JP4551674B2 - 変倍光学系 - Google Patents

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本発明は変倍光学系に関し、例えば、原画をスクリーン等の被投影面に変倍可能に拡大投影する変倍光学系に関するものである。
近年、ノート型のパーソナルコンピュータやモバイルコンピュータ等の持ち運びが容易なコンピュータが盛んに利用されるようになったことに伴い、オフィスでの会議やプレゼンテーションにおいて、コンピュータ上で作成した画像を拡大表示するために前方投射型のフロントプロジェクタをはじめとする投射型表示装置が広く用いられている。さらに、DVD(Digital Versatile Disk)が一般市場に浸透しつつあることやデジタル放送等の映像情報配信の多様化及び高精細化に伴い、家庭でもプロジェクタを用いて大画面での画像鑑賞がされるようになってきた。
従来、プロジェクタ用の投射光学系として複数のレンズで構成した屈折光学系が広く用いられてきた。この種の光学系をフロントプロジェクタのような投射型表示装置として用いる場合、観察者の視界の確保のために画面中心が光学系の光軸からずれた位置になるようにしている。これは光学系により保証された画角内でパネル面を光軸から平行偏心し、即ち有効画角の一部を用いて行っているため、画面を光軸から大きくシフトさせるためには光学系を充分に広画角にする必要がある。さらに、広画角化に伴い強く発生し易い倍率色収差をはじめとする諸収差も抑制する必要がある。又、スクリーンに対して背面からの投影を行うリアプロジェクションに関しても、装置のコンパクト化が求められるため画面を光軸からシフトさせないにしても非常に広画角であることが要求される。この場合においても画像の良し悪しを大きく左右する倍率色収差の補正を充分にしなければ成らない。
このような背景において、限られた空間の多様な使用環境において大画面を鑑賞するために、投射光学系には明るく高精細でありながらもさらなるコンパクト化、広画角化、高変倍化等が求められている。
特許文献1及び特許文献2は、共軸光学系を用いて広画角を実現している。特許文献1では、前群、後群からなる構成で全系の焦点距離と前群の焦点距離の比を規制することにより群間隔、バックフォーカス、テレセントリック性を維持しながら球面収差、コマ収差の補正を行っている。これによりダイクロイックミラーを挿入可能なバックフォーカスと光学系のレイアウトによる小型化のために折り返しミラーを挿入するための群間隔を確保しながら半画角35°以上の広画角化を実現している。
特許文献2は、5群構成のズームレンズにおいて、所定のレンズ群に回折光学素子を適切に設定し、倍率色収差を補正すると同時にレンズ系全体の小型化も図っている。これにより変倍比1.2以上でFno2程度と大口径を確保しながらも諸収差が充分に補正されており、且つバックフォーカス、テレセントリック性を維持したズームレンズを提案している。
一方で、フロントプロジェクションにおいて観察者の視界を妨げることなく画像投影を行うためやリアプロジェクションの小型化のためにスクリーンに対して斜めに投射が可能な投射光学系の発明がなされている。しかし、スクリーンに対して斜めに投射することで、いわゆる台形歪みが生じるので、この台形歪みを補正する発明がされている。例えば特許文献3では偏心非球面を用いて台形歪みを補正している。
非共軸光学系において特許文献4にその設計法や焦点距離等の近軸量の計算方法が、特許文献5、特許文献6、特許文献7にその設計例が示されるように、基準軸という概念を導入し構成面を非対称非球面にすることで、十分収差が補正された光学系が構築可能であることが明らかになってきた。こうした非共軸光学系はOff−Axial光学系(像中心と瞳中心を通る光線に沿った基準軸を考えた時、構成面の基準軸との交点における面法線が基準軸上にない曲面(Off−Axial曲面)を含む光学系として定義される光学系で、この時、基準軸は折れ曲がった形状となる)と呼ばれる。このOff−Axial光学系は、構成面が一般には非共軸となり、反射面でもケラレが生じることがないため、反射面を使った光学系の構築がしやすい。又、光学系内で中間像を形成することにより高画角でありながらコンパクトな光学系を構成している。さらに、前絞りの光学系でありながら、光路の引き回しが比較的自由に行なえるためにコンパクトな光学系が構成できる。これ等を生かして、特許文献8および特許文献9は曲率を有する回転非対称反射面を用いて台形歪みを補正している。
特許文献10では、少なくとも1つの反射面を含む複数の光学作用面を有し、これら光学作用面のうち相互に隣接する光学作用面の配置方向を長手方向とする光学要素を備える光学系であって、光学要素を、光路に対して、長手方向とは異なる方向に挿脱移動させて系の近軸量を変更することを特徴とする光学系を用いている。これは、縮小側の共軸光学系の変倍機能に加え、拡大側の反射光学ブロックを焦点距離の異なるものと交換可能とし、全光学系の変倍の範囲を広げている。
特開平11−109227号公報 特開2002−182110号公報 特開平10−282451号公報 特開平09−005650号公報 特開平08−292371号公報 特開平08−292372号公報 特開平09−222561号公報 特開2001−255462号公報 特開2000−089227号公報 特開2001−264633号公報
特許文献1では、今後、半画角40°以上と広画角化が進むにつれて倍率色収差等の諸収差を補正しながら光学系をコンパクトに維持することが困難に成ることが予想される。さらに、実施例では変倍機能を有していないので、リアプロジェクションのように固定の画角で使用する場合は良いものの、フロントプロジェクションに用いるには不向きである。
特許文献2では、回折光学素子を用いることでレンズ枚数を減らし倍率色収差も抑制しているが、変倍比が1.2に留まっており、変倍比を増大するための根本的な解決はしていないので大幅な広画角化と高変倍比化は期待できない。
特許文献3は偏心非球面により台形歪みを補正しているが、画面のシフト量に限界があり、液晶パネルに対してテレセントリックでない点からもプロジェクタには不向きである。又、特許文献8および特許文献9は曲率を有する回転非対称反射面を用いて広画角の台形歪み補正を実現しているが、これらの手法においては、斜め投影をするための手法に特化したもので変倍機能を有する実施例ではない。
又、撮像系において、特許文献7では、互いに偏心した表面鏡を有する一体成形の光学素子と共軸の屈折面で構成された光学素子を用い、少なくとも2つの素子の相対的位置を変化させることで変倍を行っている。しかし、撮像素子側からの光線トレースをすると、共軸光学系は反射光学系との間に広角端で略等倍結像をしており、望遠端ではさらに反射光学系の担う倍率が高くなっている。このため、変倍機能を有する共軸光学系で発生する諸収差が反射光学系で拡大されてしまい、諸収差を補正しきれなくなる。又、共軸光学系は反射光学系との間で一度結像し、その像を反射光学系で拡大しているので、反射光学系による収差の拡大を抑えるために共軸光学系の倍率の分担を高くしても光学系の小型化には不向きである。
また、特許文献10において、実施例中の共軸光学系の撮像素子を物体面として見た倍率は広角端−0.59、中間−0.87、望遠端−1.23となっており、特に広角端では反射光学ブロックの担う倍率が高くなっているので、これも収差を拡大しやすい光学系となっている。
本発明は、以上の点を鑑み、所望の変倍比を得つつ、倍率色収差等の諸収差の発生を抑制しコンパクトな構成の変倍光学系を提案することを目的とする。
上記目的を達成するため、本出願に係る変倍光学系は、縮小側の物体を拡大側の像面に拡大投影する、又は拡大側の物体を縮小側の像面に縮小投影する変倍光学系において、反射曲面を備える第1光学成分と、移動可能な複数のレンズユニットを備え、該複数のレンズユニットの移動により変倍を行う、該第1光学成分よりも縮小側に配置された第2光学成分とを有し、縮小側から拡大側へ光線をトレースするとき、前記第2光学成分は、前記第1光学成分の最も縮小側の光学面よりも拡大側に縮小側共役点の像を形成しており、縮小側から拡大側へ光線をトレースするとき、前記第2光学成分の倍率b1は、
b1≦−2.05
なる条件を任意の変倍位置で満足することを特徴としている。
本発明によれば、広画角、高変倍比でありながら、明るく倍率色収差の発生を抑制したコンパクトな構成の変倍光学系が実現できる。
実施例の説明に入る前に、実施例の構成諸元の表し方及び実施例全体の共通事項について説明する。図9は光学系の構成データを定義する座標系の説明図である。本実施例では縮小側から拡大側の像面に進む1つの光線(図9中の一点鎖線で示すもので基準軸光線と呼ぶ)に沿ってi番目の面を第i面とする。又、本説明において、像を投影する対象平面をスクリーン若しくは所定像面と表現し、投影像を像、像面、若しくは画面と表現し自由に代替可能とする。又、実施例では縮小側を物体面として拡大側の所定像面に投影する形態で説明するが、逆の光路で縮小投影しても構わない。
図9において第1面R1は屈折面、第2面R2は第1面R1に対してチルトされた反射面、第3面R3、第4面R4は各々の前面に対してシフト、チルトされた反射面、第5面R5は第4面R4に対してシフト、チルトされた屈折面である。第1面R1から第5面R5までの各々の面はガラス、プラスチック等の媒質で構成される一つの光学素子上に構成されており、図9中では第1の光学素子Bとしている。
従って、図9の構成では不図示の物体面から第1面R1までの媒質は空気、第1面R1から第5面R5まではある共通の媒質、第5面R5から不図示の第6面R6までの媒質は空気で構成している。
本実施例の光学系はOff−Axial光学系であるため光学系を構成する各面は共通の光軸を持っていない。そこで、先ず第1面の中心を原点とする絶対座標系を設定する。
そして、その原点と最終結像面の中心とを通る光線(基準軸光線)の経路を光学系の基準軸と定義している。さらに、本実施例中の基準軸は方向(向き)を持っている。その方向は基準軸光線が進行する方向である。
本実施例においては、光学系の基準となる基準軸を上記の様に設定したが、光学系の基準となる軸の決め方は光学設計上、収差の取り纏め上、若しくは光学系を構成する各面形状を表現する上で都合の良い軸を採用すれば良い。しかし、一般的には像面の中心と、絞り又は入射瞳又は射出瞳又は光学系の第1面の中心若しくは最終面の中心のいずれかを通る光線の経路を光学系の基準となる基準軸に設定する。
つまり、本実施例においては、基準軸は第1面の中心点を通り、最終結像面の中心へ至る光線(基準軸光線)が各屈折面及び反射面によって屈折・反射する経路を基準軸に設定している。各面の順番は基準軸光線が屈折・反射を受ける順番に設定している。
従って基準軸は設定された各面の順番に沿って屈折若しくは反射の法則に従ってその方向を変化させつつ、最終的に像面の中心に到達する。又、縮小側、パネル面側、物体面側、及び拡大側、所定像面側、スクリーン側とは、基準軸の方向に沿って対象物がどちら側に存在するかを意味している。
本発明の各実施例における光学系の絶対座標系の各軸を以下のように定める。Z軸:原点と物体面中心を通る直線。物体面から第1面R1に向かう方向を正とする
Y軸:原点を通り右手座標系の定義に従って、紙面内でZ軸に対して反時計回りに90゜をなす直線
X軸:原点を通りZ、Y各軸に垂直な直線
又、光学系を構成する第i面の面形状及びチルト角を表すには、絶対座標系にてその面の形状及びチルト角を表記するより、基準軸と第i面が交差する点を原点とするローカル座標系を設定して、ローカル座標系でその面の面形状を表し、基準軸とローカル座標系の成す角でチルト角を表した方が形状を認識する上で理解し易い為、第i面の面形状を以下のローカル座標系で表す。そのためにまず基準軸上の任意の点に対して以下の基準軸上座標系を設定する。
zb軸:基準軸上の任意の点を通り、基準軸の方向を正とする。基準軸の偏向点においては入射方向を正とする
yb軸:基準軸上の任意の点を通り、右手座標系の定義に従って、紙面内でzb軸に対して反時計回りに90゜をなす直線であり、絶対座標系の原点で絶対座標系のY軸と一致し、以降、zb軸に対する回転はないものとする
xb軸:基準軸上の任意の点を通り、zb、yb各軸に垂直な直線
次にローカル座標系を設定する。
z軸:ローカル座標の原点を通る面法線
y軸:ローカル座標の原点を通り、右手座標系の定義に従って、紙面内でz方向に対し反時計方向に90゜をなす直線
x軸:ローカル座標の原点を通り、ybzb面に対し垂直な直線
従って、第i面のybzb面内でのチルト角はローカル座標系のz軸が基準軸上座標系のzb軸に対して鋭角に反時計回り方向を正とした角度θxb,i(度)、第i面のxbzb面内でのチルト角は基準軸上座標系のzb軸に対して反時計回り方向を正とした角度θyb,i(度)、第i面のxbyb面内でのチルト角は絶対座標系のyb軸に対して反時計回り方向を正とした角度θzb,i(度)で表す。ただし、通常、θzb,iは面の回転に相当するもので本発明の実施例においては存在しない。図10はこれらの絶対座標系、基準軸上座標系、ローカル座標系の相互関係を表している。
又、Diは第i面と第(i+1)面とのローカル座標の原点間の間隔を表すスカラー量、Ndi、νdiは第i面と第(i+1)面間の媒質の屈折率とアッベ数である。
ここで、球面は以下の式で表される形状である:
Figure 0004551674
又、本実施例の光学系は少なくとも回転非対称な非球面を一面以上有し、その形状は以下の式により表す:
z=C02y+C20x+C03y+C21xy+C04y+C22x+C40x+C05y+C23x2y+C41xy+C06y+C24x+C42x+C60x
上記曲面式はxに関して偶数次の項のみであるため、上記曲面式により規定される曲面はyz面を対称面とする面対称な形状である。さらに以下の条件が満たされる場合はxz面に対しても対称な形状を表す。
C03=C21=C05=C23=C41=t=0
さらに
C02=C20 C04=C40=C22/2 C06=C60=C24/3=C42/3
が満たされる場合は回転対称な形状を表す。以上の条件を満たさない場合は非回転対称な形状である。
次に、本実施例の変倍光学系の構成を図1、図2、図3を用いて説明する。但し、その数値的な詳細については後に示す。図1は光学系の全体の構成図、図2は図1から拡大側の光学ブロック(第1光学成分)を除き、縮小側の光学ブロック(第2光学成分)のみによる光路を示した図、図3は図2で示した縮小側の光学ブロックの結像光路に拡大側の光学ブロックを重ねた図である。なお、図1,2において、(a)は広角端、(b)は中間焦点距離、(c)は望遠端での状態を示している。
図1〜図3において、Lは照明系で、透過型液晶、反射型ドットマトリックス液晶、デジタルマイクロミラーデバイス等を用いた画像表示パネル(ライトバルブ)LVを照明する。照明系Lはランプ、コンデンサーレンズ、波長を選択するフィルター等から成り立っており、図1(b),(c)及び図2(b),(c)では省略している。Dは3板式の画像表示パネルに対応して光合成を行うダイクロイック光学素子である。このように本実施例の光学系は3板式用の光学系であるが、図1では省略して1つの画像表示パネルのみの光路図を示している。なお、以下の説明では、前述したように、画像表示パネルLV側(縮小側)から画像表示パネルLVの像が投影される不図示のスクリーン側(拡大側)に光が進行することを前提として説明を行っている。
Cは第2光学成分に相当する縮小側の光学ブロックであり、変倍機能を有する回転対称共軸レンズにより構成される。光学ブロックCは、それを構成するレンズユニットを光軸に沿って移動させることにより広角端(短焦点距離端)から望遠端(長焦点距離端)への変倍を行う。Rは第1光学成分に相当する拡大側の光学ブロックである。光学ブロックRを構成するR1〜R3はOff−Axial反射面であり、互いに偏心して配置されている。光学ブロックRを構成する反射面R1〜R3は変倍に際し不動である。光学ブロックCの射出瞳と光学ブロックRの入射瞳とは一致しており、図中EXPは変倍光学系の瞳であり、光学ブロックCの射出瞳で且つ光学ブロックRの入射瞳に該当し、開口絞りが配置されている。すなわち、変倍光学系の瞳EXPは、光学ブロックRより縮小側で、縮小側の共役点に対応する画像表示パネルLVよりも拡大側に位置している。「光学ブロックRより縮小側」とは、「光学ブロックRの最も縮小側の光学面よりも縮小側」という意味である。
従来例の欄で説明した特開平9−222561号公報では、共軸光学系(本実施例の光学ブロックCに相当)と反射光学系(本実施例の光学ブロックRに相当)との間に像を形成していたが、本実施例では、縮小側の光学ブロックCによる画像表示パネルLVの像は、実像として光学ブロックCの拡大側であって、光学ブロックRの最も縮小側の光学面(反射面R1)より拡大側の光学ブロックRの光路中に形成されている。すなわち、光学ブロックRより縮小側で、画像表示パネルLVより拡大側に瞳を位置させることにより、この中間像及び像に至る光路は、拡大側の光学ブロックRの光路に一部重複し吸収されるため、光学ブロックの間に像を形成しリレーしていた従来例に比して、全光学系をコンパクトに構成することができる。また、中間像より縮小側の光学ブロックRの反射面は、光学ブロックCによる結像作用を分担することになるので、倍率色収差等の諸収差を抑制することにもなる。光線のケラレがなく配置できるので像面の周辺部に渡って明るさを損なわない。
次に図2を用いて縮小側の光学ブロックCの詳細な構成について説明する。図2において、L1〜L5は光学ブロックCを構成するレンズユニットであり、縮小側から順に、正のパワー(焦点距離の逆数)を有するレンズより成る固定のレンズユニットL1、負のパワーを有する貼り合せレンズより成る移動可能なレンズユニットL2、負のパワーを有する貼り合せレンズより成る移動可能なレンズユニットL3、正のパワーを有する回転対称非球面レンズより成る移動可能なレンズユニットL4、負のパワーを有する貼り合せレンズより成る移動可能なレンズユニットL5で構成され、全体として正のパワーを有している。但し、レンズユニットL1〜L5のパワーの正負に関してはこれに限るものではない。
図2に示すように、縮小側の光学ブロックCのみでは、画像表示パネルの像を球面SP状に形成する。そして、レンズユニットL2〜L5を移動させることにより、この球面像の拡大や縮小を行っている。この球面像は、拡大側の光学ブロックRにより所定像面(スクリーン)上に平面で結像するよう変換が行われるが、光学ブロックCが平面像を形成し、拡大側の光学ブロックRにより平面から平面へと再結像しても構わない。
図3は、図2で示した光学ブロックCの結像光束を図示したまま、光学ブロックRの光路を重ねた図である。光学ブロックCの射出瞳と光学ブロックRの入射瞳が一致するように、2つの光学ブロックの光路は合成される。実際には、図1で示したように、光学ブロックCによる結像光束は光学ブロックRに導光され、各反射面で折り返されている。図3に示すように、光学ブロックCの結像面を拡大側の光学ブロックRの内部に取り込む構成であるので、光学ブロックCの焦点距離を長くし、且つ絶対値の大きい倍率を持たせたとしても、光学系としてはコンパクトに構成することができる。
また、拡大側の光学ブロックRを構成する反射面R1〜R3は本実施例では空気中に配置されているので色収差は発生しない。拡大側の光学ブロックRをガラス又はプラスチック等の光学材料で満たしたとしても、特開平09−222563号公報及び特開平10−221604号公報に記載されているように色収差を抑制することが可能である。
図4は本実施例の変倍光学系の各変倍位置における投影の様子を示しており、(a)は広角端、(b)は中間焦点距離、(c)は望遠端での状態である。
図4中、Pは本実施例の変倍光学系、Eはスクリーン(所定像面)、Sは像面(画面)を示している。画像表示パネルLVの大きさは縦横比3:4の0.7インチ(10.668×14.224mm)であり、変倍光学系Pから像面Sまでの基準軸に沿った投射距離(Pの射出瞳中心からSの中心までの距離)はおよそ1700mmでワイド端70インチ(1422.4×1066.8 mm)からテレ端35インチ(711.2×533.4mm)の2倍ズーム光学系となっている。本実施例の変倍光学系は、画像表示パネル側でテレセントリックになっている。
このとき、縮小側の光学ブロックC’の焦点距離は広角端から46.87mm〜92.85mmであり、倍率の値は、−4.08、−3.07、−2.05(広角端、中間、望遠端)である。すなわち、縮小側から拡大側へ光線をトレースしたときの光学ブロックCの倍率をb1とするとき、
b1≦−2.05
なる条件を満足している。このように縮小側の光学ブロックCに−2.05以下の倍率(絶対値としては大きい倍率)を分担させることで、拡大側の光学ブロックRでの収差の拡大を抑制することができる。光学ブロックCの倍率が−2.05よりも大きく0よりも小さい場合、光学ブロックCで発生した諸収差を非常に大きな倍率で拡大側の光学ブロックが拡大することになり、収差の発生を抑制する上で好ましくない。なお、本実施例中、説明なく倍率が高い(大きい)又は低い(小さい)という表現を用いている場合は、絶対値が大きい又は小さいことを意味する。
以下、本実施例の変倍光学系の構成データを示す。
Figure 0004551674
Figure 0004551674
Figure 0004551674
Figure 0004551674
Figure 0004551674
本実施例の変倍光学系におけるワイド端、ミドル、テレ端でのディストーションの様子を図5(a),(b),(c)にそれぞれ示す。また、図11の(1)〜(5)の評価位置におけるワイド端、ミドル、テレ端での横収差図を図6、図7、図8にそれぞれ示す。図5を見れば分かるとおり、大きなディストーションはなく、非対称なディストーションも少ない。図6、図7、図8の横収差図の軸の定義は、横軸を瞳面上でのx或いはy軸とし、縦軸はスクリーン上での収差量を意味している。それぞれ良好に結像していることが分かる。
このように本実施例で開示した変倍光学系では、変倍機能を縮小側の屈折系(光学ブロックC)で行うことにより、レンズの移動という簡単な手法で変倍が可能であり、さらに拡大側の反射系(光学ブロックR)で倍率を稼ぐことができるので、縮小側の光学ブロックとしては、比較的容易に高変倍比を実現しながらコンパクトで高性能な変倍光学ブロックを達成できる。さらに、拡大側の光学ブロックとして反射系を用いることで、全体として高倍率な光学系であっても従来の屈折系で発生しやすい倍率色収差を抑制することができる。
また、縮小側の光学ブロックの倍率を変倍中常に−2.05以下とすることで、拡大側の光学ブロックの倍率が高くなるのを防ぎ、収差の拡大を抑制できる。
また、拡大側の光学ブロックをOff−Axial反射光学系とすれば、系の非対称性を発生させて所定像面に斜めに投射して結像することができるので、光学的に保証された画角の一部を用いて投影する従来の方式よりも小体積の光学系が達成できる。又、フロントプロジェクションにおいては、観察者の視界の確保や投射装置の設置位置の自由度向上に有効であり、リアプロジェクションにおいては、光学系のレイアウトの自由度が増えるので小型化に有効である。
本実施例の変倍光学系の全体構成図である。 図1に示した変倍光学系の縮小側の光学ブロックの構成図である。 図2で示した縮小側の光学ブロックの結像光路に拡大側の光学ブロックを重ねた図である。 本実施例の変倍光学系の各変倍位置における投影の様子を示す図である。 本実施例の変倍光学系のディストーションを示す説明図である。 本実施例の変倍光学系のワイド端での横収差を示す説明図である。 本実施例の変倍光学系のミドル位置での横収差を示す説明図である。 本実施例の変倍光学系のテレ端での横収差を示す説明図である。 座標系の説明図である。 絶対座標系、基準軸上座標系、ローカル座標系の説明図である。 横収差の評価位置を示す説明図である。
符号の説明
P 変倍光学系
B 光学素子
L 照明系
LV ライトバルブ(画像表示パネル)
C 共軸回転対称光学ブロック
D ダイクロイック光学素子
R 曲率をもつ反射面を構成要素とする光学ブロック
Ri i番目のOff−Axial反射自由曲面
E 投射有効領域(拡張スクリーン)
S 画像表示面
Si 画像表示位置
EXP 縮小側の光学ブロックの射出瞳
b1 縮小側の光学ブロックの倍率(i=1、2、‥‥)

Claims (4)

  1. 縮小側の物体を拡大側の像面に拡大投影する、又は拡大側の物体を縮小側の像面に縮小投影する変倍光学系において、
    反射曲面を備える第1光学成分と、移動可能な複数のレンズユニットを備え、該複数のレンズユニットの移動により変倍を行う、該第1光学成分よりも縮小側に配置された第2光学成分とを有し、
    縮小側から拡大側へ光線をトレースするとき、前記第2光学成分は、前記第1光学成分の最も縮小側の光学面よりも拡大側に縮小側共役点の像を形成しており、
    縮小側から拡大側へ光線をトレースするとき、前記第2光学成分の倍率b1は、
    b1≦−2.05
    なる条件を任意の変倍位置で満足することを特徴とする変倍光学系。
  2. 前記変倍光学系の瞳は、前記第1光学成分より縮小側であって、縮小側共役点より拡大側に位置することを特徴とする請求項記載の変倍光学系。
  3. 前記変倍光学系の瞳は、前記第1光学成分と前記第2光学成分の間に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の変倍光学系。
  4. 画像表示ユニットと、該画像表示ユニットの像を投影する請求項1〜いずれかに記載の変倍光学系とを有することを特徴とするプロジェクタ。
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