすることにより、本積層体の難燃性および機械強度を向上させることができる。
なお、前記平均粒径は、メラミンを円相当径として計算した値である。
本発明の効果を損なわない範囲で、メラミンに表面処理を施すことができる。
表面処理の具体例としては、エポキシシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン、アミノシラン、イソシアネートシラン等のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、高級脂肪酸等を用いた表面処理を挙げることができる。
これらの表面処理剤でメラミンを処理することによって、メラミンの分散性を向上し、本積層体の難燃性をさらに向上させることができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、メラミンと他の難燃剤ないし難燃助剤を併用しても構わない。
他の難燃剤の具体例としては、例えばリン酸エステル、リン酸エステルアミド、縮合リン酸エステル、ホスファゼン化合物、ポリリン酸塩等のリン系化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カルシウム・アルミネート水和物、酸化スズ水和物等の金属水酸化物を挙げることができる。
難燃助剤の具体例としては、例えばスズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、硝酸鉄、硝酸銅、スルホン酸金属塩等の金属化合物、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、フッ素シリコーン等のシリコーン化合物、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素化合物を挙げることができる。
これらの難燃剤、難燃助剤を併用することで、本発明の積層体の難燃性をさらに向上することができる。
(フェノキシ樹脂)
フェノキシ樹脂は、ビスフェノールAなどの芳香族二価フェノール系化合物とエピクロルヒドリンとの反応で得られる樹脂である。
フェノキシ樹脂は、金属表面に存在する水分と水素結合するため金属との接着性に優れているばかりか、ポリエステル系樹脂と相溶性を有するため、ポリエステル系樹脂にメラミンとともにフェノキシ樹脂を混合すると、メラミンによる難燃性を低下させることなく、金属との接着性を高めることができる。
本発明に用いるフェノキシ樹脂としては、ヒドロキノン、レゾルシン、4,4′−ビスフェノール、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、および、2,6−ジヒドロキシナフタレン等の芳香族ジヒドロキシ化合物、エチレングリコールジグリシジルエーテルプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族ジヒドロキシ化合物のうちから選ばれる1種あるいは2種以上の化合物と、エピクロルヒドリンとを縮合することにより得られるポリヒドロキシポリエーテルなどが挙げられる。
市販のフェノキシ樹脂の代表的なものとして、ジャパンエポキシレジン(株)製のエピコート(登録商標)E1256、E4250、E4275、InChem社製のPKHH、PKHC、PKHJ、PKHB、PKFE等が挙げられる。
(配合割合)
A層を構成する樹脂組成物a中に占めるメラミンの配合割合は、20〜80質量%であることが重要である。A層を構成する樹脂組成物a中に占めるメラミンの配合割合が20質量%以上であれば、十分な難燃性を得ることができる。一方、メラミンの配合割合が80質量%以下であれば本積層体の機械物性を損なうことがない。
かかる観点から、A層を構成する樹脂組成物a中に占めるメラミンの配合割合は、30質量%以上であるのが好ましく、中でも40質量%以上であるのがさらに好ましい。また、70質量%以下であるのが好ましく、中でも60質量%以下であるのがさらに好ましい。
フェノキシ樹脂の配合量に関しては、A層を構成する樹脂組成物a中に占めるフェノキシ樹脂の割合が1〜30質量%であることが重要である。かかる範囲を下回る場合、金属との接着性向上効果がほとんど得られず、かかる範囲を上回る場合、機械物性、特に耐衝撃性が低下する場合がある。
かかる観点から、A層を構成する樹脂組成物a中に占めるフェノキシ樹脂の割合は5質量%以上であるのが好ましく、また20質量%以下であるのが好ましい。
<B層>
B層は、ポリエステル系樹脂(B)を主成分とする樹脂組成物bからなる層である。
(ポリエステル系樹脂(B))
ポリエステル系樹脂(B)としては、ガラス転移温度が50〜120℃であり、且つ結晶融解熱量ΔHmが40〜100J/gであるポリエステル系樹脂を用いることが重要である。この条件を満たすことにより、優れた耐熱性を有する積層体を提供することができる。
ポリエステル系樹脂(B)のガラス転移温度は、上述したように50〜120℃であることが重要である。ポリエステル系樹脂(B)のガラス転移温度が50〜120℃であれば、優れた成形加工性と使用時における優れた耐熱性を有する積層体とすることができる。
かかる観点から、ポリエステル系樹脂(B)のガラス転移温度は、55℃以上であるのが好ましく、中でも60℃以上であるのがさらに好ましい。また、110℃以下であるのが好ましく、中でも100℃以下であるのがさらに好ましい。
ポリエステル系樹脂(B)の結晶融解熱量ΔHmは、上述したように40〜100J/gであることが重要である。ポリエステル系樹脂(B)の結晶融解熱量ΔHmが40〜100J/gであれば、二次加工時における変形等の問題を生じることがない。
かかる観点から、ポリエステル系樹脂(B)の結晶融解熱量ΔHmは、45J/g以上であるのが好ましく、中でも50J/g以上であるのがさらに好ましい。また、90J/g以下であるのが好ましく、中でも80J/g以下であるのがさらに好ましい。
ポリエステル系樹脂(B)の具体例としては、多価カルボン酸と多価アルコールを重合して得られる芳香族ポリエステルや、乳酸系樹脂等の脂肪族ポリエステルを挙げることができる。
この際、脂肪族ポリエステル或いは芳香族ポリエステルに用いられる多価カルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、エチレン−ビス−p−安息香酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸成分が挙げられる。これらの多価カルボン酸成分は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
また、多価アルコール成分としては、例えばジエチレングリコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、トランス−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)などが挙げられる。これらの多価アルコール成分は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
前記多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とにより構成されるポリエステル系樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート等が挙げられる。この中でも特に耐熱性の点からポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートを用いるのが特に好ましい。
ポリエステル系樹脂(B)の質量平均分子量は、30,000〜80,000であるのが好ましい。ポリエステル系樹脂(B)の質量平均分子量が30,000以上であれば、適度な樹脂凝集力が得られ、積層体の強伸度が不足したり、脆化したりすることを抑えることができる。一方、80,000以下であれば、溶融粘度を下げることができ、製造、生産性向上の観点からは好ましい。
かかる観点から、ポリエステル系樹脂(B)の質量平均分子量は、35,000以上であるのが特に好ましく、中でも40,000以上であるのがさらに好ましい。また、75,000以下であるのが特に好ましく、中でも70,000以下であるのがさらに好ましい。
B層は、延伸フィルムから構成されていてもよく、その場合には二軸延伸フィルムから構成されているのが好ましい。
<その他の成分>
本積層体において、A層を構成する樹脂組成物a及びB層を構成する樹脂組成物bに、耐加水分解性を付与するためにカルボジイミド化合物を配合してもよい。但し、配合しなくてもよい。
カルボジイミド化合物は、下記一般式の基本構造を有するものがあげられる。
−(N=C=N−R−)n−
(上記式において、nは1以上の整数を示す。Rはその他の有機系結合単位を示す。これらのカルボジイミド化合物は、Rの部分が、脂肪族、脂環族、芳香族のいずれかでもよい。)
通常nは1〜50の間で適宜決められる。
具体的には、例えばビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等、および、これらの単量体があげられる。該カルボジイミド化合物は、1種又は2種以上組み合わせて用いられる。
カルボジイミド化合物の配合量としては、ポリエステル系樹脂(A)100質量部又はポリエステル系樹脂(B)100質量部に対して、0.5〜10質量部配合することが好ましく、1〜5質量部配合することがより好ましい。かかる範囲を下回る場合、耐久性を付与する効果が低く、かかる範囲を上回る場合、樹脂組成物の軟質化を生じるため耐熱性を損なう場合がある。
<層厚>
本積層体の全層厚に対するA層の層厚の割合は、20〜70%であるのが好ましい。A層の層厚の割合を20%以上にすることにより、本積層体に十分な難燃性を付与することが可能である。一方、A層の層厚の割合を70%以下にすることにより本積層体に十分な機械特性を付与することができる。
かかる観点から、本積層体の全層厚に対するA層の層厚の割合は、25%以上であるのが特に好ましく、中でも30%以上であるのがさらに好ましい。また、60%以下であるのが特に好ましく、中でも50%以下であるのがさらに好ましい。
なお、本積層体は、A層及びB層以外の層を備えていてもよい。例えば、A層、B層間に他の層が介在していても、また、B層の外側(A層とは反対側)に他の層を備えていてもよい。
本積層体の厚さは特に限定するものではなく、フィルム、シート、パネルなど、各用途に合わせた厚さに調整することができる。
<剥離強度>
本積層体において、A層とB層間の剥離強度は、23℃で3N/cm以上であるのが好ましく、特に4N/cm以上、中でも5N/cm以上であるのが好ましい。
また、本積層体のA層を金属に接着する場合、例えば配線ケーブルを作製する場合を想定すると、A層と金属(特に錫メッキ銅箔)との剥離強度は、23℃で5N/cm以上であるのが好ましく、特に6N/cm以上、中でも7N/cm以上であるのが好ましい。
中でも、A層とB層間の剥離強度が3N/cm以上で、かつ、A層と金属導体(特に錫メッキ銅箔)との剥離強度が5N/cm以上であれば、積層体として様々な用途に使用可能であるため、より一層好ましい。
<製造方法>
次に、本積層体の製造方法について説明する。ここでは、フィルム乃至シート状の本積層体の製造方法について説明するが、次に説明する例に限定されるものではない。
本積層体におけるA層とB層の積層方法としては、共押出、押出ラミネート、熱ラミネート、ドライラミネート等により積層することができる。
共押出の場合、ポリエステル系樹脂(A)、メラミン及びフェノキシ樹脂を前記混合比になるよう混合・混錬して樹脂組成物aを調製し、単軸または2軸押出機により樹脂組成物aを押出す一方、これとは異なる押出機を用いてポリエステル系樹脂(B)を混錬して樹脂組成物bを調製し、単軸または2軸押出機により樹脂組成物bを押出し、フィードブロックやマルチマニホールドダイを通じ樹脂を合流させ、本積層体を成形することができる。さらに耐熱性、機械強度を付与するために、前記工程にて得られた積層フィルムをロール法、テンター法、チューブラー法等を用いて一軸若しくは二軸に延伸してもよい。
押出ラミネートの場合、ポリエステル系樹脂(B)を単軸或いは二軸押出機を用いてTダイ、Iダイ等から押出を行った後、ロール法、テンター法、チューブラー法等を用いてB層となるフィルムを得る。次に、ポリエステル系樹脂(A)、メラミン及びフェノキシ樹脂を前記混合比になるよう混合・混錬して樹脂組成物aを調製し、単軸または2軸押出機により樹脂組成物aを押出し、A層となるフィルムのキャスティングと同時に前記B層となるフィルムをラミネートすることで本積層体を成形することができる。本積層体の延伸については、共押出の場合と同様である。
熱ラミネート及びドライラミネートの場合、ポリエステル系樹脂(A)、メラミン及びフェノキシ樹脂を前記混合比になるよう混合・混錬して樹脂組成物aを調製し、単軸または2軸押出機により樹脂組成物aをTダイ、Iダイ等から押出し、A層となるフィルムを得る一方、ポリエステル系樹脂(B)を混錬して樹脂組成物bを調製し、単軸または2軸押出機により樹脂組成物bをTダイ、Iダイ等から押出し、B層となるフィルムを得る。次いで、A層となるフィルム及びB層となるフィルムを加熱するか、或いは、層間に接着層を配置するかして、両者をラミネートすることで本積層体を成形することができる。本積層体の延伸については、共押出の場合と同様である。
また、A層、B層間の接着性をさらに向上させるため、B層のA層側の面にコロナ放電処理を施してもよいし、また、B層上にアンカーコート層を設けてもよい。
アンカーコート層に用いるアンカーコート用接着剤としては、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系、PVC−酢酸ビニル共重合体系等の接着剤が挙げられる。また、アンカーコート用接着剤の塗布にはロールコート法、グラビアコート法等を用いることができる。なお、アンカーコート層の厚みは適宜調整することができるが、難燃性、接着性の点から0.1μm〜5μmの範囲とすることが好ましい。
なお、本積層体を延伸した場合、いずれの場合も積層体の熱収縮を抑制するために、延伸後シートを把持した状態でヒートセットを行うことが好ましい。通常、ロール法では延伸後加熱ロールに接触させてヒートセットを行い、テンター法ではクリップでシートを把持した状態でヒートセットを行う。ヒートセット温度は使用する樹脂の種類によるが、使用する樹脂の融点よりも約10〜100℃低い温度でヒートセットを行うことが好ましい。また、両外層となるポリエステル樹脂層のインキ密着性をさらに向上させる目的で、コロナ処理などの放電処理、火炎処理などの表面処理を施すことができる。
<用途>
本積層体は、難燃性、特にUL94垂直燃焼試験UL94VTMの判定基準のVTM−0規格を満たす難燃性を得ることができるばかりか、金属、特に銅との接着性に優れた金属接着性を得ることができるため、例えば、金属導体を被覆する被覆樹脂フィルムとして好適に使用することができる。すなわち、2枚の本積層体を用い、これらのA層間に金属導体を配置して2枚の本積層体を貼り合わせて配線ケーブルを作製することができる。
中でも特に、本積層体は、上記の如く、優れた難燃性と金属接着性を得ることができるばかりか、優れた柔軟性、優れた耐熱性をも得ることができるから、フラットケーブル用として特に適している。
また、本積層体は、銅以外の金属、例えば銀、金、白金、鉄、ステンレス、鋼或いはこれらの合金等との接着性に優れているから、上記の如く配線ケーブル用としてばかりではなく、難燃性と金属接着性とが要求される他の用途にも好適に利用することができる。例えば、補強板、ラベルが挙げられる。ここで補強板とは、配線ケーブルの端部に貼り付ける板の事をいう。
<用語の説明>
本明細書において「配線ケーブル」とは、金属導体を樹脂フィルムで被覆してなる構成を備えたものを意味し、例えば2以上の金属導体を並べてこれらを樹脂フィルムで被覆してなる構成を備えたフラットケーブルが代表例である。
本発明において「主成分」と表現した場合には、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含するものである。特に当該主成分の含有割合を特定するものではないが、その成分(2成分以上が主成分である場合には、これらの合計量)が組成物中で60質量%以上、特に70質量%以上、中でも90質量%以上(100%含む)を占めるのが好ましい。例えば、樹脂組成物a中の混合物は、樹脂組成物a中で60質量%以上、特に70質量%以上、中でも90質量%以上(100%含む)を占めるのが好ましい。また、本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意であり、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意を包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であるのが好ましい」旨の意図も包含する。
一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいい(日本工業規格JISK6900)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
以下に実施例を示す。ただし、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
先ず、実施例中に示した各評価の測定方法について説明する。
(1)難燃性
<UL94VTM>
長さ200mm×幅50mm(厚みはそれぞれの試験片により異なる)の評価用サンプルを用いて、Underwriters Laboratories社の安全標準UL94垂直燃焼試験の手順に基づき、試験回数5回にて燃焼試験を実施した。
UL94垂直燃焼試験UL94VTMの判定基準に基づき、VTM−0規格を満たすものを合格とした。
(2)金属との接着性
金属との接着性評価として、図1に示す方法にて、A層と錫メッキ銅箔間の剥離強度測定を行なった。
剥離強度の測定は、引張試験機(株式会社インテスコ製:恒温槽付き材料試験器201X)を用いて行なった。評価用サンプル10mm幅のものを使用し、雰囲気温度−20℃、23℃、及び、80℃、剥離速度10mm/分で180℃剥離試験を実施した。全ての温度で剥離強度が5N/10mm(すなわち5N/cm)以上のものを合格とした。
(3)耐熱性
長さ600mm×幅30mm(厚みはそれぞれの試験片により異なる)の評価用サンプル(フラットケーブル)を、ベーキング試験装置(大栄科学精器製作所製DKS−5S)内に静置し、120℃で24時間加熱した。
加熱後のサンプルの外観を目視にて観察し、銅箔の剥離、フラットケーブルの収縮、シワ、変形等がないものを「○」、銅箔の剥離、フラットケーブルの収縮、シワ、変形等が生じているものを「×」と評価した。
<B層の作製>
B層を構成するフィルムとして、次の2種類のフィルム(「B層−A」「B層−B」)を作製し用意した。
「B層−A」:
ポリエステル系樹脂として三菱化学社製ノバペックス(ポリエチレンテレフタレート、ガラス転移温度=79℃、ΔHm=55J/g)を用い、まず、ノバペックスを40mmφ単軸押出機にて260℃で混練した後、口金から押出し、次いで約40℃のキャスティングロールにて急冷し、厚さ225μmの非晶シートを作製した。次いで、三菱重工株式会社製逐次2軸テンターに通紙し、95℃でMD(長手方向)に延伸倍率で3倍に延伸を行い、続いて、110℃でTD(横手方向)に延伸倍率で3倍に延伸を行った。さらにその後、160℃で15秒熱処理を行い、厚さ25μmの二軸延伸フィルムを得た。
「B層−B」:
ポリエステル系樹脂としてイーストマンケミカル社製coplyester6763(ポリエチレンテレフタレートグリコール、ガラス転移温度=81℃、ΔHm=0J/g)を用い、coplyester6763を40mmφ単軸押出機にて260℃で混練した後、口金から押出し、次いで約40℃のキャスティングロールにて急冷し、厚さ25μmの非晶シートを作製した。
<実施例1>
ポリエステル系樹脂(A)として、東洋紡績社製バイロンGM−443(テレフタル酸:26.5mol%、イソフタル酸:19.8mol%、アジピン酸:4.7mol%
、1,4−ブタンジオール:50mol%、ガラス転移温度:26℃、結晶融解熱量ΔHm:22.8J/g)を用い、難燃剤として、日産化学社製メラミン(平均粒径5μm)を用い、フェノキシ樹脂として、ジャパンエポキシレジン社製E4275(ビスフェノールF/ビスフェノールA=75mol%、25mol%)を用いた。
これらバイロンGM−443、メラミン及びE4275を、混合質量比58/40/2の割合でドライブレンドした後、40mmφ同方向二軸押出機を用いて190℃で混練し、T型ダイを付属した単軸の押出機で再度溶融させ、口金よりシート状に押出し、Tダイより押出すと同時に、「B層−A」をキャストロール側から貼り合わせることにより、層構成がA層/B層となる厚さ65μmの積層フィルム(A層=40μm、B層−A=25μm)を得た。
得られた積層フィルムに関して、難燃性の試験を行ない、その結果を表1に示した。
次に、得られた積層フィルム2枚の間に(共にA層を内側として)、厚み150μm、幅10mmの錫メッキ銅箔を配置し、これらを金属ロール(加熱)/ゴムロール(非加熱)の間に通してロールニップ圧10kg/cm(線圧)、貼り合わせ速度0.5m/minの条件で貼り合わせてフラットケーブルを得た。
上記方法で得られたフラットケーブルに関して、A層と錫メッキ銅箔との剥離強度、並びに、耐熱性を測定した結果を表1に示した。
なお、難燃性、耐熱性、およびA層と錫メッキ銅箔との接着性に関し、一つでも不合格であった場合、総合評価を「×」と評価し、全ての項目が合格であった場合、総合評価を「○」と評価した。
また、得られたフラットケーブルを観察し、A層とB層との間に剥離が見られた場合には、前記3項目全てが合格であっても、「×」と評価することにした。
(実施例2)
A層の構成において、バイロンGM−443、メラミン及びE4275の混合質量比を55:40:5とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
A層の構成において、バイロンGM−443、メラミン及びE4275の混合質量比を50:40:10とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
ポリエステル系樹脂(A)として、東洋紡績社製バイロンGA−1300(テレフタル酸:32.8mol%、イソフタル酸:5.1mol%、アジピン酸:12.1mol%、1,4−ブタンジオール:50mol%、ガラス転移温度=−6℃、ΔHm=23.7J/g)を用い、バイロンGA−1300、メラミン及びE4275の混合質量比を50:40:10とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
A層の構成において、バイロンGA−1300、メラミン及びE4275の混合質量比を40:40:20とした以外は実施例4と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
ポリエステル系樹脂(A)として、東洋紡績社製バイロン30P(テレフタル酸:27.0mol%、セバシン酸:23.0mol%、エチレングリコール:50mol%、ガラス転移温度=−28℃、ΔHm=9.0J/g)を用い、バイロン30P、メラミン及びE4275の混合質量比を50:40:10とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
A層の構成において、ポリエステル系樹脂(A)として、上記バイロンGM−443及び30Pの2種類を用い、バイロンGM−443、バイロン30P、メラミン及びE4275の混合質量比を35:20:40:5とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
A層の構成において、バイロンGM−443、メラミン及びE4275の混合質量比を65:30:5とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
A層の構成において、バイロンGM−443、メラミン及びE4275の混合質量比を35:60:5とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例10)
A層の構成において、バイロンGM−443、メラミン及びE4275の混合質量比を78:20:2とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例11)
A層の構成において、バイロンGM−443、メラミン及びE4275の混合質量比を28:70:2とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例12)
A層の構成において、バイロンGM−443、メラミン及びE4275の混合質量比を18:80:2とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例13)
A層の構成において、バイロンGM−443、メラミン及びE4275の混合質量比を35:40:25とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例14)
A層として、バイロンGM−443、メラミン及びE4275の混合質量比を30:40:30とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例15)
フェノキシ樹脂として、ジャパンエポキシレジン社製E1256(ビスフェノールA=100mol%)を用い、A層の構成において、バイロンGM−443、メラミン及びE1256の混合質量比を55:40:5とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例16)
ポリエステル系樹脂(A)として、三菱化学社製GSPla AZ91T(ポリブチレンサクシネート、ガラス転移温度:−30℃、ΔHm:54.0J/g)を用い、A層の構成において、GSPla AZ91T、メラミン及びE4275の混合質量比を55:40:5とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例1)
A層の構成において、フェノキシ樹脂を用いずに、バイロンGM−443とメラミンを混合質量比60:40でブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例2)
A層の構成において、バイロンGM−443、メラミン及びE4275の混合質量比を90:5:5とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例3)
A層の構成において、メラミンの代わりに日産化学工業社製MC−600(メラミンシアヌレート)を用い、バイロンGM−443、MC−601及びE4275を混合質量比55:40:5でブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例4)
A層に構成において、メラミンの代わりに日本軽金属社製BF013ST(水酸化アルミニウム)を用い、バイロンGM−443、BF013ST及びE4275を混合質量比55:40:5でブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例5)
B層を構成するするフィルムとして「B層−A」の代わりに「B層−B」を用いた以外は、実施例2と同様の方法で厚さ65μm(A層=40μm、B層−C=25μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例6)
A層の構成において、バイロンGM−443、メラミン及びE4275の混合質量比を60:39.5:0.5とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例7)
A層の構成において、バイロンGM−443、メラミン及びE4275の混合質量比を25:40:35とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例8)
A層の構成において、バイロンGM−443、メラミン及びE4275の混合質量比を83:15:2とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例9)
A層として、バイロンGM−443、メラミン及びE4275の混合質量比を13:85:2とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ65μm(A層=25μm、B層−A=40μm)の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに関して実施例1と同様の評価を行うと共に、実施例1と同様にフラットケーブルを作製して評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005368045
Figure 0005368045
Figure 0005368045
実施例1−16の評価結果より、接着層としてのA層において、特定のガラス転移温度を有するポリエステル系樹脂に、メラミンと共にフェノキシ樹脂を配合することで、UL94垂直燃焼試験におけるVTM−0に合格するような高度の難燃性のほか、優れた耐熱性、さらには金属導体との優れた接着性を得られることが判明した。
例えば、実施例1とフェノキシ樹脂を配合しない比較例1とを比較すると、フェノキシ樹脂を配合することで、金属導体との接着性が顕著に高まる上、耐熱性も高まることが判明した。
また、メラミン以外のメラミンシアヌレートを用いた比較例3と実施例とを比較すると、メラミンを用いることにより、難燃性を顕著に高めることができることが分かった。メラミンは、燃焼時に不燃性のガスを発生するため、接着層を難燃化することができるばかりか、難燃剤を配合してない外層(B層)をも難燃化することができるため、積層フィルムの難燃性を格別に高めることができる。
なお、上記試験では、銅メッキ錫との接着性を検討したが、フェノキシ樹脂と金属との接着は、金属表面に存在する水分とフェノキシ樹脂との水素結合によるものと考えられるため、銅メッキ錫以外の金属(例えば銀、金、白金、鉄、ステンレス、鋼或いはこれらの合金)に対しても同様の接着性を得ることができるものと考えられる。
実施例1に比べ、実施例4−7は、ガラス転移温度及びΔHmの異なるポリエステル系樹脂(A)を使用している。これらの結果とこれまでの経験を考慮して検討すると、ポリエステル系樹脂(A)は、Tgが低い方が低温(例えば0℃以下)での剥離強度が高くなり、ΔHmが高い方が結晶性が高いため耐熱性が高くなる傾向があることが分かった。
かかる観点から、ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度は、−80℃以上が好ましく、特に−70℃以上、中でも−60℃以上が好ましく、また、30℃以下が好ましく、特に20℃以下、中でも10℃以下であるのが好ましい、と考えることができる。
また、ポリエステル系樹脂(A)の結晶融解熱量ΔHmは5〜30J/gであることが好ましく、また、特に8J/g以上、中でも10J/g以上であるのがさらに好ましく、上限値は特に25J/g以下、中でも20J/g以下であるのがさらに好ましい、と考えることができる。
他方、ポリエステル系樹脂(B)に関しては、上記実施例及び比較例の評価結果、特に比較例5の評価結果とこれまでの経験を考慮して検討すると、ポリエステル系樹脂(B)のガラス転移温度は50〜120℃であるのが好ましく、下限値としては特に55℃以上、中でも60℃以上であるのがさらに好ましく、上限値は特に110℃以下、中でも特に100℃以下であるのがさらに好ましい、と考えることができる。
また、ポリエステル系樹脂(B)の結晶融解熱量ΔHmは、40〜100J/gであるのが好ましく、下限値としては特に45J/g以上、中でも50J/g以上であるのがさらに好ましく、上限値は特に90J/g以下、中でも80J/g以下であるのがさらに好ましい、と考えることができる。
上記の実施例及び比較例の結果とこれまでの経験より、A層を構成を構成する樹脂組成物a中に占めるメラミンの配合割合は、20〜80質量%であるのが好ましく、その下限値は、特に30質量%以上、中でも40質量%以上であるのがさらに好ましく、上限値は、特に70質量%以下、中でも60質量%以下であるのがさらに好ましい、と考えることができる。
また、A層を構成する樹脂組成物a中に占めるフェノキシ樹脂の割合は、1〜30質量%であることが好ましく、下限値は5質量%以上であるのがさらに好ましく、その上限値は20質量%以下であるのがさらに好ましい、と考えることができる。
また、実施例15と他の実施例を比較すると共にこれまでの経験を加味して考慮すると、理由は定かではないが、ビスフェノールの中でも、ビスフェノールAよりもビスフェノールFの方が難燃性に優れていることが分かった。
実施例において、錫メッキ銅箔との剥離強度の評価として行ったA層と錫メッキ銅箔間の剥離強度の測定方法を説明した説明図である。

Claims (7)

  1. 金属接着性と難燃性とを兼ね備えた金属接着用難燃性樹脂積層体であって、
    ガラス転移温度が−80〜30℃であるポリエステル系樹脂(A)、メラミン、及び、フェノキシ樹脂の混合物を主成分とする樹脂組成物aからなるA層を有し、
    当該A層上に、ガラス転移温度が50〜120℃であり、結晶融解熱量ΔHmが40〜100J/gであるポリエステル系樹脂(B)を主成分とする樹脂組成物bからなるB層を有する樹脂積層体であり、
    A層を構成する樹脂組成物a中に占めるメラミンの割合が20〜80質量%であり、かつ、樹脂組成物a中に占めるフェノキシ樹脂の割合が1〜30質量%であることを特徴とする金属接着用難燃性樹脂積層体。
  2. UL94垂直燃焼試験UL94VTMの判定基準のVTM−0規格を満たす難燃性を備えた請求項1記載の金属接着用難燃性樹脂積層体。
  3. ポリエステル系樹脂(A)の結晶融解熱量ΔHmが5〜30J/gであることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属接着用難燃性樹脂積層体。
  4. 前記ポリエステル系樹脂(A)が、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸及びイソフタル酸から選ばれる少なくとも1種類の多価カルボン酸成分と、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールから選ばれる少なくとも1種類の多価アルコール成分と、を含む共重合体であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の金属接着用難燃性樹脂積層体。
  5. 前記ポリエステル系樹脂(B)が、ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の金属接着用難燃性樹脂積層体。
  6. 前記メラミンの平均粒径が10μm以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の金属接着用難燃性樹脂積層体。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載された2つの金属接着用難燃性樹脂積層体のA層間に金属導体を配置して貼り合わせてなる構成を備えた配線ケーブル。
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