JP5359607B2 - 変倍光学系、プロジェクタ - Google Patents

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Description

本発明は、変倍光学系等に関し、特に、物体面の像を拡大・縮小する変倍光学系、変倍光学系を用いたプロジェクタ、読取装置に関する。
画像を拡大投影して画像形成部13よりも大きな画面を表示するプロジェクタでは、その装置を巨大化することなく、かつ、設置場所を取らないようになるべくスクリーンに近い位置に設置できるプロジェクタが好ましいとされている。このため、拡大倍率を大きく取れる光学系として、パワーを有したミラーを使った光学系を一部(ハイブリッド)又は全てに用いた光学系が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。いずれも、レンズ系の最終段(光路において最もスクリーンに近い位置)にパワーを有したミラーを配置しているが、ミラーの高い偏向機能により非常に広角な投射を実現出来ている。
特許文献1又は2記載の光学系では、スクリーンに対する最大画角が70度を越えることが可能であり、数10cmの投射距離の変化で、1.4倍以上の投射倍率変化をもたらすことも設計いかんでは可能となる。すなわち、至近から大画面が投射できるため、僅かな投射距離の変化により拡大倍率を容易に変化させることができるという利点がある。
しかしながら、これらの光学系において、投射距離を変えずに変倍機能を持たせるためには、複数のレンズ要素を移動する必要がある。例えばワイド、テレといったズーム駆動を行う変倍光学系を備えた光学系が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特許文献3には、屈折系で中間像をつくり、その中間像を凹面ミラーで反射してスクリーンに拡大投射する光学系において、屈折系が形成する像が次に到達する反射面よりもスクリーン側であることを特徴とする光学系が記載されている。この光学系では、屈折系を構成する複数のレンズを光軸に水平に移動してズーム光学系を構成する。
また、ミラーのみを使った光学系としては、複数のミラー群を移動して、ズームとフォーカスを行う技術が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。特許文献4には、ライトバルブにより光強度変調された光束を複数の曲面反射ミラーを介してスクリーン上へ投射される光学系において、複数のミラーを連動させて移動し投射画角を変化させることにより、ワイド、ミドル、テレの投射画像を得る光学系が記載されている。
また、特許文献5には、投射画角を変えることなく、プロジェクタ本体と投射面の距離(投射距離L)を変化させて投射画像の拡大倍率を変化させる技術が開示されている。特許文献5記載のプロジェクタは、投影部自体、光学系、画像生成部であるLCD、光源ランプ、照明光学系などを含んだプロジェクタ本体すべてを移動させて投射距離を変えている。
しかしながら、特許文献3記載の光学系では、凹面ミラーは固定され、屈折系を構成しているレンズ系を光軸方向に移動してズーム光学系を構成するため、スクリーンに対する画角が一定でなく、ワイド側に凹面ミラーの大きさを合わせる必要がある。このため、凹面ミラーが大きくなるという問題がある。
また、特許文献4の光学系は、投射の画角を変えることにより拡大倍率を変化させている、つまり、ズームのために投射画角を変えることが必要である。投射画角を変えるということは、特許文献3と同様に、ワイド時には、テレ時より投射光束の幅が広がっているために、最終ミラーにあたる面積が大きくなる。すなわち、よりワイド(広角)な画像に対応させるために、最終ミラーの大きさをワイド側に合わせる必要があり、必然的に大きなミラーが必要となっていた。
ミラーが大きくなるとミラー製作や精度を出すための作製上の課題が顕在化し、必要な性能を持たせるために製作コストが増大する。また、装置自体が大きくなる、など種々の問題を引き起こす。
また、特許文献5記載のプロジェクタでは、装置全体を上昇させないと投射距離を変えることができない、装置の重量に耐える支持部が必要となる、重心が高くなり不安定になるなど、卓上に配置するプロジェクタとしては利便性が良好でないという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するために、ミラーを大きくすることなく、十分な拡大倍率で画像を拡大投影できる変倍光学系及びプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明は、光軸方向に移動する鏡筒部材に保持された第二光学系及び反射光学素子を有し、物体面から照射される光束を第一光学系、第二光学系の順に通過させた後、パワーを有する反射光学素子に反射させてスクリーンに画像を投射する変倍光学系において、前記第一光学系又は前記第二光学系の少なくとも一方は、複数の屈折光学素子を有し、前記鏡筒部材が光軸方向に移動することにより前記反射光学素子を物体面に対し相対的に離間して、スクリーンと前記反射光学素子の間隔を変えることにより、前記反射光学素子からスクリーンに入射する光束の入射角度を略同一に保持したまま、前記画像の投射倍率を拡大し前記反射光学素子の移動量に応じて、1以上の前記屈折光学素子を光軸方向に移動させて前記画像の焦点を合わせる、ことを特徴とする。
投射画角を変えないで投射倍率を可変にすることができので、反射光学素子の肥大化を抑制でき、変倍光学系100を搭載した装置サイズをコンパクトにできる。また、反射光学素子のサイズを小さくできるので、製造コストを低減できる。
ミラーを大きくすることなく、十分な拡大倍率で画像を拡大投影できる変倍光学系及びプロジェクタを提供することができる。
変倍光学系の構成図の一例である。 図1に対し拡大率が相対的に大きい状態の変倍光学系の構成図の一例である。 縮小側・拡大側それぞれのプロジェクタの概略構成図の一例である(第二実施形態)。 投射光路偏光素子を有するプロジェクタの概略構成図の一例である(第三実施形態)。 縮小側及び拡大側それぞれのプロジェクタの概略構成図の一例である(第四実施形態)。 縮小側及び拡大側それぞれのプロジェクタの概略構成図の一例である(第五実施形態)。 縮小側及び拡大側それぞれのプロジェクタの概略構成図の一例である(第六実施形態)。 変倍光学系の「面番号」、「曲率半径」、「面間隔」、「屈折率」、「アッベ数」、「非球面形状の有無」、「XY多項式(自由曲面)形状の有無」、「反射面の有無」、「偏心及びチルトの有無」、「変倍による面間隔の移動の有無」を示す図の一例である。 面番号19の非球面係数の一例を示す図である。 面番号20の非球面係数の一例を示す図である。 面番号27の多項式自由曲面の係数の一例を示す図である。 各係数A、B、C、・・が対応する次数を示す図の一例である。 面番号5の偏心及びチルトのデータの一例を示す図である。 面番号27の偏心及びチルトのデータの一例を示す図である。 投射倍率1.4における各投射サイズの、面番号14、18、20、24、26、27の面間隔の一例示す図である。 投射サイズが35インチ、30インチ、25インチのそれぞれの場合の光路図の一例を示す図である。 スクリーンへの入射角度θa、θa'、θb、θb'、θc、θc'を数値で示す図の一例である。 反射光学素子、第一光学系及び第二光学系の移動の詳細を示した図の一例である。 投射光の角度θA、θA'、θB、θB'、θC、θC'の一例を示す図である。 35インチの際の物点の像面における位置を示す図の一例である。 30インチの際の物点の像面における位置を示す図の一例である。 25インチの際の物点の像面における位置を示す図の一例である。 各物点の画像生成部における座標を説明する図の一例である。 35インチの際のスポットダイアグラムの一例を示す図である。 30インチの際のスポットダイアグラムの一例を示す図である。 25インチの際のスポットダイアグラムの一例を示す図である。
まず、本実施形態の変倍光学系100の概略を説明する。図1は、変倍光学系100の構成図を示す。変倍光学系100は、画像を生成する画像生成部13、画像生成部13から照射された光束の光軸が共通な複数の屈折光学素子を有する第一光学系11、光軸が共通な複数の屈折光学素子を有する第二光学系12、及び、パワーを有する反射光学素子18を有する。第二光学系12を通過してきた光の光路を、反射光学素子18により折り返して被投射面上に配置されたスクリーン15に投射して、拡大画像を形成する。第一光学系11と第二光学系12により、中間像19を形成する屈折光学系を構成する。
ここで、被投射面は、当該変倍光学系100の構成要素であってもよく、当該変倍光学系100の構成要素(流通時に変倍光学系100と被投射面とが一体に取り扱われるか否かに関係なく、例えば、無線又は有線で変倍光学系100と被投射面が通信可能なことをいう)でなくてもよい。
例えば、被投射面が、当該変倍光学系100の構成要素である場合には、適当な周知の機構を用いて、被投射面を含む構成要素を、物体面に対して移動させることによって、被投射面の位置を、投射画像の位置に一致させてもよい。周知な機構とは、例えば、被投射面を面に垂直方向に移動させるモータと支持機構である。変倍光学系100は、エッジ強度検出等の画像処理などにより焦点が合う範囲で、被投射面に移動を指示することができる。
また、例えば、被投射面が、当該変倍光学系100の構成要素でない場合には、適当な周知の機構を用いて、当該変倍光学系100の筐体などに対して、当該変倍光学系100の全体を移動させることによって、該投射画像の位置を、被投射面の位置に一致させてもよい。周知な機構とは、例えば、変倍光学系100の底面に設けられたタイヤとそれを回転させるモータ等である。変倍光学系100は、エッジ強度検出等の画像処理などにより焦点が合う範囲で、被投射面に対し移動することができる。
また、例えば、被投射面が、当該変倍光学系100の構成要素でない場合には、ユーザによる人為的な手段によって、被投射面に対して、当該変倍光学系100の全体を移動させることによって、該投射画像の位置を、被投射面の位置に一致させてもよい。なお、投射画像は、被投射面に向かって投射されるものであればよく、必ずしも被投射面上に形成される必要はない(例えば、被投射面が透明な場合やミラーの場合)。
本実施形態では、反射光学素子18は図示する紙面を平行に移動可能であり、変倍光学系100全体を移動することなく、反射光学素子18と被投射面との距離、すなわちスクリーン15との距離を変えることができる。反射光学素子18とスクリーン15の間隔(投射距離)を変えることにより、投射倍率を可変とすることができる。投射倍率を可変としても(投射距離が変わっても)、投射画角(光束の最大の入射角度から最小の入射角度を減じたもの)は変わらないように構成されているので、反射光学素子18の大きさをワイド側に合わせる必要がなく反射光学素子18を小型化することができる。
以下、具体的な形態を説明する。物体面に配置された画像生成部13から照射された光束はプリズム部10を通過し、第一光学系11、光路偏光素子14、第二光学系12を通過して、負の倍率の中間像19を形成後、正のパワーを有した反射光学素子18により光路を折り曲げられ、所望のスクリーン15上に一定の拡大倍率にて投射画像16を形成する。投射画像16と画像生成部13は互いに結像関係を有する共役な位置関係となっている(投射画像16と画像生成部13が共役面である。)。
画像生成部13は、画素ピッチで2次元に配列されたライトバルブと呼ばれる複数の画像形成素子で構成される。画像生成部13を制御する制御回路(不図示)、入力された映像信号に基づき、画像生成部13を駆動する駆動信号を生成し、駆動信号を画像生成部13に供給し画素毎に画像生成部13を駆動する。これにより、照射光が変調され、入力された映像信号を反映する投射画像が生成される。なお、画像情報を記憶した記憶媒体、画像情報の受信手段などは省略した。
また、画像生成部13を画素単位で配列された微小なミラーにより光のオンオフを行うデジタルミラーデバイスで実装してもよい。デジタルミラーデバイスは自発光素子でないため、液晶プロジェクタに用いられているランプ光源と照明光学系を用いて外部から照明光を供給する(例えば、第二実施形態)。
プリズム部10は、前述の照明光と投射光とを分離するために偏光ビームスプリッタなどの光路分離部10aと、複数の画像生成部13の情報を合成するためのダイクロイックプリズムなどの色合成素子10bなどから構成される。当然ながら、自己発光型パネルや、透過型液晶パネルや、斜めから照明光を照射して、照明光と投射光を分離できるレイアウトが可能なデジタルミラ−デバイスなどを用いる場合、光路分離部10bは不要である。また、カラー情報を1つの画像生成部13で生成できる場合など、複数の画像生成部13を有しない場合は色合成素子10bは不要である。
第一光学系11は、複数の光学要素11a〜11gが共通の光軸に垂直に配列されており、図1では7枚の屈折レンズを用いている。なお、光学要素11a〜11gの1以上がシフト又はチルトされていてもよい。光学要素11a〜11gはそれぞれの相対位置及びプリズム部10や光路変更素子14に対する位置が、常に一定に保持されている。なお、図1では、いわゆるレンズセルといわれる第一光学系11の固定部材は図示していない。また、光学要素11a〜11gは、ガラス又はプラスチック等の透明部材で実現されている。
第一光学系11により画像生成部13から発せられる光束(結像光束)は集光され、集光された光束は光路変更素子14に入射される。光路偏光素子14は、第一光学系11から第二光学系12に光束を折り返す素子であるので平面ミラーが好適である。反射率は高いほど好ましい。なお、第一光学系11と第二光学系12とが直列に配置されている場合は、この光路変更素子14は不要としてよい。また、光路変更素子14は、光路を変更したい場所に配置すればよいので、第一光学系11と第二光学系12の間に限られず、所望の位置にかつ所望の方向に光束を反射するよう配置することができる。また、複数の光路変更素子14を配置してもよい。
スクリーン15を鉛直に配置しスクリーン15の下方に変倍光学系100を配置した場合、図1では、第一光学系11の光軸を鉛直方向とし、第二光学系12の光軸をスクリーン15に垂直な方向としたが、画像生成部13及び第一光学系11をスクリーン15の横に配置して、第一光学系11の光軸を紙面に対して垂直な方向としてもよい。
第二光学系12は、複数の光学要素12a〜12eが共通の光軸に垂直に配列されており、図1では5枚の屈折レンズを用いている。一部(光学要素12bと12c)は一体に張り合わせされている。光学要素12a〜12eの1以上がシフト及びチルトされていてもよい。第二光学系12の複数の光学要素12a〜12eは、それぞれ光軸に沿って移動
することができる。
第二光学系12の最終の光学要素12eを通過した光束は、図示するように、スクリーン15に対し内側に湾曲した負の倍率の中間像19を形成する(光学要素12eと反射光学素子18の間で結象する)。その後、光束は中間像面から発散し、反射光学素子18に入射する。
正のパワーを有した反射光学素子18は、凹面形状のミラーが好適であり、諸収差を補正するのに非球面を採用することが望ましい。むしろ、投射画面のひずみをなくし(低減し)、所望の解像性能を得るために、次のように構成してもよい。すなわち、反射光学素子18は、ミラーであることの特徴である光偏向能力を偏重して、拡大倍率、歪性能を最大限に出すような形状とし、第一光学系11及び第二光学系12は、所望の解像性能が得られるように形状、配置、収差性能、倍率等を調整する。
また、反射光学素子18は、画角に応じた適切な集光性能を得るために、自由曲面ミラーなどの採用がさらに望ましく、これにより収差補正機能を強められるため、より高画質化を図ることもできる。なお、所望の光学性能を得るためには、公知の光線追跡シミュレーション技術を適用し、光学系サイズ、公差設定など、性能とのバランスをはかり、最適化を行えばよい。
中間像面から発散した光束は、正のパワーを有した反射光学素子18により光路を折り返されると共に、所望の投射位置であるスクリーン15上に集光され、投射画像16を形成する。ここで、中間像19は平面に結像していないが、この段階で必ずしも結像性能を得ていなくてもよく、第一光学系11、第二光学系12、正のパワーを有した反射光学素子18とを併せた光学系全系により、諸収差を補正し、所望の光学性能を得ている。
以上の構成によれば、スクリーン15上には、画像生成部13の生成した画像が拡大された投射画像16が形成されている。スクリーン15と反射光学素子18の間隔を低減(接近)、又は、増大(離間)させて間隔D1を変えることにより、投射画像16の拡大率を変えることができる。すなわち、反射光学素子18を移動することで、投射画角を変えずに投射画像16の拡大率を変えることができるのが本実施形態の特徴である。
投射画角について説明する。このスクリーン15の平面に対する画像生成部13の所定の基準位置までの間隔をT1、スクリーン15の平面に対する反射光学素子18の所定の基準位置までの間隔をD1、反射光学素子18の下端からスクリーン15に入射する光束22がスクリーン15となす角をθとする。
θは、第一光学系11または第二光学系12の光軸を含む任意の断面で見たときその断面を含む平面上において、スクリーン15への最大の入射角度である。通常は、投射画面で最も光学系から離れた位置である。一方、θ'はスクリーン15へ向かう最小の入射角度で、通常は、光学系に最も近い位置である。ここで、θやθ'などは、被投射面(スクリーン)への入射角度である。
本実施形態の変倍光学系100では、反射光学素子18が移動することで、拡大率に関わりなくこのθを略一定に保つことになる。または、θ、θ'は、それぞれ多少変化しても、θとθ'の差である投射画角の差を略一定に保つようにしてもよい。
より詳細に説明する。図2は図1よりも拡大率が相対的に大きい状態を示す変倍光学系100の構成図である。図1において、所望の拡大率で投射画像16がスクリーン15上に形成されている状態から、第二光学系12と反射光学素子18を共にスクリーン15から遠ざけるように移動させる。
移動させた状態が図2の状態である。移動により、反射光学素子18とスクリーン15の間隔がD2となっている。このとき、スクリーン15の上端に入射する光束22と、下端に入射する光束21とのうち、スクリーン15への入射角度が大きい光束22の入射角度θはほぼ保たれたまま、拡大画像が得られている。すなわち、図2で光束22のスクリーン15への入射角度をθとすると、θとθは実質等しい角度となる。また、投射距離D1からD2に変化させるだけで、投射画像16の拡大率が変わっている。
拡大率にかかわらず入射画角がほぼ等しい状態とすることにより、図1と図2のいずれにおいても中間像19が反射光学素子18で反射する有効反射領域18Rは大きく変わらないように構成されている。反射光学素子18を第二光学系12と共に移動しているので、反射光学素子18に対する中間像19の相対位置はほとんど変わらない。
さらに、本実施形態では、拡大・縮小において、第二光学系12を構成している複数の光学要素の間隔を適宜移動させることで、投射位置の変化に対応して焦点位置ズレを補正している。第二光学系12の光学要素の移動量は、距離D1(例えば最小距離)から距離D2(例えば、最大距離)の間で、常に、スクリーン15に焦点を結ぶように最適化されている。第二光学系12を構成する光学素子12a〜12eの移動量は必ずしも同じではなく諸収差を補正している。もちろん、移動量を同じになるように最適化を行えばよいが、よりコンパクト性を追求し、性能を上げるためには、光学素子の移動量は異なるような構成となる。
変倍光学系100を構成するレンズ枚数や、レンズの諸公差(形状、屈折率、収差)にもよるが、現実的には、第一光学系11、第二光学系12の各光学要素の数を合計した12枚の光学要素及び一面の反射光学素子18を採用することで、最大1.3倍のズーム光学系を得ることできる。設計の自由度を上げるため、レンズ枚数を増やすなどを行うことで更に高倍率な変倍光学系100とすることが可能となる。
また、レンズ面に非球面を多く適用し、より複雑な自由曲面や、偏芯(チルト、シフト)などを組み合わせることで、より小型な光学系や、レンズ枚数の低減がおこなえる。
続いて、本実施形態の変倍光学系100が有効な効果を発揮する適用事例をさらに詳細に説明する。まず、投射画角として、50度以上の比較的大きな画角を有した変倍光学系100で大きな効果を発揮する。少ない投射距離の変化により画像サイズが変わるからである。例えば、スクリーン面から1.2m離間した位置から画像の投射により、スクリーン面に60インチの画像サイズを投影する投影レンズの画角は、単純に、画面対角距離/投影距離比 から求めると、60*2.54/120=1.27の比率となり、その画角は約51度となる。
この比率で変倍光学系100を搭載したプロジェクタ200の設置位置を投射方向に沿って10cm後方へ移動すると、{(120cm+10cm)×1.27}/2.54=65から、単純計算すると画像サイズは65インチ相当になり、1割近く画面サイズが変わる。すなわち、1.1倍ズーム相当の効果があることが判る。変倍光学系100が短焦点、あるいは、広画角化がより進むと、ますます、投影距離の変化による投射倍率の変化量が大きくなってくる。
特許文献1(特開2008-96983号公報)、特許文献2(特開2008-96984号公報)に関連して説明したように、近年の光学系は最大画角が70度を越える光学系となっており、僅かな投射距離の変化に応じて倍率を大きく変えることができる。具体的には、数10cmの投射距離の変化で、1.4倍以上の投射倍率変化をもたらすことも設計如何では可能となる。
一方、投射位置の僅かなズレ、特にスクリーン15との平行からのズレにより、画面サイズが矩形とならず台形になる(いわゆるキーストン)ことが知られているが、この現象は、広画角であればあるほど、投影装置からの投射角度がわずかな変化が、大きな台形歪みの割合をもたらす。投射装置全体を移動する従来の技術では、歪を無くすために、スクリーン15と平行を保ったまま装置全体を移動する機構が必要となり、装置も大掛かりなものとなるが、本実施形態の変倍光学系100は、変倍光学系100の一部を移動する構成を採用することで、画像生成部13や、照明系などは動かすことなく、投射距離を変えることができ、しかも、スクリーン15との平行度も高精度に保ちながら移動できるので、投射画像16の歪発生を抑えることが可能である。
以上説明したように、本実施形態の変倍光学系100は、全体を移動することなく反射光学素子18を光軸方向に移動することにより、投射画角を変えないで投射倍率を可変にすることができる。このため、反射光学素子18の肥大化を抑制でき、変倍光学系100を搭載した装置サイズをコンパクトにでき、かつ、ミラーサイズ(反射光学素子18のサイズ)を小さくできるので、製造コストを低減できる。また、投射画角がほぼ一定なので、投射倍率の変更に伴う周辺光量の変化を抑制できる。
〔第二実施形態〕
本実施形態では、第一実施形態にて特徴部を説明した変倍光学系100を搭載したプロジェクタ200について説明する。プロジェクタ(投射型表示装置)200は、変倍光学系100と、画像生成部13B、光源31B、照明光学系32Bを備える。なお、符号に連続する大文字のアルファベットは実施形態毎に付与したものであり、同じ機能又は同じ機能を異なる態様で与える手段である。
図3(a)は、プロジェクタ200の概略構成図の一例を示す。プロジェクタ200は、光源31B、光源31Bから発した光束を効率よく照明するための照明光学系32B、画像生成部13B、第一光学系11B、光路偏向素子14B、第二光学系12B、パワーを有する反射光学素子18Bを有する。
光源31Bは、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、LEDなどの白色光源、また単色発光LED、LD(Lazaer Diode)などの単色光源も用いられる。白色光源の場合は、色分離光学系が必要である。カラー画像を生成するためには、RGBそれぞれの光源31Bを搭載すればよいが本実施形態では省略する。
照明光学系32Bは、画像生成部13Bに効率よく照明する機能を有しており、また、照明分布をより均一にするため、例えばフライアイインテグレータ光学系や、ロッドインテグレータなどが用いられる。
画像生成部13Bは、透過型の液晶パネルや、反射型の液晶パネル、あるいは画素単位で配列された微小なミラーにより光のオンオフを行うデジタルミラーデバイスが好適である。後者の画像生成部13Bを採用する場合は、自発光素子でないため外部から照明光をパネルに照射する必要があるが、先に掲げた光源31B、照明光学系32Bを採用すればよい。自己発光型パネルを用いる場合は、光源31Bや、照明光学系32Bは不要である。
第一光学系11Bについては、第一実施形態と同様であるが、光軸の向きが異なる。すなわち、図3(a)では第一光学系11Bの光学要素11a〜11gは、紙面に対し垂直方向に配列されているため、複数の光学要素11a〜11gの全ては図示されていない。
第二光学系12Bも第一実施形態と同様の構成を備える。図2に示したように、5つの光学要素である屈折レンズ12a〜12eから構成され、一部(光学要素12bと12c)は一体に張り合わせされている。
画像生成部13Bが発した発散光束は、第一光学系11Bにより集光されて、第二光学系12Bへと導かれる。第一光学系11Bの光軸は、紙面に対して垂直方向なので、この方向にある光軸を第二光学系12Bに折り返す光路偏向素子14Bが、第一光学系11Bと第二光学系12Bの間に配置されており、紙面の上下方向(スクリーン15Bに対し垂直方向)へと光束を折り返している。
すなわち第二光学系12Bはスクリーン15Bに垂直方向を光軸に有している。ここで、第二光学系12Bを通過した光束は物体面にあたる画像生成部13Bと同じか又はより大きな空間像(中間像(不図示))を形成する。
反射光学素子18は、中間像19をさらに拡大してスクリーン15Bに所望の拡大倍率で投射画像16Bを形成する。第一実施形態と同様、反射光学素子18Bにおいて中間像19は平面に結像していないが、必ずしも結像性能を得ていなくてもよく、正のパワーを有した反射光学素子18B、第一光学系11B、第二光学系12Bとあわせた光学系全系により諸収差を補正し、所望の光学性能を得ていればよい。
正のパワーを有した反射光学素子18Bとしては、凹面形状のミラーが好適であり、諸収差を補正するのに非球面を採用することが望ましい。さらに、積極的に歪補正を行うために自由曲面形状を採用してもよい。
プロジェクタ200は、変倍光学系100をケースに収納しているが、変倍光学系100のうち、光源31B、照明系32、画像生成部13B、第一光学系11Bはプロジェクタ200のベースユニット34Bに収納されている。特に、画像生成部13Bや第一光学系11Bはベースユニット34Bに固定されている。第二光学系12Bと反射光学素子18Bは一体化されており、鏡筒35Bにより保持されている。
図示するように、鏡筒35Bはベースユニット34Bに対し、第二光学系12Bの光軸方向にスライド可能に構成されている。なお、鏡筒35Bはベースユニット34B内に含まれる構成にして、ベースユニット34B内で鏡筒35Bが伸縮するように実装してもよい。
以上の構成に基づき、プロジェクタ200による画像の拡大について説明する。図3(b)は、図3(a)よりも拡大倍率が大きい場合のプロジェクタ200を説明する図である。本実施形態では、拡大倍率が最も小さい場合を図3(a)とし、拡大倍率が最も大きい場合を図3(b)とする。
図3(a)の鏡筒35Bがベースユニット34B側に最も近接した位置では、投射画像16Bは最も小さくなる。この状態から、第二光学系12Bと反射光学素子18Bが一体化されている鏡筒35Bをスクリーン15Bに対し伸長させると、反射光学素子18Bはスクリーン15Bから離れていく、つまり、投射距離を伸ばすことができる。
第二光学系12B内においては、光学要素12a〜12eのレンズ間隔を変化させるなどして拡大画像が所望の投射位置に正しく結像される。すなわち焦点を合わせる焦点合わせ機構が組み込まれている。焦点合わせに関しては、反射光学素子18Bの移動後の投射距離を変化させてから行ってもよい。また、投射距離の変化に応じて、第二光学系12B内の光学素子の位置を連動して移動させるようにして常に最適像面を結像位置に保つようにしてもよい。
以上のような構成によれば、図3(a)に示した光束のスクリーン15Bへの入射角度をθ、図3(b)に示した拡大側の入射角度をθとしたとき、第一実施形態と同様に、θとθは実質等しい角度となる(θ≒θ)している。
したがって、本実施形態のプロジェクタ200は、反射光学素子18Bを大きくすることなく投射画像16Bの拡大倍率を変化させることができるので、プロジェクタ200も小型化することができる。また、第2光学系12Bと反射光学素子18Bが一体とした鏡筒で保持されているため、変倍操作と焦点合わせを同時に操作できる。
〔第三実施形態〕
第一及び第二実施形態では、反射光学素子18から直接、スクリーン15に拡大画像を投射したが、本実施形態では、反射光学素子18Cからスクリーン15Cへの投射光路中に、パワーを有さないミラー(投射光路偏向素子23)を配置し、光路を折り曲げてから拡大画像を投射するプロジェクタ200について説明する。パワーのないミラー(投射光路偏向素子23)を配置することで、選択的に投射方向を決定したり2つの投射画面を得ることができる。また、投射光路偏光素子23を回転させることで、投射空間を小さくすることできプロジェクタ200の操作性を向上させることができる。
図4(a)は投射光路偏光素子23を有するプロジェクタ200の概略構成図を、図4(b)は投射光路偏光素子23によって投射空間を小さくしたプロジェクタ200の概略構成図をそれぞれ示す。なお、図4において図3と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。
本実施形態の変倍光学系100は、光源31C、照明光学系32C、画像生成部13C、第一光学系11C、光路偏向素子14C、第二光学系12C、反射光学素子18C、投射光路偏向素子23とを有する。また、少なくとも光源31C、照明光学系32C、画像生成部13C及び第一光学系11Cはベースユニット34Cにより保持され、第二光学系12Cと反射光学素子18Cは鏡筒35Cに一体保持される。
図示するように、投射光路偏光素子23により光束が偏光されるので、図3とはスクリーン15Cとプロジェクタ200の相対的な位置が異なるが、スクリーン15Cと反射光学素子18Cの間隔は図3と同程度である。
投射光路偏向素子23以外は第二実施形態の構成と同じなので、投射光路偏向素子23について説明する。結像の作用は第二実施形態と同じであるが、本実施形態では投射画像の投射の方法が異なる。
具体的には図4に示したように、反射光学素子18Cにより折り返された投射光は、第二光学系12Cと反射光学素子18Cの間を通る結像光束と交差して、図4に示すように鏡筒35Cの右方向から投射される。
投射光路偏向素子23は、全反射型の平面ミラーが好ましいが、半透明の平面ミラーでもよい。半透明の平面ミラーとすることで、反射光学素子18Cから入射した光束を、プロジェクタ200を挟んで2方向に(左右対称に)得ることができる。また、全反射型の平面ミラーと半透明の平面ミラーのいずれかで固定するのでなく、1つの投射光路偏向素子23の性質を透過及び反射で切り替えてもよい。このような反射光路偏光素子23は、液晶の画素の開口を高速に切り替えることで実現できる。反射光路偏光素子23で2方向に分かれた投射画像16Cの一方は反転画像となるが、この反転画像を正規の画像となるように補正すれば(例えばもう一度ミラーで反射する)、2画面表示することができる。
また、投射光路偏光素子23が2方向に投射光を投射する場合、投射光路偏向素子23は取り外し可能又は光路に干渉しないようにプロジェクタ200内で退避できるようになっていることが好ましい。
以上のように、投射画像16の方向を選択可能とすることで、プロジェクタ200を隔てて対面して打ち合わせを行う場合(卓上に本プロジェクタ200を配置して机上に投射画像16Cを映し出す場合)など、大変使い勝手のよいプロジェクタ200を提供することができる。投射画像16を左右のいずれに出力するか選択できるので、卓上に設置した場合、本体全体を移動させたり人が移動することなく、投射画像16を見やすい位置に投射できる。この場合、左右のいずれに出力するかで投射画像16の上下方向を逆にできるとさらに好ましい。また、卓上に設置した場合においても、本体全体を移動させることなく机上に拡大投射画像を得ることができる。
また、投射光路偏向素子23は、所望の角度に傾けることが出来る。傾ける(回転させる)ことで、反射光学素子18Cから入射する光束のなす角を可変にできるので、投射画像の投射方向を制御することができる。図4(b)に示したように時計方向に投射光路偏光素子23を回転させると、投射画像16Cを時計方向に回転させて結像させることができる。
投射光路偏向素子23はパワーを有していないので角度を変えても変倍光学系100の結像を損なわないで投射位置の調整を行うことができる。つまり、図4(a)に示すように、投射光路偏光素子23がスクリーン15Cに垂直な状態において、投射光のスクリーン15Cへの入射角度をθとすると、図4(b)に示すようにスクリーン15Cがプロジェクタ200側に傾いても、スクリーン15Cへの入射角度がθとなるように、投射光の角度を変えればスクリーン15Cに結像させることができる。すなわち、プロジェクタ200の全体を傾けることなく、投射光路偏向素子23のみの角度を変えればよい。
図4(b)に示すように、投射光路偏向素子23をηだけ回転させると、結像する投射画像16Cは2η傾く。したがって、スクリーン15Cが2ηだけ傾いた状態で最適な投射画像16Cを得るためにスクリーン15Cの傾斜角度の半分となるηだけ投射光路偏向素子23を傾けることで、歪のない投射画像16Cを得ることができる。
本実施形態のプロジェクタ200は、上記の構成を採用することで、投射光を折り曲げることができ、投射システムが占有する投射空間を小さくすることができる。
〔第四実施形態〕
第一〜第三実施形態では、反射光学素子18と第二光学系12が移動して、投射距離を変え、さらに、第二光学系12を構成する光学要素12a〜12eの互いの間隔を調整して、焦点合わせを行っていたが、本実施形態では、第一光学系11Dを構成する光学要素11a〜11eを移動させて焦点合わせ行うプロジェクタ200について説明する。
図5は、プロジェクタ200の概略構成図を示す。図5は、図3をスクリーン15Dの上側から透視した図に相当する。これまで説明したように、光源31Dが発した光束は照明光学系32Dを介して画像生成部13Dを照明する。この光束は画像信号に応じて変調され、画像生成部13D上に得られる画像情報を第一光学系11D、第二光学系12D、反射光学素子18Dを介して、スクリーン15D上に所望の拡大倍率にて投射画像16Dを形成する。
また、少なくとも、光源31D、照明光学系32D、画像生成部13D及び第一光学系11Dは、ベースユニット34Dに固定されている。また、第二光学系12D、反射光学光素子18Dとを一体化する鏡筒35Dとで構成され、鏡筒35Dはベースユニット34Dに対し相対的に、スクリーン15Dから遠ざけたり近づけたりすることができる。
また、図5(a)に示すように縮小側の投射画像16Dの投射光がスクリーン15Dになす入射角度をθ、図5(b)に示す拡大側の入射角度をθとしたとき、第一〜第三の実施の形態と同様にθとθは実質等しい角度となる(θ≒θ)。
本実施形態においても、光源31D、照明光学系32D及び画像生成部13Dは、ベースユニット34Dに固定されているので、これらとスクリーン15Dとの位置関係は変化しない。しかし、図5(b)に示すように、鏡筒35Dがスクリーン15Dに対し接近・離間する方向に移動できるので、離間すると投射距離は長くでき、接近すると投射距離は短くできる。
そして本実施形態では、投射距離に応じて、諸収差を補正して所望の結像性能を確保するために第一光学系11Dを構成している複数の光学要素11a〜11eを光軸方向に移動させ、拡大倍率時の焦点合わせを行う。したがって、第二光学系12Dで倍率を調整し、第一光学系11Dで焦点あわせを行うことができる。
本実施形態のプロジェクタ200は、投射距離の設定と、焦点合わせとをそれぞれ独立して行うことができるので、第二光学系12Dのメカニカルな駆動部の簡素化が可能となり、プロジェクタ200を更に型化できる。
〔第五実施形態〕
第一〜第三実施形態では、第二光学系12の光学要素12a〜12gを光軸方向に移動させたが、本実施形態では、反射光学素子18Eのみを移動させ、投射距離を変えることにより拡大倍率を変えている。焦点あわせは、第一光学系11E若しくは第二光学系12Eのいずれか一方、又は、両方の光学要素を移動すればよい。
図6(a)は、縮小側のプロジェクタ200の概略構成図を、図6(b)は拡大側のプロジェクタ200の概略構成図をそれぞれ示す。なお、図6において図5と同一部の説明は書略する。図6(a)の反射光学素子18Eに対し、図6(b)の反射光学素子18Eはスクリーン1Eから離間しているが、第二光学系12Eの各光学要素12a〜12eは移動していない。不図示であるが、第一光学系11Eの光学要素11a〜11gが移動して焦点合わせを行っている。
また、これまで同様、縮小側の投射画像16Eの投射光がスクリーン15Eになす入射角度をθ、拡大側の入射角度をθとした場合、θとθは実質等しい角度となる(θ≒θ)。
本実施形態のプロジェクタ200は、投射距離の設定を、反射光学素子18Eのみで行い、焦点あわせを第一光学系11E若しくは第二光学系12Eのいずれか又は両方を選択的に移動させることができるので焦点範囲を拡大できる。すなわち、プロジェクタ200の設置位置の許容範囲を拡大できる。
〔第六実施形態〕
これまで説明した第一〜第五実施形態では、反射光学素子18から投射位置に至る最大画角を実質的に変化させずに投射距離を伸ばす又は短くすることで、投射倍率を変えている。しかしながら、第一光学系11F及び第二光学系12の一部のレンズを移動して投射画角を変え投射倍率を変化させてもよい。
図7(a)は、縮小側のプロジェクタ200の概略構成図を、図6(b)は拡大側のプロジェクタ200の概略構成図をそれぞれ示す。図7(a)の縮小側におけるスクリーン15Fへの入射角度はθ10とする。ここで、拡大側の入射角度をθ11とすると、θ11>θ10を許容することで、投射距離を大きく変化させなくても、より拡大倍率を上げることが可能となる。なお、逆に、縮小側の入射角度θ10が、拡大側の入射角度θ11よりも大きくてもよい。
このように、反射光学素子18Fとスクリーン15Fの位置との距離を変えて投射距離を変えることに加え、光学要素を移動して投射画角を変えることで、反射光学素子18Fを移動するだけより拡大倍率を上げることができる。また、同じ拡大倍率を得る場合、投射距離を変えないで拡大倍率を上げる従来の光学系より、反射光学素子18Fのサイズの肥大化を抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態の変倍光学系100又はプロジェクタ200は、反射光学素子18を移動させることで投射画角を変えずに投射画像16Eを拡大することができるので、反射光学素子18F、すなわちプロジェクタ200を小型化することができる。また、投射光路偏向素子23を配置することで、2つの投射画像を投射することができる。
また、反射光学素子18Fの移動に加え投射画角を替えれば、より拡大倍率を上げることができる。
なお、以上の実施形態では、変倍光学系100をプロジェクタ200へ適用した例を説明したが、白板などの平面上に記載された情報を読み取り、読取位置と共役な位置に縮小画像を形成する読取光学系に適用することができる(光束の向きが逆になる)。縮小画像を形成する位置に2次元センサを配置し画像を読み取ることで画像読取装置にも適用できる。
〔第七実施形態〕
本実施形態では、これまでの第一実施形態〜第六実施形態の変倍光学系100について具体的な数値を挙げて説明する。本実施形態では、第一実施形態の変倍光学系100を例に説明するが、第二〜第六実施形態についても同様に、本実施形態の数値が適用される。
図8は、変倍光学系100の「面番号」、「曲率半径〔mm〕」、「面間隔〔mm〕」、「屈折率」、「アッベ数」、「非球面形状の有無」、「XY多項式(自由曲面)形状の有無」、「反射面の有無」、「偏心及びチルトの有無」、「変倍による面間隔の移動の有無」を示している。面番号は、光束の進む方向に沿って、光学系を構成する光学素子に対し順番に付されている。光を屈折又は透過させる光学素子の入射面の面番号には屈折率とアッベ数が対応づけられている。
面番号はレンズであれば入射面と出射面にそれぞれ付され、ミラーや絞りには1つだけ付される。面番号1面のCGはカバーガラスの入射面、面番号3面のP(プリスム)は透過光学素子の入射面、面番号5,7、8、10、12面は、本実施形態の第一光学系11のレンズL1〜L5の入射面であり、面番号15、17、19、21、23、25面は、第二光学系12のレンズL6〜L11の入射面である。また、面番号27面のM1は反射光学素子18の反射面である。
図8において、非球面、多項式自由曲面の光学素子にはそれぞれ「○印」が登録されている。非球面に○印がある第19、20面は、回転対称非球面であり、多項式自由曲面形状に○印がある第27面は、アナモフィックな多項式自由曲面である。
図9は、面番号19面の非球面係数の一例を、図10は面番号20面の非球面係数の一例を、図11は面番号27面の多項式自由曲面の係数の一例を、それぞれ示す。ここで、Zを光軸方向のデプス、cを近軸曲率半径、rを光軸からの光軸直交方向の距離、kを円錐係数、A、B、C、・・・等を高次の非球面係数とすると、回転対称非球面は、周知のとおり
Z=c・r2/[1+√{1-(1+k)c2r2}]+Ar4+Br6+Cr8・・・
という非球面式で示される。図9、10によりk、A、B、C・・・の値を与えることで、面番号19、20面の光学素子の形状を特定することができる。なお、各係数A、B、C、・・が対応する次数は図12に示す如くである。
面番号27面のようなアナモフィックな多項式自由曲面の光学素子の形状は、投射画像を基準として、短軸方向をY方向、長軸方向をX方向、曲面のデプスをZ方向、「X2、Y2、X2Y、Y3、X2Y2など」を係数として、
Z=X2・x2+Y2・y2+X2Y・x2y+Y3・y3+X4・x4+X2Y2・x2y2+Y4・y4+X4Y・x4y+X2Y3・x2y3+Y5・y5+X6・x6+X4Y2・x4y2+X2Y4・x2y4+Y6・y6+・・
により表される。
また、図8の面番号27面に対し、反射面の欄に「○印」が登録されている。すなわち第27面はミラーである。また、光学系の基準軸、すなわち第一光学系11の光軸に対して偏心やチルトをしている面には、図8の「偏芯及びチルト」の欄に○印が登録されている。
図13は、面番号5面の偏心及びチルトのデータの一例を、図14は面番号27面の偏心及びチルトのデータの一例を、それぞれ示す。すなわち、面番号5面は、「Y方向に−2.08mm」シフトし、YZ面内にはチルトしていない(回転角度が「0度」)。また、面番号27面は、「Y方向に−67.15mm」シフトし、YZ面内にて「−46.6度」チルトしている。
また、図8に示すように、投射サイズ(スクリーンサイズ)によって変化する面間隔が数値で図示しない制御装置に登録されている。面間隔は1つ前の面との距離〔mm〕を表す。変倍光学系100は、投射サイズを25インチから35インチまで投射倍率1.4で変倍することが可能な変倍光学系100である。画像を変倍可能なため、図8には「変倍による移動」の欄に、移動する面番号が登録されている。図8では、「○」が付されている「面間隔」が変わることを意味する。面番号14、18、20、24、26、27面に「○」付されているので、例えば、面番号14面の絞りの位置は固定で、絞りとL6の面間隔が変わることを意味する(L6とL7は一体)。なお、図8の面間隔は投射サイズが35インチの場合の面間隔を示す。
図15は、投射倍率1.4における各投射サイズの、面番号14、18、20、24、26、27面と、面番号15、19、21、25、27、28面それぞれとの面間隔を示している。例えば、面番号14面は、投射サイズが25インチから35インチに変倍すると、面番号15面との面間隔が「1.00」〜「7.69」に変化する。このように、投射倍率1.4とすると、面番号14、18、20、24、26、27面と、面番号15、19、21、25、27、28面それぞれとの面間隔は大きく変化するが、光束の被投射面への入射角度等がほとんど変化しないことが本実施形態の変倍光学系100の特徴である。
以下、投射サイズを35インチから25インチまで変化させた場合について詳述する。
図16は、本実施形態において、投射サイズが35インチ、30インチ、25インチのそれぞれの場合の光路図の一例を示す。図16に示すようにスクリーン15上で画像形成部13から出た光束が結像しており、プロジェクタ200は画像形成部13の像をスクリーン15上に映し出している。図16のように変倍の際には、スクリーン15と画像形成部13の位置関係は変わらないが、反射光学素子18が移動する(紙面の上下方向)と共に、同時に、第二光学系12のレンズが光軸方向に移動している。また、変倍を行ってもプロジェクタ200の像面はスクリーン15上を維持する。
なお、スクリーン15から、反射光学素子の最もスクリーン15から遠い位置のZ方向の距離はそれぞれ、投射サイズが35インチの際に「300.0mm」、30インチの際に「285.6mm」、25インチの際に「270.8mm」である。
またスクリーン15から画像形成部13までのZ方向の距離は、投射サイズで変わらず「15.1mm」である。スクリーン15から画像形成部13の距離が投射サイズの変倍により変化しないため、図示はしていないが画像形成部13を照明する照明ユニットや画像形成部13の画像を電気的に変化させる電気回路装置を動かさなくともよいので、構成がシンプルにできる。
図17には、図16に記したスクリーン15への入射角度θa、θa'、θb、θb'、θc、θc'を数値で示した。すなわち、投射サイズ毎の最大入射角度θa、θb、θc、最小入射画角θa'、θb'、θc'、の一覧を示している。ここで、屈折光学系の光軸を含む任意の断面上では、スクリーン15への入射角度の最も大きい光線と、スクリーン15への入射角度の最も小さい光線が一義的にきまる。本実施形態では、最も大きいスクリーン15への入射角度を最大入射角度、最も小さいスクリーン15への入射角度を最小入射角度と定義した。また、入射角度については、YZ平面上で定義される断面で説明する。
本実施形態では図17に示したように、投射サイズが35インチから25インチに変化する間で(少なくとも投射サイズが1.4倍に変化する間)、最大入射角度が「約3.4度」しか変化しない。また、最小画角の変化は、「2.8度」である。
また、それぞれの投射サイズにおける最小入射角度と最大入射角度の差は、35インチで「43.8度」、30インチで「43.5度」、25インチで「43.2度」である。したがって、少なくとも投射サイズが1.4倍に変化する間、最小入射角度と最大入射角度の差は「0.6度」と非常に小さいものとなっている。
本実施形態の変倍光学系100は、このように最大、最小の入射角度、及び、最小入射角度と最大入射角度の差の変化がほとんどないにも関わらず、投射サイズの増大量として「25インチ−35インチ」を実現し、1.4倍ものズーム比が得られる光学系となっている。入射角度の変化が小さいので、反射光学素子18にあたる光の位置も変わらず、変倍光学系100の大きさの肥大化を抑えられている。
図18は、投射画像のサイズを35インチから30インチを経て25インチに変倍させた際の、反射光学素子18、第一光学系11及び第二光学系12の移動の詳細を示した図の一例である。図18では、図16の光路図における画像形成部13から反射光学素子までを拡大し、見やすいように90度回転させた。図18のように第二光学系12のレンズ4群(第一実施形態〜第六実施形態のレンズ群とは異なっている)L6-L7、L8、L9-L10、L11と反射光学素子がZ方向に移動することによってスクリーン15上の投射サイズの変倍を実現している。なお、本実施形態では、変倍における光学素子の移動は光軸方向のみであるが、光軸方向以外でもよく、たとえば反射光学素子を斜め方向に動かすことによっても本実施形態の変倍光学系100を実現できる。
図18において点線で示されたIntA〜Cは中間像19である。第一光学系11と第二光学系12で構成される屈折光学系は、上述したように(反射光学素子18(凹面ミラー))の手前の位置に中間像IntA〜Cを形成する。中間像IntA〜Cの光軸上の位置は、第二光学系12に対し最も遠い反射光学素子18の上端から、それぞれ、ZAの位置(中間像IntA(35インチ時)),ZBの位置(中間像IntB(30インチ時))、ZCの位置(中間像IntC(35インチ時))である。
どの投射サイズにおいても、中間像IntA〜Cは、像高の高い位置では屈折光学系に近い側に結像し、像高の低い位置では反射光学素子18に近い側に結象する。中間像IntA〜Cは、反射光学素子18と同じ方向に、反射光学素子18よりも大きく湾曲した像となっている。
ここで、少なくとも投射サイズが1.4倍に変化する間、それぞれの投射サイズにおける中間像IntA〜Cの大きさもほとんど変わらない。つまり、光学系から見た中間像IntA〜Cの投射倍率はほとんど変わっていない。また、中間像IntA〜Cと反射光学素子18の位置関係に注目すると、その位置関係(距離)はほぼ一定に保たれる。具体的には、反射光学素子18がどこに移動しても、中間像IntA〜Cの結像位置は、反射光学素子18のスクリーン15からの光が結像する位置の近傍に維持されるように、第二光学系12の各光学素子が移動する。
すなわち、具体例の一つとして、図18に示すように、少なくとも投射サイズが1.4倍に変化する間、中間光学素子18が移動しても、中間像IntA〜Cの一端と中間光学素子との距離ZA、ZB, ZCはほぼ一定に保たれている。つまり、中間像IntA〜Cの位置を見てみると、反射光学素子18(凹面ミラー)の物体側すなわち画像形成部13への移動に伴って、反射光学素子18に対する中間像IntA〜Cの相対位置を維持しながら、中間像IntA〜Cは物体側(光学系側)に移動している。なお、中間像IntA〜Cは屈折光学系で形成させているが、中間像IntA〜Cを移動させるには、図18に示すように、屈折光学系を構成する第二光学系 (レンズ)12の配置関係を変えている。
また、投射サイズを25インチから35インチに変倍する際は、反射光学素子18が画像形成装置13から遠ざかるように移動するに伴い、中間像IntA〜Cは、第二光学系の各光学素子の少なくとも一つ以上が移動することで、その投射倍率を保ちながら画像形成装置13から遠ざかるように移動し、中間像IntA〜Cと反射光学素子18との相対位置を維持する。つまり、反射光学素子18が画像形成装置13から遠ざかるように移動するに伴い、第二光学系の各光学素子の少なくとも一つ以上が移動することで、中間像IntA〜Cは、その投射倍率を保ちながら、反射光学素子18のスクリーン15からの光が結像する位置の近傍に結像される。
図19は、図18における投射光の角度θA、θA'、θB、θB'、θC、θC'の一例を示す図である。投射サイズが35インチの際、30インチの際、25インチの際で、YZ平面における、それぞれの投射光の最大角度をθA、θB、θC, 最小角度をθA'、θB',θC'とする。変倍による投射光の最大角度の差は「0.71度」、最小角度の差は「0.24度」とほぼ一定である。更に、それぞれの投射サイズにおける投射光の最大角度と最小角度の差の変化も「0.47度」と小さい。
中間像IntA〜Cの位置と反射光学素子18の位置の関係(距離)がほぼ一定のまま、また、中間像IntA〜Cの大きさ(倍率)が変わらないため、反射光学素子18で反射されてスクリーン15へと向かう角度も、投射サイズに関係なくほぼ一定となる。このため、反射光学素子18とスクリーン15の位置関係により、投射された拡大画像の投射サイズが決定されている。また、反射光学素子18の大きさに余裕を持たせる必要がなくなる。
続いて、画面のひずみ具合について説明する。
図20〜22は、像面(スクリーン15)上の物点の一例を示し、図23は、各物点の元の画像生成部13における座標を説明する図の一例をそれぞれ示す。図23においては、XY面上にある像面のうち、X≦0のエリアについて、X方向に3等分割、Y方向に3等分割して得られる9個の格子点を、それぞれB1〜B9で示している。
図20は、投射サイズが35インチの際の物点の、図21は30インチの際の物点の、図22は25インチの際の物点の、それぞれ像面における位置を示す。図20〜22によると、例えばB1〜B3はX=0の軸上に、B2,B5、B8はY=0の軸上に位置していることから、画面の歪が十分抑えられていることがわかる。
図24に、投射サイズが35インチの際のスポットダイアグラム(単一物点からレンズを通して焦点面上に結像するプロットを集合したもの)の一例を、図25に30インチの際のスポットダイアグラムの一例を、図26に25インチの際のスポットダイアグラムの一例を、それぞれ示す。各スポットの番号は前記格子点の番号と対応している。図24〜26によると、スポットが十分小さく形成されているので解像度の高い画像がスクリーン上に作り出されていることがわかる。
また、図24〜26において、スクリーン15に入射する主光線の最大角度(投射画面の上端隅:図20で示すB9の位置)は、それぞれ、投射サイズが35インチの場合は「72.0度」、30インチの場合は「70.3度」、25インチの場合は「69度」であった。すなわち、最大でもその差は「3度」である。上述したように、投射倍率が変化しても、ほぼ入射角度が一定である。投射倍率の変更に伴う周辺光量の変化を考慮すると、光量変化を抑制可能な角度変化として知られる約5度程度以下であることが好ましいので、本実施形態の変倍光学系100は好ましい結果を示している。
また、最大入射角度と最小入射角度の差の変化量は小さければ小さいほどよいが、好ましくは1度未満、大きくても3度以下であれば、十分な画質が得られるとされている。 図17に示したように、本実施形態の変倍光学系100では最大入射角度と最小入射角度の差の変化量は1度未満なので、変倍光学系100が好ましい構成を備えることがわかる。すなわち、本実施形態の変倍光学系100は、「ミラーを大きくすることなく、十分な拡大倍率で画像を拡大投影」するという目的を達成することができる。
本実施例は、反射光学素子18の移動量としては、スクリーン15から遠い位置のZ方向の距離がそれぞれ、投射サイズが35インチの際に「300.0mm」、30インチの際に「285.6mm」、25インチの際に「270.8mm」と、29.2mm程の変化で、1.4倍の投射サイズ比を実現した。これは、机上をスクリーン15として画像を投射する際に適したサイズとして、比較的小型な投射サイズを想定して設計を行ったものである。具体的な投射サイズや変倍量は求められる仕様に応じて、適宜設定すればよい。
例えば、垂直なスクリーン面や、壁面への投射する通常のプロジェクタを想定した場合,40インチから100インチ程度の画面サイズにも適用する必要がある。この場合は、画面サイズ比としては、2.5倍必要となる。反射光学素子18の移動量としても、画角を一定とするならば、29.2mmよりも当然大きく設定することにより、実現可能であることは言うまでもない。もちろん、本実施例にあげた変倍光学系100よりも、大きな投射系となったり、レンズ枚数を追加するなどして必要な設計仕様を満足するように最適化を行う。本実施例は、画面サイズや、倍率を制約するものではない。
10 プリズム部
11、11B〜11F 第一光学系
12、12B〜12F 第二光学系
13、13B〜13F 画像生成部
14、14B〜14F 光路偏光素子
15、15B〜15F スクリーン
16、16B〜16F 投射画像
18、18B〜18F 反射光学素子
19、IntA〜C 中間像
23 投射光路偏向素子
100 変倍光学系
200 プロジェクタ
特開2008−096983号公報 特開2008−096984号公報 特開2004−295107号公報 特開2005−189768号公報 特開2006−184591号公報

Claims (13)

  1. 光軸方向に移動する鏡筒部材に保持された第二光学系及び反射光学素子を有し
    物体面から照射される光束を第一光学系、第二光学系の順に通過させた後、パワーを有する反射光学素子に反射させてスクリーンに画像を投射する変倍光学系において、
    前記第一光学系又は前記第二光学系の少なくとも一方は、複数の屈折光学素子を有し、
    前記鏡筒部材が光軸方向に移動することにより前記反射光学素子を物体面に対し相対的に離間して、スクリーンと前記反射光学素子の間隔を変えることにより、
    前記反射光学素子からスクリーンに入射する光束の入射角度を略同一に保持したまま、前記画像の投射倍率を拡大し
    前記反射光学素子の移動量に応じて、1以上の前記屈折光学素子を光軸方向に移動させて前記画像の焦点を合わせる、
    ことを特徴とする変倍光学系。
  2. 前記第二光学系が作る中間像の、前記反射光学素子に対する相対位置を略同一に維持したまま、反射光学素子及び前記第二光学系を物体面に対し相対的に離間する、
    ことを特徴とする請求項1記載の変倍光学系。
  3. 前記第二光学系が作る中間像が反射光学素子で反射する有効反射領域を略同一に維持したまま、反射光学素子及び前記第二光学系を物体面に対し相対的に離間する、
    ことを特徴とする請求項1記載の変倍光学系。
  4. 請求項1〜3いずれか1項記載の変倍光学系と、
    画像信号に応じて画像光を変調する画像生成装置と、
    を有することを特徴とするプロジェクタ。
  5. 前記反射光学素子に反射された光束を、第二光学系から前記反射光学素子への光束と交差させるように、光路を変更する投射光路偏向素子を有する、
    ことを特徴とする請求項4記載のプロジェクタ。
  6. 前記投射光路偏向素子は、スクリーンに平行な軸を中心に角度が可変である、
    ことを特徴とする請求項5記載のプロジェクタ。
  7. 物体面から照射される光束が通過する光学系と、
    前記光学系を通過した光束を反射する、物体面との距離が可変な正のパワーを有する反射光学素子と、
    前記物体面と前記反射光学素子との間に中間像を形成する屈折光学系とを有し、
    前記屈折光学系は、複数の屈折光学素子を有し、
    前記反射光学素子の移動による変倍の前と後とで、前記中間像の倍率がほぼ一定に保たれるように、前記複数の屈折光学素子の少なくとも一つが移動する、
    ことを特徴とする変倍光学系。
  8. 複数の前記屈折光学素子のうち一以上が、
    前記反射光学素子に対する前記中間像の相対位置がほぼ一定となるように移動する、
    ことを特徴とする請求項7記載の変倍光学系。
  9. 前記反射光学素子の移動の際、
    前記反射光学素子から被投射面に入射する光束の入射角度が略同一に保持される、
    ことを特徴とする請求項7又は8記載の変倍光学系。
  10. 前記反射光学素子の移動の際、
    記光学系を通過した光束が任意の平面となす投射光の最大角度と最小角度の差が略同一に保持される、
    ことを特徴とする請求項7〜9いずれか1項記載の変倍光学系。
  11. 前記反射光学素子の移動の際、
    前記反射光学素子から被投射面に入射する光束のうち、最大角度で入射する光線の入射角度変化量は5度以下である、
    ことを特徴とする請求項7〜10いずれか1項記載の変倍光学系。
  12. 前記反射光学素子の移動の際、
    前記反射光学素子から被投射面に入射する光束のうち、最小角度で入射する光線の入射角度変化量は5度以下である、
    ことを請求項7〜11いずれか1項記載の変倍光学系。
  13. 前記反射光学素子の移動の際、
    記光学系を通過した光束が任意の平面となす投射光の最大角度と最小角度の差が3度以下である、
    ことを特徴とする請求項7〜12いずれか1項記載の変倍光学系。
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