JP5363025B2 - X線造影性モノフィラメント - Google Patents

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本発明は、放射線不透過剤を含有する熱可塑性樹脂からなるモノフィラメントであって、X線による優れた造影性と柔軟性を有するX線造影性モノフィラメントに関するものである。
近年、X線による造影が可能な医療用材料の開発が求められている。例えば、中空部に造影剤を内包する中空繊維ないしは中空モノフィラメントが提案されており、この中空繊維や中空モノフィラメントを組紐形状に編んで使用したり、短繊維に切断して骨固定材のピン等の種々の医療部材を得ることが記載されている(特許文献1参照)。
また、特許文献2では、X線不透過剤を含有する熱可塑性樹脂からなるX線感応繊維が記載されている。そして、このX線感応繊維を手術用ガーゼ等の一部に織り込んで使用することが記載されている。
このような手術用ガーゼにおいては、布帛を構成する繊維の一部にX線造影性の糸を用いることによって、体内に放置されていた手術用ガーゼ等を識別することができるものである。このような体内に放置された手術用ガーゼは、体内の各種臓器や体液等によりX線で造影されにくくなっている場合が多く、このため、X線造影性糸としてはより高い造影性が求められている。さらには、手術用ガーゼは、患部等の皮膚や臓器に直接触れる場合もあるので、しっとりとした風合いを示す柔軟性が求められている。
特許文献1、2には造影性能を有する繊維が提案されているが、特許文献1記載の繊維はナイロン、ポリプロピレン等の汎用のポリマーを使用しているため、得られる中空繊維は柔軟性に欠け、手術用ガーゼ等の一部に織り込んで使用する場合に不都合があった。
特許文献2記載の繊維では、X線不透過剤の含有量があまり多くないため、十分なX線造影性能を得ることができなかった。
また、特許文献3では、スチレン系エラストマーを用いたX線造影性モノフィラメントが提案されている。このモノフィラメントは樹脂硬度を規定することで操業性を向上させることができるものであるが、記載の硬度では十分な柔軟性が得られておらず、手術用ガーゼ等の一部に織り込むには適さないものであった。
特開2000-336521号公報 特開2002-266157号公報 特開2004-162239号公報
本発明は、上記のような問題点を解決し、X線による優れた造影性能を有し、かつ柔軟であり、織物や不織布等に挿入するに適しており、手術用ガーゼに好適に用いることができるX線造影性モノフィラメントを提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、放射線不透過剤を含有する熱可塑性樹脂からなるモノフィラメントであって、モノフィラメント中の放射線不透過剤の含有量が30〜80質量%、ヤング率が3.0cN/dtex以下、繊度が1000〜20000dtexであることを特徴とするX線造影性モノフィラメントを要旨とするものである。
本発明のX線造影性モノフィラメントは、X線造影性に優れており、かつ柔軟であるため、織物や不織布等に挿入して用いるのに適している。このため、本発明のX線造影性モノフィラメントを挿入させた織編物や不織布等は、特に手術用ガーゼとして好適に使用することが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のモノフィラメントは、放射線不透過剤を含有する熱可塑性樹脂からなるものであるが、熱可塑性樹脂に放射線不透過剤のような無機化合物を含有させることにより、柔軟性に乏しいものとなりやすい。このため、本発明においては、熱可塑性樹脂としては、X線不透過剤を高濃度に含有させても溶融紡糸が可能であり、かつ柔軟性を有するものを用いることが好ましく、中でも熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えばポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマーなどが挙げられる。また、これらの成分からなる共重合体や混合物などでもよい。
中でも、ポリエステル系エラストマーが好ましく、ハードセグメントであるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレートなどが挙げられる。ソフトセグメントとしては、ポリエーテル、ポリブチレンアジペートエステル、ポリオールなどが挙げられる。
さらには、熱可塑性樹脂はJIS K6253法によるデュロメータ硬さがD70未満であることが好ましい。中でもデュロメータ硬さはD40以下であることが好ましく、さらにはA80以下であることが好ましい。デュロメータ硬さがD70以上であると、得られるX線造影性モノフィラメントは硬く柔軟性に乏しいものとなり、織編物や不織布等に挿入し、これらを手術用ガーゼに用いるには適さないものとなる。
これらの熱可塑性樹脂においては、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて、熱安定剤、結晶核剤、艶消剤、顔料、耐候剤、耐光剤、滑剤、酸化防止剤、抗菌剤、香料、可塑剤、染料、界面活性剤、難燃剤、表面改質剤、各種無機及び有機電解質、その他類似の添加剤を添加することができる。
そして、熱可塑性樹脂中に含有させる放射線不透過剤としては、硫酸バリウム、次硝酸ビスマス、酸化タングステン、酸化トリウム、酸化セシウム等を用いることができ、中でも硫酸バリウムが好ましい。硫酸バリウムは放射線不透過性に優れ、かつ耐熱性、結晶安定性が高い。さらに、一次粒径が小さく二次凝集しにくい粒子が容易に生産可能なことから、硫酸バリウムを上記のような熱可塑性樹脂中に練り込み溶融紡糸すると、濾過圧の上昇、糸切れ等がなく、操業性よく繊維を得ることができる。
X線不透過剤の粒子径については、造影性を向上させるという点からはある程度大きい方がよく、繊維中への均一な分散という点からは、大きすぎると不都合であり、逆に小さすぎても二次凝集の問題が生じる。以上のような点を考慮すれば、X線不透過剤の一次平均粒子径としては0.5〜10μmが好ましく、中でも0.8〜8μmが好ましく、さらには1.0〜5μmが好ましい。
本発明のX線造影性モノフィラメントは、放射線不透過剤を含有する熱可塑性樹脂からなるものであるが、造影性能を向上させるには、放射線不透過剤が添加されている樹脂部分が多くなるようにするため、放射線不透過剤を含有する熱可塑性樹脂のみからなる単一成分型の糸とすることが好ましい。つまり、芯部にのみ放射線不透過剤を含有する芯鞘型の複合糸であると、芯部にのみX線造影性があるため、単一成分型の糸と同一繊度であると造影性に劣るものとなりやすい。
そして、単一成分型の糸とする際には、放射線不透過剤は熱可塑性樹脂中に略均一に分散されていることが好ましい。放射線不透過剤が熱可塑性樹脂中に略均一に分散されるようにするためには、溶融紡糸時に放射線不透過剤と熱可塑性樹脂とを、エクストルーダー等を用いて直接混練して用いることもできるが、一旦放射線不透過剤を高濃度に含有するマスターチップを作製してから混練すると、より均一な混練ができ好ましい。
X線造影性モノフィラメントを手術用ガーゼに使用する際には前記したように、より高い造影性能が求められる。そこで、本発明のX線造影性モノフィラメントは、放射線不透過剤の含有量を30〜80質量%とすることが必要であり、中でも40〜80質量%が好ましく、さらには65〜75質量%とすることが好ましい。
放射線不透過剤の含有量が30質量%未満であると、造影性能の乏しいものとなる。一方、放射線不透過剤の含有量が80質量%を超えると、得られるモノフィラメントが硬く柔軟性に乏しいものとなり、また、製糸操業性も悪化する。
さらに、X線造影性モノフィラメントの単糸繊度も造影性に影響を与える要因である。このため、本発明のX線造影性モノフィラメントの繊度を1000〜20000dtexとする。繊度が1000dtex未満であると、モノフィラメントが細すぎるために造影性能に乏しいものとなる。一方、20000dtexを超えると、モノフィラメントが太くなり柔軟性に乏しいものとなる。
そして、本発明のX線造影性モノフィラメントはヤング率が3.0cN/dtex以下であり、中でも0.1〜2.5cN/dtexであることが好ましく、0.2〜2.0cN/dtexであることがより好ましく、さらには0.3〜1.0cN/dtexであることが好ましい。ヤング率は柔軟性を示す指標であり、上記したような熱可塑性樹脂を選択したり、放射性不透過剤の含有量や繊度を上記範囲のものとしたり、製造(紡糸、延伸)条件を適宜選択することにより達成することができる。
ヤング率が3.0cN/dtexを超えると柔軟性に乏しいものとなり、しっとりとした風合いを示さず、織編物や不織布等に挿入し、これらを手術用ガーゼとして用いるには適さないものとなる。一方、ヤング率を0.1未満にしようとすると製糸操業性に劣る場合があったり、得られる製品の品位が劣るものとなることがある。
本発明におけるヤング率は、島津製作所製のオートグラフAGS−500Aを用い、試料長250mm、引っ張り速度300mm/minの条件で強伸度を測定し、算出するものである。
本発明のX線造影性モノフィラメントの強度や伸度は、織編物や不織布等への挿入条件、挿入した後の織編物や不織布等の使用状況等を考慮して適宜選択されるものであるが、最適樹脂の選択、樹脂の最適ブレンド比率の選択、最適紡糸条件(紡糸速度、延伸倍率、X線不透過剤の含有量等)の選択を行うことにより適切な値のものに調整することが可能である。
また、造影性を向上させるためには、モノフィラメントの断面形状を円形とすることが好ましい。円形の中でも楕円よりも真円に近い形状とすることが好ましい。楕円形状であるとX線が通過する距離が短くなる部分があるため、造影性能に劣る場合があるが、真円であるとX線が通過する距離が短くなる部分がないため、特に造影性能に優れたものとなる。
次に、本発明のX線造影性モノフィラメントの製造方法について説明する。
まず、従来公知の方法で放射線不透過剤と熱可塑性樹脂のコンパウンド樹脂チップをエクストルーダーで溶融し、紡糸口金より押し出して溶融紡糸を行う。
なお、紡糸温度は用いる熱可塑性樹脂の融点Tmに対して、(Tm+10)℃〜(Tm+80)℃の範囲とすることが好ましい。紡糸温度が高すぎると熱可塑性樹脂が熱分解を起こし、円滑な紡糸が困難になるとともに得られるモノフィラメントの物性が劣ったものとなりやすい。また、紡糸温度が低すぎると、未溶解物が残るため好ましくない。そして、紡出されたモノフィラメントを15〜40℃の水浴により冷却固化し、実質的に延伸することなく、20〜150m/分で巻き取り、X線造影性モノフィラメントを得る。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、実施例、比較例における特性値の測定、評価は次の通りに行った。
A)相対粘度
PET:フェノールと四塩化エタンの等質量混合物を溶媒とし、ウベローデ粘度計を使用して、試料濃度0.5g/100cc、温度20℃の条件で測定した。
ナイロン6:96%硫酸を溶媒とし、濃度1g/デシリットル、温度25℃の条件で常法により測定した。
B)熱可塑性樹脂のデュロメータ硬さ
JIS K 6325法により、米国ショアー社製のスプリング式硬さ試験器(デュロメータ)のタイプA及びタイプDを使用し、厚さ6mmの試験片を用いて測定した。
なお、比較例5、6については、JIS K 7202法により、ヒューチャーテック社製のロックウェル硬さ試験器M434H−27Pを使用し、厚さ6mmの試験片を用いてロックウェル硬さを測定した。
C)X線造影性モノフィラメントのヤング率
前記の方法で測定、算出した。
D)X線造影性モノフィラメントの繊度
JIS L 1013の正量繊度のA法により測定した。
E)X線造影性モノフィラメントの造影性
X線照射距離を1mとし、管電圧80kV、管電流400mAのX線発生装置(陽極:タングステン)、照射時間0.063秒の撮影条件にて、得られたX線造影性モノフィラメントを用いた不織布のX線写真を撮影し、目視によりX線造影性モノフィラメントの見え具合を以下の4段階で評価した。
◎:非常に鮮明に見える。
○:鮮明に見える。
△:やや鮮明に見える。
×:ほとんど見えない。
F)不織布の手触り感
得られたX線造影性モノフィラメントを用いた不織布の手触り感を以下の4段階で評価した。
◎:柔軟であり、手術用ガーゼとして好適である。
○:柔軟であり、手術用ガーゼとして好適であるが、やや異物感を感じる。
△:柔軟性にやや乏しく、異物感を感じるが、手術用ガーゼとして使用できる。
×:柔軟性に乏しく(硬く)、手術用ガーゼとして使用できない。
実施例1
熱可塑性樹脂としてASTM D−1238法によるメルトフローレート値(以下MFR)が33g/10分(温度220℃、荷重10kg)のポリエステルエラストマー(東レ社製Hytrel SB704、デュロメータ硬さA70)を用い、放射線不透過剤として硫酸バリウムを用いた。モノフィラメント中の硫酸バリウム含有量が35質量%となるように調製したコンパウンド樹脂チップをエクストルーダー型溶融押出機に供給し、溶融紡糸を行った。紡糸温度225℃で溶融し、孔径3.0mmの紡糸孔を有する紡糸口金より吐出させて、20℃の水浴により冷却固化し、実質的に延伸することなく、巻取速度20m/分で巻き取り、3800dtex/1fのX線造影性モノフィラメントを得た。
溶融紡糸セルロース繊維(単糸繊度1.7dtex、繊維長38mm、レンチング社登録商標『レンチング・リヨセル』)をランダムカードにて開繊し、15g/mの繊維ウエブを得た。この繊維ウエブの上に得られたX線造影モノフィラメントを流れ方向(縦方向)に100mm間隔で直線状に配列するように配置させ、その上に上記で得たのと同様の15g/mの繊維ウエブを堆積して積層物を得た。得られた積層物を100メッシュのメッシュ状支持体上に載置し、ノズル孔径0.1mmの噴射孔が孔間隔0.6mmで横方向に一列に配置された噴射装置を用い、噴射圧力6.9Mpaで2回処理し、次に反転させて反対面より噴射圧力9.8Mpaで2回処理した後、余剰の水分を除去し130℃の乾燥機により乾燥処理を行い、不織布を得た。
実施例2〜5、比較例1〜2
モノフィラメント中の硫酸バリウムの含有量が表1に示す値となるように変更した以外は、実施例1と同様の方法でX線造影性モノフィラメントを得た。そして、得られたX線造影性モノフィラメントを用いて実施例1と同様の方法で不織布を得た。
実施例6〜8
熱可塑性樹脂としてASTM D−1238法によるMFRが98g/10分(温度220℃、荷重10kg)のポリエステルエラストマー(東レ社製Hytrel SB754、デュロメータ硬さA75)を用い、モノフィラメント中の硫酸バリウム含有量が表1に示す値となるように調整したコンパウンド樹脂チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法でX線造影性モノフィラメントを得た。そして、得られたX線造影性モノフィラメントを用いて実施例1と同様の方法で不織布を得た。
実施例9〜11
熱可塑性樹脂としてASTM D−1238法によるMFRが10g/10分(温度190℃、荷重2.16kg)のポリエステルエラストマー(東レ社製Hytrel 3046、デュロメータ硬さD27)を用い、モノフィラメント中の硫酸バリウム含有量が表1に示す値となるように調整したコンパウンド樹脂チップを用いた以外は、実施例1と同様の方法でX線造影性モノフィラメントを得た。そして、得られたX線造影性モノフィラメントを用いて実施例1と同様の方法で不織布を得た。
実施例12〜14
熱可塑性樹脂としてASTM D−1238法によるMFRが18g/10分(温度220℃、荷重2.16kg)のポリエステルエラストマー(東レ社製Hytrel 4767、デュロメータ硬さD47)を用い、モノフィラメント中の硫酸バリウム含有量が表1に示す値となるように調整したコンパウンド樹脂チップを用いて、紡糸温度240℃で溶融した以外は、実施例1と同様の方法でX線造影性モノフィラメントを得た。そして、得られたX線造影性モノフィラメントを用いて実施例1と同様の方法で不織布を得た。
実施例15〜16、比較例3〜4
モノフィラメント中の硫酸バリウムの含有量、繊度が表1に示す値となるように変更した以外は、実施例1と同様の方法でX線造影性モノフィラメントを得た。そして、得られたX線造影性モノフィラメントを用いて実施例1と同様の方法で不織布を得た。
実施例17〜18
モノフィラメント中の硫酸バリウムの含有量、繊度が表1に示す値となるように変更した以外は、実施例9と同様の方法でX線造影性モノフィラメントを得た。そして、得られたX線造影性モノフィラメントを用いて実施例1と同様の方法で不織布を得た。
実施例19〜20
X線不透過剤を次硝酸ビスマス(実施例19)、酸化タングステン(実施例20)に変更し、モノフィラメント中のこれらの含有量が表1に示す値となるように変更した以外は、実施例1と同様の方法でX線造影性モノフィラメントを得た。そして、得られたX線造影性モノフィラメントを用いて実施例1と同様の方法で不織布を得た。
実施例21〜23
熱可塑性樹脂としてASTM D−1238法によるMFRが10g/10分(温度230℃、荷重2.16kg)のポリエアミドエラストマー(アルケマ社製Pebax 3533SN01、デュロメータ硬さD33)を用い、モノフィラメント中の硫酸バリウム含有量が表1に示す値となるように調整したコンパウンド樹脂チップを用いて、紡糸温度210℃で溶融した以外は、実施例1と同様の方法でX線造影性モノフィラメントを得た。そして、得られたX線造影性モノフィラメントを用いて実施例1と同様の方法で不織布を得た。
実施例24〜26
熱可塑性樹脂としてASTM D−1238法によるMFRが8g/10分(温度230℃、荷重2.16kg)のポリエステルエラストマー(アルケマ社製Pebax 533SN01、デュロメータ硬さD55) を用い、モノフィラメント中の硫酸バリウム含有量が表1に示す値となるように調整したコンパウンド樹脂チップを用いて、紡糸温度220℃で溶融した以外は、実施例1と同様の方法でX線造影性モノフィラメントを得た。そして、得られたX線造影性モノフィラメントを用いて実施例1と同様の方法で不織布を得た。
比較例5
熱可塑性樹脂として相対粘度1.37のポリエチレンテレフタレート(ロックウェル硬さR120)を用い、モノフィラメント中の硫酸バリウム含有量が60質量%となるように調製したコンパウンド樹脂チップをエクストルーダー型溶融押出機に供給し、溶融紡糸を行った。紡糸温度260℃で溶融し、孔径3.0mmの紡糸孔を有する紡糸口金より吐出させて、20℃の水浴により冷却固化し、実質的に延伸することなく、巻取速度40m/分で巻き取り、3800dtex/1fのX線造影性モノフィラメントを得た。そして、得られたモノフィラメントを用いて実施例1と同様の方法で不織布を得た。
比較例6
熱可塑性樹脂として相対粘度2.4のナイロン6(ロックウェル硬さR110)を用い、モノフィラメント中の硫酸バリウム含有量が60質量%となるように調製したコンパウンド樹脂チップをエクストルーダー型溶融押出機に供給し、溶融紡糸を行った。紡糸温度260℃で溶融し、孔径3.0mmの紡糸孔を有する紡糸口金より吐出させて、20℃の水浴により冷却固化し、実質的に延伸することなく、巻取速度40m/分で巻き取り、3800dtex/1fのX線造影性モノフィラメントを得た。そして、得られたモノフィラメントを用いて実施例1と同様の方法で不織布を得た。
実施例1〜26、比較例1〜6で得られたX線造影性モノフィラメント及び不織布の評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜26のX線造影性モノフィラメントはヤング率が本発明の範囲内のものであり、柔軟性に優れており、得られた不織布は手術用ガーゼとして好適に使用できるものであり、X線に対する造影性能も優れていた。
一方、比較例1のX線造影性モノフィラメントは硫酸バリウムの含有量が少なかったため、比較例3のX線造影性モノフィラメントは、繊度が小さすぎたため、ともに造影性に乏しいものであった。また、比較例2のX線造影性モノフィラメントは硫酸バリウムの含有量が多かったため、比較例4のX線造影性モノフィラメントは繊度が大きすぎたため、ともにヤング率が高く、柔軟性に乏しく、得られた不織布は硬く手術用ガーゼとして不適なものであった。比較例5、6のX線造影性モノフィラメントは、デュロメータ硬さがD70以上の熱可塑性樹脂を用いたものであったため、ヤング率が高く、柔軟性に乏しく、得られた不織布は硬く手術用ガーゼとして不適なものであった。

Claims (1)

  1. 放射線不透過剤を含有するポリエステル系エラストマー及び/またはポリアミド系エラストマーからなるモノフィラメントであって、前記エラストマーのJIS K6253法によるデュロメータ硬さがD70未満であり、前記モノフィラメント中の放射線不透過剤の含有量が30〜80質量%、ヤング率が3.0cN/dtex以下、繊度が1000〜20000dtexであることを特徴とするX線造影性モノフィラメント。
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