JP5362050B2 - ワークの貼り合わせ方法およびタッチパネル - Google Patents
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Description
図18に示すように、タッチパネル100はLCDパネル等の画像表示装置30とその上部に配置される位置入力装置10とからなる。
位置入力装置10は、タッチセンサ表面において指やペン等で接触された部分を検出するためのタッチセンサモジュール10aと、タッチセンサモジュール10aからの位置入力情報を処理し、上記情報に基づき画像表示装置30を制御するタッチパネル制御部10bからなる。
一方、ガラス基板16の下側には、第1のITO電極13、第2のITO電極15と電気的に接続され、更に後で示すタッチパネル制御部10bとも電気的に接続される配線層21が設けられる。
配線層21は、カバーガラス11側から観察した際、カバーガラス11に設けられたブラックマトリックス12によって遮蔽されるように、ガラス基板16の下側にて配置される。すなわち、配線層21は、タッチパネルにおいて表示される画像を干渉しない位置に設けられる。
図18(b)に示すように、第1のITO電極13は、Y方向に伸びる電極パターン単位が複数、X方向に並列に配置された電極パターンである。すなわち、第1のITO電極13は複数の電極パターン単位からなる。
一方、図18(c)に示すように、第2のITO電極15は、X方向に伸びる電極パターン単位が複数、Y方向に並列に配置された電極パターンである。すなわち、第2のITO電極15は複数の電極パターン単位からなる。
これらの各電極パターン単位に図示を省略した電源により高周波電圧を印加しておく。タッチパネルのカバーガラス11に指が近づくと、指と第1のITO電極13において指に近い位置に配置されている電極パターン単位、指と第2のITO電極15において指に近い位置に配置されている電極パターン単位との間に静電容量(コンデンサ)が形成され、それぞれ電流が流れる。この電流変化を検出することにより、カバーガラス11上の指の位置が検出される。
タッチパネルセンサモジュール10aにより検出されたカバーガラス11に接触した指の位置に関する信号は、タッチパネル制御部10bへと送信される。
具体的には、空気と比較して上記したような屈折率を有する透明の接着部材19により、カバーガラス11の下側表面とPETフィルム14の第1のITO電極13側表面とが接合される。また、PETフィルム14の第1のITO電極13側と反対側のハードコート層14a表面とガラス基板16の第2のITO電極15が設けられた表面とも上記したような接着部材により接合される。
しかしながら、OCAテープ、OCRの使用する場合、以下のような問題点や不具合も考慮する必要がある。
また、OCAテープは硬いので、PETフィルム14の第1のITO電極13側表面やガラス基板16の第2のITO電極15が設けられた表面のような表面に段差構造が存在する場合、貼り付け時上記段差部分に気泡が混入しやすい。
更には、上記したようにOCAテープはリワーク性が乏しく、表面の段差部分で気泡が混入しやすいので、貼り付け処理が難しい。よって、接合面の面積が大面積であるような被接合対象の場合、OCAテープを使用することは困難である。また、OCAテープは比較的高価である。
更には、OCRの場合も時間的耐性が必ずしも十分ではなく、貼り合わせ後ある程度の時間が経過すると、OCR自体に着色が発生し、例えば、黄色くなる。よって、タッチパネルの場合、画像が変色して見えてしまう。また、OCRも価格が比較的高い。
大気中に保持されるこの基板17の表面に、波長220nm以下の紫外線(例えば、キセノンエキシマランプから放出される中心波長172nmの紫外線)を照射することにより、基板表面にて活性酸素が発生する。この活性酸素と基板表面とが接触することにより、当該基板表面が酸化される。すなわち、図2(b)に示すように、オルガノシロキシ基に係るメチル基が脱離され、当該メチル基が結合していたケイ素原子に活性酸素が結合された状態となる。
また、シリコーンは比較的柔らかい素材であるので、PETフィルム14の第1のITO電極13側のハードコート層14a表面やガラス基板16の第1の配線層21側の表面のような表面に段差構造が存在する場合であっても、貼り付け時の上記段差部分への気泡混入を容易に抑制することができる。すなわち、接合面が大面積の部材に対しても容易に接合することが可能である。
また、発明者らの実験によれば、OCRのUV硬化反応に要する時間より、シリコーン基板へのUV照射工程、シリコーン基板とガラス基板等の被接合基板の加熱工程や加圧工程に要する時間の方が短いことが分かった。
また、一般にシリコーン基板は、OCAテープやOCRと比較すると価格が安価である。
基本的な構成は、前記図18に示したものと同じであり、タッチセンサモジュール10aとタッチパネル制御部10bから構成される位置入力装置10と、画像表示装置30から構成され、本発明においては、PETフィルム14のハードコート層14aの表面に設けられた第1のITO電極13と、カバーガラス11との間にシリコーン基板(例えばPDMS)17aが設けられ、シリコーン基板17aの一方の面と上記第1のITO電極13の間にプライマーが介在している。また、PETフィルム14のハードコート層14aと、ガラス基板16の表面に設けられた第2のITO電極15の間にシリコーン基板17bが設けられ、シリコーン基板17bとハードコート層14aとの間、及びシリコーン基板17bとITO電極15の間にプライマーが介在している。
例として、プライマー18としてシランカップリング剤を使用し、プライマー18を施す表面をPETフィルム14の第1のITO電極13が施されている面とした場合を考察する。なお、図4のシリコーン基板17は、予め図2に示したような方法でカバーガラス11と接合されているものとする。
シランカップリング剤は、1つの分子中に反応性の異なる2種類の官能基を有する。図3(a)において、RO(Oは酸素)で示す官能基は無機材料と化学結合する官能基であり、Xは有機材料と結合する官能基である。PETフィルム14上の第1のITO電極13は無機物であるので、官能基ROと化学結合している。
具体的には、(a)シランカップリング剤の官能基RO、Xが分解・離脱してシリコン酸化物がPETフィルム14上の第1のITO電極13表面やPETフィルム14の第1のITO電極13パターンが施されていない表面の一部と結合したり、(b)上記した官能基Xの分解反応やUV照射による空気中の水分、二酸化炭素の化学反応の結果、シリコン酸化物がPETフィルム14上の第1のITO電極13表面やPETフィルム14の第1のITO電極13パターンが施されていない表面の一部とカルボキシル基(−COOH)が結合したり、(c)シランカップリング剤の官能基RO、Xが分解・離脱して、一部露出したPETフィルム14上の第1のITO電極13表面やPETフィルム14の第1のITO電極13パターンが施されていない表面と、UV照射による空気中の水分、二酸化炭素の化学反応の結果生成した酸素ラジカルとが反応してヒドロキシ基(−OH:以下、OH基ともいう)が結合したりするものと考えられる。そして、上記した(a)シリコン酸化物は、空気中の水分と反応して、図3(b)の右側の図のように、終端がOH基が結合した状態となるものと考えられる。
なお、図3(b)では表示を省略したが、UV照射の結果生成する酸素ラジカルにより、PETフィルム14のシランカップリングコート面に付着している不純物もクリーニングされるものと考えられる。
いずれの場合も終端がOH基となっているので、UV照射によるPETフィルム14のシランカップリングコート面の表面改質により、PETフィルム14上の第1のITO電極13パターンが施された表面の殆どがOH基と結合し、PETフィルム14上の第1のITO電極13パターンが施された表面が親水性表面になるものと考えられる。
(1)疎水性表面を持つワークの一方の面にシランカップリング剤もしくはシロキサン系コート剤からなるプライマーをコートし、上記ワークのプライマーをコートした面と、上記シリコーンからなる部材に紫外線を照射し、上記ワークの紫外線を照射した面と、シリコーンからなる部材の紫外線を照射した面が接触するように積層し、上記積層したワークとシリコーンからなる部材の接触面が加圧されるように加圧し、あるいは積層したワークとシリコーンからなる部材を加熱し、あるいは、積層したワークとシリコーンからなる部材をその接触面が加圧されるように加圧しながら加熱することにより、疎水性表面を持つワークとシリコーンからなる部材とを貼り合わせる。
(2)疎水性表面を持つ第2のワークの表面にシランカップリング剤もしくはシロキサン系コート剤からなるプライマーをコートし、親水性表面を持つ第1のワークの一方の面と、上記第2のワークのプライマーをコートした面のそれぞれと、上記シリコーンからなる部材の両面に紫外線を照射し、第1のワークと上記シリコーンからなる部材と第2のワークを、上記紫外線が照射された面が接触するように積層し、上記接触面が加圧されるように加圧し、あるいは積層した第1および第2のワークとシリコーンからなる部材を加熱し、あるいは積層した第1および第2のワークとシリコーンからなる部材をその接触面が加圧されるように加圧しながら加熱することにより、親水性表面を持つ第1のワークと、疎水性表面を持つ第2のワークをシリコーンからなる部材を介在させて貼り合わせる。
(3)疎水性表面を持つ第1のワークと、疎水性表面を持つ第2のワークの表面にシランカップリング剤もしくはシロキサン系コート剤からなるプライマー18をコートし、第1のワーク及び第2のワークの、上記プライマーリーをコートした面のそれぞれと、上記シリコーンからなる部材の両面に紫外線を照射し、上記第1のワークと上記シリコーンからなる部材と第2のワークを、上記紫外線が照射された面が接触するように積層し、上記接触面が加圧されるように加圧し、あるいは積層したワークを加熱し、あるいは積層したワークをその接触面が加圧されるように加圧しながら加熱することにより、疎水性表面を持つ第1のワークと、疎水性表面を持つ第2のワークをシリコーンからなる部材を介在させて貼り合わせる。
(4)透明導電膜が施された基板を有するタッチセンサモジュールと、画像表示装置とを備えたタッチパネルにおいて、上記タッチセンサモジュールに、シランカップリング剤もしくはシロキサン系コート剤からなるプライマーがコートされ、該プライマーをコートした面が紫外線照射により改質された透明導電膜が施された基板と、紫外線照射により表面が改質されたシリコーンからなる部材と設け、上記基板と上記シリコーンからなる部材の、上記紫外線が照射されたそれぞれの面を対向させて積層する。
(1)疎水性表面を持つワーク面にシランカップリング剤もしくはシロキサン系コート剤からなるプライマーをコートし、ワークのプライマーをコートした面と、シリコーンからなる部材に紫外線を照射し、上記ワークに貼り合わせることにより、上記ワークの表面を接合に適した表面(親水性表面)にすることができ、上記ワークとシリコーンからなる部材とを確実に接合することができる。
このため、疎水性表面を持つPET等の樹脂、透明導電膜が施されたワーク等とシリコーンからなる部材を貼り合わせることが可能となる。
(2)親水性表面を持つワークの一面に紫外線を照射し、疎水性表面を持つワークの表面にプライマーをコートしてプライマーをコートした面に紫外線を照射し、また、シリコーンからなる部材の両面に紫外線を照射し、親水性表面を持つワークと、疎水性表面を持つワークと、シリコーンからなる部材との紫外線照射面が対向するように積層し、あるいは、疎水性表面を持つワークの表面にプライマーをコートしてプライマーをコートした面に紫外線を照射し、また、シリコーンからなる部材の両面に紫外線を照射し、疎水性表面を持つワークとシリコーンからなる部材と疎水性表面を持つワークの紫外線照射面が対向するように積層し、これらを貼り合わせることにより、以下の効果を得ることができる。
(a)シリコーンには長時間経過後の着色が発生しないので、OCAテープやOCRにより貼り合わせる場合のように、長時間経過後の着色が発生しない。
このため、タッチパネルの製造に適用することで、タッチパネルの画像に変色の影響が発生しない。
(b)導電性薄膜のような段差構造が接合面に存在する場合であっても、シリコーンは段差に応じて変形・密着するので貼り付け時の上記段差部分への気泡混入の抑制が容易である。
(c)OCRを使用して貼り合わせる場合のように、塗布均一性実現の困難さ、硬化時の変形といった問題は回避することができ、また、シリコーンはOCRより耐熱温度が高いので、紫外線照射光源とシリコーンの照射面を近接させることができ、効率的にシリコーンの光照射面を改質することができる。
(d)一般にシリコーンからなる部材は、OCAテープやOCRと比較すると価格が安価であるので、製造コストを低減化することができる。
(e)シリコーンからなる部材を用いた接合の場合、ワークとシリコーンからなる部材を重ね合わせてもすぐ接合が完了するのではなく、所定の時間だけ加圧したり、加熱したりすることによって接合が完了する。このため、重ね合わせた直後にワークとシリコーンを分離するのは容易である。よって、ワークとシリコーンからなる部材との位置合わせが不十分であるとき、重ね合わせた直後であるならば両者を一度剥がして、再度シリコーンからなる部材に紫外線を照射して接合工程を行うことが可能となる。すなわち、OCAテープと比較すると、リワーク性に富んでいる。
(f)従来、紫外線照射による表面改質処理を用いても接合させることが困難であったシリコーンからなる部材と、タッチセンサモジュールの表面が疎水性の導電性薄膜基板表面との貼り合わせが可能となる。このため、タッチセンサモジュールの各構成要素の貼り合わせに際して、従来のOCAテープまたはOCRに代えてシリコーンからなる部材を使用して各構成要素の貼り合わせ、タッチセンサモジュールを構成することが可能となる。
(1)実施の形態1
図1は、前記した本発明のタッチパネルの第1の構成例を示す図である。
前記図18に示したものと基本的構成は同じであり、タッチパネル100はLCDパネル等の画像表示装置30とその上部に配置される位置入力装置10とからなる。
位置入力装置10は、タッチセンサ表面において指やペン等で接触された部分を検出するためのタッチセンサモジュール10aと、タッチセンサモジュール10aからの位置入力情報を処理し、上記情報に基づき画像表示装置30を制御するタッチパネル制御部10bからなる。
ガラス基板16の下側には、第1のITO電極13、第2のITO電極15と電気的に接続され、タッチパネル制御部10bとも電気的に接続される配線層21が設けられる。配線層21は、カバーガラス11側から観察した際、カバーガラス11に設けられたブラックマトリックス12によって遮蔽されるように、ガラス基板16の下側にて配置される。
タッチパネル制御部10bは、前記したようにタッチパネル(TP)コントロールIC部22とFPC(フレキシブルプリント基板)23とからなり、FPC23上にタッチパネルコントロールIC部22が設けられる。FPC23は、カバーガラス11側から観察した際、カバーガラス11に設けられたブラックマトリックス12によって遮蔽されるように、中央部分に開口が設けられた環状構造であり、タッチパネルコントロールIC部22はこの環状構造部分の上部に設けられる。
タッチパネル制御部10bは、タッチセンサモジュール10aの配線層21と電気的に接続され、また、画像表示装置30とも電気的に接続される。
上記したタッチセンサモジュール10a、タッチパネル制御部10bが画像表示装置30上に積層されて、タッチパネルが構成される。
〔工程A−1〕カバーガラスと第1の透明導電膜(ITO電極)が表面に施されたPETフィルムとの接合工程
本工程を図5に示す。本工程は、親水性表面を有する第1のワークと疎水性表面を有する第2のワークをシリコーン基板を介在させて貼り合わせ方法を示すものであり、親水性表面を持つ第1のワークに相当するのはカバーガラス11、疎水性表面を持つ第2のワークに相当するのは第1の透明導電膜(ITO電極13)がハードコート層14a表面に施されたPETフィルム14である。
親水性表面を持つ第1のワークであるカバーガラス11の下側表面と疎水性表面を持つ第2のワークであるPETフィルム14の第1のITO電極13側表面とを接合するのに先立って、まず、カバーガラス11とシリコーン(例えば、PDMS)基板17aとの接合を行う。
図5(a)に示すように、シリコーン(PDMS)基板17aの表面にエキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射して、シリコーン基板17aの表面を酸化し当該表面を親水性表面とする。
次に、カバーガラス11の接合面にエキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射する。
また、シリコーン(PDMS)基板17a表面とカバーガラス11の接合面へのUV照射は同時に行っても良い。
次に、図5(b)に示すように、例えば、前記図18(b)のようなパターンの第1のITO電極13がハードコート層14a表面に施されたPETフィルム14において、上記第1のITO電極13パターンが施された面にプライマー18をコートする。次に、このプライマー18がコートされた表面に対してエキシマランプ等の紫外線(UV)光源から放出されるUV光を照射して、上記プライマーコート面を接合に適した表面とする。
(1)親水性表面を持つ第1のワークであるカバーガラス11の下側表面に、シリコーン基板17aを接合する。接合方法は、シリコーン基板17aに紫外線を照射して紫外線照射面を親水性表面とし、当該表面をカバーガラス11上に積層して、親水性表面を持つ第1のワークであるカバーガラス11とシリコーン基板17aを接合する。なお、上記したように、カバーガラス11の接合面にも紫外線を照射してもよい。
(2)疎水性表面を持つ第2のワークであるPETフィルム14のハードコード層14aの第1の透明導電膜(ITO電極13)が施された面にプライマーコートする。
(3)親水性表面を持つ第1のワークであるカバーガラス11に接合されたシリコーン基板17a表面と、疎水性表面を持つ第2のワークであるPETフィルム14の第1の透明導電膜(ITO電極13)が表面に施された面にコートされたプライマー18に対して紫外線を照射して、両表面を親水性表面とする。
(4)両紫外線照射面同士を重ね合わせる。
(5)上から、疎水性表面を持つ第2のワークであるPETフィルム14、シリコーン基板17a、親水性表面を持つ第1のワークであるカバーガラス11の順に重ね合わせられている各ワークの接触面を加圧しながら、加熱する。
なお、本接合方法の(5)においては、加圧のみ、加熱のみでもよいが、加圧しながら加熱したほうが望ましい。
本工程を図6、図7に示す。本工程は、疎水性表面を持つ第1のワークと、疎水性表面を持つ第2のワークをシリコーン基板を介して貼り合わせ方法を示すものであり、疎水性表面を持つ第1のワークに相当するのはカバーガラス11が接合されているPETフィルム14、疎水性表面を持つ第2のワークに相当するのは第2の透明導電膜(ITO電極15)が表面に施されたガラス基板16である。
(a)シリコーン基板17bとPETフィルム14(カバーガラス11と接合済み)との接合
図6(a)に示すように、シリコーン基板17b表面にエキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射して、シリコーン基板17b表面を酸化して当該表面を親水性表面とする。
その後、シリコーン基板17bのUV照射表面とPETフィルム14のUV照射処理したプライマーコート面とを重ね合わせ、適宜、PETフィルム14とシリコーン基板17bとを加圧したり加熱したりして、シリコーン基板17bと第1のITO電極13が表面に施されたPETフィルム14とを接合する。
図7(b)に示すように、PETフィルム14と接合されたシリコーン基板17bの、PETフィルム14との接合面とは反対側の表面に、エキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射して、シリコーン基板17bのUV照射面を酸化して当該表面を親水性表面とする。
次に、例えば、図18(c)のようなパターンの第2のITO電極15が表面に施されたガラス基板16において、上記第2のITO電極パターンが施された面にプライマー18をコートする。次に、このプライマー18がコートされた表面に対してエキシマランプ等の紫外線(UV)光源から放出されるUV光を照射して、上記プライマーコート面を接合に適した表面とする。
なお、第2のITO電極15が表面に施されたガラス基板16の代わりに、第2のITO電極15が表面に施された樹脂基板(例えば、PETフィルム14)が用いられる場合もあるが、工程2の手順に変化はない。
(1)疎水性表面を持つ第1のワークであってカバーガラス11が接合されているPETフィルム14において、PETフィルム14の上記カバーガラス11が接合されていないハードコート層14a表面(疎水性表面)にプライマー18をコートする。
(2)シリコーン基板17b表面と、疎水性表面を持つ第1のワークであるPETフィルム14のプライマー18がコートされた面とに対して紫外線を照射して、両表面を親水性表面とする。
(3)両紫外線照射面同士を重ね合わせる。
(4)上から、シリコーン基板17b、プライマー18、疎水性表面を持つ第1のワークであるPETフィルム14(カバーガラス11接合済み)の順に重ね合わせられているワークを加圧しながら、加熱する。
(5)疎水性表面を持つ第2のワークであるガラス基板16の第2の透明導電膜(ITO電極15)が表面に施された面にプライマー18をコートする。
(6)疎水性表面を持つ第1のワークであるPETフィルム14(カバーガラス11接合済み)に接合されたシリコーン基板17b表面と、疎水性表面を持つ第2のワークであるガラス基板16の第2の透明導電膜(ITO電極15)が表面に施された面にコートされたプライマー18に対して紫外線を照射して、両表面を親水性表面とする。
(7)両紫外線照射面同士を重ね合わせる。
(8)上から、疎水性表面を持つ第1のワークであるPETフィルム14(カバーガラス11接合済み)、シリコーン基板17b、疎水性表面を持つ第2のワークであるガラス基板16の順に重ね合わせられている各ワークの接触面を加圧を加圧しながら、加熱する。
なお、本接合方法の(4)(8)においては、加圧のみ、加熱のみでもよいが、加圧しながら加熱したほうが望ましい。
このタッチセンサモジュール10aとタッチパネル制御部10bがLCDパネル等の画像表示装置30上に積層されて、タッチパネルが構成される。ここで、タッチパネル制御部10bの構造例や、タッチセンサモジュール10a、タッチパネル制御部10b、画像表示装置30の順に積層されるタッチパネルの接合は、従来技術と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
そして、タッチセンサモジュールの導電性薄膜(例えば、ITO電極)が設けられている基板において、上記導電性薄膜が設けられている面にプライマー(例えば、シランカップリング剤)をコートし、当該プライマーのコート面に紫外線を照射するものである。
更には、上記導電性薄膜が設けられている基板の上記導電性薄膜が設けられていない側表面が疎水性表面である場合、当該表面にもプライマー18(例えば、シランカップリング剤)をコートし、当該プライマーコート面に紫外線を照射するものである。
すなわち、OCAテープやOCRとは異なり、シリコーンには長時間経過後の着色が発生せず、最終製品であるタッチパネルの画像に変色の影響が発生しない。
また、導電性薄膜のような段差構造が接合面に存在する場合であっても、シリコーンは段差に応じて変形・密着するので貼り付け時の上記段差部分への気泡混入の抑制が容易である。また、接合面が大面積の部材に対しても容易に接合することが可能である。
また、一般にシリコーン基板は、OCAテープやOCRと比較すると価格が安価である。
すなわち、タッチセンサモジュールの各構成要素の貼り合わせに際して、従来のOCAテープまたはOCRに代えてシリコーン(基板)を使用し、シリコーン(基板)と各構成要素の接合面に紫外線を照射して、タッチセンサモジュールの各構成要素の貼り合わせて当該タッチセンサモジュールを構成することが可能となった。
実施の形態1においては、本発明の接合方法を採用した〔工程A−1〕と〔工程B−1〕を経て、図1に示すタッチパネルにおけるタッチセンサモジュールを構成する例を示した。
また、〔工程B−1〕においては、まず〔工程A−1〕により構成されたシリコーン基板17aを介してカバーガラス11と接合されたPETフィルム14とシリコーン基板17bとを接合し、次にこのカバーガラス11と接合済のPETフィルム14と接合されたシリコーン基板17bとガラス基板16とを接合するという順番で、PETフィルム14と接合されたシリコーン基板17bと第2のITO電極15が表面に施されたガラス基板16とを接合してタッチセンサモジュール10bを構成した。
例えば、上記〔工程A−1〕において、まず、シリコーン基板17aとPETフィルム14とを接合し、次にこのPETフィルム14と接合されたシリコーン基板17aとカバーガラス11とを接合するという順番で、カバーガラス11と第1の透明導電膜(ITO電極)が表面に施されたPETフィルム14とを接合してもよい。(以下、このような工程を〔工程A−2〕と呼ぶことにする。)
〔工程A−2〕カバーガラスと第1の透明導電膜(ITO電極)が表面に施されたPETフィルムとの接合工程
本工程を図8に示す。本工程は、親水性表面を有する第1のワークと疎水性表面を有する第2のワークをシリコーン基板を介在させて貼り合わせ方法を示すものであり、親水性表面を持つ第1のワークに相当するのはカバーガラス11、疎水性表面を有する第2のワークに相当するのは第1の透明導電膜(ITO電極13)がハードコート層14a表面に施されたPETフィルム14である。
例えば、図18(b)のようなパターンの第1のITO電極13がハードコート層14a表面に施されたPETフィルム14において、図8(a)に示すように、上記第1のITO電極13パターンが施されたハードコート層14a表面にプライマー18をコートする。次に、このプライマー18がコートされた表面に対してエキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射して、上記プライマーコート面を接合に適した表面とする。
その後、シリコーン基板17aのUV照射表面とPETフィルム14のUV照射処理したプライマーコート面とを重ね合わせ、適宜、PETフィルム14とシリコーン基板17aとを加圧したり加熱したりして、シリコーン基板17aと第1のITO電極13が表面に施されたPETフィルム14とを接合する。
次に、図8(b)に示すように、PETフィルム14と接合されたシリコーン基板17aの、PETフィルム14との接合面とは反対側の表面に、エキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射して、シリコーン基板17aのUV照射面を酸化して当該表面を親水性表面とする。
また、カバーガラス11の接合面にエキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射する。
また、PETフィルム14と接合されたシリコーン(PDMS)基板17a表面とカバーガラス11の接合面へのUV照射は同時に行っても良い。
(1)疎水性表面を持つ第2のワークであるPETフィルム14の第1の透明導電膜(ITO電極13)が表面に施された面にプライマー18をコートする。
(2)シリコーン基板17a表面と、疎水性表面を持つ第2のワークであるPETフィルム14の第1の透明導電膜(ITO電極13)が表面に施された面にコートされたプライマー18に対して紫外線を照射して、両表面を親水性表面とする。
(3)両紫外線照射面同士を重ね合わせる。
(4)疎水性表面を持つ第2のワークであるPETフィルム14とシリコーン基板17aとが重ね合わせられているワークの接触面を加圧しながら、加熱する。
(5)次に、疎水性表面を持つ第2のワークであるPETフィルム14に接合されたシリコーン基板17a表面と、親水性表面を持つ第1のワークであるカバーガラス11の接合面に対して紫外線を照射する。
(6)両紫外線照射面同士を重ね合わせる。
(7)上から、疎水性表面を持つ第2のワークであるPETフィルム14、シリコーン基板17a、親水性表面を持つ第1のワークであるカバーガラス11の順に重ね合わせられている各ワークの接触面を加圧しながら、加熱する。
なお、本接合方法の(4)(7)においては、加圧のみ、加熱のみでもよいが、加圧しながら加熱したほうが望ましい。
本工程を図9、図10に示す。本工程は、疎水性表面を持つ第1のワークと、疎水性表面を持つ第2のワークをシリコーン基板を介して貼り合わせ方法を示すものであり、疎水性表面を持つ第1のワークに相当するのはカバーガラス11が接合されているPETフィルム14、疎水性表面を持つ第2のワークに相当するのは第2の透明導電膜(ITO電極15)が表面に施されたガラス基板16である。
図9(a)に示すように、シリコーン基板17b表面にエキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射して、シリコーン基板17b表面を酸化して当該表面を親水性表面とする。
(1)疎水性表面を持つ第2のワークであるガラス基板16の第2の透明導電膜(ITO電極15)が表面に施された面にプライマー18をコートする。
(2)シリコーン基板17b表面と、疎水性表面を持つ第2のワークであるガラス基板16の第2の透明導電膜(ITO電極15)が表面に施された面にコートされたプライマー18に対して紫外線を照射して、両表面を親水性表面とする。
(3)両紫外線照射面同士を重ね合わせる。
(4)シリコーン基板17bと疎水性表面を持つ第2のワークであるガラス基板16が重ね合わせられているワークの接触面を加圧しながら、加熱する。
(5)疎水性表面を持つ第1のワークであってカバーガラス11が接合されているPETフィルム14において、PETフィルム14の上記カバーガラス11が接合されていないハードコート層14a表面にプライマー18をコートする。
(6)疎水性表面を持つ第2のワークであるガラス基板16に接合されたシリコーン基板17b表面と、疎水性表面を持つ第1のワークであるPET基板のカバーガラス11が接合されていないハードコート層14a表面にコートされたプライマー18に対して紫外線を照射して、両表面を親水性表面とする。
(7)両紫外線照射面同士を重ね合わせる。
(8)上から、疎水性表面を持つ第1のワークであるPETフィルム14(カバーガラス11接合済み)、プライマー18、シリコーン基板17b、プライマー18、疎水性表面を持つ第2のワークであるガラス基板16の順に重ね合わせられている各ワークの接触面を加圧しながら、加熱する。
なお、本接合方法の(4)(8)においては、加圧のみ、加熱のみでもよいが、加圧しながら加熱したほうが望ましい。
実施の形態1の〔工程A−1〕〔工程B−1〕、ならびに実施の形態1の変形例(1)の〔工程A−2〕〔工程B−2〕は、2つのワークの貼り合わせを繰り返すことにより構成されている。しかしながら、各工程において3つのワークを一度に貼り合わせるように構成してもよい。
同様に、上記〔工程B−1〕〔工程B−2〕において、カバーガラス11と接合済のPETフィルム14とシリコーン基板17bとガラス基板16とを一度に接合してもよい(以下、このような工程を〔工程B−3〕と呼ぶことにする。)。
本工程を図11に示す。本工程は、親水性表面を有する第1のワークと疎水性表面を有する第2のワークをシリコーン基板を介在させて貼り合わせ方法を示すものであり、親水性表面を持つ第1のワークに相当するのはカバーガラス11、疎水性表面を有する第2のワークに相当するのは第1の透明導電膜(ITO電極13)がハードコート層14a表面に施されたPETフィルム14である。
更に、図11に示すようにカバーガラス11の接合面にエキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射する。
また、カバーガラス11の接合面と、シリコーン基板17a両面と、PETフィルム14のプライマーコート面へのUV照射は同時に行っても個別に行っても良い。
(1)疎水性表面を持つ第2のワークであるPETフィルム14の第1の透明導電膜(ITO電極13)が表面に施された面にプライマー18をコートする。
(2)親水性表面を持つ第1のワークであるカバーガラス11の接合面と、シリコーン基板17aの両面と、疎水性表面を持つ第2のワークであるPETフィルム14の第1の透明導電膜(ITO電極13)が表面に施された面にコートされたプライマー18に対して紫外線を照射して、各紫外線照射面を親水性表面とする。
(3)その後、カバーガラス11のUV照射処理された接合面とシリコーン基板17aのUV照射処理された一方の面、ならびに、シリコーン基板17aのUV照射処理された他方の面とPETフィルム14のUV照射処理されたプライマーコート面とを重ね合わせる。
(4)そして、カバーガラス11、シリコーン基板17a、PETフィルム14の順番で積層された各ワークの接触面を加圧しながら、加熱して、各ワークを一度に接合する。
なお、本接合方法の(4)においては、加圧のみ、加熱のみでもよいが、加圧しながら加熱したほうが望ましい。
本工程を図12に示す。本工程は、疎水性表面を持つ第1のワークと、疎水性表面を持つ第2のワークをシリコーン基板を介して貼り合わせ方法を示すものであり、疎水性表面を持つ第1のワークに相当するのはカバーガラス11が接合されているPETフィルム14、疎水性表面を持つ第2のワークに相当するのは第2の透明導電膜(ITO電極15)が表面に施されたガラス基板16である。
そして、カバーガラス11が接合済みであるPETフィルム14、シリコーン基板17b、ガラス基板16の順番で積層されたワークを、適宜、加圧したり加熱したりして、カバーガラス11が接合済みであるPETフィルム14とシリコーン基板17bと第2のITO電極15が表面に施されたガラス基板16とを一度に接合する。
なお、また、PETフィルム14のプライマーコート面と、シリコーン基板17b両面と、ガラス基板16のプライマーコート面へのUV照射は同時に行っても個別に行っても良い。
(1)疎水性表面を持つ第1のワークであってカバーガラス11が接合されているPETフィルム14において、PETフィルム14の上記カバーガラス11が接合されていないハードコート層14a表面にプライマー18をコートする。
(2)疎水性表面を持つ第2のワークであるガラス基板16の第2の透明導電膜(ITO電極15)が表面に施された面にプライマー18をコートする。
(3)疎水性表面を持つ第1のワークであってカバーガラス11が接合されているPETフィルム14のカバーガラス11が接合されている面の反対側のハードコート層14a表面にコートされたプライマー18と、シリコーン基板17bの両面と、疎水性表面を持つ第2のワークであるガラス基板16の第2の透明導電膜(ITO電極15)が表面に施された面にコートされたプライマー18に対して紫外線を照射して、各紫外線照射面を親水性表面とする。
(4)その後、PETフィルム14のUV照射処理されたプライマーコート面とシリコーン基板17bのUV照射処理された一方の面、ならびに、シリコーン基板17bのUV照射処理された他方の面とガラス基板16のUV照射処理されたプライマーコート面とを重ね合わせる。
(5)そして、カバーガラス11が接合済みであるPETフィルム14、シリコーン基板17b、ガラス基板16の順番で積層された各ワークの接触面を加圧しながら、加熱して、各ワークを一度に接合する。
なお、本接合方法の(5)においては、加圧のみ、加熱のみでもよいが、加圧しながら加熱したほうが望ましい。
実施の形態1においては、図1に示すタッチパネルの構成例において、第1の透明導電膜(例えば、ITO電極13)の基板がPETフィルム14であり、第2の透明導電膜(例えば、ITO電極15)の基板がガラス基板16であるようなタッチセンサモジュールを組み上げる際に採用される本発明の接合方法を示した。
実施の形態2においては、図13に示すタッチパネルの構成例におけるタッチセンサモジュールを組み上げる際に採用される本発明の接合方法を示す。
図13(a)において、タッチセンサモジュール10aは、上からカバーガラス11、シリコーン基板17a、第1のガラス基板16a、第1のITO電極13、プライマー18、シリコーン基板17b、プライマー18、第2のITO電極15、第2のガラス基板16bの順に積層される。その他の構成は、図1と同じである。
図13(b)において、タッチセンサモジュール10aは、上からカバーガラス11、シリコーン基板17a、プライマー18、第1のITO電極13、第1のガラス基板16a、シリコーン基板17b、プライマー18、第2のITO電極15、第2のガラス基板16bの順に積層される。その他の構成は、図13(a)と同じである。
なお、図13に示すタッチパネルの構成例において、各基板、各層の厚みは説明を容易にするために誇張して描かれており、実際の各基板、各層の厚みの相対関係は、図13に示すものとは相違する。
まず、図13(a)に示す構成例のタッチパネルを製造する際に用いられる本発明の接合方法について図14、図15により説明する。
本工程を図14に示す。本工程では、カバーガラス11と第1の透明導電膜(ITO電極13)が表面に施された第1のガラス基板16aとの接合工程である。本工程は、本発明の接合方法が適用される〔工程3〕に先立つ前工程である。
図14(a)に示すように、シリコーン(PDMS)基板17a表面にエキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射して、シリコーン基板17a表面を酸化し当該表面を親水性表面とする。
次に、カバーガラス11の接合面にエキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射する。
なお、カバーガラス11自体は親水性表面であるため、必ずしもUV光を照射する必要はない。しかしながら、カバーガラス11の接合面にUV光を照射することにより、カバーガラス11の接合面が活性化されたり、カバーガラス11表面の不純物が分解して除去されるので、カバーガラス11とシリコーン基板17aとの接合がより確実に行われる。
また、シリコーン(PDMS)基板17a表面とカバーガラス11の接合面へのUV照射は同時に行っても良い。
次に、図14(b)に示すように、カバーガラス11と接合されたシリコーン基板17aの、カバーガラス11との接合面とは反対側の表面に、エキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射して、シリコーン基板17aのUV照射面を酸化して当該表面を親水性表面とする。
一方、例えば、図18(b)のようなパターンの第1のITO電極13が表面に第1のガラス基板16aにおいて、第1のITO電極13が施された面と反対側の面に対してエキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射する。
また、シリコーン(PDMS)基板17a表面と第1のガラス基板16aの接合面へのUV照射は同時に行っても良い。
本工程を図15に示す。本工程は、疎水性表面を持つ第1のワークと、疎水性表面を持つ第2のワークをシリコーン基板を介して貼り合わせ方法を示すものであり、疎水性表面を持つ第1のワークに相当するのは一方の面にカバーガラス11が接合されていて他方の面に第1のITO電極13が施されている第1のガラス基板16a、疎水性表面を持つ第2のワークに相当するのは第2の透明導電膜(ITO電極15)が表面に施された第2のガラス基板16bである。
図15(a)に示すように、シリコーン基板17bの表面にエキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射して、シリコーン基板17bの表面を酸化して当該表面を親水性表面とする。
次に、図15(b)に示すように、第1のガラス基板16aと接合されたシリコーン基板17bの、第1のガラス基板16aとの接合面とは反対側の表面に、エキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射して、シリコーン基板17bのUV照射面を酸化して当該表面を親水性表面とする。
(1)疎水性表面を持つ第1のワークであって、一方の面にシリコーン基板17aを介してカバーガラス11が接合されていて他方の面に第1のITO電極13が施されている第1のガラス基板16aにおいて、上記第1のITO電極13が施されている面にプライマー18をコートする。
(2)シリコーン基板17bの表面と、疎水性表面を持つ第1のワークである第1のガラス基板16aのプライマー18がコートされた面とに対して紫外線を照射して、両表面を親水性表面とする。
(3)両紫外線照射面同士を重ね合わせる。
(4)上から、シリコーン基板17b、疎水性表面を持つ第1のワークである第1のガラス基板16a(カバーガラス11接合済み)の順に重ね合わせられている各ワークの接触面を加圧しながら、加熱する。
(5)疎水性表面を持つ第2のワークである第2のガラス基板16bにおいて、第2の透明導電膜(ITO電極15)が表面に施された面にプライマー18をコートする。
(6)疎水性表面を持つ第1のワークである第1のガラス基板16a(カバーガラス11接合済み)に接合されたシリコーン基板17bの表面と、疎水性表面を持つ第2のワークである第2のガラス基板16bの第2の透明導電膜(ITO電極15)が表面に施された面にコートされたプライマー18に対して紫外線を照射して、両表面を親水性表面とする。
(7)両紫外線照射面同士を重ね合わせる。
(8)上から、疎水性表面を持つ第1のワークである第1のガラス基板16a(カバーガラス11接合済み)、シリコーン基板17b、疎水性表面を持つ第2のワークである第2のガラス基板16bの順に重ね合わせられている各ワークの接触面を加圧しながら、加熱する。
なお、本接合方法の(4)(8)においては、加圧のみ、加熱のみでもよいが、加圧しながら加熱したほうが望ましい。
〔工程C−2〕カバーガラスと第1の透明導電膜(ITO電極)が表面に施された第1のガラス基板との接合工程
本工程を図16に示す。本工程は、親水性表面を持つ第1のワークと、疎水性表面を持つ第2のワークをシリコーン基板を介して貼り合わせ方法を示すものであり、親水性表面を持つ第1のワークに相当するのはカバーガラス11、疎水性表面を持つ第2のワークに相当するのは第1の透明導電膜(ITO電極13)が表面に施された第1のガラス基板16aである。
第1のワークであるカバーガラス11の下側表面と第2のワークである第1のガラス基板16aの第1のITO電極13側表面とを接合するのに先立って、まず、カバーガラス11とシリコーン(例えば、PDMS)基板17aとの接合を行う。
図16(a)に示すように、シリコーン(PDMS)基板17a表面にエキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射して、シリコーン基板17a表面を酸化し当該表面を親水性表面とする。
次に、カバーガラス11の接合面にエキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射する。
また、シリコーン(PDMS)基板表面とカバーガラス11の接合面へのUV照射は同時に行っても良い。
次に、図16(b)に示すように、例えば、図18(b)のようなパターンの第1のITO電極13が施された第1のガラス基板16aにおいて、上記第1のITO電極13パターンが施された面にプライマー18をコートする。次に、このプライマー18がコートされた表面に対してエキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射して、上記プライマーコート面を接合に適した表面とする。
(1)親水性表面を持つ第1のワークであるカバーガラス11の下側表面に、シリコーン基板17aを接合する。接合方法は、シリコーン基板17aに紫外線を照射して紫外線照射面を親水性表面とし、当該表面をカバーガラス11上に積層して、第1のワークであるカバーガラス11とシリコーン基板17aを接合する。なお、上記したように、カバーガラス11の接合面にも紫外線を照射してもよい。
(2)疎水性表面を持つ第2のワークである第1のガラス基板16aの第1の透明導電膜(ITO電極13)が施された面にプライマーコートする。
(3)親水性表面を持つ第1のワークであるカバーガラス11に接合されたシリコーン基板17a表面と、疎水性表面を持つ第2のワークである第1のガラス基板16aの第1の透明導電膜(ITO電極13)が施された面にコートされたプライマー18に対して紫外線を照射して、両表面を親水性表面とする。
(4)両紫外線照射面同士を重ね合わせる。
(5)上から、親水性表面を持つ第1のワークであるカバーガラス11、シリコーン基板17a、第2のワークである第1のガラス基板16aの順に重ね合わせられている各ワークの接触面を加圧しながら、加熱する。
なお、本接合方法の(5)においては、加圧のみ、加熱のみでもよいが、加圧しながら加熱したほうが望ましい。
本工程を図17に示す。本工程においても、親水性表面を持つ第1のワークと、疎水性表面を持つ第2のワークをシリコーン基板を介して貼り合わせ方法を示すものであり、親水性表面を持つ第1のワークに相当するのは第1のITO電極13が施されている一方の面にカバーガラス11が接合されている第1のガラス基板16a、疎水性表面を持つ第2のワークに相当するのは第2の透明導電膜(ITO電極15)が表面に施された第2のガラス基板16bである。
親水性表面を持つ第1のワークである第1のガラス基板16aの、カバーガラス11と接合済みの第1のITO電極13側と反対側表面と、疎水性表面を持つ第2のワークである第2のガラス基板16bの第2のITO電極15側表面とを接合するのに先立って、まず、第1のガラス基板16a(カバーガラス11と接合済み)とシリコーン(例えば、PDMS)基板17bとの接合を行う。
次に、図17(a)に示すように、先の工程において第1のガラス基板16aのカバーガラス11と接合済みである第1のITO電極13側と反対側表面に対してエキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射する。
次に、図17(b)に示すように、第1のガラス基板16aと接合されたシリコーン基板17bの、第1のガラス基板16aとの接合面とは反対側の表面に、エキシマランプ等の紫外線(UV)光源40から放出されるUV光を照射して、シリコーン基板17bのUV照射面を酸化して当該表面を親水性表面とする。
(1)親水性表面を持つ第1のワークであって、第1のITO電極13が施されている一方の面にシリコーン基板17aを介してカバーガラス11が接合されている第1のガラス基板16aの他方の面と、シリコーン基板17b表面とに対して紫外線を照射して、両ワークの紫外線照射面が密着するように親水性表面を持つ第1のワークである第1のガラス基板16aとシリコーン基板17bとを積層して、親水性表面を持つ第1のワークである第1のガラス基板16aとシリコーン基板17bを接合する。
(2)疎水性表面を持つ第2のワークである第2のガラス基板16bにおいて、第2の透明導電膜(ITO電極15)が表面に施された面にプライマー18をコートする。
(3)親水性表面を持つ第1のワークである第1のガラス基板16a(カバーガラス11接合済み)に接合されたシリコーン基板17b表面と、疎水性表面を持つ第2のワークである第2のガラス基板16bの第2の透明導電膜(ITO電極15)が表面に施された面にコートされたプライマー18に対して紫外線を照射して、両表面を親水性表面とする。
(4)両紫外線照射面同士を重ね合わせる。
(5)上から、親水性表面を持つ第1のワークである第1のガラス基板16a(カバーガラス11接合済み)、シリコーン基板17b、疎水性表面を持つ第2のワークである第2のガラス基板16bの順に重ね合わせられている各ワークの接触面を加圧しながら、加熱する。
なお、本接合方法の(5)においては、加圧のみ、加熱のみでもよいが、加圧しながら加熱したほうが望ましい。
また、本発明の接合方法を採用した〔工程C−2〕と〔工程D−2〕を経て、図13(b)に示すタッチパネルにおけるタッチセンサモジュールが構成される。
そして、タッチセンサモジュールの導電性薄膜(例えば、ITO電極)が設けられている基板において、上記導電性薄膜が設けられている面にプライマー(例えば、シランカップリング剤)をコートし、当該プライマーコート面に紫外線を照射するものである。よって、実施の形態1のときと同様の効果を奏することが可能となる。
また、ガラス基板を透明導電膜の基板として採用することにより、当該透明導電膜の基板の透明導電膜が施されている面と反対側の面は親水性表面となる。よって、この面に対してプライマーを導入する必要がなくなる。すなわち、本実施の形態2において構築したタッチセンサモジュールの製造工程は、本実施の形態1において構築したタッチパネルの製造工程と比較すると、プライマーを導入する面が少ない分、簡略化される。
上記したように、本発明の貼り合わせ方法においては、第1のワークと接合面に導電性薄膜が施されている第2のワークとの接合面に紫外線照射による表面改質されて親水性表面となったシリコーン基板を介在させて第1のワークと第2のワークとを積層し、積層した第1のワークおよび第2のワークを加熱・加圧処理を施して、第1のワークと第2のワークとを貼り合わせるものである。特に、本発明の貼り合わせ方法においては、従来、紫外線照射による表面改質処理を用いても接合させることが不可能であったシリコーン基板と導電性薄膜基板の導電性薄膜表面との貼り合わせやシリコーン基板と表面が疎水性である場合の導電性薄膜基板との貼り合わせについても、導電性薄膜表面、基板の疎水性表面にシランカップリング剤を導入して、当該シランカップリング剤を紫外線照射により表面改質する(接合に適した表面状態にする)することにより、上記貼り合わせを可能としたものである。
シリコーン基板としてはPDMSを使用し、導電性薄膜基板としては、一方の面にITO層が設けられたPETフィルムを使用した。また、プライマーとしては、シランカップリング剤を使用した。シランカップリング剤は、信越シリコーン社製のKBE−9007であり、構造式は(C2H5O)3SiC3H6N=C=Oである。
次に、PDMS基板(シリコーン基板)の接合面とPETフィルムのシランカップリング剤がコートされた面に対し紫外線を照射した。
紫外線光源は、中心波長が172nmである真空紫外線(VUV)を放出するエキシマランプを使用し、照射条件は、照射面上の放射照度が5mW/cm2、照射時間が180秒であった。
なお、プライマーとして、他のシランカップリング剤(例えば、信越シリコーン社製のKBE−403:構造式を化(1)に示す)を用いても同様の結果を得た。
例えば、図13(a)において、透明導電膜が施される第1、第2のガラス基板16a,16bをPETフィルム14等からなる第1、第2の樹脂基板とした場合にも適用される。この場合、図14に示す〔工程C−1〕が、図5に示す〔工程A−1〕に置き換わる。なお、それに続く〔工程D−1〕はそのまま適用可能である。
10a タッチセンサモジュール
10b タッチパネル制御部
11 カバーガラス
12 ブラックマトリクス
13 第1のITO電極(第1の透明導電膜)
14 PETフィルム
14a ハードコート層
15 第2のITO電極(第2の透明導電膜)
16,16a,16b ガラス基板
17,17a,17b シリコーン(PDMS)基板
18 プライマー
21 配線層
22 タッチパネル(TP)コントロールIC部
23 FPC(フレキシブルプリント基板)
30 画像表示装置
31 偏光フィルム
32 画像表示パネル
40 紫外線(UV)光源
100 タッチパネル
Claims (4)
- 疎水性表面を持つワークとシリコーンからなる部材とを貼り合わせる方法であって、疎水性表面を持つワークの一方の面にシランカップリング剤もしくはシロキサン系コート剤からなるプライマーをコートし、
上記ワークのプライマーをコートした面と、上記シリコーンからなる部材に紫外線を照射し、
上記ワークの紫外線を照射した面と、上記シリコーンからなる部材の紫外線を照射した面が接触するように積層し、
上記積層したワークとシリコーンからなる部材の接触面が加圧されるように加圧し、あるいは積層したワークとシリコーンからなる部材を加熱し、あるいは、積層したワークとシリコーンからなる部材をその接触面が加圧されるように加圧しながら加熱する
ことを特徴とするワークの貼り合わせ方法。 - 親水性表面を持つ第1のワークと、疎水性表面を持つ第2のワークをシリコーンからなる部材を介在させて貼り合わせる方法であって、
疎水性表面を持つ第2のワークの表面にシランカップリング剤もしくはシロキサン系コート剤からなるプライマーをコートし、
第1のワークの一方の面と、上記第2のワークのプライマーをコートした面のそれぞれと、上記シリコーンからなる部材の両面に紫外線を照射し、
上記第1のワークと上記シリコーンからなる部材と第2のワークを、上記紫外線が照射された面が接触するように積層し、
上記接触面が加圧されるように加圧し、あるいは積層した第1および第2のワークとシリコーンからなる部材を加熱し、あるいは積層した第1および第2のワークとシリコーンからなる部材をその接触面が加圧されるように加圧しながら加熱する
ことを特徴とするワークの貼り合わせ方法。 - 疎水性表面を持つ第1のワークと、疎水性表面を持つ第2のワークをシリコーンからなる部材を介在させて貼り合わせる方法であって、
疎水性表面を持つ第1のワークと、第2のワークの表面にシランカップリング剤もしくはシロキサン系コート剤からなるプライマーをコートし、
第1のワーク及び第2のワークの、上記プライマーをコートした面のそれぞれと、上記シリコーンからなる部材の両面に紫外線を照射し、
上記第1のワークと上記シリコーンからなる部材と第2のワークを、上記紫外線が照射された面が接触するように積層し、
上記接触面が加圧されるように加圧し、あるいは積層したワークを加熱し、あるいは積層したワークをその接触面が加圧されるように加圧しながら加熱する
ことを特徴とするワークの貼り合わせ方法。 - 透明導電膜が施された基板を有するタッチセンサモジュールと、画像表示装置とを備えたタッチパネルであって、
上記タッチセンサモジュールは、
シランカップリング剤もしくはシロキサン系コート剤からなるプライマーがコートされ、該プライマーをコートした面が紫外線照射により改質された透明導電膜が施された基板と、紫外線照射により表面が改質されたシリコーンからなる部材とを含み、上記基板と上記シリコーンからなる部材の、上記紫外線が照射されたそれぞれの面が対向して積層されている
ことを特徴とするタッチパネル。
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