以下に添付図面を参照して、本発明に係る遊技場管理システム及び遊技場管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明をパチンコ遊技に適用する場合について説明することとする。
まず、本実施例に係る遊技店の店内システムのシステム構成について説明する。図1は、本実施例に係る店内システムのシステム構成図である。
同図に示すように、遊技店には、パチンコ機10と、CRユニット20と、島コントローラ30と、玉計数機40と、景品管理装置50と、景品払出機60と、会員管理T/C70と、カードT/C80と、H/C90と、カメラT/C100と、カメラ200とが設けられている。
パチンコ機10は、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技者がパチンコ遊技を行う装置であり、本実施例では、プリペイドカード対応のいわゆるCRパチンコ機であるものとしている。
CRユニット20は、カードT/C80と各パチンコ機10との間に介在し、カードT/C80に対してプリペイドカードの残金額(以下、「プリペイド残額」と言う)の問い合わせやプリペイド残額の減算要求を行うとともに、プリペイド残額がある場合にパチンコ機10に対して玉貸し指示を行う装置である。
また、CRユニット20は、会員管理T/C70に預け入れられた貯玉を引き落とすいわゆる再プレイの機能を有する。具体的には、会員がCRユニット20に会員カードを挿入して所定の再プレイ操作を行うと、会員管理T/C70が記憶管理する貯玉残高から再プレイ分の玉数を減算するように依頼するとともにその再プレイ分の玉数を投出する。
島コントローラ30は、周囲を通路に囲まれたスペース(遊技島)に設けられた一群のパチンコ機10及びCRユニット20を束ねる中継装置である。
玉計数機40は、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する計数機であり、その計数結果を関連付けた計数レシートを発行するレシート発行の機能を有する。具体的には、遊技客または従業員によって投入されたパチンコ玉を計数し、その投入玉の計数値、発行日時、担当者(従業員)及び計数機号機が紐付けられた計数IDをバーコード印刷した計数レシートを発行する。なお、ここでは、計数機能とレシート発行機能を併せて有する計数機を例示したが、これらの機能は計数機とレシート発行機とを別々に設けることとしてもかまわない。
また、玉計数機40は、登録済み会員によって計数された計数値の一部または全部を貯玉加算するいわゆる計数貯玉の機能を有する。具体的には、計数終了後に遊技店の従業員が遊技客から受け取った会員カードをカード挿入口に挿入すると、会員番号及び計数値を含む計数貯玉依頼が会員管理T/C70に送信される。なお、この計数貯玉依頼を受け付けた会員管理T/C70によって会員番号に対応する貯玉残高に計数値が加算される。
景品管理装置50は、遊技店内の景品交換カウンタに配設された景品交換用の端末装置である。具体的には、景品カウンタ内の従業員が、玉計数機40により発行された計数レシートを遊技客から受け取ると、この計数レシートのバーコードリーダへの読取操作を通じて計数情報を取得するとともに、遊技客により指定された景品に対応する交換ボタンを押下し、当該景品に相当する交換玉数を計数値(獲得玉)から減算する交換制御を実行させ、その後に従業員による手作業で遊技客に受け渡す。また、遊技客が特殊景品への交換を希望する場合には、従業員はこの景品管理装置50に設けられた特殊景品交換ボタンを押下し、計数値に応じた特殊景品の払い出しを景品払出機60に指示する。
また、景品管理装置50は、会員によって保有される貯玉と引き換えに景品との交換を制御する機能を有する。具体的には、会員カードに記録された会員番号がカードリーダへの読取操作を介して読み取られると、当該会員番号に対応する貯玉残高を会員管理T/C70に問い合わせ、その問合せ応答として得られた貯玉残高の範囲内で、計数レシートと同様に一般景品もしくは特殊景品との交換制御を行い、交換分の玉数を貯玉残高から減算するように会員管理T/C70に依頼する。
会員管理T/C70は、図示しない会員管理テーブルを用いて遊技店に登録された会員の統括管理を行う管理装置である。この会員管理テーブルは、会員番号に貯玉残高及び属性情報を対応付けて記憶している。そして、玉計数機40又は景品管理装置50から貯玉加算依頼を受け付けたならば該当する貯玉口座内の貯玉数を加算処理し、CRユニット20又は景品管理装置50から貯玉減算依頼を受け付けたならば該当する貯玉口座内の貯玉数を減算処理する。
カードT/C80は、図示しないプリペイド残額管理テーブルを用いてプリペイドカードの残額管理を行う管理装置である。このプリペイド残額管理テーブルは、プリペイドカードIDにプリペイド残額を対応付けて記憶している。そして、CRユニット20から価値付け依頼(残額加算依頼)を受け付けた場合に、該価値付け依頼に含まれるプリペイドカードIDのプリペイド残額を加算処理し、また、CRユニット20から残額減算依頼を受け付けた場合には、該残額減算依頼に含まれるプリペイドカードIDのプリペイド残額を減算処理する。
H/C90は、図示しない台データ管理テーブルを用いて各パチンコ機10の台データの管理を行うホールコンピュータである。この台データ管理テーブルは、パチンコ機10の号機番号にアウト数、セーフ数、特賞数やスタート数などの台データを対応付けて記憶している。これらの台データは、各パチンコ機10でアウト、セーフ、特賞またはスタートが発生する度に収集され、該台データ管理テーブルに登録される。なお、アウトとは、遊技台に打ち込まれたパチンコ玉を指し、セーフとは、遊技台から賞玉として投出されたパチンコ玉を指し、特賞とは、遊技台における大当りを指し、また、スタートとは、遊技台で単位ゲームを開始する事象を指す。
このように、遊技店には、会員をはじめ遊技客に対してサービスを提供するシステムとして、会員カードを取り扱う店内機器(例えば、CRユニット20、玉計数機40や景品管理装置50など)とこれらの店内機器を管理する会員管理T/C70とを含んで構成される会員管理システム、そして、プリペイドカードを取り扱う店内機器(例えば、CRユニット20、その他図示しないカード精算機など)を含んで構成されるカードシステム、さらには、遊技台の台データを取り扱う店内機器(例えば、パチンコ機10、CRユニット20及び玉計数機40など)を含んで構成されるホールコンシステムが併存している。
さらに、遊技店には、遊技場の監視を目的としたシステムとして、各店内機器を撮像するカメラ200と、カメラ200によって撮像された画像を格納するカメラT/C100とを含んで構成されるカメラシステムが設けられている。
この遊技場とは、遊技客が立ち入り可能な場所を指す。また、遊技店には、遊技場とは別に遊技客の立ち入りを禁止した事務所が設けられており、遊技店の機密に関わる情報を管理する各種の管理装置、たとえば会員管理T/C70、カードT/C80、H/C90及びカメラT/C100は遊技場ではなく事務所に配設される。
このカメラ200は、店内機器及びその周辺を撮像可能に設けられた撮像デバイスであり、図1の例では、パチンコ機10及びCRユニット20のペア、玉計数機40、景品管理装置50及び景品払出機60のペアなどの店内機器または店内機器の組合せに対応して1つ設置される。このカメラ200によって撮像された画像は、各カメラに予め付与されたカメラIDとともに送信され、カメラT/C100によって店内機器別に格納される。
カメラT/C100は、カメラ200によって撮像される動画像を格納するサーバ装置である。具体的には、後述する動画管理テーブル121で撮像日付、カメラ200のカメラID、該カメラ200が撮像する店内機器の号機番号及び動画像の格納先が対応付けて管理されており、カメラ200からカメラID及び撮像画像を受信した場合に、当該カメラIDに対応する号機番号の格納先に撮像画像を蓄積していく。なお、カメラT/C100に格納された動画は、自装置または他装置からの指示に基づきカメラT/C100の出力部で再生することができる。
ここで、本実施例では、会員管理T/C70、カードT/C80やH/C90などの管理装置が管理する店内機器で発生したイベント履歴と、カメラT/C100によって格納される動画像とを関連付けておき、イベント履歴の選択により再生する動画像を選択させることとしている。
すなわち、不正発生時には、遊技客や従業員から場所や時刻などの申告がなされてその申告に対応する画像をカメラT/C100から見つけ出す操作を行う必要があるが、この申告の場所や時刻に基づき画像を再生していたのでは、遊技客及び従業員が店内機器に全く接触しておらず、完全に不正の対象外である場面の動画も含まれているので、かかる場面の動画を見ながら目的の場面の動画を見つけ出す必要があり、多大な労力がかかってしまう。また、このような申告は曖昧であったり、勘違いがあったりすることが多く、特に時刻に関しては意識していない遊技客の方が多い。
このため、本実施例では、各種の店内機器で発生するイベントのイベント種別、イベントの内容、イベントが発生したイベント発生日時及びイベントが発生した店内機器の号機番号などのイベント履歴を選択させ、そのイベント履歴に対応する動画像を再生させることで、詳細なイベント内容を参照しながら再生する動画像を選択させるとともに、店内機器に動きがあり、不正が行われる余地がある場面の動画だけを再生させることとしている。なお、本実施例で言う「イベント」とは、遊技客や従業員によって行われる店内機器に対する操作、その操作に応答して行われる処理、或いは店内機器で生じるエラー等の事象を指す。
さらに、本実施例では、動画像を再生させるに際してイベント履歴を重畳表示させることとしている。この重畳表示により、再生される動画像が何を意味する画像であるのかをイベント履歴から把握させることとしている。
このように、本実施例では、不正発生時の画像を簡便に参照させるとともに、監視すべき不正の内容を把握しやすい画像を提示することとした。
また、本実施例では、会員管理T/C70、カードT/C80やH/C90などの管理装置によって店内機器から収集されたイベント履歴をカメラT/C100側に通知し、閲覧者が実際に動画像を確認するカメラT/C100でイベント履歴の選択操作を集約して行わせることとしている。
すなわち、管理装置側で店内機器から収集されたイベント履歴を選択させることとしたのでは、選択したイベント履歴が目的の動画像と対応していなければ、管理装置側でイベント履歴の選択を再度行わねばならない。さらに、本実施例のように、会員管理システム、カードシステム及びホールコンシステムの3つのシステムが併存する場合には、各管理装置で個別にイベント履歴を選択せねばならず、イベント履歴の選択操作が煩雑となってしまう。
このため、本実施例では、管理装置からカメラT/C100にイベント履歴を通知し、カメラT/C100側でイベント履歴の選択操作を集約して行わせることにより、管理装置側でのイベント履歴の再選択操作、管理装置とカメラT/Cの間の往復移動、ひいては個別の管理装置でのイベント履歴の選択操作を不要化することができるようにしている。
加えて、本実施例では、イベントごとの性質の違い、すなわちイベント種別によって管理装置からカメラT/C100にイベント履歴を通知させるタイミングを変化させることとしている。
すなわち、イベントが発生する度にイベント履歴をカメラT/C100に通知していたのでは、管理装置とカメラT/Cの間での通信負荷が大きくなってしまい、店内通信網を圧迫してしまう結果となる。
このことから、イベント発生時に速やかに動画像を確認すべきイベント、たとえば不正ゴトや盗難被害に密接に関連するイベントについては、店内機器からイベント履歴を収集するとともにイベント履歴をカメラT/C100に通知させる一方で、事後的に閲覧すれば足るイベントについては、定期時刻(例えば、2時間ごと)にイベント履歴をカメラT/C100に通知させることとした。
これによって、イベント発生時に速やかに確認を必要とする動画像に対応するイベント履歴を優先して通知するとともに、管理装置からカメラT/C100に通知されるイベント履歴を分散して通知することができ、緊急時に必要なイベント履歴を用いて動画像を再生させつつも店内通信網が圧迫されることを防止することが可能になる。
ここで、カメラT/C100に蓄積される動画像は、遊技店が長く継続して営業を行うほど膨大なデータ量となるので、営業日ごとに累積して蓄積されてゆく動画像を全て保存しておくことは中長期的には困難である。
そこで、本実施例では、上述のように、イベント履歴に対応する動画像の呼出しによって動画像の閲覧に係る利便性を高める一方で、カメラ200によって撮像された動画像を中長期的に蓄積する場合に、遊技店が事後のために残しておきたいイベントの動画像を手間なく保存できるようにした。
すなわち、上記の従来技術では、蓄積した動画像の一部を削除して保存データ量を低減するにあたって、蓄積している動画像のうち古い撮像日時の動画像から順番に削除するデータ整理を画一的に行っていた。
例えば、図2(a)に示すように、8月31日に上記のデータ整理が行われて保存データが確定した時点で、7月分の動画データと8月分の動画データがハードディスク等で構成される記憶デバイスに格納されているとした時、9月1日から9月15に亘っては、9月1日から9月15までの動画データを新規に蓄積する一方で、撮像日付の古い7月1日から7月15日までの動画データを削除するデータ整理が行われる。
その結果、9月15日のデータ整理が行われた時点では、図示のごとく、7月1日から7月15日までの動画データが削除された代わりに9月1日から9月15までの動画データが新たに蓄積されることになる。
このようなデータ整理を行った場合には、たとえ削除する7月1日から7月15日までの動画データに遊技店が事後のために残しておきたい動画データが含まれていたとしても、特段の操作を行わなければその他のデータとともに削除されてしまう。
このため、特定のイベントに関する動画像を保存しようとする場合には、上記の従来技術で説明した煩雑な操作を行う必要があるので、保存目的とするイベントに対応する動画像の部分を見つけ出すまでに多くの時間と労力がかかり、最悪の場合には、保存指定し忘れて削除されてしまうおそれもある。
一方、本実施例では、上記の従来技術と同様に、蓄積している動画像のうち古い撮像日付の動画像から優先して動画像の一部を削除するものの、撮像日時が古い動画像の全てを画一的に削除するようなことはしない。つまり、上記の従来技術では、削除される撮像日付の動画像であっても、不正ゴトや盗難被害に密接に関連するイベント種別に対応する動画像を当該撮像日付の動画像の中から切り出し、削除禁止データとして再保存する。
例えば、図2(b)に示す例で言えば、9月1日から9月15に亘っては、9月1日から9月15までの動画データを新規に蓄積するまでは同様であるが、保存データの中で撮像日付が最も古い7月1日の動画データから順番に動画データを一律には削除しない。
すなわち、削除対象とする7月分の動画データの中でも、遊技店が事後のために残しておきたい動画データ、すなわち不正ゴトや盗難被害に密接に関連するイベント種別に対応する部分の動画データを切り出し、切出し後の動画データを削除禁止データとして再保存する一方で、当該切出しが完了した撮像日付の動画データを削除する。
この結果、9月15日のデータ整理が行われた時点では、図示のごとく、9月1日から9月15までの動画データを新たに蓄積しながらも、7月分の動画データの中で不要な動画データを削除する一方で遊技店が事後のために残しておきたい部分の動画データだけを削除禁止データとして継続して保存できる。
したがって、本実施例によれば、不正ゴトや盗難被害に密接に関連するイベント種別を動画像削除条件の適用除外として設定しておけば、撮像日付が古くなり不要となった動画像の中でも不正ゴトや盗難被害に密接に関連するイベント種別に対応する部分の動画像を自動的に切り出すことができ、切出し後の動画像を再保存できる結果、遊技店が事後のために残しておきたいイベントの動画像を手間なく保存できる。
続いて、本実施例に係る遊技場管理システムを構成する各装置の構成を説明する。なお、ここでは、会員管理システムとカメラシステムとを連動させて動画像を再生する遊技場管理システムを例示することとし、会員管理システムの中心となる会員管理T/C70とカメラシステムの中心となるカメラT/C100との構成を詳細に説明する。
(1)会員管理T/C70の構成
前述したように、ここでは、本実施例に係る会員管理T/C70の構成について説明する。図3は、本実施例に係る会員管理T/Cの構成を示す機能ブロック図である。
同図に示すように、この会員管理T/C70は、通信I/F部71と、記憶部72と、制御部73とを有する。なお、実際の会員管理T/C70では、図示した機能部以外の機能部(例えば、入出力部をはじめ、会員情報や貯玉残高を記憶するテーブルや貯玉残高の更新を更新するソフトウェアなど)を有するが、図3では、本実施例に係る会員管理T/C70の特徴を説明するために必要な構成要素のみを抜粋している。
通信I/F部71は、CRユニット20、島コントローラ30、カードT/C80、H/C90及びカメラT/C100との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
記憶部72は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、たとえばイベントごとに当該イベントのイベント履歴をカメラT/C100に通知するタイミングを定めた送信区分(通知タイミング設定)を管理する送信区分管理テーブル72aと、会員管理システムに関連する店内機器で発生したイベント履歴を管理する2つのテーブル、すなわち店内機器の号機別にイベント履歴を管理する号機別イベント履歴テーブル72bと、会員別にイベント履歴を管理する会員別イベント履歴テーブル72cとを併せて記憶する。
送信区分管理テーブル72aは、図4に示すように、所属システムごとにイベント種別及び送信区分を記憶したテーブルである。図4に示す例では、会員管理システムには計数、交換、貯玉及び再プレイの4種類のイベントが存在し、これらのうち計数の送信区分が1であり、それ以外の交換、貯玉及び再プレイの送信区分が2であることを示している。カードシステムにおいては、紙幣系エラーのイベントだけが送信区分1に設定されており、それ以外のイベント(紙幣の入金、カードの排出及びビルバリ等のロック解除)については送信区分2が設定されていることを示しいている。また、ホールコンシステムにおいては、遊技台の扉オープン及び遊技台のエラーのイベントが送信区分1に設定されており、遊技台の大当たり(特賞当選)については送信区分2が設定されていることを示している。
ここで、送信区分とは、イベント履歴をカメラT/C100に通知するタイミングを定めた設定を指し、送信区分「1」は、所属システムの店内機器からイベント履歴を取得した際にリアルタイムでイベント履歴をカメラT/C100に通知する旨を規定した区分であり、一方、送信区分「2」は、定期時刻までイベント履歴を管理装置で蓄積しておき、定期時刻になった時にイベント履歴を送信する旨を規定した区分である。
号機別イベント履歴テーブル72bは、図5に示すように、号機番号ごとにイベント種別、日付、時刻、T玉数及び担当者コードを記憶したテーブルである。図5に示す例では、7月1日における号機番号「B002」の計数機で発生したイベント履歴が記憶されており、たとえば11時には担当者コード「AAA」の従業員立会いの下に600個の獲得玉の計数が行われたことを示している。なお、ここでは、号機番号が「B002」のイベント履歴だけを示しているが、他の号機番号のイベント履歴も同様に記憶される。
会員別イベント履歴テーブル72cは、図6に示すように、会員番号ごとにイベント種別、日付、時刻、号機番号及び取引高を記憶したテーブルである。図6に示す例では、7月1日における会員番号「12345」の会員に関するイベント履歴が記憶されており、たとえば11時20分には会員番号「12345」の会員が号機番号「P0001」のCRユニット20に会員カードを挿入した旨を示している。なお、ここでは、会員番号が「12345」のイベント履歴だけを示しているが、他の会員番号のイベント履歴も同様に記憶される。
これら2つのテーブルは、イベント履歴を記憶する点では共通しているが、一方は、店内機器の号機番号別に履歴が登録され、他方は、会員カードを通じて行われたイベントの履歴が会員別に登録される。
そして、両テーブル間では、イベント履歴として登録されるイベント内容が異なる。具体的には、号機別イベント履歴テーブル72bでは、計数業務に特化したイベント内容(例えば、従業員コード)が登録されるのに対し、また、会員別イベント履歴テーブル72cでは、会員に特化したイベント内容(例えば、会員番号)が登録される。
なお、図5及び図6では、会員管理システムのイベント履歴を例示したことからCRユニット20、玉計数機40及び景品管理装置50のイベント履歴を例示したが、他のシステムのイベント履歴の場合には、所属する店内機器が異なることもある。
制御部73は、会員管理T/C70を全体制御する制御部であり、イベント履歴取得部73aと、イベント履歴通知部73bと、イベント履歴登録部73cとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、イベント履歴取得部73a、イベント履歴通知部73b及びイベント履歴登録部73cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
イベント履歴取得部73aは、所属システムの店内機器からイベント履歴を取得する処理部である。具体的には、イベントが発生した場合に、そのイベントが確定した後にイベントが発生した店内機器の号機番号、イベント種別、日付、時刻、取引高、担当者コード、さらに会員に関するイベントであれば会員番号を店内機器に通知させることによりイベント履歴を取得する。
イベント履歴通知部73bは、送信区分管理テーブル72aを用いて、イベント履歴取得部73aによって取得されたイベント履歴をカメラT/C100に通知する処理部である。具体的には、イベント履歴取得部73aによってイベント履歴が取得された場合に、送信区分管理テーブル72aに記憶された送信区分のうち、当該イベント履歴に対応する送信区分が「1」であるか否かを判定する。そして、送信区分が「1」である場合には、このままイベント履歴をカメラT/C100に通知することによりリアルタイムでイベント履歴を通知する一方で、送信区分が「2」である場合には、この時点ではイベント履歴を通知しない。
イベント履歴通知部73bは、カメラT/C100に対して、号機別イベント履歴テーブル72b及び会員別イベント履歴テーブル72cに記憶されたイベント履歴を定期時刻に通知する。具体的には、現時刻が定期時刻(例えば、10時から2時間定期の時刻)に至った場合に、号機別イベント履歴テーブル72b及び会員別イベント履歴テーブル72cに記憶されたイベント履歴のうち、前回の送信時刻から今回の送信時刻になるまでに蓄積したイベント履歴(言い換えれば、現時刻から2時間前までのイベント履歴)を読み出し、該読み出したイベント履歴をカメラT/C100に通知する。なお、両テーブルから読み出したイベント履歴には、リアルタイムで送信した送信区分「1」のイベント履歴も含まれるため、この送信区分「1」のイベント履歴を除外して送信するようにしてもよい。
ここで、本実施例では、定期時刻に通知されるイベント履歴にはリアルタイムで通知済みである送信区分「1」のイベント履歴も含めることとしたが、その理由は、送信区分「1」のイベント履歴の検索効率を上げるために、カメラT/C100側で送信区分「1」に対応するイベント履歴を個別に記憶するテーブルを保持させるとともに、全体検索を行う場合にも両送信区分のイベント履歴を同一のテーブルから検索できるように、送信区分「1」及び「2」の両方のイベント履歴を併せて記憶するテーブルを保持させることによりカメラT/C100側で送信区分「1」のイベント履歴を重複登録することとしたためである。
なお、再生対象とする動画ファイル及び再生区間を特定するためには、少なくとも号機番号及び時刻が必須であり、それ以外の項目は表示用の付加情報であるため、イベント内容の一部については通知内容から除外することもできる。
イベント履歴登録部73cは、イベント履歴取得部73aによって取得されたイベント履歴を記憶部72内に登録する処理部である。具体的には、イベント履歴取得部73aによってイベント履歴として号機番号、イベント種別、日付、時刻、取引高、担当者コード、さらに会員に関するイベントであれば会員番号が取得されるので、取得されたイベント履歴を号機別イベント履歴テーブル72bに登録し、さらに、イベント履歴に会員番号が含まれる場合には、取得されたイベント履歴を会員別イベント履歴テーブル72cに登録する。
(2)カメラT/Cの構成
次に、本実施例に係るカメラT/Cについて説明する。図7は、本実施例に係るカメラT/Cの構成を示す機能ブロック図である。なお、実際のカメラT/C100では、図示した機能部以外の機能部(例えば、入力デバイス、表示デバイスや音声出力デバイス等)を有するが、図7では、本実施例に係るカメラT/C100の特徴を説明するために必要な構成要素のみを抜粋している。
同図に示すように、カメラT/C100は、通信I/F部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。通信I/F部110は、CRユニット20、島コントローラ30、会員管理T/C70、カードT/C80及びH/C90との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
記憶部120は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、たとえば記憶部120内に格納される動画ファイルを管理する動画管理テーブル121と、各カメラ200によって撮像された動画データの群である動画ファイル群122と、会員管理T/C70、カードT/C80及びH/C90などの他の管理装置から通知されたイベント履歴を記憶するイベント履歴テーブル123と、動画像を削除する動画像削除条件の適用除外とするイベント種別が適用除外設定として規定された設定データである適用除外設定ファイル124と、特定のイベントに対応する部分が切り出された動画データの群であるイベント動画ファイル群125とを併せて記憶する。
動画管理テーブル121は、図8に示すように、撮像日付、カメラ200のカメラID、そのカメラ200が撮像する店内機器の号機番号及び動画像の格納先を示すパス名を記憶したテーブルである。図8に示す例では、7月1日に撮像された動画ファイルの管理情報の一例を示しており、最上部のレコードでは、カメラID「00001」のカメラ200によって号機番号「P0001」のCRユニット20及びそのペアのパチンコ機10の周辺領域が撮像されるとともにその動画ファイルがパス1のアドレスに格納されていることを示している。なお、号機番号の頭文字は、店内機器の種別を示しており、Pが付与されているものはCRユニットを示し、Bが付与されているものは計数機を示し、Jが付与されているものは景品管理装置を示すものとしている。
動画ファイル群122には、撮像日付ごとの動画像のデータであって被撮像対象の店内機器の号機番号ごとの動画ファイルの群である。例えば、図8に示した最上部のレコードを例に挙げれば、カメラID「00001」のカメラ200が号機番号「P0001」のCRユニット20及びそのペアのパチンコ機10の周辺領域を撮像範囲に収め、7月1日の開店処理から閉店処理まで継続して撮像した動画データであり、記憶部120内のパス1のアドレスにMPEG等の圧縮方式で圧縮された動画ファイルとして記憶されている。
イベント履歴テーブル123は、緊急イベント履歴テーブルと通常イベント履歴テーブルを含むテーブル群である。
このうち、緊急イベント履歴テーブルは、イベント種別ごとに号機番号、日付、時刻、会員番号、取引高及び担当者コードを記憶したテーブルである。具体的には、会員管理T/C70のイベント履歴通知部73bによってリアルタイムに通知されたイベント履歴をはじめ、カードT/C80及びH/C90などの他の管理装置から同様にリアルタイムに通知されたイベント履歴が記憶され、結果として、会員管理システム、カードシステム及びホールコンシステムの3つのシステムから通知されたイベント履歴を記憶する。
この緊急イベント履歴テーブルに格納される送信区分「1」のイベント履歴は、計数、紙幣系エラー、扉オープン及びエラーに関するものであり、たとえば熊手等の不正器具を用いたり、他店のパチンコ玉を投入したりする計数ゴト、偽造札や異物を挿入する紙幣ゴト、遊技機の基板に対するゴト、さらには、体感器等を用いた特賞を誘発するゴトなど、いずれも不正ゴトに密接に関連するゴトである。
このように、送信区分「1」に設定されるイベント履歴を記憶するのは、イベント発生時に速やかに動画像を確認すべきイベントのイベント履歴を個別に記憶するためであり、ひいては、イベント履歴を選択させる際にその選択対象を早急に確認すべきイベントに厳選するためである。
一方、通常イベント履歴テーブルは、送信区分「1」及び「2」の両方に対応するイベント履歴を記憶する。記憶される内容としては、たとえば会員管理T/C70から通知されるものを例に挙げれば、図5に示した号機別イベント履歴テーブル72bや図6に示した会員別イベント履歴テーブル72cに記憶されたイベント履歴と同様のものが格納される。ただし、通常イベント履歴テーブルでは、図5及び図6に示したものと必ずしも同一のものが記憶されているとは限らず、定期時刻に至って通知されたものが記憶される。また、ここでは、会員管理T/C70から通知されるイベント履歴を例に挙げたが、カードT/C80やH/C90などの他の管理装置から通知されるイベント履歴も同様に記憶される。
適用除外設定ファイル124は、動画像削除条件の適用除外とするイベント種別が適用除外設定として規定された設定データであり、図9に示す例で言えば、計数、紙幣系エラー、扉オープン及び遊技台エラーの4つのイベント種別が適用除外設定として登録されている。
かかる適用除外設定がなされているイベント種別については、たとえば最も撮像日付の古い動画ファイルを削除するという動画像削除条件を用いて、動画ファイル群122のうち一部の動画ファイルを削除する場合であっても、当該イベント種別に対応する部分の動画データを削除することを禁止し、後述する動画像切出し部136によってイベント種別に対応する部分の動画データを切り出させる。
イベント動画ファイル群125は、後述する動画像切出し部136によってイベント履歴の対応部分が切り出された動画ファイルの群である。このイベント動画ファイル群125は、上記の動画ファイル群122のように、1営業日の動画像が一括りのデータストリームとして構成されたものではなく、動画ファイルからイベント発生時刻を基準とした所定の切出し区間が切り出された動画ファイルである。なお、イベント動画ファイル群125を格納するアドレスは、後述する動画像切出し部136による切出し後にイベント履歴に関連付けてイベント履歴テーブル123に登録される。
制御部130は、カメラT/C100を全体制御する制御部であり、動画格納部131と、イベント履歴格納部132と、動画像再生処理部133と、削除対象特定部134と、適用除外履歴抽出部135と、動画像切出し部136と、動画像削除部137とを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、動画格納部131、イベント履歴格納部132、動画像再生処理部133、削除対象特定部134、適用除外履歴抽出部135、動画像切出し部136及び動画像削除部137にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
動画格納部131は、動画管理テーブル121を用いて、カメラ200によって撮像される動画像を記憶部120内に格納する処理部である。具体的には、カメラ200から動画像及びカメラIDを受信した場合に、動画管理テーブル121を参照して該当撮像日付及び該当カメラIDに対応付けて記憶されたパス名を特定し、該特定したパス名に対応する記憶部120の格納先に動画像を格納することにより動画を逐次蓄積していく。
イベント履歴格納部132は、各種管理装置から通知されたイベント履歴をイベント履歴テーブル123に格納する処理部である。具体的には、イベント履歴通知部73bによってイベント履歴が通知された場合に、通知されたイベント履歴の送信区分が1である場合には、当該イベント履歴を緊急イベント履歴テーブルに格納し、また、通知されたイベント履歴の送信区分が2である場合には、当該イベント履歴を通常イベント履歴テーブルに格納する。
動画像再生処理部133は、記憶部120内に格納された動画ファイルを再生する処理部である。具体的には、緊急イベント履歴テーブルまたは通常イベント履歴テーブルに記憶されたイベント履歴の中から再生対象とするイベント履歴の選択を受け付け、動画管理テーブル121を用いて再生対象とする動画ファイルを特定するとともに動画ファイル群122の中から再生対象とする動画ファイルの再生区間を決定し、再生対象として特定した動画ファイルを再生区間について再生するとともに、選択を受け付けたイベント履歴を当該再生画像に重畳して再生する。
より具体的には、動画像再生処理部133は、イベント履歴の選択を受け付けた場合に、動画管理テーブル121を参照して、当該イベント履歴の号機番号に対応する格納先(パス名)を特定し、該特定した格納先の動画ファイルを再生対象の動画ファイルとして決定するとともに、選択を受け付けたイベント履歴の時刻(イベント発生時刻)を基準とした前後の所定期間(例えば、45秒間)を含む区間を再生区間として決定する。なお、イベント発生時刻から遡る再生期間及びイベント発生時刻から後に進む再生期間の長さは、同一であって相違してもよく、イベントの性質によって任意に変更してもよい。また、再生対象とする動画像の特定、動画像の再生区間は、いずれも独立した処理であるのでいずれの処理を先に行ってもよいし、同時に行うこととしてもよい。
そして、動画像再生処理部133は、再生対象として特定した動画ファイルを再生区間が終わるまで再生するとともに、選択を受け付けたイベント履歴を当該再生画像に重畳して再生する。なお、動画像に重畳表示させるイベント履歴の表示態様(例えば、フォントや透明度など)は任意に設定することができる。例えば、他店のパチンコ玉の持ち込みや熊手等で計数値をカウントアップさせる行為等の不正ゴトが行われやすいイベントについては赤色表示や点滅表示などの注意喚起を促す表示態様を採るようにしてもよい。
一例を挙げて説明すると、動画像再生処理部133は、カメラT/C100の表示部に図10(a)に示す画面表示を行うことにより、ポインティングデバイス等の入力部を介して緊急イベント履歴テーブル又は通常イベント履歴テーブルのいずれのテーブルからイベント履歴の選択を行うのかを受け付ける。
そして、緊急イベント履歴テーブルが選択された場合には、動画像再生処理部133は、緊急イベント履歴テーブルに記憶されたイベント履歴を表示部に表示することによりイベント履歴を直接指定させ、また、通常イベント履歴テーブルが選択された場合には、選択対象とするイベント履歴の量が膨大なものとなることから、検索により選択対象のイベント履歴を絞り込ませる。なお、緊急イベント履歴テーブルに記憶されたイベント履歴については、緊急性の高いものが多いので、リアルタイムで受信した時にそのイベント履歴をポップアップ表示等で表示し、当該イベント履歴を1操作で閲覧できるようにしてもかまわない。
このとき、通常イベント履歴テーブルからイベント履歴を選択する旨を受け付けた場合には、動画像再生処理部133は、図10(b)に示す検索条件の入力画面を表示部に表示させ、イベント種別、イベント内容、イベント発生日付、イベント発生時刻もしくは号機番号などの項目に関して検索条件を受け付ける。なお、ここでは、項目の内容に関する条件を受け付けることを説明したが、項目の内容だけではなく、AND条件又はOR条件で検索する検索方式も任意に設定することができる。
その上で、動画像再生処理部133は、通常イベント履歴テーブルに記憶されるイベント履歴の中から、受け付けた検索条件に一致または部分一致するイベント履歴を検索し、検索結果として検索条件に一致したイベント履歴の一覧(図10(c)参照)を表示部に表示させることにより、閲覧を希望するイベント履歴の選択を入力部を介して受け付ける。
例えば、図10(c)に示した検索結果の一覧の中から上から3番目のイベント履歴が選択された場合には、図11に示す動画像が表示部に再生される。このように再生される動画像と重畳表示されるイベント履歴からは、従業員「CCC」が他の業務等で持ち場を離れた隙を突いて遊技客が他店のパチンコ玉を計数していることを看破することができ、従業員「CCC」に対しては持ち場を離れたことへの注意を促すとともに、遊技客の顔画像をもとに不正者を登録するブラックリストへの登録を行ったり、店内を捜索して当該遊技客に対して対応処置(例えば、交換禁止処置や警察への通報処置)を取ったりすることが可能になる。なお、不正を行う遊技客が会員であった場合には、会員番号も表示されるので、当該会員の他の不正行為を検索したり、会員管理テーブルから身元を確認したりすることもできる。
図7の説明に戻り、削除対象特定部134は、動画管理テーブル121を用いて、動画ファイル群122のうち動画像削除条件を満たす撮像日付の動画ファイルの格納先を削除対象として特定する処理部である。具体的には、たとえば動画管理テーブル121によって記憶される撮像日付のうち最も撮像日付の古い動画ファイルを削除するという動画像削除条件を用いる場合には、撮像日付が最も古い動画ファイルの格納先を動画管理テーブル121から読み出し、該読み出した動画ファイルの格納先を削除対象として特定する。なお、ここでは、撮像日付が最も古い動画ファイルを削除するという動画像削除条件を例示したが、動画像削除条件はこれに限定されるものではなく、たとえば五十日を除いて撮像日付が最も古い動画ファイルを削除するなど、任意の条件を用いることができる。
適用除外履歴抽出部135は、動画像削除条件を満たす撮像日付に発生したイベント履歴であって、適用除外設定ファイル124によって適用除外設定として記憶されたイベント種別を含むイベント履歴をイベント履歴テーブル123から抽出する処理部である。
例えば、動画管理テーブル121に記憶される撮像日付の中で7月1日の動画ファイルの撮像日付が最も古いとした時には、図12に示すように、7月1日に発生したイベント履歴であり、かつ適用除外設定されている計数、紙幣系エラー、扉オープン及び遊技台エラーの4つのイベント種別を含むイベント履歴をイベント履歴テーブル123から抽出する。なお、本実施例では、緊急イベント履歴(送信区分1)とするイベント履歴と、適用除外設定するイベント履歴を同一のものと設定しているので、イベント履歴の抽出時に緊急イベント履歴テーブルだけを検索対象とすることにより、イベント履歴の抽出速度を向上させることができる。
動画像切出し部136は、削除対象特定部134によって格納先が特定された動画ファイルであって適用除外履歴抽出部135によってイベント履歴として抽出された店内機器の号機番号に対応する動画ファイルから、当該イベント履歴として取得されたイベント発生時刻を基準とした所定の切出し区間の動画像を切り出す処理部である。
例えば、図12に示すイベント履歴のうち最上部のレコードのイベント履歴に対応する動画像を切り出す場合には、削除対象特定部134によって削除対象として特定された7月1日の動画ファイルの格納先のうち号機番号「P0001」に対応する格納先の動画ファイルを記憶部120から読み出し、イベント発生時刻「16:20」を基準とし、イベント種別が「紙幣系エラー」である場合の切出し区間、たとえばイベント発生時刻から30秒前の区間およびイベント発生時刻から15秒後の区間の動画像をイベント動画ファイルとして切り出す(図13(a)参照)。
このように、紙幣系エラーのイベント動画像を切り出す場合に、イベント発生時刻から遡る区間をイベント発生時刻から後に進む区間よりも長くしたのは、偽造札や異物を挿入する紙幣ゴトが行われる場合には、財布やポケットから紙幣を取り出し、紙幣挿入口に挿入しようとする操作段階の動画像で偽造札が撮像されているケースが多く、イベント発生時刻とされるCRユニット20での紙幣受付時点よりも前に紙幣ゴトの現場が撮像されているからである。
また、図12に示すイベント履歴のうち最上部から4つ目のレコードのイベント履歴に対応する動画像を切り出す場合には、削除対象特定部134によって削除対象として特定された7月1日の動画ファイルの格納先のうち号機番号「B002」に対応する格納先の動画ファイルを記憶部120から読み出し、イベント発生時刻「17:00」を基準とし、イベント種別が「計数」である場合の切出し区間、たとえばイベント発生時刻から10秒前の区間およびイベント発生時刻から図13(b)に示す計算式の計算結果の区間の動画像をイベント動画ファイルとして切り出す。
この図13(b)に示す計算式は、イベント履歴に含まれる獲得玉数(取引高)、100個のパチンコ玉を計数するのに要する単位計数時間(A秒/100個)、獲得玉を計数レシートに関連付けて発行するまでに要する発行所要時間或いは会員カードを挿入して獲得玉を貯玉するまでに要する貯玉所要時間を含んだ誤差Bから計数完了所要時間を推定するためのものである。
すなわち、獲得玉数に単位計数時間を乗算すれば、獲得玉の計数に要した獲得玉計数所要時間を推定でき、その獲得玉計数所要時間に誤差Bを加えれば、計数完了所要時間を推定できる。これによって、パチンコ玉の計数中で動画像が途切れて切り出されることがなくなり、玉計数機40での計数行為を全て収めたイベント動画ファイルを切り出せる結果、事後の閲覧に有用なイベント動画ファイルを切り出すことが可能になる。
なお、計数を行う遊技客が会員であった場合には、会員の貯玉操作を受け付けた時点または会員管理T/C70で貯玉残高が加算更新された時点でイベント種別「貯玉」のイベント発生時刻が取得されることになり、他のイベント履歴に対応する動画像を含んで切り出すことも想定されるが、イベント種別「貯玉」は動画像削除条件の適用除外ではなく、撮像日付の動画ファイル全体とともに削除されるので、玉計数機40での計数一連の流れを俯瞰的に可能とする観点からも、「計数」と「貯玉」の両イベントが収められた動画ファイルを併せて切り出すのが好ましい。
このように、適用除外履歴抽出部135によって抽出されたイベント履歴に含まれるイベント種別に応じて動画像の切出し区間を適切に変更することで、イベント種別ごとに核となる部分の動画像を収めた切出し動画像を得ることができ、事後の閲覧に有用なイベント動画ファイルを得ることが可能になる。
その後、動画像切出し部136は、上記のようにして切り出したイベント動画ファイルを当該イベント履歴に対応付けて記憶部120内に再保存する。具体的には、動画ファイルとは異なり、切出しによって新たに生成された動画ファイルであるので、イベント履歴を検索インデックスとしてイベント動画ファイルを呼び出させるように、イベント動画ファイルを記憶部120内に保存した時に、緊急イベント履歴テーブルまたは通常イベント履歴テーブルの少なくともいずれか1つに記憶された該当イベント履歴に対応付けて当該イベント動画ファイルの格納先を登録する。
このとき、図12に示すイベント履歴の最上部から4つ目及び5つ目のレコードのように、同一のイベントを指すイベント履歴が存在する場合には、4つ目のイベント履歴に対応付けて登録したイベント動画ファイルの格納先と同一の格納先を5つ目のイベント履歴に対応付けて登録することで、同じポインタを共有させることとしてもよい。
なお、本実施例では、緊急イベント履歴(送信区分1)とするイベント履歴と、適用除外設定するイベント履歴を同一のものと設定しているので、イベント履歴テーブルのうち緊急イベント履歴テーブルに格納先を書き込んでおけば動画像再生処理時に再生までの応答性を向上させることができる。
動画像削除部137は、削除対象特定部134によって格納先が特定された動画ファイルを削除する処理部である。具体的には、適用除外履歴抽出部135によって抽出された全てのイベント履歴に対応するイベント動画ファイルが動画像切出し部136によって切り出された場合に、削除対象特定部134によって格納先が特定された動画ファイル、すなわち動画像削除条件を満たした撮像日付の全号機番号の動画ファイル(上記の例では、7月1日の全動画ファイル)を削除する。
次に、本実施例に係る遊技場管理システムの処理の流れを説明する。図14は、本実施例に係る動画像削除処理の手順を示すフローチャートである。この動画像削除処理は、会員管理T/C70、カードT/C80及びH/C90などの他の管理装置から閉店処理の完了通知を受け付けた場合に開始されることとするが、実際には、記憶部120に記憶される動画ファイルのデータ量が所定値以上になった場合、記憶部120の空き容量が所定値以下になった場合や指定値を伴う保存データ量の削減指示を受け付けた場合など任意のタイミングで処理を行うことができる。
図14に示すように、他の管理装置から閉店処理の完了通知を受け付けると(ステップS101肯定)、削除対象特定部134は、記憶部120内の動画ファイル群122の保存データ量が所定値以内であるか否かを判定する(ステップS102)。
このとき、記憶部120内の動画ファイル群122の保存データ量が所定値以内である場合、たとえば記憶部120に動画ファイルを格納し始めて月日が浅く保存データ量が所定値に届かない場合など(ステップS102肯定)には、以降のステップS103〜ステップS109までの処理を行う必要性がないことからそのまま処理を終了する。
ここで、記憶部120内の動画ファイル群122の保存データ量が所定値以内でない場合(ステップS102否定)には、削除対象特定部134は、動画管理テーブル121によって記憶される撮像日付のうち最も撮像日付の古い動画ファイルの格納先を動画管理テーブル121から読み出し、該読み出した動画ファイルの格納先を削除対象として特定する(ステップS103)。
続いて、適用除外履歴抽出部135は、削除対象とする撮像日付に発生したイベント履歴であって、適用除外設定ファイル124によって適用除外設定として記憶されたイベント種別を含むイベント履歴をイベント履歴テーブル123から抽出する(ステップS104)。
そして、動画像切出し部136は、削除対象特定部134によって格納先が特定された動画ファイルであって適用除外履歴抽出部135によってイベント履歴として抽出された店内機器の号機番号に対応する動画ファイルから、当該イベント履歴として取得されたイベント発生時刻を基準とした所定の切出し区間の動画像をイベント動画ファイルとして切り出す(ステップS105)。
続いて、動画像切出し部136は、ステップS105で切り出したイベント動画ファイルを削除禁止ファイルとして記憶部120内に再保存するとともに(ステップS106)、イベント履歴テーブル123に記憶された該当イベント履歴に対応付けて当該イベント動画ファイルの格納先を登録する(ステップS107)。
その後、適用除外履歴抽出部135によって抽出された全てのイベント履歴に対応するイベント動画ファイルが動画像切出し部136によって切り出されるまで(ステップS108否定)、上記のステップS105〜ステップS107までの処理を繰り返し行う。
そして、適用除外履歴抽出部135によって抽出された全てのイベント履歴に対応するイベント動画ファイルが動画像切出し部136によって切り出された場合(ステップS108肯定)に、動画像削除部137は、削除対象特定部134によって格納先が特定された動画ファイル、すなわち動画像削除条件を満たした撮像日付の全号機番号の動画ファイルを削除する(ステップS109)。
その後、記憶部120内の動画ファイル群122の保存データ量が所定値以内になるまで(ステップS102否定)、上記のステップS103〜ステップS109までの処理を繰り返し行い、動画ファイル群122の保存データ量が所定値以内になった場合(ステップS102肯定)に処理を終了する。
上述してきたように、本実施例では、イベント種別、イベント発生日時及び号機番号をイベント履歴として記憶しておき、撮像日付ごとに撮像対象とする店内機器に付与された号機番号別の動画ファイルの格納先を記憶しておき、動画像削除条件の適用除外とするイベント種別を適用除外設定として記憶しておき、格納先ごとに記憶した動画像の撮像日付のうち動画像削除条件を満たす撮像日付の動画ファイルの格納先を削除対象として特定し、動画像削除条件を満たす撮像日付に発生したイベント履歴であって適用除外設定として記憶したイベント種別を含むイベント履歴を抽出し、格納先が特定された動画像であってイベント履歴として抽出した号機番号に対応する動画像から、当該イベント履歴として取得したイベント発生時刻を基準とした所定の切出し区間の動画像を切り出すようにカメラT/Cを構成したので、不正ゴトや盗難被害に密接に関連するイベント種別を動画像削除条件の適用除外として設定しておけば、撮像日付が古くなり不要となった動画像の中でも不正ゴトや盗難被害に密接に関連するイベント種別に対応する部分の動画像を自動的に切り出すことができ、切出し後の動画像を再保存できる結果、遊技店が事後のために残しておきたいイベントの動画像を手間なく保存することが可能である。
また、本実施例では、切出し後のイベント動画ファイルを当該イベント履歴に対応付けて保存し、イベント動画ファイルの保存後に格納先を特定した動画ファイルを削除するように構成したので、遊技店が事後のために残しておきたい部分の動画像だけを削除禁止データとして継続して保存するとともに撮像日付が古くなり不要となった動画像を削除することができ、保存データ量を削減しつつ、遊技店が事後のために残しておきたいイベントの動画像を手間なく保存することが可能である。
また、本発明では、イベント動画ファイルの間でリンクを持たせることもできる。例えば、不正ゴトとの関連が深い計数、紙幣系エラー、扉オープン及び遊技台エラーの4つのうちいずれかのイベント種別に関しては、そのイベントが発生したCRユニット20及びパチンコ機10のペアと同じ遊技島に属するCRユニット20の一部または全部、或いは背中合せの遊技島に属するCRユニット20の一部または全部が撮像された動画ファイルについても、当該イベントのイベント発生時刻を基準とした前後の所定の区間を切り出して関連動画ファイルとして保存してもよい。これによって、不正者がイベント発生時刻の前後にその周辺場所でも不正ゴトを行っていた場合に、芋づる式に不正を発見することができる。
なお、ここでは、CRユニット20の場合について説明したが、イベント種別が計数である場合には、同一の従業員が担当する他の計数イベントの動画ファイルの格納先とリンクを持たせてもよいし、或いは同一の会員が他の店内機器で起こしたイベントのイベント種別が適用除外設定以外のものであっても動画像の切出しを行っておき、その切出し画像とリンクを持たせてもよい。
また、上記の実施例では、特に言及していないが、会員管理T/C70がイベント履歴として通知する時刻と、カメラT/C100によって格納される動画像の時刻とがズレた場合には、カメラT/C100でイベント履歴に対応する動画を閲覧することができなくなるので、会員管理T/C70及びカメラT/C100の時刻合わせを定期的に行うことが好ましい。
また、上記の実施例では、1つの店内機器につき1台のカメラを設置する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の店内機器及びその周辺領域の撮像を1台のカメラに兼務させるようにしてもかまわない。この場合には、緊急イベント履歴として設定されるイベント種別の場合などに、イベントが発生している店内機器を撮像範囲に収めるカメラ200に対して、当該店内機器を拡大して撮像したり、焦点を合わせたりなどの撮像制御を行うのが好ましい。
なお、上記の実施例では、会員管理システムとカメラシステムを連動させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図1に示したカードT/C80を中心に構築されるカードシステムやH/C90を中心に構築されるホールコンシステムとカメラシステムとを連動させる場合にも本発明を同様に適用することができる。
すなわち、管理対象に応じて複数種類の管理装置を設け、決定した動画像に対して、複数種類の管理装置のいずれかにより通知されたイベント履歴を重畳するように構成する。例えば、会員管理システムと連動した場合には、計数のイベント履歴を重畳表示する際に会員番号を表示するのに対し、H/C90と連動した場合には、計数のイベント履歴を重畳表示する際に当該会員番号の遊技客が遊技を行った区間のアウト(打込み玉)とセーフ(払出し玉)もしくはその差玉となる出玉を表示することができる。
このように、同時刻の動画像であってもイベント履歴の選択を受け付ける管理装置によって異なるイベント履歴を表示させる結果、管理装置ごとの特性に合ったイベント履歴を重畳させることができ、再生される動画像で注視すべき箇所をより把握しやすい画像を提示することが可能になる。
なお、上記の実施例では、遊技客に対する不正対応を行う場合(例えば、計数、紙幣系エラー、扉オープン及び遊技台エラー等のイベント履歴に対応する動画像を切り出す場合)について説明したが、遊技客に対する不正対応だけでなく、従業員の不正(例えば、景品払出機からの景品の抜取や遊技媒体計数時の不正等)に対する不正の対応も可能である。
また、上記の実施例では、本発明をパチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合又はパチスロ遊技のみを対象とした場合にも本発明を同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。