まず、本実施例に係る遊技店の店内システムのシステム構成について説明する。図1は、本実施例に係る店内システムのシステム構成図である。同図に示すように、遊技店には、パチンコ機10と、CRユニット20と、島コントローラ30と、玉計数機40と、景品管理装置50と、景品払出機60と、会員管理用ターミナルコントローラ(以下、会員管理T/Cと言う)70と、プリペイドカード管理用のターミナルコントローラ(以下、カードT/Cと言う)80と、カメラ90と、カメラサーバ100とが設けられている。
パチンコ機10は、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技者がパチンコ遊技を行う装置であり、本実施例では、プリペイドカード対応のいわゆるCRパチンコ機であるものとしている。
CRユニット20は、カードT/C80と各パチンコ機10との間に介在し、カードT/C80に対してプリペイドカードの残金額(以下、「プリペイド残額」と言う)の問い合わせやプリペイド残額の減算要求を行うとともに、プリペイド残額がある場合にパチンコ機10に対して玉貸し指示を行う装置である。
また、CRユニット20は、会員管理T/C70に預け入れられた貯玉を引き落とすいわゆる再プレイの機能を有する。具体的には、会員がCRユニット20に会員カードを挿入して所定の再プレイ操作を行うと、会員管理T/C70が記憶管理する貯玉残高から再プレイ分の玉数を減算するように依頼するとともに、貯玉を投出する。
CRユニット20は、獲得玉計数機能も有しており、パチンコで遊技した際に大当たりなどで獲得したパチンコ玉の数を数える計数ユニットを持ったものも存在する。獲得玉計数機能で計数した結果は、プリペイドカードや会員カードなどに書き込んで、遊技終了の際に排出する。
島コントローラ30は、周囲を通路に囲まれたスペース(遊技島)に設けられた一群のパチンコ機10及びCRユニット20を束ねる中継装置である。
玉計数機40は、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する計数機であり、その計数結果を関連付けた計数レシートを発行するレシート発行の機能を有する。具体的には、遊技客または従業員によって投入されたパチンコ玉を計数し、その投入玉の計数値、発行日時、担当者(従業員)及び計数機号機が紐付けられた計数IDをバーコード印刷した計数レシートを発行する。なお、ここでは、計数機能とレシート発行機能を併せて有する計数機を例示したが、これらの機能は計数機とレシート発行機とを別々に設けることとしてもかまわない。
また、玉計数機40は、登録済み会員によって計数された計数値の一部または全部を貯玉加算するいわゆる計数貯玉の機能を有する。具体的には、計数終了後に遊技店の従業員が遊技客から受け取った会員カードをカード挿入口に挿入すると、会員番号及び計数値を含む計数貯玉依頼が会員管理T/C70に送信される。なお、この計数貯玉依頼を受け付けた会員管理T/C70によって会員番号に対応する貯玉残高に計数値が加算される。
景品管理装置50は、遊技店内の景品交換カウンタに配設された景品交換用の端末装置であり、図示しない交換玉数管理テーブルを用いて獲得玉と景品との交換を管理する。この交換玉数管理テーブルは、景品ごとにその景品との交換に要する交換玉数を対応付けて記憶している。そして、景品交換カウンタ内の従業員が、玉計数機40により発行された計数レシートを遊技客から受け取ると、この計数レシートのバーコードリーダへの読取操作を通じて計数情報を取得するとともに、遊技客により指定された景品に対応する交換ボタンを押下し、当該景品に相当する交換玉数を計数値(獲得玉)から減算する交換制御を実行させ、その後に従業員による手作業で遊技客に受け渡す。また、遊技客が特殊景品への交換を希望する場合には、従業員はこの景品管理装置50に設けられた特殊景品交換ボタンを押下し、交換玉数管理テーブルを参照して計数値に応じた特殊景品の払い出しを景品払出機60に指示する。
また、景品管理装置50は、会員によって保有される貯玉と引き換えに景品との交換を制御する機能を有する。具体的には、会員カードに記録された会員番号がカードリーダへの読取操作を介して読み取られると、当該会員番号に対応する貯玉残高を会員管理T/C70に問い合わせ、その問合せ応答として得られた貯玉残高の範囲内で、計数レシートと同様に一般景品もしくは特殊景品との交換制御を行い、交換分の玉数を貯玉残高から減算するように会員管理T/C70に依頼する。
会員管理T/C70は、図示しない会員管理テーブルを用いて遊技店に登録された会員の統括管理を行う管理装置である。この会員管理テーブルは、会員番号に貯玉残高及び属性情報を対応付けて記憶している。そして、玉計数機40又は景品管理装置50から貯玉加算依頼を受け付けたならば該当する貯玉口座内の貯玉数を加算処理し、CRユニット20又は景品管理装置50から貯玉減算依頼を受け付けたならば該当する貯玉口座内の貯玉数を減算処理する。
カードT/C80は、図示しないプリペイド残額管理テーブルを用いてプリペイドカードの残額管理を行う管理装置である。このプリペイド残額管理テーブルは、プリペイドカードIDにプリペイド残額を対応付けて記憶している。そして、CRユニット20から価値付け依頼(残額加算依頼)を受け付けたならば該当するプリペイドカードIDに対応するプリペイド残額を加算処理し、CRユニット20から残額減算依頼を受け付けたならば該当するプリペイドカードIDに対応するプリペイド残額を減算処理する。
このように、遊技店には、会員をはじめ遊技客に対してサービスを提供するシステムとして、会員カードを取り扱う店内機器(例えば、CRユニット20、玉計数機40や景品管理装置50など)とこれらの店内機器を管理する会員管理T/C70とを含んで構成される会員管理システム、さらには、プリペイドカードを取り扱う店内機器(例えば、CRユニット20、その他図示しないカード精算機など)を含んで構成されるカードシステムが併存している。
さらに、遊技店には、遊技場の監視を目的としたシステムとして、各店内機器を撮像するカメラ90と、カメラ90によって撮像された画像を格納するカメラサーバ100とを含んで構成されるカメラシステムが設けられている。
この遊技場とは、遊技客が立ち入り可能な場所を指す。また、遊技店には、遊技場とは別に遊技客の立ち入りを禁止した事務所が設けられており、遊技店の機密に関わる情報を管理する装置、たとえば会員管理T/C70、カードT/C80及びカメラサーバ100は遊技場ではなく事務所に配設される。
このカメラ90は、店内機器及びその周辺を撮像可能に設けられた撮像デバイスであり、図1の例では、パチンコ機10及びCRユニット20のペア、玉計数機40、景品管理装置50及び景品払出機60のペアなどの店内機器もしくは店内機器の組合せに対応して1つ設置される。このカメラ90によって撮像された画像は、各カメラに予め付与されたカメラIDとともに送信され、カメラサーバ100によって店内機器別に格納される。
カメラサーバ100は、カメラ90によって撮像される動画像を格納するサーバ装置である。具体的には、後述する動画管理テーブル140aでカメラ90のカメラID、該カメラ90が撮像する店内機器の号機番号及び動画像の格納先が対応付けて管理されており、カメラ90からカメラID及び撮像画像を受信した場合に、当該カメラIDに対応する号機番号の格納先に撮像画像を蓄積していく。なお、カメラサーバ100に格納された動画は、自装置または他装置からの指示に基づきカメラサーバ100の出力部で再生することができる。
ここで、本実施例では、会員管理T/C70やカードT/C80などの管理装置によって蓄積されるイベント履歴と、カメラサーバ100によって格納される動画像とを関連付けておき、イベント履歴の選択により再生する動画像を選択させることとしている。
すなわち、不正発生時には、遊技客や従業員から場所や時刻などの申告がなされてその申告に対応する画像をカメラサーバ100から見つけ出す操作を行う必要があるが、この申告の場所や時刻に基づき画像を再生していたのでは、遊技客及び従業員が店内機器に全く接触しておらず、完全に不正の対象外である場面の動画も含まれているので、かかる場面の動画を見ながら目的の場面の動画を見つけ出す必要があり、多大な労力がかかってしまう。また、このような申告は曖昧であったり、勘違いがあったりすることが多く、特に時刻に関しては意識していない遊技客の方が多い。
そこで、本実施例では、各種の店内機器で発生するイベントの内容、イベントが発生したイベント発生時刻及びイベントが発生した店内機器の号機番号などのイベント履歴を選択させ、そのイベント履歴に対応する動画像を再生させることで、詳細なイベント内容を参照しながら再生する動画像を選択させるとともに、店内機器に動きがあり、不正が行われる余地がある場面の動画だけを再生させることとしている。なお、本実施例で言う「イベント」とは、遊技客や従業員によって行われる店内機器に対する操作、その操作に応答して行われる処理、或いは店内機器で生じるエラー等の事象を指す。
また、本実施例では、閲覧要求者から選択を受け付けたイベント履歴とともに該イベント履歴のイベント発生時刻から前後の所定件数に含まれるイベント履歴をカメラサーバ100に通知し、これらのイベント履歴群に対応するイベント動画像をカメラサーバ100側で再生させることとしている。
このように複数のイベント履歴を通知・再生させるのは、閲覧要求者から選択を受け付けたイベントの発生時に不正が行われていなくともその前後に発生したイベントで不正が発生しているケースも多いからである。
すなわち、イベント履歴の選択は、遊技客や従業員による申告に基づき行われるが、その申告内容が曖昧であるからといって的外れであるとは限らず、時刻に関する申告については曖昧であっても場所の申告は概ね正確であるケースが多い。
このため、選択を受け付けたイベント履歴から時系列に前後するイベントのイベント動画像を再生することにより、遊技客や従業員による時刻の申告が曖昧であってもカメラサーバ100で閲覧できるイベント動画像の中に目的の画像が含まれる可能性が高くなる。
また、複数のイベント履歴をカメラサーバ100に通知することにより、閲覧要求者から選択を受け付けたイベントに対応するイベント動画像に目的の画像が含まれていない場合でも、会員管理T/C70やカードT/C80でイベント履歴の選択操作を再度行わせずとも前後のイベント動画像を再生させることができる。
さらに、本実施例では、動画像を再生させるに際してイベント履歴を重畳表示させる点にもう1つの特徴がある。この重畳表示により、再生される動画像が何を意味する画像であるのかをイベント履歴から把握させることとしている。
これらのことから、本実施例では、不正発生時の画像を簡便に参照させるとともに、監視すべき不正の内容を把握しやすい画像を提示することが可能になる。
続いて、本実施例に係る遊技場管理システムを構成する各装置の構成を説明する。なお、ここでは、会員管理システムとカメラシステムとを連動させて動画像を再生する遊技場管理システムを例示することとし、会員管理システムの中心となる会員管理T/C70とカメラシステムの中心となるカメラサーバ100との構成を詳細に説明する。
(1)会員管理T/C70の構成
前述したように、ここでは、本実施例に係る会員管理T/C70の構成について説明する。図2は、本実施例に係る会員管理T/C70の構成を示す機能ブロック図である。なお、実際の会員管理T/C70では、図示した機能部以外の機能部(例えば、会員情報や貯玉残高を記憶するテーブルや貯玉残高の更新を更新するソフトウェアなど)を有するが、図2では、本実施例に係る会員管理T/C70の特徴を説明するために必要な構成要素のみを抜粋している。
同図に示すように、この会員管理T/C70は、入力部71と、出力部72と、通信I/F部73と、記憶部74と、制御部75とを有する。
入力部71は、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、出力部72は、液晶パネルやディスプレイ等の表示デバイス及びスピーカ等の音声デバイスであり、また、通信I/F部73は、CRユニット20、島コントローラ30、カードT/C80及びカメラサーバ100との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
記憶部74は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、たとえば会員管理システムに関連する店内機器で発生したイベント履歴を管理する2つのテーブル、すなわち店内機器の号機別にイベント履歴を管理する号機別イベント履歴テーブル74aと、会員別にイベント履歴を管理する会員別イベント履歴テーブル74bとを併せて記憶する。
号機別イベント履歴テーブル74aは、図3に示すように、号機番号ごとにイベント名、日付、時刻、玉数及び担当者コードを記憶したテーブルである。図3に示す例では、7月1日における計数機「B002」で発生したイベント履歴が記憶されており、11時に担当者コード「AAA」の従業員立会いの下に600個の獲得玉の計数が行われ、その後に13時、14時20分、17時に獲得玉の計数が同様に行われた旨を示している。なお、ここでは、号機番号が「B002」のイベント履歴だけを示しているが、他の号機番号のイベント履歴も同様に記憶される。
会員別イベント履歴テーブル74bは、図4に示すように、会員番号ごとにイベント名、日付、時刻、号機番号及び取引高を記憶したテーブルである。図4に示す例では、7月1日における会員番号「12345」の会員に関するイベント履歴が記憶されており、会員番号「12345」の会員が号機番号「P0001」のCRユニット20のペアであるパチンコ機10で一万円を入金し、その後に2回の玉貸しで千円相当のパチンコ玉を借り受けて遊技し、さらに、号機番号「P0002」のCRユニット20のペアであるパチンコ機10で会員カードを挿入して2回の玉貸しで千円相当のパチンコ玉を借り受けて遊技し、計数機「B002」で2000個の獲得玉の計数を行った旨を示している。なお、ここでは、会員番号が「12345」のイベント履歴だけを示しているが、他の会員番号のイベント履歴も同様に記憶される。
これら2つのテーブルは、イベント履歴を記憶する点では共通しているが、一方は、店内機器の号機番号別に履歴が登録され、他方は、会員カードを通じて行われたイベントの履歴が会員別に登録される。
そして、両テーブル間では、イベント履歴として登録されるイベント内容が異なる。具体的には、号機別イベント履歴テーブル74aでは、計数業務に特化したイベント内容(例えば、担当者コード)が登録されるのに対し、また、会員別イベント履歴テーブル74bでは、会員に特化したイベント内容(例えば、会員番号)が登録される。
なお、図3及び図4では、玉計数機40のイベントとして「計数」だけを例示したが、実際には、「計数貯玉」などの他のイベントも履歴として登録される。また、図3及び図4では、CRユニット20及び玉計数機40のイベント履歴を例示したが、景品管理装置50などの他の店内機器に関するイベント履歴が登録される。
制御部75は、会員管理T/C70を全体制御する制御部であり、検索条件受付部75aと、イベント履歴検索部75bと、イベント履歴選択受付部75cと、イベント履歴通知部75dとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、検索条件受付部75a、イベント履歴検索部75b、イベント履歴選択受付部75c及びイベント履歴通知部75dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
検索条件受付部75aは、号機別イベント履歴テーブル74a又は会員別イベント履歴テーブル74bに対する検索条件を受け付ける処理部である。具体的には、出力部72に図8に示すような画面表示を行うことにより入力部71のポインティングデバイス等を介して号機別イベント履歴テーブル74a又は会員別イベント履歴テーブル74bいずれのテーブルに対してイベント履歴の検索を行うかの選択を受け付け、さらに、イベント名、イベント内容、イベント発生時刻もしくは号機番号などの項目に関して検索条件を受け付ける。なお、ここでは、項目の内容に関する条件を受け付けることを説明したが、項目の内容だけではなく、AND条件又はOR条件で検索する検索方式も任意に設定することができる。
イベント履歴検索部75bは、号機別イベント履歴テーブル74a又は会員別イベント履歴テーブル74bに記憶されるイベント履歴の中から、検索条件受付部75aによって受け付けられた検索条件に一致または部分一致するイベント履歴を検索する処理部である。
イベント履歴選択受付部75cは、イベント履歴検索部75bによる検索結果の中から再生対象とするイベント履歴の選択を受け付ける処理部である。具体的には、イベント履歴検索部75bによる検索結果として検索条件に一致したイベント履歴の一覧を出力部72に表示することにより、閲覧を希望するイベント履歴の選択を入力部71を介して受け付ける。なお、イベント履歴の検索を実行せずに記憶部74に記憶されたイベント履歴の中から直接選択させるようにしてもかまわない。また、本実施例では、説明の便宜上、再生対象とするイベント履歴を1つだけ選択させることとするが、複数のイベント履歴の選択を受け付けるようにしてもかまわない。
イベント履歴通知部75dは、イベント履歴選択受付部75cによって選択が受け付けられたイベント履歴をカメラサーバ100に通知する処理部である。具体的には、イベント履歴としては、号機別イベント履歴テーブル74a又は会員別イベント履歴テーブル74bが有する項目と同じ項目に関する内容を通知する。なお、再生対象とする動画ファイル及び再生区間を特定するためには、少なくとも号機番号及び時刻が必須であり、それ以外の項目は表示用の付加情報であるため、イベント内容の一部については通知内容から除外することもできる。
さらに、イベント履歴通知部75dは、イベント履歴選択受付部75cによって選択が受け付けられたイベント履歴とともに該イベント履歴のイベント発生時刻から前後の所定件数に含まれるイベント履歴をカメラサーバ100に通知する。
ここで、本実施例では、閲覧要求者から選択を受け付けたイベント履歴に加えて、当該イベント履歴のイベント発生時刻から時系列に前後するイベント履歴を1件ずつ通知することとするが、選択受付が行われたイベント履歴に付加するイベント履歴の数は複数であってもよく、イベント発生時刻が前または後であるかによって付加するイベント履歴の件数を任意に変更することができる。
例えば、不正行為が発生した場合に個別のイベントを監視するのではなく、たとえば全ての店内機器を監視したり、全ての会員の動向を監視したりする場合など特定の対象を長時間にわたって行いたいというニーズも存在する。この場合、送信するイベント履歴の範囲が少なければ会員管理T/C70側で何度もイベント履歴の選択操作を行わねばならず不便になるため、号機別イベント履歴テーブル74a及び/又は会員別イベント履歴テーブル74b内の特定日のイベント履歴すべてを通知するようにしてもかまわない。
また、かかる特定の対象を長時間にわたって監視する場合を除いては、過度に多くのイベント履歴をカメラサーバ100に通知すると、店内の通信網を圧迫することになるので、検索結果として一覧表示されている分のイベント履歴を通知したり、検索結果として得られた全件を通知するようにしてもよい。
(2)カメラサーバの構成
次に、本実施例に係るカメラサーバについて説明する。図5は、本実施例に係るカメラサーバ100の構成を示す機能ブロック図である。なお、実際のカメラサーバ100では、図示した機能部以外の機能部を有するが、図5では、本実施例に係るカメラサーバ100の特徴を説明するために必要な構成要素のみを抜粋している。
同図に示すように、このカメラサーバ100は、入力部110と、出力部120と、通信I/F部130と、記憶部140と、制御部150とを有する。
入力部110は、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、出力部120は、液晶パネルやディスプレイ等の表示デバイス及びスピーカ等の音声デバイスであり、また、通信I/F部130は、CRユニット20、島コントローラ30、会員管理T/C70及びカードT/C80との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
記憶部140は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、たとえば記憶部140内に格納される動画ファイルの管理情報を記憶する動画管理テーブル140aと、店内機器の号機別に撮像された動画データを表す号機別動画ファイル140bとを併せて記憶する。
動画管理テーブル140aは、図6に示すように、カメラ90のカメラIDごとに当該カメラ90が撮像する店内機器の号機番号及び動画像の格納先を示すパス名を記憶したテーブルである。図6に示す例では、カメラID「00001」のカメラ90によって号機番号「P0001」のCRユニット20及びそのペアのパチンコ機10の周辺領域が撮像されるとともにその動画ファイルがパス1のアドレスに格納されていることを示している。なお、号機番号の頭文字は店内機器の種別を示しており、Pが付与されているものはCRユニットを示し、Bが付与されているものは計数機を示している。
制御部150は、カメラサーバ100を全体制御する制御部であり、動画像格納部150aと、再生順序決定部150bと、再生動画像特定部150cと、再生区間決定部150dと、動画像再生部150eとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、動画像格納部150a、再生順序決定部150b、再生動画像特定部150c、再生区間決定部150d及び動画像再生部150eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
動画像格納部150aは、動画管理テーブル140aを用いて、カメラ90によって撮像される動画像を記憶部140内に格納する処理部である。具体的には、カメラ90から動画像及びカメラIDを受信した場合に、動画管理テーブル140aを参照して該当カメラIDに対応付けて記憶されたパス名を特定し、該特定したパス名に対応する記憶部140の格納先に動画像を格納することにより動画を逐次蓄積していく。
再生順序決定部150bは、イベント履歴通知部75dによって通知されたイベント履歴群に対応するイベント動画像の再生順序を決定する処理部である。詳細は後述するが、一例としては、会員管理T/C70から受信したイベント履歴群のうちイベント履歴選択受付部75cによって選択が受け付けられたイベント履歴のイベント動画像に最も早い再生順序を割り当てるとともに、該イベント履歴のイベント発生時刻以降の時刻を有するイベント履歴を対象にイベント発生時刻が早いイベント履歴のイベント動画像ほど早い再生順序を割り当てる。
再生動画像特定部150cは、動画管理テーブル140aを用いて、記憶部140内に記憶された号機別動画ファイル140bのうちいずれの店内機器の動画ファイルを再生するのかを特定する処理部である。具体的には、会員管理T/C70からイベント履歴群を受信した場合に、動画管理テーブル140aを参照して、イベント履歴として通知された号機番号それぞれに対応する格納先(パス名)を特定し、該特定した格納先の動画ファイルを再生対象の動画ファイルとして決定する。
再生区間決定部150dは、再生対象とする動画ファイルの再生区間を決定する処理部である。具体的には、会員管理T/C70からイベント履歴群を受信した場合に、イベント履歴として通知された時刻(イベント発生時刻)それぞれを起点として前後の所定期間(例えば、45秒間)を含む区間を再生区間として決定する。なお、イベント発生時刻から遡る再生期間及びイベント発生時刻から後に進む再生期間の長さは、同一であっても相違してもよく、また、イベントの性質によって任意に変更してもよい。また、図5に示す例では、再生動画像特定部150c、再生区間決定部150dの順に処理を行うこととしたが、両者は独立した処理であるため、いずれの機能部の処理を先に行ってもよいし、同時に行うこととしてもよい。
動画像再生部150eは、記憶部140内に格納された動画ファイルを再生する処理部である。具体的には、再生動画像特定部150cによって再生対象として決定された動画ファイルであって再生区間決定部150dによって決定された再生区間の動画像、すなわちイベント履歴に対応するイベント動画像を再生順序決定部150bによって決定されたイベント動画像の再生順序にしたがって再生するとともに、イベント履歴通知部75dによって通知されたイベント履歴を当該再生画像に重畳して再生する。
なお、動画像に重畳表示させるイベント履歴の表示態様(例えば、フォントや透明度など)は任意に設定することができる。例えば、他店のパチンコ玉の持ち込みや熊手等で計数値をカウントアップさせる行為等の不正ゴトが行われやすいイベントについては赤色表示や点滅表示などの注意喚起を促す表示態様を採るようにしてもよい。
次に、本実施例に係る遊技場管理システムの処理の流れを説明する。なお、ここでは、会員管理T/C70によって行われる(1)イベント履歴通知処理を説明した後に、カメラサーバ100によって行われる(2)動画像再生処理を説明することとする。
(1)イベント履歴通知処理
前述したように、ここでは、本実施例に係るイベント履歴通知処理について説明する。図7は、本実施例に係るイベント履歴通知処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、入力部71を介して動画ファイルの閲覧要求を受け付けた場合等に開始される。
同図に示すように、検索条件受付部75aは、号機別イベント履歴テーブル74a又は会員別イベント履歴テーブル74bいずれのテーブルに対してイベント履歴の検索を行うかを受け付け(ステップS101)、イベント名、イベント内容、イベント発生時刻もしくは号機番号などの項目に関して検索条件を受け付ける(ステップS102)。
より詳細には、図8に示すように、号機別イベント履歴を選択するボタンと会員別イベント履歴を選択するボタンとを出力部72に表示し、入力部71のポインティングデバイス等を介していずれかのボタン選択を受け付けて検索を行うテーブルを決定する。このとき、号機別イベント履歴が選択された場合には、図9に示すように、担当者コード等の計数業務に特化したイベント内容の項目が検索項目の設定対象に反映される一方、会員別イベント履歴が選択された場合には、図10に示すように、会員番号等の会員に特化したイベント内容の項目が検索項目の設定対象に反映される。
検索条件の受付後、イベント履歴検索部75bは、号機別イベント履歴テーブル74a又は会員別イベント履歴テーブル74bに記憶されるイベント履歴の中から、検索条件受付部75aによって受け付けられた検索条件に一致または部分一致するイベント履歴を検索し(ステップS103)、その検索結果の一覧を出力部72に表示する(ステップS104)。
例えば、号機別イベント履歴の検索を行う際に図9に示した検索項目及びその内容が検索条件として指定された場合には、号機番号が「B002」であり、かつイベント名が「計数」であるイベント履歴を号機別イベント履歴テーブル74aから検索し、その検索結果の一覧(図9中段の検索結果画面)を出力部72に表示する。また、会員別イベント履歴の検索を行う際に図10に示した検索項目及びその内容が検索条件として指定された場合には、会員番号が「12345」であり、かつイベント名「入金」、「排出」又は「計数」のいずれかに該当するイベント履歴を会員別イベント履歴テーブル74bから検索し、その検索結果の一覧(図10中段の検索結果画面)を出力部72に表示する。
続いて、イベント履歴選択受付部75cは、検索結果の一覧の中から閲覧を希望するイベント履歴の選択を入力部71を介して受け付け(ステップS105)、イベント履歴通知部75dは、イベント履歴選択受付部75cによって受け付けられたイベント履歴とともに該イベント履歴のイベント発生時刻から前後の所定件数に含まれるイベント履歴をカメラサーバ100に通知し(ステップS106)、処理を終了する。
より詳細には、図9中段に示した検索結果の一覧として表示されたイベント履歴(1)〜(4)、そして、図10中段に示した検索結果の一覧として表示されたイベント履歴(a)〜(e)は、図11に示したタイムチャートに点在する各々の時刻に発生している。
例えば、図9中段に示した検索結果画面において同図の(3)のイベント履歴の選択を受け付けた場合には、図9下段に示すように、当該イベント履歴(3)のイベント発生時刻よりも前に発生したイベント履歴(2)、さらに、それよりも後に発生したイベント履歴(4)をイベント履歴(3)とともにカメラサーバ100に通知する。一方、図10中段に示した検索結果画面において同図の(d)のイベント履歴の選択を受け付けた場合には、図10下段に示すように、当該イベント履歴(d)のイベント発生時刻よりも前に発生したイベント履歴(c)、さらに、それよりも後に発生したイベント履歴(e)をイベント履歴(d)とともにカメラサーバ100に通知する。
ここで、図9〜図11に示した例では、号機別イベント履歴の検索を行った場合と会員別イベント履歴の検索を行った場合で、結果として、同一の事象を指すイベント履歴であるイベント履歴(4)及びイベント履歴(e)がカメラサーバ100に通知されることになるが、本実施例では、同一の事象を指すイベントであっても検索元のテーブルが異なれば、検索を行うテーブルによって通知されるイベント内容を差別化することとした。
すなわち、号機別イベント履歴テーブル74aに対して検索を行った場合には、会員別イベント履歴テーブル74bに対して検索を行った場合に通知されない担当者コードを通知する一方で、会員別イベント履歴テーブル74bに対して検索を行った場合に通知される会員番号が通知されないことになる。
このように、検索項目の一部に特化したイベント履歴テーブルを構築することにより、動画像を再生する際に重畳させるイベント履歴の内容を厳選することができる。
(2)動画像再生処理
次に、本実施例に係る動画像再生処理について説明する。図12は、本実施例に係る動画像再生処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、会員管理T/C70からイベント履歴通知を受け付けた場合に開始される。
同図に示すように、イベント履歴通知を受け付けると(ステップS201肯定)、再生順序決定部150bは、イベント履歴通知部75dによって通知されたイベント履歴群に対応するイベント動画像の再生順序を決定する(ステップS202)。
例えば、図9の例で言えば、イベント履歴(2)〜(4)のうち、イベント履歴選択受付部75cで受け付けられたイベント履歴(3)のイベント動画像を再生順序の1番目とし、イベント履歴(3)のイベント発生時刻「14時20分」よりも後に発生したイベント履歴(4)のイベント動画像を再生順序の2番目とする。その一方で、イベント履歴(3)のイベント発生時刻「14時20分」よりも前のイベント履歴(2)のイベント動画像については、再生順序から除外し、後述するように、再生できるようにイベント履歴、イベント動画像の格納先及び再生区間を保持して再生準備はするものの、入力部110を介してイベント履歴(2)の再生指示を受け付けない限りは再生しないこととしている。
再生動画像特定部150cは、動画管理テーブル140aを参照して、当該イベント履歴群として通知された号機番号それぞれに対応する格納先(パス名)を特定し、該特定した格納先の動画ファイルを再生対象の動画ファイルとして決定する(ステップS203)。
続いて、再生区間決定部150dは、イベント履歴として通知された時刻(イベント発生時刻)それぞれを起点として前後の所定期間(例えば、45秒間)を含む区間を再生区間として決定する(ステップS204)。
このように、再生動画像特定部150cが再生対象の動画ファイルを特定し、さらに、再生区間決定部150dが再生区間を決定することにより、会員管理T/C70から通知された各イベント履歴群のイベント動画像が特定される。そのため、以降に入力部110を介して再生を受け付けた際に各イベント動画像を任意に再生可能な状態となる結果、選択受付が行われたイベント履歴の前後のイベント動画像をカメラサーバ100側の入力操作で再生することができる。
そして、動画像再生部150eは、再生順序決定部150bによって決定されたイベント動画像の再生順序にしたがって、再生動画像特定部150cによって再生対象として決定された動画ファイルであって再生区間決定部150dによって決定された再生区間の動画像であるイベント動画像を再生区間の開始時刻から再生するとともに、イベント履歴通知部75dによって通知されたイベント履歴を当該再生画像に重畳して表示する(ステップS205及びステップS206)。
このとき、他のイベント履歴の再生操作を入力部110を介して受け付けた場合(ステップS207肯定)には、動画像再生部150eは、再生操作を受け付けたイベント履歴に対応するイベント動画像の再生を開始するとともにそのイベント動画像にイベント履歴を重畳して表示する(ステップS205及びステップS206)。
また、再生対象の動画ファイルの再生区間が終了するまで(ステップS208否定)、動画像再生部150eは、イベント履歴を重畳表示しつつ、動画ファイルの再生を続ける(ステップS209)。
そして、再生していた動画ファイルの再生区間が終了した場合(ステップS208肯定)に、再生が終了したイベント動画像の再生順序よりも再生順序が遅いイベント動画像が存在すれば(ステップS210肯定)、動画像再生部150eは、次の再生順序として定められたイベント動画像の再生を開始するとともにそのイベント動画像にイベント履歴を重畳して表示する(ステップS205及びステップS206)。
一方、再生が終了したイベント動画像の再生順序よりも再生順序が遅いイベント動画像が存在しなければ(ステップS210否定)、そのまま処理を終了する。
例えば、図9に示すイベント履歴(2)〜(4)を受信した場合には、図13に示すように、イベント履歴(3)のイベント動画像から再生が開始され、閲覧者から特段の再生指示が行われなければ、イベント履歴(3)、イベント履歴(4)の順にイベント動画像を再生する。そして、イベント履歴(3)よりも前のイベント履歴(2)のイベント動画像を閲覧したい場合や閲覧済みのイベント動画像を再度再生したい場合などには、図13に示したスキップボタン等を介して他のイベント動画像の再生操作を受け付けることもできる。これらイベント履歴(2)〜(4)のイベント動画像を再生することにより、計数機「B002」で発生したイベント「計数」について不正行為の有無を監視することができる。
一方、図10に示すイベント履歴(c)〜(e)を受信した場合には、図14に示すように、イベント履歴(d)のイベント動画像から再生が開始され、閲覧者から特段の再生指示が行われなければ、イベント履歴(d)、イベント履歴(e)の順にイベント動画像を再生する。そして、イベント履歴(d)よりも前のイベント履歴(c)のイベント動画像を閲覧したい場合や閲覧済みのイベント動画像を再度再生したい場合などには、図13に示したスキップボタン等を介して他のイベント動画像の再生操作を受け付けることもできる。これらイベント履歴(c)〜(e)のイベント動画像を再生することにより、会員番号「12345」に関するイベント「計数」、「入金」及び「排出」について不正行為の有無を監視することができる。
ここで、図13及び図14の例では、イベント履歴(4)及び(e)のイベント動画像で他店のパチンコ玉を玉計数機「B002」に流す不正が行われているが、閲覧者が指定したイベント履歴は(3)または(d)であるため、本来であれば会員管理T/C70側で再生操作を行わねば不正発生時の画像を観ることはできないが、本実施例では、選択を受け付けたイベント履歴のイベント発生時刻から時系列に前後する複数のイベント履歴をカメラサーバ100に通知することとしたため、特別な操作を行うことなく目的の画像を閲覧できる。
そして、イベント履歴(4)及び(e)から従業員が他の業務等で持ち場を離れた隙を突いて他店のパチンコ玉を計数していることを看破することができるので、従業員に対しては持ち場を離れたことへの注意を促すとともに、遊技客に対しては不正行為に対しての対応処置を取ることができる。
さらに、号機別検索を行った場合には、イベント履歴(2)及び(3)のイベント動画像を閲覧することにより、遊技店の管理者は、従業員「BBB」及び「CCC」が計数に立ち会っている一方で従業員「AAA」だけが計数の立ち会いを離れているという傾向を把握することもできる。
また、会員別検索を行った場合には、イベント履歴(c)及び(d)のイベント動画像を閲覧することにより、遊技店の管理者は、不正ゴトを行った会員「12345」が計数ゴトだけでなく、他のゴトを行っていないか、他の場所でも不正を行っていないかなども確認することができる。
なお、イベント履歴(4)とイベント履歴(e)は、同一の事象のイベントであるので再生されるイベント動画像は同一のものとなるが、上述のように、会員管理T/C70側でイベント履歴に付加されるイベント内容が異なる。このため、号機別検索を行ったイベント動画像を再生した場合には、担当者コードを再生動画像に重畳表示するのでイベント「計数」を担当した従業員を特定することができる。また、会員別検索を行ったイベント動画像を再生した場合には、会員番号を再生動画像に重畳表示するので会員を特定することができる。
上述してきたように、本実施例では、イベント内容、イベント発生時刻及び号機番号をイベント履歴として記憶しておき、記憶したイベント履歴の中から再生を要求するイベント履歴の選択を受け付け、選択を受け付けたイベント履歴とともに該イベント発生時刻から前後の所定件数に含まれるイベント履歴をカメラサーバ100に通知するように会員管理T/C70を構成し、号機番号ごとに該店内機器とその周辺が撮像された動画像の格納先を対応付けて記憶しておき、記憶した動画像の格納先のうち、通知されたイベント履歴群に含まれる号機番号それぞれに対応する格納先の動画像を再生対象の動画像として特定し、再生対象として特定した動画像であってイベント履歴として通知されたイベント発生時刻を含む所定の再生区間の動画像であるイベント動画像を再生するとともに、当該イベント履歴をイベント動画像に重畳して再生するようにカメラサーバ100を構成したので、不正発生時の画像を簡便に参照させるとともに、監視すべき不正の内容を把握しやすい画像を提示することが可能である。
また、本実施例では、検索条件として、イベント内容、イベント発生時刻もしくは号機番号のうち少なくともいずれか1つを受け付け、記憶したイベント履歴の中から検索条件に一致または部分一致するイベント履歴を検索し、検索結果の中から再生対象とするイベント履歴の選択を受け付けるように構成したので、イベント履歴の選択対象を低減させることができ、不正発生時の画像を迅速に見つけ出すことが可能である。
さらに、本実施例では、会員管理T/C70によって通知されたイベント履歴群のうち選択が受け付けられたイベント履歴のイベント動画像に最も早い再生順序を割り当ててイベント動画像の再生順序を決定し、決定した再生順序にしたがって各イベント履歴のイベント動画像を再生するように構成したので、閲覧者が選択したイベント履歴に対応するイベント動画像をいち早く再生することができ、不正行為が発生した時刻や場所について正しい申告があった場合に不正発生時の画像を迅速に再生することが可能である。
なお、本実施例では、イベント履歴の検索結果の中から選択を受け付けたイベント履歴に対応するイベント動画像を優先して再生するように再生順序を決定することとしたが、カメラサーバ100に通知された各イベント履歴群に対応するイベント動画像のうちいずれのイベント動画像から再生することとしてもよく、イベント履歴群の組合せの全通りについて任意に再生順序を設定することができる。
例えば、カメラサーバ100に通知されたイベント履歴群の中でイベント発生時刻が最も早いイベント動画像もしくは遅いイベント動画像から順に再生するようにしてもよい。イベント発生時刻が最も早いイベント動画像から順に再生すれば、イベント動画像を時系列順に再生することができ、再生されるイベント動画像の移り変わりを直観的に把握させやすくすることが可能である。
さらに、本実施例では、1つのイベント動画像を1つの出力部で再生する例を説明したが、1つの出力部で複数のイベント動画像を再生することもできる。例えば、カメラサーバ100で受信したイベント履歴の数と同数に画面分割を行い、各分割画面でイベント動画像を再生したり、過度に分割画面が小さくなって視認性が著しく低下しない分割上限数を予め定めておき、この分割上限数の範囲内で画面分割を行って複数のイベント動画像を再生するようにしてもよい。
すなわち、これによって、イベント履歴群すべてを再生する場合にその再生時間を短くでき、イベント動画像の閲覧時間を圧縮することが可能である。また、複数のイベント動画像を俯瞰的に閲覧させることができ、個別のイベントの監視ではなく店内全体の監視を行う場合に監視効率を高めることも可能になる。
また、本実施例では、複数のイベント履歴をカメラサーバ100に通知する際に、閲覧者によって選択が行われたイベント履歴のイベント発生時刻を前後するイベント履歴を送信することとしたが、時間的な関係に拘束されることなく、他の関係を有するイベント履歴を送信することとしてもよい。
例えば、本発明では、閲覧者によって選択が行われたイベント履歴に含まれる号機番号の店内機器が動画管理テーブル140aによって1対1で定められているカメラ以外でも重複して撮像されている場合には、そのカメラによって撮像された動画ファイルにおける同一再生区間を再生することもできる。
一例としては、店内機器の号機番号ごとに当該店内機器を撮像範囲に収容する第1のカメラのカメラID及び前記店内機器に対する第1のカメラよりも撮像範囲が狭い第2のカメラのカメラIDを対応付けて記憶する撮像範囲管理テーブルを設けておき、イベント履歴の選択を受け付けた場合に、当該イベント履歴に含まれる号機番号に対応付けられた第1及び第2のカメラIDを取得し、第1及び第2のカメラIDを有するカメラによって撮像された動画ファイルを再生対象の動画ファイルとして特定し、選択を受け付けたイベント履歴のイベント発生時刻から各々の動画ファイルの再生区間を決定し、各動画ファイルを再生区間について再生する。
この撮像範囲管理テーブルには、1つの店内機器に関して異なる撮像範囲を有するカメラのカメラIDを設定することになるが、その設定例としては、CRユニット20とパチンコ機10とのペアにつき1つの第1のカメラが設けられている場合に、そのペアに隣接するペアを撮像するカメラを第2のカメラとして設定したり、或いは第1のカメラが収容するペアと遊技客が背中合わせとなる位置に設置されたペアを撮像するカメラを第2のカメラとして設定する。
例えば、CRユニット20及びパチンコ機10のペアを連続して配設した遊技場において左側のペアから順番に号機番号が採番されているとした時、会員管理T/C70で「P0002」を含むイベント履歴が選択された場合には、図15に示すように、号機番号「P0002」の両隣に設置されている号機番号「P0001」及び「P0003」によって撮像された動画像、さらには、号機番号「P0002」と向かい合わせに設置された号機番号「P××××」によって撮像された動画像が再生される。
すなわち、本実施例では、1つの店内機器もしくは店内機器のペアにつき1つのカメラを専属して設けることとしているが、設置カメラが必ずしも厳密な意味で特定の店内機器だけを撮像範囲に収容しているわけではない。
店内機器間の位置関係やカメラの配置によっては、その撮像範囲が重複することが多く、他の店内機器の専属として設けられたカメラであっても、専属のカメラでは撮像されていないアングルから撮像した動画像が蓄積される。
このため、各カメラによって撮像された動画像を再生すれば、1つの店内機器に複数のカメラを設けた場合と同等の効果を得られる。さらに、専属ではないカメラのアングルからでしか撮像できない事象も多く存在するため、1つのイベントについて多面的なイベント動画像を検証することが可能になる。
なお、本実施例では、閲覧要求者から選択を受け付けたイベント履歴に加えて、当該イベント履歴のイベント発生時刻から時系列に前後するイベント履歴をカメラサーバ側に通知することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、通知を行うイベント履歴の幅は、イベント件数、カメラの記録(ファイル)上の画面区分或いは検索する時に時間や件数、カメラ画面区分を選択入力できるようにしてもよい。そうすることで、イベント発生時刻からの所定区間に含まれる画像を柔軟に対応して見ることができるようになる。
また、本実施例では、複数のイベント動画像の再生区間の長さを全て同一とした実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、イベントに要すると推定される時間、イベントが発生する時間帯によって再生区間の長さを任意に変更することができる。
例えば、「玉貸ボタン押下」や「貯玉再プレイ」などの玉貸し処理では期間は短く(例えば20秒)、「カード返却」などの場合はイベント後よりもイベント前の状況を確認したい場合が多く考えられるため、前は長めで後は短め(例えば、前60秒、後15秒)にするといった設定を事前に行っておくことができる。
さらに、これに関連して、複数のイベント動画像を1つの出力部で同時に再生する場合に、画面の分割上限数を超える数のイベント動画像が存在し、かつ再生区間の長さが異なるイベント動画像が存在する場合には、イベント動画像の再生順序、イベント動画像を切り替えるタイミングを任意に設定することができる。
例えば、図16に示すように、出力部の画面の分割上限数を4つとし、再生対象とするイベント動画像の数を5つ以上とし、かつ各分割画面で最初に再生されるイベント動画像の再生区間の長さをT1<T2<T3<T4とした時には、イベント動画像の再生を開始してからT1、T2、T3、T4が経過する度にその分割画面で新たなイベント動画像を順次再生するようにしてもよいし、また、T4が経過して4画面全てのイベント動画像の再生が終了した時点で4つのイベント動画像をまとめて再生するようにしてもよい。
また、本実施例では、号機別イベント履歴テーブル74a又は会員別イベント履歴テーブル74bのうちいずれか一方のテーブルからイベント履歴を検索させることとしたが、両方のテーブルからイベント履歴を検索させるようにしてもかまわない。
なお、本実施例では、特に言及していないが、会員管理T/C70がイベント履歴として通知する時刻と、カメラサーバ100によって格納される動画像の時刻とがズレた場合には、カメラサーバ100でイベント履歴に対応する動画を閲覧することができなくなるので、会員管理T/C70及びカメラサーバ100の時刻合わせを定期的に行うことが好ましい。
また、本実施例では、1つの店内機器につき1台のカメラを設置する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の店内機器及びその周辺領域の撮像を1台のカメラに兼務させるようにしてもかまわない。
なお、本実施例では、会員管理システムとカメラシステムを連動させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図1に示したカードT/C80を中心に構築されるカードシステムや遊技台の台情報を収集するホールコンピュータ(図示せず)を中心に構築されるシステムとカメラシステムとを連動させる場合にも本発明を同様に適用することができる。
すなわち、管理対象に応じて複数種類の管理装置を設け、決定した動画像に対して、複数種類の管理装置のいずれかにより通知されたイベント履歴を重畳するように構成する。例えば、会員管理システムと連動した場合には、計数のイベント履歴を重畳表示する際に会員番号を表示するのに対し、ホールコンピュータと連動した場合には、計数のイベント履歴を重畳表示する際に当該会員番号の遊技客が遊技を行った区間のアウト(打込み玉)とセーフ(払出し玉)もしくは出玉を表示することができる。
このように、同時刻の動画像であってもイベント履歴の選択を受け付ける管理装置によって異なるイベント履歴を表示させる結果、管理装置ごとの特性に合ったイベント履歴を重畳させることができ、再生される動画像で注視すべき箇所をより把握しやすい画像を提示することが可能になる。
また、本実施例では、本発明をパチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合又はパチスロ遊技のみを対象とした場合にも本発明を同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。