本発明は、遊技台に対応して配設される各台対応装置によって計数された遊技媒体を持ち遊技媒体として管理する持ち遊技媒体管理装置及び持ち遊技媒体管理方法に関する。
近年、パチンコ遊技やパチスロ遊技を提供するパチンコ店等の遊技店では、島端等に配設される計数機での遊技媒体の計数を不要化する観点から、遊技結果として投出された賞遊技媒体を各遊技台に併設される貸出処理機で計数し、その計数結果を持ち遊技媒体として記憶管理しておき、この持ち遊技媒体の範囲内で再貸出しを行う各台計数システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような各台計数システムにおいては、遊技用記録媒体に従前から関連付けられていた有価価値に加えて、貸出処理機の計数部で計数された持ち遊技媒体が遊技用記録媒体に記録された識別情報に紐付けて貸出処理機に通信接続される上位装置で管理される。
しかしながら、上述した各台計数システムにおいては、遊技店の営業終了後に貸出処理機の計数部で持ち遊技媒体の計数が行われるとその計数値をゼロクリアする余分な作業を行う必要があるため、他の遊技店業務が滞ってしまうという問題がある。
すなわち、閉店直後に行われる遊技台の機器調整作業や翌日の開店間際に行われる遊技台の清掃作業などで計数部に遊技媒体が入り込むことがあり、この遊技媒体が計数されて持ち遊技媒体となった場合にそのまま開店すると、その遊技台を選んだ遊技客だけが持ち遊技媒体が存在する状態で遊技を行うことができてしまい、遊技客間の不公平感を招くことになる。
このような持ち遊技媒体ありの状態での開店を避けるためには、上述のように、貸出処理機の計数部で計数された計数値をゼロクリアする作業を行う必要があり、結果として閉店業務や開店業務などの他の遊技店業務が阻害されてしまうこととなる。
このことから、遊技店で各台計数方式を導入する場合に、営業終了後に生じる余分な作業をいかにして低減させるかが重要な課題となっている。
そこで、本発明は、上述した従来技術による課題(問題点)を解消するためになされたものであり、営業終了後に生じる余分な作業を不要化し、もって他の遊技店業務が滞ることを防止することができる持ち遊技媒体管理装置及び持ち遊技媒体管理方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る持ち遊技媒体管理装置は、遊技台に対応して配設される各台対応装置によって計数された遊技媒体を持ち遊技媒体として管理する持ち遊技媒体管理装置であって、遊技店が営業状態である開店モード時における持ち遊技媒体数を記憶する第1の持ち遊技媒体記憶手段と、前記遊技店が非営業状態である閉店モード時における持ち遊技媒体数を記憶する第2の持ち遊技媒体記憶手段と、前記開店モード及び前記閉店モードのモード間を遷移させるモード間遷移手段と、前記開店モード時には、前記各台対応装置で計数した持ち遊技媒体数を前記第1の持ち遊技媒体記憶手段に記憶した持ち遊技媒体数に加算更新し、前記閉店モード時には、前記各台対応装置で計数した持ち遊技媒体数を前記第2の持ち遊技媒体記憶手段に記憶した持ち遊技媒体数に加算更新するよう制御する制御手段と、前記遊技台における賞遊技媒体の払出し数および前記遊技台における遊技媒体の打込み数の差である実取得遊技媒体数を取得する実取得遊技媒体数取得手段と、前記実取得遊技媒体数取得手段によって取得された実取得遊技媒体数から、前記第1の持ち遊技媒体記憶手段によって記憶された開店モード時における持ち遊技媒体数および景品との交換が行われた交換済み遊技媒体数の合算値を減算して未計数遊技媒体数を算出する未計数遊技媒体数算出手段と、前記未計数遊技媒体数算出手段によって算出された未計数遊技媒体数と、前記第2の持ち遊技媒体記憶手段によって記憶された閉店モード時における持ち遊技媒体数とに基づいて、不正計数が行われているか否かを判定する不正計数判定手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る持ち遊技媒体管理装置は、上記の発明において、前記第1の持ち遊技媒体記憶手段および前記第2の持ち遊技媒体記憶手段は、営業日ごとに、前記開店モードにおける持ち遊技媒体数または前記閉店モード時における持ち遊技媒体数を対応付けて記憶するものであって、前記制御手段は、前記開店モード時には、前記各台対応装置で計数した持ち遊技媒体数を前記第1の持ち遊技媒体記憶手段に記憶した該当する営業日の持ち遊技媒体数に加算更新し、前記閉店モード時には、前記各台対応装置で計数した持ち遊技媒体数を前記第2の持ち遊技媒体記憶手段に記憶した該当する営業日の持ち遊技媒体数に加算更新するよう制御することを特徴とする。
また、本発明に係る持ち遊技媒体管理装置は、上記の発明において、前記第1の持ち遊技媒体記憶手段は、前記各台対応装置に保持される遊技用記録媒体ごとに、前記開店モード時における持ち遊技媒体数を対応付けて記憶するものであって、前記モード間遷移手段により、前記閉店モードから前記開店モードに遷移された後に、遊技客による遊技が開始されていないことを条件として、各台対応装置に保持される遊技用記録媒体に対応する持ち遊技媒体数をゼロクリアするゼロクリア手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る持ち遊技媒体管理方法は、遊技台に対応して配設される各台対応装置によって計数された遊技媒体を持ち遊技媒体として管理する持ち遊技媒体管理装置に適用する持ち遊技媒体管理方法であって、遊技店が営業状態である開店モード及び遊技店が非営業状態である閉店モードのモード間を遷移させるモード間遷移工程と、前記開店モード時には、前記各台対応装置で計数した持ち遊技媒体数を第1の持ち遊技媒体記憶手段に記憶した持ち遊技媒体数に加算更新し、前記閉店モード時には、前記各台対応装置で計数した持ち遊技媒体数を第2の持ち遊技媒体記憶手段に記憶した持ち遊技媒体数に加算更新するよう制御する制御工程と、前記遊技台における賞遊技媒体の払出し数および前記遊技台における遊技媒体の打込み数の差である実取得遊技媒体数を取得する実取得遊技媒体数取得工程と、前記実取得遊技媒体数取得工程によって取得された実取得遊技媒体数から、前記第1の持ち遊技媒体記憶手段によって記憶された開店モード時における持ち遊技媒体数および景品との交換が行われた交換済み遊技媒体数の合算値を減算して未計数遊技媒体数を算出する未計数遊技媒体数算出工程と、前記未計数遊技媒体数算出工程によって算出された未計数遊技媒体数と、前記第2の持ち遊技媒体記憶手段によって記憶された閉店モード時における持ち遊技媒体数とに基づいて、不正計数が行われているか否かを判定する不正計数判定工程とを含んだことを特徴とする。
本発明によれば、遊技店が営業状態である開店モード時における持ち遊技媒体数を記憶する第1の持ち遊技媒体記憶手段及び遊技店が非営業状態である閉店モード時における持ち遊技媒体数を記憶する第2の持ち遊技媒体記憶手段を有し、開店モード及び閉店モードのモード間を遷移させ、開店モード時には、各台対応装置で計数した持ち遊技媒体数を第1の持ち遊技媒体記憶手段に記憶した持ち遊技媒体数に加算更新し、閉店モード時には、各台対応装置で計数した持ち遊技媒体数を第2の持ち遊技媒体記憶手段に記憶した持ち遊技媒体数に加算更新するよう制御するように構成したので、営業終了後に生じる余分な作業を不要化することができ、他の遊技店業務が滞ることを防止することが可能になるという効果を奏する。特に、遊技台における賞遊技媒体の払出し数および遊技台における遊技媒体の打込み数の差である実取得遊技媒体数を取得し、取得した実取得遊技媒体数から、記憶した開店モード時における持ち遊技媒体数および景品との交換が行われた交換済み遊技媒体数の合算値を減算して未計数遊技媒体数を算出し、算出した未計数遊技媒体数と、記憶した閉店モード時における持ち遊技媒体数とに基づいて、不正計数が行われているか否かを判定するように構成したので、遊技店の営業が終了してからもワゴンサービスでの交換遊技媒体等に紛れて行われる不正計数を検知することができ、閉店後の不正計数を防止することが可能になるという効果を奏する。
また、本発明によれば、第1及び第2の持ち遊技媒体記憶手段において営業日ごとに開店モードにおける持ち遊技媒体数または閉店モード時における持ち遊技媒体数を対応付けて記憶しておき、開店モード時には、各台対応装置で計数した持ち遊技媒体数を第1の持ち遊技媒体記憶手段に記憶した該当する営業日の持ち遊技媒体数に加算更新し、閉店モード時には、各台対応装置で計数した持ち遊技媒体数を第2の持ち遊技媒体記憶手段に記憶した該当する営業日の持ち遊技媒体数に加算更新するように構成したので、現営業日に対応する持ち遊技媒体数だけを更新させることができ、過去または未来の持ち遊技媒体数を改ざんする不正を防止することが可能になるという効果を奏する。
また、本発明によれば、閉店モードから開店モードに遷移された後に、遊技客による遊技が開始されていないことを条件として、各台対応装置に保持される遊技用記録媒体に対応する持ち遊技媒体数をゼロクリアするように構成したので、遊技客の持ち遊技媒体ではない可能性が高い計数値を消去することができ、遊技客間の不公平感を招くことを防止するとともに、遊技店に不当な損益が生じることを防止することが可能になるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る持ち遊技媒体管理装置及び持ち遊技媒体管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明をパチンコ遊技を提供する各台計数システムに適用する場合について説明することとする。
まず、実施例1に係る持ち玉管理装置を含む各台計数システムのシステム構成について説明する。図1は、実施例1に係る各台計数システムのシステム構成図である。同図に示すように、この各台計数システム1には、持ち玉管理装置10と、残度数管理装置20と、島コントローラ30と、計数機能付きCRユニット40(以下、単にCRユニットと言う)と、パチンコ機50とが設けられている。
島コントローラ30は、周囲を通路に囲まれたスペース(遊技島)に設けられた一群のCRユニット40及びパチンコ機50を束ねる中継装置である。
CRユニット40は、遊技店内の各パチンコ機50に併設されるカード処理ユニットであり、本実施例では、パチンコ機50の下皿から投入されるパチンコ玉を計数する計数機能をさらに有する。具体的には、自装置が接続されたパチンコ機50で遊技者が獲得したパチンコ玉の玉数を計数したうえでその計数値を持ち玉としてプリペイドカードに関連付け、持ち玉が関連付けられたプリペイドカードを発行する。なお、従来と同様、プリペイドカードに価値付けられたプリペイド残度数を用いた玉貸しも行う。従って、1枚のプリペイドカードには、持ち玉情報とプリペイド残度数の2つの遊技価値情報が関連付けられる。
パチンコ機50は、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技者がパチンコ遊技を行う装置であり、本実施例では、プリペイドカード対応のいわゆるCRパチンコ機であるものとしている。
残度数管理装置20は、図示しない残度数管理テーブルを用いて、プリペイドカードに関連付けられた残度数を管理する管理装置である。この残度数管理テーブルは、プリペイドカードの識別情報(以下、プリペイドカードIDと言う)、プリペイド残度数を対応付けて記憶している。例えば、CRユニット40からプリペイド残度数の加算依頼(価値付け依頼)を受け付けた場合には、当該更新依頼に含まれるプリペイドカードIDに対応する残度数に挿入紙幣金額などの価値付け依頼金額を加算更新し、また、プリペイド残度数の減算依頼を受け付けた場合には、当該更新依頼に含まれるプリペイドカードIDに対応する残度数から玉貸しの貸出単位金額等の減算依頼金額を減算更新する。
ここで、本実施例に係る持ち玉管理装置10は、遊技店が営業状態である開店モード時における持ち玉数を記憶する第1の持ち玉管理テーブル15及び遊技店が非営業状態である閉店モード時における持ち玉数を記憶する第2の持ち玉管理テーブル16を有し、遊技店の管理者の操作等によって開店モード及び閉店モードのモード間を遷移させ、第1の持ち玉管理テーブル15および第2の持ち玉管理テーブル16のうち滞在中のモードに対応するテーブルに持ち玉の更新アクセスを実行させる点にその特徴がある。
すなわち、各台計数システムにおいては、島端計数機での計数を不要化する観点から各遊技台に併設されるCRユニット40に計数部を設けているが、この計数部は遊技店の営業中に遊技客によって獲得された獲得玉を計数する役割だけを担うものではなく、遊技客の獲得玉とは別の性質のものについても営業時間外に計数している。
例えば、遊技店の閉店後には、店内に落ちているパチンコ玉を拾ってその玉(拾い玉)を計数したり、CRユニット40の計数部の玉受入口等に詰まっている玉(つまり玉)を清掃時に計数したり、また、営業中のワゴンサービスで景品交換されたパチンコ玉を計数している。
ところが、遊技店の閉店後(営業時間外)に計数されるパチンコ玉を計数したままで放置しておくと、上記の従来技術で説明したように、残留の持ち玉分が遊技店の損益となるとともに、遊技客間の不公平感を招いてしまう。
このことから、各台計数方式を導入する遊技店では、営業終了後にCRユニット40の計数部で計数された計数値をゼロクリアする余分な作業が生じてしまっている。
そこで、本実施例では、遊技店の営業中および営業時間外で使用する持ち玉管理テーブルを第1及び第2の持ち玉管理テーブルの2つに区分けしておき、営業終了後に拾い玉、つまり玉、ワゴンサービスでの交換玉を持ち玉更新する際には、第2の持ち玉管理テーブルに持ち玉の更新アクセスを実行させる一方で、翌営業日に営業を開始する際には、第1の管理テーブルに持ち玉の更新アクセスを実行させるように構成した。
これを図2を用いて具体的に説明すると、遊技店が営業している開店モード中には、遊技客によって遊技で獲得された獲得玉がCRユニット40の計数部で計数されてその計数値が持ち玉管理装置10に加算依頼されるが、この時には、第1の持ち玉管理テーブル15内の当営業日の持ち玉データに加算更新のアクセスを実行させる。
そして、遊技店の管理者等から閉店モードへの遷移操作(閉店処理)を受け付けた場合には、開店モード時に第1の持ち玉管理テーブル15に更新アクセスさせていた設定から、第2の持ち玉管理テーブル16内の持ち玉データに更新アクセスするように持ち玉の更新アクセス先を設定する(1)。
これによって、拾い玉、つまり玉、ワゴンサービスで景品交換された玉がCRユニット40の計数部で計数された場合にその計数値の加算更新が第1の持ち玉管理テーブル15とは別の第2の持ち玉管理テーブル16に行われる。
このため、本実施例では、営業中における遊技客保有の獲得玉とは別に拾い玉、つまり玉、ワゴンサービスでの交換玉の計数値も併せて管理することができ、ホールの締上げ処理(例えば、雑収入や交換益等の計上処理)を正確に行うことにも寄与することができる。
また、翌営業日に遊技店が開店する際にして開店モードへの遷移操作(開店処理)を受け付けた場合には、閉店モード時に第2の持ち玉管理テーブル16に更新アクセスさせていた設定から、第1の持ち玉管理テーブル15内の持ち玉データに更新アクセスするように更新アクセス先の設定を変更する(2)。
この場合には、営業日付が変更される時刻を過ぎてモード間遷移が行われているので、第1の持ち玉管理テーブル15内の翌営業日の持ち玉データに更新アクセスさせるように設定変更する。
これによって、閉店モード時に拾い玉、つまり玉、ワゴンサービスでの交換玉が加算更新された第2の持ち玉管理テーブル16とは別の第1の持ち玉管理テーブル15が持ち玉の更新アクセス先となり、さらには、この第1の持ち玉管理テーブル15内の翌営業日の持ち玉データは未使用の持ち玉データであることから、開店直後には未使用の持ち玉データを通じて持ち玉表示および持ち玉更新が行われることとなる。
このため、CRユニット40内のプリペイドカードに関連付けられた拾い玉、つまり玉、ワゴンサービスでの交換玉等の計数値をゼロクリアする余分な作業を不要化することができる。
したがって、本実施例では、遊技店で各台計数方式を導入する場合に、営業終了後に生じる余分な作業を不要化することができ、他の遊技店業務が滞ることを防止することが可能になる。
続いて、本実施例に係る持ち玉管理装置の構成を説明する。図3は、実施例1に係る持ち玉管理装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この持ち玉管理装置10は、入力部11と、表示部12と、通信I/F部13と、記憶部14と、制御部17とを有する。
入力部11は、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部12は、液晶パネルやディスプレイ等の表示デバイスであり、また、通信I/F部13は、島コントローラ30及びCRユニット40との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
記憶部14は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、例えば、開店モード時における持ち玉を管理する第1の持ち玉管理テーブル15と、閉店モード時における持ち玉を管理する第2の持ち玉管理テーブル16とを併せて記憶する。
これら2つの持ち玉管理テーブル15及び16は、いずれもCRユニット40の計数部によって計数された持ち玉を管理するものであるが、開店モードまたは閉店モードのいずれのモードに由来する持ち玉を管理するのかが相違する。
第1の持ち玉管理テーブル15は、図4に示すように、営業日ごとに所属ユニットの台番号、プリペイドカードIDおよび持ち玉数を記憶するテーブルである。この第1の持ち玉管理テーブル15には、開店モード時における持ち玉が後述する持ち玉更新部17cによって加算更新されるので、結果として、遊技客が遊技台で獲得した獲得玉の数量が持ち玉数として登録されることになる。なお、ここでは1レコードしか例示していないが、実際には店内に残存するプリペイドカードの数分のレコードを営業日ごとに記憶しており、これら営業日ごとのレコード群を総称して持ち玉データと呼称する。
図4に示す例では、2007年11月20日の閉店後のテーブル構成例を示しており、11月20日分の持ち玉データ15aにおいては、台番号「001」のCRユニット40に内蔵されたプリペイドカードID「12345」のカードに持ち玉数「0」が関連付けられていることを示し、翌営業日となる11月21日分の持ち玉データ15bはブランクとなっていることを示している。なお、ここで言う営業日は、必ずしも0時から24時までの通常の暦に対応している必要はなく、たとえば遊技店の営業形態に合わせた期間(例えば、朝9時から翌日の朝9時まで)を管理上の1営業日とすることができる。
第2の持ち玉管理テーブル16は、図5に示すように、営業日ごとに所属ユニットの台番号、プリペイドカードIDおよび持ち玉数を記憶するテーブルである。この第2の持ち玉管理テーブル16には、閉店モード時における持ち玉が後述する持ち玉更新部17cによって更新(登録)されるので、結果として、拾い玉、つまり玉及びワゴンサービスでの交換玉の数量が持ち玉数として登録されることになる。
図5に示す例では、図4と同様に、2007年11月20日の閉店後のテーブル構成例を示しており、11月20日分の持ち玉データ16aにおいては、台番号「001」のCRユニット40に内蔵されたプリペイドカードID「12345」のカードに持ち玉数「200」が関連付けられていることを示し、翌営業日となる11月21日分の持ち玉データ16bはブランクとなっていることを示している。なお、11月20日の閉店モードは、11月20日の閉店処理から11月21日の閉店処理の間とする。
制御部17は、持ち玉管理装置10を全体制御する制御部であり、モード間遷移部17aと、更新アクセス制御部17bと、持ち玉更新部17cとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、モード間遷移部17a、更新アクセス制御部17b及び持ち玉更新部17cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
モード間遷移部17aは、開店モード及び閉店モードのモード間を遷移させる処理部である。例えば、遊技店の管理者等の指示入力を入力部11を介して受け付けた場合に、滞在モードを開店モードから閉店モードに遷移させたり、また、滞在モードを閉店モードから開店モードに遷移させたりする。なお、ここでは、指示入力によりモード間遷移を実行することとしたが、必ずしも指示入力が必要な訳ではなく、たとえば23時のタイミングで閉店モードに遷移させたり、10時のタイミングで開店モードに遷移させるなど、あらかじめ定めた時刻にモード間遷移を自動的に行うようにしてもかまわない。
更新アクセス制御部17bは、第1の持ち玉管理テーブル15及び第2の持ち玉管理テーブル16に対する持ち玉更新部17cの更新アクセスを制御する処理部である。具体的には、第1の持ち玉管理テーブル15及び第2の持ち玉管理テーブル16のうち、モード間遷移部17aによる遷移結果として滞在中のモードに対応するテーブルに持ち玉更新部17cによる更新アクセスを実行させる。
図4及び図5のテーブル構成例を用いて、図6に従って具体的に説明すると、現営業日付が2007年11月20日、現時刻が営業時間内であるとした時には、遊技店は営業状態にあり開店モードに滞在中であるから、持ち玉更新部17cによる更新アクセス先を第1の持ち玉管理テーブル15内の11月20日付けの持ち玉データ15aに設定する(I)。
そして、営業時間が終了して閉店モードへの遷移(移行)操作を受け付けた場合に、遊技店が非営業状態となり閉店モードに遷移することになるので、持ち玉更新部17cによる更新アクセス先を第2の持ち玉管理テーブル16内の11月20日付けの持ち玉データ16aに設定する(II)。
その後、営業日付が2007年11月21日に変更される時刻を経過し、開店モードへの遷移操作を受け付けた場合に、持ち玉更新部17cによる更新アクセス先を第1の持ち玉管理テーブル15内の11月21日付けの持ち玉データ(未使用データ)15bに設定する(III)。
このようにして、拾い玉、つまり玉、ワゴンサービスでの交換玉を第2の持ち玉管理テーブル16で別管理するとともに、翌営業日に開店する際には第1の持ち玉管理テーブル15内の翌営業日の持ち玉データ(未使用データ)15bに更新アクセスさせる。
持ち玉更新部17cは、プリペイドカードに関付けられた持ち玉を更新する処理部である。具体的には、CRユニット40からプリペイドカードIDを含む持ち玉の更新依頼を受け付けた場合に、第1の持ち玉管理テーブル15及び第2の持ち玉管理テーブル16のうち、更新アクセス制御部17bによって更新アクセス先として設定されたテーブル内の該当プリペイドカードIDの持ち玉数を更新する。
次に、本実施例に係る持ち玉管理装置の処理の流れを説明する。図7は、実施例1に係る更新アクセス制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、モード間遷移部17aによってモード間遷移が実行された場合(ステップS101肯定)に、更新アクセス制御部17bは、いずれのモードに遷移したのかを判定する(ステップS102)。
ここで、開店モードから閉店モードに遷移した場合(ステップS102肯定)には、更新アクセス制御部17bは、持ち玉更新部17cによる更新アクセス先を第2の持ち玉管理テーブル16内の持ち玉データに設定し(ステップS103)、店内の各CRユニット40で保持される持ち玉数を閉店モード時の持ち玉数に差し替えるように指示し(ステップS104)、処理を終了する。
一方、閉店モードから開店モードに遷移した場合(ステップS102否定)には、更新アクセス制御部17bは、持ち玉更新部17cによる更新アクセス先を第1の持ち玉管理テーブル15内の持ち玉データに設定する(ステップS105)。
このとき、営業日付の変更時刻(例えば、午前9時)を経過していれば(ステップS106肯定)、更新アクセス制御部17bは、更新アクセス先の営業日付を翌営業日に設定し(ステップS107)、開店モード時の持ち玉数に差し替えるように各CRユニット40に指示し(ステップS104)、処理を終了する。
また、営業日付の変更時刻を経過していない場合(ステップS106否定)には、更新アクセス制御部17bは、更新アクセス先は当営業日の持ち玉データのままでよいので更新アクセス先の営業日付の変更は行わず、開店モード時の持ち玉数に差し替えるように各CRユニット40に指示し(ステップS104)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例では、遊技店の営業中および営業時間外で使用する持ち玉管理テーブルを第1及び第2の持ち玉管理テーブルの2つに区分けしておき、営業終了後に拾い玉、つまり玉、ワゴンサービスでの交換玉を持ち玉更新する際には、第2の持ち玉管理テーブルに持ち玉の更新アクセスを実行させる一方で、翌営業日に営業を開始する際には、第1の管理テーブルに持ち玉の更新アクセスを実行させるように構成したので、遊技店で各台計数方式を導入する場合に、営業終了後に生じる余分な作業を不要化することができ、他の遊技店業務が滞ることを防止することが可能になる。
また、本実施例では、第1の持ち玉管理テーブル15及び第2の持ち玉管理テーブル16において開店モードにおける持ち玉数及び閉店モード時における持ち玉数を営業日ごとに記憶しておき、営業日に対応付けて記憶した持ち玉数のうちアクセス日に対応する営業日の持ち玉数に更新アクセスさせるように更新したので、現営業日に対応する持ち玉数だけを更新させることができ、過去または未来の持ち玉数を改ざんする不正を防止することが可能になる。
さて、上記の実施例1では、遊技店の営業終了後に計数される拾い玉、つまり玉、ワゴンサービスでの交換玉等の計数値を第2の持ち玉管理テーブル16で別管理することを説明したが、実施例2では、この第2の持ち玉管理テーブル16を用いて閉店後の不正計数を検知する例を説明する。
最近では、各台計数方式を導入するにあたって他店のパチンコ玉や偽造のパチンコ玉をCRユニット40に計数させて持ち玉を不正獲得するなどの不正計数が懸念されているが、かかる営業中の不正計数を検知する仕組みについては一定の検知精度を有する仕組みが考案されてきている。
その一方で、ワゴンサービスでの交換玉を計数する際に合わせて不正計数を行うなどの営業時間外の不正計数についてはそれを検知する仕組みが確立されているとは言い難い。
すなわち、遊技店においては、日中の営業中にワゴンに搭載した飲料や煙草などの景品を遊技媒体と交換するワゴンサービスが実施されており、ワゴンサービスで景品と交換されたパチンコ玉を営業終了後にまとめて計数する運用が一般的に行われている。
ところが、各台計数方式を導入する遊技店では、従前の島端計数を行う場合とは異なり、各台に設けられた計数部のいずれかでワゴンサービスの景品交換で得られたパチンコ玉を計数する必要がある。
このため、ワゴンサービスでの交換玉等を計数させる特定の計数部における累計計数値がアウト総数およびセーフ総数から得られる差玉を大きく逸脱することを常態的に許容せざるを得ない状況となっている。
しかしながら、かかる異常な状況を許容することによりその間隙をついて従業員等により不正計数が行われても発見されにくいという問題が生じている。
そこで、本実施例では、遊技台におけるセーフ数およびアウト数の差である出玉数をホールコンピュータから取得し、該取得した出玉数から開店モード時における持ち玉数および景品との交換が行われた交換済み玉数の合算値を減算して未計数玉数を算出し、未計数玉数と閉店モード時における持ち玉数とに基づいて、不正計数が行われているか否かを判定することとした。
遊技店の店内システムには、図1に図示した店内機器の他、各パチンコ機50におけるセーフ数およびアウト数を管理するホールコンピュータなどの店内機器が設けられている。なお、セーフ数とは、パチンコ機50によって賞玉として払い出された玉数を指し、また、アウト数とは、パチンコ機50に打ち込まれた玉数を指す。
このホールコンピュータでは、各パチンコ機50ごとのセーフ数及びアウト数とともに、各パチンコ機50及び全パチンコ機50におけるセーフ数とアウト数との差玉数、いわゆる出玉数を管理している。
実施例2に係る持ち玉管理装置70では、ホールコンピュータによって管理された全パチンコ機50における出玉数を取得し、このようにして取得した出玉数と、第1の持ち玉管理テーブル15に記憶された全プリペイドカードの持ち玉数と、第1の持ち玉管理テーブル15に記憶されていた持ち玉と引き換えに既に景品交換された交換済み玉数とを用いて、遊技店で未だ計数されていない玉数(未計数玉数)を算出する。
具体的には、図8の(1)に示すように、全パチンコ機50における出玉数から、開店モード時に獲得玉として計数されたが景品交換されずに残っている持ち玉数と既に景品交換が終了した交換済み玉数とを足し合わせた合算値(営業中の全計数値)を減算することにより未計数玉数を算出する。
その後、この持ち玉管理装置70は、第2の持ち玉管理テーブル16に記憶された全プリペイドカードの持ち玉数が先に算出しておいた未計数玉数を超えたか否かによって不正計数が行われているか否かを判定する。
すなわち、遊技店の営業終了後に計数される拾い玉、つまり玉、ワゴンサービスでの交換玉の総数が未計数玉数を超えるということは、パチンコ機50から払い出された玉数以上のパチンコ玉が計数されたことと同義であり、このようなことは理論上ありえず、拾い玉、つまり玉やワゴンサービスでの交換玉ではない由来が不透明なパチンコ玉が計数されていることは間違いない。
このような場合、持ち玉管理装置70は、図8の(2)に示すように、従業員によって不正計数が行われている可能性が極めて高いと推定し、所定の表示部へのメッセージ表示や店内放送またはインカムを用いた音声出力などを通じて不正計数を報知する。
したがって、本実施例では、遊技店の営業が終了してからもワゴンサービスでの交換玉等に紛れて行われる不正計数を検知することができ、閉店後の不正計数を防止することが可能になる。
続いて、本実施例に係る持ち玉管理装置の構成を説明する。図9は、実施例2に係る持ち玉管理装置の構成を示す機能ブロック図である。図9に示す持ち玉管理装置70には、上記実施例1と同一の符号を付した機能部が存在するが、かかる機能部は上記実施例1と同様の機能を発揮するものであるため、その説明を省略する。
同図に示すように、実施例2に係る持ち玉管理装置70は、既に景品との交換が行われた交換済み玉数を管理する交換済み玉数管理テーブル72をさらに記憶部71内に記憶する点が実施例1と相違する。
交換済み玉数管理テーブル72は、景品交換が行われた取引時刻ごとに交換済み玉数を記憶するテーブルである。これら取引時刻及び交換済み玉数は、第1の持ち玉管理テーブル15に記憶されたプリペイドカードの持ち玉と引き換えに景品交換が行われる際に景品カウンタに配設された景品管理装置(図示せず)によって通知されることによりテーブル内に登録される。
また、実施例2に係る持ち玉管理装置70は、出玉取得部73aと、未計数玉数算出部73bと、不正計数判定部73cとをさらに制御部73に内在する点が実施例1と相違する。
出玉取得部73aは、ホールコンピュータから出玉数を取得する処理部である。具体的には、ホールコンピュータとの間であらかじめ定められた時刻(例えば、営業終了直後の23時など)に達した場合、或いは出玉数の取得指示を入力部11を介して受け付けた場合に、ホールコンピュータから全パチンコ機50における出玉数を取得する。なお、ここでは、ホールコンピュータから出玉数を取得することとしたが、各パチンコ機50ごとのセーフ数とアウト数を取得するか、或いは全パチンコ機のセーフ数及びアウト数を取得してから出玉数を算出するようにしてもかまわない。
未計数玉数算出部73bは、未計数玉数を算出する処理部である。具体的には、第1の持ち玉管理テーブル15に記憶された各プリペイドカードの持ち玉数を読み出してその持ち玉数を集計するとともに、交換済み玉数管理テーブル72に記憶された交換済み玉数を読み出してその交換済み玉数を集計する。そして、開店モード時における全プリペイドカードの持ち玉集計値及び交換済み玉数の集計値を合算し、その合算値(営業中の全計数値)を出玉取得部73aによって取得された全パチンコ機50の出玉数から減算することにより未計数玉数を算出する。
不正計数判定部73cは、遊技店の閉店後に不正計数が行われているか否かを判定する処理部である。具体的には、第2の持ち玉管理テーブル16に記憶された各プリペイドカードの持ち玉数を読み出してその持ち玉数を集計し、閉店モード時における全プリペイドカードの持ち玉集計値が未計数玉数算出部73bによって算出された未計数玉数を超過したか否かを判定する。
次に、本実施例に係る持ち玉管理装置の処理の流れを説明する。図10は、実施例2に係る不正計数判定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、遊技店の営業時間外になったことを契機に行うようにしてもよいし、また、入力部11等を介して指示入力を受け付けたことを契機に行ってもよい。
同図に示すように、出玉取得部73aによってホールコンピュータから全パチンコ機50における出玉数が取得されると(ステップS201)、未計数玉数算出部73bは、第1の持ち玉管理テーブル15に記憶された各プリペイドカードの持ち玉数を読み出してその持ち玉数を集計するとともに、交換済み玉数管理テーブル72に記憶された交換済み玉数を読み出してその交換済み玉数を集計する(ステップS202及び203)。
そして、未計数玉数算出部73bは、開店モード時における全プリペイドカードの持ち玉集計値及び交換済み玉数の集計値を合算し、その合算値(営業中の全計数値)を出玉取得部73aによって取得された全パチンコ機50の出玉数から減算して未計数玉数を算出する(ステップS204)。
ここで、不正計数判定部73cは、第2の持ち玉管理テーブル16に記憶された各プリペイドカードの持ち玉数を読み出してその持ち玉数を集計し(ステップS205)、閉店モード時における全プリペイドカードの持ち玉集計値が未計数玉数算出部73bによって算出された未計数玉数を超過したか否かを判定する(ステップS206)。
このとき、閉店モード時における全プリペイドカードの持ち玉集計値が未計数玉数を超過している場合(ステップS206肯定)に、不正計数判定部73cは、従業員等によって不正計数が行われている可能性が極めて高いと推定し、自装置の表示部12やCRユニット40の表示部等へのメッセージ表示や店内放送またはインカムを用いた音声出力などを通じて不正計数を報知し(ステップS207)、処理を終了する。
一方、閉店モード時における全プリペイドカードの持ち玉集計値が未計数玉数を超過していない場合(ステップS206否定)には、CRユニット40全ての電源がOFF状態になるまで(ステップS208否定)、上記のステップS205及びステップS206の処理を繰り返し行う。
なお、閉店モード時における全プリペイドカードの持ち玉集計値が未計数玉数を超過することなく、CRユニット40全ての電源がOFF状態になった場合には(ステップS206否定かつステップS208肯定)、不正計数が行われなかったものと推定し、そのまま処理を終了する。
上述してきたように、本実施例では、遊技台におけるセーフ数およびアウト数の差である出玉数をホールコンピュータから取得し、該取得した出玉数から開店モード時における持ち玉数および景品との交換が行われた交換済み玉数の合算値を減算して未計数玉数を算出し、未計数玉数と閉店モード時における持ち玉数とに基づいて、不正計数が行われているか否かを判定するように構成したので、遊技店の営業が終了してからもワゴンサービスでの交換玉等に紛れて行われる不正計数を検知することができ、閉店後の不正計数を防止することが可能になる。
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
(1)持ち玉のゼロクリア
例えば、本発明では、開店モードに滞在している場合に、パチンコ機50での遊技の実行の有無、或いはCRユニット40での残度数の価値付け有無を判定し、遊技の実行無し或いは残度数の価値付け無しであると判定した場合に、第1の持ち玉管理テーブル15によって記憶された開店モード時における持ち玉数のうち、当該CRユニット40に保持されるプリペイドカードに対応する持ち玉数をゼロクリアするように持ち玉管理装置10又は70を構成するようにしてもよい。
これを具体的に説明すると、パチンコ機50においては、単位ゲームもしくは所定数のゲームが消化された際にスタート信号を上記の実施例2で説明したホールコンピュータに通知しているため、ホールコンピュータで収集された各パチンコ機50のスタートゲーム数を取得することで、遊技の実行の有無を判定することができる。また、残度数管理装置20の残度数管理テーブル内のデータを取得することで、残度数の価値付け有無を判定することができる。
そして、遊技の実行及び残度数の価値付けの両方が無い場合には、パチンコ玉を借り受けておらず、さらには遊技もしていない状態であるため、このような状態では獲得玉が存在する理由がなく、開店作業時につまり玉等が計数部に紛れ込んだ可能性が高くなる。
かかる場合には、CRユニット40に保持されるプリペイドカードの持ち玉をゼロクリアすることで、遊技客の持ち玉ではない可能性が高い計数値を消去することができ、遊技客間の不公平感を招くことを防止するとともに、遊技店に不当な損益が生じることを防止することが可能になる。なお、ここでは、CRユニット40での残度数の価値付け有無で玉貸しの有無を判定する例を説明したが、残度数の使用有無を判定するように構成した場合でも同様の効果が得られる。
なお、ここでは、パチンコ機50における遊技実施の有無をスタート信号を用いて判定することとしたが、遊技台への打込み数を表すアウト信号を用いて判定するようにしてもよい。すなわち、判定対象のパチンコ機50からアウト信号が全く通知されていない場合にも遊技が実施されていないことが明らかであるからである。
また、ここでは、残度数管理装置20の残度数管理テーブル内のデータを取得することで残度数の価値付け有無を判定することとしたが、これに代えてCRユニット40における貨幣の投入の有無を判定することにより遊技実施の有無を同様に判定することができる。さらに付言すれば、CRユニット40または島端の再プレイ機において遊技店会員が預け入れた貯玉の再プレイが実施されたか否かによって遊技実施の有無を判定することもできる。
(2)持ち玉管理テーブル
また、上記の実施例1及び2では、第1の持ち玉管理テーブル15及び第2の持ち玉管理テーブル16の両方で全く同様の項目を設ける例を説明したが、両者で管理する項目が必ずしも同一である必要はない。
例えば、閉店モード中においては、持ち玉が関連付けられたプリペイドカードを持って台移動されたり、景品交換されたりする事態は起こりえないため、開店モード中のようにプリペイドカードごとに持ち玉数を管理しなくとも十分に締上げ処理等に対応することができる。
このため、第2の持ち玉管理テーブル16においてはプリペイドカードIDの項目を削除し、プリペイドカードごとではなく、台番号ごとに持ち玉を管理することで、第2の持ち玉管理テーブル16のデータサイズを少なくすることができる。
(3)モード間遷移
また、上記の実施例1及び2では、開店モード及び閉店モードのモード間を遷移させる例を説明したが、必ずしもこれら2つのモード間だけを遷移させる必要はない。例えば、各台計数システムにおいて様々なテストを行う際には、実管理の持ち玉データを更新せずにテストを行いたいというニーズが多々存在するため、図11に示すようなテストモードをさらに設け、このテストモード、開店モード及び閉店モードの3つのモード間を遷移させるようにしてもかまわない。
(4)その他
また、上記の実施例1及び2では、持ち玉管理装置10又は70と残度数管理装置20とを分けて構成する例を説明したが、必ずしも両者を分散して構成する必要はなく、持ち玉及びプリペイド残度数の両方を併せて管理する価値管理装置に統合する場合にも本発明を同様に適用することができる。
なお、上記の実施例1及び2では、本発明をパチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合又はパチスロ遊技のみを対象とした場合にも本発明を同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。
以上のように、本発明に係る持ち遊技媒体管理装置及び持ち遊技媒体管理方法は、営業終了後に生じる余分な作業を不要化し、他の遊技店業務が滞ることを防止することに適している。
実施例1に係る各台計数システムのシステム構成図である。
実施例1に係る持ち玉管理装置の概念を説明するための概念図である。
実施例1に係る持ち玉管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
第1の持ち玉管理テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。
第2の持ち玉管理テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。
更新アクセス制御部の処理内容を説明するための説明図である。
実施例1に係る更新アクセス制御処理の手順を示すフローチャートである。
実施例2に係る持ち玉管理装置の概念を説明するための概念図である。
実施例2に係る持ち玉管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
実施例2に係る不正計数判定処理の手順を示すフローチャートである。
モード間遷移の変形例を示す図である。
符号の説明
1 各台計数システム
10 持ち玉管理装置
11 入力部
12 表示部
13 通信I/F部
14 記憶部
15 第1の持ち玉管理テーブル
16 第2の持ち玉管理テーブル
17 制御部
17a モード間遷移部
17b 更新アクセス制御部
17c 持ち玉更新部
20 残度数管理装置
30 島コントローラ
40 CRユニット(カード処理ユニット)
50 パチンコ機