以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明が適用される電子写真式の画像形成装置の構成例を示す概略図である。画像形成装置1は、大きくは、画像読取装置2と、画像形成部3と、用紙搬送装置4とを備えた構成となっている。
画像読取装置2は、原稿の画像を読み取るものである。画像形成部3は、画像読取装置2によって読み取られた原稿の画像データや外部の端末装置(例えば、パーソナルコンピュータ)から送られた画像データに基づいて、記録媒体となる用紙に画像を形成(印刷)するものである。用紙搬送装置4は、画像の印刷に使用される用紙を搬送するものである。画像読取装置2は、画像形成装置本体5の上部に設けられている。画像形成部3は、画像形成装置本体5の内部に設けられている。用紙搬送装置4は、一部を除いて画像形成装置本体5の内部に設けられている。なお、画像形成装置1で画像の印刷に使用される用紙の種類には、紙製のシートやプラスチック製のシート(例えば、OHPシートなど)の他にも、封筒が含まれる。封筒は、先述したとおり、正面視長方形をなす袋状の封筒本体と、この封筒本体の端(一辺)に設けられた折り返し部とを一体に有するものである。
画像読取装置2は、自動原稿搬送装置6を搭載する原稿押さえ部材7と、画像読取部8とを備えている。自動原稿搬送装置6は、被読取媒体となる原稿を1枚ずつ読取位置を経由するように搬送するものである。原稿押さえ部材7は、原稿台にセットされた原稿を上から押さえるもので、画像形成装置本体5の最上部に開閉自在に設けられている。画像読取部8は、原稿台にセットされた原稿の画像や自動原稿搬送装置6によって読取位置に搬送された原稿の画像を光学的に読み取るもので、例えば図示しない光源、ミラー、レンズ、撮像素子等を用いて構成される。
画像形成部3は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応する4つの感光体ドラム9,10,11,12と、各々の感光体ドラム9〜12に対応する4つの一次転写ロール13,14,15,16と、中間転写体となる無端状の中間転写ベルト17とを備えた4連タンデム式のマシン構成となっている。
各々の感光体ドラム9〜12の周囲には、帯電器、潜像形成装置、現像器、クリーナー等が配置されている。帯電器は、感光体ドラムの表面を一様に帯電するものである。潜像形成装置は、帯電器によって帯電された感光体ドラムの表面をレーザ光で露光走査することにより、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成するものである。現像器は、二成分現像剤に含まれるトナーを感光体ドラムの表面に供給することにより、静電潜像をトナー画像に現像するものである。クリーナーは、感光体ドラムに残留する不要なトナーを除去するものである。
一次転写ロール13〜16は、それぞれに対応する感光体ドラム9〜12の近傍に中間転写ベルト17を介して対向する状態に配置されている。これらの一次転写ロール13〜16は、上述のように感光体ドラム9〜12に形成されたトナー画像を中間転写ベルト17に転写(一次転写)するものである。
中間転写ベルト17は、像保持体として設けられたものである。中間転写ベルト17は、複数のベルト支持ロールによってループ状に支持されている。中間転写ベルト17のループ途中には転写部18が設けられている。中間転写ベルト17は、当該中間転写ベルト17の走行経路上で反時計回り方向に走行するものとなっている。転写部18は、中間転写ベルト17から用紙に画像の転写が行なわれる部分である。転写部18は、一方のロールを二次転写ロールとし、他方のロールをベルト支持ロールとして、中間転写ベルト17を挟み込む一対のロールを用いて構成されている。二次転写ロールは、前述のように中間転写ベルト17に形成されたトナー画像を用紙に転写(二次転写)するものである。
また、画像形成部3は定着部19を有している。定着部19は、転写部18で用紙に転写されたトナー画像を定着させるものである。定着部19は、例えば一方のロールをヒータ内蔵の加熱ロールとし、他方のロールを加圧ロールとした一対のロールを用いて構成されている。
用紙搬送装置4は、上下に多段に配置された4つの用紙収容部21,22,23,24と、各々の用紙収容部21〜24から用紙を給紙する給紙部25と、給紙部25によって給紙された用紙を下から上に向けて垂直に搬送する垂直搬送部26と、垂直搬送部26によって搬送された用紙を転写時刻に合わせて転写部18に送り込むレジスト部27と、転写部18を通過した用紙を定着部19に送り込むバキューム搬送部28と、定着部19から送り出された用紙をスイッチバックで反転させる反転搬送部29と、反転搬送部29で反転させた用紙を再び給紙するために搬送する再給紙搬送部30と、片面印刷又は両面印刷を終えた用紙を排出する排出部31と、排出部31で排出された用紙を積載状態で収容する排出収容部32と、画像の印刷に使用する用紙を手差しで供給するための手差し供給装置33とを備えている。このうち、レジスト部27は、一対のレジストロールを用いて構成され、排出部31は、一対の排出ロールを用いて構成されている。反転搬送部29及び再給紙搬送部30は、両面印刷用搬送部として設けられたものである。
次に、上記構成からなる画像形成装置1の基本的な動作について説明する。
先ず、画像読取装置2によって原稿の画像が読み取られると、これによって得られた画像データを基に画像形成部3でトナー画像が形成される。画像形成部3では、4つの感光体ドラム9〜12を回転駆動しつつ、それぞれに対応する帯電器、潜像形成装置、現像器によって各感光体ドラム9〜12の表面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー画像が形成される。このように形成された各色のトナー画像は、一次転写ロール13〜16によって順次、中間転写ベルト17に重ね転写される。これにより、中間転写ベルト17には、4色のトナーを重ね合わせた多色(フルカラー)のトナー画像が形成される。このように中間転写ベルト17に形成されたトナー画像は、当該中間転写ベルト17に保持されて転写部18に送り込まれる。ここではカラー印刷の場合を想定しているが、白黒印刷の場合はブラックのトナー画像だけを中間転写ベルト17に転写することになる。
一方、画像形成装置1の操作パネル等を用いて使用者により選択された用紙や、自動選択機能によって選択された用紙、あるいは手差し供給装置33から供給された用紙は、予め設定された転写時刻に転写部18に到達するように、当該転写時刻に合わせてレジスト部27から転写部18へと送り込まれる。例えば、使用者が選択した用紙が最上段の用紙収容部21に収容された用紙であるとすると、この用紙収容部21から給紙部25によって用紙が給紙されるとともに、当該給紙された用紙が垂直搬送部26を経由してレジスト部27に送り込まれる。
レジスト部27は、転写部18よりも用紙搬送方向の上流側に配置されている。このレジスト部27においては、例えば、回転停止状態とされたレジストロールの接触部分(ニップ部)に用紙の先端を突き当てるとともに、この突き当て状態で垂直搬送部26により所定量だけ用紙を搬送してから、当該用紙の搬送を一時停止させることにより、用紙をループ状に撓ませる。これにより、用紙の先端がレジストロールの回転軸と平行になるように、用紙の斜行が補正される。その後、上記転写時刻に合わせてレジストロールの回転を開始することにより、レジスト部27から転写部18へと用紙を送り込む。
一方、各々の一次転写ロール13〜16によって中間転写ベルト17に転写されたトナー画像は、当該中間転写ベルト17の回転にしたがって転写部18へと送り込まれる。このとき、予め設定された転写時刻でトナー画像が転写部18に到達するように、各々の感光体ドラム9〜12に対する静電潜像の書き込み開始時刻が制御される。
中間転写ベルト17に保持されたトナー画像は、転写部18で用紙に転写(二次転写)される。その後、用紙はバキューム搬送部28によって定着部19に送られ、そこでトナー画像の定着処理が施される。これ以降の動作は、画像形成モードが片面印刷モードの場合と両面印刷モードの場合で異なる。
片面印刷モードとは、用紙の片面に画像を印刷する場合に適用される画像形成モードである。両面印刷モードとは、用紙の両面に画像を印刷する場合に適用される画像形成モードである。片面印刷モードで動作する場合は、上述のように定着器19でトナー画像の定着処理を行なった用紙を、排出部31から排出収容部32へと排出する。
両面印刷モードで動作する場合は、片面印刷を終えた用紙を反転搬送部29に送り込んだ後、再給紙搬送部30を経由して再びレジスト部27に用紙を送り込む。したがって、反転搬送部29及び再給紙搬送部30は、用紙の両面に画像を印刷するための搬送部となる。以降は、片面印刷の場合と同様の手順で用紙にトナー画像を転写・定着した後、用紙の排出を行なう。また、定着部19から送り出された用紙の表裏を反転して排出する場合は、定着部19から反転搬送部29を経由して排出部31へと用紙を送り出す。
図2は本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御構成の一例を示すブロック図である。
画像形成制御部41は、画像形成装置1全体の処理動作を統括的に制御するものである。画像形成制御部41には、操作パネル42と、画像処理部43と、用紙検知センサ44と、給紙用モータ45と、搬送用モータ46と、反転用モータ47と、再給紙用モータ48と、搬送路切り替え用ソレノイド49とが接続されている。
操作パネル42は、画像形成装置1を使用する使用者が各種の情報を入力したり、使用者に対して各種の情報を表示したりするためのインターフェースとなるものである。操作パネル42は、例えば、各種のボタン、スイッチ、キー等を有する入力部と、タッチパネル付きの液晶ディスプレイからなる表示部とによって構成されるものである。
画像処理部43は、画像読取装置2によって読み取られた原稿の画像データや、外部の端末装置から送られた画像データに対して、所定の画像処理を施すことにより、当該画像データを印刷用のデータに変換するものである。
用紙検知センサ44は、用紙搬送装置4が備える用紙搬送路上で用紙の通過(先端通過、後端通過)を検知するものである。用紙検知センサ44は、用紙搬送路の適所に分散して設けられている。図1においては、そのうちの3つの用紙検知センサ44A,44B,44Cだけを表記している。用紙検知センサ44Aは、レジスト部27の手前(上流側)に設けられ、用紙検知センサ44Bは、転写部18の手前に設けられている。用紙検知センサ44Cは、再給紙搬送部30の下流側に設けられている。
用紙検知センサ44は、例えば発光素子と受光素子を同一のセンサ面に設けた反射型のフォトセンサからなるもので、センサ面と近接して対向する位置(以下、「センサ検知位置」と記す)に用紙が存在するときはオン状態となり、用紙が存在しないときはオフ状態となる。したがって、用紙検知センサ44は、センサ検知位置を用紙の先端が通過した際にはオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、センサ検知位置を用紙の後端が通過した際にはオン状態からオフ状態に切り替わる。ちなみに、用紙の先端とは、用紙搬送路上で用紙搬送方向の下流側を向いて配置される用紙端をいい、用紙の後端とは、用紙搬送路上で用紙搬送方向の上流側を向いて配置される用紙端をいう。
給紙用モータ45は、画像形成装置本体5内の各用紙収容部21〜24から用紙を個別に給紙するための駆動源となるものである。搬送用モータ46は、各々の用紙収容部21〜24から給紙された用紙や手差し供給装置33から供給された用紙を、垂直搬送部26、レジスト部27、転写部18、バキューム搬送部28を順に経由して、定着部19へと搬送するための駆動源となるものである。反転用モータ47は、反転搬送部29で用紙を反転させるための駆動源となるものである。再給紙用モータ48は、再給紙搬送部30で用紙を搬送するための駆動源となるものである。各々のモータ45,46,47,48は、必要に応じて複数個ずつ設けられるものである。また、搬送用モータ46は、レジスト部27の駆動源となるレジモータを含むものである。
搬送路切り替え用ソレノイド49は、用紙搬送路が分岐する部分(定着部19の下流側)で、用紙の進行方向を切り替えるための駆動源となるものである。
<第1実施形態>
図3は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の処理動作を示すフローチャートである。このフローチャートは両面印刷モードで適用されるものである。ここでは、両面印刷で使用される用紙(封筒を含む)の表裏面のうち、画像形成装置1が最初に画像を印刷しようとする面を「第1面」とし、それと反対側の面を「第2面」と定義する。
まず、画像形成制御部41は、操作パネル42で用紙の種類と寸法(サイズ)を指定するための入力操作を使用者から受け付ける(ステップS1)。
図4は操作パネル42の表示部に表示される操作画面の一例を示している。この操作画面では、用紙の種類として、「普通紙」、「厚紙1」、「厚紙2」、「OHP」、「薄紙」、「封筒」の中から、いずれか1つ(1種)を使用者が入力操作によって指定(選択)できるようになっている。ここでは、使用者が、用紙の種類として「封筒」を指定し、用紙(封筒)のサイズとして定型の「長形3号」を指定したものと仮定する。
次に、画像形成制御部41は、使用者が操作パネル42で印刷開始を指示すると、上記ステップS1で指定された種類の用紙、すなわち封筒の搬送を開始して、当該封筒の第1面に画像を印刷(転写・定着)する(ステップS2)。
例えば、使用者が指定した用紙が、最上段の用紙収容部21に収容された封筒であるとすると、この用紙収容部21から給紙部25によって封筒を給紙した後、垂直搬送部26を経由して封筒をレジスト部27に送り込む。この場合、用紙収容部21から給紙される封筒は、折り返し部と反対側の端部を用紙搬送方向の下流側(垂直搬送部26では上側)に向けて搬送されるものとする。そうした場合、レジスト部27では、例えば、封筒の到達に先立って回転停止状態とされたレジストロールへの突き当てによって封筒の斜行を補正した後、予め設定された転写時刻に合わせてレジストロールの回転を開始する。こうして画像形成制御部41は、予め設定された転写時刻に封筒を転写部18に到達させるように制御する。
転写部18に封筒が到達する時刻とは、中間転写ベルト17と二次転写ロールとの接触部分に封筒の先端が到達する時刻をいう。また、封筒の先端とは、他の種類の用紙と同様に、用紙搬送路上で用紙搬送方向の下流側を向いて配置される封筒の端部をいい、その反対側、すなわち用紙搬送路上で用紙搬送方向の上流側を向いて配置される封筒の端部が、封筒の後端となる。
一方、印刷の対象となる画像データは、画像処理部43で画像処理された後、潜像形成装置に送られて、レーザ光の露光走査を制御するための駆動信号として利用される。その場合、潜像形成装置による静電潜像の書き込み開始時刻は、当該書き込み開始時刻で書き込みを開始した静電潜像をトナー画像に現像し、このトナー画像を中間転写ベルト17に保持して転写部18へと送り込んだときの、転写部18に対するトナー画像の到達時刻を決定するものとなる。
転写部18にトナー画像が到達する時刻とは、中間転写ベルト17と二次転写ロールとの接触部分にトナー画像の先端が到達する時刻をいう。また、トナー画像の先端とは、中間転写ベルト17の走行経路上でベルト走行方向の下流側を向いて配置されるトナー画像の端部をいい、その反対側、すなわち中間転写ベルト17の走行経路上でベルト走行方向の上流側を向いて配置されるトナー画像の端部が、トナー画像の後端となる。
封筒の第1面に画像を形成する段階では、封筒本体の狙いとする位置(使用者が意図する位置)に正確にトナー画像を転写するために、転写部18に対して封筒とトナー画像を同時に到達させる必要がある。したがって、画像形成制御部41は、中間転写ベルト17に保持されたトナー画像とこのトナー画像を転写すべき封筒を同じ転写時刻に転写部18に到達させるように制御する。
次に、画像形成制御部41は、レジスト部27から転写部18へと搬送される用紙(本形態例では封筒)の通過に伴ってオンオフ状態が変化する用紙検知センサ44Bの検知信号に基づいて、用紙の長さを検出する(ステップS3)。この場合、用紙搬送方向の封筒の長さを「L(mm)」とし、用紙検知センサ44Bの検知位置を通過する際の封筒の搬送速度を「V(mm/sec)」で一定とし、用紙検知センサ44Bがオン状態に切り替わってからオフ状態に切り替わるまでの時間を「T(sec)」とすると、封筒の長さは、「L=V×T」の式で求まる。
上述のように第1面にトナー画像が転写された封筒は、その後、定着部19に送られ、そこでトナー画像の定着処理がなされた後、反転搬送部29に取り込まれる。反転搬送部29では、封筒の搬送方向をスイッチバック方式で反転することにより、封筒を再給紙搬送部30に送り込む。このため、再給紙搬送部30で搬送される封筒の先端と後端は、反転前とは入れ替わった状態となる。したがって、再給紙搬送部30の下流側では、封筒の折り返し部が用紙搬送方向の下流側を向いた状態で、封筒が一時停止することになる。
その間、画像形成制御部41は、用紙の種類が封筒で指定されているかどうかを判断する(ステップS4)。用紙の種類が封筒で指定されていない場合は、後述するステップS7に移行し、第1面に画像を印刷する場合と同様の制御条件を適用して第2面に画像を印刷する。
また、用紙の種類が封筒で指定されていれば、画像形成制御部41は、封筒の折り返し部が開いているかどうかを判断する(ステップS5)。具体的には、上記ステップS3で検知した封筒の長さ(以下、「検知長さ」と記す)と、上記ステップS1で指定された封筒の長さ(以下、「指定長さ」と記す)とを比較し、この比較結果に基づいて折り返し部の開閉状態を判別する。
指定長さは、上記図4の操作画面で分かるように、封筒の折り返し部を含まない、封筒本体の長さ(235.0mm)に相当するものとなる。このため、封筒の折り返し部が閉じた状態で搬送されている場合は、検知長さと指定長さがほぼ等しくなり、封筒の折り返し部が開いた状態で搬送されている場合は、用紙搬送方向の折り返し部の長さ相当分だけ、検知長さが指定長さよりも長くなる。
したがって、画像形成制御部41においては、上記所定寸法を、例えば上記折り返し部の長さの1/2相当に設定し、検知長さが指定長さよりも所定寸法以上長い場合は封筒の折り返し部が開いた状態にあると判断し、それ以外の場合は、封筒の折り返し部が閉じた状態にあると判断する。そして、封筒の折り返し部が閉じた状態にあると判断した場合は、封筒の第1面に画像を印刷する場合と同様の制御条件を適用して、ステップS7で封筒の第2面に画像を印刷(転写・定着)する。
これに対して、封筒の折り返し部が開いた状態にあると判断した場合は、画像形成の制御条件として、転写部18に封筒を送り込むときの開始時刻を変更した後(ステップS6)、ステップS7で封筒の第2面に画像を印刷する。これにより、封筒の第1面に画像を印刷する段階と、封筒の第2面に画像を印刷する段階で、画像形成の制御条件が変更される。具体的には、レジスト部(一対のレジストロール)27への突き当てによって一時停止させた封筒を転写部18に送り込むときの開始時刻を次のように変更する。
すなわち、折り返し部が閉じているときに適用する封筒の送り込み開始時刻は、封筒の第1面に画像を形成する場合と同様に上記転写時刻に合わせて設定し、折り返し部が開いているときに適用する封筒の送り込み開始時刻は、折り返し部が閉じているときに適用する時刻よりも早い時刻に設定する。その場合、封筒の送り込み開始時刻をどの程度早くするかは、例えば、上記検知長さと指定長さの差分だけ、封筒(折り返し部)の先端が転写部18に早く到達するように設定する。これにより、封筒の第2面に画像を形成する場合に、折り返し部が開いていても閉じていても、封筒本体の所望の位置に画像が形成されることになる。
図5は両面印刷で封筒の第1面に画像を形成する段階で適用する制御条件を説明するためのもので、(A)は封筒の搬送状態を示し、(B)は画像形成時の設定時刻を示している。まず、図5(A)に示すように、封筒の第1面に画像を形成する段階では、折り返し部102と反対側の封筒端を用紙搬送方向の下流側に向けて封筒100を搬送する。この場合は、図5(B)に示すように、封筒100の先端が用紙検知センサ44Aの検知位置を通過してからレジスト部27に突き当たり、この状態でさらに封筒100を下流側に向けて送り込むことにより、レジスト部27に突き当てた封筒100をループ状に撓ませる。そして、封筒100の先端が用紙検知センサ44Aの検知位置を通過した時刻から所定時間T0が経過した時点で、封筒100の送り込みを停止する。このとき封筒100は、先端がレジスト部27に突き当てられ、所定量Xだけ撓みを形成した状態である。一方、潜像形成装置による静電潜像の書き込みを開始した時刻から所定時間T1が経過すると、その時点でレジスト部27が転写部18に向けて封筒100の送り込みを開始する。これにより、画像形成制御部41は、封筒100の先端と画像の先端が同時に転写部18に到達するように制御する。
なお、図5(A)においては、折り返し部102が開いている状態を示しているが、折り返し部102が閉じている状態でも、図5(B)と同じ制御条件を適用して封筒100第1面に画像を形成することになる。
図6は両面印刷で封筒の第2面に画像を形成する段階の状態として、折り返し部が閉じているときに適用する制御条件を説明するためのもので、(A)は封筒の搬送状態を示し、(B)は画像形成時の設定時刻を示している。まず、図6(A)に示すように、封筒100の第2面に画像を形成する段階では、折り返し部102を用紙搬送方向の下流側に向けて封筒100を搬送する。このとき、折り返し部102が閉じている場合は、図6(B)に示すように、封筒100の先端が用紙検知センサ44Aの検知位置を通過してからレジスト部27に突き当たり、この状態でさらに封筒100を下流側に向けて送り込むことにより、レジスト部27に突き当てた封筒100をループ状に撓ませる。そして、封筒100の先端が用紙検知センサ44Aの検知位置を通過した時刻から所定時間T0が経過した時点で、封筒100の送り込みを停止する。一方、潜像形成装置による静電潜像の書き込みを開始した時刻から所定時間T1が経過すると、その時点でレジスト部27が転写部18に向けて封筒100の送り込みを開始する。これにより、画像形成制御部41は、封筒100の先端と画像の先端が同時に転写部18に到達するように制御する。この場合は、封筒の第1面に画像を形成する場合と同じ制御条件が適用されることになる。
図7は両面印刷で封筒の第2面に画像を形成する段階の状態として、折り返し部が開いているときに適用する制御条件を説明するためのもので、(A)は封筒の搬送状態を示し、(B)は画像形成時の設定時刻を示している。まず、図7(A)に示すように、封筒100の第2面に画像を形成する段階では、折り返し部102を用紙搬送方向の下流側に向けて封筒100を搬送する。このとき、折り返し部102が開いている場合は、図7(B)に示すように、封筒100の先端となる折り返し部102の先端が用紙検知センサ44Aの検知位置を通過してからレジスト部27に突き当たり、この状態でさらに封筒100を下流側に向けて送り込むことにより、レジスト部27に突き当てた封筒100をループ状に撓ませる。そして、折り返し部102の先端が用紙検知センサ44Aの検知位置を通過した時刻から所定時間T0が経過した時点で、封筒100の送り込みを停止する。一方、潜像形成装置による静電潜像の書き込みを開始した時刻から所定時間T2(ただし、T2<T1)が経過すると、その時点でレジスト部27が転写部18に向けて封筒100の送り込みを開始する。これにより、画像形成制御部41は、折り返し部102の先端が画像よりも早く転写部18に到達した後、封筒本体101の先端と画像の先端が同時に転写部18に到達するように制御する。この場合は、封筒の第1面に画像を形成する場合とは、レジスト部27による封筒100の送り込み開始時刻を制御パラメータとして、異なる制御条件が適用されることになる。
図8は封筒の両面印刷で第2面に画像を形成する段階の状態として、折り返し部が開いているときに適用する他の制御条件を説明するためのもので、(A)は封筒の搬送状態を示し、(B)は画像形成時の設定時刻を示している。まず、図8(A)に示すように、封筒100の第2面に画像を形成する段階では、折り返し部102を用紙搬送方向の下流側に向けて封筒100を搬送する。このとき、折り返し部102が開いている場合は、図8(B)に示すように、封筒100の先端となる折り返し部102の先端が用紙検知センサ44Aの検知位置を通過してからレジスト部27に突き当たり、この状態でさらに封筒100を下流側に向けて送り込むことにより、レジスト部27に突き当てた封筒100をループ状に撓ませる。そして、折り返し部102の先端が用紙検知センサ44Aの検知位置を通過した時刻から所定時間T3(ただし、T3<T0)が経過した時点で、封筒100の送り込みを停止する。これにより、封筒100の第2面に画像を形成する段階に適用される封筒100の撓み量は、封筒100の第1面に画像を形成する段階に適用される封筒100の撓み量よりも少なくなる。封筒100の第2面に画像を形成する段階に適用される封筒100の撓み量は、折り返し部102の先端がレジスト部27に突き当たると同時に封筒100の送り込みを停止することにより、実質的に零(斜行補正を行なわない)としてもよい。一方、潜像形成装置による静電潜像の書き込みを開始した時刻から所定時間T2(ただし、T2<T1)が経過すると、その時点でレジスト部27が転写部18に向けて封筒100の送り込みを開始する。これにより、画像形成制御部41は、折り返し部102の先端が画像よりも早く転写部18に到達した後、封筒本体101の先端と画像の先端が同時に転写部18に到達するように制御する。この場合は、封筒の第1面に画像を形成する場合とは、斜行補正のための封筒100の撓み量やレジスト部27による封筒100の送り込み開始時刻を制御パラメータとして、異なる制御条件が適用されることになる。
なお、複数枚の封筒に続けて両面印刷を行なう場合は、封筒ごとに上記同様の処理を繰り返すことになる。
また、封筒の折り返し部が開いているか閉じているかを判別する方法は、操作パネル42を用いて使用者がどのように封筒の寸法情報を指定するかによって異なる。例えば、図9に示すように、使用者が操作パネル42の操作画面上で、用紙の種類を「封筒」で指定したうえで、封筒本体の長さと幅、それに折り返し部の長さを、それぞれ数値で入力する場合は、使用者が指定した封筒の長さ(折り返し部の長さを含む)と、上記ステップS3で用紙検知センサ44Bを用いて検知した封筒の長さとを比較し、両者が等しい場合は封筒の折り返し部が開いていると判断し、そうでない場合(指定長さが検知長さよりも所定寸法以上長い場合)は封筒の折り返し部が閉じていると判断する。
また、図10に示すように、使用者が操作パネル42の操作画面上で、用紙の種類を「封筒」で指定したうえで、封筒本体の長さと幅、それに折り返し部の長さを、それぞれ数値で入力し、かつ封筒セットタイプとして、折り返し部が開いたタイプと閉じたタイプのいずれか一方を指定する場合は、封筒セットタイプの指定にしたがって折り返し部の開閉状態を判別する。さらに、図11に示すように、封筒セットタイプとして、折り返し部の開閉状態の他に、用紙搬送方向(矢印方向)に対する折り返し部の向きを指定する場合も、その指定にしたがって折り返し部の開閉状態を判別する。
特に、図11の操作画面では、例えば最上段の用紙収容部21に封筒をセットするときに適用する封筒セットタイプとして、4つのタイプが用意されている。第1のタイプ(左上のタイプ)は、封筒の折り返し部を閉じた状態で、折り返し部と反対側の封筒端が用紙搬送方向(図中矢印方向)の下流側を向くように給紙される封筒のセット方向である。第2のタイプ(左下のタイプ)は、封筒の折り返し部を閉じた状態で、折り返し部が用紙搬送方向の下流側を向くように給紙される封筒のセット方向である。第3のタイプ(右上のタイプ)は、封筒の折り返し部を開いた状態で、折り返し部と反対側の封筒端が用紙搬送方向の下流側を向くように給紙される封筒のセット方向である。第4のタイプ(右下のタイプ)は、封筒の折り返し部を開いた状態で、折り返し部が用紙搬送方向の下流側を向くように給紙される封筒のセット方向である。
上記図11に示す操作画面で、使用者が第1のタイプ又は第2のタイプを指定した場合は、いずれも封筒の折り返し部が閉じた状態で搬送されるため、画像形成制御部41は、封筒の第1面に画像を形成する段階と、封筒の第2面に画像を形成する段階で、画像形成の制御条件を変更することなく、各々の面に画像を形成することになる。これに対して、使用者が第3のタイプ又は第4のタイプを指定した場合は、いずれも封筒の折り返し部が開いた状態で搬送されるため、画像形成制御部41は、封筒の第1面に画像を形成する段階と、封筒の第2面に画像を形成する段階で、画像形成の制御条件を変更して、各々の面に画像を形成することになる。
すなわち、使用者が第3のタイプを指定した場合は、封筒の第1面に画像を形成する段階では、画像形成の制御条件を通常処理と同じ条件で設定し、封筒の第2面に画像を形成する段階では、画像形成の制御条件を通常処理と異なる条件に設定する。また、使用者が第4のタイプを指定した場合は、封筒の第1面に画像を形成する段階では、画像形成の制御条件を通常処理と異なる条件(換言すると、使用者が第3のタイプを指定した場合に、封筒の第2面に画像を形成する段階で適用される制御条件と同じ条件)に設定し、封筒の第2面に画像を形成する段階では、画像形成の制御条件を通常処理と同じ条件で設定する。ここで記述する通常処理とは、用紙の種類が普通紙で指定された場合に適用される処理をいう。
<第2実施形態>
図12は両面印刷で封筒以外の用紙の第2面に画像を形成する段階で適用する制御条件を説明するために、画像形成時の設定時刻を示す図である。まず、用紙の先端が用紙検知センサ44Aの検知位置を通過してからレジスト部27に突き当たり、この状態でさらに用紙を下流側に向けて送り込むことにより、レジスト部27に突き当てた用紙をループ状に撓ませる。そして、用紙の先端が用紙検知センサ44Aの検知位置を通過した時刻から所定時間T4が経過した時点で、用紙の送り込みを停止する。一方、潜像形成装置による静電潜像の書き込みを開始した時刻から所定時間T5が経過すると、その時点でレジスト部27が転写部18に向けて用紙の送り込みを開始し、さらに当該送り込み開始時刻から所定時間T6が経過すると、その時点で用紙の搬送速度を第1の速度V1から第2の速度V2に減速する。これにより、画像形成制御部41は、用紙の先端と画像の先端が同時に転写部18に到達するように制御する。ちなみに、封筒以外の用紙の第1面に画像を形成する段階や、折り返し部102と反対側の封筒端を用紙搬送方向の下流側に向けて搬送される封筒100の第1面に画像を形成する段階も、これと同じ制御条件が適用されることになる。
図13は両面印刷で封筒の第2面に画像を形成する段階の状態として、折り返し部が閉じているときに適用する制御条件を説明するためのもので、(A)は封筒の搬送状態を示し、(B)は画像形成時の設定時刻を示している。まず、図13(A)に示すように、封筒100の第2面に画像を形成する段階では、折り返し部102を用紙搬送方向の下流側に向けて封筒100を搬送する。このとき、折り返し部102が閉じている場合は、図13(B)に示すように、画像形成の基準となる時刻から所定時間T7が経過した時点で、封筒100の先端がレジスト部27を経由して用紙検知センサ44Bの検知位置を通過し、さらにその通過時刻から所定時間T8が経過した時点で、封筒100の搬送速度が第1の速度V1から第2の速度V2に減速する。この場合は、レジスト部27で斜行補正のために封筒100を一時停止させることなく(換言すると、封筒100の先端をレジスト部27に突き当てることなく)、封筒100を転写部18に送り込むことになる。一方、潜像形成装置は、上記基準時刻から所定時間T9が経過した時点で静電潜像の書き込みを開始する。これにより、画像形成制御部41は、封筒100の先端と画像の先端が同時に転写部18に到達するように制御する。この場合は、封筒の第1面に画像を形成する場合とは、封筒100の減速時刻を制御パラメータとして、異なる制御条件が適用されることになる。
図14は両面印刷で封筒の第2面に画像を形成する段階の状態として、折り返し部が開いているときに適用する制御条件を説明するためのもので、(A)は封筒の搬送状態を示し、(B)は画像形成時の設定時刻を示している。まず、図14(A)に示すように、封筒100の第2面に画像を形成する段階では、折り返し部102を用紙搬送方向の下流側に向けて封筒100を搬送する。このとき、折り返し部102が開いている場合は、図14(B)に示すように、画像形成の基準となる時刻から所定時間T7が経過した時点で、封筒100の先端がレジスト部27を経由して用紙検知センサ44Bの検知位置を通過し、さらにその通過時刻から所定時間T10(ただし、T10>T8)が経過した時点で、封筒100の搬送速度が第1の速度V1から第2の速度V2に減速する。この場合は、レジスト部27で斜行補正のために封筒100を一時停止させることなく、封筒100を転写部18に送り込むことになる。また、封筒100の減速時刻は、折り返し部102が閉じている場合よりも遅くなる。一方、潜像形成装置は、上記基準時刻から所定時間T9が経過した時点で静電潜像の書き込みを開始する。これにより、画像形成制御部41は、折り返し部102の先端が画像よりも早く転写部18に到達した後、封筒本体101の先端と画像の先端が同時に転写部18に到達するように制御する。この場合は、封筒100の第1面に画像を形成する場合や、折り返し部102が閉じた封筒100の第2面に画像を形成する場合とは、封筒100の減速時刻を制御パラメータとして、異なる制御条件が適用されることになる。
図15は両面印刷で封筒の第2面に画像を形成する段階の状態として、折り返し部が開いているときに適用する他の制御条件を説明するためのもので、(A)は封筒の搬送状態を示し、(B)は画像形成時の設定時刻を示している。まず、図15(A)に示すように、封筒100の第2面に画像を形成する段階では、折り返し部102を用紙搬送方向の下流側に向けて封筒100を搬送する。このとき、折り返し部102が開いている場合は、図15(B)に示すように、画像形成の基準となる時刻から所定時間T11が経過した時点で、封筒100の後端が用紙検知センサ44Cの検知位置を通過し、さらにその通過時刻から所定時間T12が経過した段階で、封筒100の搬送速度が第1の速度V1から第2の速度V2に減速する。この場合は、レジスト部27で斜行補正のために封筒100を一時停止させることなく、封筒100を転写部18に送り込むことになる。また、封筒100の第1面に画像を形成する段階では、封筒100の先端を搬送時の基準端として、封筒100の搬送を制御するが、封筒100の第2面に画像を形成する段階では、封筒100の後端を搬送時の基準端として、封筒100の搬送を制御することになる。一方、潜像形成装置は、上記基準時刻から所定時間T9が経過した時点で静電潜像の書き込みを開始する。これにより、画像形成制御部41は、折り返し部102の先端が画像よりも早く転写部18に到達した後、封筒本体101の先端と画像の先端が同時に転写部18に到達するように制御する。この場合は、封筒100の第1面に画像を形成する場合や、折り返し部102が閉じた封筒100の第2面に画像を形成する場合とは、封筒100の減速時刻を制御パラメータとして、異なる制御条件が適用されることになる。
<第3実施形態>
図16は両面印刷で封筒の第2面に画像を形成する段階の状態として、折り返し部が閉じているときに適用する制御条件を説明するためのもので、(A)は封筒の搬送状態を示し、(B)は画像形成時の設定時刻を示している。まず、図16(A)に示すように、封筒100の第2面に画像を形成する段階では、折り返し部102を用紙搬送方向の下流側に向けて封筒100を搬送する。このとき、折り返し部102が閉じている場合は、図16(B)に示すように、封筒100の先端が用紙検知センサ44Aの検知位置を通過してからレジスト部27に突き当たり、この状態でさらに封筒100を下流側に向けて送り込むことにより、レジスト部27に突き当てた封筒100をループ状に撓ませる。そして、封筒100の先端が用紙検知センサ44Aの検知位置を通過した時刻から所定時間T13が経過した時点で、封筒100の送り込みを停止し、さらに画像形成の基準となる時刻から所定時間T14が経過すると、その時点でレジスト部27が転写部18に向けて封筒100の送り込みを開始し、規定の時刻で封筒100の搬送速度を第1の速度V1から第2の速度V2に減速する。一方、潜像形成装置は、上記基準時刻から所定時間T15が経過した時点で静電潜像の書き込みを開始する。これにより、画像形成制御部41は、封筒100の先端と画像の先端が同時に転写部18に到達するように制御する。封筒100の第1面に画像を形成する場合も、これと同じ制御条件が適用される。
図17は両面印刷で封筒の第2面に画像を形成する段階の状態として、折り返し部が開いているときに適用する制御条件を説明するためのもので、(A)は封筒の搬送状態を示し、(B)は画像形成時の設定時刻を示している。まず、図17(A)に示すように、封筒100の第2面に画像を形成する段階では、折り返し部102を用紙搬送方向の下流側に向けて封筒100を搬送する。このとき、折り返し部102が開いている場合は、図17(B)に示すように、封筒100の先端となる折り返し部102の先端が用紙検知センサ44Aの検知位置を通過してからレジスト部27に突き当たり、この状態でさらに封筒100を下流側に向けて送り込むことにより、レジスト部27に突き当てた封筒100をループ状に撓ませる。そして、折り返し部102の先端が用紙検知センサ44Aの検知位置を通過した時刻から所定時間T13が経過した時点で、封筒100の送り込みを停止し、さらに画像形成の基準となる時刻から所定時間T14が経過すると、その時点でレジスト部27が転写部18に向けて封筒100の送り込みを開始し、規定の時刻で封筒100の搬送速度を第1の速度V1から第2の速度V2に減速する。一方、潜像形成装置は、上記基準時刻から所定時間T16(ただし、T16>T15)が経過した時点で静電潜像の書き込みを開始する。このため、折り返し部102が閉じた状態の封筒100の第2面に画像を形成する場合に比較すると、静電潜像の書き込み開始時刻が遅くなる。これにより、画像形成制御部41は、折り返し部102の先端が画像よりも早く転写部18に到達した後、封筒本体101の先端と画像の先端が同時に転写部18に到達するように制御する。この場合は、封筒の第1面に画像を形成する場合や、折り返し部102が閉じた封筒100の第2面に画像を形成する場合とは、潜像書き込み装置の書き込み開始時刻を制御パラメータとして、異なる制御条件が適用されることになる。
なお、図16及び図17においては、レジスト部27から封筒100を送り出した後、封筒100の先端が転写部18に到達する前に、封筒100の搬送速度を第1の速度V1から第2の速度V2に減速しているが、これに限らず、レジスト部27から一定の速度で封筒100を搬送してもよい。
また、図16及び図17においては、封筒100の第2面に画像を形成する段階で、斜行補正のためにレジスト部27に封筒100を突き当ててループ状に撓ませるようにしているが、前述したように、折り返し部102の先端がレジスト部27に突き当たると同時に封筒100の送り込みを停止することにより、実質的に封筒100の撓み量を零(斜行補正を行なわない)としてもよい。また、潜像書き込み装置の書き込み開始時刻を制御パラメータとして、画像形成の制御条件を変更するにあたり、上記第2実施形態で記述したように、レジスト部27で斜行補正のために封筒100を一時停止させることなく、封筒100を転写部18に送り込むようにしてもよい。
さらに、上記第1〜第3実施形態においては、いずれも両面印刷を行なう場合について説明したが、本発明はこれに限らず、片面印刷において折り返し部102を用紙搬送方向の下流側に向けて封筒100を搬送する場合に適用してもよい。
また本発明は、電子写真方式で用紙に画像を形成するプリンタ装置、デジタル複写機、デジタル複合機等の画像形成装置に広く適用されるものである。
1…画像形成装置、3…画像形成部、4…用紙搬送装置、17…中間転写ベルト、18…転写部、19…定着部、27…レジスト部、41…画像形成制御部、42…操作パネル、44(44A,44B,44C)…用紙検知センサ