JP2006260208A - 火災検出器及び火災警報器 - Google Patents

火災検出器及び火災警報器 Download PDF

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鋭博 原田
Yoshiharu Nakawa
良春 名川
Kazuo Toyoda
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Abstract

【課題】火災監視領域の雰囲気中に存在する、火災により発生する煙粒子以外の塵埃や煙草の煙の粒子、高濃度の水蒸気等の物質が要因となって行われた、光電式火災警報器による火災の発生の誤検出の事実を、後に客観的に把握することができるようにすること。
【解決手段】筐体5内に導入された火災監視領域の雰囲気に照射された測定光の受光量に基づいて、火災監視領域における火災の発生の有無を検出する火災警報器において、雰囲気中に存在する、火災により発生する煙粒子以外の前記測定光の受光量の変動要因となる受光量変動要因物質を少なくとも捕捉、保持する、受光量変動要因物質捕捉手段17を筐体5に設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、住宅の室内等に設置されてその室内等における火災の発生の有無を検出する火災検出器、及び、火災発生検出時に火災警報信号を外部に出力する火災警報器に係り、特に、光を用いて煙の濃度を検出することで火災の検出乃至警報を行う光電式の火災検出器及び火災警報器に関するものである。
この種の火災検出器においては、それらの機器の筐体内に導入された機器設置空間の雰囲気にLED等の発光素子によって測定光を照射し、その雰囲気中に存在する微小粒子により拡散された拡散光を、直接又はプリズム等を介して、フォトダイオード等の受光素子により受光し、その雰囲気中に存在する微小粒子の濃度に対応する受光量の高低に基づいて、機器設置空間における火災の発生の有無を検出している。
火災警報器においてはさらに、機器設置空間における火災の発生の検出時に、機器設置空間にいる人に通知するための音声や表示による火災警報信号や、遠隔地の監視センター等に火災の発生を通知するための通信による火災警報信号を、出力している(以上、例えば特許文献1)。
特開2002−197558号公報
しかしながら、上記した従来の光電式火災検出器及び火災警報器では、火災により発生する煙の粒子以外にも、機器設置空間の雰囲気中に存在する塵埃や煙草の煙の粒子、高濃度の水蒸気等の物質が要因となって、受光素子による受光量が変動し、誤って火災の発生の検出や火災警報信号の出力が行われてしまうことがあり、仮に火災の発生の検出や火災警報信号の出力が誤って行われてしまったとしても、その事実を事後に客観的に把握することはできなかった。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、火災監視領域(機器設置空間)の雰囲気中に存在する、火災により発生する煙粒子以外の塵埃や煙草の煙の粒子、高濃度の水蒸気等の物質が要因となって、受光素子による受光量が変動し、火災の発生の検出や火災警報信号の出力が誤って行われてしまったとしても、その事実を後に客観的に把握することができる火災検出器及び火災警報器を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1乃至請求項5記載の本発明は火災検出器に関するものであり、請求項6記載の本発明は火災警報器に関するものである。
そして、請求項1に記載した本発明の火災検出器は、筐体内に導入された火災監視領域の雰囲気に照射された測定光の受光量に基づいて、前記火災監視領域における火災の発生の有無を検出する火災検出器において、前記雰囲気中に存在する、火災により発生する煙粒子以外の前記測定光の受光量の変動要因となる受光量変動要因物質を少なくとも捕捉、保持する、受光量変動要因物質捕捉手段が、前記筐体に設けられていることを特徴とする。
また、請求項2に記載した本発明の火災検出器は、請求項1に記載した本発明の火災検出器において、前記測定光の発光手段及び前記測定光の受光手段を少なくとも含む電気素子の電源として電池が用いられているものとした。
さらに、請求項3に記載した本発明の火災検出器は、請求項1又は2に記載した本発明の火災検出器において、前記受光量変動要因物質が、前記雰囲気中に存在する水蒸気であり、前記受光量変動要因物質捕捉手段が、前記雰囲気中に存在する水蒸気と化学反応して変色する試験紙であるものとした。
また、請求項4に記載した本発明の火災検出器は、請求項1又は2に記載した本発明の火災検出器において、前記受光量変動要因物質が、前記雰囲気中に存在する塵埃及び煙草の煙粒子のうち少なくとも一方を含んでおり、前記受光量変動要因物質捕捉手段が、前記雰囲気中に存在する塵埃及び煙草の煙粒子のうち少なくとも一方を捕捉、保持する多孔質材、又は、前記雰囲気中に存在する塵埃及び煙草の煙粒子のうち少なくとも一方を吸着、保持する粘着シートであるものとした。
さらに、請求項5に記載した本発明の火災検出器は、請求項4に記載した本発明の火災検出器において、前記受光量変動要因物質捕捉手段が前記筐体の内部に配置されており、少なくとも前記筐体の内部の色と同色又はそれよりも暗色に着色されているものとした。
また、請求項6に記載した本発明の火災警報器は、請求項1、2、3、4又は5記載の火災検出器を備え、該火災検出器による火災の発生の検出時に火災警報信号を外部に出力することを特徴とする。
請求項1に記載した本発明の火災検出器によれば、火災により発生する煙粒子以外の塵埃や煙草の煙の粒子、高濃度の水蒸気等の、測定光の受光量の変動要因となる受光量変動要因物質が、火災監視領域の雰囲気中に存在すると、筐体に設けられた受光量変動要因物質捕捉手段によってその受光量変動要因物質が少なくとも捕捉、保持される。
このため、火災の発生の検出時やその後の時点で、受光量変動要因物質捕捉手段に受光量変動要因物質が捕捉、保持されているか否かを確認することによって、先に検出された火災の発生が事実であるのか、それとも、雰囲気中の受光量変動要因物質の存在に伴い誤って検出されたものであるのかを、把握することができる。
また、請求項2に記載した本発明の火災検出器によれば、請求項1に記載した本発明の火災検出器において、電池の消耗が通常の場合よりも早かった場合に、受光量変動要因物質捕捉手段に受光量変動要因物質が捕捉、保持されているか否かを確認することによって、電池の消耗が早かった理由が、現実の火災の発生の検出が多かったことによるのか、それとも、火災監視領域の雰囲気中の受光量変動要因物質の存在による火災の発生の誤検出が多かったことによるのかを、把握することができる。
さらに、請求項3に記載した本発明の火災検出器によれば、請求項1又は2に記載した本発明の火災検出器において、測定光の受光量を減らす原因が火災監視領域の雰囲気中の高濃度の水蒸気である場合に、その存在を試験紙の変色具合によって確実に捕捉することができる。
また、請求項4に記載した本発明の火災検出器によれば、請求項1又は2に記載した本発明の火災検出器において、測定光の受光量を減らす原因が火災監視領域の雰囲気中の塵埃又は煙草の煙粒子である場合に、その存在を多孔質材又は粘着シートに吸着されたそれら塵埃又は煙草の煙粒子の量によって確実に捕捉することができる。
さらに、請求項5に記載した本発明の火災検出器によれば、請求項4に記載した本発明の火災検出器において、筐体の内部に配置された受光量変動要因物質捕捉手段が測定光を乱反射させる要因となって、本来ならば火災により発生する煙粒子による測定光の乱反射によって定まる測定光の受光量が変動し、火災の発生の誤検出に結びついてしまうのを、防止することができる。
そして、請求項6に記載した本発明の火災警報器によれば、請求項1、2、3、4又は5に記載した本発明の火災検出器によって得られる効果を伴った火災警報器を得ることができる。
以下、本発明による火災警報器の実施形態を、火災検出器の実施形態と共に、図面を参照して説明する。
まず、本発明による火災検出器を適用した本発明の第1実施形態に係るガス火災警報器を、図1及び図2を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る火災警報器の斜視図であり、図1中引用符号1で示す火災警報器は、フック等の器具を用いて壁面に取り付けるための取付孔3を上部に有する筐体5の前面に、火災警報器1が設置される室内等の火災監視領域の雰囲気を筐体5の内部に取り込むためのスリット7が形成された、平面視略円形の雰囲気取込部9が突設されている。
前記筐体5の雰囲気取込部9の内部には、図2に要部拡大断面図で示すように、防虫カバー10Aが配設されており、その内側に、「く」の字型断面の複数の遮光壁により円筒状に形成された遮光用のラビリンス部10Bが収容されている。
また、雰囲気取込部9の内部には、筐体5側となるラビリンス部10Bの一端側にプリント基板(図示せず)が配置されており、このプリント基板には、スリット7から雰囲気取込部9内部への外光の入射互いに正対しないよう、発光軸L1と受光軸L3とが例えば120°(240°)で交わる方向に向けた、LED等の発光素子11(発光手段に相当)とフォトダイオード等の受光素子13(受光手段に相当)とが実装されている。
さらに、前記不図示のプリント基板の、雰囲気取込部9内部の中心から偏心した箇所には、発光素子11からの拡散光である測定光が受光素子13に直接入射することを防ぐための、三角柱状の遮光部材15が立設されている。
ちなみに、筐体5の雰囲気取込部9の内部は、その内壁面で測定光が乱反射されて受光素子13による測定光の受光量乃至受光素子13で発生する起電力の大きさに変動が生じ難くなるように、比較的暗色系の色に着色されている。
第1実施形態の火災警報器では、火災監視領域において火災が発生すると、発光素子11から出力された測定光が雰囲気取込部9の内部に取り込まれた火災監視領域の雰囲気中の、火災により発生する煙粒子によって乱反射され、遮光部材15によって遮られずに受光素子13に達した測定光の受光量に応じて受光素子13で発生する起電力が受光信号として、筐体5内に設けられた不図示のワンチップマイコンに入力される。
そして、このワンチップマイコンが実行する処理のロジックにより従来公知の方法で受光素子13からの受光信号に基づき火災の発生が検出されると、筐体5内に設けられた不図示のブザーによって音声による火災警報信号が鳴動され、あるいは、ワンチップマイコンから遠隔地の監視センター等に電話回線等を通じて、火災の発生検出を報知するための火災警報信号が出力される。
尚、前記発光素子11及び受光素子13や、不図示のワンチップマイコン及びブザーは、いずれも、筐体5の内部に収容された不図示の電池によって駆動される。
このように構成された第1実施形態の火災警報器において、雰囲気取込部9内部の遮光部材15よりも外側寄りの箇所には、スリット7を介して雰囲気取込部9の内部に取り込まれた火災監視領域の雰囲気中に存在する、火災により発生する煙粒子以外の高濃度の水蒸気や塵埃、煙草の煙粒子等の受光量変動要因物質を捕捉、保持する受光量変動要因物質捕捉部材17(受光量変動要因物質捕捉手段に相当)が、配設されている。
ちなみに、この受光量変動要因物質捕捉部材17としては、例えば、雰囲気取込部9の内部に取り込まれた火災監視領域の雰囲気中に存在する水蒸気と化学反応して変色する塩化コバルト紙等の試験紙や、火災監視領域の雰囲気中に存在する塵埃や煙草の煙粒子を捕捉、保持するセラミックスやスポンジ等の多孔質材、又は、それら塵埃や煙草の煙粒子を吸着、保持する粘着シート等を用いることができる。
そして、高濃度の水蒸気や塵埃、煙草の煙粒子等、火災により発生する煙粒子以外の受光素子13による測定光の受光量の変動要因となる物質の存在する火災監視領域の雰囲気が、スリット7から雰囲気取込部9の内部に取り込まれると、その物質によって発光素子11から出力された測定光が乱反射されて、火災により発生する煙粒子を含んだ雰囲気が雰囲気取込部9の内部に取り込まれた場合に似た受光素子13による測定光の受光量の変動が発生し、火災の発生が誤ってワンチップマイコンにより検出されて、ブザーによる音声の火災警報の鳴動や、電話回線等を通じた監視センター等への火災警報信号の出力が、誤って行われてしまうことがある。
しかし、例えば、水蒸気と化学反応して変色する試験紙を受光量変動要因物質捕捉部材17として用いた場合は、スリット7から雰囲気取込部9の内部に取り込まれた火災監視領域の雰囲気中に存在する高濃度の水蒸気によって試験紙が変色することから、ブザーによる音声の火災警報の鳴動や、電話回線等を通じた監視センター等への火災警報信号の出力が行われた際に、あるいは、定期的に、この試験紙の変色具合を確認することで、高濃度の水蒸気による火災発生の誤検出の有無を確認、把握することができる。
同様に、例えば、塵埃や煙草の煙粒子を捕捉、保持するセラミックスやスポンジ等の多孔質材、又は、それら塵埃や煙草の煙粒子を吸着、保持する粘着シートを受光量変動要因物質捕捉部材17として用いた場合は、スリット7から雰囲気取込部9の内部に取り込まれた火災監視領域の雰囲気中に存在する塵埃や煙草の煙粒子を捕捉、保持するセラミックスやスポンジ等の多孔質材、又は、それら塵埃や煙草の煙粒子を吸着、保持する粘着シートを、受光量変動要因物質捕捉部材17として用いた場合は、ブザーによる音声の火災警報の鳴動や、電話回線等を通じた監視センター等への火災警報信号の出力が行われた際に、あるいは、定期的に、セラミックスやスポンジ等の多孔質材に捕捉、保持された塵埃や煙草の煙粒子の量や、粘着シートに吸着、保持された塵埃や煙草の煙粒子の量を確認することで、塵埃や煙草の煙粒子による火災発生の誤検出の有無を確認、把握することができる。
ちなみに、受光量変動要因物質捕捉部材17の色は、受光量変動要因物質捕捉部材17で測定光が乱反射されて受光素子13による測定光の受光量乃至受光素子13で発生する起電力の大きさに変動が生じ難くなるように、筐体5の雰囲気取込部9の内部の色と同色又はそれよりもさらに暗色系の色とすることが好ましいが、必ずしもそのような色でなくてもよい。
また、受光量変動要因物質捕捉部材17は雰囲気取込部9の内部に固着されていてもよいが、筐体5を開けずに受光量変動要因物質捕捉部材17の状態を確認できるように、雰囲気取込部9の外部から挿抜可能な板片(図示せず)の先端に受光量変動要因物質捕捉部材17を取り付けて、この板片を雰囲気取込部9の内部に挿入した際に、その先端の受光量変動要因物質捕捉部材17が上記した雰囲気取込部9内部の遮光部材15よりも外側寄りの箇所に配置されるように構成してもよい。
次に、本発明による火災検出器を適用した本発明の第2実施形態に係るガス火災警報器を、図3を参照して説明する。
図3は本発明の第2実施形態に係る火災警報器の斜視図であり、図3中引用符号1Aで示す火災警報器は、第1実施形態の火災警報器1では雰囲気取込部9の内部に配置した受光量変動要因物質捕捉部材17を、筐体5の雰囲気取込部9の表面に取り付けた点が、第1実施形態の火災警報器1と異なっており、その他の点は、第1実施形態の火災警報器1と同様に構成されている。
そして、第2実施形態の火災警報器1Aでは、第1実施形態の火災警報器1と同様の効果が得られる他、光量変動要因物質捕捉部材17を筐体5の雰囲気取込部9の表面に取り付けたことから、筐体5を開けてその内部の雰囲気取込部9にある光量変動要因物質捕捉部材17の状態を確認しなくても、筐体5の外側から即、光量変動要因物質捕捉部材17の状態を確認できるというさらなる効果が得られる。
尚、上記の各実施形態では火災の発生の検出時に音声や遠隔地への通信による火災警報信号を出力する火災警報器を例に取って説明したが、本発明は、火災の発生の検出を行う火災検出器についても、同様に適用可能であることは言うまでもない。
本発明の第1実施形態に係る火災警報器の斜視図である。 図1の火災警報器の筐体内(雰囲気取込部内)の構成を示す要部拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係る火災警報器の斜視図である。
符号の説明
1,1A 火災警報器
5 筐体
11 発光素子(発光手段)
13 受光素子(受光手段)
17 受光量変動要因物質捕捉部材

Claims (6)

  1. 筐体内に導入された火災監視領域の雰囲気に照射された測定光の受光量に基づいて、前記火災監視領域における火災の発生の有無を検出する火災検出器において、
    前記雰囲気中に存在する、火災により発生する煙粒子以外の前記測定光の受光量の変動要因となる受光量変動要因物質を少なくとも捕捉、保持する、受光量変動要因物質捕捉手段が、前記筐体に設けられている、
    ことを特徴とする火災検出器。
  2. 前記測定光の発光手段及び前記測定光の受光手段を少なくとも含む電気素子の電源として電池が用いられている請求項1記載の火災検出器。
  3. 前記受光量変動要因物質は、前記雰囲気中に存在する水蒸気であり、前記受光量変動要因物質捕捉手段は、前記雰囲気中に存在する水蒸気と化学反応して変色する試験紙である請求項1又は2記載の火災検出器。
  4. 前記受光量変動要因物質は、前記雰囲気中に存在する塵埃及び煙草の煙粒子のうち少なくとも一方を含んでおり、前記受光量変動要因物質捕捉手段は、前記雰囲気中に存在する塵埃及び煙草の煙粒子のうち少なくとも一方を捕捉、保持する多孔質材、又は、前記雰囲気中に存在する塵埃及び煙草の煙粒子のうち少なくとも一方を吸着、保持する粘着シートである請求項1又は2記載の火災検出器。
  5. 前記受光量変動要因物質捕捉手段は前記筐体の内部に配置されており、少なくとも前記筐体の内部の色と同色又はそれよりも暗色に着色されている請求項4記載の火災検出器。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の火災検出器を備え、該火災検出器による火災の発生の検出時に火災警報信号を外部に出力することを特徴とする火災警報器。
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