JP5365152B2 - ホスファゼニウム塩の製造法 - Google Patents

ホスファゼニウム塩の製造法 Download PDF

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本発明は、有機塩基や相関移動触媒として有用なホスファゼニウム塩を効率よく高い純度で製造する方法を提供する。
1,1,3,3−テトラメチルグアニジンと五塩化リンから、下記一般式
Figure 0005365152
において、R,Rが共にメチル基で、Xが塩素原子であるホスファゼニウム塩の製造法が報告されている(特許文献1参照)。その製造法は、具体的には、(1)クロロベンゼンを溶媒とし、窒素雰囲気下、−30℃で懸濁させた五塩化リンに対して、8.5当量の1,1,3,3−テトラメチルグアニジンを0℃以下の温度を保持するように少しずつ添加し、さらに150℃で12時間加熱撹拌することにより、五塩化リンと1,1,3,3−テトラメチルグアニジンを反応させ、(2)反応後室温まで冷却し、ナトリウムメチラートのメタノール溶液により中和し、メタノール及びクロロベンゼンを減圧条件下に除去した残渣をジクロロメタンで抽出し、ジクロロメタンを除去することによりホスファゼニウム塩を得ている。
特許文献1においては、より高純度とするため、更にアセトンとエーテルの混合溶媒による再結晶を行い、分析的に純粋なホスファゼニウム塩を得ている。
しかしながらこの方法では、純度を高めるために煩雑な操作を必要とする再結晶を行っているばかりではなく、溶媒として高価で取扱いが困難なエーテルを使用するなど、高純度化のために多大な労力が必要であった。そこで簡便な操作で効率よく高純度のホスファゼニウム塩が得られる製造法が望まれている。
ドイツ特許DE102006010034−A1
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、反応により副生する塩と目的のホスファゼニウム塩とを効率的かつ高選択的に分離することより、簡便に高純度のホスファゼニウム塩を製造するための製造法を提供することである。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、以下に示すとおりの、ホスファゼニウム塩の製造法である。
[1]不活性ガス雰囲気下、芳香族溶媒中で下記一般式(1)
Figure 0005365152
(式中、Xは塩素原子又は臭素原子を表す。)
で表される五ハロゲン化リンと下記一般式(2)
Figure 0005365152
(式中、R,Rは各々独立して炭素数1〜10のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有する炭素数6〜10のフェニル基又はアルキルフェニル基を表し、RとR又はR同士が互いに結合して環構造を形成していても良い。)
で表されるグアニジン誘導体を反応させて得られる反応混合物から芳香族溶媒を除去し、得られる残渣をハロゲン化炭化水素溶媒と水により抽出することを特徴とする下記一般式(3)
Figure 0005365152
(式中、R,Rは各々独立して炭素数1〜10のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有する炭素数6〜10のフェニル基又はアルキルフェニル基を表し、RとR又はR同士が互いに結合して環構造を形成していても良い。Xは、塩素アニオン又は臭素アニオンを表す。)
で表されるホスファゼニウム塩の製造法。
[2]上記一般式(1)で表される五ハロゲン化リンと上記一般式(2)で表されるグアニジン誘導体を反応させて得られる反応混合物から芳香族溶媒を除去した後、この反応混合物をケトン系溶媒で洗浄し、得られる洗浄液からケトン系溶媒を除去して、得られる残渣をハロゲン化炭化水素溶媒と水により抽出することを特徴とする上記[1]に記載のホスファゼニウム塩の製造法。
[3]ハロゲン化炭化水素溶媒が、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、及び1,1,2−トリクロロエタンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の溶媒であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のホスファゼニウム塩の製造法。
[4]上記一般式(2)及び一般式(3)中の置換基R及びRが共にメチル基であることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載のホスファゼニウム塩の製造法。
[5]ケトン系溶媒が、アセトン、メチルエチルケトン、及びジエチルケトンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の溶媒であることを特徴とする上記[2]乃至[4]のいずれかに記載のホスファゼニウム塩の製造法。
本発明の方法によれば、反応により副生する塩と目的のホスファゼニウム塩を効率的かつ高選択的に分離することより、簡便に高純度のホスファゼニウム塩を製造することができるので、本発明は工業的に極めて有用である。
本発明で使用される上記一般式(1)で表される五ハロゲン化リンは、五塩化リン又は五臭化リンであって、好ましくは五塩化リンである。
本発明において、上記一般式(2)及び一般式(3)中の置換基R、Rは各々独立して炭素数1〜10のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有する炭素数6〜10のフェニル基又はアルキルフェニル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ブチル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチル−1−ブチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、3−メチル−2−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチル−2−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ヘプチル基、3−ヘプチル基、1−オクチル基、2−オクチル基、2−エチル−1−ヘキシル基、1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、4−トルイル基、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基等の脂肪族又は芳香族の炭化水素基が例示される。これらのうち、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル基等の炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチル基がより好ましい。
本発明において、上記一般式(2)及び一般式(3)中の置換基RとR、又はR同士が互いに結合して環構造を形成していても良い。そのような置換基として、例えば、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等を挙げることができ、好ましくはテトラメチレン基である。
本発明の上記一般式(3)で表されるホスファゼニウム塩においてXは、塩素アニオン、臭素アニオンである。
上記一般式(3)で表されるホスファゼニウム塩は、上記一般式(1)で表される五ハロゲン化リンに、上記一般式(2)で表されるグアニジン誘導体を少なくとも4当量反応させることにより製造することができる。
本発明で使用される上記一般式(2)で表されるグアニジン誘導体の使用量は、上記一般式(1)で表される五ハロゲン化リン1モルに対して通常は6〜20モルの範囲であり、好ましくは8〜12モルの範囲である。グアニジン誘導体の使用量が少ないと、目的のホスファゼニウム塩の生成量が大きく低下し、逆に使用量が多すぎると反応には殆ど影響はないが、不経済となる。
本発明において、上記一般式(1)で表される五ハロゲン化リンと上記一般式(2)で表されるグアニジン誘導体との反応に用いられる芳香族溶媒としては、反応を阻害しないものであればよく、特に限定するものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン等のハロゲン芳香族炭化水素類を挙げることができる。好ましくはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類である。これらの溶媒は、単独でも2種以上を混合して用いてもよい。反応は均一状態で進行することが好ましいが、不均一状態であっても問題はない。また、使用される溶媒は、脱水処理を行った後に使用することが好ましい。
本発明において、上記一般式(1)で表される五ハロゲン化リンと上記一般式(2)で表されるグアニジン誘導体との反応に用いられる溶媒の量は、五ハロゲン化リン1molに対して、通常0.1L〜80Lの範囲であり、好ましくは0.5L〜40Lの範囲、より好ましくは1L〜20Lの範囲である。溶媒量が少なすぎると、温度の制御が難しくなり、副反応を引き起こす可能性があり、反対に溶媒量が多すぎると、反応後の処理が煩雑となるばかりでなく、不経済である。
本発明において、上記一般式(1)で表される五ハロゲン化リンと上記一般式(2)で表されるグアニジン誘導体との反応は、ヘリウム、窒素、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下で通常実施される。
本発明において、上記一般式(1)で表される五ハロゲン化リンと上記一般式(2)で表されるグアニジン誘導体との反応における反応温度は、通常−50℃〜150℃の範囲であり、好ましくは−30℃〜120℃の範囲である。反応温度が高すぎると、発熱を制御できず、副反応が起こる可能性があり、反応温度が低すぎると反応速度が低下し、反応時間が長くなる。また、反応温度は二段階で制御することが好ましい。
本発明の方法における反応圧力は、減圧、常圧及び加圧の何れでも実施し得るが、好ましくは0.01〜1MPaであり、より好ましくは0.05〜0.3MPaの範囲である。
本発明の方法における反応時間は、反応温度や反応系の状態等によって一様ではないが、通常、1分〜48時間の範囲であり、好ましくは1分〜24時間、より好ましくは5分〜10時間である。
本発明の方法では、上記一般式(1)で表される五ハロゲン化リンと上記一般式(2)で表されるグアニジン誘導体とを反応させて得られる反応混合物は、通常の処理、例えば、溶媒の除去や濾過又は洗浄後の洗浄液の濃縮により、残渣が上記一般式(3)で表されるホスファゼニウム塩を含む固体として得られる。本発明においては、反応混合物から芳香族溶媒を除去して得られる残渣をハロゲン化炭化水素溶媒と水により抽出することにより、有機相に選択的にホスファゼニウム塩が分配し、高純度のホスファゼニウム塩を得ることが可能となる。
本発明の方法で使用されるハロゲン化炭化水素溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等を挙げることができる。これらのうち、溶媒除去の容易さなどから、好ましくはジクロロメタン又はクロロホルムである。
本発明の方法においては、具体的には、以下に示す方法により、さらに高純度のホスファゼニウム塩を得ることができる。
すなわち、芳香族溶媒を用い、上記一般式(1)で表される五ハロゲン化リンと上記一般式(2)で表されるグアニジン誘導体とを反応させる。
生成物である上記一般式(3)で表されるホスファゼニウム塩は芳香族溶媒に不溶のため、このホスファゼニウム塩を濾過により回収し、それをケトン系溶媒で洗浄する。
この洗浄液を濃縮して、ケトン系溶媒を除去し、上記一般式(3)で表されるホスファゼニウム塩を含む残渣を得る。この残渣をハロゲン化炭化水素溶媒と水で抽出することにより純度95%以上の上記一般式(3)で表されるホスファゼニウム塩を得ることができる。
本発明の方法において、洗浄に使用されるケトン系溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等を挙げることができる。これらのうち、洗浄効率や洗浄後の溶媒除去が容易であることから、好ましくはアセトンが使用される。
ケトン系溶媒による洗浄により、ハロゲン化ホスファゼニウム塩及びホスフィンオキサイドはケトン溶液として得られ、グアニジン誘導体のハロゲン化水素塩は洗浄残渣として効率よく分離される。
この際に使用されるケトン系溶媒の量は、濾過残渣1kgに対して1L〜50Lの範囲であり、好ましくは5L〜20Lの範囲である。洗浄溶媒量が少なすぎると分離が不十分となり、回収率が低下する。一方、溶媒量が多すぎると、不経済となるばかりではなく、洗浄や濃縮に要する時間が長くなり非効率となる。
ケトン系溶媒を除去して得られる残渣中には、ホスファゼニウム塩及びホスフィンオキサイドが含有されている。この混合物をハロゲン化炭化水素溶媒に溶解した後、水を加えて抽出操作を行うことにより、ホスファゼニウム塩のみを高選択的にハロゲン化炭化水素溶媒に抽出することができる。
ハロゲン化炭化水素溶媒の使用量としては、ケトン除去後に得られる残渣1kgに対して1L〜50Lの範囲であり、抽出効率及び作業性や経済性の観点から好ましくは、5L〜20Lの範囲である。一方、抽出に使用される水の量は、ケトン除去後に得られる残渣1kgに対して1L〜50Lの範囲であり、抽出効率及び作業性の観点から2L〜30Lの範囲である。
一度の抽出ではホスフィンオキサイドが若干残存することがあるが、二回以上抽出操作を繰り返すことにより、分析上純粋なホスホニウム塩を収率良く得ることができる。
次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらになんら限定されるものではない。なお、以下の実施例においては、NMRスペクトル、GC−MSを以下のとおり測定した。
NMRスペクトルの測定:
核磁気共鳴スペクトル測定装置(日本電子製、商品名:GSX270WB)を用い、内部標準にテトラメチルシラン(TMS)及び重溶媒に重クロロホルムを用い測定した。
GC−MSの測定:
ガスクロマトグラフィー−質量分析装置(日本電子製、商品名:JMS−700)を用い、イオン化モードとしてFAB+を用いて測定を行った。
実施例1.
テトラキス(テトラメチルグアニジノ)ホスフォニウムクロライド:[(MeN)C=N] Cl(Meはメチル基を表す。以下同様)の合成.
温度計、滴下ロート、冷却管及び磁気回転子を付した300mlの4つ口フラスコに窒素雰囲気下で五塩化リン4.01g(20.0mmol)を採った。以後の操作はすべて窒素雰囲気下で行った。60mlの脱水トルエン(和光純薬製)を加えてスラリー溶液とした。このスラリー溶液をドライアイス−アセトンにて−30℃に冷却したクーリングバスにつけて内温を−30℃とした後、強撹拌下に1,1,3,3−テトラメチルグアニジン22.2g(190mmol)を滴下ロートから1時間かけて滴下した。そのまま−30℃で1時間撹拌した後、クーリングバスをはずして室温までゆっくり昇温した。更にこのスラリー溶液を100℃で10時間加熱して白色のスラリー溶液を得た。室温まで冷却した後、スラリーを濾別し、濾過残渣をアセトン100mlで洗浄した。アセトン溶液を濃縮することにより、テトラキス(テトラメチルグアニジノ)ホスフォニウムクロリド:[(MeN)C=N] Clを9.6gの白色粉体として得た。H−NMRより求めた純度は82%であり、収率は80.4%であった。生成物は、H−NMR、GC−MSにより同定した。
抽出前のH−NMRチャートを図1に示す。
H−NMR(重溶媒:CDCl,内部標準:テトラメチルシラン):
化学シフト:2.83ppm(ホスファゼニウム塩由来のメチル基),2.91ppm(ホスフィンオキサイド由来のメチル基)。
GC−MS(FAB+)測定結果:
m/z=487(テトラキス(テトラメチルグアニジノ)ホスフォニウムカチオンの分子量に一致。)、m/z=389(トリス(テトラメチルグアニジノ)ホスフィンオキサイドの分子量に一致。)。
得られた純度82%の白色粉体の内、7.0gを70mlのクロロホルムに溶解した後、300mlの分液ロートに移し、70mlの水を加えて抽出操作を行った。クロロホルム相を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、クロロホルムを減圧下に除去して白色粉体6.0gを得た。この白色粉体のH−NMRを測定した結果、ホスファゼニウム塩の純度は96%に向上しており、ホスファゼニウム塩の収率は99%であった。
抽出(1回目)後のH−NMRチャートを図2に示す。
実施例2.
実施例1で得られた純度96%の白色粉体の内、5.9gを100mlのクロロホルムに溶解した後、300mlの分液ロートに移し、100mlの水を加えて抽出操作を行った。クロロホルム相を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、クロロホルムを減圧下に除去して白色粉体5.5gを得た。この白色粉体のH−NMRを測定した結果、ホスファゼニウム塩の純度は99%以上に向上しており、ホスファゼニウム塩の収率は97%であった。
抽出(2回目)後のH−NMRチャートを図3に示す。
生成物は、H−NMR、GC−MS、元素分析により同定した。
H−NMR(重溶媒:CDCl,内部標準:テトラメチルシラン)
化学シフト:2.83ppm(ホスファゼニウム塩由来のメチル基)。
GC−MS(FAB+)測定結果:m/z=487(テトラキス(テトラメチルグアニジノ)ホスフォニウムカチオンの分子量に一致。)。
元素分析の結果を表1に示す。
Figure 0005365152
比較例1
温度計、滴下ロート、冷却管及び磁気回転子を付した300mlの4つ口フラスコに窒素雰囲気下で五塩化リン4.01g(20.0mmol)を採った。クロロベンゼン(40ml)を加え、クーリングバスにて内温を−30℃に冷却し、−30℃で攪拌されているのクロロベンゼン懸濁液に、乾燥窒素雰囲気下に、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン18.8g(163.5mmol)を少量ずつ、0℃未満の反応温度が維持されるように加えた。発熱反応が終了した後に、反応混合物を室温にし、次いで、浴温度150℃で12時間保持した。
続いて、反応混合物を室温に冷却し、続いて、氷で冷却した。次いで、ナトリウムメタノラート4.15g(77.0mmol)の30%メタノール(13.8g)溶液を滴加したが、この際、20℃未満の温度を保持した。引き続き、揮発性成分を、メタノール、クロロベンゼン及び1,1,2,2−テトラメチルグアニジンの混合物の形態で真空下に、乾燥するまで留去した。
残渣を塩化メチレン60mlに溶かし、塩化ナトリウム存在下で濾過し、引き続き、溶媒を真空下に蒸発させた。クロロホスファゼニウム塩を淡黄色の固体として8.5g(収率:81%)、純度95%で得られた。
得られた淡黄色の固体をアセトン/エーテルから再結晶化させて、純度99%以上のホスファゼニウム塩を7.4g(収率71%)で得た。
実施例1における抽出前のH−NMRチャートである。 実施例1における抽出(1回目)後のH−NMRチャートである。 実施例2における抽出(2回目)後のH−NMRチャートである。

Claims (5)

  1. 不活性ガス雰囲気下、芳香族溶媒中で下記一般式(1)
    Figure 0005365152
    (式中、Xは塩素原子又は臭素原子を表す。)
    で表される五ハロゲン化リンと下記一般式(2)
    Figure 0005365152
    (式中、R,Rは各々独立して炭素数1〜10のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有する炭素数6〜10のフェニル基又はアルキルフェニル基を表し、RとR又はR同士が互いに結合して環構造を形成していても良い。)
    で表されるグアニジン誘導体を反応させて得られる反応混合物から芳香族溶媒を除去し、得られる残渣をジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、及び1,1,2−トリクロロエタンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のハロゲン化炭化水素溶媒と水により抽出することを特徴とする下記一般式(3)
    Figure 0005365152
    (式中、R,Rは各々独立して炭素数1〜10のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有する炭素数6〜10のフェニル基又はアルキルフェニル基を表し、RとR又はR同士が互いに結合して環構造を形成していても良い。Xは、塩素アニオン又は臭素アニオンを表す。)
    で表されるホスファゼニウム塩の製造法。
  2. 一般式(1)で表される五ハロゲン化リンと一般式(2)で表されるグアニジン誘導体を反応させて得られる反応混合物から芳香族溶媒を除去した後、この反応混合物をアセトン、メチルエチルケトン、及びジエチルケトンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のケトン系溶媒で洗浄し、得られる洗浄液からケトン系溶媒を除去して、得られる残渣をハロゲン化炭化水素溶媒と水により抽出することを特徴とする請求項1に記載のホスファゼニウム塩の製造法。
  3. ハロゲン化炭化水素溶媒の使用量が、ケトン除去後に得られる濾過残渣1kgに対して5L〜20Lの範囲であることを特徴とする請求項2に記載のホスファゼニウム塩の製造法
  4. 一般式(2)及び一般式(3)中の置換基R及びRが共にメチル基であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のホスファゼニウム塩の製造法。
  5. ケトン系溶媒の量が、濾過残渣1kgに対して5L〜20Lの範囲であることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のホスファゼニウム塩の製造法。
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