JP5362206B2 - シールド部材 - Google Patents

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Description

本発明は、シールド部材に係り、特に、電線を包囲してノイズから保護するためのシールド部材に関するものである。
例えば、自動車等に装備される各種センサ等は、ホーンやワイパモータのような高周波成分を持った雑音源からの伝導ノイズや、ネオンサイン等からの外来ノイズや、誘導ノイズ等が電線に伝わって入力されることがあり、これによって誤動作を引き起こしてしまうという問題が生じていた。また、近年、自動車内に使用される電線が大電流化、高電圧化になり、電磁波ノイズ対策が重要となってきた。
そのため、自動車等に搭載される電線等においては、そのノイズ対策として、電線を導電性のシールド部材で包囲することが知られている。このようなシールド部材として、例えば図10に示されたものが提案されている。同図に示すように、シールド部材は、金属パイプ70と、金属バンド71と、を備えている。金属パイプ70は、円筒状に形成されていて、その筒内に複数の電線10が通される。また、金属パイプ70の内周には、図11(B)に示すように、固定ブロック72が凸設されている。金属バンド71は、金属パイプ70の両端を例えば車体などの取付対象に取り付けるための固定具である。
次に、電線10に対するシールド部材20の取付手順について説明する。まず、金属パイプ70に端末処理が施されていない電線10を挿入する。次に、金属パイプ70の固定ブロック72が設けられている部分を折り曲げて金属パイプ70を潰すことにより、図11(B)に示すように、固定ブロック72により電線10を固定する。その後、電線10の端末にLA端子30を圧着する。次に、金属バンド71を用いて金属パイプ70を例えば車体(グランド、取付対象)に固定する。この金属バンド71により金属パイプ70はグランドされる。
しかしながら、上述したシールド部材20では、1)金属パイプ70に電線10を挿入する必要があり、作業性が悪い、2)電線10の端末処理が金属パイプ70を着けた状態のため作業性が悪い、3)金属パイプ70をグランドするために別部材である金属バンド71を用いる必要があり、金属パイプ70と車体(グランド)との接触性能の保持が難しい、4)金属パイプ70内部のバリやゴミにより品質が低下する、5)金属パイプ70の薄型化が難しく重量が重くなる、という問題点があった。
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、安価で軽量で作業性の良い電線のシールド部材を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、導電板を曲げて互いに対向する一端部及び他端部を重ねて設けたラップ部と、前記導電板の一端部及び他端部の間に設けた電線を包囲するための筒部と、前記一端部及び他端部の各々を貫通するように設けた複数の取付穴と、を有するシールド部材であって、前記ラップ部が、前記筒部外に設けられ、前記ラップ部と同一面上に連なる底面が前記筒部に設けられ、筒長さ方向に沿って前記筒部外に向かって突出する凸状に曲げ加工を施して形成した折曲溝が前記筒部に設けられ、前記ラップ部が、前記折曲溝に沿って折り曲げることにより前記一端部と前記他端部が重ねられて形成されることを特徴とするシールド部材に存する。
請求項2記載の発明は、前記一端部に隣接して設けられた、筒長さ方向に沿って前記筒部外に向かって突出する凸状に曲げ加工を施して形成した、筒本体が、前記筒部に設けられ、前記折曲溝が、前記筒本体及び前記底面との間に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のシールド部材に存する。
請求項3記載の発明は、前記一端部と直交するように曲げ加工を施して設けた第1側面と、前記第1側面と直交しかつ前記底面と対向する上面と、前記上面と直交しかつ前記第1側面と対向する第2側面と、が前記筒部に設けられ、前記折曲溝が、前記第1側面及び前記上面の間、前記上面及び前記第2側面の間、及び、前記第2側面及び前記底面の間、の各々に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシールド部材に存する。
請求項4記載の発明は、水抜き穴が前記折曲溝に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載のシールド部材に存する。
請求項5記載の発明は、前記折曲溝の最も前記筒部内側の溝幅が前記折曲溝の溝幅の最大値よりも小さくなるように前記折曲溝が、設けられていることを特徴とする請求項4に記載のシールド部材に存する。
請求項6記載の発明は、前記底面の前記他端部側の端部に設けた、筒長さ方向に沿った前記筒部内に向けて突出する凸状に曲げ加工を施して形成した突部が、前記筒部に設けられていることを特徴とする請求項1〜5何れか1項に記載のシールド部材に存する。
請求項7記載の発明は、前記他端部に向けて折り返した折返部が、前記一端部に設けられ、そして、前記他端部が、前記折返部と前記一端部の前記折返部よりも他端部側との間に挟まれて設けられていることを特徴とする請求項1〜6何れか1項に記載のシールド部材に存する。
請求項8記載の発明は、複数の前記電線を結束する結束手段と嵌合する嵌合部が前記筒部内に設けられていることを特徴とする請求項1〜7何れか1項に記載のシールド部材に存する。
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、導電板上に電線を載せた状態でラップ部及び筒部が形成されるように導電板を曲げて筒部内に電線を挿入した後に、筒部の底面及びラップ部を取付対象に向けて置いてラップ部に設けた取付穴にネジなどの固定手段を通して取付対象に取り付けることができる。導電板上に電線を載せた後にラップ部及び筒部が形成されるように導電板を曲げて筒部内に電線を挿入できるため、電線をパイプに挿入する必要もなく、また、パイプに挿入した状態で電線の端末処理を行う必要がなく作業性が良い。また、ラップ部に取付穴を設けることにより、金属バンドが不要となりコストダウンを図ることができる。また、底面及びラップ部を取付対象に置いて接地することができるため、接触性能が高い。さらに、導電板を用いることにより、バリやゴミの管理が容易になると共に薄型化が可能となるので、安価で軽量で作業性の良いシールド部材を提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、折曲溝に沿って導電板を曲げるだけで簡単に筒部及びラップ部を形成することができるので、より一層作業性の良いシールド部材を提供することができる。
請求項3記載の発明によれば、折曲溝に沿って導電板を曲げるだけで簡単に筒部及びラップ部を形成することができるので、より一層作業性の良いシールド部材を提供することができる。
請求項4記載の発明によれば、筒内に進入した水が折曲溝に溜まった後に水抜き穴から排出されるので、筒内に浸入した水による電線の腐食やショートを防止することができる。
請求項5記載の発明によれば、折曲溝の最も筒部内側の溝幅を小さくすることができ、折曲溝に形成した水抜き穴からのシールド漏れを極力少なくすることができる。
請求項6記載の発明によれば、突起が第1側面の内周に接触するため筒部の隙間がなくなり、電磁シールド性能の向上を図ることができる。
請求項7記載の発明によれば、他端部が折返部と折返部よりも他端部側の一端部との間に挟まれて設けられているので筒部の隙間がなくなり、シールド部材性能の向上を図ることができる。
請求項8記載の発明によれば、嵌合部により筒部内に電線が固定されるので筒部内で電線が触れることなく、異音の原因や損傷の懸念がなくなる。
第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図3を参照して説明する。図1は、第1実施形態における本発明のシールド部材20を組み込んだシールド機能付き電線を示す底面側斜視図である。図2は、車体に取り付けた状態での図1に示すシールド機能付き電線の上面側斜視図である。図3は、電線10及び電線10に取り付ける前のシールド部材20を示す上面側斜視図である。
同図に示すように、シールド機能付き電線は、電線10と、シールド部材20と、を備えている。電線10は、導体11と、この導体11を被覆する絶縁性の被覆部12と、を有して構成されている。上記電線10の両端には、LA端子30が電気的に接続されている。LA端子30は、電線10の両端における被覆部12を所定範囲で除去することにより剥き出しになった導体11に対して圧着接続されている。なお、電線10の両端に接続する端子としては、図1に示すLA端子30に限らずコネクタ端子などであってもよい。
また、上記複数の電線10の被覆部12の両端には、図3に示すように、結束手段としての一対の結束バンド50が巻き付けられている。この一対の結束バンド50により複数の電線10が結束される。結束バンド50は、バンド部51と、クリップ部52と、を備えている。バンド部51は、電線10の被覆部12の両端に巻き付けられている帯状のバンドである。クリップ部52は、バンド部51に取り付けられていて、後述する嵌合部としてのステー部22Dを挟んでステー部22Dに固定する狭持部が形成されている。
上記シールド部材20は、1枚の矩形状の例えば金属板(導電板)から構成されている。シールド部材20は、ラップ部21と、筒部22と、取付穴としてのネジ穴23と、リベット穴24と、を備えている。ラップ部21は、矩形状の金属板を曲げて互いに対向する一端部21A及び他端部21Bを重ねて設けられている。
筒部22は、一端部21A及び他端部21Bの間の金属板を略半円筒状に曲げて設けられている。この筒部22の内部には、電線10が挿入される。ネジ穴23は、ラップ部21を構成する一端部21A及び他端部21Bの各々を貫通するように設けられていて、取付対象としての例えば車体にシールド部材20をネジ留めする際にネジ60(図2)が挿入される。リベット穴24は、ラップ部21を構成する一端部21A及び他端部21Bの各々を貫通するように設けられていて、一端部21A及び他端部21Bを固定するためのリベット61(図2)が挿入される。
上記筒部22は、筒本体22Aと、底面22Bと、折曲溝22Cと、一対のステー部22Dと、が設けられている。筒本体22Aは、一端部21Aの他端部21B側に隣接して設けられている。筒本体22Aは、予めプレス機などによって筒長さ方向Y1に沿った筒部22外に向かって突出する凸状に曲げ加工を施して形成されている。底面22Bは、他端部21Bの一端部21A側に隣接して設けられていて、ラップ部21と同一平面上に連なるように設けられている。折曲溝22Cは、筒本体22A及び底面22Bの間に設けられている。折曲溝22Cは、予めプレス機などによって筒長さ方向Y1に沿った筒部22外に向かって突出する凸状に曲げ加工を施して形成されている。
一対のステー部22Dは、筒本体22Aの筒部22内側に筒長さ方向Y1に沿って並べて突設されている。この一対のステー部22Dに一対の結束バンド50のクリップ部52を挟むと、複数の電線10を筒本体22Aに固定することができる。
次に、上述した構成のシールド部材20に対する電線10の取付手順について説明する。まず、予め複数の電線10に端末処理を施してLA端子30を圧着接続しておく。次に、一対の結束バンド50のバンド部51を複数の電線10の被覆部12に巻いて、複数の電線10を結束する。
その後、図3に示すように折曲溝22Cに沿って折り曲げる前の金属板の筒本体22Aの上に電線10を置いて結束バンド50のクリップ部52をステー部22Dに挟んで嵌合して、電線10を筒本体22Aに固定させる。次に、折曲溝22Cに沿って他端部21Bを一端部21A側に向かって折り曲げて、筒本体22Aの底面側開口を底面22Bで覆うと共に一端部21A及び他端部21Bを重ね合わせる。
その後、リベット穴24にリベット61を挿入した後、リベット61を潰して一端部21A及び他端部21Bを固定する。次に、底面22B及びラップ部21を車体に向けて置いた後に、ネジ60をネジ穴23に挿入してシールド部材20を車体に取り付ける。
上述したシールド部材20によれば、金属板上に電線10を載せた状態でラップ部21及び筒部22が形成されるように金属板を折り曲げて筒部22内に電線10を挿入できるため、電線10をパイプに挿入する必要もなく、また、パイプに挿入した状態で電線10の端末処理を行う必要がなく作業性が良い。また、ラップ部21にネジ穴23を設けることにより、金属バンドが不要となりコストダウンを図ることができる。また、底面22B及びラップ部21を車体(グランド)に置いて接地することができるため、接触性能が高い。また、シールド部材20が1枚の金属板から構成されているので防錆処理も容易となる。さらに、金属板を用いることにより、バリやゴミの管理が容易になると共に薄型化が可能となるので、安価で軽量で作業性の良いシールド部材20を提供することができる。
また、上述したシールド部材20によれば、折曲溝22Cに沿って折り曲げるだけで簡単に筒部22及びラップ部21を形成することができるので、より一層作業性の良いシールド部材20を提供することができる。
また、上述したシールド部材20によれば、ステー部22Dにより筒部22内で電線10が固定されるので筒部22内で電線10が触れることなく、異音の原因や損傷の懸念がなくなる。
第2実施形態
次に、第2実施形態について図4〜図7を参照して説明する。図4は、第2実施形態における本発明のシールド部材20を示す底面側斜視図である。図5は、車体に取り付けた状態での図4に示すシールド部材20の上面側斜視図である。図6は、電線10及び電線10に取り付ける前のシールド部材20を示す上面側斜視図である。図7は、図4に示す折曲溝22H、22I、22Jの拡大図である。
同図に示すように、シールド機能付き電線は、電線10と、シールド部材20と、を備えている。電線10は、上述した第1実施形態で既に説明しているのでその詳細な説明は省略する。シールド部材20は、1枚の矩形状の例えば金属板(導電板)から構成されている。シールド部材20は、ラップ部21と、筒部22と、ネジ穴23と、リベット穴24と、を備えている。ラップ部21は、矩形状の金属板を折り曲げて互いに対向する一端部21A及び他端部21Bを重ねて設けられている。一端部21A及び他端部21Bは、筒長さ方向Y1と直交する直交方向Y2に対向している。
一端部21Aには、他端部21Bに向かって折り返される折返部25が形成されている。そして、図4及び図5に示すように、他端部21Bが折返部25と一端部21Aの折返部25よりも他端部21B側との間に挟まれている。筒部22は、一端部21A及び他端部21B間の金属板を略正方形状に曲げて設けられている。この筒部22の内部には、電線10が挿入されている。ネジ穴23及びリベット穴24については第1実施形態と同様のためここでは詳細な説明を省略する。
上記シールド部材20の筒部22は、第1側面22Eと、上面22Fと、第2側面22Gと、底面22Bと、折曲溝22H〜22Jと、水抜き穴22Kと、が設けられている。第1側面22Eは、一端部21Aと直交するように予めプレス機によって曲げ加工を施して設けられている。上面22Fは、第1側面22Eと直交しかつ後述する底面22Bと対向する。第2側面22Gは、上面22Fと直交しかつ第1側面22Eと対向する。底面22Bは、第1実施形態と同様に、他端部21Bの一端部21A側に隣接して設けられていて、ラップ部21と同一平面上に連なるように設けられている。
折曲溝22H〜22Jは各々、第1側面22E及び上面22F間、上面22F及び第2側面22G間、第2側面22G及び底面22B間、の各々に設けられている。折曲溝22H〜22Jは、予めプレス機などによって筒部22外に向けて突出する筒長さ方向Y1に沿った凸状に曲げ加工を施して形成されている。水抜き穴22Kは、上記折曲溝22H〜22Jを貫通するように設けられた水を排出するための穴である。
次に、上述した構成のシールド部材20に対する電線10の取付手順について説明する。まず、第1実施形態と同様に、予め複数の電線10に端末処理を施してLA端子30を圧着接続しておく。また、折曲溝22Iに沿って第1側面22E及び上面22Fが直交するように折り曲げる。折曲溝22Iに沿って上面22F及び第2側面22Gが直交するように折り曲げる。また、折曲溝22Jに沿って他端部21Bが一端部21Aから離れるように折り曲げる。これにより、シールド部材20は、上面22Fの上側が開口された状態となる。その開口から上面22F上に電線を置いて、折曲溝22Jに沿って他端部21Bを一端部21Aに近づけるように金属板を曲げて一端部21A及び他端部21Bを重ね合わせる。
このとき、他端部21Bを折返部25と、折返部25より他端部21B側の一端部21Aと、の間に挿入する。また、このとき、図7に示すように折曲溝22H〜22Jの最も筒部22内側の溝幅W1が、折曲溝22H〜22Jの溝幅の最大値Wmaxよりも小さくなるように曲げられている。その後、リベット穴24にリベット61(図5)を挿入した後、リベット61を潰して一端部21A及び他端部21Bを固定する。次に、底面22B及びラップ部21を車体に向けて置いた後に、ネジ60をネジ穴23に挿入してシールド部材20を車体に取り付ける。
上述した第2実施形態によれば、折曲溝22H〜22Jを折り曲げるだけで簡単に筒部22及びラップ部21を設けることができるので、より一層作業性の良いシールド部材20を提供することができる。
また、上述した第2実施形態によれば、筒部22内に進入した水が折曲溝22H〜22Jに溜まった後に水抜き穴22Kから排出されるので、筒部22内に浸入した水による電線10の腐食やショートを防止することができる。
また、第2実施形態によれば、折曲溝22H〜22Jの最も筒部22内側の溝幅W1が折曲溝22H〜22Jの溝幅の最大値Wmaxよりも小さくなるように折曲溝22H〜22Jを設けているので、折曲溝22H〜22Jの最も筒部22内側の溝幅W1を小さくすることができ、折曲溝22H〜22Jに形成した水抜き穴22Kからのシールド漏れを極力少なくすることができる。
また、上述した第2実施形態によれば、他端部21Bが折返部25と一端部21Aとの間に挿入されて設けられているので筒部22の隙間がなくなり、電磁シールド性能の向上を図ることができる。
なお、上述した第2実施形態では、筒部22に電線10の結束バンド50と嵌合するステー部22Dが設けられていなかったが、本発明はこれに限ったものではない。第2実施形態におけるシールド部材20の筒部22にもステー部22Dを設けるようにしてもよい。
第3実施形態
次に、第3実施形態について図8〜図10を参照して説明する。図8は、第3実施形態におけるシールド部材20を示す底面側斜視図である。図9は、図8に示すシールド部材20を示す上面側斜視図である。図10は、電線10及び電線10に取り付ける前のシールド部材20を示す上面側斜視図である。なお、図8〜図10において、図4〜図6について上述した第2実施形態で既に説明した部分と同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
第2実施形態と第3実施形態と大きく異なる点は、一端部21Aに折返部25を設ける代わりに筒部22に突部22Lを設けた点である。突部22Lは、底面22Bの他端部21B側の端部に筒部22内に向けて突出する筒長さ方向Y1に沿った凸状に曲げ加工を施して形成されている。このように突部22Lを設けることにより、図8及び図9に示すように、突部22Lが第1側面22Eの内周に接触するため筒部22の隙間がなくなり、シールド性能の向上を図ることができる。
なお、上述した第1実施形態では筒部22を半円状に、第2及び第3実施形態では正方形状に設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。筒部22の形状としては、ラップ部21と同一平面上に連なる底面22Bがあればよく、例えば長方形状であってもよい。
また、上述した第2実施形態は、図4に示すような正方形状の筒部22に折返部25を設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、図1の第1実施形態で示すような筒部22に折返部25を設けるようにしてもよい。
また、第2実施形態では、図4に示すような正方形状の筒部22に設けた折曲溝22H〜22Jに水抜き穴22Kを設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、図1の第1実施形態で示すような半円筒状の筒部22に設けた折曲溝22Cに水抜き穴22Kを設けるようにしてもよい。
また、上述した第3実施形態では、図8に示すような正方形状の筒部22に突部22Lを設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、図1に示すような半円筒状の筒部22に突部22Lを設けてもよい。
また、上述した第1〜第2実施形態では、互いに重ねられた一端部21A及び他端部21Bを固定する手段としてリベット61を用いていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、カシメを用いたり、スポット溶接など溶接したりして一端部21A及び他端部21Bを固定することも考えられる。
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
第1実施形態における本発明のシールド部材を組み込んだシールド機能付き電線を示す底面側斜視図である。 車体に取り付けた状態での図1に示すシールド機能付き電線の上面側斜視図である。 電線及び電線に取り付ける前のシールド部材を示す上面側斜視図である。 第2実施形態における本発明のシールド部材20を示す底面側斜視図である。 車体に取り付けた状態での図4に示すシールド部材20の上面側斜視図である。 電線10及び電線10に取り付ける前のシールド部材20を示す上面側斜視図である。 図4に示す折曲溝の拡大図である。 第3実施形態におけるシールド部材を示す底面側斜視図である。 図8に示すシールド部材20を示す上面側斜視図である。 電線10及び電線10に取り付ける前のシールド部材20を示す上面側斜視図である。 (A)は従来のシールド部材の一例を示す斜視図である。(B)は(A)のI−I線部分断面図である。
符号の説明
10 電線
20 シールド部材
21 ラップ部
21A 一端部
21B 他端部
22 筒部
22A 筒本体
22B 底面
22C 折曲溝
22D ステー部(嵌合部)
22E 第1側面
22F 上面
22G 第2側面
22H 折曲溝
22I 折曲溝
22J 折曲溝
22K 水抜き穴
22L 突部
23 ネジ穴(取付穴)
25 折返部
50 結束バンド(結束手段)
Y1 筒長さ方向

Claims (8)

  1. 導電板を曲げて互いに対向する一端部及び他端部を重ねて設けたラップ部と、前記導電板の一端部及び他端部の間に設けた電線を包囲するための筒部と、前記一端部及び他端部の各々を貫通するように設けた複数の取付穴と、を有するシールド部材であって、
    前記ラップ部が、前記筒部外に設けられ、
    前記ラップ部と同一面上に連なる底面が前記筒部に設けられ、
    筒長さ方向に沿って前記筒部外に向かって突出する凸状に曲げ加工を施して形成した折曲溝が前記筒部に設けられ、
    前記ラップ部が、前記折曲溝に沿って折り曲げることにより前記一端部と前記他端部が重ねられて形成される
    ことを特徴とするシールド部材。
  2. 前記一端部に隣接して設けられた、筒長さ方向に沿って前記筒部外に向かって突出する凸状に曲げ加工を施して形成した、筒本体が、前記筒部に設けられ、
    前記折曲溝が、前記筒本体及び前記底面との間に設けられた
    ことを特徴とする請求項1に記載のシールド部材。
  3. 前記一端部と直交するように曲げ加工を施して設けた第1側面と、
    前記第1側面と直交しかつ前記底面と対向する上面と、
    前記上面と直交しかつ前記第1側面と対向する第2側面と、が前記筒部に設けられ、
    前記折曲溝が、前記第1側面及び前記上面の間、前記上面及び前記第2側面の間、及び、前記第2側面及び前記底面の間、の各々に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のシールド部材。
  4. 水抜き穴が前記折曲溝に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載のシールド部材。
  5. 前記折曲溝の最も前記筒部内側の溝幅が前記折曲溝の溝幅の最大値よりも小さくなるように前記折曲溝が、設けられていることを特徴とする請求項4に記載のシールド部材。
  6. 前記底面の前記他端部側の端部に設けた、筒長さ方向に沿った前記筒部内に向けて突出する凸状に曲げ加工を施して形成した突部が、前記筒部に設けられていることを特徴とする請求項1〜5何れか1項に記載のシールド部材。
  7. 前記他端部に向けて折り返した折返部が、前記一端部に設けられ、そして、
    前記他端部が、前記折返部と前記一端部の前記折返部よりも他端部側との間に挟まれて設けられていることを特徴とする請求項1〜6何れか1項に記載のシールド部材。
  8. 複数の前記電線を結束する結束手段と嵌合する嵌合部が前記筒部内に設けられていることを特徴とする請求項1〜7何れか1項に記載のシールド部材。
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