JP5359209B2 - 光走査装置、および画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、レーザ(レーザアレイを含む)を光源に用いて被照射部を光走査する光走査装置、およびこれを用いた画像形成装置に関する。
カラー画像形成装置で、光源からの光をハーフミラーで二分し、各々位相差付き2段ポリゴンミラーで偏向し、2つの感光体に交互に、画像を形成する提案がある(例えば、特許文献1 参照。)。通常では感光体1本について光源1個を対応させていたので、それに比べて光源数を1/2にすることができ、コンパクト化や低コスト化に有効であるが、常に、ビームを二分しており、片方の感光体に走査ビームを照射している時間は、もう一方のビームは書き込みに寄与しない。したがって、常時、光量の2分の1が損失になっている。
そこで、本出願人は、常に光源光を2分していたところを、液晶を用いたスイッチング素子によってビームを切り替え、光利用効率を2倍に向上した提案を行った(特願2007−148365)。これにより、これまでのハーフミラーで光利用効率が半減していたところを、ほぼ100%に向上できた。
用途によってはさらに高速なスイッチングを必要とすることがあり、そのような目的に、偏光・旋光手段として電気光学効果、または、磁気光学効果を用いた素子で偏光方向を高速に切り換える提案がある(例えば、特許文献2 参照。)。 電気光学効果を用いる場合には電気光学材料へ数百Vの印加電圧が必要となり、磁気光学効果を用いた場合には数Aの電流が必要となるため、ドライバの負担が大きくなる。さらに、この素子をレーザ光源からビームスプリッタまでの間に配置するため、光学系が大きくなる。
同様な目的に使用可能なスイッチング素子として偏光双安定VCSELが着目されている(非特許文献1 参照。)。偏光双安定VCSELは偏光方向を高速スイッチングすることができる光源であり、偏光方向の切り替え方法として、外部偏光光を照射する方法と、電流制御を行う方法がある。
特開2005−092129号公報 特開平7−144434号公報 第96回微小光学研究会(河口仁司、「VCSELの偏波スイッチング」、MICROOPTICS NEWS微小光学系研究グループ機関誌、日本、応用物理学会/日本光学会/微小光学研究グループ、2005年5月19日、VOL23、No.2、15〜20頁)
本発明は、偏光双安定VCSELを用い、電流制御方法を利用することで、光走査装置の光源数を従来の1/2にし、かつ、その偏光スイッチングをナノ秒オーダーの高速化を図るにもかかわらず、見かけ上、追加部品を発生させないコンパクト、超高速、高光利用効率な光走査装置、および、これを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明では、互いに直交する2つの独立した偏光のレーザ光が双安定的に発振し得る半導体レーザ光源と、該光源の注入電流をそれぞれの偏光に対応させた2つの画像からの画像信号に応じて駆動するためのドライバと、前記レーザ光を受け入れ、該レーザ光の偏光方向に応じて出射位置を異ならせるための偏光分離手段と、前記レーザ光を偏向するための偏向素子と、前記偏向素子に偏向されたレーザ光を所望の位置に結像させるための結像光学系と、を有する光走査装置において、前記ドライバは、前記光源の発振が双安定になる注入電流領域の下限値より小さく且つ発振のしきい値電流より大きい任意の注入電流値I1と、前記双安定になる注入電流領域の上限値より大きい任意の注入電流値I2を、前記2つの画像に割り当て、該2つの画像に応じて前記光源に対する注入電流値を前記注入電流値I1と前記注入電流値I2のいずれかに切り替えることによって、前記偏光分離手段への入射光の偏光方向を切り替え、且つ、前記注入電流値I1と、前記注入電流値I2による偏光の光強度の差を、前記偏光分離手段の分離比率の選定によって低減させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の光走査装置において、前記ドライバは、画像信号が論理値0のとき出力を0とし、論理値1のとき前記注入電流値I1若しくは前記注入電流値I2を出力するパルス列を生成し、該パルス列は、前記2つの画像の一方の画像からの画像信号に割り当てる時間帯Taと、他方の画像からの画像信号に割り当てる時間帯Tbとを交互に配列してなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の光走査装置において、前記時間帯Taと前記時間帯Tbは共に前記画像の1走査線の描画に相当する時間であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項2に記載の光走査装置において、前記時間帯Taと前記時間帯Tbの和は前記画像信号の1画素分に相当する時間であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項2に記載の光走査装置において、前記時間帯Taと前記時間帯Tbの和は前記画像信号の1画素分に相当する時間を任意数に等分割したパルス幅に相当する時間であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、請求項2に記載の光走査装置において、前記注入電流値I1と、前記注入電流値I2による偏光の光強度の差を、該注入電流値I2による偏光に対応する光路中に配置された光減衰手段によって低減させることを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、互いに直交する2つの独立した偏光のレーザ光が双安定的に発振し得る半導体レーザ光源と、該光源の注入電流をそれぞれの偏光に対応させた2つの画像からの画像信号に応じて駆動するためのドライバと、前記レーザ光を受け入れ、該レーザ光の偏光方向に応じて出射位置を異ならせるための偏光分離手段と、前記レーザ光を偏向するための偏向素子と、前記偏向素子に偏向されたレーザ光を所望の位置に結像させるための結像光学系と、を有する光走査装置において、前記ドライバは、前記光源の発振が双安定になる注入電流領域の下限値より小さく且つ発振のしきい値電流より大きい任意の注入電流値I1と、前記双安定になる注入電流領域の上限値より大きい任意の注入電流値I2を、前記2つの画像に割り当て、該2つの画像に応じて前記光源に対する注入電流値を前記注入電流値I1と前記注入電流値I2のいずれかに切り替えることによって、前記偏光分離手段への入射光の偏光方向を切り替え、前記ドライバは、画像信号が論理値0のとき出力を0とし、論理値1のとき前記注入電流値I1若しくは前記注入電流値I2を出力するパルス列を生成し、該パルス列は、前記2つの画像の一方の画像からの画像信号に割り当てる時間帯Taと、他方の画像からの画像信号に割り当てる時間帯Tbとを交互に配列してなり、前記時間帯Taと前記時間帯Tbの和は前記画像信号の1画素分に相当する時間であり、前記注入電流値I1と、前記注入電流値I2による偏光の光強度の差を、該注入電流値I1に対応する時間帯と、該注入電流値I2に対応する時間帯の時間幅を、光強度の逆比に設定することによって低減させることを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、互いに直交する2つの独立した偏光のレーザ光が双安定的に発振し得る半導体レーザ光源と、該光源の注入電流をそれぞれの偏光に対応させた2つの画像からの画像信号に応じて駆動するためのドライバと、前記レーザ光を受け入れ、該レーザ光の偏光方向に応じて出射位置を異ならせるための偏光分離手段と、前記レーザ光を偏向するための偏向素子と、前記偏向素子に偏向されたレーザ光を所望の位置に結像させるための結像光学系と、を有する光走査装置において、前記ドライバは、前記光源の発振が双安定になる注入電流領域の下限値より小さく且つ発振のしきい値電流より大きい任意の注入電流値I1と、前記双安定になる注入電流領域の上限値より大きい任意の注入電流値I2を、前記2つの画像に割り当て、該2つの画像に応じて前記光源に対する注入電流値を前記注入電流値I1と前記注入電流値I2のいずれかに切り替えることによって、前記偏光分離手段への入射光の偏光方向を切り替え、前記ドライバは、画像信号が論理値0のとき出力を0とし、論理値1のとき前記注入電流値I1若しくは前記注入電流値I2を出力するパルス列を生成し、該パルス列は、前記2つの画像の一方の画像からの画像信号に割り当てる時間帯Taと、他方の画像からの画像信号に割り当てる時間帯Tbとを交互に配列してなり、前記時間帯Taと前記時間帯Tbの和は前記画像信号の1画素分に相当する時間を任意数に等分割したパルス幅に相当する時間であり、前記注入電流値I1と、前記注入電流値I2による偏光の光強度の差を、該注入電流値I1に対応する時間帯と、該注入電流値I2に対応する時間帯の時間幅を、光強度の逆比に設定することによって低減させることを特徴とする。
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記光源はレーザ光を発生する少なくとも1層の活性層と、該活性層の周囲に設けられ少なくとも1種類の材料からなるスペーサ層とを含む共振領域と、該共振領域の上部および下部に設けられた上部反射鏡および下部反射鏡とが積層膜として形成され、該積層膜が矩形のメサ形状に加工された面発光型半導体レーザを基本構成とすることを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、請求項9に記載の光走査装置において、前記光源は前記基本構成の面発光型半導体レーザが1次元または2次元に配列されたアレイ状光源であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明では、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記偏向素子は回転多面鏡であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明では、請求項11に記載の光走査装置において、前記回転多面鏡は回転軸方向に多段に構成されていることを特徴とする。
請求項13に記載の発明では、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記偏向素子はガルバノミラーまたは圧電素子からなる光走査素子であることを特徴とする。
請求項14に記載の発明では、請求項1ないし13のいずれか1つに記載の光走査装置の2組が前記偏向素子を共有してなる光走査装置を特徴とする。
請求項15に記載の発明では、複数の感光体と、光走査手段と、それぞれの感光体に対応する複数の現像手段と、転写手段と、定着手段と、を有する画像形成装置において、前記光走査手段は請求項1ないし14に記載の光走査装置であることを特徴とする。
請求項16に記載の発明では、互いに直交する2つの独立した偏光のレーザ光が双安定的に発振し得る半導体レーザ光源と、該光源の注入電流をそれぞれの偏光に対応させた2つの画像からの画像信号に応じて駆動するためのドライバと、前記レーザ光を受け入れ、該レーザ光の偏光方向に応じて出射位置を異ならせるための偏光分離手段と、前記レーザ光を偏向するための偏向素子と、前記偏向素子に偏向されたレーザ光を所望の位置に結像させるための結像光学系と、を有する光走査装置において、
前記ドライバは、前記光源の発振が双安定になる注入電流領域の上限を超える注入電流値I2のパルスを発生させることにより、一方の偏光の発振を開始させる機能と、少なくとも該一方の偏光が発振中に他方の偏光の発振に切り替えるときは、前記双安定になる注入電流の下限を下回る注入電流値I1のパルスを発生させることにより、他方の偏光の発振を開始させる機能と、前記光源が発振を開始した後は前記双安定になる注入電流領域内の注入電流値I3を注入する機能と、を有することを特徴とする。
請求項17に記載の発明では、請求項16に記載の光走査装置において、前記パルスは、前記光源が所望の偏光を発振可能なパルス幅以上であって、画像の1画素に必要な光強度時間積分量の3分の1以下であることを特徴とする。
請求項18に記載の発明では、請求項16または17に記載の光走査装置において、前記光源はレーザ光を発生する少なくとも1層の活性層と、該活性層の周囲に設けられ少なくとも1種類の材料からなるスペーサ層とを含む共振領域と、該共振領域の上部および下部に設けられた上部反射鏡および下部反射鏡とが積層膜として形成され、該積層膜が矩形のメサ形状に加工された面発光型半導体レーザを基本構成とすることを特徴とする。
請求項19に記載の発明では、請求項18に記載の光走査装置において、前記光源は前記基本構成の面発光型半導体レーザが1次元または2次元に配列されたアレイ状光源であることを特徴とする。
請求項20に記載の発明では、請求項16ないし19のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記偏向素子は回転多面鏡であることを特徴とする。
請求項21に記載の発明では、請求項20に記載の光走査装置において、前記回転多面鏡は回転軸方向に2段に構成され、それぞれの段には前記偏光方向の異なるレーザ光をそれぞれ対応させることを特徴とする。
請求項22に記載の発明では、請求項21に記載の光走査装置において、前記2段の回転多面鏡は反射面の配置が互いに同相に配置され、前記偏光方向の異なるレーザ光を1画素単位で切り替えることを特徴とする。
請求項23に記載の発明では、請求項21に記載の光走査装置において、前記2段の回転多面鏡は反射面の配置が互いに1走査線周期の2分の1の位相差を持たせて配置され、前記偏光方向の異なるレーザ光を1走査線単位で切り替えることを特徴とする。
請求項24に記載の発明では、請求項16ないし19のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記偏向素子はガルバノミラーまたは圧電素子からなる光走査素子であるを特徴とする。
請求項25に記載の発明では、請求項20ないし24のいずれか1つに記載の光走査装置の2組が前記偏向素子を共有してなることを特徴とする。
請求項26に記載の発明では、請求項20に記載の光走査装置において、前記偏光分離手段は偏光分離方向が前記回転多面鏡の回転軸に直交する方向であることを特徴とする。
請求項27に記載の発明では、複数の感光体と、光走査手段と、それぞれの感光体に対応する複数の現像手段と、転写手段と、定着手段と、を有する画像形成装置において、前記光走査手段は請求項16ないし26のいずれか1つに記載の光走査装置であることを特徴とする。
請求項28に記載の発明では、請求項27に記載の画像形成装置において、前記レーザ光が前記感光体を外れた位置に受光素子を置き、前記レーザ光が該受光素子を走査する時間帯に前記双安定になる注入電流領域の下限と上限の電流値間を往復する注入電流波形を前記光源に与え、前記受光素子からの受光信号を処理することによって、前記注入電流値I3の値を補正することを特徴とする。
本発明によれば、外見上の装置の構成は、偏光双安定VCSELを用いる点以外は従来と殆ど変わらず、しかも、高速スイッチングが可能になることにより、光走査装置としての設計の自由度を大幅に向上することができるようになる。
図1は本発明の光源として用いるVCSELの基本構造を説明するための図である。
同図において符号31はメサ構造、32は上部のDBR層、33は下部のDBR層、34は活性層、35は基板をそれぞれ示す。
面発光レーザ(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser:略称VCSEL)は、同図に示すようにGaAs、またはInPの基板35から順に、下部のDBR層33、活性層34、上部のDBR層32からなり、少なくとも上部DBR層32はフォトリソなどの加工によってメサ構造31をもたせ、光導波路特性をもたせている。
図2はVCSELの動作サイクルを説明するための図である。同図(a)は電流に対する発光強度の図、同図(b)は注入電流に対する主偏光方向の遷移を説明するための図である。線図のうち、実線と破線は偏光方向の違いを示す。
矩形断面のメサ構造を有するVCSELは2つの独立し直交する偏光モードを有することが知られている。このようなVCSELへの注入電流を増加させていくと、しきい値電流(Ith)を超えると、まず発振しやすい方の偏光(仮にある基準線に対して90°方向であるとする)の光強度が増加する(同図実線矢印A1)。この間、それと直交する方向(ここでは0°方向と呼ぶ)の偏光が微少量発光している(同図破線矢印B1)。電流がIh2を超えると、突然、主偏光方向が0°の偏光に切り替わる(破線矢印B2、B3)。このとき、90°方向の光強度は急激に減少するが(実線矢印A3)、0にはならず、若干発光が残っている。
逆に、注入電流を下げていくときには、Ih2を超えてIh1まで0°偏光が持続する(破線矢印B4)。Ih1を超えて下がると90°偏光に切り替わる(破線矢印B5、実線矢印A5)。Ih1からIh2までの間は、同じ電流値に対して2つの偏光モードが存在するため、偏光双安定と呼ばれる。なお、図では見やすさを考慮して、Ih1とIh2の位置に限り幅を持たせて表現してある。
電流の与え方を上記のように連続的変化ではなく、Ih2以下の特定の電流値を突然与えたときは、それ以前に発光していなかった場合、若しくは、既に他の電流値を与えられて90°方向に発振していた場合は90°方向の発振になる。既に0°方向に発振していた場合は、与えた電流値がIh1以上であれば、0°方向の発振が維持され、Ih1以下であれば90°方向の偏光に切り替わる。与えた電流値がIh2以上であれば、前歴に関係なく0°方向の発振となり、Ih1以下(ただしIth以上)であれば前歴に関係なく90°方向の発振となる。
したがって、注入電流をIthを超えてIh1未満の例えばI1に動作点を選ぶと(動作点1)90°偏光が発振し、Ih2を超える電流値I2(ただし、光源が破壊しない範囲)に動作点2を選ぶと0°偏光が発振する。注入電流の大きさをこの2点で変化(スイッチング)させるだけでVCSELの出射光の偏光状態が切り替わることになり、そのスイッチングはナノ秒オーダーが期待できる。
図3は偏光双安定VCSELを光源とする光走査装置を説明するための図である。
図4は直交する偏光方向の光が2方向に切り替えられる原理を説明するための図である。
両図において符号11は偏光双安定VCSEL、12は偏光分離素子、13はシリンドリカルレンズ、14は偏向素子としての位相差付き二段ポリゴンミラー、15はfθレンズ、16は結像光学系、17は感光体、A、Bは切り替えられた2つの光束をそれぞれ示す。なお、添え字a、bは光束A、Bに対応する光学系の区別を示す。
偏光双安定VCSEL11から放射された光はコリメートレンズで平行ビームとなって偏光ビームスプリッタ(PBS)と偏向プリズム(全反射ミラーでも良い)からなる偏光分離素子12に入射される。PBSに対してp偏光なら透過しシリンドリカルレンズ13を介して位相差付き二段ポリゴンミラー14の上段ポリゴン14aに入射する。一方、VCSEL11からの出射光がs偏光のときにはPBSと偏向プリズムでともに反射し、下段ポリゴンミラー14bに入射される。ポリゴンミラー14で反射した光はfθレンズ(15a,15b)を含む結像光学系16a,16bを経て感光体17a,17b上を走査する。上述した二つの動作点を選ぶように注入電流を1走査線ごとに切り替えてビームの偏光面を90°スイッチングすることで、走査線単位で順次(交互に)、感光体17a,17bを走査することが可能になる。
図5は本発明を4本の感光体を用いる画像形成装置に適用する実施形態を説明するための平面図である。
図3に示した光走査装置を2組用意し、両者の偏向手段を共有化することによって、フルカラー画像形成装置を構成することができる。
すなわち、図3では感光体が2本しかないが、2段ポリゴンミラーを共有とし、さらに2本の感光体と、光源およびfθレンズを含む結像光学系を、ポリゴンミラーに関し反対側にほぼ対称的に配置することによって4本の感光体をセッティングしたカラー用の光走査装置を構築できる。
したがって、この構成では、偏光双安定VCSEL光源を2個、光源用ドライバを2個、各光源に対応させた偏光分離素子を2個、偏向手段を1個、結像光学系を2個、感光体を4個、有することになる。
図6は偏光双安定VCSELのドライブ方法(注入電流波形)の例を示す概念図である。同図(a)は1走査線毎に偏光方向を切り替える例、同図(b)は1画素毎に偏光方向を切り替える例、同図(c)はパルス幅変調を行う例をそれぞれ示している。
同図において符号Ta、Tbは相異なる偏光方向のそれぞれに割り当てる時間を示す。
同図(a)は一本の走査線の画素数を10個で表現した例で、感光体17a,17bともに論理値0,1,0,1,0,1,0,1,0,1の画像信号とした。このとき、走査線の切り替え時に無駄な時間がないものとしたとき、Ta、Tbは共に1走査に要する時間になる。
光源を駆動するドライバは、感光体17aで論理値1の信号(信号1と略す)のときには注入電流I2(図の動作点2)を与え、感光体17bで信号1の画素にはI1(動作点1)を与えるパルス列を生成する。ともに信号0のときは光源を発振させない。ただし、ここで示した論理値1、0は相対的な関係であって、回路構成の都合により、論理値0のとき光源を発光させる構成にすることにしてもかまわない。
同図(b)において、画素1aと画素2aのそれぞれに割り当てている時間がTaであり、画素1bと画素2bに割り当てている時間がそれぞれTbであり、Ta=Tbにしてある。Ta、Tbは発光時間そのものではない。この時間内に信号1が与えられれば発光させ、信号0が与えられれば発光させない。
ここで、Ta+Tbは1走査線に要する時間を、1走査線で描くべき画素数で割った時間(Ttとする)になる。この図では、どの画素も信号1が入力された場合を示している。
この方式の場合は、偏向素子としてのポリゴンミラー14は位相差つきでない2段ポリゴンにする必要がある。なぜなら、2つの偏光方向によるそれぞれの走査線が、僅か2分の1画素の遅れ(時間Ta)のみで、同時進行で描画されるからである。
中間調(0より大きく1よりも小さい場合)を表現したい場合は、1画素のパルス幅を必要な幅にする。すなわち、パルス幅変調をかけることによって表現可能となる。ただし、ここでいう1とは、最大画像濃度を引き出す光強度時間積算値(すなわち、露光量)に相当する電流積分値とする。通常は、許された時間内の最大のパルス幅を与えたとき、最大画像濃度が得られるように設定しておく。
同図(c)において、画素1aと画素2aでは画素2aのパルス幅が画素1aのパルス幅の約半分になっている。したがって、画素2aは画素1aの約半分の電流積分値となり、中間調が表現できる。因みに、画素1aも与え得る最大のパルス幅(時間幅Ta)の約半分になっている。すなわち、画素2aは最大の電流積分値の約4分の1程度の電流積分値になる。
なお、画素1b、2bのパルス幅はそれぞれTbの約4分の3、4分の1である例を示している。
パルス幅の狭められる限界は感光体の感度に依存する。電流積分値と露光量は必ずしも比例関係にないのと、露光量と画像濃度との関係も必ずしも比例関係にはないので、所望の濃度に対応した電流積分値が必要であれば、実測値を元に両者の間の関係を求めることになる。
図7は1画素の露光時間内で偏光スイッチングをする場合の実施例の説明図である。同図(A)は上段の偏向素子に対応するパルス列、同図(B)は下段の偏向素子に対応するパルス列、同図(C)は光源に対する注入電流波形をそれぞれ示す図である
同図では2つの画素のみを図示した。
本実施例では、1画素を時分割で二つの感光体に振り分けながら階調表現する。各画素の時間幅を複数等分にしてパルス幅階調する。同図では4等分にしておりその階調数は5となる。すなわち、0を含め、同一幅のパルス1本から4本までを選択でき、2つの感光体に対し、スイッチングしながら交互に光束を振り分ける。この例の場合、1本ごとのパルス幅に与えられる時間がTaあるいはTbである。したがって、Ta+Tb=Tt/4となる。露光の濃度(すなわち階調)を便宜上、0から4と表すことにする。画素1a、1bの上下段の階調を表1のような画像信号がVCSELドライバに入力されたとする。
Figure 0005359209
この場合、VCSELへの注入電流は同図(a)のようになる。この波形によって動作点2、すなわち上段用の光信号は同図(b)に示す光波形となり、下段用の光信号は同図(c)に示す光波形が得られる。したがって、上段のビームは2つの画素を順に4,3の濃度で感光体17aを露光し、下段用ビームは順に2,3の濃度で感光体17bを露光することが出来る。
なお、これまでの実施例はポリゴンミラーを用いて説明したが、ガルバノミラーや圧電素子を用いた偏向素子に置き換えても良い。これらの偏向素子は往復動作により光走査をするので、1つの感光体に対し、往動作と復動作をともに利用することはできない。なぜなら、感光体は副走査方向に移動することにより、往復走査をすると描かれる走査線はジグザグ模様になるからである。通常の構成では、2つの感光体を用い、1走査線内で時分割して2つの感光体に画像形成する場合も、走査線毎に交互に感光体を切り替えて画像形成する場合(ミラーの片道走査に要する時間が1走査線に要する時間と同等かそれより僅かに長い場合)も、2つの感光体に対し共に往動作で走査するか、共に復動作で走査するようにしないと画像の重ね合わせが正しく行えなくなる。したがって、1走査線毎の偏光方向切り替え方式を採用する場合には、図3に示した構成と同じ考え方で、偏向素子を2段にして互いに位相差を与え、一方が往動作中は他方が復動作になるよう設定して、どちらの感光体も共に例えば往動作の時に画像信号を与えるようにする必要がある。
ガルバノミラーや圧電素子を用いた偏向素子で、往動作と復動作をともに利用したい場合は、以下に示すような問題を克服する必要がある。
すなわち、転写により最終画像を得るために複数の(この場合は2つの)感光体に記録媒体を接触させるため、感光体は記録媒体の進行方向に合わせて同方向に回転させる必要がある。感光体が回転している最中に露光をしながら走査線を描くので、一つの走査線を描き始めてから描き終わるまでの間に感光体は若干回転している。そのため、原理的には走査線が感光体の回転軸に対して傾斜することになる。それでも、次の走査線は前の走査線の描き始めの位置に対し隙間なく隣接して描かれるように構成されているので、1本の走査線の両端におけるずれ量は走査線間隔の約半分もしくはそれ以下になっている。2つの感光体ともに、すべての走査線が同じ傾きをしている限り、この傾斜は画像の品質に全く影響を与えないと同時に、2つの感光体に形成された2つの画像(例えば同一画像を色分解した色違いの画像)を記録媒体上で重ね合わせを行っても色むらを発生させる懼れはない。以下はガルバノミラーを例にとって説明する。
図8はガルバノミラーを往動作・復動作ともに利用するときの走査線の問題を説明するための模式図である。同図(a)は往動作による走査線の傾斜方向、同図(b)は復動作による走査線の傾斜方向、同図(c)は重ね合わせたときの問題、をそれぞれ示す図である。ただし、走査線の間隔は誇張して描いてある。
同図において符号Laは往動作のみによって転写紙に転写された走査線、Lbは復動作のみによって転写紙に転写された走査線をそれぞれ示す。
同図は記録媒体上に転写された走査線を模式的に示している。実線は情報の記録された走査線、破線はミラーの戻りに対応する非記録線(光が到達していれば記録されるはずの線)をそれぞれ表している。
走査方向が互いに逆方向であると、同図(a)、(b)に示すように走査線の傾斜方向が逆になるので、同図(c)のように、そのままでは走査線同士がきれいに重なり合わないため部分的な色むらが発生する。
図9は一方の走査線傾きを他方の走査線傾きに一致させた例を示す図である。同図(a)は前図(b)に対応する図、同図(b)は走査線傾きを変えた図である。
同図において点線は前図(a)に相当する走査線Laを示しており、見分けを容易にするために故意に位置をずらしてある。
先に述べたように、走査線の傾きは走査線間隔の約半分かそれ以下であり、例えば、解像度が通常よく使われる1mm当たり16本として計算すると、両端のずれ量は感光体軸線に平行な直線に対しておよそ30μmになる。この傾きを逆方向に同程度傾けるためには、一方の端を他方の端に比べて約60μmずれるように調整すればよい。具体的な方法としては、例えば感光体の軸線を初めから傾けておく方法、あるいは、図3における光学系のうち、最終反射面の反射方向を現状からさらに僅かに傾けて、結果として上記60μm程度逆方向に傾くようにする方法がある。いずれも、調整量が非常に小さいので、通常よく使われる調整機構を採用すれば十分である。その結果、同図(b)に示すように、2つの感光体から転写された画像は互いに走査線が平行であるため、双方の走査線が完全に重ならなくとも、部分的な色むらが発生することはない。
なお、往動作・復動作による走査線がそれぞれの感光体の回転軸に平行になるよう、初めからミラー等の角度を合わせた設計にしておけば、上記の例ではそれぞれが30μmの角度変更で済むため画質には全く影響を与えない。
上記調整量は形成すべき画像の解像度に依存するので、もし、画像形成装置として複数の解像度が選択できる構成であったら、必要とするずれ量の平均値を選んでその値に設定しておくか、さもなくば、調整量が小さいので、自動調整機構を採用して、要求される解像度毎に調整量を加減しても良い。
往動作で形成する画像に対し、復動作で形成する画像は走査線毎にパルス列を逆順に与えることは従来公知の技術で実施できる。
図2からも明らかであるが、動作点1、2ではレーザ光強度は動作点2の方が大きくなる。このため、電流値I1を与える感光体とI2を与える感光体との間に露光量の差がついてしまう。この差を低減するいくつかの方法がある。ひとつは強度が高いほうの光学系の途中に濃度調整フィルタ(NDフィルタ)を配置する方法である。二つ目にPBSの分離比を1:1ではなく、両ビームが感光体上で差が無いようにPBS分離比を所定の比率となるように作製する方法である。ただし、PBSの分離比を変えると、I2によるレーザ光の光強度が低減されて所定の感光体に到達する代わりに、他方の感光体にも僅かな光が到達することになる。その光量があまり大きいと、他方の感光体にも画像形成が行われ、本来の露光による画像にゴースト的な画像として重なってしまう。しかし、実際は電流値I1とI2による光強度の差分だけの分離比変更であるから、他方の感光体に至る光量は非常に小さいので、感光体の最小感度レベルを超えない限り、ゴーストの発生は心配ない。そのためにも、I1とI2は可能な限り近い値に選んでおくのがよい。当然ながらそれと同時にI2による光路中にNDフィルタ入れることもできる。
さらには電流値I1とI2のパルス幅の比率(デューティ比)を変えて露光量(光強度と時間の積に比例する値)をそろえる方法がある。この場合は駆動回路の設計のみで対処できるため、構成部品は従来のものをそのまま利用できる点でさらに好ましい。
図10は露光のデューティ比を変えたときの波形例を示す図である。同図(a)は1走査線毎の偏光方向切り替えの場合、同図(b)は一画素毎の偏光方向切り替えの場合を図6(c)に対応させて示している。
同図(a)の場合、Tbの時間帯では画像信号が1のときには1画素に割り当てられた時間内で電流値I1を維持させるが、時間帯Taでは画像信号が1のパルス幅を短くし、光信号の光強度とパルス幅の積が0°偏光と90°偏光で同じになるように調整する。同図 (b)では画素ごとに偏光をスイッチングする場合、電流値I2の光強度がI1での光強度のα倍であれば、画素1a、画素1bの補正後のパルス幅を補正前のパルス幅の1/αとする。これによって、各画素の同じ階調同士が同じ露光量となる。
偏光双安定VCSELの注入電流によって偏光を切り換える速度は上述のように、最速ナノ秒オーダーが期待できる。このため、各走査ごとに切り換える方法以外にも、1画素ごとに切り換えることも十分可能になる(図6(b)、(c)、図7、図10(b))。このように1走査期間中に上段と下段ポリゴンにビームを振分ける場合、前述のように、2段ポリゴンミラーを位相差付きにすることができなくなる。すなわち、同相の2段ポリゴンミラーでなければならないが、同相2段ポリゴンミラーは位相差付きに比べて作製しやすいため、むしろ、光走査装置の低コスト化に貢献できる。
図11は露光のデューティ比を変える他の実施例を説明するための図である。同図(a)は階調変調をしていない場合の図、同図(b)は1画素内を時分割発光にして階調変調を行う例を示す図である。同図の(A)、(B)、(C)は図7のそれらと同じ。
この実施例は画素毎の偏光方向切換の場合にのみ適用できる。
1画素に割り振ることのできる時間幅は、1走査線に与えられた時間を1走査線に指定された画素数で割った時間Ttとなる。これまでの説明では、1画素毎の偏光方向切換の場合、このような値Ttを2等分してTaとTbに割り当てていた(すなわち、Ta=Tb=Tt/2)が、前述のI1とI2による光量差のために露光のデューティ比を変えるのであれば、上記割り当て時間そのものを変えることでも達成できる。すなわち、TaとTbを等しくするのではなく、I1とI2の違いによる露光レベルの違いに応じて時間配分を異ならせる。ただし、発振する光強度は注入電流に比例するわけではないので、それぞれの電流値I1とI2における光強度をLP1とLP2(LP1<LP2)とすると、同図(a)の場合、Ta/Tb=LP1/LP2(ただしTa+Tb=Tt)というように、時間配分を光強度の逆比になるよう割り当てる。
この例でもパルス幅変調によって階調表現を行うことはできる。それぞれのパルス幅の決め方は、Ta、Tbを基本としてそれとの比で定めれば、同じ比の場合それぞれの感光体において同じ露光量が保証できる。
同図(b)の場合は図7と類似の考え方で、1画素の時間Ttをn等分(同図では4等分)した値をさらに、TaとTbで割り振る例を示している。このとき、TaとTbの比は上記と同じであるがTaとTbの和の値が異なる。すなわち、Ta/Tb=LP1/LP2(ただしTa+Tb=Tt/n)となる。
上述記載の実施例では、偏光分離手段がPBSと偏向ミラーで構成され、これらが光源からポリゴンミラーまでの間に配置されている。
図12は本発明の光走査装置の他の実施形態を説明するための図である。同図(a)は主要部の斜視図、同図(b)はポリゴンミラーから後の光学系の側面模式図である。
本実施形態は、偏光分離手段を感光体の近くに配置した例である。同図はPBSのみからなる偏光分離手段65が感光体66の直前に配置された実施例を示す。偏光双安定半導体レーザ11からの出射光をコリメートレンズ61で平行光束にして、シリンドリカルレンズ62でビーム断面の一方向をポリゴンミラーに集光させる。ポリゴンミラーで偏向されたビーム67はfθレンズ64やその他結像光学素子(図示を省略)をへてPBS65に入射される。偏光双安定半導体レーザ11への注入電流がI1(PBSに対してs偏光)が選ばれたとき、PBSでビームが反射して感光体66bに結像される。一方、注入電流I2(PBSに対してp偏光)の場合にはPBSを透過して感光体66aに結像される。偏光を切り替える周期などは前述のとおりである。本実施例では、PBS65までの光学系、すなわり、コリメートレンズ、シリンドリカルレンズ、ポリゴンミラー、fθレンズを含む結像光学系は偏光分離前の光束が通過するため、両偏光方向の光に共通で使える。このため、低コスト化や、装置のコンパクト化に寄与できる。
図13は本発明の光走査装置を用いたタンデム型のカラー画像形成装置を説明するための図である。
同図において符号20は光走査装置、21は転写ベルト、22は感光体、23は帯電器、24は現像器、25は転写手段、26はクリーニング手段、y、c、m、kはイエロー、シアン、マゼンタ、黒の現像色をそれぞれ示す。
カラー画像形成装置は、転写ベルト21の移動方向に沿って並置された4つの感光体22y、22m、22c、22kを有している。イエロー画像形成用の感光体22yの周りには、その矢印で示す回転方向において順に、帯電器23y、現像器24y、転写手段25y、クリーニング手段26yが配置されている。他の色についても同様の構成を有しており、帯電器23は、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。帯電器23と現像器24の間において感光体表面に光走査装置20によりビームが照射され、感光体22に静電潜像が形成されるようになっている。そして、静電潜像に基づき、現像器24により感光体面上にトナー像が形成される。転写手段25により、転写ベルト21で搬送される記録媒体(転写紙:図示せず)に各色の転写トナー像が順次転写され、最終的に定着手段27により重ね合わせ画像が転写紙に定着される。
図14は他の実施形態の光走査装置を用いたタンデム型画像形成装置の光路を説明するための図である。同図(a)は平面図、同図(b)は側面図である。
同図において符号70は感光体を示す。
本実施形態は、図5に示した実施形態をガルバノミラー用に再構成したものである。
図12に示した光走査装置の構成において、偏向素子をガルバノミラーに置き換えて、2組用意し、両者の偏向素子を共有化することによって、本実施形態が構築できる。
両面が反射面に形成されたガルバノミラーを挟んで、対称的に光源11a、11bおよび関連光学系を配置する。ガルバノミラーは光源からのレーザ光に対し45°傾斜した位置を基準位置として所定角度内の振動をする。それぞれの光源から出たレーザ光は、ガルバノミラーの往復振動により、ガルバノミラーの回転中心を点対称の中心として対称的に往復走査される。それぞれの光源は、往動作と復動作で偏光方向を異ならせ、且つ、異なる感光体に対する画像データにより変調され、往・復とも途中までは同じ光学系を経由し、PBSのみからなる偏光分離手段65に到って初めて経路が分かれ、互いに異なる感光体に到る。各光源からのレーザ光がそれぞれ2つの感光体に描画を行うことにより、合計4個の感光体にそれぞれY,M,C,Kの色に対応した画像を形成し、所定の記録媒体に転写することでフルカラー画像を形成する。
図15は説明の都合で図2を簡略化して示した図である。同図(a)は発光の双安定ループを説明するための図、同図(b)は注入電流の変化と偏光方向の関係を説明するための図、同図(c)は発光強度波形を説明するための図、同図(d)は比較例として定常電流を用いない場合の光強度波形を説明するための図である。
同図において符号121は高電流パルス部、122は低電流パルス部、123は定常電流部をそれぞれ示す。
同図(a)において、横軸は注入電流I、縦軸は光出力の強度をそれぞれ示す。
VCSEL1への注入電流を増加させて、しきい値電流(Ith)を超えると、まず発振しやすい方の偏光1の光強度が増加する。電流がIh2を超えると、偏光2の偏光に切り替わる。偏光2は偏光1と直交した振動面である。逆に、注入電流を下げていくときには、Ih1まで偏光2が維持され、Ih1以下で偏光1に切り替わる。Ih1からIh2までは2つの偏光モードが存在するため、偏光双安定と呼ばれる。また、この偏光双安定が発現する領域を偏光双安定領域と呼んでいる。
注入電流波形は同図(b)のように、偏光双安定領域の上限を超える高電流パルス部121(電流値I1)と、偏光双安定領域の下限値Ithを下回る低電流パルス部122(電流値I2)、および、偏光双安定領域内の波高値部である定常電流部123(電流値I3)で構成される。このときの光強度波形を同図(c)に示す。同図において、上段は光強度波形、下段は同図(b)の向きを変えて時間軸を横に表示した図である。これらの図は、1画素単位で偏光方向を切り替える構成の場合を示している。これは、画像形成装置として、2段の回転多面鏡のそれぞれの反射面の配置が互いに同相に配置されている構成の場合に対応している。
偏光1の光強度時間波形は実線で、偏光2の光強度時間波形は点線で表した。光通信の分野ではVCSEL内部の寄生容量を小さくするなどの工夫によって10Gbpsの伝送に成功している。このため、本構成でも1GHz程度の繰返し周波数の応答性が期待できる。この高応答性によって、低電流パルス部122の値I2は実質0であっても、パルス幅が高電流パルス部121のパルス幅と同程度にすることができる。したがって、電流値I2の範囲としては、0からIthの間の値であればよい。
同図において、図中のt(小文字)は時間軸を、Iは電流、Lは光強度の軸であることを示している。以下の図においても同様である。
比較例として、偏光双安定領域内での定常電流部を持たせず、偏光双安定領域をまたぐように2種の電流波高値I1およびI2による注入電流波形を与える場合を同図(d)に示す。同図において、上段は光強度波形、下段は注入電流波形をそれぞれ示す。
この場合、偏光1と偏光2の光強度の時間積算量(すなわち、露光量)が大きく異なり、レーザプリンタ、レーザ加工機などに使う際にはデメリットとなる。これに比べ、本構成では両偏光の時間積算量の差は小さくなる特徴を有する。なお、パルス部121、122の時間幅が所定波高値部(定常電流部)123の時間幅に比べて短いほど両偏光の光強度時間積算量がそろうことは言うまでもない。実験によれば、画素の光量差が目立つようになるのは、パルス部が1画素の光強度時間積分量の3分の1を超える場合であることが分かった。したがってパルス部をこの範囲以下に収めていれば実用上の問題はなくなる。
本方式を採用することで、部品点数を増やさず、かつ、高速に偏光を切り換えることができ、さらに、両偏光の光強度の差を低減でき光利用効率が向上される。
図16は光走査装置のVCSEL1への他の注入電流波形例を示す図である。
図4の偏光分離手段を参照して、図15の偏光1がPBSに対してp偏光で、偏光2はs偏光となる配置として説明する。これらの図は、1走査線毎に偏光方向を切り替える構成の場合を示している。これは、画像形成装置として、2段の回転多面鏡の反射面の配置が互いに1走査線周期の2分の1の位相差を持たせて配置されている構成の場合に対応している。
下段ポリゴンミラーを経て感光体17bを光走査する画像信号に対して波形列151のように、偏光双安定領域の上限を超える高電流パルス部153(電流値I2)と、偏光双安定領域内で維持する定常電流波形部154(電流値I3)と、実質的に光強度0となる部分とで構成される。周期Tは1画素分の時間帯を表している。本実施例の光走査装置で感光体上のビームスポットの階調を表現するには、パルス幅階調することが好ましい。波形列151では3画素分を表しており、各画素の階調は、順に、0.5、0、1に相当する。次に、感光体17aに光走査するための波形列152は、偏光双安定領域内で維持する定常電流波形部154(電流値I3)と、実質的に光強度0となる部分とで構成される。波形列152も、階調が順に0.5、0、1となる画素の場合を表している。
なお、実質0とは、感光体の感度未満であれば光強度がわずかに有っても機能上、問題無いという意味である。
図15の説明から理解されるが、図16の波形列151ではs偏光が、波形列152ではp偏光が発振される。波形列151の偏光双安定領域の上限を超えるパルス部分のうち、偏光双安定領域の上限を超えるまでの時間帯はp偏光が発振するが、VCSELの寄生容量を低減させるなどの工夫によってサブナノ秒の立ち上がり時間が得られるため、特に、レーザプリンタへの応用では問題にならない。
偏光双安定領域の上限を超える波高値と、偏光双安定領域の下限を下回る波高値のパルス列で駆動する図15(d)に示す方式では、両パルスによる光強度が異なるために、光強度の高いビームを光路中に配置した減衰手段で他方のビーム強度と揃える、もしくは、他方よりも短いパルスにして、露光量を揃える必要があった。しかし、本発明によれば、両ビームによる露光量(すなわち光強度の時間積分値)の差を低減できるため、減衰手段や、パルス幅を故意に短くする必要がなくなる。減衰手段を用いないということは、光損失を無くすことに繋がる。VCSELは端面発光型半導体レーザにくらべて光共振器長が短いために高出力化が困難なレーザであるため、損失の少ない光学系であることは、長期信頼性の面でも非常にメリットが高い。また、パルス幅による露光量調整をする場合、レーザプリンタの高速化にともない1画素に要す時間が10ナノ秒前後と非常に短くなりつつある。このため、故意にパルス幅を短くしていくとレーザの応答が追いつかなくなり、必要な光強度が得られなくなるばかりか、階調再現性を低下させることになる。
図17は場合によってパルスが省略できる例を説明するための図である。
以下1走査線毎に偏光方向を切り替える場合について考える。
p偏光発振を必要とする場合は、注入電流を双安定領域まで上げるだけで所望の発振が得られるので、注入電流0からスタートする場合は、パルス部は必要なくなる。
もし、s偏光に対応する画素列の階調が1で、例えば1、1、1のように複数画素連続する場合であれば、同図に示すように、最初の画素のみ、高電流パルス部153(電流値I1)を与えてすぐ定常電流波形部154(電流値I3)に切り替えると、以後電流をオフにしなければ、p偏光が続くので、再度の高電流パルス部153を与えなくとも済む。
図18は同相2段ポリゴンを用いる場合の注入電流を説明するための図である。
同図において符号171ないし174は画素に対応する電流波形、175は高電流パルス部、176は低電流パルス部、177は定常電流部をそれぞれ示す。
電流波形は、感光体37bへの画像信号となる電流波形171、173と、感光体37aへの画像信号となる電流波形172、174とからなる。
電流波形171、173は、対応する画素の階調が0.5、1の場合を示しており、電流波形172、174も順に階調0.5、1の場合を示している。電流波形171、173では偏光双安定領域の上限を超える高電流パルス部175(電流値I2)ののちに偏光双安定領域で維持する定常電流波形部177(電流値I3)で構成される。上述のとおり、この場合、s偏光が発振するため、同相二段ポリゴンミラーの下段ミラーを介して感光体37bへビームが届く。一方、電流波形172は実質0の強度ののちに偏光双安定領域を維持する定常電流部177のみであるため、p偏光が発振し、上段ポリゴンミラーをへて感光体37aに到達する。電流波形174は、偏光双安定領域の下限を下回る低電流パルス部176(電流値I1)と偏光双安定領域を維持する定常電流部177からなり、s偏光が発振されることになる。なお、偏光双安定領域の下限を下回る低電流パルス部176(電流値I1)は光強度が0になるまで下げても良い。
本構成では、位相付き二段ポリゴンミラーに比べて作製しやすい同相二段ポリゴンミラーを用いるため、低コスト化に有利である。
以上の各実施形態において、高密度化や高速化のために偏光双安定VCSELは1次元もしくは2次元のアレイ構造としてもよい。
図19は他の実施形態を説明するための図である。
同図において符号82はPBS、83は全反射鏡等の偏向手段、84はポリゴンミラーをそれぞれ示す。
これまでの実施形態では、図4に示したように、偏光分離手段によって偏光分離された光束(s偏光)が、2段ポリゴンミラーの回転軸に平行な方向に向かっていた。
本実施形態では、図19に示すように、偏光分離された光束(s偏光)が、2段ポリゴンミラーの回転軸に直交する方向に向くように設定されている。そして、p偏光とs偏光の分離距離は、それぞれの光束がポリゴンミラーの相異なる2つの面に入射できる距離となるように設定する。相異なる面とは、ポリゴンを構成する面数によって異なるが、例えば、4面ポリゴンであれば互いに隣接する面となり、6面ポリゴンであれば、同図に示すように1つ間を空けて隣接する面となる。
同図において、VCSELからなる光源1a、PBS82a、偏向手段83aとポリゴンミラー84の組み合わせ(これをAの系と呼ぶ)について説明する。
光源1aから出射された画像情報を担った光束は、PBS82aに入射し、偏光分離されて、PBS82aにとってP偏光であれば、直進してポリゴンミラー84に到りポリゴンの回転に伴う偏向走査が感光体1に対して行われ、PBS82aにとってs偏光であれば、反射されて偏向手段83aに入射し、偏向されてポリゴンミラー84に到りポリゴンの回転に伴う偏向走査が感光体2に対して行われる。この系だけで見ればポリゴンは1段で足りる。すなわち、同一のポリゴンにより走査を行っても、感光体を配置する位置がポリゴンを挟んで互いに逆側にあるため、fθレンズその他の光学系を配置する場合に互いの干渉が生じない。ただし、感光体1と感光体2では走査方向が逆となり、ポリゴンミラーの回転方向が同図のように時計回りであったとすると、感光体1では同図において下から上の方向に走査され、感光体2では逆に上から下に走査される。したがって、それらの画像を重ね合わせで1つの多色画像を構成する場合は走査線の向きの違いを考慮した配置が必要になる(図9参照)。
図19において光源1b、PBS82b、偏向手段83bとポリゴンミラー84の組み合わせ(これをBの系と呼ぶ)は、上述のAの系とポリゴンの回転中心に関して対称である点以外は同様なので、詳細な説明は省略する。
Aの系とBの系を同図のように併用した場合、1度に4つの感光体を走査することが可能になる。ただし、光学系の配置に関し、互いの干渉を避けるためポリゴンミラーを2段にすることが好ましい。例えば、Aの系を上の段に対応させ、Bの系を下の段に対応させても良い。このように配置すると、ポリゴンに対し同じ側に配置する光学系の一部を共用させることができる。いずれの場合においても、走査線の走査方向が互いに逆になる分を補正する工夫の必要性は変わらない。
6面体のポリゴンミラーを用いる配置では、同じ1つの光源から異なる感光体を走査するとき、走査開始のタイミングは必ずしも一致するとは限らない。しかし、同一の光源から同時に異なる感光体を走査するタイミングが必ずあるので、このときの光源の画像情報による変調は図18に示したように、1画素毎に偏光方向を切り替える方法が使用される。
これまでの実施形態に記載の光走査装置で、偏光分離素子はPBSと偏向プリズム(またはミラー)とで構成しているが、これらの組み合わせだけに限らず、偏光依存性回折格子を二枚用いたり、偏光依存性回折格子とミラー(または偏向プリズム)を用いることも可能である。
図20は走査線端を検出する手段を設けた画像形成装置主要部を示す図である。
偏光双安定領域の上限と下限は温度によって変化することが知られている(非特許文献 Optical and Quantum Electronics, 19 (1987), S94 参照。)。このため、偏光双安定VCSELを高精度に温度調整することで偏光を正しく切り替えることができる。ただし、画像信号によってVCSEL活性層の温度変化量が変わるため、常に高精度な温度制御をすることは困難である。
そこで、本実施形態ではVCSELの温度調整を不要、もしくは、簡略な温度調整であっても偏光の切り替えが確実に行なうことのできる手段を具備する光走査装置について説明する。
図21は温度変化を補正するための検出器出力とその信号処理を説明する図である。同図(a)は検出器に入射するタイミングにおける光源注入電流の変化、同図(b)は検出器への入力信号、同図(c)は検出器信号を微分した信号をそれぞれ示す。
感光体37bの近傍に検出器としての受光素子91bが配置される。まず、感光体37bの画像信号の書込みが終わると、同図(a)に示すように、偏光双安定領域を確実に越えるだけの注入電流101でs偏光を発振させる。その後、後述のタイミング信号を受けて、所定の電流波形102を印加する。本実施例では、走査光が受光素子91bを外れる前に完結する三角波となる波形102とした。受光素子91bに光が到達すると同図(b)のように受光信号が得られる。この信号の時間微分波形が同図(c)である。光が到達した瞬間、微分波形ではパルス103が得られる。このパルス103をタイミング信号に利用し、注入電流波形101を終了させ次の波形102を開始させる。電流波形102は偏光双安定領域を往復で横切るような波形である。受光信号の微分波形をみると、パルス103以外には、電流波形101が終了するとき(104)と、偏光双安定領域の上限を越える瞬間(105)と、偏光双安定領域の下限を下回る瞬間(106)の3箇所でパルス波形が得られる。このうちパルス104からパルス105までの時間T1と、パルス104からパルス106までの時間T2を計測することによって、入力した三角波形との関係から、偏光双安定領域の上限と下限の電流値を推定することができる。この領域内に入るように、例えば、上限値と下限値の平均値を定常電流値I3に設定することで、偏光双安定領域を維持することが出来る。
さらに、偏光双安定VCSELを温度調整している場合には、上記の電流推定値から、偏光双安定領域の変動を低減するように温度調整素子へのフィードバック量を発生することも可能となる。なお、受光素子91bは感光体37bの光走査を終えた後となる位置に配置したが、感光体37bを走査する直前の位置92b(図20 参照)に配置しても良い。
図22は温度変化を補正するための検出器出力とその信号処理の他の方法を説明する図である。
p偏光、すなわち感光体37aの近傍に配置した受光素子の場合について説明する。図20のように、受光素子は光走査開始付近92aまたは光走査終了付近91aのどちらかに配置する。光走査のビームが受光素子(91a、または92a)に照射される前に偏光双安定領域を越えないレベル(p偏光)でVCSELを発振させておく(図22の波形111)。受光素子にビームが届くと同図(b)の受光信号が得られる。これを時間微分した波形(c)でパルス112をタイミング信号に利用する。このタイミング信号を受けて、VCSEL注入電流に三角波形102をあたえる。時間微分波形は電流波形102が開始されたとき(113)、s偏光からp偏光に切り替ったとき(偏光双安定領域の上限を超える瞬間)(114)、p偏光からs偏光に切り替ったとき(偏光双安定領域の下限を下回る瞬間)(115)の3箇所でパルスが発生する。パルス113からパルス114までの時間T1、および、パルス113からパルス115までの時間を計測することによって前記と同様に偏光双安定領域の上限と下限の電流値を推定することができる。したがって、安定した偏光スイッチングができ、高品質の画像を安定して出力できる。
受光素子91a,91b,92a,92bのうち一つを用いることで、偏光双安定領域を維持するための注入電流の定常電流値を設定しつづけることが出来る。さらに、受光素子を2個(91a,91b、もしくは、92a,92b)使用することによって、各感光体用の走査ビーム毎に定常電流値を設定しつづけることができ、より信頼性の高い光走査装置を提供できる。
図15ないし図22で説明した各実施形態は、図13、14で示した画像形成装置に適用することができる。
それによって、用いる光源数を従来に比べて半減しながら、波面収差の生じない高品質の画像形成が可能となる。
本発明の本発明の光源であるVCSELの基本構造を説明する図である。 VCSELの動作サイクルを説明するための図である。 VCSELを光源とする光走査装置を説明するための図である。 直交する偏光方向の光を2方向に切り替える原理説明図である。 本発明を4本の感光体を用いる画像形成装置に適用する例を説明するための平面図である。 VCSELのドライブ方法(注入電流波形)の例を示す概念図である。 1画素の露光時間内で偏光スイッチングをする場合の説明図である。 ガルバノミラーを往動作・復動作ともに利用するときの走査線の問題を説明するための模式図である。 一方の走査線傾きを他方の走査線傾きに一致させた例を示す図である。 露光のデューティ比を変えたときの波形例を示図である。 露光のデューティ比を変える他の実施例を説明するための図である。 本発明の光走査装置の他の実施形態を説明するための図である。 本発明の光走査装置を用いたタンデム型のカラー画像形成装置を説明するための図である。 他の実施形態の光走査装置を用いたタンデム型画像形成装置の光路を説明するための図である。 説明の都合で図2を簡略化して示した図である。 光走査装置のVCSEL1への他の注入電流波形例を示す図である。 場合によってパルスが省略できる例を説明するための図である。 同相2段ポリゴンを用いる場合の注入電流を説明するための図である。 他の実施形態を説明するための図である。 走査線端を検出する手段を設けた画像形成装置を示す図である。 温度変化を補正するための検出器出力とその信号処理を説明する図である。 温度変化を補正するための他の方法を説明する図である。
符号の説明
11 光源
12 偏光分離素子
14 偏向素子
16 結像光学系
17、22、66、70 感光体
31 VCSEL
65 PBS
Ta 一方の偏光方向の発振に割り振る時間
Tb 他方の偏光方向の発振に割り振る時間
Tt 1走査線に要する時間を1走査線の画素数で割った時間
121、153、175 高電流パルス部
122、176 低電流パルス部
123、154、177 定常電流部

Claims (28)

  1. 互いに直交する2つの独立した偏光のレーザ光が双安定的に発振し得る半導体レーザ光源と、
    該光源の注入電流をそれぞれの偏光に対応させた2つの画像からの画像信号に応じて駆動するためのドライバと、
    前記レーザ光を受け入れ、該レーザ光の偏光方向に応じて出射位置を異ならせるための偏光分離手段と、
    前記レーザ光を偏向するための偏向素子と、前記偏向素子に偏向されたレーザ光を所望の位置に結像させるための結像光学系と、を有する光走査装置において、
    前記ドライバは、前記光源の発振が双安定になる注入電流領域の下限値より小さく且つ発振のしきい値電流より大きい任意の注入電流値I1と、前記双安定になる注入電流領域の上限値より大きい任意の注入電流値I2を、前記2つの画像に割り当て、該2つの画像に応じて前記光源に対する注入電流値を前記注入電流値I1と前記注入電流値I2のいずれかに切り替えることによって、前記偏光分離手段への入射光の偏光方向を切り替え、且つ、前記注入電流値I1と、前記注入電流値I2による偏光の光強度の差を、前記偏光分離手段の分離比率の選定によって低減させることを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1に記載の光走査装置において、前記ドライバは、画像信号が論理値0のとき出力を0とし、論理値1のとき前記注入電流値I1若しくは前記注入電流値I2を出力するパルス列を生成し、該パルス列は、前記2つの画像の一方の画像からの画像信号に割り当てる時間帯Taと、他方の画像からの画像信号に割り当てる時間帯Tbとを交互に配列してなることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項2に記載の光走査装置において、前記時間帯Taと前記時間帯Tbは共に前記画像の1走査線の描画に相当する時間であることを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項2に記載の光走査装置において、前記時間帯Taと前記時間帯Tbの和は前記画像信号の1画素分に相当する時間であることを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項2に記載の光走査装置において、前記時間帯Taと前記時間帯Tbの和は前記画像信号の1画素分に相当する時間を任意数に等分割したパルス幅に相当する時間であることを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項2に記載の光走査装置において、前記注入電流値I1と、前記注入電流値I2による偏光の光強度の差を、該注入電流値I2による偏光に対応する光路中に配置された光減衰手段によって低減させることを特徴とする光走査装置。
  7. 互いに直交する2つの独立した偏光のレーザ光が双安定的に発振し得る半導体レーザ光源と、
    該光源の注入電流をそれぞれの偏光に対応させた2つの画像からの画像信号に応じて駆動するためのドライバと、
    前記レーザ光を受け入れ、該レーザ光の偏光方向に応じて出射位置を異ならせるための偏光分離手段と、
    前記レーザ光を偏向するための偏向素子と、
    前記偏向素子に偏向されたレーザ光を所望の位置に結像させるための結像光学系と、を有する光走査装置において、
    前記ドライバは、前記光源の発振が双安定になる注入電流領域の下限値より小さく且つ発振のしきい値電流より大きい任意の注入電流値I1と、前記双安定になる注入電流領域の上限値より大きい任意の注入電流値I2を、前記2つの画像に割り当て、該2つの画像に応じて前記光源に対する注入電流値を前記注入電流値I1と前記注入電流値I2のいずれかに切り替えることによって、前記偏光分離手段への入射光の偏光方向を切り替え、
    前記ドライバは、画像信号が論理値0のとき出力を0とし、論理値1のとき前記注入電流値I1若しくは前記注入電流値I2を出力するパルス列を生成し、
    該パルス列は、前記2つの画像の一方の画像からの画像信号に割り当てる時間帯Taと、他方の画像からの画像信号に割り当てる時間帯Tbとを交互に配列してなり、
    前記時間帯Taと前記時間帯Tbの和は前記画像信号の1画素分に相当する時間であり、
    前記注入電流値I1と、前記注入電流値I2による偏光の光強度の差を、該注入電流値I1に対応する時間帯と、該注入電流値I2に対応する時間帯の時間幅を、光強度の逆比に設定することによって低減させることを特徴とする光走査装置。
  8. 互いに直交する2つの独立した偏光のレーザ光が双安定的に発振し得る半導体レーザ光源と、
    該光源の注入電流をそれぞれの偏光に対応させた2つの画像からの画像信号に応じて駆動するためのドライバと、
    前記レーザ光を受け入れ、該レーザ光の偏光方向に応じて出射位置を異ならせるための偏光分離手段と、
    前記レーザ光を偏向するための偏向素子と、
    前記偏向素子に偏向されたレーザ光を所望の位置に結像させるための結像光学系と、を有する光走査装置において、
    前記ドライバは、前記光源の発振が双安定になる注入電流領域の下限値より小さく且つ発振のしきい値電流より大きい任意の注入電流値I1と、前記双安定になる注入電流領域の上限値より大きい任意の注入電流値I2を、前記2つの画像に割り当て、該2つの画像に応じて前記光源に対する注入電流値を前記注入電流値I1と前記注入電流値I2のいずれかに切り替えることによって、前記偏光分離手段への入射光の偏光方向を切り替え、
    前記ドライバは、画像信号が論理値0のとき出力を0とし、論理値1のとき前記注入電流値I1若しくは前記注入電流値I2を出力するパルス列を生成し、
    該パルス列は、前記2つの画像の一方の画像からの画像信号に割り当てる時間帯Taと、他方の画像からの画像信号に割り当てる時間帯Tbとを交互に配列してなり、
    前記時間帯Taと前記時間帯Tbの和は前記画像信号の1画素分に相当する時間を任意数に等分割したパルス幅に相当する時間であり、
    前記注入電流値I1と、前記注入電流値I2による偏光の光強度の差を、該注入電流値I1に対応する時間帯と、該注入電流値I2に対応する時間帯の時間幅を、光強度の逆比に設定することによって低減させることを特徴とする光走査装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記光源はレーザ光を発生する少なくとも1層の活性層と、該活性層の周囲に設けられ少なくとも1種類の材料からなるスペーサ層とを含む共振領域と、該共振領域の上部および下部に設けられた上部反射鏡および下部反射鏡とが積層膜として形成され、該積層膜が矩形のメサ形状に加工された面発光型半導体レーザを基本構成とすることを特徴とする光走査装置。
  10. 請求項9に記載の光走査装置において、
    前記光源は前記基本構成の面発光型半導体レーザが1次元または2次元に配列されたアレイ状光源であることを特徴とする光走査装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記偏向素子は回転多面鏡であることを特徴とする光走査装置。
  12. 請求項11に記載の光走査装置において、
    前記回転多面鏡は回転軸方向に多段に構成されていることを特徴とする光走査装置。
  13. 請求項1ないし10のいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記偏向素子はガルバノミラーまたは圧電素子からなる光走査素子であることを特徴とする光走査装置。
  14. 請求項1ないし13のいずれか1つに記載の光走査装置の2組が前記偏向素子を共有してなることを特徴とする光走査装置。
  15. 複数の感光体と、光走査手段と、それぞれの感光体に対応する複数の現像手段と、転写手段と、定着手段と、を有する画像形成装置において、
    前記光走査手段は請求項1ないし14のいずれか1つに記載の光走査装置であることを特徴とする画像形成装置。
  16. 互いに直交する2つの独立した偏光のレーザ光が双安定的に発振し得る半導体レーザ光源と、
    該光源の注入電流をそれぞれの偏光に対応させた2つの画像からの画像信号に応じて駆動するためのドライバと、
    前記レーザ光を受け入れ、該レーザ光の偏光方向に応じて出射位置を異ならせるための偏光分離手段と、
    前記レーザ光を偏向するための偏向素子と、
    前記偏向素子に偏向されたレーザ光を所望の位置に結像させるための結像光学系と、を有する光走査装置において、
    前記ドライバは、前記光源の発振が双安定になる注入電流領域の上限を超える注入電流値I2のパルスを発生させることにより、一方の偏光の発振を開始させる機能と、少なくとも該一方の偏光が発振中に他方の偏光の発振に切り替えるときは、前記双安定になる注入電流の下限を下回る注入電流値I1のパルスを発生させることにより、他方の偏光の発振を開始させる機能と、前記光源が発振を開始した後は前記双安定になる注入電流領域内の注入電流値I3を注入する機能と、を有することを特徴とする光走査装置。
  17. 請求項16に記載の光走査装置において、
    前記パルスは、前記光源が所望の偏光を発振可能なパルス幅以上であって、画像の1画素に必要な光強度時間積分量の3分の1以下であることを特徴とする光走査装置。
  18. 請求項16または17に記載の光走査装置において、
    前記光源はレーザ光を発生する少なくとも1層の活性層と、該活性層の周囲に設けられ少なくとも1種類の材料からなるスペーサ層とを含む共振領域と、該共振領域の上部および下部に設けられた上部反射鏡および下部反射鏡とが積層膜として形成され、該積層膜が矩形のメサ形状に加工された面発光型半導体レーザを基本構成とすることを特徴とする光走査装置。
  19. 請求項18に記載の光走査装置において、
    前記光源は前記基本構成の面発光型半導体レーザが1次元または2次元に配列されたアレイ状光源であることを特徴とする光走査装置。
  20. 請求項16ないし19のいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記偏向素子は回転多面鏡であることを特徴とする光走査装置。
  21. 請求項20に記載の光走査装置において、
    前記回転多面鏡は回転軸方向に2段に構成され、それぞれの段には前記偏光方向の異なるレーザ光をそれぞれ対応させることを特徴とする光走査装置。
  22. 請求項21に記載の光走査装置において、
    前記2段の回転多面鏡は反射面の配置が互いに同相に配置され、前記偏光方向の異なるレーザ光を1画素単位で切り替えることを特徴とする光走査装置。
  23. 請求項21に記載の光走査装置において、
    前記2段の回転多面鏡は反射面の配置が互いに1走査線周期の2分の1の位相差を持たせて配置され、前記偏光方向の異なるレーザ光を1走査線単位で切り替えることを特徴とする光走査装置。
  24. 請求項16ないし19のいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記偏向素子はガルバノミラーまたは圧電素子からなる光走査素子であることを特徴とする光走査装置。
  25. 請求項20ないし24のいずれか1つに記載の光走査装置の2組が前記偏向素子を共有してなることを特徴とする光走査装置。
  26. 請求項20に記載の光走査装置において、
    前記偏光分離手段は偏光分離方向が前記回転多面鏡の回転軸に直交する方向であることを特徴とする光走査装置。
  27. 複数の感光体と、光走査手段と、それぞれの感光体に対応する複数の現像手段と、転写手段と、定着手段と、を有する画像形成装置において、
    前記光走査手段は請求項16ないし26のいずれか1つに記載の光走査装置であることを特徴とする画像形成装置。
  28. 請求項27に記載の画像形成装置において、
    前記レーザ光が前記感光体を外れた位置に受光素子を置き、前記レーザ光が該受光素子を走査する時間帯に前記双安定になる注入電流領域の下限と上限の電流値間を往復する注入電流波形を前記光源に与え、前記受光素子からの受光信号を処理することによって、前記注入電流値I3の値を補正することを特徴とする画像形成装置。
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