(第1の実施形態)
以下、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る遊技機について説明する。なお、図1は、本発明の第1の実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器3の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部が設けられており、錠部を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。このように、枠部材5を開くことによって遊技盤2が外部に開放した状態となり、遊技機1が設置されている店(ホール)の従業員が遊技機1の前面から遊技盤2を直接触るような作業が可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とを備えている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部21が配設されている。画像表示部21は、遊技者によるゲームの進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したりする。なお、画像表示部21は、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)ドット表示装置、および7セグメントディスプレイ(以下、7セグ表示装置と記載する)等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物22および盤ランプ23が設けられている。可動役物22は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技者によるゲームの進行に応じて所定の動作で動くことによって各種の演出を行う。また、盤ランプ23は、遊技者によるゲームの進行に応じて発光することによって、光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球が下方へ落下する方向を変化させる遊技くぎおよび風車(共に、図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口25a、第2始動口25b、ゲート27、大入賞口28、および普通入賞口29が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口24が配設されている。
第1始動口25aおよび第2始動口25bは、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する。第1始動口25aは、予め定められた特別電動役物(大入賞口28)および/または予め定められた特別図柄表示器(例えば、後述する第1特別図柄表示器31a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口25bは、上記特別電動役物(大入賞口28)および/または予め定められた特別図柄表示器(例えば、後述する第2特別図柄表示器31b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート27は、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する。
第2始動口25bは、第1始動口25aの下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ26を備えている。電動チューリップ26は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉し、開閉動作と共に点灯または点滅する。電動チューリップ26は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口25bの入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口25bへ入らない状態となる。一方、電動チューリップ26は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口25bの入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口25bへ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ26は、ゲート27を遊技球が通過することによって普通図柄抽選に当選すると、点灯または点滅しながら一対の羽根部が規定時間(例えば、0.15秒間または1.80秒間)開き、規定回数(例えば、1回または3回)だけ開閉する。
大入賞口28は、第2始動口25bの下方に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口28は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口28は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞や開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、15回または1回)だけ繰り返す。また、普通入賞口29は、遊技球が入賞しても抽選が始動しない。
また、遊技盤2の所定位置(例えば、右下)に、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器3が配設されている。表示器3の詳細については、後述する。
なお、図1に示した遊技機1は、遊技領域20に2つの第1始動口25aおよび第2始動口25bが配設されているが、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選が開始される始動口を1つだけ設けてもかまわない。また、遊技機1は、遊技領域20に1つの大入賞口28が配設されているが、大入賞口28と同様の機能を有する大入賞口を複数設けてもかまわない。
また、遊技機1は、所定の条件下で、特別図柄抽選時に大当たりが抽選される大当たり確率が変動することがある。例えば、遊技機1は、上記大当たり確率が相対的に低い状態(低確状態;例えば大当たり確率が300分の1)から上記大当たり確率が相対的に高い状態(高確状態;例えば大当たり確率が30分の1)へ変動することがある。また、遊技機1は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ26の羽根部の開時間が延長されたり、電動チューリップ26の羽根部が開閉する回数が増えたりする(電チューサポート)場合がある。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口25a、第2始動口25b、大入賞口28、および普通入賞口29に遊技球が入る(入賞)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口25aおよび第2始動口25bに遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口28に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口29に遊技球が入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル51、レバー52、停止ボタン53、取り出しボタン54、スピーカ55、枠ランプ56、演出ボタン57、演出キー58、および皿59等が設けられている。
遊技者がハンドル51に触れてレバー52を時計方向に回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図5参照)が遊技球を電動発射する。皿59(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給する遊技球を一時的に溜めておく。また、皿59には、上述した賞球が払い出される。そして、皿59に溜められた遊技球は、遊技者のレバー52による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。なお、皿59は、上下皿一体で構成してもいいし、上皿と下皿とを分離して構成してもかまわない。また、ハンドル51は、所定条件下で発光させてもかまわない。
停止ボタン53は、ハンドル51の下部側面に設けられ、ハンドル51に遊技者が触れてレバー52を時計方向に回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン54は、皿59が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿59に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ55および枠ランプ56は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ55は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ56は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ56は、光の照射方向を変更可能にして、当該照射方向を変えることによる演出を行ってもかまわない。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器3について説明する。図2において、表示器3は、第1特別図柄表示器31a、第2特別図柄表示器31b、第1特別図柄保留表示器32a、第2特別図柄保留表示器32b、普通図柄表示器33、普通図柄保留表示器34、および遊技状態表示器35を備えている。
第1特別図柄表示器31aは、第1始動口25aに遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器31aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口25aに遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器31bは、第2始動口25bに遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器31bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口25bに遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器33は、ゲート27を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器33は、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート27を通過した場合、普通図柄を変動表示してその抽選結果を表示する。
第1特別図柄保留表示器32aは、第1始動口25aに遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器32bは、第2始動口25bに遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器34は、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄表示器31a、第2特別図柄表示器31b、または普通図柄表示器33によって表示図柄が変動表示されている期間(入賞1回分の変動表示が行われている間)に、さらに他の遊技球が入賞した場合、その入賞した遊技球に対する表示図柄の変動表示は、先に入賞した遊技球に対する変動表示が終了するまで、規定回数(例えば、4回)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選回数)が、第1特別図柄保留表示器32a、第2特別図柄表示器31b、および普通図柄保留表示器34に表示される。例えば、第1特別図柄保留表示器32a、第2特別図柄表示器31b、および普通図柄保留表示器34は、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器35は、遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。遊技機1には複数の遊技状態(例えば、通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜伏遊技状態)が設定されている。そして、遊技機1の電源投入時点においては、遊技状態表示器35によってその遊技状態が報知される。例えば、遊技状態表示器35は、複数のLED表示装置で構成され、その点灯態様によって遊技状態が表示される。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン57および演出キー58が設けられている。
演出ボタン57および演出キー58は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン57は、遊技機1の前方に突出した皿59の上面脇部に設けられる。演出キー58は、中央キーと略十字に配列された複数のキーとを有し、演出ボタン57に隣接して皿59の上面脇部に設けられる。例えば、演出キー58は、その中央に1つの中央キーを配置し、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。演出ボタン57および演出キー58は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われるものである。例えば、遊技者は、演出キー58の4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部21に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能である。また、遊技者は、演出キー58の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
また、上記内枠体の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿59に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100が構成されたメイン制御基板が配設されている。このメイン基板は、開封されることにより痕跡が残るように透明部材で構成されたメイン基板ケースによって密封されている。また、サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ56、盤ランプ23)や可動役物22による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1に外部から供給された例えば24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
次に、図4を参照して、遊技機1での動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶される。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口25aまたは第2始動口25bに遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。また、メイン制御部100は、特別図柄抽選に応じて決定した当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)および特別図柄変動時間の短縮設定を示すデータや、普通図柄抽選に応じて決定した普通図柄変動時間の短縮設定を示すデータを、演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ26の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口25aへ入賞したときの保留回数、遊技球が第2始動口25bへ入賞したときの保留回数、および遊技球がゲート27を通過したときの保留回数をそれぞれ管理する。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口28の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞や開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで、大入賞口28が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば15回または1回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口28が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、第1始動口25a、第2始動口25b、大入賞口28、および普通入賞口29に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出数を払出制御部300に対して指示する。例えば、メイン制御部100は、第1始動口25aまたは第2始動口25bに遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口28に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口29に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部300に指示命令(コマンド)を送る。なお、メイン制御部100は、ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
メイン制御部100は、発射制御部200を介して、遊技球を発射する発射装置211を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定の条件に基づいて、発射装置211が遊技球を発射する動作を許可する信号を、払出制御部300を介して発射制御部200へ送信する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、第1特別図柄表示器31a、第2特別図柄表示器31b、第1特別図柄保留表示器32a、第2特別図柄保留表示器32b、普通図柄表示器33、および普通図柄保留表示器34が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口25aへ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口25bへ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ26の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート27を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口28へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口28を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口29へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。
また、メイン制御部100は、第1始動口25aへの遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を、第1特別図柄表示器31aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口25bへの遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を、第2特別図柄表示器31bに表示する。メイン制御部100は、第1始動口25aへの遊技球の入賞に応じて抽選を保留にしている保留回数を、第1特別図柄保留表示器32aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口25bへの遊技球の入賞に応じて抽選を保留にしている保留回数を、第2特別図柄保留表示器32bに表示する。メイン制御部100は、ゲート27への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器33に表示する。そして、メイン制御部100は、ゲート27への遊技球の通過に応じて抽選を保留にしている保留回数を、普通図柄保留表示器34に表示する。
また、メイン制御部100は、遊技機1を設置している店(ホール)に設けられたホストコンピュータに対して、各種の情報を送信する。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した払い出した賞球数に関する情報やメイン制御部100の状態等を示す情報を、上記ホストコンピュータに送信する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202には、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶される。RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー52は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー52は、時計方向に回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー52の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。また、発射制御部200は、メイン制御部100から発射を許可する信号を受信することによって、発射装置211の発射動作が可能となる。一方、発射制御部200は、停止ボタン53が押下された信号が出力されたり、メイン制御部100から発射を停止する制御信号が出力されたりした場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302には、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶される。RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、払出制御部300は、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
また、払出制御部300は、上記ホストコンピュータに対して各種の情報を送信する。例えば、払出制御部300は、払出駆動部311に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や実際に払い出された賞球数に関する情報等を、ホストコンピュータに送信する。また、払出制御部300は、メイン制御部100に対しても、同様の情報を送信する。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC404を備えている。また、演出制御部400には、演出ボタン57および演出キー58が接続されている。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402には、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン57または演出キー58が押下操作された場合、当該操作入力や検出結果に応じて演出内容を設定する場合もある。また、演出制御部400は、遊技機1に対する遊技が所定期間以上中断された場合、演出の1つとして客待ち用の演出を設定する。さらに、メイン制御部100が、特別図柄抽選時の当選確率を変動させたことを示すデータを出力した場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、演出制御部400は、それぞれ出力されたデータが示す内容に対応させて、演出内容を設定する。そして、演出制御部400は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像音響制御部500およびランプ制御部600にそれぞれ送る。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502には、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶される。RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部21に表示する画像およびスピーカ55から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部21において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部21に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ55から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行う。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部21に表示する。また、CPU501は、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ55から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ23や枠ランプ56の発光、および可動役物22の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602には、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶される。RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ23や枠ランプ56の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物22の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400にて設定される演出内容に応じた盤ランプ23や枠ランプ56での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ23や枠ランプ56の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400にて設定される演出内容に応じた可動役物22の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物22の動作を制御する。
次に、図5を参照して、遊技機1への電源電力供給が停止される期間におけるRTC404に対する電力供給について説明する。なお、図5は、第1の実施形態において、遊技機1への電源電力供給が停止される期間におけるRTC404に対する電力供給を説明するための機能ブロック図である。以下では、RTC404を一例に挙げて説明するが、これには限られず、常に電力供給を必要とするデバイスであればよいことは言うまでもない。
既に説明したように、RTCが日時を継続してカウントするためには、RTCに常に電力が供給される必要がある。遊技者に遊技を行わせるホール営業時間において、遊技機1には、既に説明したように当該遊技機の外部から例えば24V(ボルト)の交流電力が供給される。そして、外部から遊技機1に供給された交流電力は、所定の直流電力(以下、電源電力という:例えば、3.0V)に変換されて演出制御部400が備えるRTC404(図4参照)に供給される。そして、RTC404は、電源電力が遊技機1に供給されている期間(以下、電源オン期間という)には、この電源電力を用いて駆動することによって日時をカウントする。
一方、ホール営業時間外においては、一般に、遊技機1への電源電力の供給は停止される。この遊技機1への電源電力の供給が停止される期間(以下、電源オフ期間という)において、演出制御部400に備えられるRTC404には、図5に示すように、蓄電部710に蓄電された電力が供給される。蓄電部710は、遊技機1内に設けられ、太陽電池707によって発電された電力を蓄電する。なお、蓄電部710は、例えば、電気二重層キャパシタ(スーパーキャパシタ)等で構成された、電力を蓄えることのできる蓄電装置である。
電源監視回路711は、外部電力の供給状態を監視し、電源オフ期間において、蓄電部710に蓄電された電力をRTC404に供給する。具体的には、電源監視回路711は、電源電力の電圧(以下、電源電圧という)を監視することによって電源電力のオン及びオフを検出し、蓄電部710に蓄電された電力が電源オフ期間においてRTC404に供給されように、蓄電部710からの電力供給を制御する。ここで、電源監視回路711は、電源電力を用いて駆動しつつ、この電源電力のオン/オフを検出して蓄電部710からの電力供給を制御する。なお、電源監視回路711は、電力供給を制御するので、電力供給部711と呼んでもよい。電源監視回路711の詳細な動作については、後に説明する。
太陽電池707は、画像表示部21の内部に設けられる。以下、図6〜図8を参照して、太陽電池707が設けられた画像表示部21の構造について説明する、なお、図6は、画像表示部21の内部構造の一例を示す縦断面図である。図7は、画像表示部21の一部の内部構造の一例を示す平面図である。図8は、画像表示部21の一部における光の伝搬例を説明するための図である。
図6および図7において、画像表示部21は、一例として液晶表示装置によって構成され、液晶セル701、プリズムシート702、拡散シート703、導光板704、光源705、反射シート706、太陽電池707、および筐体708を備えている。なお、図7においては、画像表示部21を構成する一部として、導光板704、光源705、太陽電池707、および筐体708のみを図示している。
画像表示部21には、前方から液晶セル701、プリズムシート702、拡散シート703、導光板704、反射シート706の順に、筐体708の中に積層されて配置されている。また、導光板704の側方(例えば、下方)に光源705が設けられ、導光板704を介して光源705と対向する位置(例えば、上方)に太陽電池707が配設されている。そして、光源705とプリズムシート702から反射シート706までの積層部とは、液晶表示装置のバックライトとして機能する。
光源705は、例えばLED(発光ダイオード)、冷陰極管、熱陰極管等で構成され、ランプリフレクタに取り囲まれて配置されることもあり得る。図6および図7においては、導光板704の入射面(例えば、下方側面であり、図6に示す入射面704a)にそれぞれ光を入射させる複数のLEDによって、光源705が構成されている一例を用いている。
導光板704は、入射面704aに光源705から入射された光を、拡散シート703と対向する前面(出射面704b)に導く。拡散シート703は、導光板704を介して出射面704bから出射された光を拡散させる。プリズムシート702は、拡散シート703で拡散された光を集光し、集光した光を液晶セル701へ出射する。反射シート706は、出射面704bの反対側に形成されている導光板704の後面から出射される光を当該後面へ反射させる。太陽電池707は、入射面704aの反対側に形成されている導光板704の上方側面から出射される光を受ける位置に配設される。例えば、太陽電池707は、導光板704の上方側面より大きな受光面を有し、当該受光面が導光板704の上方側面と所定の間隙を介して対向するように配設される。そして、太陽電池707は、導光板704の上方側面から出射される光を用いて発電し、発電した電力を蓄電部710(図5参照)に蓄電させる。
なお、太陽電池707は、導光板704の上方側面より大きな受光面を有することによって、当該上方側面から出射される光を効率よく受光することが可能となるが、このような効果を期待しない場合、以下に記載する他の形状の受光面を有する太陽電池や他の配設位置に配置された太陽電池でもかまわない。第1の例として、導光板704の上方側面と同じ形状または小さな形状の受光面を有する太陽電池を、当該受光面が導光板704の上方側面と所定の間隙を介して対向するように配設する。第2の例として、それぞれの受光面が導光板704の上方側面と所定の間隙を介して対向するように、複数の太陽電池を配設する。第3の例として、上述した各種太陽電池の受光面を、導光板704の上方側面に接面させて(すなわち、間隙なく対向させて)配設する。
次に、図8を用いて、画像表示部21内部において光が伝搬する例を説明する。図8に示す光路AおよびBは、光源705から照射された光が入射面704aから導光板704内に入射した後、出射面704bから出射して拡散シート703において拡散する光路である。図8に示す光路Cは、光源705から照射された光が入射面704aから導光板704内に入射した後、導光板704の後面から出射されて反射シート706で当該後面へ反射し、再び導光板704内に入射した光が出射面704bから出射して拡散シート703において拡散する光路である。これら光路A〜Cによって伝搬する光は、画像表示部21の液晶セル701における表示機能を実現するために用いられる光となる。
一方、図8に示す光路Dは、光源705から照射された光が入射面704aから導光板704内に入射した後、導光板704の前面および後面等で反射しながら上方側面から出射して、太陽電池707に照射される光路である。また、図8に示す光路Eは、光源705から照射された光が入射面704aから導光板704内に入射した後、反射することなく上方側面から出射して、太陽電池707に照射される光路である。これら光路DおよびEによって伝搬する光は、画像表示部21の液晶セル701における表示機能を実現するために用いられる光ではなく、従来、損失となっていた光である。
例えば、液晶表示装置では、光源から照射される光の光度が3500〜5000cd(カンデラ)である場合、液晶セルを介して表示画面(前面)から出射される光の光度は、350cd程度である。つまり、光源から照射される光の大半が損失となっていることが多い。本実施例では、太陽電池707は、従来損失となっている光のうち、入射面704aの反対側となる導光板704の側面(例えば、上方側面)から出射する光を用いて、発電を行っている。
ここで、遊技機1が稼働状態である場合、遊技者が遊技している期間においては、当該遊技に対応した演出画像が画像表示部21に表示される。また、遊技機1が稼働状態である場合、遊技者が遊技していない期間であっても客待ち用の演出画像が画像表示部21に表示される。つまり、遊技機1が稼働状態である場合、画像表示部21は、常に何らかの画像を表示している状態となるため、画像表示部21のバックライトも常に点灯している状態となる。したがって、遊技機1が稼働状態である場合、太陽電池707に常に光が照射される状態となるため、太陽電池707は、当該稼働状態において常に発電を行って蓄電部710を蓄電することができる。
以下では、図9および図10を用いて、電源監視回路711が電源電力の供給状態を監視して蓄電部710からRTC404への電力供給を制御する動作の一例について、詳しく説明する。なお、図9は、第1の実施形態において、電源監視回路711が蓄電部710からRTC404への電力供給を制御する動作の一例を示すフローチャートである。また、図10は、遊技機1に供給される電源電力がオン及びオフとなるときの当該電源電力の電圧変化の一例を示す模式図である。なお、図9において、電源監視回路711が実行する各ステップを「S」と略称する。
図9のフローチャートのスタートは、図10の点aで電源電力がオンされて電源電圧が上昇し、その後、点bで電源監視回路711の駆動可能電圧(例えば、2.4V)に電源電圧が達して電源監視回路711が起動した時点に対応する。
処理がスタートすると、まず、ステップ800において、起動後の電源監視回路711は、電源電圧が第2閾値から第1閾値の順で検出されたか否かを判断する。ここで、第1閾値は第2閾値よりも大きく、図10の例では、第1閾値は2.8Vであり、第2閾値は2.6Vである。つまり、ステップ800において、電源監視回路711は、電源電圧の上昇(点cおよび点d参照)を検出することによって、電源電力がオンされたことを検出している。電源電圧が第2閾値から第1閾値の順で検出された場合(ステップ800でYes)、処理はステップ801に移る。一方、電源電圧が第2閾値から第1閾値の順で検出されかった場合(ステップ800でNo)、処理はステップ802に移る。
次に、ステップ801において、電源監視回路711は、蓄電部710からRTC404への電力供給を終了する。ここで、後述するステップ803の処理によって、電源オフ期間において、RTC404は、蓄電部710からの電力供給によって駆動している。そして、蓄電部710からの電力供給がステップ801の処理によって終了すると同時に、RTC404は、供給開始された電源電力を用いて駆動する。その後、処理は、ステップ800に戻った後、ステップ802に移る。
次に、ステップ802において、電源監視回路711は、電源電圧が第1閾値から第2閾値の順で検出されたか否かを判断する。つまり、ステップ802において、電源監視回路711は、電源電圧の降下(点gおよび点h参照)を検出することによって、電源電力がオフされたことを検出している。電源電圧が第1閾値から第2閾値の順で検出された場合(ステップ802でYes)、処理はステップ803に移る。一方、電源電圧が第1閾値から第2閾値の順では検出されかった場合(ステップ802でNo)、処理はステップ800に戻る。このことから、図10の点dから点hまでの期間において、電源監視回路711は、ステップ800およびステップ802の処理を繰返すこととなる。
次に、ステップ802でYesと判断されて処理がステップ803に移った場合、ステップ803において、電源監視回路711は、蓄電部710からRTC404への電力供給を開始させる。その後、処理はステップ800に戻る。そして、図10の点iを過ぎた時点で電源電圧が降下して電源監視回路711は停止し、図9のフローチャートの処理は終了する。
以上に説明したように、太陽電池707は、画像表示部21に供給される光エネルギのうち、表示機能に用いられることなく損失となっている光エネルギを用いて発電する。そして、発電された電力は、蓄電部710に蓄電される。一方で、以上に説明したように、電源監視回路711は、外部電力のオン/オフを検出し、電源電力のオフの検出に応じて蓄電部710からRTC404への電力供給を開始し、電源電力のオンの検出に応じて蓄電部710からRTC404への電力供給を終了する。つまり、電源監視回路711は、電源オフ期間において、従来は損失となっていた蓄電部710に蓄電された光エネルギ(電力)を用いて、常時電力供給を必要とするRTC404を駆動させる。このことから、第1の実施形態に係る遊技機は、液晶表示装置に供給されている光エネルギを効率よく利用することができる。
ここで、遊技機を設置するホールは通常継続的に営業を行うので、遊技機は、長期間(例えば数ヶ月の期間)に亘って非稼動となる場合はない。このことから、蓄電部710は遊技機1が稼動する度に頻繁に充電されることとなるので、蓄電部710の電力が無くなることはない。この結果として、第1の実施形態に係る遊技機は、寿命のあるボタン電池の電力を用いてRTC404を駆動させるのではなく、頻繁に充電される蓄電部710の電力を用いてRTC404を駆動させるので、RTC404への電力供給の信頼性を向上させることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る遊技機は、第1の実施形態に係る遊技機と比べて、電源監視回路711(図5)が電源電力のオン及びオフを検出する動作(方法)が異なる。このことから、以下では、この差異について説明を行い、他の説明は省略する。
図11は、第2の実施形態において、電源監視回路711が蓄電部710からRTC404への電力供給を制御する動作の一例を示すフローチャートである。なお、図11において、電源監視回路711が実行する各ステップを「S」と略称する。また、以下では、第1の実施形態で用いた図10を流用して説明を行う。
図11のフローチャートのスタートは、図10の点aで電源電力がオンされて電源電圧が上昇し、その後、点bで電源監視回路711の駆動可能電圧(例えば、2.4V)に電源電圧が達して電源監視回路711が起動した時点に対応する。
処理がスターすると、まず、ステップ900において、起動後の電源監視回路711は、電源電圧が第1閾値(例えば、2.8V)以下であることを検出したか否かを判断する。電源電圧が第1閾値以下であることが検出された場合(ステップ900でYes)、処理はステップ901に移る。一方、電源電圧が第1閾値以下であることが検出されかった場合(ステップ900でNo)、処理はステップ902に移る。ここで、図10の点d以前の期間においては、起動後の電源監視回路711は、電源電圧が第1閾値以下であることを検出して(ステップ900でYes)、処理はステップ901に移ることとなる。
ステップ901において、電源監視回路711は、RTC404に蓄電部710から電力供給されているか否かを確認する。RTC404に蓄電部710から電力供給されている場合(ステップ901でYes)、処理はステップ900に戻る。一方、RTC404に蓄電部710から電力供給されていない場合(ステップ901でNo)、処理はステップ904に移る。ここで、後述するステップ904の処理によって、電源オフ期間において、RTC404は、蓄電部710からの電力供給によって駆動している。このことから、図10の点d以前の期間においては、起動後の電源監視回路711は、RTC404に蓄電部710から電力供給されていることを確認し(ステップ901でYes)、処理はステップ900に戻ることとなる。この結果として、図10の点d以前の期間において、処理は、ステップ900およびステップ901を繰返すこととなる。
ステップ900でNoと判断された場合、ステップ902において電源監視回路711は、RTC404に蓄電部710から電力供給されているか否かを確認する。RTC404に蓄電部710から電力供給されている場合(ステップ902でYes)、処理はステップ903に移る。ここで、後述するステップ904の処理によって、電源オフ期間において、RTC404は、蓄電部710からの電力供給によって駆動している。このことから、図10の点d直後の時点において、起動後の電源監視回路711は、RTC404に蓄電部710から電力供給されていることを確認し(ステップ902でYes)、処理はステップ903に移ることとなる。つまり、電源監視回路711は、ステップ900でNoと判断した後にステップ902でYesと判断することをもって、電源電力がオンされたことを検出する。言い換えると、電源監視回路711は、電源電圧が第1閾値以下ではなく、かつ、RTC404に蓄電部710から電力供給されていることを検出することによって、電源電力がオンされたことを検出する。一方、RTC404に蓄電部710から電力供給されていない場合(ステップ902でNo)、処理はステップ900に戻る。
次に、ステップ903において、電源監視回路711は、蓄電部710からRTC404への電力供給を終了する。ここで、後述するステップ904の処理によって、電源オフ期間において、RTC404は、蓄電部710からの電力供給によって駆動している。そして、蓄電部710からの電力供給がステップ903の処理によって終了すると同時に、RTC404は、供給開始された電源電力を用いて駆動する。その後、処理は、ステップ900に戻る。その後、図10の点d直後から点g直前までの期間において、処理は、ステップ902およびステップ900を繰り返すこととなる。
その後、図10の点gの時点において、電源監視回路711は、電源電圧が第1閾値以下であり(ステップ900でYes)、かつ、RTC404に蓄電部710から電力供給されていないことを検出する(ステップ901でNo)ことによって、電源電力がオフされたことを検出する。そして、処理はステップ904に移る。
ステップ904において、電源監視回路711は、蓄電部710からRTC404への電力供給を開始する。このことによって、電源電力がオフされると同時に、蓄電部710からRTC404への電力供給が開始され、RTC404は、供給開始された蓄電部710の蓄電電力を用いて駆動する。その後、処理は、ステップ900に戻る。そして、図10の点iを過ぎた時点で電源電圧が降下して電源監視回路711は停止し、図11のフローチャートの処理は終了する。
以上に説明した動作を電源監視回路711が行うことによって、第2の実施形態に係る遊技機は、第1の実施形態に係る遊技機と同様の効果を奏することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る遊技機は、第1の実施形態に係る遊技機と比べて、更にボタン電池を備え、電源監視回路711(図5)がRTC404に対して更にボタン電池の電力を供給する制御を行う点が異なる。このことから、以下では、この差異について説明を行い、他の説明は省略する。
図12は、第3の実施形態において、遊技機1への電源電力供給が停止される期間におけるRTC404に対する電力供給を説明するための機能ブロック図である。図12に示すように、第3の実施形態に係る遊技機は、第1の実施形態に係る遊技機(図5)に対して、更に、ボタン電池712を備える。ボタン電池712は、RTC404を駆動できる電力を出力するものであり、例えば、従来技術においてRTCに電力を供給するボタン電池である。
第3の実施形態において、電源監視回路711は、電源電力の供給状態を監視し、電源オフ期間において、蓄電部710に蓄電された電力またはボタン電池712の電力をRTC404に供給する。
図13は、第3の実施形態において、電源監視回路711が蓄電部710またはボタン電池712からRTC404に供給される電力供給を制御する動作の一例を示すフローチャートである。ここで、図13のフローチャートは、第1の実施形態の図9のフローチャートに対して、ステップ804およびステップ805を追加し、ステップ801をステップ801−1に置き換えたものである。このことから、以下では、原則として、ステップ804、805および801−1の処理について説明し、他の処理の説明は省略する。なお、図13において、電源監視回路711が実行する各ステップを「S」と略称する。
ステップ802において、電源監視回路711が、電源電圧が第1閾値から第2閾値の順で検出されたと判断した場合(ステップ802でYes:つまり、電源電力のオフを検出した場合)、処理はステップ804に移る。
ステップ804において、電源監視回路711は、蓄電部710の電圧が第3閾値以上か否かを判断する。つまり、ステップ804において、電源監視回路711は、蓄電部710の電圧が低下しているか否かを判断する。ここで、第3閾値は、RTC404が正常に機能できる電圧である。また、第3閾値は、RTC404が正常に機能できる最低限の電圧(最低電圧)に近い電圧であるほど好ましく、この最低電圧であることが最も好ましい。後に明らかとなるが、第3閾値を上記最低電圧とすることによって、RTC404への電力供給元を蓄電部710からボタン電池712に切替えるタイミングを、最大限遅らせることができる。つまり、ボタン電池712の電力よりも蓄電部710の電力を、最大限優先して使用できる。このことによって、ボタン電池712の使用頻度を減少できる。蓄電部710の電圧が第3閾値以上である場合(ステップ804でYes)、処理はステップ803に移る。一方、蓄電部710の電圧が第3閾値以上ではない場合(ステップ804でNo)、処理はステップ805に移る。
ステップ805において、電源監視回路711は、ボタン電池712からRTC404への電力供給を開始させる。このことによって、蓄電部710の電圧の低下している場合には、ボタン電池712の電力がRTC404に供給されることになる。その後、処理はステップ800に戻る。
ステップ800でYesと判断された場合(つまり、電源電力のオンが検出された場合)、ステップ801−1において、電源監視回路711は、蓄電部710またはボタン電池712からRTC404に供給されていた電力供給を終了する。そして、蓄電部710またはボタン電池712からの電力供給がステップ801−1の処理によって終了すると同時に、RTC404は、供給開始された電源電力を用いて駆動する。その後、処理は、ステップ800に戻る。
以上に説明したように、第3の実施形態に係る遊技機は、電源オフ期間において、通常は蓄電部710の電力をRTC404に供給し、蓄電部710の電圧が低下している場合にはボタン電池712の電力をRTC404に供給する。このことによって、充電が不十分等の理由で蓄電部710の電圧が低下している場合であっても、RTC404は、ボタン電池712の電力を用いて正常に駆動できる。この結果として、第3の実施形態に係る遊技機は、第1の実施形態に係る遊技機の効果に加えて、更に、RTC404への電力供給の信頼性を向上させることができる。
更に、既に説明したように、第3閾値をRTC404が正常に機能できる最低限の電圧とすることによって、ボタン電池712の使用頻度を減少できる。この結果として、ボタン電池712の電力を温存できるので、更に、RTC404への電力供給の信頼性を向上させることができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る遊技機は、第2の実施形態に係る遊技機と比べて、更にボタン電池を備え、電源監視回路711(図5)がRTC404に対して更にボタン電池の電力を供給する制御を行う点が異なる。このことから、以下では、この差異について説明を行い、他の説明は省略する。
図12に示すように、第4の実施形態においても、第3の実施形態と同様に、更に、ボタン電池712を備える。ボタン電池712は、RTC404を駆動できる電力を出力できるものであり、例えば、従来技術においてRTCに電力を供給するボタン電池である。
また、第4の実施形態においても、第3の実施形態と同様に、電源監視回路711は、電源電力の供給状態を監視し、電源オフ期間において、蓄電部710に蓄電された電力またはボタン電池712の電力をRTC404に供給する。
図14は、第4の実施形態において、電源監視回路711が蓄電部710またはボタン電池712からRTC404に供給される電力供給を制御する動作の一例を示すフローチャートである。ここで、図14のフローチャートは、第2の実施形態の図11のフローチャートに対して、ステップ905およびステップ906を追加し、また、ステップ901〜903をそれぞれステップ901−1〜903−1に置き換えたものである。このことから、以下では、原則として、ステップ905、906および901−1〜903−1の処理について説明し、他の処理の説明は省略する。なお、図14において、電源監視回路711が実行する各ステップを「S」と略称する。
ステップ901−1において、電源監視回路711は、RTC404に蓄電部710またはボタン電池712から電力供給されているか否かを確認する。RTC404に蓄電部710またはボタン電池712から電力供給されている場合(ステップ901−1でYes)、処理はステップ900に戻る。一方、RTC404に蓄電部710またはボタン電池712から電力供給されていない場合(ステップ901−1でNo)、処理はステップ905に移る。
ステップ905において、電源監視回路711は、蓄電部710の電圧が第3閾値以上か否かを判断する。つまり、ステップ905において、電源監視回路711は、蓄電部710の電圧が低下しているか否かを判断する。ここで、第3閾値は、RTC404が正常に機能できる電圧である。また、第3の実施形態において既に説明した理由で、第3閾値は、RTC404が正常に機能できる最低限の電圧(最低電圧)に近い電圧であるほど好ましく、この最低電圧であることが最も好ましい。蓄電部710の電圧が第3閾値以上である場合(ステップ905でYes)、処理はステップ904に移る。一方、蓄電部710の電圧が第3閾値以上ではない場合(ステップ905でNo)、処理はステップ906に移る。
ステップ906において、電源監視回路711は、ボタン電池712からRTC404への電力供給を開始させる。このことによって、電源電力がオフされた際に蓄電部710の電圧が低下している場合には、ボタン電池712の電力がRTC404に供給されることになる。その後、処理はステップ900に戻る。
ステップ900でNoと判断された場合、ステップ902−1において電源監視回路711は、RTC404に蓄電部710またはボタン電池712から電力供給されているか否かを確認する。RTC404に蓄電部710またはボタン電池712から電力供給されている場合(ステップ902−1でYes)、処理はステップ903−1に移る。一方、RTC404に蓄電部710またはボタン電池712から電力供給されていない場合(ステップ902−1でNo)、処理はステップ900に戻る。
ステップ903−1において、電源監視回路711は、蓄電部710またはボタン電池712からRTC404への電力供給を終了する。そして、蓄電部710またはボタン電池712からの電力供給がステップ903−1の処理によって終了すると同時に、RTC404は、供給開始された電源電力を用いて駆動する。その後、処理は、ステップ900に戻る。
以上に説明したように、第4の実施形態に係る遊技機は、電源オフ期間において、通常は蓄電部710の電力をRTC404に供給し、蓄電部710の電圧の低下している場合にはボタン電池712の電力をRTC404に供給する。このことによって、充電が不十分等の理由で蓄電部710の電圧が低下している場合であっても、RTC404は、ボタン電池712の電力を用いて正常に駆動できる。この結果として、第4の実施形態に係る遊技機は、第2の実施形態に係る遊技機の効果に加え、更に、RTC404への電力供給の信頼性を向上することができる。
更に、第3の実施形態において既に説明したように、第3閾値をRTC404が正常に機能できる最低限の電圧とすることによって、ボタン電池712の使用頻度を減少できる。この結果として、ボタン電池712の電力を温存できるので、更に、RTC404への電力供給の信頼性を向上させることができる。
なお、上述した実施形態では、入射面704aの反対側に形成されている導光板704の上方側面から出射される光を受ける位置となる画像表示部21の外縁部に太陽電池707を設ける例を用いたが、他の位置に太陽電池707が配置されてもかまわない。例えば、入射面704aと隣り合って形成されている導光板704の側面(図6および図7で説明した画像表示部21では、導光板704の左右側面)から出射される光を受ける位置に太陽電池707を設けてもかまわない。つまり、太陽電池707は、光源705からの光が入射する入射面704aとは異なる導光板704の側面から出射される光を受ける位置に設けることができる。このように、太陽電池707は、画像表示部21の上下左右に形成されている辺の何れかに沿って画像表示部21の外縁部に設けられ、液晶表示方向(前後方向)に対して垂直に当該辺への方向へ出射される光を受ける位置に配置すればよい。なお、画像表示部21の光源705は、画像表示部21の下部に設けなくてもよく、画像表示部21の上方外縁部、左側外縁部、右側外縁部等に設けられてもかまわない。この場合も、画像表示部21に設けられた光源705に対向する導光板704の側面を入射面704aと考えれば、上述と同様の位置(すなわち、入射面704aとは異なる導光板704の側面から出射される光を受ける位置)に太陽電池707を配置することができる。
また、上述した実施形態では、画像表示部21のバックライト機構に導光板704が設けられている例を用いたが、導光板がないバックライトを画像表示部21に用いてもかまわない。例えば、図15に示すように、液晶セル701、プリズムシート702、拡散シート703の順に、筐体708の中に積層されて配置されている積層部の背面に、複数の蛍光管709を並設することによって画像表示部21のバックライトを構成してもかまわない。この場合、太陽電池707は、並設された蛍光管709の上部空間(図15における707aの位置)、下部空間(図15における707bの位置)、表示画面に向かって並設された蛍光管709の左側空間(図15における707cの位置)、右側空間(図15における707dの位置)のうち、少なくとも1カ所に配置される。つまり、積層部の背面に複数の蛍光管709を並設される方式のバックライトであっても、太陽電池707は、画像表示部21の上下左右に形成されている辺の何れかに沿って画像表示部21の外縁部に設けられ、液晶表示方向(前後方向)に対して垂直に当該辺への方向へ出射される光を受ける位置に配置すればよい。なお、上記積層部の背面に設けられる蛍光管709は、1本の蛍光管709を複数回折り曲げて当該背面を覆うように構成してもかまわない。
また、上述した実施形態では、蓄電部710の電力供給先として、演出制御部400に備えられるRTC404を一例に挙げて説明した(図5および図12参照)。しかし、蓄電部710の電力供給先は、演出制御部400に備えられるRTC404には限られない。例えば、蓄電部710の電力供給先は、遊技機1に備えられる他のRTCであってもよい。また、更には、蓄電部710の電力供給先は、電源電力オフ期間を通じて常時電力供給を必要とするデバイスであればよい。
また、上述した実施形態では、電源監視回路711は、電源電力を用いて駆動することとした。しかしながら、電源監視回路711は、蓄電部710に蓄電された電力を用いて駆動してもよい。この場合、第3の実施形態のステップ804における第3閾値(図13参照)は、電源監視回路711が駆動可能な電圧以上である必要がある。第3閾値が電源監視回路711が駆動可能な電圧より小さい場合、電源監視回路711がステップ804の処理を実行できないからである。同様の理由で、第4の実施形態のステップ905における第3閾値(図14参照)は、電源監視回路711が駆動可能な電圧以上である必要がある。
また、上述した遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。