以下に、添付図面を参照して、本発明に係る払い出し制御手法の好適な実施例を、主に従業員による試し打ちを例に挙げて詳細に説明する。これにともなって、以下では、「払い出し制御」を「試し打ち制御」と記載することとする。なお、以下では、本発明に係る試し打ち制御手法の概要について図1を用いて説明した後に、本発明に係る試し打ち制御手法を適用した各台対応装置についての実施例を図2〜図10を用いて説明することとする。
また、以下では、各台対応装置を台間装置と呼ぶこととする。そして、台間装置が、各遊技台に併設された計数機能付き台間装置である場合について説明する。これにともない、かかる計数機能付き台間装置を、以下、単に「台間装置」と記載することとする。また、以下では、かかる台間装置が、パチンコ玉などの遊技媒体を払い出すノズルを備えている場合について説明する。
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明に係る試し打ち制御手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る試し打ち制御手法の概要を示す図である。
同図に示すように、本発明に係る試し打ち制御手法は、閉店中などにおいて、台間装置10が、試し打ち用の遊技媒体の払い出しを可とするモードである試し打ち有効モード(以下、「試し打ちモード」と記載する)と、試し打ち用の遊技媒体の払い出しを不可とするモードである試し打ち無効モード(以下、「通常閉店モード」と記載する)との間のモード遷移を行う機能を備えた点に主たる特徴がある。
また、同図に示すように、本発明に係る試し打ち制御手法は、試し打ちモード中における台間装置10が、従業員の手動による操作で所定数の遊技媒体を払い出す手動払出モードと、所定時間が経過することにより所定数の遊技媒体を払い出す自動払出モードとの間のモード遷移を行う機能を備えた点にも特徴がある。
ここで、台間装置10の通常閉店モードについて説明しておく。通常、遊技店の営業終了とともに、各台間装置10は閉店中の状態へと移行する。かかる閉店中の状態の台間装置10では、台間装置10を管理する上位装置との通信は可能であるものの、遊技媒体の貸出操作などは行えない。
すなわち、通常の閉店中においては、台間装置10の払出部(図示せず)から遊技媒体を払い出しつつ試し打ちを行うことはできないこととなる。かかる状態を、台間装置10の「通常閉店モード」と定義することとする。
以下では、本発明に係る試し打ち制御手法を具体的に説明する。同図に示したように、通常閉店モード中の台間装置10がリモコン30からの開始指示をリモコン受光部53で受け付けると、台間装置10は通常閉店モードから試し打ちモードへと遷移する(同図の(1)参照)。
そして、試し打ちモードへと遷移した台間装置10は、従業員の所定の操作を受け付けて払出モードに応じた遊技媒体の払い出しを行い、払い出された遊技媒体を用いて従業員が試し打ちを実施する。なお、かかる払出モードに応じた遊技媒体の払い出しについては、図6を用いて後述する。
そして、試し打ちモード中における台間装置10は、手動払出モードから自動払出モードへ、あるいは自動払出モードから手動払出モードへの遷移指示を受け付けると、かかる払出モード間のモード遷移を行う。
たとえば、同図の(2)に示したように、手動払出モード中の台間装置10は、持玉の払出ボタンに相当する持玉払出ボタン59a(玉貯留部59に装備)の長押しを自動払出モードへの遷移指示操作として受け付けると、自動払出モードへと遷移する。なお、同図においては、かかる長押し操作を、持玉払出ボタン59aを黒色にすることで示している。
また、同図の(3)に示したように、自動払出モード中の台間装置10は、持玉払出ボタン59aの押下を手動払出モードへの遷移指示操作として受け付けると、手動払出モードへと遷移する。
そして、試し打ちモード中の台間装置10が、リモコン30からの解除指示をリモコン受光部53で受け付けると、台間装置10は試し打ちモードから通常閉店モードへと遷移する(同図の(4)参照)。これにより、台間装置10は、試し打ち用の遊技媒体を払い出すことができない状態となる。また、かかる通常閉店モードへの遷移の際、台間装置10は上位装置に対して試し打ちの結果を送信する(同図の(5)参照)。
このように、本発明に係る試し打ち制御手法では、閉店中においても、台間装置10の試し打ち用遊技媒体の払い出しを可とする試し打ちモードを設けることとしたので、試し打ち用に台間装置10へ投入する遊技媒体を逐一持ち運ぶ必要がなくなり、従業員の負担を軽減することができる。また、かかる持ち運びによって生ずる作業効率の低下を低減できるので、試し打ちを効率的に実施することが可能となる。
まず、本実施例に係る台間装置10が接続されるネットワーク環境について図2を用いて説明する。図2は、本発明に係る台間装置が接続されるネットワーク環境を示す図である。
同図に示すように、遊技台100ごとに併設される台間装置10は、店舗内LAN(Local Area Network)20などのネットワーク経由で、管理装置200、島コントローラ300、精算機400、景品管理機500、カード処理機600、景品払出機700といった各装置と接続されている。
遊技店の従業員が携帯するリモコン30は、台間装置10に対して種々の操作を指示できる携帯端末装置である。たとえば、リモコン30は、従業員の入力操作によって、台間装置10に対して試し打ちモードの開始指示や解除指示などを送信する。
また、島コントローラ300は、台間装置10および遊技台100が設置される遊技島ごとに設けられる中継装置であり、管理装置200/台間装置10間、あるいは、管理装置200/遊技台100間の通信データを中継する。
ここで、台間装置10がカードを返却した場合、他の遊技台100で遊技を継続する意思がない遊技客は、カードを精算機400へ挿入することで、当該カードに関連付けられたプリペイド価値(プリペイド残額)に応じた貨幣を受け取る。
また、遊技客は、景品交換コーナーへカードを持参し、カード処理機600にカードをかざしたり挿入したりする。そして、遊技店の従業員が景品管理機500や景品払出機700を操作することで、遊技客は、当該カードに関連付けられた持玉価値に応じた景品を受け取ることとなる。
また、同図に示すように、管理装置200は、台間装置10ごとの試し打ち結果を管理するデータベース(以下、「DB」と記載する)である試し打ち情報DB200aを有している。なお、試し打ち情報DB200aが管理する情報の詳細については、図8を用いて後述する。
次に、図2に示した台間装置10についてさらに詳細に説明する。図3は、本実施例に係る台間装置10の外観図である。なお、同図には、台間装置10が併設された遊技台100を破線で示している。また、同図では、紙幣のみを受け付ける台間装置10を示しているが、硬貨受け付け用のユニットを台間装置10が備えることとしてもよい。
図3に示すように、台間装置10は、台間装置10の装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部51と、遊技媒体貸し出しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部52と、遊技店の従業員が携帯するリモコン30からの試し打ちモード開始/解除指示などを受け付けるリモコン受光部53と、携帯電話などの移動携帯端末とのデータ送受信を行う携帯通信部54とを備えている。
また、台間装置10は、パチンコ玉などの遊技媒体を払い出す払出部55を備えている。かかる払出部55は、遊技媒体を遊技台100の上皿101へと導く払出部ノズル55aを備えており、払出部55から払い出された遊技媒体は、払出部ノズル55a内部の払出経路を通り、遊技台100の上皿101に貯留される。
なお、ここには図示しないが、遊技台100の備える貸出ボタンの押下を契機として、遊技台100に内蔵された媒体払出部から遊技媒体を払い出す、ノズルを用いない払出方式としてもよい。
また、台間装置10は、ディスプレイなどの表示部およびテンキーといった操作部を含んだ操作・表示部56を備えている。そして、台間装置10は、会員カードなどのカード状記録媒体(以下、単に「カード」と記載する)を受け付けるとともに、持玉などが関連付けられたカードの返却口でもあるカード挿入部57と、持玉を計数する計数部58と、現物の持玉を貯留する玉貯留部59とを備えている。
ここで、遊技台100の下皿102から落下した遊技媒体は、玉貯留部59を経て計数部58へと導かれ、数量を計数される。なお、計数後の遊技媒体は、遊技島内に形成される図示しない遊技媒体回収経路へ排出されるが、計数結果は台間装置10内部に記憶される。
また、台間装置10は、玉貯留部59の前面に持玉払出ボタン59aを備えている。かかる持玉払出ボタン59aは、通常、遊技客が自身の有する持玉価値から遊技媒体の払い出しを行う場合に用いられるが、本実施例においては、従業員が試し打ち用の遊技媒体の払い出しを行う場合や払出モードのモード遷移を指示する場合に用いられる。
次に、本実施例に係る台間装置10および管理装置200の構成について図4を用いて説明する。図4は、本実施例に係る台間装置10および管理装置200の構成を示すブロック図である。なお、同図には、台間装置10および管理装置200の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
まず、台間装置10の構成について説明する。同図に示すように、台間装置10は、通信I/F(インタフェース)11と、リモコン部12と、操作部13と、表示部14と、払出部15と、計数部16と、制御部17と、記憶部18とを備えている。また、制御部17は、閉店移行部17aと、受付指示部17bと、モード遷移部17cと、払出指示部17dとをさらに備えている。そして、記憶部18は、払出情報18aと、計数値18bとを記憶する。
通信I/F(インタフェース)11は、LAN(Local Area Network)ボードなどの通信デバイスで構成され、図2に示した店舗内LAN20などのネットワーク経由で、管理装置200とのデータ送受信を行う。
リモコン部12は、図3に示したリモコン受光部53に対応する入力デバイスであり、リモコン30からの試し打ちモードの開始指示あるいは解除指示を入力する。また、リモコン部12は、入力した試し打ちモードの開始指示あるいは解除指示の信号を受付指示部17bに対して通知する。
操作部13は、図3に示した操作・表示部56が含む操作部や持玉払出ボタン59aに対応する入力デバイスであり、払出モードの遷移指示や試し打ち用の遊技媒体の払出指示を入力する。
なお、本実施例においては、操作部13が持玉払出ボタン59aにのみ対応する場合について主に説明することとし、かかる持玉払出ボタン59aの長押しや通常押下によって、上述の払出モードの遷移指示や遊技媒体の払出指示を示す信号が生成されるものとする。この点の詳細については、図6を用いて後述する。また、操作部13は、入力した種々の指示の信号を受付指示部17bに対して通知する。
表示部14は、図3に示した操作・表示部56が含む表示部および状態表示部51に対応する出力デバイスであり、試し打ちに関する各種情報を表示する。
なお、操作部13および表示部14については、指やポインティングデバイスなどの押圧感知により入力を受け付け、かつ表示出力も兼ねるタッチパネル式の液晶ディスプレイ(以下、単に「液晶操作・表示部」と記載する)などを用いることとしてもよい。また、簡素な表示出力を行う7セグメントLEDからなる表示部品と複数個の操作ボタンとを備える操作・表示パネル(以下、単に「7セグ操作・表示部」と記載する)を用いることとしてもよい。
ここで、試し打ちモード中における台間装置10の表示部14の表示例について、図5を用いて説明しておく。図5は、台間装置10の表示部14の表示例を示す図である。なお、同図の(A)には、表示部14として液晶操作・表示部56aを用いた場合を、同図の(B)には、表示部14として7セグ操作・表示部56bを用いた場合を、それぞれ示している。
たとえば、同図の(A)に示したように、液晶操作・表示部56aを表示部14として用いた場合、「試し打ちモード中」のメッセージを反転および点滅表示などすることによって、台間装置10が試し打ちモード中である旨を明示することができる。また、同図に示したように、「払出モード:手動」のような表示で、併せて払出モードを明示することとしてもよい。
また、7セグ操作・表示部56bを表示部14として用いた場合、同図の(B)に示したように、7セグ表示部56b1へ「tESt」(7セグ向けに表現した「TEST」)などと表示することによって、台間装置10が試し打ちモード中である旨を明示することができる。また、同図に示したように、併せて情報ランプ群56b2を点灯することとしてもよいし、7セグ表示部56b1および情報ランプ群56b2を点滅させることとしてもよい。
また、同図の(A)および(B)に示したいずれの場合においても、状態表示部51(図3参照)の所定色のランプの点灯あるいは点滅を併せて行うこととしてもよい。
図4の説明に戻り、払出部15は、遊技媒体の払い出しを行うデバイスである。払い出しの指示は払出指示部17dから受け、指示内容に相当する払出処理を行う。
計数部16は、遊技媒体を計数するデバイスであり、計数センサを備える計数部58(図3参照)と、玉貯留部59(図3参照)に貯留された遊技媒体を計数センサへと導く経路とから構成される。また、計数部16は、計数した計数値を計数値18bとして記憶部18に記憶させる。
制御部17は、図1に示した試し打ちモードと通常閉店モードとの間のモード遷移、試し打ち用の遊技媒体の払い出し、手動払出モードと自動払出モードとの間のモード遷移といった処理を行う処理部である。
閉店移行部17aは、通信I/F11経由で管理装置200からの閉店指示を受信して、台間装置10を閉店中の状態へ移行する処理を行う処理部である。なお、ここにいう「閉店中の状態へ移行」とは、台間装置10が、図1に示した通常閉店モードへと遷移することを指す。すなわち、台間装置10は、管理装置200などの上位装置との通信は可能であるものの、通常の遊技媒体の貸出操作などは行えない状態となる。
また、閉店移行部17aは、閉店移行の完了通知を受付指示部17bに対して通知する処理を行う処理部でもある。
受付指示部17bは、閉店移行部17aから閉店移行の完了通知を受信した後に、リモコン部12あるいは操作部13から試し打ちに関する種々の指示を受け付け、モード遷移部17cに対してかかる種々の指示を通知する処理を行う処理部である。
具体的には、受付指示部17bは、リモコン部12から試し打ちモードの開始指示あるいは解除指示を受信した場合には、モード遷移部17cに対してかかる開始指示あるいは解除指示を通知する処理を行う。
また、受付指示部17bは、操作部13から払出モードの遷移指示あるいは試し打ち用の遊技媒体の払出指示を受信した場合には、モード遷移部17cに対してかかる遷移指示あるいは払出指示を通知する処理を行う。
モード遷移部17cは、受付指示部17bから試し打ちモードの開始指示を受信した場合、台間装置10を通常閉店モードから試し打ちモードへと遷移する処理を行う処理部である。なお、台間装置10が試し打ちモードへと遷移した時点での払出モードについては、手動払出モードあるいは自動払出モードのいずれかが既定の払出モードとして選択されるものとする。
また、モード遷移部17cは、受付指示部17bから試し打ちモードの解除指示を受信した場合には、台間装置10を試し打ちモードから通常閉店モードへと遷移する処理を行う処理部でもある。
また、かかる通常閉店モードへの遷移の際、モード遷移部17cは、管理装置200の結果受信部203bに対して試し打ち結果を通知する処理を行う処理部でもある。なお、かかる試し打ち結果には、記憶部18の計数値18bが含まれる。
また、モード遷移部17cは、受付指示部17bから払出モードの遷移指示を受信した場合には、かかる遷移指示と現在の払出モードとに基づいて払出モードを遷移する処理を行う処理部でもある。なお、この点の詳細については、図6を用いて後述する。
また、モード遷移部17cは、遷移後の払出モードを払出指示部17dに対して通知する処理を行う処理部でもある。また、モード遷移部17cは、受付指示部17bから試し打ち用の遊技媒体の払出指示を受信した場合には、かかる払出指示を払出指示部17dに対して通知する処理を行う処理部でもある。
払出指示部17dは、モード遷移部17cから受信した遷移後の払出モードと払出指示とに基づき、払出部15に対して払い出しを指示する処理を行う処理部である。
具体的には、払出指示部17dは、遷移後の払出モードに応じて払出情報18aに含まれる所定の払出単位(1回に払い出す遊技媒体の数量)や所定の払出間隔などを参照し、参照した各種情報を反映した払い出しの指示を払出部13に対して行う。
ここで、払出モードの遷移と払出モード別の払い出し方法について、図6を用いてさらに詳細に説明する。図6は、払出モードの遷移と払出モード別の払い出し方法を説明するための図である。
なお、同図の(A)には、現在の払出モードと持玉払出ボタン59aの押下操作との関連を、同図の(B)には、手動払出モード中の払い出し方法を、同図の(C)には、自動払出モード中の払い出し方法を、それぞれ示している。
同図の(A)に示したように、台間装置10は、持玉払出ボタン59aの押下操作を、払出モードの遷移指示あるいは試し打ち用の遊技媒体の払出指示として受け付ける。
たとえば、現在の払出モードが手動払出モードである場合、台間装置10は、持玉払出ボタン59aの長押しを受け付けることによって、自動払出モードへと遷移する。また、台間装置10は、同ボタン59aの通常押下を受け付けることによって、遊技媒体の払い出しを行う。なお、この点の詳細については、同図の(B)を用いて後述する。
また、同図の(A)に示したように、たとえば、現在の払出モードが自動払出モードである場合、台間装置10は、持玉払出ボタン59aの長押しあるいは通常押下を受け付けることによって、手動払出モードへと遷移する。なお、同ボタン59aの長押しを受け付けた場合には、何も行わないこととしてもよい。
次に、払出モード別の払い出し方法について説明を行う。同図の(B)に示したように、手動払出モード中の台間装置10は、持玉払出ボタン59aの通常押下を受け付けると(同図の(B−1)参照)、所定数の遊技媒体を払出部55から払出部ノズル55aを経由させて上皿101へと払い出す(同図の(B−2)参照)。なお、遊技媒体の所定数については、払出情報18aに含まれる所定の払出単位を参照する。
そして、手動払出モード中の台間装置10は、同図に示した(B−1)から(B−2)の手順を繰り返す。
また、同図の(C)に示したように、自動払出モード中の台間装置10は、所定数の遊技媒体を払出部55から払出部ノズル55aを経由させて上皿101へ払い出した後(同図の(C−1)参照)、所定時間の経過を経て(同図の(C−2)参照)、自動的に同図の(C−1)からの手順を繰り返す。なお、かかる所定時間については、払出情報18aに含まれる所定の払出間隔を参照する。
なお、従業員がリモコン30や操作・表示部56(図3参照)に含まれるテンキーなどを操作することによって、払出情報18aに含まれる所定の払出間隔や払出単位を変更可能とすることとしてもよい。
図4の説明に戻り、記憶部18は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、払出情報18aと、計数値18bとを記憶する。
払出情報18aは、遊技媒体の払い出しに関する情報であり、払い出しモードごとの払出単位や、自動払出モード中の払出間隔などを含む。なお、かかる払出情報18aは、台間装置10の機種などに応じてあらかじめ設定値として値が格納されている。また、払い出された玉数を特定可能な情報(払出玉数、払出回数等)も格納される。
なお、かかる設定値については、運用に沿って適宜変更することとしてもよい。また、設定や変更などの手段についても特に限定する必要はなく、たとえば、リモコン30からの設定変更指示を受け付けることによって変更可能とすることとしてもよい。
また、各台間装置10の払出情報18aを管理装置200で一元管理することとし、台間装置10の稼働開始時に、かかる払出情報18aを管理装置200から取得することとしてもよい。
計数値18bは、遊技媒体の計数値であり、計数部16によって登録される。なお、かかる計数値18bは通常、遊技媒体が遊技台100の入賞口へ入ることで払い出される持玉の数量であるが、遊技台100の上皿101から溢れて計数部16へ導かれた遊技媒体の数量が含まれることもある。
なお、払出情報18aに含まれる、払い出された玉数を特定可能な情報や、計数値18bは、所定のタイミングで管理装置200へ送信される。かかる所定のタイミングについては、試し打ちモードの解除時に累計値をまとめて送信することとしてもよい。また、払い出しや計数が発生する都度に送信することとしてもよいし、所定の時間間隔で定期送信(ポーリング方式を含む)することとしてもよい。
ここで、遊技台100の上皿101から遊技媒体が溢れる場合(以下、単に「供給過剰」と記載する)について、図7を用いてさらに詳細に説明する。図7は、自動払出モード中に供給過剰が発生した場合を示す図である。
なお、台間装置10が手動払出モード中であれば、持玉払出ボタン59aの押下操作によって遊技媒体の払出時機を制御することができるため、かかる供給過剰はほとんど発生しない。そこで、ここでは、台間装置10が自動払出モード中である場合について説明する。
同図の(1)に示したように、台間装置10が自動払出モード中である場合、所定の払出単位の遊技媒体が所定の払出間隔で自動的に払い出されるため、たとえば、かかる所定の払出単位が大きすぎたり、所定の払出間隔が小さすぎたりすれば、供給過剰が発生する。
ここで、遊技台100の下皿102は開放されているものとする。したがって、供給過剰で上皿101に貯留できない遊技媒体は下皿102を経由して玉貯留部59へ落下する。
そして、同図の(2)に示したように、玉貯留部59を経て計数部58へと導かれた遊技媒体が計数部58で数量を計数された時点で、遊技媒体の供給過剰が検知される。なお、同図に示した「!」マークは、供給過剰が検知されたことをあらわしている。
なお、計数部58が備える計数センサは、かかる供給過剰分の遊技媒体と持玉とを区別しないが、持玉のみが計数部58へ導かれた場合にも試し打ち用の遊技媒体が十分に供給されているといえるので、かかる場合にも供給過剰として取り扱うこととして差し支えない。
そして、供給過剰が検知された場合、同図の(3)に示したように、台間装置10は、自動払出モードから自動的に手動払出モードへと遷移する。したがって、以降の試し打ち用の遊技媒体は持玉払出ボタン59aの押下操作によって払い出されることとなる。すなわち、従業員は、自動払出モード中に供給過剰が発生しても、以降の試し打ちを手動操作により払出時機を制御することで継続して行うことができる。
なお、同図を用いた説明では、台間装置10が自動的に自動払出モードから手動払出モードへと遷移する例を示したが、かかるモード遷移を行わずに、たとえば、自動的に所定の払出間隔を大きくすることとしてもよい。また、同様に、自動的に所定の払出単位を小さくすることとしてもよい。また、かかる払出間隔や払出単位の変更を行った後、一定時間供給過剰が検知されなかったならば、持玉が減少しているものと判定し、払出間隔や払出単位を元に戻すこととしてもよい。
図4の説明に戻り、次に、管理装置200の構成について説明する。同図に示すように、管理装置200は、通信I/F(インタフェース)201と、表示部202と、制御部203と、記憶部204とを備えている。また、制御部203は、閉店指示部203aと、結果受信部203bとをさらに備えている。そして、記憶部204は、試し打ち情報204aを記憶する。
通信I/F(インタフェース)201は、LAN(Local Area Network)ボードなどの通信デバイスで構成され、図2に示した店舗内LAN20などのネットワーク経由で、台間装置10とのデータ送受信を行う。
表示部202は、記憶部204の試し打ち情報204aに含まれる各種情報を表示するコンソールディスプレイなどの出力デバイスで構成される。なお、試し打ち情報204aに含まれる各種情報の詳細については、図8を用いて後述する。
制御部203は、台間装置10に対する閉店指示の送信、台間装置10からの試し打ち結果の受信といった処理を行う処理部である。
閉店指示部203aは、遊技店の営業終了時に各台間装置10の閉店移行部17aに対して、閉店中の状態へ移行するように指示する閉店指示を送信する処理を行う処理部である。
結果受信部203bは、台間装置10のモード遷移部17cが、試し打ちモードから通常閉店モードへ遷移する際に送信する試し打ち結果を受信する処理を行う処理部である。また、結果受信部203bは、受信した試し打ち結果を試し打ち情報204aとして記憶部204に記憶させる。
記憶部204は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、試し打ち情報204aを記憶する。
試し打ち情報204aは、台間装置10が併設される遊技台100ごとに、試し打ちの結果を関連付けた情報である。ここで、試し打ち情報204aの例について図8を用いて説明する。図8は、試し打ち情報204aの一例を示す図である。なお、ここでは、遊技媒体としてパチンコ玉を払い出したものとして説明を行う。
図8に示したように、試し打ち情報204aは、「台番号」項目と、「払出回数」項目と、「金額換算額」項目と、「計数玉数」項目とを含んだ情報である。
ここで、「台番号」項目は、台間装置10が併設される遊技台100を識別する台番号が格納される項目である。試し打ち情報204aは、かかる「台番号」ごとのレコードで構成される。
「払出玉数」項目は、台間装置10が試し打ちモード中に払出部15から払い出した遊技媒体の総数量が格納される項目である。たとえば、同図に示した場合では、台番号101に対応する台間装置10において250個のパチンコ玉が、また、台番号102に対応する台間装置10において1000個のパチンコ玉が、それぞれ試し打ちモード中に払い出されたことをあらわしている。
「払出回数」項目は、台間装置10が試し打ちモード中に払出部15から遊技媒体を払い出した回数が格納される項目である。たとえば、同図に示した場合では、台番号101に対応する台間装置10において1回の払い出しが、また、台番号102に対応する台間装置10において4回の払い出しが、それぞれ試し打ちモード中に行われたことをあらわしている。
「金額換算額」項目は、台間装置10が試し打ちモード中に払い出した遊技媒体を、遊技島の貸出レートで金額換算した値が格納される項目である。たとえば、同図に示した場合では、台番号101に対応する台間装置10では1000円が、また、台番号102に対応する台間装置10では4000円が、それぞれ格納されている。したがって、かかる台番号101および102の台間装置10が配置されている遊技島の貸出レートは、4円/玉(=1000円/250玉あるいは4000円/1000玉)であることとなる。
「計数玉数」項目は、試し打ちモード中に台間装置10の計数部16が計数した計数値が格納される項目である。たとえば、同図に示した場合では、台番号101に対応する台間装置10の計数部16が、試し打ちモード中に持玉を計数しなかったこと(計数玉数=0個)をあらわしている。また、台番号102に対応する台間装置10の計数部16が、試し打ちモード中に500個の持玉を計数したことをあらわしている。
ここで、同図の台番号201のレコードについては各項目に値が格納されていない場合を示しているが、これは台番号201に対応する台間装置10が、閉店中に試し打ちモードへ遷移しなかったことをあらわしている。
なお、本実施例では、試し打ち情報204aに含まれる各種情報(上述の各項目など)を管理装置200の表示部202に対して表示する場合について説明しているが、かかる試し打ち情報204aの内容を、管理装置200の上位装置(たとえば、本店の管理装置等)に対して通知することとしてもよい。
ところで、これまでは、試し打ちモードの解除を、リモコン30からの解除指示を受け付けることによって行う場合について説明してきた。しかしながら、かかる解除指示を、リモコン30を用いることなく台間装置10へ与えることとしてもよい。ここで、かかる場合について、図9を用いてさらに詳細に説明する。図9は、試し打ちモードの解除の例外を示す図である。
なお、同図の(A)には、カード排出ボタンの押下が解除指示操作に相当する場合を、同図の(B)には、台間装置10の電源をOFFにする場合を、同図の(C)には、上位装置から強制解除指示が通知される場合を、それぞれ示している。
同図の(A)に示したように、たとえば、台間装置10の液晶操作・表示部56aに「カード排出」ボタンを配置して、かかる「カード排出」ボタンの押下を試し打ちモードの解除指示操作とすることができる。かかる場合、通常の遊技終了に相当する「カード排出」ボタンの押下操作によることができるので、従業員が試し打ちモードを解除し忘れる機会を低減させることができる。
なお、同図においては、液晶操作・表示部56aに配置した「カード排出」ボタンの押下操作を受け付ける例を示したが、遊技台100の図示しないカード排出ボタンの押下操作を受け付けることとしてもよい。また、7セグ操作・表示部56bに「取消」ボタンなどを配置して、かかる「取消」ボタンへ同等の機能を割り付けることとしてもよい。
また、同図の(B)に示したように、たとえば、台間装置10の電源をOFFにすることで、試し打ちモードを解除することができる。かかる場合、電源をOFFにするという通常の台間装置10の稼働停止操作によることができるので、同図の(A)に示した場合と同様に、従業員が試し打ちモードを解除し忘れる機会を低減させることができる。
また、同図の(C)に示したように、上位装置から試し打ちモードの強制解除指示が通知されることとしてもよい。かかる場合、たとえば、上位装置である管理装置200が、毎日開店前の定時刻に遊技店内のすべての台間装置10に対して強制解除指示を通知することとすればよい(同図の(C−1)参照)。そして、かかる強制解除指示を受け付けた試し打ちモード中の台間装置10は、試し打ちモードを強制解除して通常閉店モードへ遷移することとすればよい(同図の(C−2)参照)。
これにより、たとえば、従業員が試し打ちモードを解除し忘れたままであっても、強制的に試し打ちモードを解除することが可能となり、遊技店の営業が開始されてもなお、試し打ちモード中の台間装置10が存在するという事態を避けることができる。
また、図示しないが、試し打ちモードの開始指示についても、上位装置から通知することとしてもよい。かかる場合、遊技店内のすべての台間装置10に対して一斉に行うこととしてもよいし、台間装置10を指定して行うこととしてもよい。
次に、台間装置10が実行する処理手順について、図10を用いて説明する。図10は、台間装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図10に示したように、台間装置10は、管理装置200から閉店移行指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。そして、閉店移行指示を受け付けた場合には(ステップS101,Yes)、閉店移行部17aが閉店移行処理を行い(ステップS102)、台間装置10は、通常閉店モードへ遷移する。
なお、ステップS101の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS101,No)、ステップS101の処理を繰り返す。
つづいて、台間装置10は、リモコン30から試し打ちモードの開始指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS103)。そして、試し打ちモードの開始指示を受け付けた場合には(ステップS103,Yes)、モード遷移部17cが、台間装置10を試し打ちモードへと遷移する(ステップS104)。ここで、試し打ちモード中の払出モードについては、手動払出モードあるいは自動払出モードのいずれかが既定モードとして設定される。
なお、ステップS103の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS103,No)、ステップS103の処理を繰り返す。
つづいて、台間装置10は、払出モードのモード遷移指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、持玉払出ボタン59aの長押しあるいは通常押下を受け付けたか否かを指す。
そして、払出モードのモード遷移指示を受け付けた場合には(ステップS105,Yes)、モード遷移部17cが、台間装置10の試し打ちモード中の払出モードを遷移指示に応じて遷移する(ステップS106)。
また、払出モードのモード遷移指示を受け付けなかった場合には(ステップS105,No)、モード遷移部17cが、台間装置10の試し打ちモード中の払出モードを維持する(ステップS107)。
そして、台間装置10は、払出モードに応じて遊技媒体の払い出しを行う(ステップS108)。
つづいて、台間装置10は、リモコン30から試し打ちモードの解除指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS109)。そして、試し打ちモードの解除指示を受け付けた場合には(ステップS109,Yes)、モード遷移部17cが、上位装置である管理装置200などに試し打ち結果を送信したうえで(ステップS110)、試し打ちモードを解除して台間装置10を通常閉店モードへと遷移する(ステップS111)。
なお、ステップS109の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS109,No)、ステップS105以降の処理を繰り返す。
上述してきたように、本実施例では、閉店移行部が、台間装置を通常閉店モードへと遷移し、受付指示部が、試し打ちモードに関する指示を受け付けてモード遷移部に対して指示し、モード遷移部が、受け付けた指示に基づいて試し打ちモードに関するモード間のモード遷移を行い、払出指示部が、試し打ちモード中の払出モードに応じて試し打ち用の遊技媒体を払い出すように台間装置を構成した。したがって、遊技媒体の試し打ちを従業員の負担を軽減しつつ効率的に行うことができる。
ところで、上述した実施例では、遊技店の閉店中において従業員が行う試し打ちについて説明してきた。しかしながら、通常の営業時間中において、かかる試し打ちのように、現金やプリペイド価値による対価なしの遊技(以下、「無料遊技」と記載する)を遊技客が行えることとしてもよい。
そこで、以下では、通常の営業時間中に遊技客が無料遊技を行う変形例について説明する。かかる場合、遊技店は、営業時間中に無料遊技が行える無料遊技サービスを提供するものとする。なお、かかる無料遊技サービスは、時間帯、遊技島、遊技客などを限定して提供することとすればよい。
そして、かかる無料遊技サービスの提供中は、対価なしで遊技媒体を払い出す「無料遊技モード」へ台間装置を遷移させる。かかる無料遊技モードへの遷移は、上述した「通常閉店モード」に限らず、通常の営業中のモードである「通常開店モード」からも行えるものとする。
ここで、無料遊技モードの開始指示あるいは解除指示は、試し打ちモードの場合と同様に、受付指示部が受け付けることとすればよい。また、各指示は、従業員のリモコン操作によることとしてもよいし、遊技客によるボタン押下などの指示操作によることとしてもよい。
なお、遊技客による指示操作を受け付ける場合には、遊技客の会員情報などに応じて、無料遊技サービスに関するガイダンスの表示を行うなどすることが好ましい。かかる場合、管理装置の指示によることとしてもよいし、台間装置自体が行うこととしてもよい。
また、上述した実施例では、計数値などの試し打ち結果を上位装置へ送信するのみで、カードへの関連付けを行わない場合について説明してきたが、かかるカードへの関連付けを行うこととしてもよい。
かかる場合、試し打ち結果であることを識別可能とする識別子と計数値などとを紐付けたうえで、カードへの関連付けを行うこととすればよい。なお、かかる関連付けを行ったカードについては、通信異常などで上位装置へ試し打ち結果が送信できなかった場合などに利用することができる。
また、上述した実施例では、各台対応装置が、遊技媒体をノズルから払い出す方式の台間装置である場合について説明したが、遊技台が備える貸出ボタンの押下を契機として、遊技台に内蔵された媒体払出部に対し払出指示を行う、ノズルを用いない貸出方式の台間装置(CRユニット)に対して本発明を適用することとしてもよい。
また、上述した実施例では、各台対応装置が、遊技媒体の払出機構と計数部とを単一の筐体に備えた台間装置である場合について説明したが、払出機構を備えた筐体と、計数部を備えた筐体との2つの筐体によって構成される台間装置(ダブルサンド)に対して本発明を適用することとしてもよい。
また、上述した本発明に係る各台対応装置の構成の一部を、管理装置や島コントローラなど他の装置上に構成することとしてもよい。たとえば、ユーザインタフェースに関わる処理のみを各台対応装置上に配置し、受付指示部などを管理装置上に配置することとしてもよい。