以下に添付図面を参照して、本発明に係る遊技システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明をパチンコ遊技を提供する遊技システムに適用する場合について説明することとする。
まず、本実施例に係る各台計数システムのシステム構成について説明する。図1は、実施例1に係る各台計数システムのシステム構成図である。同図に示すように、この各台計数システム1には、持ち玉管理装置10と、残度数管理装置15と、島コントローラ20と、計数機能付きCRユニット30(以下、単にCRユニットと言う)と、パチンコ機40と、景品管理装置50と、景品払出機60とが設けられている。
島コントローラ20は、周囲を通路に囲まれたスペース(遊技島)に設けられた一群のCRユニット30及びパチンコ機40を束ねる中継装置である。
CRユニット30は、遊技店内の各パチンコ機40に併設されるカード処理ユニットであり、本実施例では、パチンコ機40の下皿から投入されるパチンコ玉を計数する計数機能をさらに有する。具体的には、自装置が接続されたパチンコ機40で遊技者が獲得したパチンコ玉の玉数を計数したうえでその計数値と該計数値の払戻し数もしくはこれらの差分値である持ち玉数の少なくとも一方(本実施例では、両方とする)を持ち玉データとしてプリペイドカードに関連付け、持ち玉データが関連付けられたプリペイドカードを発行する。なお、CRユニット30は、従来と同様、プリペイドカードに価値付けられたプリペイド残度数を用いた玉貸しも行う。従って、1枚のプリペイドカードには、持ち玉とプリペイド残度数の2つの遊技価値情報が関連付けられる。
パチンコ機40は、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技者がパチンコ遊技を行う装置であり、本実施例では、プリペイドカード対応のいわゆるCRパチンコ機であるものとしている。
景品管理装置50は、遊技店内の景品交換カウンタに配設された景品交換用の端末装置であり、後述する交換玉数管理テーブル56aを用いて持ち玉と景品との交換を管理する。この交換玉数管理テーブル56aは、景品ごとにその景品との交換に要する交換玉数を対応付けて記憶している。そして、景品交換カウンタ内の従業員が、CRユニット30により発行されたプリペイドカードを遊技客から受け取ると、このプリペイドカードのカードリーダへの読取操作を通じて持ち玉データを取得するとともに、遊技客により指定された景品に対応する交換ボタンを押下し、当該景品に相当する交換玉数を持ち玉数から減算する交換制御を実行させ、その後に従業員による手作業で遊技客に受け渡す。また、遊技客が特殊景品への交換を希望する場合には、従業員はこの景品管理装置50に設けられた特殊景品交換ボタンを押下し、交換玉数管理テーブル56aを参照して持ち玉数に応じた特殊景品の払い出しを景品払出機60に指示する。
持ち玉管理装置10は、図示しない持ち玉管理テーブルを用いて、プリペイドカードに関連付けられた持ち玉を管理する管理装置である。この残度数管理テーブルは、プリペイドカードの識別情報(以下、プリペイドカードIDと言う)、持ち玉数を対応付けて記憶している。例えば、CRユニット30から持ち玉の加算依頼を受け付けた場合には、当該更新依頼に含まれるプリペイドカードIDに対応する持ち玉数に計数値などの加算依頼玉数を加算更新し、また、CRユニット30又は景品管理装置50から持ち玉の減算依頼(持ち玉返却依頼)を受け付けた場合には、当該更新依頼に含まれるプリペイドカードIDに対応する持ち玉数から持ち玉返却の単位玉数もしくは交換対価等の減算依頼玉数を減算更新する。
残度数管理装置15は、図示しない残度数管理テーブルを用いて、プリペイドカードに関連付けられた残度数を管理する管理装置である。この残度数管理テーブルは、プリペイドカードID、プリペイド残度数を対応付けて記憶している。例えば、CRユニット40からプリペイド残度数の加算依頼(価値付け依頼)を受け付けた場合には、当該更新依頼に含まれるプリペイドカードIDに対応する残度数に挿入紙幣金額などの価値付け依頼金額を加算更新し、また、プリペイド残度数の減算依頼を受け付けた場合には、当該更新依頼に含まれるプリペイドカードIDに対応する残度数から玉貸しの貸出単位金額等の減算依頼金額を減算更新する。
ここで、各台計数システム1は、CRユニット30に当該CRユニット30に対応するパチンコ機40の台番号を示す台番号データ及び持ち玉データをプリペイドカードに関連付けさせ、景品管理装置50にプリペイドカードに関連付けられた台番号データ及び持ち玉データを取得させ、取得した台番号データ及び持ち玉データを係員向けの表示部及び遊技者向けの表示部に表示させる点にその特徴がある。
すなわち、従来の島端計数機では、計数を行う際にその玉がどの遊技台の出玉であるのかをシステム側で把握できなかったため、計数時に台番号を入力したり、玉箱にタグを付けるなどの措置を取って獲得玉の由来を特定しようとしていた。
しかしながら、このような措置を取ったとしても、遊技客が遊技していた台を偽証したり、遊技している台とは別の遊技台の玉箱に獲得玉を貯留させるなどの不正行為が行われると獲得玉の由来が容易に偽られてしまう。
このため、計数ゴトを通じて持ち玉が関連付けられたプリペイドカードや盗難のプリペイドカードが景品カウンタに持ち込まれた場合に、これらの不正行為を看破するすべがなく、景品交換が行われる問題がある。
そこで、本実施例では、各台計数機であるCRユニット30を予め台番号と紐付けておき、プリペイドカードに持ち玉を関連付けるに際して台番号を関連付け、該プリペイドカードに関連付けられた台番号を景品管理装置50で表示させることとした。
例えば、図2に示すように、係員向けの表示部には、プリペイドカードに関連付けられた台番号、計数玉数、払戻し玉数及び持ち玉数を交換画面に表示させる。このような表示により、たとえば図示しないホールコンピュータで収集管理される230番台の出玉を閲覧して計数玉数「29743個」又は持ち玉「25243個」が過度に多くないか、計数玉数「29743個」、払戻し数「4500個」及び持ち玉数「25243個」の3者の整合性が取れているか、さらには、230番台の遊技台でプリペイドカードの盗難にあって困っている遊技客がいないかどうかを監視することができる。なお、本実施例では、持ち玉データとして計数値、払戻し数および持ち玉数をプリペイドカードに関連付ける例を説明したが、計数値と払戻し数もしくは持ち玉数のいずれか一方のみを関連付けることとしてもよい。
また、図3に示すように、遊技者向けの表示部においてもプリペイドカードに関連付けられた台番号、計数玉数、払戻し玉数及び持ち玉数を景品交換に先立って表示させる。このような表示により、遊技客が230番台で29743個を計数してその内4500個を払戻し、結果として25243個の持ち玉を獲得したという遊技内容を微細にわたって把握させるとともに、係員により上記の監視が行われていることを遊技客に意識付けすることができる。
このように、本実施例では、持ち玉の由来となる台番号を正確にプリペイドカードに関連付け、景品交換時にその台番号を遊技店の係員及び遊技客に表示させるので、店側は計数ゴトやカード盗難を監視でき、かつ、これらの不正行為が店側に監視されていることを客側に認識させることができる。この結果、カード盗難や計数ゴトを抑止することが可能となる。
続いて、本実施例に係る各台計数システムを構成する各装置の構成を説明する。なお、ここでは、CRユニット30の構成を説明してから景品管理装置50の構成を説明する。
前述したように、ここでは、本実施例に係るCRユニットの外観構成及び内部構成について説明する。図4は、実施例1に係るCRユニットの外観を示した正面図である。なお、この図4には、CRユニット30が併設されたパチンコ機40を破線で示している。
図4に示すように、CRユニット30は、係員の呼び出し時などに点灯する状態表示部301と、玉貸しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部302と、持ち玉の返却(払戻し)要求を受け付ける持玉返却ボタン303と、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能なタッチパネル304と、持ち玉を払い出すノズルを備えた持ち玉払出部305と、プリペイドカード等のカード類の受付/返却を行うカード挿入部306と、持ち玉(獲得玉)を計数する計数部35と、持ち玉(獲得玉)を貯留する玉貯留部307とを有する。
また、パチンコ機40には、パチンコ遊技に使用するパチンコ玉を貯留する上皿410と、上皿410の許容容量を超えて溢れたパチンコ玉を貯留する下皿420とが設けられており、この上皿410には、プリペイドカードの残度数等を表示する7SEG表示部411と、玉貸し要求を受け付ける玉貸しボタン412と、プリペイドカードの返却要求を受け付ける返却ボタン413とがさらに設けられている。なお、本実施例では、玉貸しボタン412及び返却ボタン413をパチンコ機40に設けることとしたが、必ずしもパチンコ機40側に設ける必要はなく、CRユニット30に設けることとしてもよい。
パチンコ玉を借り受ける際には、遊技客がパチンコ機40側の玉貸しボタン412を押下操作すると、玉貸し操作信号がCRユニット30に転送されてCRユニット30側で玉貸し操作が受け付けられる。このとき、プリペイド残度数が存在する場合には、CRユニット30からパチンコ機40に玉投出指示が行われて貸し玉が上皿410に投出されることになる。
また、持ち玉が計数される際には、パチンコ機40の下皿420から獲得玉を玉貯留部307に投入すると、その投入玉が計数部35に誘導されて獲得玉の数量が計数される。そして、遊技者が持玉返却ボタン303を押下すると、後述する記憶部37によって持ち玉(獲得玉)として記憶管理されている玉数の範囲内であれば、持ち玉が持ち玉払出部305経由でパチンコ機40の上皿410に投出される。
図5は、実施例1に係るCRユニットの内部構成を示す機能ブロック図である。なお、実際のCRユニット30では、図示した機能部以外の機能部(例えば、ビルバリユニットなど)を有するが、図5では、実施例1に係るCRユニット30の特徴を説明するために必要な構成要素のみを抜粋している。
図3に示すように、このCRユニット30は、操作部31と、表示部32と、通信I/F部33aと、遊技機用通信I/F部33bと、カード処理部34と、計数部35と、持ち玉払出し部36と、記憶部37と、制御部38とを有する。
操作部31は、図4に示した持玉返却ボタン303やタッチパネル304などの各種ボタン群の総称であり、表示部32は、図4に示した状態表示部301やタッチパネル304などの総称である。
通信I/F部33aは、持ち玉管理装置10、残度数管理装置15及び島コントローラ20などの他の装置の間で各種通信を行うためのインターフェースである。
遊技機用通信I/F部33bは、当該CRユニット30に併設されるパチンコ機40との間で各種通信(例えば、玉貸し要求や玉投出指示など)を行うためのインターフェースである。
カード処理部34は、カード挿入部306から挿入された各種カードを取り扱う処理部である。具体的には、プリペイドカードや会員カードなどの各種カードに記録された情報を読み込んだり、また、これらのカードに情報を書き込んだりする。
計数部35は、ペアとなるパチンコ機40の下皿420から投入された獲得玉を計数する処理部であり、図示しない持ち玉を計数する計数センサを内在する。具体的には、この計数センサが玉貯留部307から導入した獲得玉の通過経路の近傍に設けられており、この通過経路に赤外線等の発光及びその反射光の受光を併せて行うことで獲得玉の通過を検知し、これらの通過数を後述する持ち玉更新部38aにカウントアップさせる。
持ち玉払出し部36は、持ち玉の投出制御を行う処理部である。具体的には、後述する持ち玉更新部38aから払出し数を含む玉払出し指示が行われると、当該払出し数分のパチンコ玉を持ち玉払出部305を介してパチンコ機40の上皿410に投出する。
記憶部37は、制御部38による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、例えば、計数部35による計数値、その払戻し数及び持ち玉数を示す持ち玉データ37aと、ペアとなるパチンコ機40の台番号を示す台番号データ37bとを併せて記憶する。
制御部38は、CRユニット30を全体制御する制御部であり、持ち玉更新部38aと、残度数更新部38bと、玉貸し処理部38cと、関連付け部38dとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、持ち玉更新部38a、残度数更新部38b、玉貸し処理部38c及び関連付け部38dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
持ち玉更新部38aは、記憶部37に記憶された持ち玉データ37aの更新を行う処理部である。具体的には、計数部35からの計数センサ出力が得られた場合に、そのセンサ出力をカウントアップし、記憶部37に持ち玉データ37aとして記憶された計数値にカウントアップした値を加算する更新を行う。また、持玉返却ボタン303の押下操作を受け付けた場合に、記憶部37に持ち玉データ37aとして記憶された払戻し数に今処理の払出し玉数を加算する更新を行うとともに、当該払出し玉数分のパチンコ玉を払い出すように持ち玉払出し部36に指示する。なお、これらの計数値もしくは払戻し数のいずれかの更新を行う際には、計数値から払い戻し数を減算して持ち玉数を算出し、該算出した持ち玉数を記憶部37内の持ち玉データ37aに上書きする更新を併せて行う。
残度数更新部38bは、プリペイドカードの残度数の加算または減算を残度数管理装置15に依頼する処理部である。具体的には、玉貸しボタン412の押下操作(玉貸し操作)を受け付けた場合に、たとえば5度数などの貸出単位度数の減算依頼を残度数管理装置15に行う。なお、紙幣の価値付け依頼(加算依頼)は、既存のものと同様に特に制限なく、紙幣挿入部302への紙幣の挿入に応答して行われる。
玉貸し処理部38cは、残度数更新部38bによってプリペイド残度数が減算された場合に、パチンコ機40に玉投出指示を行う処理部である。具体的には、遊技機用通信I/F部33bとパチンコ機40内の通信I/F部(図示せず)との両者の間でCRユニット30による1度の玉投出指示で所定数(例えば、1玉4円で玉貸しを行う場合は25個=1度数(100円))のパチンコ玉をパチンコ機40が投出するという規定が設定されており、挿入中のプリペイドカードの残度数から貸出単位度数が減算されると、当該度数に相当する回数の玉投出指示をパチンコ機40に行い、パチンコ機40に貸出単位度数分のパチンコ玉(この例では、5度数分の125個)を投出させる。
関連付け部38dは、当該CRユニット30に対応するパチンコ機40の台番号を示す台番号データ及び持ち玉データをプリペイドカードに関連付ける処理部である。詳細は図7を用いて後述するが、概要としては、プリペイドカードの返却操作を受け付けた際に、少なくとも記憶部37によって持ち玉データ37aとして記憶された持ち玉がゼロ以上であるならば、記憶部37内に記憶された持ち玉データ37a及び台番号データ37bを発行対象とするプリペイドカードのIDに対応付けて登録するように持ち玉管理装置10に依頼する。
ここで、かかる関連付け依頼を受け付けた持ち玉管理装置10では、関連付け依頼に含まれるプリペイドカードIDに対応付けて持ち玉データ及び台番号データを持ち玉管理テーブルに登録するに際して上書き更新を行う。
すなわち、遊技客の台移動等により持ち玉管理テーブルに持ち玉データ及び台番号データが既に登録されていたとしても、今処理で受け付けた持ち玉データ及び台番号データを既登録データに上書きすることで、景品管理装置50が配設される景品カウンタにおいて常に最新の持ち玉データ及び台番号を表示させるとともに、持ち玉管理装置に記憶させるデータを少データ化することができるようにしている。
なお、本実施例では、プリペイド残度数については、CRユニット30および残度数管理装置15の間で常に同期を取りつつ最新の残度数を両者によって管理する一方で、持ち玉データについては、プリペイドカードの返却が行われるまではCRユニット30内で持ち玉データをローカルに管理し、プリペイドカードの返却時に持ち玉データをプリペイドカードIDに対応付けて持ち玉管理装置10に通知することとしている。
このため、本実施例では、カード返却に合わせて持ち玉データ及び台番号データを関連付けることとしたが、必ずしも台番号データの関連付けをカード返却時に行う必要はなく、プリペイド残度数もしくは持ち玉数が発生してカード返却が必要となってからカードが返却されるまでの任意のタイミングで台番号データの関連付けを行うことができる。また、持ち玉データの関連付けについてもカード返却時に限定して行う必要はなく、持ち玉データを更新するタイミングや所定の周期(例えば、1分間隔)等に合わせて随時行うこともできる。
次に、本実施例に係る景品管理装置の構成について説明する。図6は、実施例1に係る景品管理装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、景品管理装置50は、従業員用タッチパネル51と、遊技客用タッチパネル52と、通信I/F部53と、印字部55と、記憶部56と、制御部57とを有する。
従業員用タッチパネル51は、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能な従業員用デバイスであり、例えば、プリペイドカードの受付時には、プリペイドカードの読込枚数、総獲得玉数、残数等の交換制御に関係する項目を含んだ交換画面の表示に併せて、プリペイドカードに関連付けられている台番号、計数値、払戻し数及び持ち玉数をポップアップ画面として表示する(図2参照)。
遊技客用タッチパネル52は、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能な遊技客用デバイスであり、従業員用タッチパネル51と同様の表示を行うことを基本とするが、両者の表示内容は必ずしも内容が同一である必要はなく、例えば、図3に示す表示画面のように、交換業務を行う従業員に表示する画面(図2参照)よりも簡易な情報を表示させるようにしてもよい。
通信I/F部53は、当該景品管理装置50と他の装置(例えば、持ち玉管理装置10、残度数管理装置15及び景品払出機60などの他の装置)との間で各種通信を行うためのインターフェースである。
カード処理部54は、挿入された各種カードを取り扱う処理部である。具体的には、プリペイドカードや会員カードなどの各種カードに記録された情報を読み込んだり、また、これらのカードに情報を書き込んだりする。
印字部55は、印刷データをレシートに印字処理する印字装置であり、例えば、景品管理装置50にて交換制御が行われた内容(例えば、交換日時、従業員名、総獲得玉数、交換景品及び交換玉数などの項目)を印字して景品交換レシートとして発行したり、また、遊技店の営業終了後には、景品の入出庫管理(例えば、景品出庫による粗益管理)に係る情報を締上げ票として発行したりする。
記憶部56は、制御部57による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、交換レシート等に印字するフォーマット及びその印字内容等の情報の他、景品との交換に要する交換玉数を管理する交換玉数管理テーブル56aとを記憶する。
制御部57は、景品管理装置50を全体制御する制御部であり、関連付けデータ取得部57aと、表示制御部57bと、交換制御部57cとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、関連付けデータ取得部57a、表示制御部57b及び交換制御部57cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
関連付けデータ取得部57aは、プリペイドカードに関連付けられた関連付けデータを取得する処理部である。具体的には、カード処理部54によってプリペイドカードから読み取られたプリペイドカードIDに対応する持ち玉データ及び台番号データを持ち玉管理装置10に問い合わせることによって取得する。
表示制御部57bは、従業員用タッチパネル51及び遊技客用タッチパネル52の表示制御を行う処理部である。例えば、従業員用タッチパネル51には、プリペイドカードの読込枚数、総獲得玉数、残数等の交換制御に関係する項目を含んだ交換画面の表示に併せて、関連付けデータ取得部57aによって持ち玉データ及び台番号データとして取得された台番号、計数値、払戻し数及び持ち玉数をポップアップ画面として表示させる一方で(図2参照)、遊技客用タッチパネル52には、交換業務を行う従業員に表示する画面よりも簡易な情報を表示させる(図3参照)。
交換制御部57cは、交換玉数管理テーブル56aを用いて持ち玉(獲得玉)と景品の交換制御を行う処理部である。具体的には、関連付けデータ取得部57aによって取得された持ち玉数を総獲得玉数とし、その総獲得玉の残数が最小交換可能玉数(本例では、景品に交換することができる最小の玉数を指す)未満になるまでは、遊技店の従業員から遊技客指定の景品に対応する交換ボタンの押下操作を受け付け、当該景品に相当する交換玉数を持ち玉数から減算する交換制御を行い、持ち玉数が最小交換可能玉数未満になった場合には、交換日時、従業員名、総獲得玉数、交換景品及び交換玉数などの項目が印字された景品交換レシートを発行するように印字部55に指示する。
次に、本実施例に係る各台計数システムの処理の流れについて詳細に説明する。なお、ここでは、CRユニット30によって行われる(1)関連付け処理を説明した後に、景品管理装置50によって行われる(2)景品交換処理を説明する。
(1)関連付け処理
前述したように、ここでは、本実施例に係る関連付け処理について説明する。図7は、実施例1に係る関連付け処理の手順を示すフローチャートである。同図に示すように、返却ボタン413の押下操作を受け付けると(ステップS101肯定)、関連付け部38dは、記憶部37に記憶された持ち玉データ37aを読み出す(ステップS102)。
ここで、記憶部37から読み出した持ち玉データ37aに持ち玉が存在する場合(ステップS103肯定)には、関連付け部38dは、記憶部37に記憶された台番号データ37bをさらに読み出し(ステップS104)、これら読み出した持ち玉データ及び台番号データを発行対象とするプリペイドカードのIDに対応付けて登録するように持ち玉管理装置10に依頼し(ステップS105)、持ち玉管理装置10からの関連付け完了応答(登録完了応答)を受け付けたならば挿入中のプリペイドカードをカード処理部34に返却させ(ステップS106)、処理を終了する。
一方、記憶部37から読み出した持ち玉データ37aに持ち玉が存在しない場合(ステップS103否定)には、関連付け部38dは、残度数更新部38bによって保持される残度数もしくは残度数管理装置15の残度数管理テーブルに記憶される残度数を取得し(ステップS107)、プリペイドカードに残度数が存在するか否かを判定する(ステップS108)。
このとき、プリペイドカードに残度数が存在すれば(ステップS108肯定)、挿入中のプリペイドカードをカード処理部34に返却させ(ステップS106)、処理を終了する。また、プリペイドカードにも残度数が存在しなければ(ステップS108否定)、カードを排出する必要がないのでそのまま処理を終了する。
(2)景品交換処理
続いて、本実施例に係る景品交換処理について説明する。図8は、実施例1に係る景品交換処理の手順を示すフローチャートである。同図に示すように、プリペイドカードの読取操作を受け付けると(ステップS201肯定)、関連付けデータ取得部57a及び表示制御部57bによって持ち玉データ及び台番号データの表示制御処理が行われる(ステップS202)。
ここで、以降の処理に先立って、図9を用いてステップS202における表示制御処理を具体的に説明する。図9は、実施例1に係る表示制御処理に関する持ち玉管理装置及び景品管理装置間の制御シーケンスを示す図である。
図9に示すように、プリペイドカードの読取操作が行われると、景品管理装置50のカード処理部54は、プリペイドカードからプリペイドカードIDを読み取る(ステップS301)。
続いて、景品管理装置50の関連付けデータ取得部57aは、カード処理部54によってプリペイドカードから読み取られたプリペイドカードIDに対応する持ち玉データ及び台番号データを持ち玉管理装置10に問い合わせる(ステップS302)。
この問合せを受け付けた持ち玉管理装置10では、問合せを受けたプリペイドカードIDに対応する持ち玉データ及び台番号データを持ち玉管理テーブルから読み出し(ステップS303)、該読み出した持ち玉データ及び台番号データを景品管理装置50に応答する(ステップS304)。
一方、景品管理装置50の表示制御部57bは、この問合せ応答として得られた台番号データ及び持ち玉データを従業員用タッチパネル51及び遊技客用タッチパネル52に表示させ(ステップS305)、処理を終了する。
このようにして、遊技客が景品カウンタに赴いた際に自身が遊技を行った遊技台の台番号や遊技内容が表示されることになる。
図8の説明に戻り、ステップS202終了後に、交換制御部57cは、関連付けデータ取得部57aによって取得された持ち玉が最小交換可能玉数以上であるか否かを判定する(ステップS203)。
このとき、持ち玉が最小交換可能玉数以上である場合(ステップS203肯定)には、交換制御部57cは、従業員用タッチパネル51又は遊技客用タッチパネル52に表示される交換ボタンの押下操作を通じて景品の指定を受け付ける(ステップS204)。なお、持ち玉が最小交換可能玉数を下回る場合(ステップS203否定)には、後述するステップS207に移行する。
続いて、指定を受け付けた景品に要する玉数以上の持ち玉が残っていれば(ステップS205肯定)、交換制御部57cは、当該景品に相当する交換玉数を持ち玉から減算する(ステップS206)。
その後、持ち玉が最小交換可能玉数を下回るまでは(ステップS203肯定)、交換制御部57cは、上記のステップS204〜ステップS206までの処理を繰り返し行う。
ここで、持ち玉が最小交換可能玉数を下回った場合に景品交換が行われていれば(ステップS203否定かつステップS207肯定)、交換制御部57cは、ステップS206で内部減算しておいた交換対価を挿入中のプリペイドカードの持ち玉数から減算するように持ち玉管理装置10に依頼し(ステップS208)、交換日時、従業員名、総獲得玉数、交換景品及び交換玉数などの項目が印字された景品交換レシートを印字部55に印字させ(ステップS209)、処理を終了する。
一方、持ち玉が最小交換可能玉数を下回った場合に景品交換が行われていなければ(ステップS203否定かつステップS207否定)、交換制御部57cは、景品交換レシートを発行する必要がないのでそのまま処理を終了する。
なお、景品交換レシート発行後もしくは景品交換なしのいずれのケースで処理が終了された場合であっても、プリペイドカードに持ち玉もしくは残度数のいずれかの価値高が残っていれば、係員によってプリペイドカードが遊技客に返却される。
上述してきたように、本実施例に係る各台計数システム1によれば、CRユニット30に対応するパチンコ機40の台番号を示す台番号データ及び持ち玉データをプリペイドカードに関連付けるようにCRユニット30を構成し、プリペイドカードに関連付けられた台番号データ及び持ち玉データを取得し、取得した台番号データ及び持ち玉データを従業員用タッチパネル51及び遊技客用タッチパネル52に表示させるように景品管理装置50を構成したので、店側は計数ゴトやカード盗難を監視でき、かつ、これらの不正行為が店側に監視されていることを客側に認識させることができ、カード盗難や計数ゴトを抑止することが可能となる。
ところで、本実施例では、遊技客の台移動等により持ち玉管理テーブルに持ち玉データ及び台番号データが既に登録されていたとしても、新たに受け付けた持ち玉データ及び台番号データを既登録データに上書き更新する例を説明したが、上書き更新を行わずに台番号ごとの持ち玉データを持ち玉管理装置10に登録するようにしてもよい。
すなわち、カード返却時における台番号ごとの計数値及び払戻し数を持ち玉管理装置10に登録させておけば、遊技客によって台移動が行われたとしても遊技内容の遷移を店側及び客側に知らしめることができ、店側は計数ゴトやカード盗難をより詳細に監視でき、かつ、これらの不正行為が店側に監視されていることを客側により強く認識させることが可能になる。
なお、本実施例では、持ち玉管理装置10や残度数管理装置15などの上位装置でプリペイドカードIDに対応付けて持ち玉又はプリペイド残度数を記憶することとしたが、プリペイドカード自体に持ち玉又はプリペイド残度数を直接記録してもよいし、また、上位装置で持ち玉又はプリペイド残度数を記憶管理しつつ、併せてプリペイドカード自体に記録するようにしてもよい。なお、プリペイドカードに直接記録する場合には、上位装置が不要となることは言うまでもない。
また、本実施例では、持ち玉管理装置10及び残度数管理装置15に持ち玉及び残度数を個別に管理させる例を説明したが、必ずしも個別管理する必要はなく、持ち玉管理装置10及び残度数管理装置15を統合し、持ち玉及び残度数の両方を管理する価値管理装置を設けるようにしてもかまわない。
なお、本実施例では、非会員(ビジター)の遊技客がプリペイドカードを用いる場合について説明したが、遊技店会員に加入した遊技客が会員カードや携帯端末等の会員特定媒体を用いて景品交換を行う場合にも同様に適用することができる。なお、この場合には、カード挿入時に暗証番号等による認証処理を行うように構成するのが好ましい。
さて、上記の実施例1では、景品管理装置50にて正確な台番号を表示することで不正行為に対する抑止効果を得る実施例を説明したが、他の情報を表示することで同様に抑止効果を得ることもできる。そこで、実施例2では、パチンコ機40で遊技を行っている際に遊技客を撮像した映像を景品管理装置100で表示することで、カード盗難や計数ゴトなどの不正行為を抑止する実施例を説明する。
まず、本実施例に係る各台計数システムのシステム構成について説明する。なお、以下では、上記の実施例1に係る各台計数システム1と対比しながら説明を進めることとし、同様の機能を発揮するものについては実施例1と同一の符号を付してその説明を省略する。
図10は、実施例2に係る各台計数システムのシステム構成図である。図10に示すように、実施例2に係る各台計数システム3は、図1に示した各台計数システム1と比較して、監視対象となるパチンコ機40を撮像・監視する追尾カメラ80と、各パチンコ機40に対応して配置され操作者を撮像・監視する各台カメラ81と、追尾カメラ80および各台カメラ81によって撮像された映像を蓄積する映像サーバ90とをさらに有する点が相違する。
追尾カメラ80は、遊技場内の所定領域を撮像可能な撮像装置であり、カメラのズーム倍率を変更する電動ズームレンズを具備し、カメラを水平面内で回転する回転角とカメラを鉛直面において傾斜させて水平面と成す角度で表されるチルト角を変更可能な電動雲台に搭載される。そして、この追尾カメラ80は、映像サーバ90からの指示により、パチンコ機40や景品管理装置100ごとに設定された回転角、チルト角、ズーム倍率で各パチンコ機40を撮像する。なお、本実施例では、各遊技島の間の通路の天井に追尾カメラ80が複数台設置され、遊技場全体のパチンコ機40が撮像可能であるものとする。
各台カメラ81は、1台のパチンコ機40につき1つ設置されるとともに、操作者を含む前方域を撮像する撮像装置である。この各台カメラ81は、映像サーバ90からの指示により、設置時に割り当てられた対象領域(パチンコ機40とCRユニット70のペア及びその操作者である遊技客を含む前方域)を撮像してその映像を映像サーバ90に送信する。なお、ここでは、各台カメラ81が他の店内機器とは独立して設置される例を説明したが、各CRユニット70やパチンコ機40の上部に設置される呼出しランプ(図示せず)にカメラを内蔵するようにしてもよい。
映像サーバ90は、追尾カメラ80及び各台カメラ81に対するパチンコ機40の撮像指示並びに追尾カメラ80及び各台カメラ81によって撮像された映像の蓄積を行うサーバ装置である。具体的には、撮像対象とするパチンコ機40を撮像範囲に収容する追尾カメラ80に対して、当該パチンコ機40に設定された回転角、チルト角、ズーム倍率への変更を指示することにより、パチンコ機40及びその周辺を撮像させ、該撮像された映像を蓄積する。なお、各台カメラ81は、追尾カメラ80のように複数領域の撮像が割り当てられていないことから撮像位置を固定することができるので、撮像指示だけを送るだけでよい。
ここで、本実施例は、パチンコ機40で遊技を行っている遊技客を追尾カメラ80及び各台カメラ81を用いて撮像し、該撮像した映像を映像連番に紐付けて映像サーバ90に蓄積しておく一方でプリペイドカードにはその映像連番を関連付け、景品管理装置100でプリペイドカードに関連付けられた映像連番を取得し、該取得した映像連番に対応する映像を映像サーバ90に問い合わせ、該問合せ結果として得られた映像を係員向け及び遊技者向けの表示部に表示させる点にその特徴がある。
例えば、図11に示すように、パチンコ機40で遊技を行っている際に遊技客を撮像した映像を係員向けの表示部に表示させることにより、遊技客が他店のパチンコ玉や偽造のパチンコ玉を持ち込んでいないかどうかを監視したり、さらには、遊技を行っている人物と景品交換を行う人物が同一人物であるか否かを監視することができるようにしている。また、図12に示すように、遊技者向けの表示部においても遊技時における映像を表示させることにより、係員によって上記の監視が行われていることを遊技客に意識付けすることができるようにしている。
したがって、本実施例では、店側は計数ゴトやカード盗難を監視でき、かつ、これらの不正行為が店側に監視されていることを客側に認識させることができる。この結果、実施例1と同様、カード盗難や計数ゴトを抑止することが可能となる。
特に、カード盗難が起こった場合には、本来のプリペイドカードの所有者の映像が表示されることになるので、カードの窃盗を行って景品交換を行う不正者を看破するとともにその不正者に窃盗行為を証明する物証を提示することができ、カード盗難を防止することも可能となる。
続いて、本実施例に係る各台計数システムを構成する各装置の構成を説明する。なお、ここでは、CRユニット70の構成を説明してから映像サーバ90の構成を説明し、景品管理装置100の構成を説明することとする。
前述したように、ここでは、本実施例に係るCRユニットの構成について説明する。図13は、実施例2に係るCRユニットの内部構成を示す機能ブロック図である。
同図に示すように、このCRユニット70は、図5に示したCRユニット30に比較して、映像サーバ90に蓄積される映像と紐付けられた映像連番を示す映像連番データ71aを記憶部71内に記憶する点、制御部72に映像連番取得部72aをさらに内在する点が相違する。
映像連番取得部72aは、映像サーバ90によって映像に紐付けられる映像連番を取得する処理部である。詳細は図16を用いて後述するが、概要としては、遊技客がCRユニット70に所定の操作を行った時に操作受付通知を映像サーバ90に行うことで、遊技客が遊技台に在席しかつ遊技を行っている蓋然性が高いタイミングで映像サーバ90に撮像制御を実行させ、このようにして撮像された映像を現在挿入中のプリペイドカードにリンクさせるために、当該映像に紐付けられた映像連番を映像サーバ90から取得し、記憶部71内に映像連番データ71aとして登録する。
関連付け部72bは、ペアとなるパチンコ機40の台番号に代えて、映像サーバ90によって蓄積される映像と紐付けられた映像連番をプリペイドカードに関連付ける点が図5に示した関連付け部38dと相違する。詳細は図17を用いて後述するが、概要としては、プリペイドカードの返却操作を受け付けた際に、少なくとも記憶部71によって持ち玉データ37aとして記憶された持ち玉がゼロ以上であるならば、記憶部71内に記憶された持ち玉データ37a及び映像連番データ71aを発行対象とするプリペイドカードのIDに対応付けて登録するように持ち玉管理装置10に依頼する。
次に、本実施例に係る映像サーバの構成について説明する。図14は、実施例2に係る映像サーバの構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この映像サーバ90は、CRユニット70、追尾カメラ80、各台カメラ81や景品管理装置100との間で各種通信を行うためのインターフェースである通信I/F部91と、記憶部92と、制御部93とを有する。
記憶部92は、制御部93による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、映像連番ごとに追尾カメラ80および各台カメラ81によって撮像された映像を記憶する映像DB92aを有する。
制御部93は、映像サーバ90を全体制御する制御部であり、映像取得部93aと、映像紐付け部93bと、映像問合せ応答部93cとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、映像取得部93a、映像紐付け部93b及び映像問合せ応答部93cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
映像取得部93aは、CRユニット70から操作受付が通知されたタイミングで追尾カメラ80又は各台カメラ81に撮像させた映像を取得する処理部である。具体的には、CRユニット70の映像連番取得部72aから操作受付通知を受け付けると、通知元のCRユニット70のペアとなるパチンコ機40を撮像範囲に収容する追尾カメラ80に対して、当該パチンコ機40に設定された回転角、チルト角、ズーム倍率への変更を指示することにより、パチンコ機40及びその周辺を撮像させてその映像を取得する。また、操作受付通知の通知元のCRユニット70及びそのペアのパチンコ機40を撮像範囲に収容する各台カメラ81に撮像指示を行ってその映像を取得する。なお、ここで取得する映像は、静止画であってもよいし動画であってもかまわない。
映像紐付け部93bは、映像取得部93aによって取得された映像を映像連番に紐付ける処理部である。具体的には、映像取得部93aによって取得された映像に映像連番を採番し、該採番した映像連番に対応付けて映像を映像DB92aに格納する。なお、本実施例では、付与される順番に番号がインクリメントされる連番を用いて映像を紐付けることとしたが、映像DB92aに記憶される映像を一意に特定することができるものであればよく、たとえば名前や時刻等を連番の代わりに用いることとしてもかまわない。
映像問合せ応答部93cは、映像問合せに応答して映像を返信する処理部である。具体的には、景品管理装置100から映像連番を含む映像問合せを受け付けた場合に、該映像連番に対応する映像を映像DB92aから読み出し、該読み出した映像を景品管理装置100に返信する。なお、ここでは、景品管理装置100からの映像問合せに対応する映像を応答する例を説明したが、持ち玉管理装置10や残度数管理装置15などの他の装置からの映像問合せに応答して映像を返信するようにしてもよい。
次に、本実施例に係る景品管理装置の構成について説明する。図15は、実施例2に係る景品管理装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この景品管理装置100は、図6に示した景品管理装置50に比較して、映像サーバ90に映像の問合せを行う映像問合せ部110bを制御部110に内在する点が相違し、さらに、制御部110に内在する関連付けデータ取得部110a及び表示制御部110cの処理内容が図6のものと部分的に相違する。
関連付けデータ取得部110aは、図6に示した関連付けデータ取得部57aと同様に、プリペイドカードに関連付けられた関連付けデータを取得する処理部であるが、関連付けデータ取得部57aが持ち玉データ及び台番号データを持ち玉管理装置10に問い合わせるのに対し、持ち玉データ及び映像連番データを持ち玉管理装置10に問い合わせる点が相違する。
映像問合せ部110bは、映像サーバ90に映像の問合せを行う処理部である。具体的には、関連付けデータ取得部110aによって映像連番データが取得された場合に、その映像連番データに対応する映像を映像サーバ90に問い合わせる。
表示制御部110cは、図6に示した表示制御部57bと同様に、従業員用タッチパネル51及び遊技客用タッチパネル52の表示制御を行う処理部であるが、図11及び図12に示すように、交換画面の表示に併せて、映像問合せ部110bの問合せ結果として得られた映像を両タッチパネルに表示させる点が相違する。
次に、本実施例に係る各台計数システムの処理の流れについて詳細に説明する。なお、ここでは、CRユニット70及び映像サーバ90によって行われる(1)映像紐付け処理を説明した後にCRユニット70によって行われる(2)関連付け処理を説明し、最後に、持ち玉管理装置10、映像サーバ90及び景品管理装置100によって行われる(3)表示制御処理を説明する。
(1)映像紐付け処理
前述したように、本実施例に係る映像紐付け処理について説明する。図16は、実施例2に係る映像紐付け処理に関するCRユニット及び映像サーバ間の制御シーケンスを示す図である。なお、この処理は、計数部35の計数センサにおける動作により遊技台の下皿420の解放操作を検知した場合やパチンコ機40における返却ボタン413の押下操作を検知した場合などCRユニット70に対する所定の操作を受け付けた場合に開始される。
同図に示すように、CRユニット70に対する所定の操作を受け付けると(ステップS401)、CRユニット70の映像連番取得部72aは、操作受付通知を映像サーバ90に行う(ステップS402)。
この操作受付通知を受け付けた映像サーバ90の映像取得部93aは、通知元のCRユニット70のペアとなるパチンコ機40を撮像範囲に収容する追尾カメラ80に対して、当該パチンコ機40に設定された回転角、チルト角、ズーム倍率への変更を指示することにより、パチンコ機40及びその周辺を撮像させてその映像を取得するか、或いは当該CRユニット70及びそのペアとなるパチンコ機40を撮像範囲に収容する各台カメラ81に撮像指示を行うことによりパチンコ機40及びその周辺を撮像させてその映像を取得する(ステップS403)。
そして、映像サーバ90の映像紐付け部93bは、映像取得部93aによって取得された映像に映像連番を採番し(ステップS404)、該採番した映像連番に対応付けて映像を映像DB92aに格納し(ステップS405)、当該映像連番を通知元のCRユニット70に応答する(ステップS406)。
一方、CRユニット70の映像連番取得部72aは、映像サーバ90から応答された映像連番を記憶部71内の映像連番データ71aに上書き更新し(ステップS407)、処理を終了する。
なお、ここでは、遊技台の下皿420の解放操作や返却ボタン413の押下操作が行われることを条件に操作受付通知を行う例を説明したが、本発明はこれらの操作に限定されるものではなく、現金の挿入操作、玉貸ボタン412の押下操作、持ち玉返却ボタン303の押下操作などの他の操作を契機として操作受付通知を行うこととしてもよい。
また、図16に示したフローチャートでは、CRユニット70の記憶部71内の映像連番データ71aを上書き更新する例を説明したが、持ち玉もしくは残度数が発生してからカード返却が行われるまでの期間に映像サーバ90から受け取った映像連番全てを保持することとしてもよい。
(2)関連付け処理
次に、本実施例に係る関連付け処理について説明する。図17は、実施例2に係る関連付け処理の手順を示すフローチャートである。図17では、図7に示した関連付け処理と同様の動作内容である箇所には同じ符号を付している。
図17に示すように、返却ボタン413の押下操作を受け付けると(ステップS101肯定)、関連付け部72bは、記憶部71に記憶された持ち玉データ37aを読み出す(ステップS102)。
ここで、記憶部71から読み出した持ち玉データ37aに持ち玉が存在する場合(ステップS103肯定)には、関連付け部72bは、記憶部71に記憶された映像連番データ72aをさらに読み出し(ステップS504)、これら読み出した持ち玉データ及び映像連番データを発行対象とするプリペイドカードのIDに対応付けて登録するように持ち玉管理装置10に依頼し(ステップS505)、持ち玉管理装置10からの関連付け完了応答(登録完了応答)を受け付けたならば挿入中のプリペイドカードをカード処理部34に返却させ(ステップS106)、処理を終了する。
一方、記憶部71から読み出した持ち玉データ37aに持ち玉が存在しない場合(ステップS103否定)には、関連付け部72bは、残度数更新部38bによって保持される残度数もしくは残度数管理装置15の残度数管理テーブルに記憶される残度数を取得し(ステップS107)、プリペイドカードに残度数が存在するか否かを判定する(ステップS108)。
このとき、プリペイドカードに残度数が存在すれば(ステップS108肯定)、挿入中のプリペイドカードをカード処理部34に返却させ(ステップS106)、処理を終了する。また、プリペイドカードにも残度数が存在しなければ(ステップS108否定)、カードを排出する必要がないのでそのまま処理を終了する。
(3)表示制御処理
次に、本実施例に係る表示制御処理について説明する。図18は、実施例2に係る表示制御処理に関する持ち玉管理装置、映像サーバ及び景品管理装置間の制御シーケンスを示す図である。なお、この処理は、景品交換処理時にプリペイドカードの読取操作を受け付けた際(図8に示したステップS202)に行われる処理である。
図18に示すように、プリペイドカードの読取操作が行われると、景品管理装置100のカード処理部54は、プリペイドカードからプリペイドカードIDを読み取る(ステップS601)。
続いて、景品管理装置100の関連付けデータ取得部110aは、カード処理部54によってプリペイドカードから読み取られたプリペイドカードIDに対応する持ち玉データ及び映像連番データを持ち玉管理装置10に問い合わせる(ステップS602)。
この問合せを受け付けた持ち玉管理装置10では、問合せを受けたプリペイドカードIDに対応する持ち玉データ及び映像連番データを持ち玉管理テーブルから読み出し(ステップS603)、該読み出した持ち玉データ及び映像連番データを景品管理装置100に応答する(ステップS604)。
そして、景品管理装置100の映像問合せ部110bは、関連付けデータ取得部110aによって取得された映像連番データに対応する映像を映像サーバ90に問い合わせる(ステップS605)。
一方、映像サーバ90の映像問合せ応答部93cは、問合せを受けた映像連番データに対応する映像を映像DB92aから読み出し(ステップS606)、該読み出した映像を景品管理装置100に応答する(ステップS607)。
そして、景品管理装置100の表示制御部110cは、交換画面の表示に併せて、映像問合せ部110bの問合せ結果として得られた映像を従業員用タッチパネル51及び遊技客用タッチパネル52に表示させ(ステップS608)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例に係る各台計数システム3によれば、CRユニット70に対する遊技者の所定の操作が検知された場合に当該操作の受付を映像サーバ90に通知し、追尾カメラ80又は各台カメラ81によって撮像された映像に紐付けられる映像連番を取得し、取得した映像連番をプリペイドカードに関連付けるようにCRユニット30を構成し、操作の受付が通知されたタイミングで追尾カメラ80又は各台カメラ81に撮像させた映像を取得し、取得した映像を映像連番に紐付け、紐付けた映像連番に対応付けて取得した映像を蓄積するように映像サーバ90を構成し、プリペイドカードに関連付けられた映像連番を取得し、取得した映像連番に対応する映像を映像サーバ90に問い合わせ、問合せ結果として得られた映像を従業員用タッチパネル51及び遊技客用タッチパネル52に表示させるように景品管理装置100を構成したので、店側は計数ゴトやカード盗難を監視でき、かつ、これらの不正行為が店側に監視されていることを客側に認識させることができ、カード盗難や計数ゴトを抑止することが可能となる
なお、本実施例では、パチンコ機40で遊技を行う遊技客を追尾カメラ80及び各台カメラ81で撮像することとしたが、本発明における撮像形態をこれに限定するものではない。例えば、1台もしくは複数のCRユニット70につき1つの撮像装置を設置したり、島端に撮像装置を設置して遊技時の映像を得るようにしてもかまわない。
また、本実施例では、上記の実施例1とは排他的に実施する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、実施例1及び実施例2を組み合わせて実施することもできる。
すなわち、プリペイドカードへの関連付けを行うに際して、持ち玉データに加えて台番号データ及び映像連番データを関連付けておけば、図19及び図20に示すように、景品管理装置の従業員用タッチパネル51及び遊技客用タッチパネル52で台番号並びに遊技時の映像の両方を表示させることができ、実施例1と実施例2の両方の効果及びその相乗効果を得ることができる。
さて、本実施例では、上記の実施例1で説明した台番号表示による不正行為の抑止をさらに発展させ、かかる台番号を用いて持ち玉と遊技台における実際の出玉とを検証することにより計数ゴトの不正検知を行う実施例を説明する。
まず、本実施例に係る各台計数システムのシステム構成について説明する。なお、以下では、上記の実施例1に係る各台計数システム1と対比しながら説明を進めることとし、同様の機能を発揮するものについては実施例1と同一の符号を付してその説明を省略する。
図21は、実施例3に係る各台計数システムのシステム構成図である。同図に示すように、実施例3に係る各台計数システム5は、図1に示した各台計数システム1と比較して、ホールコンピュータ500をさらに有する点が相違する。
このホールコンピュータ500は、図示しない台データ管理テーブルを用いて、遊技店における台データを収集・管理する管理装置である。この台データ管理テーブルは、台番号ごとに該台番号の機種名、アウト数、セーフ数及び売上金額などの台データを記憶している。そして、パチンコ機40から受け付けた各種パルス信号(例えば、アウト信号、セーフ信号及び売上信号など)を解釈して台データ管理テーブル内のアウト数、セーフ数又は売上金額を加算更新する。なお、アウト数とは、遊技台に打ち込まれたパチンコ玉の数量を指し、セーフ数とは、遊技台から賞玉として投出されたパチンコ玉の数量を指し、また、売上金額とは、遊技台で貸し玉の対価として得られた金額を指す。
ここで、本実施例では、各パチンコ機40の台番号データに対応付けて当該パチンコ機40におけるセーフ数とアウト数もしくはセーフ数とアウト数との差分値である出玉数を台データとして収集しておき、プリペイドカードから取得した台番号データに対応する台データを問い合わせ、その問合せ結果である台データから得られた出玉数とプリペイドカードから取得した持ち玉数とのずれが許容範囲内であるか否かを判定する点にその特徴がある。
すなわち、本実施例では、上記の実施例1に係る構成を採用することで持ち玉の由来である台番号が景品管理装置200側で特定できるため、この台番号をキーにして遊技台の実際の出玉を景品管理装置200に呼び出し、持ち玉と出玉との整合性をさらに判定することとした。
かかる持ち玉と出玉の関係について説明すると、台移動で他の遊技台から持ち込んだ出玉を持ち玉として計数したり、拾い玉を持ち玉として計数しない限りは、ホールコンピュータ500で管理される遊技台の出玉数よりも多い持ち玉数が存在することはない。したがって、出玉数を超える持ち玉数が存在する場合には、計数ゴトが行われている可能性が高いと推定することができる。
このことから、本実施例では、持ち玉数が出玉数以下である場合(誤差がない場合)や持ち玉数が出玉数よりも大きくとも超過分が許容範囲よりも少ない場合には、上記の実施例1と同様に、交換画面に台番号表示を行い、一方、持ち玉数が出玉数よりも許容範囲を超えて大きい場合には、台番号表示に併せて計数ゴトが行われているおそれがある旨を報知する。
したがって、本実施例では、プリペイドカードに関連付けられた台番号を用いて持ち玉と遊技台における実際の出玉とを検証することができ、景品カウンタで計数ゴトを自動的に検知することが可能となる。
次に、本実施例に係る各台計数システムの要部となる景品管理装置の構成を説明する。図22は、実施例3に係る景品管理装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、実施例3に係る景品管理装置200は、図6に示した景品管理装置50に比較して、交換済み玉数管理テーブル205aを記憶部205内に記憶する点、制御部210に台データ問合せ部210aと、不正計数判定部210bとをさらに内在する点が相違する。
交換済み玉数管理テーブル205aは、台番号ごとに交換済み玉数を記憶したテーブルである。この交換済み玉数とは、既に景品交換が行われた持ち玉数であり、交換制御部210dによって台番号ごとに区別して更新される。そして、台番号ごとに交換済み玉数を記憶することで、ホールコンピュータ500から取得した遊技台の出玉から交換済みの持ち玉を除き、1つの遊技台における未交換の持ち玉数を正確に求めることができるようにしている。
台データ問合せ部210aは、関連付けデータ取得部57aによって取得された台番号データに対応する台データをホールコンピュータ500に問い合わせる処理部である。なお、この問合せを受け付けたホールコンピュータ500からは、該当台番号の機種名、セーフ数、アウト数及び売上金額が問合せ応答として返信される。
不正計数判定部210bは、台データ問合せ部210aによる問合せ結果から得られた出玉数と、関連付けデータ取得部57aによって持ち玉データとして得られた持ち玉数とのずれが許容範囲内であるか否かを判定する処理部である。
ここで、本実施例に係る不正計数判定部210bでは、不正計数(計数ゴト)を判定するに先立って、プリペイドカードから取得した台番号の遊技台で実際に景品カウンタに持ち込むことのできる出玉数(以下、「実出玉数」と言う)を算出することとした。
すなわち、ホールコンピュータ500から取得されるアウト数及びセーフ数の差である出玉数は、問い合わせた台番号のパチンコ機40に打ち込まれたアウトの総数、また、そのパチンコ機40から払い出されたセーフの総数である。
これらアウト及びセーフの総数から得られる出玉には、CRユニット30によって現金と引き換えに貸し出された貸し玉の数が含まれないため、かかる出玉と持ち玉を単純に比較すると出玉数よりも持ち玉の方が多くなってしまう。
このため、不正計数判定部210bでは、ホールコンピュータ500から取得した売上金額からその遊技台における貸し玉数を算出し、セーフ数及び貸し玉数の和からアウト数を差し引くこととしている。
さらに、このようにセーフ数+貸し玉数−アウト数から得られる出玉数は、その台番号の遊技台で得られた出玉の総数であり、景品カウンタに同じ台番号が関連付けられたプリペイドカードを持ち込む遊技客が複数存在する場合にはその個人を特定することができず、二番目以降にプリペイドカードを持ち込んだ遊技客には、既に景品交換が行われた持ち玉も含んだ出玉と比較することとなってしまう。
そこで、不正計数判定部210bは、問合せに用いた台番号に対応する交換済み玉数を交換済み玉数管理テーブル205aから読み出し、セーフ数及び貸し玉数の和からアウト数を差し引くとともに、さらに交換済み玉数を差し引くこととしている。
つまり、不正計数判定部210bでは、セーフ数及び貸し玉数を足し込み、アウト数及び交換済み玉数を差し引く計算、すなわちセーフ数+貸し玉数−アウト数−交換済み玉数の計算を行うことによって、上記の実出玉数を算出することとした。これによって、プリペイドカードから取得した台番号の遊技台で実際に景品カウンタに持ち込むことのできる実出玉数を正確に算出することが可能となる。
その上で、不正計数判定部210bは、関連付けデータ取得部57aによってプリペイドカードから取得された持ち玉数と実出玉数の誤差が許容範囲内であるか否かを判定する。言い換えれば、この不正計数判定部210bでは、持ち玉数が実出玉数よりも許容範囲を超えて大きいか否かを判定しており、この許容範囲には、台移動で他の遊技台から持ち込んだ出玉を持ち玉として計数したり、拾い玉を持ち玉として計数した場合の誤差を含んでいる。
なお、本実施例では、上記の算出方式を用いて実出玉数を算出し、該算出した実出玉数と持ち玉数とを比較して不正計数であるか否かを判定することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記の算出方式以外の方式で実出玉数を算出することとしてもよい。
例えば、CRユニット30は、パチンコ機40からの出玉がはじめて計数されたと推定することができるタイミング、すなわち持ち玉ゼロからのカウントアップが発生した際にその時刻を計数開始時刻としてスタック中のプリペイドカードに関連付けておき、さらに、持ち玉数がゼロよりも大きい状態でカード返却操作を受け付けた際にその時刻を計数完了時刻として返却カードに関連付けて排出する。
このように計数開始時刻と計数完了時刻とをプリペイドカードに関連付けておけば、このプリペイドカードを受け付けた景品管理装置200側では、プリペイドカードに関連付けられた台番号の台データとして、計数開始時刻から計数完了時刻までの区間のアウト数とセーフ数もしくは出玉数を問い合わせることができる。
そして、ホールコンピュータ500の応答から得られる出玉数は、持ち玉を保有する遊技客個人の出玉数であることから、この出玉数に貸し玉数を加算するだけで、交換済み玉数管理テーブル205aによる交換済み玉数を用いて未交換玉数を求めなくともプリペイドカードを持ち込む遊技客の実出玉数を正確に特定することができる。
また、ここでは、CRユニット30で持ち玉ゼロからのカウントアップが発生した時点をホールコンピュータ500に問い合わせる台データの起点とすることとしたが、前回にカード排出された時点近傍の時刻を前回計数完了時刻としてスタック中のプリペイドカードに関連付けるとともに、今回にカード返却操作を受け付けた際にその時刻を今回計数完了時刻として返却カードに関連付けて排出することとしてもかまわない。この場合にも、同様に、持ち玉を保有する遊技客個人の出玉数をホールコンピュータ500に問い合わせることができる。
表示制御部210cは、図6に示した表示制御部57bと同様に、従業員用タッチパネル51及び遊技客用タッチパネル52の表示制御を行うが、不正計数判定部210bの判定結果によりこれら両タッチパネルに表示させる内容が部分的に相違する。
すなわち、不正計数判定部210bによって持ち玉数と実出玉数の誤差が許容範囲内であると判定された場合に、従業員用タッチパネル51には、交換画面の表示に併せて、関連付けデータ取得部57aによって取得された台番号、計数値、払戻し数及び持ち玉数を表示させる他、台データ問合せ部210aによる問合せ結果として得られた機種名をポップアップ画面として表示させる(図23参照)。また、遊技客用タッチパネル52には、交換業務を行う従業員に表示する画面よりも簡易な情報を表示させる(図24参照)。
一方、不正計数判定部210bによって持ち玉数と実出玉数の誤差が許容範囲を超えると判定された場合に、台番号並びに機種名の表示に併せて、計数ゴトが行われているおそれがある旨を従業員用タッチパネル51に表示させる(図25参照)。なお、ここでは、計数ゴトの従業員報知を従業員用タッチパネル51で行う例を説明したが、遊技客用タッチパネル、他装置である持ち玉管理装置10、残度数管理装置15やホールコンピュータ500の表示部に同様の内容を表示することにより、表示による報知を行う他、従業員が所持するインカムに同様の内容の音声を出力することにより、音声よる報知を行うこととしてもよい。
次に、本実施例に係る各台計数システムの処理の流れを説明する。図26は、実施例3に係る不正計数判定処理に関する持ち玉管理装置、景品管理装置及びホールコンピュータ間の制御シーケンスを示す図である。なお、この処理は、景品交換処理時にプリペイドカードの読取操作を受け付けた際(図8に示したステップS202)に行われる処理である。
図26に示すように、プリペイドカードの読取操作が行われると、景品管理装置200のカード処理部54は、プリペイドカードからプリペイドカードIDを読み取る(ステップS701)。
続いて、景品管理装置200の関連付けデータ取得部57aは、カード処理部54によってプリペイドカードから読み取られたプリペイドカードIDに対応する持ち玉データ及び台番号データを持ち玉管理装置10に問い合わせる(ステップS702)。
この問合せを受け付けた持ち玉管理装置10では、問合せを受けたプリペイドカードIDに対応する持ち玉データ及び台番号データを持ち玉管理テーブルから読み出し(ステップS703)、該読み出した持ち玉データ及び台番号データを景品管理装置200に応答する(ステップS704)。
そして、景品管理装置200の台データ問合せ部210aは、関連付けデータ取得部57aによって取得された台番号データに対応する台データをホールコンピュータ500に問い合わせる(ステップS705)。
この問合せを受け付けたホールコンピュータ500では、問合せを受けた台番号に対応する台データを台データ管理テーブルから読み出し(ステップS706)、該読み出した台データを景品管理装置200に応答する(ステップS707)。
ここで、景品管理装置200の不正計数判定部210bは、台データ問合せ部210aによる問合せ結果としてアウト数、セーフ数及び売上金額と、交換済み玉数管理テーブル205aによって問合せ台番号に対応付けて記憶された交換済み玉数とを用いて、上記の実出玉数を算出する(ステップS708)。
そして、不正計数判定部210bは、関連付けデータ取得部57aによってプリペイドカードから取得された持ち玉数と、上記のように算出した実出玉数の誤差が許容範囲内であるか否かを判定する(ステップS709)。
このとき、持ち玉数と実出玉数の誤差が許容範囲内である場合(ステップS709肯定)には、表示制御部210cは、関連付けデータ取得部57aによって台番号データ及び持ち玉データとして取得された台番号、計数値、払戻し数及び持ち玉数に加えて、台データ問合せ部210aによって台データとして問い合わされた機種名を従業員用タッチパネル51及び遊技客用タッチパネル51に表示させ(ステップS710)、処理を終了する。
一方、持ち玉数と実出玉数の誤差が許容範囲を超える場合(ステップS709否定)には、表示制御部210cは、台番号並びに機種名の表示に併せて、計数ゴトが行われているおそれがある旨を従業員用タッチパネル51に表示させることにより、計数ゴトの報知を行う(ステップS711)。
上述してきたように、本実施例に係る各台計数システム5によれば、各パチンコ機40の台番号データに対応付けて当該パチンコ機40におけるセーフ数とアウト数もしくはセーフ数とアウト数との差分値である出玉数を台データとして収集するようにホールコンピュータ500を構成し、プリペイドカードから取得した台番号データに対応する台データをホールコンピュータ500に問い合わせ、その問合せ結果である台データから得られた出玉数とプリペイドカードから取得した持ち玉数とのずれが許容範囲内であるか否かを判定するように景品管理装置200を構成したので、プリペイドカードに関連付けられた台番号を用いて持ち玉と遊技台における実際の出玉とを検証することができ、景品カウンタで計数ゴトを自動的に検知することが可能となる。
また、本実施例に係る各台計数システム5によれば、パチンコ機40の台番号データごとに当該遊技台に関する機種データを記憶しておくようにホールコンピュータ500を構成し、プリペイドカードから取得した台番号データに対応する機種データをホールコンピュータ500に問い合わせ、問合せ結果として得られた機種データを表示させるように景品管理装置200を構成したので、遊技台もしくは複数の遊技台ごとに異なる機種名等の台データが提示されることになり、店側によって遊技内容がより詳細に監視されていることを客側に認識させる結果、カード盗難や計数ゴトをより効果的に抑止することが可能となる。
さて、本実施例では、上記の実施例2で説明した映像表示による不正行為の抑止をさらに発展させ、かかる遊技時の映像と景品交換時の映像とを用いて本人認証を行うことによりカード盗難の不正検知を行う実施例を説明する。
すなわち、本実施例では、図27に示すように、景品交換を行う遊技者を撮像するカメラ610を景品管理装置600に設けておき、このカメラ610によって撮像された遊技者の映像と、映像サーバ90に対する問合せ結果として得られた映像とを用いて、当該景品交換を行う遊技者が持ち玉を保有する遊技者本人であるか否かを認証することとした。
これを具体的に説明すると、映像問合せ部110bによって映像サーバ90から取得された映像は、パチンコ機40で遊技を行っている際の遊技客の映像(遊技時の映像)であり、一方、景品カウンタに配設されるカメラ610によって撮像された映像は、景品交換を行う遊技客の映像(景品交換時の映像)である。
そして、不正者が他の遊技客のプリペイドカードを盗まない限りは、遊技時及び景品交換時の両映像は一致するはずである。これら遊技時及び景品交換時の映像が一致しないケースでは、景品交換を行おうとしている遊技客が他の遊技客のプリペイドカードを抜き取った可能性が高い。
ここで、本実施例では、遊技時の映像及び景品交換時の映像の両方から顔画像を切り出し、該切り出した両顔画像を用いて顔認証を行う。具体的には、図27及び図28に示すように、景品管理装置600に顔画像の切り出し及び顔認証を行う画像処理系のソフトウェアを本人認証部620aとしてインストールしておき、遊技時の顔画像及び景品交換時の顔画像を照合する。そして、両顔画像の類似度が所定値以上である場合には、景品交換を行う遊技客が遊技を行っていた遊技客本人であると判定して後の景品交換を許容する一方で、両顔画像の類似度が所定値未満である場合には、景品交換を行う遊技客が遊技を行っていた遊技客本人ではないと判定してカード盗難のおそれがある旨を報知する。
この報知の形態としては、従業員用タッチパネル51及び遊技客用タッチパネル52を通じてカード盗難のおそれがある旨の表示を行ったり、他装置で同様の表示を行ったりして表示による報知を行うこともできるし、従業員が所持するインカム等で同様の内容の音声による報知を行うこととしてもよい。
このように、本実施例によれば、プリペイドカードに関連付けられた遊技時の映像と景品カウンタで撮像した景品交換時の映像とを用いて本人認証を行うので、景品管理装置600が配設される景品カウンタでカード盗難を自動的に検知することができ、退店前に不正者を取り押さえることが可能となる。
ところで、本実施例では、映像を用いた本人認証を行う手法として顔認証を行うこととしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば風貌認証などの他の認証手法を用いることができる。なお、この風貌認証とは、顔の髭の有無、服の色合いや模様、めがねの有無などにより本人認証を行うものを指す。
なお、本実施例では、景品管理装置600にカメラ610を設けることとしたが、景品交換時の映像を撮る撮像装置には、映像サーバ90に接続される追尾カメラ80を流用してもよいし、景品管理装置600とは別の装置に接続されるカメラを用いるようにしてもかまわない。