JP5357955B2 - 警報装置 - Google Patents

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Description

本発明は、外部光を遮断しつつ外気を内部に流通可能な暗室に、検知光を出射する発光部と、前記検知光が散乱された散乱光を受光する受光部と、前記発光部から出射された前記検知光が前記受光部に直接到達することを防止する遮光部とを設けた警報装置に関する。
火災発生時の煙又は煙濃度を検知する警報装置(すなわち、火災警報装置)は、例えば一般住宅においては、キッチン、寝室、階段等に設置される。このような住宅用の火災警報装置として、例えば、光散乱を利用して煙濃度を検知するタイプのものが従来から知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に記載される従来の火災警報装置は、火災に伴って発生する煙の濃度を検知するものである。この火災警報装置は、発光素子、受光素子、遮光部材、およびラビリンス等から構成されている。煙検知の原理は次のとおりである。
発光素子から検知光が出射され、この検知光は通常は受光素子には入射しないようになっている。ここで、火災等によって発生した煙粒子が火災警報装置の内部に侵入すると、発光素子から出射された検知光は当該煙粒子によって散乱され、散乱光の一部が受光素子に入射する。そして、受光素子に入射する散乱光の光量が設定値を超えると(すなわち、受光素子が一定値以上の煙濃度を検知すると)、火災警報装置は火災が発生したと判断し、利用者に対して警報音等による警報発報を行う。
ところが、火災警報装置の内部には、火災で発生した煙粒子の他にも種々の微細な異物(例えば、綿ボコリ等の塵埃や、ユスリカ等の微少な昆虫類)が侵入する場合がある。このような異物が火災警報装置の内部に侵入し、各構成部材(特に、光学系部材又はその近くの部材)に付着して蓄積すると、発光素子から出射された検知光は当該異物によって散乱され、その散乱光の一部が受光素子に入射することになる。そして、異物の蓄積量が増加することにより、検知光の散乱強度が増加し、受光素子が一定強度以上の散乱光を検知するようになると、実際には火災が発生していないにもかかわらず、火災警報装置は火災が発生したと判断して警報(誤報)を発報してしまうことになる。
そこで、特許文献1の火災警報装置では、このような煙粒子以外の異物に起因して発報され得る誤報を防止するべく、煙検知部の内部に侵入しようとする微細な異物を捕捉するための捕捉手段が設けられている。この捕捉手段は、同文献の図2に見られるように、特に異物が付着した場合に問題となり易い発光素子、受光素子、および遮光部材の近傍に設けられている。
特開2006−260208号公報(図2)
ところが、微細な異物は火災警報装置に対して全方向から侵入する可能性があり、特許文献1の火災警報装置においても、捕捉手段を設けた位置とは反対側のスリットから異物が侵入してくる可能性がある。そして、そのようにして侵入した異物が一旦発光素子、受光素子、又は遮光部材に付着すると、検知光の散乱によって誤報が発報され、その後は正常な煙検知が不可能となり、結果的に火災警報装置を新品に交換する必要が生じる。
なお、特許文献1において、仮に、全方向から飛来する異物を可能な限り捕捉し得るように、捕捉手段を複数個配置したり、捕捉手段の形状を工夫したりしたとしても、このタイプの火災警報装置では、利用者又はメーカーのサービス担当者が誤報であったか否かを確認する際には火災警報装置を開封し、内部の捕捉手段の状態を目視等で確認する必要がある。ところが、通常、火災警報装置を一旦開封してしまうと、外気等に含まれる異物が警報装置の内部に不意に侵入し、光学系部材が汚染される可能性が高い。従って、捕捉手段の状態を確認した後は、結局はその火災警報装置は再使用できなくなってしまうことになる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、火災の誤検知を防止し、仮に警報が誤報として発報された場合においても、その後は誤報を確実に防止できるとともに、継続使用が可能な火災警報装置を提供することを目的とする。
本発明に係る警報装置の共通構成は、外部光を遮断しつつ外気を内部に流通可能な暗室に、検知光を出射する発光部と、前記検知光が散乱された散乱光を受光する受光部と、前記発光部から出射された前記検知光が前記受光部に直接到達することを防止する遮光部とを設けた警報装置であって、前記発光部、前記受光部、および前記遮光部のうちの少なくとも一つの部材に付着する異物を前記部材から除去する異物除去手段を備えたことにある。
ここで、本願の第1発明では、警報の動作状態を変更する動作変更部を備え、上記異物除去手段は当該動作変更手段の操作と連動して動作するものとして構成されている。
警報装置(火災警報装置)は、通常、外部光を遮断しつつも外気を内部に流通可能な構造となっている。このような構造に起因して、微細な異物(従来技術で説明した綿ボコリ等の塵埃や、ユスリカ等の微少な昆虫類など)が警報装置内部の暗室に侵入することがある。このとき、侵入した異物が、発光部、受光部、および遮光部のうちの少なくとも一つの部材に付着し堆積すると、発光部から出射された検知光が当該異物によって散乱され、当該散乱光が受光部に入射し、その結果、実際には火災は発生していないにも関わらず、火災が発生したとの誤検知をしまうことがある。
そこで、本共通構成の警報装置では、発光部、受光部、および遮光部のうちの少なくとも一つの部材に付着する異物を除去する異物除去手段を設けている。これにより、異物除去手段が動作した後は、前記部材がクリーンな状態となるので、火災の誤検知がなくなり、誤報の発報が確実に防止される。
また、警報装置にこのような異物除去手段を備えておけば、内部に侵入した異物の確認や除去のために、警報装置を開封する必要もないので、外気等に含まれる異物によって警報装置の内部の光学系部材が不意に汚染される可能性が低い。よって、警報装置を廃棄することなくそのまま継続使用することが可能となる。
本願の第1発明に係る警報装置は、上記共通構成に加えて、警報の動作状態を変更する動作変更部を備え、前記異物除去手段は、前記動作変更部を操作した時に発生する衝撃を前記異物に付与可能に構成したものである。
警報装置には、警報の動作状態(例えば、警報発報状態)を変更する動作変更部が備えられている。このような動作変更部の操作は、例えば、当該動作変更部に対して物理的な力を作用させることで行われる。具体的には、動作変更部を押圧したり、連打したりする。
そこで、本第1発明に係る警報装置では、このような動作変更部に対する物理的操作に伴って発生する衝撃を、異物除去手段として利用する。すなわち、上記衝撃を、発光部、受光部、および遮光部のうちの少なくとも一つの部材に付着した異物に付与することで、当該異物を前記部材から振り落とすことができる。これにより、前記部材がクリーンな状態となり、火災の誤検知がなくなるとともに、誤報発報が確実に防止される。また、本第1発明では、動作変更部による警報の動作状態の変更と異物除去とを兼ねることができるという利点もある。
本発明に係る警報装置において、前記動作変更部を操作する際の作動距離を増大させる弾性部材を設けてもよい。
本構成の警報装置によれば、弾性部材によって動作変更部を操作する際の作動距離(ストローク)を増大させることができる。従って、上述したような、発光部、受光部、および遮光部のうちの少なくとも一つの部材に付着した異物を除去する効果がさらに向上する。
本発明に係る警報装置において、前記動作変更部は前記警報を一時停止させる一時停止ボタンであってもよい。
本構成の警報装置によれば、上述した動作変更部を、警報を一時停止させる一時停止ボタンとすることにより、警報(誤報を含む)が発報された場合の一時停止と、発光部、受光部、および遮光部のうちの少なくとも一つの部材からの異物の除去とを連動させて同時に行うことができる。
火災警報装置の主要部である煙検知部の内部を概略的に示した平断面図 第1参考例による火災警報装置の正面図 第1参考例による火災警報装置の分解斜視図 第1参考例による火災警報装置における煙検知部の内部を概略的に示した平断面図 図4の煙検知部におけるV−Vの位置での縦断面図 第1実施形態による火災警報装置における煙検知部の内部を概略的に示した平断面図 図6の煙検知部におけるVII−VIIの位置での縦断面図 第2参考例による火災警報装置における煙検知部の内部を概略的に示した平断面図 図8の煙検知部におけるIX−IXの位置での縦断面図 第3参考例による火災警報装置における煙検知部の内部を概略的に示した平断面図 図10の煙検知部におけるXI−XIの位置の縦断面図
本発明の警報装置に関する実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本明細書では、警報装置の例として、煙濃度を光学的手法により検知する火災警報装置を挙げて説明するが、本発明の警報装置は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図せず、それらと均等な構成も含む。
〔煙検知部の構成〕
初めに、本発明の火災警報装置における主要部の構成を説明する。図1は、火災警報装置の主要部である煙検知部1の内部を概略的に示した平断面図である。
煙検知部1は内部に暗室10が形成され、当該暗室10には、発光部であるLED11と、受光部である受光素子12とが備えられている。ここで、受光素子12は、LED11から出射される検知光の光軸上にはなく、検知光が散乱された散乱光のみが入射可能な位置に配置されている。この配置のため、煙検知部1の内部に煙粒子が存在しない通常の状態においては、LED11から出射された検知光は基本的には受光素子12には入射しないようになっている。ただし、LED11の種類等によっては出射光が若干拡散し、この拡散成分が受光素子12に入射するおそれがある。そこで、LED11から出射された検知光が受光素子12に直接到達することを確実に防止するため、LED11と受光素子12との間には遮光部としての遮光壁13が設けられている。
一方、LED11から出射される光の光路上に煙粒子が存在すると、検知光は当該煙粒子によって散乱され、その散乱光の一部が受光素子12に入射する。この散乱光の強度は、煙粒子の数(すなわち、煙濃度)と相関関係があり、煙濃度の上昇に従って散乱光の強度も増加する。従って、煙粒子によって散乱された散乱光の強度を解析し、煙濃度を求めれば、火災が発生したか否かを判定することができる。
煙検知部1は、外気を内部の暗室10に流通可能にするために、通気性構造物で外周を包囲され、さらにその外側はスリット14aが設けられた内カバー14で保護されている。前記通気性構造物としては、例えば、メッシュサイズが0.5×0.5mmの金網を周囲に備えた筒状部材15が採用されるが、通気性構造については火災警報装置の設置環境等に応じて適宜変更可能である。また、内カバー14に設けられるスリット14aのサイズについても、設置環境等に応じて適宜変更可能である。
煙検知部1には、例えば、断面視で屈折した形状のラビリンス16が、暗室10の周壁に沿う方向に環状に設けられる。このようなラビリンス16を設けることにより、煙検知部1は煙粒子を内部の暗室10に導入することを可能にする一方で、煙検知部1の内部に外部光が侵入することを防止している。従って、受光素子12はLED11に由来する光(すなわち、煙粒子による散乱光)以外の光を検知することはない。
さて、従来技術の項目でも説明したように、煙検知部1の内部の暗室10には、火災で発生した煙粒子以外の微細な異物(例えば、綿ボコリ等の塵埃や、ユスリカ等の微少な昆虫類)が侵入する場合がある。このような異物が、各構成部材(特に、光学系部材であるLED11、受光素子12、遮光壁13、又はその周辺の部材)に蓄積されると、LED11から出射された検知光は当該異物によって散乱され、その散乱光の一部が受光素子12に入射することになる。そして、異物の蓄積量が増加することにより、検知光の散乱強度が増加し、受光素子12が一定強度以上の散乱光を検知するようになると、実際には火災が発生していないにもかかわらず、火災警報装置は火災が発生したと判断して警報(この場合は誤報となる)を発報してしまうことになる。
そこで、本発明の警報装置では、LED11、受光素子12、および遮光壁13のうちの少なくとも一つの部材付着する煙粒子以外の異物を前記部材から除去する異物除去手段を設けている。
この異物除去手段の構成を、次の実施形態及び参考例において具体的に説明する。なお、外部から侵入する微細な異物は、経験的に見て、LED11、受光素子12、および遮光壁13に付着し易いが、遮光壁13に異物が付着した場合が一番影響が大きい。そこで、以下の実施形態及び参考例では、特に遮光壁13に対して講じる異物除去手段について説明する。
〔第1参考例〕
図2は、第1参考例による火災警報装置100の正面図である。図3は、火災警報装置100の分解斜視図である。この図では理解を容易にするために配線等を省略してある。図4は、火災警報装置100における煙検知部1の内部を概略的に示した平断面図である。この図は後述する筒状部材15の内周面に形成したリブ15aより下の位置で見た平断面図である。図5は、図4の煙検知部1におけるV−Vの位置の縦断面図である。
なお、第1参考例の火災警報装置100は、天井取付タイプのものとしているが、壁掛けタイプのものとすることもできる。
図2および図3に示すように、本参考例の火災警報装置100は、煙の検知を行う煙検知部1、装置自身を天井面に取り付けるためのベース2、各部に電力を供給する電池3、警報発報を一時的に停止させる際に操作する一時停止ボタン4(動作変更部の一例)、一時停止ボタン4と連動する引き紐5、煙検知部1および一時停止ボタン4を実装する基板6、基板を収容する筐体7、ならびに各部品を覆う外カバー8を備えて構成される。その他、図示しないインジケータ等を備えることもできる。
さらに、この火災警報装置100には、火災警報を警報音又は音声として発報するスピーカ17(音波出力手段の一例)が、図3に示すように、煙検知部1の上側(天井面に設置した状態では、煙検知部1の下側)に設けられる。スピーカ17は、金網を周囲に備えた筒状部材15の内部に、上方から見て煙検知部1と重なるように配置される。具体的には、筒状部材15の内周面に複数のリブ15aを形成し、当該リブ15aに円形のスピーカ17の周縁部を当接状態で係止させる。上記リブ15aは、筒状部材15を煙検知部1に装着した状態で、遮光壁13の上端部よりも上方に形成される(図5参照)。このような構成により、スピーカ17の直下に遮光壁13が位置することとなる。
スピーカ17は、警報音等を出力する音波出力手段として機能するものであるが、本参考例では、遮光壁13等に付着した異物Xを除去する異物除去手段としても機能する。例えば、スピーカ17から警報音又は音声が出力されると、スピーカ17は物理的な振動を発生させる。また同時に、スピーカ17から発せられる警報音又は音声によって空気振動も発生する。そこで、このようなスピーカ17自身の振動や空気振動を異物除去手段として利用するのである。
本参考例では、スピーカ17はリブ15aに当接した状態で係止されているので、スピーカ17自身の振動は筒状部材15を介して煙検知部1の遮光壁13に伝達され易いものとなっている。また、スピーカ17と遮光壁13との距離が近いため、スピーカ17からの空気振動も筒状部材15を通り抜けて下方の遮光壁13に直接伝達され易くなっている。これにより、スピーカ17側からの振動が遮光部13に付着した異物Xに効果的に付与され、当該異物Xは振動によって遮光壁13から振り落とされる。その結果、遮光壁13はクリーンな状態となり、火災が誤検知されることはなく、よって誤報発報が防止される。
また、内部に侵入した異物の確認や除去のために、警報装置を開封する必要もないので、外気等に含まれる異物によって警報装置の内部の光学系部材が不意に汚染される可能性が低い。よって、警報装置を廃棄することなくそのまま継続使用することが可能となる。
さらに、本参考例では、スピーカ17による警報発報と異物除去とを兼ねることができるという利点もある。
〔第1実施形態〕
図6は、第1実施形態による火災警報装置における煙検知部1の内部を概略的に示した平断面図であり、第1参考例において説明した図4に対応する。図7は、図6の煙検知部1におけるVII−VIIの位置での縦断面図である。
この第1実施形態では、警報の発報動作を一時的に停止させる動作変更部としての一時停止ボタン4が、振動板18を介して煙検知部1の上方に設けられている。振動板18は可撓性および弾性に富んだ部材で構成され、例えば、薄い硬質樹脂や金属板等が採用される。振動板18の形状は、図6および図7に示すように、一時停止ボタン4を中心として上方に盛り上がるテーパー部を備えた切頭円錐状に構成されている。なお、このテーパー部は、所定以上の力を受けるとその一部が裏返ることができるように構成されている。
本実施形態では、振動板18は、遮光壁13等に付着した異物Xを除去する異物除去手段として機能する。例えば、警報装置から警報が明らかな誤報として発報された場合において、使用者が誤報を停止させるべく一時停止ボタン4を押圧すると、図7に示すように、振動板18は下方に撓み、テーパー部の一部が裏返る。このとき、テーパー部の裏返りと同時に振動板18に衝撃が発生する。また、使用者が一時停止ボタン4を押圧した状態から指を離すと、テーパー部の裏返っている部分は元のテーパー形状に復元し、このときにも振動板18に衝撃が発生する。これらの衝撃は、筒状部材15を介して煙検知部1の遮光壁13に伝達される。その結果、遮光部13に付着した異物Xは衝撃を受けて遮光壁13から振り落とされる。従って、遮光壁13はクリーンな状態となり、火災の誤検知がなくなるとともに、誤報発報が確実に防止される。また、本実施形態では、一時停止ボタン4の操作と異物除去とを兼ねることができるという利点もある。
なお、本実施形態では、図7に示すように、一時停止ボタン4の押圧方向に沿ってスプリング19(弾性部材の一例)を介在させている。これは、一時停止ボタン4を操作する際の作動距離(ストローク)を増大させるためである。一時停止ボタン4のストロークを大きくとることができれば、振動板18の裏返りを確実に引き起こすことができる。また、使用者が一時停止ボタン4を押圧した後、当該一時停止ボタン4から指を離すと、スプリング19の反作用により振動板18は直ちに元の形状に復元する。このため、一時停止ボタン4の連打が容易となり、衝撃を連続して発生させることができる。
第2参考例
図8は、第2参考例による火災警報装置における煙検知部1の内部を概略的に示した平断面図であり、第1参考例において説明した図4に対応する。図9は、図8の煙検知部1におけるIX−IXの位置での縦断面図である。
この第2参考例では、一時停止ボタン4と煙検知部10の内部の暗室10とを連結する空気室20が設けられている。なお、図8では、空気室20は一時停止ボタン4とは別体で構成されるように記載してあるが、空気室20と一時停止ボタン4とを一体化してもよい。
参考例では、一時停止ボタン4の押圧操作に伴って空気室20から噴射される空気流を、異物除去手段として利用している。例えば、警報装置から警報が明らかな誤報として発報された場合において、使用者が誤報を停止させるべく一時停止ボタン4を押圧すると、空気室20の気圧が一時的に上昇する。ここで、図8に示すように、空気室20の下流側の暗室10の内部に、ノズル21を遮光壁13に向けた状態で設置しておく。このとき、ノズル21を介して空気室20から空気流が噴射されると、遮光部13に付着した異物Xは空気流の風圧によって当該遮光部13から振り落とされる。その結果、遮光壁13はクリーンな状態となり、火災の誤検知がなくなるとともに、誤報発報が確実に防止される。また、本参考例では、一時停止ボタン4の操作と異物除去とを兼ねることができるという利点もある。
なお、本参考例においても、一時停止ボタン4を操作する際の作動距離(ストローク)を増大させるために、一時停止ボタン4の押圧方向に沿ってスプリング19を介在させている。これにより、一時停止ボタン4を押圧したときに空気室20の気圧上昇がより大きくなるため、より強力な空気流を噴射することができる。その結果、遮光部13に付着した異物の除去効果が向上する。
第3参考例
図10は、第3参考例による火災警報装置における煙検知部1の内部を概略的に示した平断面図であり、第1参考例において説明した図4に対応する。図11は、図10の煙検知部1におけるXI−XIの位置での縦断面図である。
この第3参考例では、一時停止ボタン4の押圧操作と連動して遮光壁13の外表面を摺動する摺動部が設けられる。この摺動部は、例えば、遮光部13の外周面を包囲可能な筒状部材22として構成される。図11に示す例では、一時停止ボタン4から下方に延伸する筒状部材22が設けられ、この筒状部材22が遮光壁13に対して上方から嵌まり込んで摺動するようになっている。
例えば、警報装置から警報が明らかな誤報として発報された場合において、使用者が誤報を停止させるべく一時停止ボタン4を押圧すると、筒状部材22が遮光壁13の外表面を摺動し、付着している異物Xを遮光壁13から剥離するように除去する。このように、本参考例では、筒状部材22は異物除去手段として機能する。筒状部材22は遮光壁13の外表面と物理的に接触するため、遮光壁から異物Xをより確実に隔離することができる。このため、本参考例では、遮光壁13がよりクリーンな状態となり、誤報発報がより一層確実に防止される。また、本参考例では、一時停止ボタン4の操作と異物除去とを兼ねることができるという利点もある。
なお、本参考例においても、一時停止ボタン4を操作する際の作動距離(ストローク)を増大させるために、一時停止ボタン4の押圧方向に沿ってスプリング19を介在させている。これにより、一時停止ボタン4を押圧したときに筒状部材22の摺動幅がより大きくなるため、広範囲に亘って遮光部13に付着した異物を除去することができる。
〔別実施形態〕
上記実施形態では、遮光壁13に付着した異物Xを除去するに際し、遮光壁13そのものについては格別な変更等は行っていない。しかし、遮光壁13に対して摩擦係数を低減させるための表面処理を施しておくことも可能である。
例えば、遮光壁13の表面に、研磨処理、フッ素樹脂コーティング、シリコン樹脂コーティング等を施しておくことが有効である。このような表面処理を予め施しておくと、遮光壁13に対して異物を付着し難くすることができる。
また、仮に遮光壁13の表面に異物Xが付着したとしても、当該異物Xに対し、少しの振動、衝撃等を付与するだけで、当該異物Xを容易に振り落とすことができる。
本発明の警報装置は、上記実施形態で説明したように、火災によって発生した煙の濃度を検知する火災警報装置として好適に利用することができる。ただし、本発明の「検知部(センサ)に付着した異物を除去する」という技術思想は、他の種類の警報装置(センサ)にも適用可能であり、例えば、一酸化炭素濃度を検知するCOセンサ、不法侵入者を検知する赤外線センサ等に適用することが可能である。
4 一時停止ボタン(動作変更部)
10 暗室
11 LED(発光部)
12 受光素子(受光部)
13 遮光壁(遮光部)
17 スピーカ(音波出力手段、異物除去手段)
18 振動板(異物除去手段)
19 スプリング(弾性部材)
20 空気室
22 筒状部材(摺動部材、異物除去手段)
100 火災警報装置
X 異物

Claims (3)

  1. 外部光を遮断しつつ外気を内部に流通可能な暗室に、検知光を出射する発光部と、前記検知光が散乱された散乱光を受光する受光部と、前記発光部から出射された前記検知光が前記受光部に直接到達することを防止する遮光部とを設けた警報装置であって、
    前記発光部、前記受光部、および前記遮光部のうちの少なくとも一つの部材に付着する異物を前記部材から除去する異物除去手段と、
    警報の動作状態を変更する動作変更部とを備え、
    前記異物除去手段は、前記動作変更部を操作した時に発生する衝撃を前記異物に付与可能に構成したものである警報装置。
  2. 前記動作変更部を操作する際の作動距離を増大させる弾性部材を設けた請求項に記載の警報装置。
  3. 前記動作変更部は前記警報を一時停止させる一時停止ボタンである請求項1又は2に記載の警報装置。
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