以下に添付図面を参照して、本発明に係る計数値管理システムおよび台間装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下の説明では、パチンコ店などの遊技店に設置されるパチンコ機やパチスロ機といった遊技台と並設された計数機能付き台間装置が、遊技媒体を計数する場合について説明する。
実施例の詳細な説明に先立って、本発明に係る計数値管理手法の概要について図1および図2を用いて説明する。図1は、本発明に係る計数値管理手法の概要を示す図である。
同図に示すように、各遊技台に併設された計数機能付台間装置(以下、単に「台間装置」と記載する)は、島コントローラ経由で管理装置と接続されている。ここで、管理装置とは、台間装置、精算機、景品交換装置といった遊技店に設置された機器を管理する装置であり、島コントローラとは、周囲を通路に囲まれたスペース(遊技島)に設けられた一群の台間装置や遊技台などの装置を束ねる装置である。
また、台間装置は、自装置が接続された遊技台で遊技者が獲得した遊技媒体(たとえば、パチンコ玉)の数を計数したうえで計数結果を計数値として記憶する。そして、遊技を終了した遊技者が、記録媒体(カード)の発行操作を行った場合には、記憶した計数値をカードへ関連付けたうえで、計数値が関連付けられたカードを遊技者へ発行する。
ところで、遊技店の営業が終了すると、管理装置は、台間装置をはじめとする各機器を閉店状態へ移行させる閉店指示を送信することで、閉店処理を実行することになる。ここで、従来は、台間装置に遊技客による「取り忘れ玉」などが残留していると、かかる閉店処理でエラーが発生してしまうので、計数値が残っている台間装置へ従業員が赴き、計数値をカードへ関連付けて発行する発行操作を行っていた。そして、各台間装置の計数値を0にする操作をそれぞれ行ったうえで、管理装置から閉店指示を送り、閉店処理を実行していた。
しかし、このように、カードに関連付けられることなく台間装置に残ったままになっている計数値(以下、「未処理計数値」と記載する)を、カードへ関連付けて発行する発行操作は面倒であるうえ、少数の「取り忘れ玉」が残っている場合であっても、すべての台間装置をチェックしてまわる必要がある。
このため、従来は、閉店作業の業務効率が悪いという問題があった。また、従来は、未処理計数値を反映させたカードを発行し、発行されたカードを従業員が回収する手順をとっていたため、従業員によるカード取得などの不正行為を防止することができないという問題もあった。
そこで、本発明に係る計数値管理手法では、上記した「未処理計数値」を管理装置へ集めて管理することとしたうえで、未処理計数値が反映されたカードの発行を原則として行わないこととした。
具体的には、同図に示したように、管理装置が台間装置へ閉店指示を送信すると(同図の(1)参照)、各台間装置は、自装置の未処理計数値を管理装置へ応答することとした(同図の(2)参照)。そして、各台間装置から未処理計数値を受信した管理装置は、かかる未処理計数値を管理するデータベースである未処理計数値DBを更新することとした(同図の(3)参照)。
つづいて、管理装置は、未処理計数値DBの更新が完了したならば、各台間装置へ計数値クリア指示を送信し(同図の(4)参照)、計数値クリア指示を受信した台間装置は、自装置の計数値クリア処理(計数値を0にする処理)を行うこととした(同図の(5)参照)。
なお、同図では、未処理計数値を管理する未処理計数値DBと、カードへ関連付けられた計数値を示す処理済計数値を管理する処理済計数値DBとを別々に設け、未処理計数値DBおよび処理済計数値DBを含んだ計数値管理DBを構成する場合について示したが、処理済計数値と未処理計数値とを区別することができれば、データベースの構成は問わない。
このように、本発明に係る計数値管理手法では、管理装置へ未処理計数値を収集し、各台間装置では、未処理計数値が関連付けられたカードの発行を原則として行わないこととしたので、閉店作業における不正行為を防止しつつ閉店作業の業務効率を向上させることができる。なお、管理装置では、収集時から所定期間(たとえば、数日)は、収集した未処理計数値を格納したまま管理しておくが、所定期間経過後は、未処理計数値を遊技店の利益(雑収入)へ振り替えるものとする。
次に、図1に示した計数値管理手法を適用するネットワーク環境について図2を用いて説明する。図2は、本発明に係る計数値管理手法を適用するネットワーク環境を説明するための図である。同図に示すように、管理装置には、LAN(Local Area Network)などのネットワーク経由で、島コントローラ100、精算機200、景品管理機300およびカード処理機400等の機器が接続されている。また、島コントローラ100には、台間装置(計数機能付台間装置)が接続されている。
ここで、台間装置が、残度数および計数値(各台計数機能で計数された計数値)を記録したカードを発行した場合、カードを発行された遊技者は、カードを精算機200へ挿入することで、残度数に応じた貨幣を受け取る。また、遊技者は、景品交換コーナーへカードを持参し、カード処理機400にカードをかざしたり挿入したりすることで、計数値に応じた景品を受け取ることになる。
同図に示すように、管理装置は、図1で説明した未処理計数値DBを含んだ計数値管理DBを記憶しており、各台間装置へネットワーク経由で閉店指示などの各種指示を行うとともに、各台間装置から受け取った未処理計数値を未処理計数値DBで管理する。なお、未処理計数値DBでは、未処理計数値を、各台間装置を識別する台番号などの識別子と対応付けて管理し、処理済計数値DBでは、処理済計数値を、各カードの識別子(たとえば、カードID)と対応付けて管理するものとする。
なお、図2に示したネットワーク環境で遊技者が利用可能なカード(記録媒体)の種別としては、台間装置に内蔵された内蔵カード(一般遊技者用カード)、遊技者が高額紙幣を用いて遊技した際の残高保持用のプリペイドカード、遊技店の会員に対して発行される会員カードがあげられる。
以下では、本発明に係る計数値管理手法を適用した計数値管理システムについての実施例を詳細に説明する。なお、以下では、基本となる計数値管理システムを実施例1として、管理装置に集積された未処理計数値を他の台間装置へ付け替える付替機能を有した計数値管理システムを実施例2として、それぞれ説明することとする。
図3は、実施例1に係る計数値管理システム1の構成を示す図である。同図に示すように、計数値管理システム1は、台間装置10と、管理装置20とから構成される。なお、同図には、1台の台間装置10のみを示しているが、管理装置20には所定数の台間装置10が島コントローラ100経由で接続されるものとする。
ここで、台間装置10の概要構成を説明するために、図4を用いて台間装置10の外観について説明しておく。図4は、台間装置10の外観図である。なお、同図には、台間装置10が併設された遊技台51を破線で示している。
図4に示すように、台間装置10は、係員の呼び出し時などに点灯する状態表示部41と、遊技媒体の貸し出しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部42と、係員が携帯するリモコン(携帯端末装置)からの指示を受け付けるリモコン受光部43と、ディスプレイおよびテンキーなどの操作キーで構成される表示/操作部44と、持ち玉等の遊技媒体を払い出すノズルを備えた持ち玉払出部45と、計数値が記録されたカードを発行するカード発行部46と、持ち玉(獲得玉)を計数する計数部47と、持ち玉(獲得玉)を貯留する玉貯留部48とを備えている。
また、玉貯留部48の前面には、持ち玉(獲得玉)の計数結果などを表示する計数表示部49と、持ち玉を用いた遊技を指示するための持ち玉払出ボタン50とを備えている。台間装置10は、同図に示す遊技台51の下皿52から持ち玉(獲得玉)を玉貯留部48へ誘導し、計数部47で持ち玉(獲得玉)の数量を計数する。
そして、遊技者が、持ち玉払出ボタン50を押下した場合には、持ち玉(獲得玉)を持ち玉払出部45経由で遊技台51へ投出する。なお、持ち玉払出部45は、紙幣挿入部42へ紙幣が挿入され、遊技台51の貸し出しボタンが押下された場合の払い出しも併せて行う場合もある。
図3の説明に戻り、台間装置10の構成について説明する。台間装置10は、カード保持部11(図4の46に対応)と、計数部12(図4の47に対応)と、通信I/F(インターフェース)13と、制御部14と、記憶部15とを備えている。
また、制御部14は、指示受付部14aと、未処理計数値通知部14bと、カード発行処理部14cと、処理済計数値通知部14dとをさらに備えている。なお、図3では、図4で説明した各構成要素の中から台間装置10の特徴点を説明するために必要な構成要素のみを抜粋して示している。
カード保持部11は、台間装置10に内蔵されるカードを保持する。このカード保持部11は、会員カードが挿入された場合には、この会員カードを保持する処理を併せて行う。なお、カード保持部11は、制御部14のカード発行処理部14cから指示を受けた場合に、計数値15aをカードへ関連付けたうえで、計数値15aが関連付けられたカードを発行(装置外へ排出)するものとする。
計数部12は、遊技者の持ち玉(獲得玉)を計数し、計数結果を計数値15aとして記憶部15へ記憶させる処理を行う。また、通信I/F(インターフェース)13は、LANカードなどの通信デバイスで構成され、ネットワーク経由で、台間装置10/管理装置20間のデータ送受信を行う。
制御部14は、管理装置20から閉店指示を受信した場合に、自装置の未処理計数値を管理装置20へ通知するとともに、管理装置20から計数値クリア指示を受信した場合には、自装置の未処理計数値をクリアする(0にする)処理等を行う処理部である。
指示受付部14aは、管理装置20から閉店指示などの各種指示を受け付ける処理を行う処理部であり、受け付けた通知が閉店指示である場合には、かかる閉店指示を未処理計数値通知部14bへ渡す処理を行う。なお、指示受付部14aは、受け付けた通知が計数値クリア指示である場合には、記憶部15の計数値15aを0とする処理を併せて行うものとする。
未処理計数値通知部14bは、管理装置20からの閉店指示を指示受付部14a経由で受け取った場合に、記憶部15から読み出した計数値15aを、未処理計数値として通信I/F13経由で管理装置20へ送信する処理を行う処理部である。
また、未処理計数値通知部14bは、閉店指示を受け取った場合に、カード発行処理部14cに対してカード発行を禁止する旨の指示を併せて行う。これにより、閉店指示を受け付けているにもかかわらず、悪意のある従業員が台間装置10を操作するなどして、計数値15aが関連付けられたカードを発行する不正行為を防止することができる。
カード発行処理部14cは、遊技店の営業時間内に、遊技客が表示/操作部44(図4参照)を操作するなどしてカード発行を指示した場合などに、記憶部15から読み出した計数値15aをカードへ関連付けたうえで、計数値15aが関連付けられたカードを発行するように、カード保持部11に対して指示する処理を行う処理部である。
また、カード発行処理部14cは、計数値15aを関連付けたカードの発行指示を行った場合に、かかる計数値15aを処理済計数値として処理済計数値通知部14dへ渡す処理を行う処理部である。なお、カード発行処理部14cは、未処理計数値通知部14bから発行禁止指示を受けた場合には、表示/操作部44(図4参照)経由で発行指示を受けた場合であってもカードの発行処理を行わない。
また、カード発行処理部14cは、プリペイド価値が価値付けられたカードをカード保持部11が保持している場合には、閉店処理時であっても、かかるカードを発行(装置外へ排出)するものとする。
処理済計数値通知部14dは、カード発行処理部14cから処理済計数値を受け取った場合に、受け取った処理済計数値を通信I/F13経由で管理装置20へ通知する処理を行う処理部である。なお、管理装置20が受信した処理済計数値は、カードIDと対応付けられたうえで処理済計数値情報23bへ登録されることになる。
記憶部15は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、計数値15aを記憶する。計数値15aは、計数部12による遊技媒体の計数結果であり、計数部12が遊技媒体を計数するたびに更新される。なお、台間装置10が管理装置20から計数値クリア指示を受けた場合には、指示受付部14aによって計数値15aが0にクリアされる。
次に、管理装置20の構成について説明する。管理装置20は、通信I/F21と、制御部22と、記憶部23とを備えている。また、制御部22は、指示通知部22aと、計数値格納部22bとをさらに備えており、記憶部23は、未処理計数値情報23aと、処理済計数値情報23bとを記憶する。
なお、未処理計数値情報23aは、図1および図2に示した未処理計数値DBに対応しており、処理済計数値情報23bは、同じく処理済計数値DBに対応している。また、図3では、管理装置20の特徴点を説明するために必要な構成要素のみを抜粋して示している。
通信I/F21は、LANカードなどの通信デバイスで構成され、ネットワーク経由で、管理装置20/台間装置10間のデータ送受信を行う。制御部22は、台間装置10に対して閉店指示や計数値クリア指示といった各種指示を送信する処理を行うとともに、各台間装置10から受け取った未処理計数値を、処理済計数値と区別して記憶部23へ記憶させる処理を行う処理部である。
指示通知部22aは、図示しない操作部から従業員による所定の入力が行われた場合に、閉店指示などの各種指示を通信I/F21経由で各台間装置10に対して送信する処理を行う処理部である。
計数値格納部22bは、通信I/F21経由で台間装置10から受け取った未処理計数値および処理済計数値を、記憶部23へ記憶させる処理を行う処理部である。具体的には、計数値格納部22bは、台間装置10から未処理計数値を受け取った場合には、受け取った未処理計数値を、送信元の台間装置10を識別する台番号などの識別子と対応付けたうえで記憶部23の未処理計数値情報23aへ登録する。
また、台間装置10から処理済計数値を受け取った場合には、受け取った処理済計数値を、処理済計数値が関連付けられたカードを識別するカードIDなどの識別子と対応付けたうえで記憶部23の処理済計数値情報23bへ登録する。
記憶部23は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、未処理計数値情報23aおよび処理済計数値情報23bを記憶する。未処理計数値情報23aは、台間装置10を識別する台番号などの台間装置識別子と、未処理計数値とを対応付けた情報であり、たとえば、毎営業日ごとに、蓄積されていく。なお、蓄積する期間を指定することが可能であり、たとえば、蓄積期間として3ヶ月が指定された場合には、登録日から3ヶ月間経過した情報は削除されていく。
ここで、未処理計数値情報23aの一例について図5を用いて説明する。図5は、未処理計数値情報23aを示す図である。同図に示すように、未処理計数値情報23aは、未処理計数値の送信元である台間装置10を識別する「台間装置識別子」項目と、「未処理計数値」項目とを含んでいる。なお、同図に示した未処理計数値情報23aは、1営業日分の情報である。
たとえば、同図に示した場合では、台間装置識別子が「101」の台間装置10の未処理計数値は「0」個であり、台間装置識別子が「102」の台間装置10の未処理計数値は「3」個である。このように、未処理計数値情報23aには、各台間装置10に対応する未処理計数値が保持される。
そして、未処理計数値を保持することで、後日になって計数忘れをした旨の苦情を遊技客から受けた場合であっても、遊技台の台番号や、未処理計数値を確認することができるので、かかる苦情に対応することが可能となる。
処理済計数値情報23bは、処理済計数値が関連付けられたカードのカードIDと、処理済計数値とを対応付けた情報である。なお、本実施例では、未処理計数値情報23aと、処理済計数値情報23bとを、それぞれ異なるDB(図1または図2参照)へ格納する場合について説明するが、未処理計数値情報23aと処理済計数値情報23bとを区別することができれば同一の格納先へ格納することとしてもよい。
次に、実施例1に係る計数値管理システム1が実行する処理手順について図6を用いて説明する。図6は、計数値管理システム1が実行する処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、管理装置20の指示通知部22aが、台間装置10へ閉店指示を送信する(ステップS101)。
一方、台間装置10の指示受付部14aが、かかる閉店指示を受信すると(ステップS102)、未処理計数値通知部14bは、未処理計数値があるか否かを判定する(ステップS103)。なお、ステップ103における判定は、記憶部15の計数値15aが0であるか否かに基づいて行われ、計数値15aが0でなければ未処理計数値ありと判定される。
そして、未処理計数値があった場合には(ステップS103,Yes)、未処理計数値通知部14bは、記憶部15から読み出した計数値15aを未処理計数値として管理装置20へ送信する(ステップS104)。なお、ステップS103の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS103,No)、その他の閉店処理を行い(ステップS110)、処理を終了する。なお、その他の閉店処理としては、各構成部のエラーチェック処理や電源OFF処理などがある。
一方、管理装置20の計数値格納部22bは、かかる未処理計数値を受信すると(ステップS105)、未処理計数値DBを更新する(ステップS106)。なお、かかるデータベースの更新は、記憶部23の未処理計数値情報23aを更新することによって行われる。つづいて、管理装置20の指示通知部22aが、台間装置10へ計数値クリア指示を送信する(ステップS107)。
そして、台間装置10の指示受付部14aが、計数値クリア指示を受信すると(ステップS108)、記憶部15の計数値15aを0にすることで計数値クリアを行う(ステップS109)。そして、その他の閉店処理を行い(ステップS110)、処理を終了する。
上述してきたように、実施例1によれば、台間装置は、計数部が、台間装置に対応する遊技台で遊技者が獲得した遊技媒体を計数し、記憶部が、計数された計数値を記憶し、発行指示を受けた場合には、カード発行処理部が、読み出した計数値を処理済計数値として計数値記録媒体へ関連付けたうえで計数値記録媒体を発行し、指示受付部が、通知指示を受けた場合に、未処理計数値通知部が、カード発行処理部に対する発行指示を禁止したうえで、関連付けが行われていない計数値を記憶部から読み出して未処理計数値として管理装置へ通知し、管理装置は、指示通知部が、台間装置に対して通知指示を送信し、計数値格納部が、未処理計数値を未処理計数値の通知元である台間装置と対応付けたうえで未処理計数値記憶部へ格納するように計数値管理システムを構成した。したがって、閉店作業における不正行為を防止しつつ閉店作業の業務効率を向上させることができる。
ところで、上述した実施例1に未処理計数値の付替機能を付加することで、閉店処理時に従来から行われている計数値ありカードの回収作業を踏襲しつつ、カードが発行される台間装置を限定することが可能である。そこで、以下では、未処理計数値の付替機能を付加した計数値管理システム1aについての実施例2を説明することとする。
図7は、実施例2に係る計数値管理システム1aが実行する計数値付替処理の概要を説明するための図である。なお同図に示す72は、台間装置10が接続された遊技台であり、同図に示す71a、71b、71cおよび71dは、遊技島の端に設置された遊技台(端台)である。
同図に示す、遊技島の端台71aに、遊技島の同列に設けられ遊技台(たとえば、72など)の未処理計数値を集約し、集約された未処理計数値をカードと関連付けて発行することとすれば、従来のように、従業員が、島間通路を通って未処理計数値がある遊技台をそれぞれ確認する必要がない。
したがって、同図に示すカード回収経路を通るのみでカード回収を行うことができるので、閉店作業を効率化することができる。この場合、カード回収の対象となる箇所が少ないので、カード回収を行う従業員を特別な権限をもった責任者などに限定することが容易となる。したがって、一般の従業員による不正行為を防止することができる。
なお、同図では、遊技島の端台に未処理計数値を集約する場合について説明したが、特定の台間装置10へ未処理計数値を集約することとしてもよい。このようにすることで、特別な権限をもった責任者などのみがカード回収を行うことが可能となるので、一般の従業員による不正行為を防止することができる。
図8は、実施例2に係る管理装置20aの構成を示すブロック図である。なお、同図では、図2に示した管理装置20と同一の構成要素には同一の符号を付しており、以下では、同一の符号を付した構成要素についての説明を省略するか、簡単な説明にとどめることとする。
図8に示したように、実施例2に係る管理装置20aは、付替処理部22cをさらに備える点で、図2に示した管理装置20とは異なる。付替処理部22cは、未処理計数値情報23aに格納された未処理計数値の対応先となる台間装置10を、所定の台間装置10へ付け替えたうえで、あらたな対応先に集約された未処理計数値を合算する処理を行う処理部である。なお、あらたな対応先となった台間装置10に対しては、かかる合算結果を含んだカード発行指示が指示通知部22aによって送信されることになる。
次に、付替処理部22cが用いる未処理計数値情報23aについて図9を用いて説明する。図9は、実施例2に係る未処理計数値情報23aを示す図である。なお、同図の(A)には、参考のため、図5に示した未処理計数値情報23aをそのまま示している。
同図の(B)に示したように、実施例2に係る未処理計数値情報23aは、「台間装置識別子」項目および「未処理計数値」項目に加え、未処理計数値の移行先を示す「移行先」項目と、移行による未処理計数値の合算結果を示す「移行結果」項目とを含んでいる。
同図に示した場合では、台間装置識別子が「101」、「102」、「103」および「104」の未処理計数値の移行先が、「101」と指定されているので、台間装置識別子が「101」の移行結果は「6(=0+3+1+2)」となる。また、その他の台間装置識別子については、未処理計数値が「101」へ移行されるので、移行結果は「0」となる。
なお、同図の(C)に示したように、未処理計数値が所定の閾値を上回った場合には、計数値の移行を行わないこととしてもよい。同図に示した場合、かかる閾値が「500」であるとすると、台間装置識別子が「103」の未処理計数値は「600」であるので、閾値の「500」を上回っている。したがって、この場合、台間装置識別子が「103」の移行先は「101」と指定されているものの、実際には移行は行われない。
そして、同図に示したように、台間装置識別子が「101」の移行結果は「5=0+3+2」となり、台間装置識別子が「103」の移行結果は「600」となる。そして、その他の台間装置識別子については、未処理計数値が「101」へ移行されるので、移行結果は「0」となる。
次に、実施例2に係る計数値管理システム1aが実行する処理手順について図10を用いて説明する。図10は、実施例2に係る計数値管理システム1aが実行する処理手順を示すフローチャートである。なお、同図に示した台間装置が実行する処理手順は、図9における「移行先」として指定された台間装置10の処理手順である。同図に示すように、管理装置20の指示通知部22aが、台間装置10へ閉店指示を送信する(ステップS201)。
一方、台間装置10の指示受付部14aが、かかる閉店指示を受信すると(ステップS202)、未処理計数値通知部14bは、未処理計数値があるか否かを判定する(ステップS203)。なお、ステップ203における判定は、記憶部15の計数値15aが0であるか否かに基づいて行われ、計数値15aが0でなければ未処理計数値ありと判定される。
そして、未処理計数値があった場合には(ステップS203,Yes)、未処理計数値通知部14bは、記憶部15から読み出した計数値15aを未処理計数値として管理装置20へ送信する(ステップS204)。なお、ステップS203の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS203,No)、ステップS204の処理を行わない。
一方、管理装置20の計数値格納部22bは、かかる未処理計数値を受信すると(ステップS205)、未処理計数値DBを更新する(ステップS206)。なお、かかるデータベースの更新は、記憶部23の未処理計数値情報23aを更新することによって行われる。つづいて、付替処理部22cは、計数値付替処理を実行し(ステップS207)、指示通知部22aが、台間装置10へ付替後計数値を送信する(ステップS208)。
そして、台間装置10の指示受付部14aが、付替後計数値を受信すると(ステップS209)、カード発行処理部14cは、付替後計数値を反映したカードの発行処理を行い(ステップS210)、記憶部15の計数値15aを0にすることで計数値クリアを行う(ステップS211)。そして、その他の閉店処理を行い(ステップS212)、処理を終了する。
このように、実施例2によれば、管理装置に付替処理部を設け、付替処理部が、未処理計数値情報に格納された未処理計数値の対応先となる台間装置を、所定の台間装置へ付け替えることとしたので、カード回収を行う従業員を特別な権限をもった責任者などに限定することが容易となるので、一般の従業員による不正行為を防止することができる。また、台間装置のカード発行部が故障した場合などに、故障した台間装置の未処理計数値を他の台間装置へ付け替える運用も可能となる。
ところで、上述した各実施例では、計数部を台間装置内に有する各台計数機能付台間装置を用いる場合について説明したが、独立した計数機と接続された台間装置を用いることとしてもよい。たとえば、遊技台や台間装置が設置される遊技島の膳板を貫通するように設けられた計数機と接続された台間装置を用いることとしてもよい。