JP5356131B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
このような使用シーンに合った吸収量を得る一般的な手法としては、夜間等の吸収量が要求される場合におむつの内面に補助的な吸収パッド(以下、着脱吸収パッドという)を敷くことが知られている(例えば特許文献1参照)。また、目的は異なるものの、おむつ内面における着脱吸収パッドの着脱により着脱吸収パッドの交換を行うもの(特許文献2参照)や、おむつの吸収体自体をおむつ内面から着脱可能としたもの(特許文献3参照)、おむつの内外に連通する開口を設け、この開口から、おむつ内面上に予め配置した複数の着脱吸収パッドのうち、使用により汚れた着脱吸収パッドのみを紐で引っ張り出すことにより、パッドの取り替えを容易にするもの(特許文献4参照)も提案されている。
そこで、本発明の主たる課題は、使用シーンに応じて着脱吸収パッドを出し入れできるものでありながら、着脱吸収パッドを装着した状態では通常のおむつと殆ど変らない構造となり、着脱吸収パッドとおむつ本体との一体性が高く、着脱吸収パッドがズレ難いものであるとともに、装着感の悪化等も少ない使い捨ておむつを提供することにある。
<請求項1記載の発明>
液不透過性シートと、その表面側に設けられた表面側被覆部と、これら液不透過性シートと表面側被覆部との間に形成された収容空間と、この収容空間内に配置される着脱吸収パッドとを有しており、
前記表面側被覆部は、前後方向又は幅方向における一方側及び他方側のうち、一方側の縁部から他方側に向かって延在する液透過性の第1被覆シートと、他方側の縁部から一方側に向かって延在する液透過性の第2被覆シートとから構成されるとともに、前記第1被覆シートにおける少なくとも前記他方側の縁部と、前記第2シートにおける少なくとも前記一方側の縁部とが互いに重なり合わさっており、且つ
前記第1被覆シート及び第2被覆シートは、前記収容空間の周囲に前記液不透過性シートに対する固定部分を有するとともに、前記収容空間上の部分が非固定の自由部分とされており、
これら第1被覆シートの自由部分と第2被覆シートの自由部分との合わせ目から、前記着脱吸収パッドが前記収容空間内に出し入れできるように構成されており、
前記第1被覆シートは、前記一方側の縁部から他方側の縁部又はその近傍まで延在し、前記第2被覆シートは、前記他方側の縁部から一方側の縁部又はその近傍まで延在しており、第1被覆シートと第2被覆シートとが異なる素材からなっている、
ことを特徴とする、使い捨ておむつ。
このように、第1被覆シート及び第2被覆シートとの継ぎ合わせにより形成された表面側被覆部と液不透過性シートとの間の収容空間に着脱吸収パッドを配置することにより、使用シーンに合わせて、第1被覆シートの自由部分と第2被覆シートの自由部分との合わせ目から、着脱吸収パッドを収容空間内に自由に出し入れでき、しかも、着脱吸収パッドを装着した状態では通常のおむつと殆ど変らない構造となるため、着脱吸収パッドとおむつ本体との一体性が高くなり、着脱吸収パッドがズレ難いものとなるとともに、装着感も通常のおむつと殆ど変り無い。
前記第1被覆シート及び第2被覆シートが毛羽立ち面及び平滑面を有する不織布からなり、前記第1被覆シートにおける第2被覆シートとの接触面、及び前記第2被覆シートにおける第1被覆シートとの接触面がともに前記毛羽立ち面とされている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
この場合、第1被覆シート及び第2被覆シート間の摩擦抵抗が毛羽立ち面により向上するため、第1被覆シートと第2被覆シートとの合わせ目がずれ難くなり、着脱吸収パッドとおむつ本体との一体性がより一層高くなる。さらにこの場合、第1被覆シート及び第2被覆シートの接触性が向上し、吸収速度が向上するという利点もある。
前記収容空間内に固定された固定吸収パッドを有する、請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
このような固定吸収パッドを備えることにより、その吸収量を基本とし、予め収容空間に内蔵されている着脱吸収パッドを第1及び第2被覆シートの合わせ目から抜き出す、又は別途用意されている着脱吸収パッドを第1及び第2被覆シートの合わせ目から収容空間に内蔵することにより、使用シーンに合わせて吸収量を変化させることができる。
前記固定吸収パッドは前記収容空間の周縁部に沿う環状をなしており、その環内に前記着脱吸収パッドが配置されている、請求項3記載の使い捨ておむつ。
着脱吸収パッドが収容空間の周縁部に配置されるようになっていると、着脱吸収パッドを抜いて吸収量を抑えたときに周囲からの漏れが発生し易くなる。これに対して、上述のように収用空間の周縁部には固定吸収パッドを配すると、着脱吸収パッドを抜いて吸収量を抑えたときでも周囲からの漏れが発生し難くなるため好ましい。
前記収用空間は前後方向の長さが幅方向の長さよりも長いものであり、前記表面側被覆部は、幅方向における一方側及び他方側のうち、一方側の縁部から他方側に向かって延在する液透過性の第1被覆シートと、他方側の縁部から一方側に向かって延在する液透過性の第2被覆シートとから構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
汎用性のある設計としては、着脱吸収パッドの前後方向の長さは幅方向の長さよりも長い方が好ましく、そのような着脱吸収パッドを良好に保持するためには収用空間も同様の形状であるのが好ましい。しかし、そのような設計においては、第1及び第2被覆シートを前後方向に継ぎ合わせた構造とすると、第1及び第2被覆シートの合わせ目の幅が狭く、開き難くなり、着脱吸収パッドを出し入れし難くなるおそれがある。これに対して、上述のように、第1及び第2被覆シートを幅方向に継ぎ合わせる構造とすると、第1及び第2被覆シートの重なり幅を十分に大きく採り、着脱吸収パッドの保持性を高めたとしても、第1及び第2被覆シートの合わせ目を容易に且つ大きく開くことができ、着脱吸収パッドを容易に出し入れできる利点がある。
以下の説明において、「前後方向(縦方向)」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの腹側部分両側部と背側部分量側部を重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った際に胴回り方向と直交する方向、換言すればウエスト側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
(外装シート)
外装シート12はおむつ外面を覆う部分であるとともに、吸収パッド50,51を支持し、着用者に装着するための部分でもある。外装シート12は、両側部の前後方向中央部が括れた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
表面側被覆部13は、幅方向(前後方向とすることもできる)における一方側及び他方側のうち、一方側の縁部から他方側に向かって延在する液透過性の第1被覆シート30と、他方側の縁部から一方側に向かって延在する液透過性の第2被覆シート40とから構成されている。図示例では、第1被覆シート30は、幅方向一方側の縁部から他方側の縁部又はその近傍まで延在し(先端縁30e)、前記第2被覆シートは、幅方向他方側の縁部から一方側の縁部又はその近傍まで延在している(先端縁40e)が、重なり幅を減らし、第1被覆シート30及び第2シート40の縁部のみ重なるだけでも良い。通常の場合、第1被覆シート30及び第2シート40の重なり幅は50〜90mm程度とするのが好ましい。
吸収パッド50,51を収容するための収容空間14は、適宜の寸法・形状とすることができるが、通常は図示形態のように、内部に収容される吸収パッド50,51よりも若干大きい寸法であるのが好ましく、形状としては前後方向の長さが幅方向の長さよりも長い矩形状であるのが好ましい。
収容空間14内には液不透過性シート11上に固定吸収パッド50がホットメルト接着剤等の接着剤により固定配置されるとともに、その固定吸収パッド50上に着脱吸収パッド51が着脱可能なように配置されている。着脱吸収パッド51は図10に示すように複数配置することができる。このような固定吸収パッド50を備えることにより、その吸収量を基本とし、予め収容空間14に内蔵されている着脱吸収パッド51を第1及び第2被覆シート30,40の合わせ目から抜き出す、又は別途用意されている着脱吸収パッド51を第1及び第2被覆シート30,40の合わせ目から収容空間14に内蔵することにより、使用シーンに合わせて吸収量を変化させることができる。また、図12に示すように固定吸収パッド50を省略し、着脱吸収パッド51のみとすることもできる。
図1及び図2に示されるように、ファスニングテープ130は、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材からなるファスニング基材130Cの基部がおむつに取り付けられており、おむつから突出する先端側部分に腹側に対する係止部として、メカニカルファスナーのフック材130Aが設けられている。フック材130Aはファスニング基材130Cに接着剤により剥離不能に接合されている。
腹側Fにおけるファスニングテープ130の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット印刷を有するターゲット印刷シート74を設けるのが好ましい。ターゲット印刷シート74は、係止部がフック材130Aの場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。ここで、ターゲット印刷は、シート基材に対して施すのが好ましい。
エンドフラップ部は、吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収パッド50,51を有しない部分であり、前側の延出部分が腹側エンドフラップ部FEであり、後側の延出部分が背側エンドフラップ部BEである。
図示形態では、両ファスニングテープ130間に、幅方向に弾性伸縮する帯状の背側伸縮シート70が設けられ、おむつ背側部におけるフィット性を向上させている。背側伸縮シート70の両端部は両ファスニングテープ130の取り付け部分と重なる部位まで延在されているのが好ましいが、幅方向中央側に離間していても良い。背側伸縮シート70の前後方向寸法は、ファスニングテープ130の取り付け部分の前後方向寸法と概ね同じにするのが適当であるが、±20%程度の範囲内とするのがよい。また、図示のように背側伸縮シート70が背側エンドフラップ部BEと固定パッド50の境界線と重なるように配置されていると、固定吸収パッド50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。背側伸縮シート70は、ゴムシート等のシート状弾性伸縮部材を用いても良いが、通気性の観点から不織布や紙を用いるのが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性伸縮部材を用いることもできるが、図5に示すように、二枚の不織布等のシート基材71をホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせるとともに、両シート基材71間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性伸縮部材72を幅方向に沿って伸張した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合におけるシート基材71としては、外装シート12と同様のものを用いることができる。弾性伸縮部材72の伸張率は150〜250%程度であるのが好ましい。また、弾性伸縮部材72として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔72dで5〜15本程度設けるのが好ましい。
表面側被覆部13上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、使用面側に突出(起立)する立体ギャザー60,60が設けられている。
Claims (5)
- 液不透過性シートと、その表面側に設けられた表面側被覆部と、これら液不透過性シートと表面側被覆部との間に形成された収容空間と、この収容空間内に配置される着脱吸収パッドとを有しており、
前記表面側被覆部は、前後方向又は幅方向における一方側及び他方側のうち、一方側の縁部から他方側に向かって延在する液透過性の第1被覆シートと、他方側の縁部から一方側に向かって延在する液透過性の第2被覆シートとから構成されるとともに、前記第1被覆シートにおける少なくとも前記他方側の縁部と、前記第2シートにおける少なくとも前記一方側の縁部とが互いに重なり合わさっており、且つ
前記第1被覆シート及び第2被覆シートは、前記収容空間の周囲に前記液不透過性シートに対する固定部分を有するとともに、前記収容空間上の部分が非固定の自由部分とされており、
これら第1被覆シートの自由部分と第2被覆シートの自由部分との合わせ目から、前記着脱吸収パッドが前記収容空間内に出し入れできるように構成されており、
前記第1被覆シートは、前記一方側の縁部から他方側の縁部又はその近傍まで延在し、前記第2被覆シートは、前記他方側の縁部から一方側の縁部又はその近傍まで延在しており、第1被覆シートと第2被覆シートとが異なる素材からなっている、
ことを特徴とする、使い捨ておむつ。 - 前記第1被覆シート及び第2被覆シートが毛羽立ち面及び平滑面を有する不織布からなり、前記第1被覆シートにおける第2被覆シートとの接触面、及び前記第2被覆シートにおける第1被覆シートとの接触面がともに前記毛羽立ち面とされている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
- 前記収容空間内に固定された固定吸収パッドを有する、請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
- 前記固定吸収パッドは前記収容空間の周縁部に沿う環状をなしており、その環内に前記着脱吸収パッドが配置されている、請求項3記載の使い捨ておむつ。
- 前記収用空間は前後方向の長さが幅方向の長さよりも長いものであり、前記表面側被覆部は、幅方向における一方側及び他方側のうち、一方側の縁部から他方側に向かって延在する液透過性の第1被覆シートと、他方側の縁部から一方側に向かって延在する液透過性の第2被覆シートとから構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
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