JP4191270B2 - 遊技場用管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技に応じて所定個数の遊技媒体を放出すると共に大当たり状態となったときに常時より多数の遊技媒体を放出する構成の遊技機が多数台設置された遊技場において、遊技客の獲得遊技媒体を計数するための計数手段とその計数結果の範囲内の遊技媒体を放出可能な貸出手段とを各遊技機と対応した位置に設けるようにした遊技場用管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パチンコホールにおいては、パチンコ遊技機と1対1で対応した位置に、遊技客の獲得パチンコ玉の計数動作を行ってその計数データを記憶手段に記憶させる玉計数機と、上記計数データに基づいたパチンコ玉の貸出動作を行い得るように構成された玉貸機とをそれぞれ設置することにより、獲得パチンコ玉の持ち運びを不要にすると共に、玉計数機により一旦計数したパチンコ玉を玉貸機を通じて返却できるように構成し、以て手元に実際にパチンコ玉がある場合と変わらない状態で遊技を行い得るようにすることにより遊技客側の利便性の向上を図ったシステム(所謂台毎リプレーシステム)が提案されている。
【0003】
また、上記のようなシステムに対して、遊技客がパチンコ遊技機での遊技を終了したときに、そのパチンコ遊技機に対応した玉計数機により計数したパチンコ玉(獲得パチンコ玉)を、景品と交換することなくパチンコホール側に一旦預けておき、そのパチンコ玉を当日若しくは翌日以降の遊技に供し得るようにした所謂貯玉機能を付加することにより、遊技客側の利便性をさらに向上させるシステムも考えられている。
【0004】
このような貯玉機能を実現する場合には、例えば、予め会員登録された遊技客に対して、当該遊技客に割り当てられたIDコードを含むデータを記憶した会員カードを発行しておくと共に、パチンコ遊技機及び玉貸機に対応させて上記会員カードからデータを読み込むためのカードリーダを設置しておく。そして、カードリーダに会員カードがセットされた状態でのみ玉計数機による計数機能が働くように構成すると共に、その玉計数機による計数結果を上記会員カードから読み取ったIDコードと対応付けた状態の貯玉データとして記憶手段に記憶するように構成される。
【0005】
さらに、玉貸機は、対応するカードリーダに会員カードがセットされた状態でのみ、その会員カードに対応した貯玉データを前記記憶手段から読み出し、その読み出し貯玉データの範囲内のパチンコ玉を放出可能に構成されると共に、その放出分だけ上記貯玉データを減少させるように構成される。
【0006】
但し、このような構成を単純に採用した場合には、貯玉データとして一旦記憶されたパチンコ玉をそのまま返却することになるため、景品交換に伴うパチンコホール側の利益を期待できなくなって、パチンコホールの売上及び利益が圧縮されるという問題点が出てくる。
【0007】
そこで、実際には、以下に述べるようなシステムを採用している。即ち、玉計数機による計数結果を、記憶手段に対して、第1のデータ(以下、持玉データと呼ぶ)と第2のデータ(以下貯玉データと呼ぶ)とに区分して選択的に記憶できる構成とする。また、玉貸機において、持玉データに基づいたパチンコ玉の返却(放出)動作を行うときには、当該持玉データを返却パチンコ玉数相当値だけ減少させるという等価返却処理を行い、貯玉データに基づいたパチンコ玉の返却動作を行うときには、当該貯玉データを実際の返却パチンコ玉数より所定の割合だけ多く減少させるという割引返却処理を行うように構成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなシステムを採用する場合、パチンコホールの利益を適正に確保する上で問題になってくるのは、遊技客がパチンコ遊技機を特賞モード(大当たりモード)にすることにより獲得した比較的多量のパチンコ玉の取り扱いである。つまり、このような多量のパチンコ玉がそのまま遊技に再使用された場合には、パチンコホール側の売上が減少して適正な利益確保が困難になる。
【0009】
そこで、従来では、遊技客がパチンコ遊技機を特賞モードにすることにより獲得したパチンコ玉については、これを玉計数機により一旦計数させることを義務付けると共に、その計数結果を貯玉データとして記憶する構成とし、上記のような獲得パチンコ玉が玉貸機を通じて遊技に再使用される場合には、前述した割引返却処理を行うようにしている。
【0010】
このようなシステムを運用する場合、上述した義務付け内容の適正な実行を遊技客に期待することは無理である。このため、従来では、パチンコ遊技機の特賞モードが終了した時点で、当該パチンコ遊技機を一旦打止にして遊技不能な状態に切り替え、このような打止状態でパチンコ遊技機まで出向いたパチンコホール従業員がパチンコ玉の計数終了を確認したときに、その計数結果を貯玉データとして記憶させる操作を行うと共に、打止状態を解除するという手順を踏むようにしている。
【0011】
しかしながら、このような構成では、パチンコ遊技機において特賞モードが終了する毎に当該パチンコ遊技機までパチンコホール従業員が出向かねばならず、その負担が増大するという問題点があった。また、遊技客側にとっては、特賞モードが終了する毎に、打止解除のためにパチンコホール従業員の到着を待たねばならず、結果的に台毎リプレーシステムの本来の目的、つまり遊技客側の利便性の向上という目的が阻害されるという問題点が出てくる。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技場側の利益の向上並びに遊技客側の利便性の向上を、遊技場従業員の負担増を招くことなく実現できるようになるなどの効果を奏する遊技場用管理システムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、遊技に応じて遊技媒体を放出し、遊技中に所定の大当たり条件が成立したときに常時より多数の遊技媒体を放出する大当たりモードを呈すると共に、遊技中に所定の当たり確率変動条件が成立したときに前記大当たりモードが成立する可能性を高めた確率変動モードを所定期間だけ呈する遊技機が設置された遊技場に設けられる管理システムにおいて、
遊技客に対して発行される記憶担体と、前記遊技機と1対1で対応した位置に当該遊技機から放出された遊技媒体を計数するように設けられた計数手段と、この計数手段による計数値を前記記憶担体と対応付けて記憶するように設けられ、当該計数値を等価返却に供される第1のデータ及び割引返却に供される第2のデータの何れかに区分して記憶可能な記憶手段を有する管理装置と、
前記遊技機での遊技を終了するときに操作される精算スイッチ、従業員の携帯する送信機からのキャンセル信号を受信する受信部、及び制御部を備え、前記遊技機と1対1で対応した位置に設けられて、前記記憶手段に記憶されている第1のデータ及び第2のデータに基づいて遊技媒体を放出可能な状態を呈する玉貸機と、を備え、前記制御部は、前記精算スイッチが操作されたとき、前記管理装置へ精算信号を出力し、前記送信機からのキャンセル信号を受信したとき、前記管理装置へ復帰確認信号を出力し、前記遊技媒体の放出動作を前記記憶手段に記憶された第1のデータに基づいて行ったときに、当該第1のデータを放出された遊技媒体数だけ減少させる等価返却処理を行い、前記放出動作を前記記憶手段に記憶された第2のデータに基づいて行ったとき、当該第2のデータを放出された遊技媒体数より所定の割増分だけ余分に減少させる割引返却処理を行い、前記遊技機での大当たりモードの発生から終了までの期間における差玉数を算出するための差玉数演算動作を行うと共に、当該遊技機で発生した大当たりモードが終了するのに応じて、前記計数手段による計数値と当該遊技機の機種毎に予め設定された機種毎設定値及び前記差玉数演算動作により算出される差玉数とを比較する動作を行い、上記計数値と機種毎設定値とが所定の大小関係を示し、且つその計数値と差玉数とが所定の大小関係を示していたときに、計数手段による計数が終了したものと判断して、前記管理装置へデータ移行信号を出力するように構成され、
前記管理装置は、前記計数手段による計数値を第1のデータとして前記記憶手段に記憶させ、前記精算信号を受信したときは、前記記憶手段に記憶されている第1のデータを第2のデータとして記憶し直す精算動作を行い、当該精算動作が行われた後に前記復帰確認信号を受信したときは、一旦第2のデータとして記憶したデータを第1のデータとして記憶し直す取消動作を行い、前記データ移行信号を受信したときは、前記記憶手段に記憶されている第1のデータを第2のデータに移行して記憶させる自動精算動作を実行するよう構成されており、さらに前記制御部を、前記遊技機で発生した大当たりモードが終了したときにおいて、当該遊技機が確率変動モードを呈している期間中は前記データ移行信号の出力を見合わせ、当該遊技機が確率変動モードを呈していない場合は前記データ移行信号を出力する構成としたものである(請求項1)。
【0014】
この構成によれば、記憶手段は、等価返却に供される第1のデータ及び割引返却に供される第2のデータの何れかに区分して記憶可能な状態とされている。そして、遊技客が遊技機での遊技により獲得した遊技媒体は、当該遊技機に1対1で対応した位置に設けられた計数手段で計数されることになるが、このような計数が行われた場合、計数手段による計数値は、記憶手段に対して、記憶担体と対応付けられた第1のデータとして記憶されるようになる。
【0015】
遊技機と1対1で対応する位置には、上述のように記憶担体と対応付けた状態で上記記憶手段に記憶された第1のデータ及び第2のデータに基づいて遊技媒体を放出可能な状態を呈する貸出手段が設けられているから、上記のように一旦計数手段で計数させた遊技媒体を当該貸出手段から放出させることができ、このように放出された遊技媒体を遊技に供し得るようになる。
【0016】
演算手段は、上記のような貸出手段による遊技媒体の放出動作が行われた場合において、その放出動作が記憶手段に記憶された第1のデータに基づいて行われたときには、当該第1のデータを、放出された遊技媒体数だけ減少させるという等価返却処理を行うようになる。また、上記放出動作が記憶手段に記憶された第2のデータに基づいて行われたときには、当該第2のデータを、放出された遊技媒体数より所定の割増分だけ余分に減少させるという割引返却処理を行うようになる。
【0017】
遊技機において常時より多数の遊技媒体を放出する大当たりモードが発生したときには、差玉数算出手段が、当該大当たりモードの発生から終了までの期間における差玉数を算出するようになる。
【0018】
このような大当たりモードが終了したときには、制御手段は、前記計数手段による計数値と当該遊技機の機種毎に予め設定された機種毎設定値及び前記差玉数算出手段により算出される差玉数とを比較する動作を行い、上記計数値と機種毎設定値とが所定の大小関係を示し、且つその計数値と差玉数とが所定の大小関係を示していたときに、計数手段による計数が終了したものと判断して、前記記憶手段に記憶されている第1のデータを第2のデータに移行して記憶させるという自動精算動作を実行する。
【0019】
つまり、遊技客が遊技機を大当たりモードにすることにより獲得した遊技媒体については、上記のような自動精算動作が行われるのに応じて割引返却処理に供される第2のデータに自動的に移行されることになる。このため、従来構成のように、遊技機において大当たりモードが終了する毎に当該遊技機まで遊技場従業員が出向く必要がなくなるものであり、その負担を軽減できるようになる。また、遊技客は、従来構成のように、大当たり状態が終了する毎に、遊技場従業員の到着を待つ必要がなくなるため、遊技客側の利便性が阻害される虞もなくなる。
【0020】
しかも、上記のような自動精算動作の実行条件には、遊技機が大当たりモードにある期間における差玉数の他に、当該遊技機の機種毎に予め設定された機種毎設定値も加味される構成となっているから、大当たりモードが途中で終了してしまうという所謂パンクが発生した場合には、計数手段による計数値と上記機種毎設定値とが所定の大小関係を呈することがなくなるものであり、結果的に自動精算動作が実行されることはない。従って、遊技機で大当たりモードが発生したにも拘らず、パンクの発生により十分な数の遊技媒体を得られなかった遊技客に対して、そのまま当該遊技機での継続遊技を許容するといった補填的サービスを行うことができるものであり、この面からも遊技客側の利便性を向上させ得るようになる。
【0021】
この場合、前記遊技機で発生した大当たりモードが終了したときにおいて、当該遊技機が確率変動モードを呈している期間中は、前記制御手段が、前記自動精算動作の実行を見合わせるようになる。従って、遊技機が確率変動モードにある期間中には、前述した自動精算動作は、大当たりモードの終了時点では行われることがなく、その確率変動モードが終了した状態で初めて行われることになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。
図3には、本実施例のシステムで利用される記憶担体としての会員カード1の正面図が示されている。この会員カード1は、例えばパチンコホールの遊技会員となった遊技客に対して発行されるものであり、その表面には、テープ状の磁気記録部2が設けられていると共に、パチンコホール名1aが印刷により形成されており、さらに、パチンコホール及び会員に固有のデータに対応した数字列1b、会員の氏名を示す文字列1c、カード有効年月日を示す文字及び数字列1dがエンボス加工によって形成されている。
【0025】
この場合、上記磁気記録部2には、例えばパチンコホールを特定するためのIDコード、前記会員(遊技客)に割り当てられたIDコードであるカード番号、カード有効年月日を示す有効期限データなどが記録されている。
【0026】
図1において、パチンコ遊技機3は、その上皿4内のパチンコ玉(遊技媒体)を電動式の玉発射機構(操作ダイヤルのみ符号5を付して示す)を通じて盤面6へ発射する構成となっている。この場合、具体的には図示しないが、上記盤面6には、通常の入賞孔の他に、特賞動作用の始動入賞孔、可動入賞孔及びこれに付随した電気役物などが設けられており、当該パチンコ遊技機3での入賞率を大幅に高めた特賞モード(本発明でいう大当たりモードに相当)、並びに当該特賞モードが成立する可能性を高めた周知の確率変動モードを選択的に呈するように構成されている。
【0027】
尚、上記特賞モードへは、パチンコ遊技機3の遊技中において所定の大当たり条件が成立したときに移行するものであり、確率変動モードへは、例えば上記大当たり条件が成立したときに、その成立内容が予め設定された確率変動条件と一致するときに移行されるものである。また、この確率変動モードでは、特賞モードの発生確率そのものを高めるという動作を行えば良いものであるが、当該確率変動モードの継続期間中において所謂ベースを上げることによって特賞モードが成立する可能性を高める構成を採用しても良い。
【0028】
パチンコ遊技機3においては、賞球としてのパチンコ玉を上皿4へ放出するようになっており、この上皿4が満杯となったときにはオーバーフローしたパチンコ玉が下皿7内に流入するようになっている。尚、上皿4内のパチンコ玉は、ノブ4aのスライド操作によっても下皿7内へ落下させ得るようになっている。
【0029】
一方、下皿7には、その底部に形成された落下口を開閉するシャッタ(何れも図示せず)が設けられており、このシャッタが開放された状態では、下皿7内のパチンコ玉が案内管8内に流入する構成となっている。但し、上記シャッタには電気的な駆動部を有したシャッタ開閉機構7aが付随しており、このシャッタ開閉機構7aによってシャッタを選択的に開放できる構成となっている。
【0030】
貸出手段としての玉貸機9は、パチンコ遊技機3の左方に当該パチンコ遊技機3と1対1で対応した隣接状態で設置されるものであり、以下においては、この玉貸機9について説明する。
【0031】
即ち、玉貸機9は、縦長の矩形箱状に構成されており、その最上部前面には、例えば5個の持玉表示ランプ10が設けられている。この場合、上記持玉表示ランプ10は、例えば赤色及び緑色の何れかで点灯可能となっており、その点灯個数及び点灯色に基づいて、おおよその持玉数(後述する等価返却に供されるパチンコ玉数を示す)を視覚的に表示できるようになっている。
【0032】
具体的には、例えば、最下段の持玉表示ランプ10が1個だけ赤色で点灯された状態は、持玉数が1000〜1999個の状態に相当するものであり、下から2個が赤色で点灯された状態は持玉数が2000〜2999個、下から3個が赤色で点灯された状態は持玉数が3000〜3999個、下から4個が赤色で点灯された状態は持玉数が4000〜4999個、5個全部が赤色で点灯された状態は持玉数が5000個以上ある状態に相当する。
【0033】
また、持玉表示ランプ10がすべて消灯された状態は、持玉数が200個未満の状態に相当する。最下段の持玉表示ランプ10が1個だけ緑色で点灯された状態は、持玉数が200〜399個の状態に相当するものであり、下から2個が緑色で点灯された状態は持玉数が400〜599個、下から3個が緑色で点灯された状態は持玉数が600〜799個、下から4個が緑色で点灯された状態は持玉数が800〜999個に相当する。尚、5個の持玉表示ランプ10の全部が緑色で点灯された状態は持玉数が1000個以上ある状態に相当するものであるが、このような点灯状態となったときには、最下段の持玉表示ランプ10が1個だけ赤色で点灯された状態に切換えられる。
【0034】
玉貸機9には、携帯型の送信機(図2に符号11を付して示す)からの信号を受信するためのリモコン受信部11a、硬貨投入口12、硬貨戻しボタン13、貯玉数(後述する割引返却に供されるパチンコ玉数を示す)をデジタル表示するための貯玉数表示部14、前記持玉数をデジタル表示するための持玉数表示部15、暗証番号などの入力に使用されるテンキースイッチ16、返却スイッチ17、パチンコ玉放出用のノズル18、硬貨返却口19、中断スイッチ20、精算スイッチ21、前記会員カード1を挿入するためのカード挿入口22、前記案内管8の基部が連結された玉計数機23(本発明でいう計数手段に相当)が設けられている。尚、本実施例では、例えば、上記貯玉数表示部14に対して、対応するパチンコ遊技機3が遊技中断状態(遊技客が一時的に席を離れた状態)にある旨を表示できる機能を付与している。但し、このような中断表示機能のために専用の表示部を設ける構成としても良い。
【0035】
上記送信機11は、パチンコホール従業員が携帯するもので、その操作に応じて例えば赤外線を媒体としたキャンセル信号の送信動作を行うようになっている。また、上記ノズル18は、玉貸機9内に設けられた放出機構(図2に符号24を付して示す)からのパチンコ玉を放出するためのもので、先端がパチンコ遊技機3の上皿4に上方から臨む通常位置と、前方に回動された退避位置との間で往復回動可能に設けられており、常時においては図示しないばね手段によって通常位置ヘ付勢されている。
【0036】
また、玉計数機23は、案内管8を通じて流入するパチンコ玉を計数すると共に、その計数値を示す計数パルスを発生する構成となっている。上記案内管8は、先端がパチンコ遊技機3の下皿7に形成された図示しない落下口に下方に臨む通常位置と、前方に回動された退避位置との間で往復回動可能に設けられており、常時においては図示しないばね手段によって通常位置に付勢されている。
【0037】
玉貸機9内に前記硬貨投入口12と連通するように設けられた検銭機構25は、当該硬貨投入口12へ投入された硬貨の真贋を判断する機能を備えた周知構成のものであり、その判断結果を示す判断信号を後述する制御部(図2に符号26を付して示す)に与えるようになっている。
【0038】
玉貸機9内に前記カード挿入口22と対応するように設けられたカードリーダ27は、当該カード挿入口22に挿入されたカードを内部に取り込むと共に、そのカードに記録されたデータを読み取る動作を行う構成となっており、内部に取り込んだ状態のカードの排出動作は、前記制御部26からの指令により行う構成となっている。
【0039】
玉貸機9の電気的構成を示す図2において、前記制御部26は、CPU(図示せず)及び記憶部26aを含んで構成されている。
【0040】
この場合、記憶部26aは書換可能な不揮発性メモリを備えており、その不揮発性メモリには、図4に示すような機種毎設定値テーブルが記憶されている。即ち、パチンコ遊技機3にあっては、特賞モードにある期間中に放出するパチンコ玉の総量(但し、標準的な状態で遊技が行われた場合での値)が機種毎に異なるものであり、斯様な機種毎で異なる特賞モード期間中のパチンコ玉放出量(標準値)を、パチンコ遊技機3の機種(例えば記号A、B、Cで示す)毎の設定値として記憶したものが機種毎設定値テーブルである。
【0041】
上記制御部26は、リモコン受信部11aの受信信号、前記テンキースイッチ16、返却スイッチ17、中断スイッチ20及び精算スイッチ21からの各操作信号、玉計数機23からの計数パルス、検銭機構25からの判断信号、カードリーダ27による読み取りデータ、対応するパチンコ遊技機3から端末装置28を通じて与えられる各種信号、並びに管理装置29(本発明でいう記憶手段に相当)から端末装置28を通じて与えられる各種信号及びデータ、並びに予め記憶したプログラムに基づいて、持玉表示ランプ10、貯玉数表示部14、持玉数表示部15、放出機構24、シャッタ開閉機構7a、カードリーダ27の制御を行うと共に、管理装置29との間での信号の送受信制御を前記端末装置28を通じて行う構成となっている。
【0042】
この場合、パチンコ遊技機3は、遊技に伴う打込パチンコ玉数を示すアウト玉数信号Sa、遊技に伴い賞球として放出したパチンコ玉数を示すセーフ玉数信号Sb、前述した特賞モードが発生している期間中連続して立ち上がった状態となる特賞信号Sf、前述した確率変動モードにある期間だけ連続して立ち上がった状態となる確変信号Skを出力する構成となっており、これらの信号Sa、Sb、Sf、Skが端末装置28を通じて制御部26及び管理装置29に与えられるようになっている。
【0043】
また、管理装置29は、各パチンコ遊技機3からの信号Sa、Sb、Sf、Skに基づいて、パチンコ遊技機3毎の管理用データ(アウト玉数及びセーフ玉数の差、出玉率、特賞発生回数など)の演算機能及びその演算結果に基づいた打止制御機能を備えた周知構成のものであり、この管理装置29中には、図12及び図13に示すようなフォーマットの計数機ファイル及びカードファイルが記憶されている。
【0044】
即ち、図12に示す計数機ファイルは、玉計数機23毎に設定されるものであり、当該玉計数機23に固有の計数機番号に対応させて、計数機状態(対応するカード挿入口22に対する会員カード1の「未挿入状態」、「挿入状態」、対応するパチンコ遊技機3の「遊技中断状態」の何れか)、対応するカード挿入口22に挿入されている会員カード1についての持玉数を示す持玉データ、当該会員カード1のカード番号、対応する玉貸機9での売上金額を示す売上データを記憶したフォーマットとなっている。
【0045】
また、図13に示すカードファイルは、会員カード1がカード挿入口22に挿入された時点で各会員カード1毎に作成されるものであり、パチンコホールの閉店時に削除される構成となっている。具体的には、カードファイルは、会員カード1のカード番号に対応させて、当該会員カード1に予め設定されている暗証番号、カード状態(カード挿入口22への「未挿入状態」、「挿入状態」、パチンコ遊技機3での「遊技中断状態」の何れか)、持玉数及び貯玉数を示す持玉データ及び貯玉データ(それぞれ本発明でいう第1のデータ及び第2のデータに相当)、会員カード1が挿入されているカード挿入口22に対応した玉計数機23の計数機番号、後述する精算玉数を示す精算玉データを記憶したフォーマットとなっている。
【0046】
しかして、以下においては玉貸機9が有する制御部26による制御内容について説明する。但し、制御部26は実際には逐次処理を行うものであるが、ここでは説明の便宜上、図5に示すカード処理プログラム、図6及び図7に示す計数処理プログラム、図8に示すリプレー処理プログラム、図9に示す玉貸処理プログラムが並列処理により実行されるものとする。
【0047】
カード処理プログラムを示す図5において、制御部26は、まず、カード挿入口22へカードが挿入されたか否かを判断し(ステップA1)、「NO」と判断する状態では、管理装置29から後述のように出力される中断解除信号の受信の有無、後述する中断タイマのタイムアップの有無、送信機11からのキャンセル信号の受信の有無を順次判断し(ステップA2、A3、A4)、こられのステップA2〜A4で全て「NO」と判断した場合にはステップA1へ戻る。
【0048】
カード挿入口22にカードが挿入されたとき(ステップA1で「YES」)には、カード挿入信号Saを作成して管理装置29へ出力し(ステップA5)、この後に管理装置29から確認信号及び拒絶信号の何れかがアンサバックされるまで待機する(ステップA6、A7)。尚、上記カード挿入信号Saは、図14(a)に示すように、当該信号を特定するための信号コードと、挿入されたカードから読み取ったIDコード及びカード番号と、対応する玉計数機23毎に予め設定された固有の計数機番号とを組み合わせたフォーマットとなっている。
【0049】
このとき、上記カード挿入信号Saを受信した管理装置29にあっては、後述の説明により明らかとなるように、カード挿入口22に挿入されたカードが適正な会員カード1でなかった場合に拒絶信号をアンサバックする。また、適正な会員カード1が挿入された場合であっても、その挿入時点においてカード挿入口22に対応したパチンコ遊技機3が遊技中断状態にあり、且つ挿入された会員カード1が前回挿入された会員カード1と異なっている場合(遊技中断させた遊技客のものと異なる会員カード1が挿入された場合)には、拒絶信号をアンサバックする構成となっている。
【0050】
また、カード挿入口22に対応したパチンコ遊技機3が誰でも遊技を行い得る状態にあったときにおいて、適正な会員カード1が挿入された場合、並びにカード挿入口22に対応したパチンコ遊技機3が遊技中断状態にあったときにおいて、挿入された会員カード1が前回挿入された会員カード1と同じものであった場合(遊技中断させた遊技客の会員カード1が挿入された場合)に確認信号をアンサバックする構成となっている。
【0051】
拒絶信号がアンサバックされたときには、カード挿入口22に挿入されたカードを排出するステップA8を実行した後に前記ステップA2へ移行するが、確認信号がアンサバックされたときには、シャッタ開閉機構7aを動作させることにより、下皿7の落下口に設けられたシャッタ(何れも図示せず)を開放状態に切り替える(ステップA9)。
【0052】
つまり、カード挿入口22に対応したパチンコ遊技機3が誰でも遊技を行い得る状態にあったときにおいて、当該カード挿入口22に対し適正な会員カード1が挿入された場合、並びにカード挿入口22に対応したパチンコ遊技機3が遊技中断状態にあったときにおいて、当該カード挿入口22に対し遊技中断させた遊技客の会員カード1が挿入された場合には、下皿7の落下口が開放されるものであり、これに応じて、玉計数機23によるパチンコ玉の計数動作が可能な状態に切り替えられるものである。
【0053】
上記ステップA9の実行後には、テンキースイッチ16の操作を有効化するステップA10、返却スイッチ17、中断スイッチ20及び精算スイッチ21の操作を有効化するステップA11を順次実行した後に、貯玉数表示部14が中断表示(対応するパチンコ遊技機3が遊技中断状態にある旨の表示)を行っているか否かを判断する(ステップA12)。
【0054】
中断表示が行われていなかった場合には、中断スイッチ20及び精算スイッチ21の何れかがオン操作されるまで、若しくは送信機11からのキャンセル信号を受信するまで待機するループを形成し(ステップA14、A15、A16)。また、中断表示状態にあった場合には、その中断表示を消去(初期化)すると共に、後述する中断タイマをリセットするという中断状態解除ステップA13を実行した後に、上記待機ループへ移行する。
【0055】
上記のような待機ループを形成した状態で中断スイッチ20がオン操作された場合(ステップA14で「YES」)には、管理装置29へ中断信号Scを出力する(ステップA17)。この場合、上記中断信号Scは、図14(c)に示すように、当該信号を特定するための信号コードと、挿入されたカードから読み取ったカード番号と、対応する玉計数機23毎に予め設定された固有の計数機番号とを組み合わせたフォーマットとなっている。
【0056】
上記中断信号Scの出力ステップA17の実行後には、貯玉数表示部14に中断表示を行うステップA18、タイマ時間が例えば10分程度に設定された中断タイマを動作開始させるステップA19、挿入されている会員カード1を排出するステップA20、シャッタ開閉機構7aを動作させて下皿7の落下口に設けられたシャッタを閉鎖状態に切り替えるステップA21、テンキースイッチ16、返却スイッチ17、中断スイッチ20及び精算スイッチ21の操作を全部無効化するステップA22を順次実行した後に、前記ステップA1へ戻る。
【0057】
前記待機ループを形成した状態で精算スイッチ21がオン操作された場合(ステップA15で「YES」)には、管理装置29へ精算信号Sdを出力する(ステップA23)。この場合、上記精算信号Sdは、図14(d)に示すように、当該信号を特定するための信号コードと、挿入されたカードから読み取ったカード番号と、対応する玉計数機23毎に予め設定された固有の計数機番号と、その時点で記憶部26aに記憶されている後述の持玉数を示すデータとを組み合わせたフォーマットとなっている。
【0058】
上記精算信号Sdの出力ステップA23の実行後には、貯玉数表示部14及び持玉数表示部15による表示状態並びに持玉表示ランプ10の点灯状態を初期化するステップA24を実行し、この後に前記ステップA20〜A22を実行してステップA1へ戻る。
【0059】
前記待機ループを形成した状態(つまり、カード挿入口22に会員カード1が挿入されている状態)において送信機11からのキャンセル信号を受信した場合(ステップA16で「YES」)には、管理装置29へ復帰確認信号Seを出力し(ステップA25)、この後に管理装置29から持玉・貯玉データ及び拒絶信号の何れかがアンサバックされるまで待機する(ステップA26、A27)。尚、上記復帰確認信号Seは、図14(e)に示すように、当該信号を特定するための信号コードと、挿入されたカードから読み取ったカード番号と、対応する玉計数機23毎に予め設定された固有の計数機番号と組み合わせたフォーマットとなっている。
【0060】
このとき、上記カード挿入信号Saを受信した管理装置29にあっては、後述の説明により明らかとなるように、受信した復帰確認信号Se中のカード番号及び計数機番号の組み合わせが前記カードファイル中のカード番号及び計数機番号の組み合わせと一致しない場合、同じく当該復帰確認信号Se中のカード番号及び計数機番号の組み合わせが前記計数機ファイル中の計数機番号及びカード番号の組み合わせと一致しない場合、カードファイルにおいて上記復帰確認信号Se中のカード番号に対応したレコード中の精算玉データが零の場合に拒絶信号をアンサバックする構成となっている。また、上記各一致条件が成立し、且つカードファイルにおいて復帰確認信号Se中のカード番号に対応したレコード中の精算玉データが「1」以上ある場合に持玉・貯玉データをアンサバックする構成となっている。
【0061】
拒絶信号がアンサバックされたときには、例えば貯玉数表示部14に対しエラー表示を行うというエラー出力ステップA28を実行した後にステップA14へ戻るが、持玉・貯玉データがアンサバックされたときには、その持玉・貯玉データにより示される持玉数及び貯玉数を持玉数表示部15及び貯玉数表示部14にそれぞれ表示するステップA29及びA30を順次実行した後にステップA14へ戻る。尚、上記持玉・貯玉データにあっては、持玉数を示すデータが零の場合もある。
【0062】
一方、前記ステップA2で「YES」と判断した場合(管理装置29からの中断解除信号を受信した場合)には、管理装置29へ精算信号Sd(図14(d)参照)を出力するステップA31a、貯玉数表示部14及び持玉数表示部15による表示状態並びに持玉表示ランプ10の点灯状態を初期化するステップA31bを順次実行した後にステップA3へ移行する。
【0063】
ステップA3で「YES」と判断した場合、つまり、中断スイッチ20のオン操作に応じて中断タイマのタイマ動作開始された後に、当該中断タイマに設定された動作時間(例えば10分)が経過した場合には、警報出力ルーチンA32を実行した後にステップA4へ移行する。このとき、上記警報出力ルーチンA32では、例えば、持玉表示ランプ10を点滅させることにより警報を発生したり、パチンコホール従業員に対し店内放送、或いはインカムのような携帯端末などを利用して警報を直接的に伝えることにより、対応するパチンコ遊技機3での遊技中断状態が不要に長くなった旨を報知する。そして実際の運用上においては、斯様な報知に基づいてパチンコホール従業員が所定の対応(例えば、パチンコ遊技機3を遊技中断状態とした遊技客を呼び出す店内放送の実行、及び必要に応じて該当するパチンコ遊技機3での遊技中断状態を強制的に解除する操作など)を行う。
【0064】
ステップA4で「YES」と判断した場合(カード挿入口22に会員カード1が挿入されていない状態で送信機11からのキャンセル信号を受信した場合)には、前記警報が出力中か否かを判断する(ステップA33)。警報が出力されていない場合にはそのままステップA1へ戻るが、警報が出力されていた場合には、管理装置29へ前記精算信号Sdを出力するステップA34、貯玉数表示部14及び持玉数表示部15による表示状態並びに持玉表示ランプ10の点灯状態を初期化するステップA35を順次実行した後にステップA1へ戻る。
【0065】
一方、計数処理プログラムを示す図6及び図7において、制御部26は、まず、玉計数機23からの計数パルスの入力の有無、つまり、玉計数機23が計数動作を行ってるか否かを判断する(ステップB1)。ここで「NO」と判断した場合には後述するステップB6へ移行するが、「YES」と判断した場合には、中断スイッチ20及び精算スイッチ21の操作を無効化するステップB2を実行した後に、持玉表示更新ルーチンB3及び持玉表示ランプ点灯ルーチンB4を順次実行する。
【0066】
上記持玉表示更新ルーチンB3では、玉計数機23からの計数パルスにより示されるパチンコ玉数を記憶部26a中における持玉数記憶エリアに加算すると共に、その加算後の持玉数を持玉数表示部15に更新表示する。また、上記持玉表示ランプ点灯ルーチンB4では、持玉表示ランプ10群の点灯状態を、上記持玉数記憶エリア中の最新の持玉数に基づいて制御することにより、その記憶持玉数のおおよその値を視覚的に表示する。
【0067】
上記持玉表示ランプ点灯ルーチンB4の実行後には、タイマ時間が例えば1〜2秒程度に設定された計数終了補償タイマのタイマ動作を初期状態から開始させるステップB5を実行した後にステップB6へ移行する。尚、上記計数終了補償タイマは、そのタイマ動作期間中にステップB5が実行されたときにおいても初期状態からタイマ動作を開始するリトリガタイプのものである。
【0068】
ステップB6では、パチンコ遊技機3からの特賞信号Sf(当該パチンコ遊技機3で特賞モードが発生している期間中連続して立ち上がった状態を呈する信号)の入力が開始されたか否かを判断する。ここで「NO」と判断した場合には後述するステップB13へ移行するが、「YES」と判断した場合には、玉計数機23に設定されている計数モードが1回交換モード(玉計数機23により計数したパチンコ玉の全部を貯玉へ移行させるモード)であるか否かを判断する(ステップB7)。
【0069】
上記ステップB7で「NO」と判断した場合には、ステップB13へ移行するが、「YES」と判断した場合には、差玉数(打込パチンコ玉数と賞球としての放出パチンコ玉数の差)の演算動作が行われているか否かを判断する(ステップB8)。ここで「NO」と判断した場合には、差玉数演算開始のためのステップB9を実行した後にステップB10へ移行し、「YES」と判断した場合には、上記ステップB9をジャンプしてステップB10へ移行する。
【0070】
上記ステップB9では、パチンコ遊技機3からのアウト玉数信号Saにより示される打込パチンコ玉数から、同じくパチンコ遊技機3からのセーフ玉数信号Sbにより示される賞球としての放出パチンコ玉数を減算するという差玉数算出動作を開始させるものであり、このような差玉数算出動作は、計数処理プログラムの処理動作と並行して行われる。
【0071】
上記ステップB10では、対応するパチンコ遊技機3が特賞モードにあることを示す特賞フラグを「1」にセットするものであり、この後には、タイマ時間が例えば30秒程度に設定された保留玉補償タイマのタイマ動作が行われているか否かを判断する(ステップB11)。ここで「NO」と判断した場合にはそのままステップB13へ移行するが、「YES」と判断した場合には当該保留玉補償タイマを動作停止(リセット)させるステップB12を実行した後にステップB13へ移行する。尚、上記保留玉補償タイマは、パチンコ遊技機3において特賞動作用の始動入賞孔に入賞したパチンコ玉による特賞発生機能を補償するためのものである。
【0072】
ステップB13では、パチンコ遊技機3からの特賞信号Sfの入力が停止されたか否かを判断する。ここで「NO」と判断した場合には後述するステップB17へ移行するが、「YES」と判断した場合には、玉計数機23に設定されている計数モードが1回交換モードであるか否かを判断する(ステップB14)。
【0073】
上記ステップB14で「NO」と判断した場合には、ステップB17へ移行するが、「YES」と判断した場合には、パチンコ遊技機3からの確変信号Sk(当該パチンコ遊技機3が確率変動モードにある期間だけ連続して立ち上がった状態を呈する信号)が入力中か否かを判断する(ステップB15)。ここで「YES」と判断した場合にはそのままステップB17へ移行するが、「NO」と判断した場合には、前記保留玉補償タイマのタイマ動作を初期状態から開始させるステップB16を実行した後にステップB17へ移行する。
【0074】
ステップB17では、前記保留玉補償タイマがタイムアップしたか否かを判断するものであり、ここで「NO」と判断した場合にはそのまま図7に示すステップB19へ移行するが、「YES」と判断した場合には、前記ステップB9で開始された差玉数演算を停止させるためのステップB18を実行した後にステップB19へ移行する。
【0075】
図7に示すステップB19では、前記保留玉補償タイマがタイムアップしたか否かを判断する。ここで「NO」と判断した場合にはそのまま図6に示すステップB1へ戻るが、「YES」と判断した場合には、パチンコ遊技機3からの確変信号Skが入力中か否かを判断する(ステップB20)。ここで「YES」と判断した場合にはステップB1へ戻るが、「NO」と判断した場合には、前記計数終了補償タイマ(ステップB5の実行毎に初期状態からタイマ動作を行うタイマ)がタイムアップしたか否かを判断する(ステップB21)。
【0076】
上記ステップB21で「NO」と判断した場合にはステップB1へ戻るが、「YES」と判断した場合には、パチンコ遊技機3からの特賞信号Sfの入力の有無を判断する(ステップB23)。このステップB23で「YES」と判断した場合にはステップB21へ戻るが、「NO」と判断した場合には、前記特賞フラグが「1」にセットされているか否かを判断する(ステップB23)。
【0077】
特賞フラグがリセットされていた場合には、中断スイッチ20及び精算スイッチ21の操作を有効化するステップB24を実行した後にステップB1へ戻る。これに対して、特賞フラグがセットされていた場合には、タイマ動作時間が1〜2分程度に設定された検出用タイマのタイマ動作を開始させ(ステップB25)、この後に、記憶部26aに記憶された機種毎設定テーブル(図4参照)から、対応するパチンコ遊技機3の機種に対応した機種毎設定値を読み込む(ステップB26)。
【0078】
尚、上記検出用タイマに設定された時間が請求項3の発明でいう上限時間に相当するものである。また、ステップB22で「NO」と判断された後に実行されるステップB23で「YES」と判断される状態(特賞信号が入力停止され、特賞フラグがセットされた状態)は、パチンコ遊技機3での特賞モードが終了した状態に対応するものである。
【0079】
また、上記検出用タイマは、パチンコ遊技機3が特賞モードにある期間において、所謂パンク(特賞モードが通常の終了時期より早く終了してしまうこと)や賞球用のパチンコ玉の詰まりなどが発生することに起因して、実際に放出されたパチンコ玉の量が標準的な放出量(これは上記機種毎設定値により示される)より少なくなった状態を検出するためのものであり、玉計数機23において上記標準的な放出量に対応した数のパチンコ玉を計数するのに要する時間より若干長い時間に設定されている。
【0080】
上記ステップB26の実行後には、玉計数機23による計数値が前記ステップB26で読み込んだ機種毎設定値以上になったか否かを判断する(ステップB27)。「計数値<機種毎設定値」の状態にある場合には、検出用タイマがタイムアップしたか否かを判断し(ステップB28a)、ここで「NO」と判断した場合には、パチンコ遊技機3からのアウト玉数信号Saの入力の有無を判断する(ステップB28b)。
【0081】
上記ステップB28bで「NO」と判断した場合には、そのままステップB1へ戻るが、当該ステップB28bで「YES」と判断した場合、並びに前記ステップB28aで「YES」と判断した場合には、例えば貯玉数表示部14に対しエラー表示を行うと共に、パチンコホール従業員に対してエラー警報(請求項3及び4の発明でいう警報信号に相当)を出力するというエラー出力ステップB29を実行した後にステップB1へ戻る。尚、上記エラー警報は、管理装置29やこれに付随して設けられている運用端末を通じて行ったり、或いはパチンコホール従業員がインカムなどを利用して行うことができる。
【0082】
前記ステップB27で「YES」と判断した場合(「計数値≧機種毎設定値」の状態になった場合)には、前述した差玉数算出動作により得られる差玉数演算値を読み込み(ステップB30)、玉計数機23による計数値が当該差玉数演算値以上になったか否かを判断する(ステップB31)。
【0083】
上記ステップB31で「NO」と判断した場合には、前記ステップB28aへ移行するが、「YES」と判断した場合には、管理装置29へデータ移行信号Sfを出力する(ステップB32)。この場合、上記データ移行信号Sfは、図14(f)に示すように、当該信号を特定するための信号コードと、挿入されたカードから読み取ったカード番号と、対応する玉計数機23毎に予め設定された固有の計数機番号と、玉計数機23による計数値を示すデータとを組み合わせたフォーマットとなっている。
【0084】
尚、上記ステップB31で「YES」と判断される状態は、計数値≧機種毎設定値の大小関係にあり、且つ上記計数値がパチンコ遊技機3での特賞発生から終了までの差玉数より大きい状態に相当するものであり、このような状態をパチンコ遊技機3での特賞により放出されたパチンコ玉の計数が終了したものとの判断することになる。
【0085】
上記ステップB32の実行後には、記憶部26a中に記憶されている持玉数を貯玉数に移行させるデータ移行処理ルーチンB33、中断スイッチ20及び精算スイッチ21の操作を有効化するステップB34、特賞フラグをリセットするステップB35を順次実行した後にステップB1へ戻る。
【0086】
リプレー処理プログラムを示す図8において、制御部26は、テンキースイッチ16を通じて所定桁数の暗証番号が入力されるまで、若しくは返却スイッチ17がオン操作されるまで待機する(ステップC1、C2)。
【0087】
上記待機状態から、暗証番号が入力されたときには、管理装置29へ暗証確認信号Sbを出力し(ステップC3)、この後に管理装置29から持玉・貯玉データ及び拒絶信号の何れかがアンサバックされるまで待機する(ステップC4、C5)。尚、上記暗証確認信号Sbは、図14(b)に示すように、当該信号を特定するための信号コードと、挿入されたカードから読み取ったカード番号と、入力された暗証番号とを組み合わせたフォーマットとなっている。
【0088】
このとき、上記暗証確認信号Sbを受信した管理装置29にあっては、後述の説明により明らかとなるように、当該暗証確認信号Sb中の暗証番号(入力された暗証番号)が挿入されている会員カード1に予め設定されている暗証番号と一致するときに、当該会員カード1と対応付けた状態で記憶している持玉・貯玉データををアンサバックし、上記暗証確認信号Sb中の暗証番号が挿入会員カード1に予め設定されている暗証番号と一致しないときに拒絶信号を出力する構成となっている。
【0089】
拒絶信号がアンサバックされたときには、例えば貯玉数表示部14に対しエラー表示を行うというエラー出力ステップC6を実行した後にステップC2へ移行するが、持玉・貯玉データがアンサバックされたときには、その持玉・貯玉データにより示される持玉数及び貯玉数を持玉数表示部15及び貯玉数表示部14にそれぞれ表示するステップC7a及びC7bを順次実行した後にステップC2へ移行する。尚、上記エラー出力ステップC6では、暗証番号の再入力を促すメッセージを表示するようにしても良い。
【0090】
前記ステップC2で「YES」と判断した場合(返却スイッチ17がオン操作された場合)には、記憶部26aに記憶されている持玉数データが「1」以上あるか否かを判断する(ステップC8)。
【0091】
上記ステップC8で「YES」と判断した場合には、持玉返却処理ルーチンC9を実行する。このルーチンC9では、記憶部26aに記憶されている持玉数(これは持玉数表示部15に表示されている)が所定の基準値Nm(返却スイッチ17の1回の操作により放出するパチンコ玉の基準量である例えば「100」)以上あるか否かを判断し、基準値Nm以上ある場合には、放出機構24を通じてNm個のパチンコ玉を放出(返却)する。また、記憶部26aに記憶されている持玉数が基準値Nm未満であった場合には、放出機構24を通じて上記持玉数に相当した数のパチンコ玉を放出する。
【0092】
持玉返却処理ルーチンC9の実行後には、持玉表示更新ルーチンC10を実行する。このルーチンC10では、記憶部26aに記憶されている持玉数を上記放出パチンコ玉(基準値Nmに対応)に相当した数だけ減算すると共に、持玉数表示部15の表示内容を減算後の持玉数に応じたものに更新する。
【0093】
持玉表示更新ルーチンC10の実行後には、管理装置29へ持玉データ信号Shを出力するステップC11、持玉表示ランプ10を消灯するステップC12を順次実行した後にステップC1へ戻る。尚、上記持玉データ信号Shは、図14(h)に示すように、当該信号を特定するための信号コードと、挿入されたカードから読み取ったカード番号と、その時点で記憶部26aに記憶されている持玉数を示すデータとを組み合わせたフォーマットとなっている。
【0094】
一方、前記ステップC8で「NO」と判断した場合(記憶部26a中の持玉数データが「0」の場合)には、記憶部26aに記憶されている貯玉数(これは貯玉数表示部14に表示されている)が予め設定された規定値Nc(例えば「150」)以上あるか否かを判断する(ステップC13)。このステップC13で「NO」と判断した場合にはステップC1へ戻るが、「YES」と判断した場合には貯玉返却処理ルーチンC14を実行する。
【0095】
この貯玉返却処理ルーチンC14では、前記規定値Nc(=150)に対して所定の割引率を乗算した数(例えば割引率が2/3であった場合には100個)のパチンコ玉を放出機構24を通じて放出(返却)する動作を行う。尚、前記ステップC13で「NO」と判断されたときには、貯玉返却処理ルーチンC14が実行されることがないから、記憶部26aに記憶されている持玉数が規定値Nc未満であった場合には、放出機構24を通じたパチンコ玉の放出動作が行われることはない。
【0096】
上記のような貯玉返却処理ルーチンC14の実行後には、貯玉表示更新ルーチンC15を実行する。このルーチンC15では、記憶部26aに記憶されている貯玉数を上記規定値Ncに相当した数だけ減算すると共に、貯玉数表示部14の表示内容を減算後の貯玉数に応じたものに更新する。
【0097】
上記貯玉表示更新ルーチンC15の実行後には、管理装置29へ貯玉データ信号Sgを出力するステップC16を実行した後にステップC1へ戻る。尚、上記貯玉データ信号Sgは、図14(g)に示すように、当該信号を特定するための信号コードと、挿入されたカードから読み取ったカード番号と、その時点で記憶部26aに記憶されている貯玉数を示すデータとを組み合わせたフォーマットとなっている。
【0098】
玉貸処理プログラムを示す図9において、制御部26は、検銭機構25からの判断信号に基づいて硬貨投入口12に硬貨が投入されるまで待機する(ステップD1)。硬貨が投入されたと判断したときには、その投入硬貨の価額に相当した量のパチンコ玉を放出機構24を通じて放出するステップD2、管理装置29へ売上信号Siを出力するステップD3を順次実行した後にステップD1へ戻る。尚、上記売上信号Siは、図14(i)に示すように、当該信号を特定するための信号コードと、対応する玉計数機23毎に予め設定された固有の計数機番号と、売上金額(投入された硬貨の価額)を示すデータとを組み合わせたフォーマットとなっている。
【0099】
しかして、以上のような制御部26による制御内容の要点をまとめると次のようになる。
(1)パチンコ遊技機3に付随したカード挿入口22に対して、カードが挿入されたときには、そのカードに記録されたIDコード及びカード番号などを含むカード挿入信号Sa(図14(a)参照)を管理装置29へ出力する。
【0100】
(2)上記のようなカード挿入信号Saの出力に応じて、管理装置29側から拒絶信号がアンサバックされたときには挿入カードを排出する。また、カード挿入口22に対し適正な会員カード1が挿入されるのに応じて、管理装置29側から確認信号がアンサバックされたときには、下皿7の落下口に設けられたシャッタを開放状態に切り替えて玉計数機23によるパチンコ玉計数動作を許容すると共に、テンキースイッチ16、返却スイッチ17、中断スイッチ20及び精算スイッチ21の操作を有効化する。
【0101】
(3)上述のようにテンキースイッチ16の操作が有効化された状態で、当該テンキースイッチ16により4桁の暗証番号が入力されたときには、挿入状態にある会員カード1のカード番号及び入力暗証番号を含む暗証確認信号Sb(図14(b)参照)を管理装置29へ出力する。
【0102】
(4)上記のような暗証確認信号Sbの出力に応じて、管理装置29側から拒絶信号がアンサバックされたときには、貯玉数表示部14を利用してエラー表示を行う。また、管理装置29側から持玉・貯玉データがアンサバックされたときには、その持玉・貯玉データにより示される持玉数及び貯玉数を持玉数表示部15及び貯玉数表示部14にそれぞれ表示する。
【0103】
(5)玉計数機23による計数動作が行われたときには、その玉計数機23による計数値を記憶部26a中の持玉数記憶エリアに加算し、その加算後の持玉数を持玉数表示部15により表示すると共に、上記のように記憶された持玉数のおおよその値を持玉表示ランプ10群を通じて視覚的に表示する。また、玉計数機23による計数動作が行われている期間中は、中断スイッチ20及び精算スイッチ21の操作を無効化する。
【0104】
(6)前述のように返却スイッチ17の操作が有効化された状態で、当該返却スイッチ17がオン操作された場合には、放出機構18を通じてパチンコ玉の返却(放出)動作を行う。
【0105】
この場合、記憶部26aに記憶されている持玉数が「1」以上ある場合には、当該持玉数に基づいたパチンコ玉の返却動作を行うと共に、記憶部26a中の持玉数をパチンコ玉の返却数に応じた数だけ減少させるものであり、さらに、このように減少された後の持玉数を示すデータを含む持玉データ信号Shを管理装置29へ出力する。尚、上記のような記憶持玉数に基づいたパチンコ玉の返却動作時においては、基準値Nmに対応した例えば100個(持玉数が100個未満の場合には当該データに応じた個数)ずつのパチンコ玉を返却する。
【0106】
つまり、記憶部26中の持玉数に基づいたパチンコ玉返却動作時には、その返却数が当該持玉数と同じ数となるように制御するという等価返却処理が実行されることになる。
【0107】
上記のような等価返却処理に応じて記憶部26a中の持玉数が零になった場合、並びに当該持玉数が当初から零であった場合には、記憶部26aに記憶されている貯玉数に基づいたパチンコ玉の返却動作を行うようになる。
【0108】
この場合の返却動作は、記憶部26aに記憶されている貯玉数が、予め設定された規定値Ncに対応した例えば150個以上あるときのみ行われるもので、当該規定値Nc(=150)に対し所定の割引率(=2/3)を乗算した100個ずつのパチンコ玉を返却すると共に、記憶部26a中の貯玉数を規定値Ncに応じた数(=150)だけ減少させる。そして、このように減少された後の貯玉数を示すデータを含む貯玉データ信号Sgを管理装置29へ出力する。
【0109】
つまり、記憶部26中の貯玉数に基づいたパチンコ玉返却動作時には、実際に返却されるパチンコ玉数が、貯玉数に対して所定の割引率(=2/3)を乗じた数となるように制御するという割引返却処理が実行されることになる。
【0110】
(7)硬貨投入口12へ硬貨が投入されたときには、投入された硬貨の価額に相当した量のパチンコ玉を放出機構18を通じて放出すると共に、玉計数機23毎に固有の計数機番号及び売上金額(投入された硬貨の価額)を示すデータを含む売上信号Siを管理装置29へ出力する。
【0111】
(8)前述のように中断スイッチ20の操作が有効化された状態で、当該中断スイッチ20がオン操作された場合には、挿入状態にある会員カード1のカード番号及び玉計数機23毎に固有の計数機番号を含む中断信号Sc(図14(c)参照)を管理装置29へ出力すると共に、貯玉数表示部14に中断表示を行う。さらに、タイマ時間が10分程度に設定された中断タイマのタイマ動作を開始させると共に、会員カード1を排出し、下皿7の落下口に設けられたシャッタを閉鎖した状態に切り替え、テンキースイッチ16、返却スイッチ17、中断スイッチ20及び精算スイッチ21の操作を全部無効化する。
【0112】
(9)上記のような中断表示状態が10分以上継続されて中断タイマがタイムアップしたときには、対応するパチンコ遊技機3での遊技中断状態が不要に長くなった旨の警報(持玉表示ランプ10の点滅による警報、或いは店内放送や携帯端末などを利用した警報)を発生する。尚、上記中断表示状態は、会員カード1の挿入に応じて管理装置29側から確認信号がアンサバックされた場合には解除されるものであり、この解除時には、上記中断タイマがリセットされることになる。
【0113】
(10)上記のように警報を発生した状態で、送信機11からのキャンセル信号を受信した場合(つまり、パチンコホール従業員が、警報の発生源となった玉貸機9のリモコン受信部11aに向けて、送信機11からキャンセル信号を送信する操作を行った場合)には、挿入状態にある会員カード1のカード番号、玉計数機23毎に固有の計数機番号及びその時点で記憶部26aに記憶されている持玉数を示すデータを含む精算信号Sd(図14(d)参照)を管理装置29へ出力する。また、貯玉数表示部14及び持玉数表示部15による表示状態並びに持玉表示ランプ10の点灯状態を初期化する。
【0114】
(11)前述のように精算スイッチ21の操作が有効化された状態で、当該精算スイッチ21がオン操作された場合にも、上記のような精算信号Sdを管理装置29へ出力すると共に、貯玉数表示部14及び持玉数表示部15による表示状態並びに持玉表示ランプ10の点灯状態を初期化する。さらに、会員カード1を排出すると共に、下皿7に設けられた落下口を閉鎖した状態に切り替え、テンキースイッチ16、返却スイッチ17、中断スイッチ20及び精算スイッチ21の操作を全部無効化する。
【0115】
(12)返却スイッチ17、中断スイッチ20及び精算スイッチ21の操作が有効化された状態で、送信機11からのキャンセル信号を受信した場合(つまり、カード挿入口22に適正な会員カード1が挿入されている状態で、パチンコホール従業員が、当該カード挿入口22を備えた玉貸機9のリモコン受信部11aに向けて、送信機11からキャンセル信号を送信する操作を行った場合)には、挿入会員カード1のカード番号及び玉計数機23毎に固有の計数機番号を含む復帰確認信号Seを管理装置29へ出力する。
【0116】
(13)上記のような復帰確認信号Seの出力に応じて、管理装置29側から拒絶信号がアンサバックされたときには、貯玉数表示部14に対しエラー表示を行う。また、管理装置29側から持玉・貯玉データがアンサバックされたときには、その持玉・貯玉データにより示される持玉数及び貯玉数を持玉数表示部15及び貯玉数表示部14にそれぞれ表示する。
【0117】
(14)カード挿入口22に会員カード1が挿入されていない状態で、管理装置29からの中断解除信号を受信した場合にも、前述したような精算信号Sdを管理装置29へ出力すると共に、貯玉数表示部14及び持玉数表示部15による表示状態並びに持玉表示ランプ10の点灯状態を初期化する。
【0118】
(15)パチンコ遊技機3において特賞モードが発生したときには、パチンコ遊技機3での特賞モードの発生から終了までの期間における差玉数を算出するための差玉数演算動作を開始する。尚、このような差玉数演算動作は、上記特賞モードの終了後において保留玉補償タイマに設定されたタイマ時間が経過するまで続行される。
【0119】
(16)パチンコ遊技機3にて発生した特賞モードが終了した場合において、当該パチンコ遊技機3が確率変動モードを呈していなかったときには、玉計数機23の計数値と、当該パチンコ遊技機3の機種に応じて予め決められた機種毎設定値との大小関係が「計数値≧機種毎設定値」の状態にあり、且つ上記計数値と前述したような差玉数演算動作により算出した差玉数演算数との大小関係が「計数値≧差玉数演算値」の状態にある場合に、挿入会員カード1のカード番号及び玉計数機23毎に固有の計数機番号並びに上記計数値を含むデータ移行信号Sfを管理装置29へ出力すると共に、記憶部26a中に記憶されている持玉数を貯玉数に移行させるというデータ移行動作を実行する。
【0120】
尚、上記データ移行信号Sfを受信した管理装置29にあっては、後述するような自動精算動作を実行するようになる。また、上記のようなデータ移行信号Sfの出力動作並びにデータ移行動作は、特賞モードの終了後において保留玉補償タイマに設定されたタイマ時間が経過するまで(前記差玉数演算動作が終了するまで)見合わされる。
【0121】
(17)パチンコ遊技機3で発生した特賞モードが終了したときにおいて、当該パチンコ遊技機3が確率変動モードを呈している期間中は前記データ移行信号Sfの出力動作並びにデータ移行動作の実行を見合わせる。
【0122】
(18)パチンコ遊技機3で発生した特賞モードが終了した後に予め設定された上限時間(検出用タイマに設定されたタイマ時間)が経過した時点で、前記データ移行信号Sfの出力動作が未実行であった場合(前記自動精算動作が未実行であった場合に相当)には、パチンコホール従業員に向けたエラー警報を発生する。
【0123】
(19)パチンコ遊技機3で発生した特賞モードが終了した後に、前記データ移行信号Sfの出力動作が未実行の状態(自動精算動作が未実行の状態)で、当該パチンコ遊技機3からアウト玉数信号Saが出力された場合(パチンコ遊技機3が稼働された場合に相当)には、同様にエラー警報を発生する。
【0124】
さて、前記管理装置29は、CPU及びROM、RAMなどの周辺回路を含んで構成されており、前述した各パチンコ遊技機3毎の管理用データの演算及び打止制御機能の他に、玉貸機9によるパチンコ玉の貸出動作並びに玉計数機23による計数値の管理に関わる制御機能を、玉貸機9側の制御部26からの送信データに基づいて実現する構成となっている。
【0125】
図10及び図11には、管理装置29による制御内容の主要部分が示されており、以下においては、その制御内容について当該制御に応答して玉貸機9側で行われる動作内容と共に説明する。
【0126】
図10及び図11において、管理装置29は、玉貸機9側の制御部26から送信されてくる前記カード挿入信号Sa、暗証確認信号Sb、持玉データ信号Sh、貯玉データ信号Sg、売上信号Si、中断信号Sc、精算信号Sd、データ移行信号Sf、復帰確認信号Seがそれぞれ入力されたか否かを判断する各ステップS1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、S9を順次実行する待機ループを形成する。
【0127】
カード挿入信号Sa(図14(a)参照)を受信した場合(ステップS1で「YES」)、つまり、玉貸機9側においてカード挿入口22にカードが挿入された場合には、受信したカード挿入信号Sa中のIDコードに基づいて当該挿入カードが会員カード1であるか否かを判断する(ステップS10)。
【0128】
ここで「NO」と判断した場合には、カード挿入信号Saの送信元となった玉貸機9に対して拒絶信号をアンサバックするステップS11を実行した後にステップS2へ移行する。
【0129】
このように拒絶信号がアンサバックされた場合には、玉貸機9側では、図5に示すステップA8が実行されるようになり、以てカード挿入口22に対し挿入されているカードを排出する動作が行われる。
【0130】
これに対して、ステップS10で「YES」と判断した場合には、計数機ファイル(図12参照)にアクセスし(ステップS12)、受信したカード挿入信号Saに含まれる計数機番号に対応したレコード中の計数機状態が「中断」であるか否かを判断する(ステップS13)。
【0131】
上記ステップS13で「YES」と判断した場合には、受信したカード挿入信号Sa中のカード番号と、計数機ファイル中の該当カード番号とが一致するか否かを判断する(ステップS14)。ここで「NO」と判断した場合(遊技が一時的に中断された状態にあるパチンコ遊技機3に付随したカード挿入口22に対して、その遊技を中断させた遊技客以外の会員カード1が挿入された場合に相当)には、カード挿入信号Saの送信元となった玉貸機9に対して拒絶信号をアンサバックするステップS15を実行した後にステップS2へ移行する。従って、このように拒絶信号がアンサバックされた場合にも、玉貸機9側においては図5に示すステップA8が実行されるようになり、カード挿入口22に対し挿入されている会員カード1を排出する動作が行われる。
【0132】
これに対して、ステップS14で「YES」と判断した場合(遊技が一時的に中断された状態にあるパチンコ遊技機3に付随したカード挿入口22に対して、その遊技を中断させた遊技客の会員カード1が挿入された場合に相当)には、カード挿入信号Saの送信元となった玉貸機9に対して確認信号をアンサバックするステップS16、計数機ファイルにおける該当レコード中の計数機状態を「挿入」に更新するステップS17を順次実行した後にステップS2へ移行する。
【0133】
このように確認信号がアンサバックされた場合には、玉貸機9側では、図5に示すステップA9以降の制御が行われることになり、以て下皿7に設けられた落下口が開放されると共に、テンキースイッチ16、返却スイッチ17、中断スイッチ20及び精算スイッチ21の操作が有効化されるようになる。
【0134】
一方、前記ステップS13で「NO」と判断した場合には、カード挿入信号Saの送信元となった玉貸機9に対して確認信号をアンサバックするステップS18を実行した後に、カードファイル(図13参照)にアクセスし(ステップS19)、受信したカード挿入信号Saに含まれるカード番号に対応したレコードがあるか否かを判断する(ステップS20)。従って、このように確認信号がアンサバックされた場合においても、玉貸機9側において、図5に示すステップA9以降の制御が行われることになる。
【0135】
上記ステップS20で「NO」と判断した場合には、カードファイル中に受信したカード挿入信号Saに対応した新規レコードを作成するステップS21を実行した後にステップS2へ移行する。これに対して、ステップS20で「YES」と判断した場合には、カードファイル中において、受信したカード挿入信号Saに含まれるカード番号に対応したレコード中のカード状態が「中断」であるか否かを判断する(ステップS22)。
【0136】
上記ステップS22で「YES」と判断した場合(カード挿入信号Saの発生原因となった会員カード1が、他のパチンコ遊技機3での遊技を一時的に中断させたものであった場合に相当)には、前記カードファイルにおける該当レコード中の計数機番号に対応した玉貸機9(上記会員カード1を所持した遊技客が、中断スイッチ20の操作に応じて遊技を一時的に中断させた状態にあるパチンコ遊技機3に対応したもの)に対して中断解除信号を出力するステップS23を実行した後にステップS24へ移行し、「NO」と判断した場合には上記ステップS23をジャンプしてステップS24へ移行する。
【0137】
このように出力される中断解除信号を受信した玉貸機9側では、図5に示すステップA31が実行されるようになり、以て貯玉数表示部14及び持玉数表示部15による表示状態並びに持玉表示ランプ10の点灯状態が初期化される。
【0138】
上記ステップS24では、上述のようにアクセスしたカードファイルレコード中のカード状態を「挿入」に更新すると共に、当該レコード中の計数機番号を受信したカード挿入信号Saに含まれる計数機番号に更新するものであり、このような更新処理が済んだ後にステップS2へ移行する。
【0139】
暗証確認信号Sb(図14(b)参照)を受信した場合(ステップS2で「YES」)、つまり、玉貸機9側においてカード挿入口22に適正な会員カード1が挿入された状態でテンキースイッチ16を通じて暗証番号が入力された場合には、カードファイルにアクセスし(ステップS25)、受信した暗証確認信号Sbに含まれるカード番号に対応したレコード中の暗証番号が、当該暗証確認信号Sb中の暗証番号と一致するか否かを判断する(ステップS26)。
【0140】
上記ステップS26で「NO」と判断した場合には、暗証確認信号Sbの出力元となった玉貸機9に対して拒絶信号をアンサバックするステップS27を実行した後にステップS3へ移行する。このように拒絶信号がアンサバックされた場合には、玉貸機9側では、図8に示すステップC6が実行されるようになり、以て貯玉数表示部14に対しエラー表示する動作が行われる。
【0141】
これに対して、ステップS26で「YES」と判断した場合には、暗証確認信号Sbの送信元となった玉貸機9に対して貯玉データをアンサバックするステップS28を実行した後にステップS3へ移行する。上記ステップS28では、カードファイル中から上記暗証確認信号Sbに含まれるカード番号に対応した持玉データ及び貯玉データを読み出して持玉・貯玉データとしてアンサバックするものである。
【0142】
このように持玉・貯玉データがアンサバックされた場合には、玉貸機9側では、図8に示すステップC7a、C7bが実行されるようになり、以て当該持玉・貯玉データにより示される持玉数及び貯玉数が持玉数表示部15及び貯玉数表示部14にそれぞれ表示される。
【0143】
持玉データ信号Sh(図14(h)参照)を受信した場合(ステップS3で「YES」)には、カードファイルにアクセスするステップS29、持玉データ更新ステップS30を順次実行した後にステップS4へ移行する。上記持玉データ更新ステップS30では、カードファイルのうち、受信した持玉データ信号Shに含まれるカード番号に対応したレコード中の持玉データを、当該持玉データ信号Sh中の持玉数に更新する動作を行う。
【0144】
貯玉データ信号Sg(図14(g)参照)を受信した場合(ステップS4で 「YES」)には、カードファイルにアクセスするステップS31、貯玉データ更新ステップS32を順次実行した後にステップS5へ移行する。上記貯玉データ更新ステップS32では、カードファイルのうち、受信した貯玉データ信号Sgに含まれるカード番号に対応したレコード中の貯玉データを、当該貯玉データ信号Sg中の貯玉数に更新する動作を行う。
【0145】
売上信号Si(図14(i)参照)を受信した場合(ステップS5で「YES」)には、計数機ファイル(図12参照)にアクセスするステップS33、売上データ更新ステップS34を順次実行した後に、図11に示すステップS6へ移行する。上記売上データ更新ステップS34では、計数機ファイルのうち、受信した売上信号Siに含まれる計数機番号に対応した売上データを、当該売上信号Si中の売上金額に更新する動作を行う。
【0146】
中断信号Sc(図14(c)参照)を受信した場合(ステップS6で「YES」)には、計数機ファイルにアクセスするステップS35、計数機ファイル更新ステップS36、カードファイルにアクセスするステップS37、カードファイル更新ステップS38を順次実行した後にステップS7へ移行する。
【0147】
上記計数機ファイル更新ステップS36では、計数機ファイル中のうち、受信した中断信号Scに含まれる計数機番号に対応したレコード中の計数機状態のデータを、「遊技中断状態」に更新する動作を行う。また、上記カードファイル更新ステップS38では、カードファイルのうち、受信した中断信号Scに含まれるカード番号に対応したレコード中のカード状態のデータを、「遊技中断状態」に更新する動作を行う。
【0148】
精算信号Sd(図14(d)参照)を受信した場合(ステップS7で「YES」)には、計数機ファイルにアクセスするステップS39、計数機ファイル更新ステップS40、カードファイルにアクセスするステップS41、カードファイル更新ステップS42を順次実行した後にステップS8へ移行する。
【0149】
上記計数機ファイル更新ステップS40では、計数機ファイルのうち、受信した精算信号Sdに含まれる計数機番号に対応したレコード中のカード番号を、当該精算信号Sd中のカード番号に更新する動作を行う。また、上記カードファイル更新ステップS42では、カードファイルのうち、受信した精算信号Sdに含まれるカード番号に対応したレコード中の計数機番号を、当該精算信号Sd中の計数機番号に更新する動作を行うと共に、当該レコード中の貯玉データ及び精算玉データに対し、上記精算信号Sd中の持玉数及び上記レコード中の持玉データをそれぞれ加算する動作(但し、精算玉データの初期値は常時において零である)、並びに上記レコード中の持玉データを初期化する動作を行う。
【0150】
つまり、精算信号Sdを受信したときには、当該精算信号Sd中の持玉数を割引返却処理に供される貯玉データとして記憶すると同時に、該当レコード中の持玉データが貯玉データとして記憶し直すという精算動作が行われるものであり、さらに、上記精算信号Sd中の持玉数(つまり、貯玉データへの加算分)と上記レコード中の持玉データの合計がカードファイル中に精算玉データとして一時的に記憶されるものである。
【0151】
データ移行信号Sf(図14(f)参照)を受信した場合(ステップS8で「YES」)には、計数機ファイルにアクセスするステップS43、計数機ファイル更新ステップS44、カードファイルにアクセスするステップS45、カードファイル更新ステップS46を順次実行した後にステップS9へ移行する。
【0152】
上記計数機ファイル更新ステップS44では、計数機ファイルのうち、受信したデータ移行信号Sfに含まれる計数機番号に対応したレコード中のカード番号を、当該データ移行信号Sf中のカード番号に更新する動作を行う。また、上記カードファイル更新ステップS46では、カードファイルのうち、受信したデータ移行信号Sfに含まれるカード番号に対応したレコード中の計数機番号を、当該データ移行信号Sf中の計数機番号に更新する動作を行うと共に、当該レコード中の貯玉データに対し、上記データ移行信号Sf中の計数値を加算する動作を行う。
【0153】
つまり、データ移行信号Sf中の計数値は、カードファイル中に持玉データとして記憶されるのではなく貯玉データとして記憶されるものである。従って、データ移行信号Sfを受信するのに応じて、本発明でいう自動精算動作が実行されることになる。
【0154】
復帰確認信号Se(図14(e)参照)を受信した場合(ステップS9で「YES」)には、カードファイルにアクセスし(ステップS47)、受信した復帰確認信号Seに含まれるカード番号に対応したレコード中の計数機番号が、当該復帰確認信号Se中の計数機番号と一致するか否かを判断する(ステップS48)。
【0155】
上記ステップS48で「NO」と判断した場合には、復帰確認信号Seの送信元となった玉貸機9に対して拒絶信号をアンサバックするステップS52を実行した後に、図10に示すステップS1へ戻る。このように拒絶信号がアンサバックされた場合には、玉貸機9側では、図5に示すステップA28が実行されるようになり、以て貯玉数表示部14に対しエラー表示する動作が行われる。
【0156】
これに対して、ステップS48で「YES」と判断した場合には、カードファイルのうち、受信した復帰確認信号Seに含まれるカード番号に対応したレコード中に精算玉データが「1」以上あるか否かを判断する(ステップS49)。ここで「NO」と判断した場合には、前記ステップS52を実行した後にステップS1へ戻るが、「YES」と判断した場合には、計数機ファイルにアクセスし(ステップS50)、受信した復帰確認信号Seに含まれる計数機番号に対応したレコード中のカード番号が、当該復帰確認信号Se中のカード番号と一致するか否かを判断する(ステップS51)。
【0157】
上記ステップS51で「NO」と判断した場合には、ステップS52を実行した後にステップS1へ戻るが、「YES」と判断した場合には、カードファイルのうち、受信した復帰確認信号Seに含まれるカード番号に対応したレコード中の貯玉データを精算玉データ相当値だけ減算し(ステップS53)、当該レコード中の精算玉データを持玉データへ移行させる(ステップS54)。そして、上記のような精算玉データに基づいた持玉データ及び減算後の貯玉データを、持玉・貯玉データとして上記復帰確認信号Seの送信元となった玉貸機へアンサバックする(ステップS55)。
【0158】
つまり、復帰確認信号Seを受信したとき(玉貸機9側において、精算スイッチ21が操作された後にカード挿入口22に対し、当該精算スイッチ21の操作前に挿入されていた会員カード1が再挿入された状態で送信機11からキャンセル信号が与えられたとき)には、カードファイル中に一旦貯玉データとして強制的に記憶したデータ(精算玉データとして記憶されたデータ)を、持玉データとして記憶し直すという取消動作を行うものである。
【0159】
上記のように持玉・貯玉データがアンサバックされた場合には、玉貸機9側では、図5に示すステップA29、A30が実行されるようになり、以て当該持玉・貯玉データにより示される持玉数及び貯玉数が持玉数表示部15及び貯玉数表示部14にそれぞれ表示される。
【0160】
上記ステップS55の実行後には、計数機ファイルにアクセスするステップS56、計数機ファイル更新ステップS57を順次実行した後にステップS1へ戻る。上記計数機ファイル更新ステップS57では、計数機ファイルのうち、受信した復帰確認信号Seに含まれる計数機番号に対応したレコード中の持玉データに対し、前記ステップS55でアンサバックした持玉・貯玉データにより示される持玉数を加算する動作を行う。
【0161】
しかして、上記のように構成された本実施例によれば、以下に述べるような作用・効果を奏することができる。
即ち、遊技客は、玉貸機9の硬貨投入口12に硬貨を投入して新たなパチンコ玉の貸出を受けることにより、パチンコ遊技機3での遊技を行うことができる。また、会員カード1を利用すれば、管理装置29側に当該会員カード1と対応付けて記憶されている持玉データ及び貯玉データに基づいたパチンコ玉の返却を、玉貸機9を通じて受けることができるから、そのパチンコ玉を使用して遊技を行うこともできる。
【0162】
会員カード1を利用して遊技を行う場合には、その会員カード1を玉貸機9に設けられたカード挿入口22へ挿入するのに応じて、管理装置29側から当該玉貸機9へ、上記挿入会員カード1に対応した持玉・貯玉データが送信されて玉貸機9内の記憶部26aに記憶されると共に、持玉数表示部15及び貯玉数表示部14に表示されるものであり、その記憶データがパチンコ玉の返却動作に供されることになる。但し、持玉データに基づいたパチンコ玉の返却動作時には、当該持玉データが返却パチンコ玉数だけ減少されるという等価返却処理が行われるが、貯玉データに基づいたパチンコ玉の返却動作時には、当該貯玉データが所定の割増分だけ余分に減少されるという割引返却処理が行われることになる。
【0163】
カード挿入口22に対し適正な会員カード1を挿入しておけば、下皿7に設けられた落下口が開放された状態となるから、その下皿7内のパチンコ玉をパチンコ遊技機3に付随して設けられている玉計数機23により計数させることができ、その計数値は、前記記憶部26a中における持玉数記憶エリアに加算されると共に、その加算後の持玉数が持玉数表示部15に更新表示されるようになる。
【0164】
会員カード1を利用したパチンコ遊技機3での遊技を終了する場合には、対応する玉貸機9に設けられた精算スイッチ21を操作する。このような精算スイッチ21の操作時においては、記憶部26aに記憶されている持玉数が、管理装置29側に貯玉データとして記憶されると共に、管理装置側29に記憶されていた持玉データが貯玉データとして記憶し直されるという精算動作が行われようになる。つまり、遊技客が遊技対象のパチンコ遊技機3を変更するときには、遊技を終了したパチンコ遊技機3での遊技により獲得したパチンコ玉を含む持玉データが割引返却に供される貯玉データへ強制的に移行されることになる。
【0165】
但し、精算スイッチ21が操作された後、つまり上述のような精算動作が行われた後に、当該精算スイッチ21が設けられた玉貸機9のカード挿入口22に前記会員カード1が再セット(再挿入)された状態で送信機11からキャンセル信号が与えられたときには、管理装置29が、前述のように貯玉データへ強制的に移行されたデータを、等価返却に供される持玉データとして記憶し直すという取消動作を行うようになる。
【0166】
パチンコ遊技機3で発生した特賞モードが終了したときには、玉計数機23による計数値(特賞モード期間中に計数されたパチンコ玉数を示す)と、当該パチンコ遊技機3の機種毎に予め設定された機種毎設定値との大小関係が「計数値≧機種毎設定値」の状態にあり、且つ、上記計数値と、差玉数演算動作により算出した差玉数演算数(パチンコ遊技機3での特賞モードの発生から終了までの期間における差玉数)との大小関係が「計数値≧差玉数演算値」の状態にある場合に、玉計数機23による計数が終了したものと判断して、上記計数値を含むデータ移行信号Sfが管理装置29へ出力されるようになる。このデータ移行信号Sfを受信した管理装置29にあっては、当該データ移行信号Sf中の計数値を貯玉データとして記憶するという自動精算動作を実行する。
【0167】
従って、遊技客がパチンコ遊技機3を特賞モードにすることにより獲得したパチンコ玉については、上記のような自動精算動作が行われるのに応じて割引返却処理に供される貯玉データとして記憶されることになる。このため、従来構成のように、パチンコ遊技機3において特賞モードが終了する毎に当該パチンコ遊技機3までパチンコホール従業員が出向く必要がなくなるものであり、その負担を軽減できるようになる。また、遊技客は、従来構成のように、特賞モードが終了する毎に、パチンコホール従業員の到着を待つ必要がなくなるため、遊技客側の利便性が阻害される虞もなくなる。
【0168】
しかも、玉計数機23による計数が終了したか否かの判断条件、つまり自動精算動作の実行条件には、特賞モードの発生から終了までの期間の差玉数を示すデータの他に、パチンコ遊技機3の機種毎に予め設定された機種毎設定値も加味されるから、特賞モードが途中で終了してしまうという所謂パンクが発生した場合には、玉計数機23による計数値と上記機種毎設定値とが所定の大小関係(計数値≧機種毎設定値)を呈することがなくなるものであり、結果的に前述のような自動精算動作が実行されることはない。従って、パチンコ遊技機3で特賞モードが発生したにも拘らず、パンクの発生により十分な数のパチンコ玉を得られなかった遊技客に対して、そのまま当該パチンコ遊技機3での継続遊技を許容するといった補填的サービスを行うことができるものであり、この面からも遊技客側の利便性を向上させ得るようになる。
【0169】
さらに、パチンコ遊技機3で発生した特賞モードが終了した後に予め設定された上限時間が経過した時点で、自動精算動作が未実行であった場合には、パチンコホール従業員に向けたエラー警報を発生する構成となっているから、自動精算動作が何らかの事情で実行されなかった場合に、これに迅速に対処できるようになる。
【0170】
しかも、パチンコ遊技機3で発生した特賞モードの終了後における自動精算動作の未実行期間に、当該パチンコ遊技機3が稼働された場合には、同様にエラー警報を発生する構成、つまり、特賞モードが終了した後に前記上限時間が経過する前にパチンコ遊技機3が稼働状態となったときにはこれを遊技客がパチンコ玉を玉計数機23で計数させずに継続遊技を行ったものと見なしてエラー警報を発生する構成となっているから、そのエラー警報に基づいて玉計数機23での計数を指示するなどの処置を行うことにより、自動精算動作を行うことの意義が低下する事態を未然に防止できるようになる。
【0171】
また、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数するための玉計数機23、並びにパチンコ玉を放出するための玉貸機9は、何れもパチンコ遊技機3と対応して設けられているものであるから、遊技客は、獲得パチンコ玉の計数時や、その計数データに対応したパチンコ玉の返却を受ける場合にパチンコ遊技機3から離れる必要がなくなる。この結果、パチンコ玉の計数及びその返却を受ける作業が遊技客にとって煩雑になる虞がなくなるから、遊技客側の利便性を向上できるようになり、これに伴うパチンコホールの集客力の向上も期待できるようになる。
【0172】
尚、上記実施例では、パチンコ遊技機3での特賞モードの発生から終了までの期間における差玉数を算出するために、当該特賞モードの発生時点で動作開始されると共に終了時点で動作停止される差玉数演算動作を行う構成としたが、常時において差玉数の演算動作を行うように設定した上で、特賞モードの発生時点における演算値と終了時点における演算値の差に基づいて、特賞モードの発生から終了までの期間における差玉数を算出する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すパチンコ遊技機及び玉貸機部分の正面図
【図2】玉貸機及び関連部分の電気的構成を示す機能ブロック図
【図3】会員カードの正面図
【図4】玉貸機側に記憶される機種毎設定値テーブルの内容を示す図
【図5】玉貸機が有する制御部の制御内容を示すフローチャートその1
【図6】同制御部の制御内容を示すフローチャートその2
【図7】同制御部の制御内容を示すフローチャートその3
【図8】同制御部の制御内容を示すフローチャートその4
【図9】同制御部の制御内容を示すフローチャートその5
【図10】管理装置の制御内容を示すフローチャートその1
【図11】管理装置の制御内容を示すフローチャートその2
【図12】管理装置側に記憶される計数機ファイルのフォーマット例を示す図
【図13】管理装置側に記憶されるカードファイルのフォーマット例を示す図
【図14】玉貸機が有する制御部から管理装置へ出力される信号のフォーマット例を示す図
【符号の説明】
1は会員カード(記憶担体)、3はパチンコ遊技機、9は玉貸機(貸出手段)、11は送信機、14は貯玉数表示部、15は持玉数表示部、17は返却スイッチ、20は中断スイッチ、21は精算スイッチ、22はカード挿入口、23は玉計数機(計数手段)、26は制御部(制御手段、差玉数算出手段)、26aは記憶部、27はカードリーダ、29は管理装置(記憶手段)を示す。
Claims (1)
- 遊技に応じて遊技媒体を放出し、遊技中に所定の大当たり条件が成立したときに常時より多数の遊技媒体を放出する大当たりモードを呈すると共に、遊技中に所定の当たり確率変動条件が成立したときに前記大当たりモードが成立する可能性を高めた確率変動モードを所定期間だけ呈する遊技機が設置された遊技場に設けられる管理システムにおいて、
遊技客に対して発行される記憶担体と、
前記遊技機と1対1で対応した位置に当該遊技機から放出された遊技媒体を計数するように設けられた計数手段と、
この計数手段による計数値を前記記憶担体と対応付けて記憶するように設けられ、当該計数値を等価返却に供される第1のデータ及び割引返却に供される第2のデータの何れかに区分して記憶可能な記憶手段を有する管理装置と、
前記遊技機での遊技を終了するときに操作される精算スイッチ、従業員の携帯する送信機からのキャンセル信号を受信する受信部、及び制御部を備え、前記遊技機と1対1で対応した位置に設けられて、前記記憶手段に記憶されている第1のデータ及び第2のデータに基づいて遊技媒体を放出可能な状態を呈する玉貸機と、
を備え、
前記制御部は、
前記精算スイッチが操作されたとき、前記管理装置へ精算信号を出力し、
前記送信機からのキャンセル信号を受信したとき、前記管理装置へ復帰確認信号を出力し、
前記遊技媒体の放出動作を前記記憶手段に記憶された第1のデータに基づいて行ったとき、当該第1のデータを放出された遊技媒体数だけ減少させる等価返却処理を行い、
前記放出動作を前記記憶手段に記憶された第2のデータに基づいて行ったとき、当該第2のデータを放出された遊技媒体数より所定の割増分だけ余分に減少させる割引返却処理を行い、
前記遊技機での大当たりモードの発生から終了までの期間における差玉数を算出するための差玉数演算動作を行うと共に、当該遊技機で発生した大当たりモードが終了するのに応じて、前記計数手段による計数値と当該遊技機の機種毎に予め設定された機種毎設定値及び前記差玉数演算動作により算出される差玉数とを比較する動作を行い、上記計数値と機種毎設定値とが所定の大小関係を示し、且つその計数値と差玉数とが所定の大小関係を示していたときに、計数手段による計数が終了したものと判断して、前記管理装置へデータ移行信号を出力するように構成され、
前記管理装置は、
前記計数手段による計数値を第1のデータとして前記記憶手段に記憶させ、前記精算信号を受信したときは、前記記憶手段に記憶されている第1のデータを第2のデータとして記憶し直す精算動作を行い、
当該精算動作が行われた後に前記復帰確認信号を受信したときは、一旦第2のデータとして記憶したデータを第1のデータとして記憶し直す取消動作を行い、
前記データ移行信号を受信したときは、前記記憶手段に記憶されている第1のデータを第2のデータに移行して記憶させる自動精算動作を実行するよう構成されており、
さらに前記制御部は、前記遊技機で発生した大当たりモードが終了したときにおいて、当該遊技機が確率変動モードを呈している期間中は前記データ移行信号の出力を見合わせ、当該遊技機が確率変動モードを呈していない場合は前記データ移行信号を出力することを特徴とする遊技場用管理システム。
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