JP5355444B2 - 微多孔質フィルムの製造方法 - Google Patents
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(実施例1)
融点が140℃でビカット軟化温度が135℃で重量平均分子量が200万でMFRが0である超高分子量ポリエチレン樹脂65部(質量部、以下同じ)と、融点が230℃でビカット軟化温度が174℃でMFRが9の4−メチル−1−ペンテンを主成分とする1−デセンとのランダム共重合樹脂35部と、平均二次粒子径が2.5μmで比表面積が150m2/gで吸油量が250mL/100gであるシリカ微粉185部と、引火点が250℃の鉱物オイル415部とを混合し、二軸押出機にてバレル温度約230℃、Tダイ1の温度約240℃の条件で加熱溶融・混練しながらシート状に押し出し、カレンダーロール2a,2b(金属製ロール表面温度約140℃)間に通してロール圧延による薄肉化成形して厚さが100μmの非多孔質フィルム4を得た。ロール圧延による薄肉化成形後のカレンダーロール2b表面より剥離される直前の非多孔質フィルム4の温度は約150℃であった。非多孔質フィルム中の鉱物オイルを引火点46℃のノルマルパラフィン系の飽和炭化水素系溶剤であるノルマルデカンを用いて液温35℃に調整した槽中で抽出除去した後、抽出溶剤を100℃で乾燥除去して、ポリオレフィン系樹脂35質量%と、シリカ微粉65質量%と、鉱物オイル1質量%未満とからなる厚さが100μm、空隙率が69体積%の微多孔質フィルムを得た。
融点が140℃でビカット軟化温度が135℃で重量平均分子量が200万でMFRが0である超高分子量ポリエチレン樹脂50部と、融点が230℃でビカット軟化温度が174℃でMFRが9の4−メチル−1−ペンテンを主成分とする1−デセンとのランダム共重合樹脂50部と、平均二次粒子径が2.5μmで比表面積が150m2/gで吸油量が250mL/100gであるシリカ微粉185部と、引火点が250℃の鉱物オイル415部とを混合し、二軸押出機にてバレル温度約230℃、Tダイ1の温度約240℃の条件で加熱溶融・混練しながらシート状に押し出し、カレンダーロール2a,2b(金属製ロール表面温度約140℃)間に通してロール圧延による薄肉化成形して厚さが100μmの非多孔質フィルム4を得た。ロール圧延による薄肉化成形後のカレンダーロール2b表面より剥離される直前の非多孔質フィルム4の温度は約150℃であった。非多孔質フィルム中の鉱物オイルを引火点46℃のノルマルパラフィン系の飽和炭化水素系溶剤であるノルマルデカンを用いて液温35℃に調整した槽中で抽出除去した後、抽出溶剤を100℃で乾燥除去して、ポリオレフィン系樹脂35質量%と、シリカ微粉65質量%と、鉱物オイル1質量%未満とからなる厚さが100μm、空隙率が69体積%の微多孔質フィルムを得た。
融点が140℃でビカット軟化温度が135℃で重量平均分子量が200万でMFRが0である超高分子量ポリエチレン樹脂80部と、融点が230℃でビカット軟化温度が174℃でMFRが9の4−メチル−1−ペンテンを主成分とする1−デセンとのランダム共重合樹脂20部と、平均二次粒子径が2.5μmで比表面積が150m2/gで吸油量が250mL/100gであるシリカ微粉185部と、引火点が250℃の鉱物オイル415部とを混合し、二軸押出機にてバレル温度約230℃、Tダイ1の温度約240℃の条件で加熱溶融・混練しながらシート状に押し出し、カレンダーロール2a,2b(金属製ロール表面温度約140℃)間に通してロール圧延による薄肉化成形して厚さが100μmの非多孔質フィルム4を得た。ロール圧延による薄肉化成形後のカレンダーロール2b表面より剥離される直前の非多孔質フィルム4の温度は約150℃であった。非多孔質フィルム中の鉱物オイルを引火点46℃のノルマルパラフィン系の飽和炭化水素系溶剤であるノルマルデカンを用いて液温35℃に調整した槽中で抽出除去した後、抽出溶剤を100℃で乾燥除去して、ポリオレフィン系樹脂35質量%と、シリカ微粉65質量%と、鉱物オイル1質量%未満とからなる厚さが100μm、空隙率が70体積%の微多孔質フィルムを得た。
融点が140℃でビカット軟化温度が135℃で重量平均分子量が200万でMFRが0である超高分子量ポリエチレン樹脂65部と、ビカット軟化温度が178℃(融点は測定不能)でMFRが1.5のノルボルネンを主成分とするエチレン・ノルボルネン共重合樹脂35部と、平均二次粒子径が2.5μmで比表面積が150m2/gで吸油量が250mL/100gであるシリカ微粉185部と、引火点が250℃の鉱物オイル415部とを混合し、二軸押出機にてバレル温度約230℃、Tダイ1の温度約240℃の条件で加熱溶融・混練しながらシート状に押し出し、カレンダーロール2a,2b(金属製ロール表面温度約140℃)間に通してロール圧延による薄肉化成形して厚さが100μmの非多孔質フィルム4を得た。ロール圧延による薄肉化成形後のカレンダーロール2b表面より剥離される直前の非多孔質フィルム4の温度は約150℃であった。非多孔質フィルム中の鉱物オイルを引火点46℃のノルマルパラフィン系の飽和炭化水素系溶剤であるノルマルデカンを用いて液温35℃に調整した槽中で抽出除去した後、抽出溶剤を100℃で乾燥除去して、ポリオレフィン系樹脂35質量%と、シリカ微粉65質量%と、鉱物オイル1質量%未満とからなる厚さが100μm、空隙率が70体積%の微多孔質フィルムを得た。
融点が140℃でビカット軟化温度が135℃で重量平均分子量が200万でMFRが0である超高分子量ポリエチレン樹脂100部と、平均二次粒子径が2.5μmで比表面積が150m2/gで吸油量が250mL/100gであるシリカ微粉185部と、引火点が250℃の鉱物オイル415部とを混合し、二軸押出機にてバレル温度約180℃、Tダイ1の温度約220℃の条件で加熱溶融・混練しながらシート状に押し出し、カレンダーロール2a,2b(金属製ロール表面温度約145℃)間に通してロール圧延による薄肉化成形して厚さが100μmの非多孔質フィルム4を得た。ロール圧延による薄肉化成形後のカレンダーロール2b表面より剥離される直前の非多孔質フィルム4の温度は約150℃であった。非多孔質フィルム中の鉱物オイルを引火点46℃のノルマルパラフィン系の飽和炭化水素系溶剤であるノルマルデカンを用いて液温35℃に調整した槽中で抽出除去した後、抽出溶剤を100℃で乾燥除去して、ポリオレフィン系樹脂35質量%と、シリカ微粉65質量%と、鉱物オイル1質量%未満とからなる厚さが100μm、空隙率が70体積%の微多孔質フィルムを得た。
融点が140℃でビカット軟化温度が135℃で重量平均分子量が200万でMFRが0である超高分子量ポリエチレン樹脂40部と、融点が230℃でビカット軟化温度が174℃でMFRが9の4−メチル−1−ペンテンを主成分とする1−デセンとのランダム共重合樹脂60部と、平均二次粒子径が2.5μmで比表面積が150m2/gで吸油量が250mL/100gであるシリカ微粉185部と、引火点が250℃の鉱物オイル415部とを混合し、二軸押出機にてバレル温度約230℃、Tダイ1の温度約240℃の条件で加熱溶融・混練しながらシート状に押し出し、カレンダーロール2a,2b(金属製ロール表面温度約140℃)間に通してロール圧延による薄肉化成形して厚さが100μmの非多孔質フィルム4を得た。ロール圧延による薄肉化成形後のカレンダーロール2b表面より剥離される直前の非多孔質フィルム4の温度は約150℃であった。非多孔質フィルム中の鉱物オイルを引火点46℃のノルマルパラフィン系の飽和炭化水素系溶剤であるノルマルデカンを用いて液温35℃に調整した槽中で抽出除去した後、抽出溶剤を100℃で乾燥除去して、ポリオレフィン系樹脂35質量%と、シリカ微粉65質量%と、鉱物オイル1質量%未満とからなる厚さが100μm、空隙率が69体積%の微多孔質フィルムを得た。
融点が140℃でビカット軟化温度が135℃で重量平均分子量が200万でMFRが0である超高分子量ポリエチレン樹脂90部と、融点が230℃でビカット軟化温度が174℃でMFRが9の4−メチル−1−ペンテンを主成分とする1−デセンとのランダム共重合樹脂10部と、平均二次粒子径が2.5μmで比表面積が150m2/gで吸油量が250mL/100gであるシリカ微粉185部と、引火点が250℃の鉱物オイル415部とを混合し、二軸押出機にてバレル温度約230℃、Tダイ1の温度約240℃の条件で加熱溶融・混練しながらシート状に押し出し、カレンダーロール2a,2b(金属製ロール表面温度約140℃)間に通して圧延による薄肉化成形して厚さが100μmの非多孔質フィルム4を得た。圧延による薄肉化成形後のカレンダーロール2b表面より剥離される直前の非多孔質フィルム4の温度は約150℃であった。非多孔質フィルム中の鉱物オイルを引火点46℃のノルマルパラフィン系の飽和炭化水素系溶剤であるノルマルデカンを用いて液温35℃に調整した槽中で抽出除去した後、抽出溶剤を100℃で乾燥除去して、ポリオレフィン系樹脂35質量%と、シリカ微粉65質量%と、鉱物オイル1質量%未満とからなる厚さが100μm、空隙率が70体積%の微多孔質フィルムを得た。
〈ビカット軟化温度〉
ASTM D 1525−70に準拠して樹脂表面に1kgの荷重をかけたゲージを配置して過熱したとき、ゲージの針先がプラスチック中に1mm入り込んだ時の温度を求めた。
〈MFR(メルトフローレート)〉
4−メチル−1−ペンテンを主成分とする共重合樹脂については、ASTM D 1238に規定される方法により、荷重が5kg、温度が260℃の条件にて測定し求めた。
ノルボルネンを主成分とするエチレン・ノルボルネン共重合樹脂については、ISO 1133に規定される方法により、荷重が2.16kg、温度が260℃の条件にて測定し求めた。
〈厚さ〉
JIS Z 1702に規定されたダイヤルシックネスゲージを用いて測定した。
〈引張強さ〉
JIS K 7113に準拠した方法で、チャック間距離50mm、引張速度200mm/分の条件で引張試験を行って求めた。
〈空隙率〉
平均細孔径を測定する方法の一つである水銀圧入法で、微多孔質フィルムへの水銀の圧入量より空隙率を求めた。
〈平均細孔径〉
水銀圧入法(JIS R 1655)により測定し求めた。
(1)本発明の微多孔質フィルムの製造方法に基づく実施例1〜3では、ポリオレフィン系樹脂と無機質微粉を主構成とする微多孔質フィルムの製造方法にあって、ポリオレフィン系樹脂として高強度だが低融点である高密度ポリエチレン樹脂を主体とし低強度だが高融点である4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂を20〜50質量%混合使用するようにしたため、従来の一般的な微多孔質フィルムであるポリオレフィン系樹脂として高密度ポリエチレン樹脂のみを使用するようにした比較例2(本発明における耐熱特性の改善前の位置づけ)の場合に比較して、得られた微多孔質フィルムは、高密度ポリエチレン樹脂の一部を4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂に置換した影響で、25℃引張強さは18.4〜24.1N/mm2と8〜30%低下したものの、蓄電デバイス用セパレータとしての十分な強度を確保し、150℃引張強さは0.77〜1.56N/mm2と3.0倍〜6.0倍の強度を確保し大幅な耐熱特性の向上が図られた。また、半製品シートである非多孔質フィルムも、150℃引張強さが0.42〜1.08N/25mmと1.4倍〜3.5倍の強度を確保した。このため、ロール圧延による薄肉化成形時の半製品シートのロール表面への貼り付き現象において、高融点のポリオレフィン系樹脂を添加したことによりロール圧延による薄肉化成形温度(カレンダーロール間を通してからカレンダーロール表面より剥離される直前までの半製品シート温度)を高めたにも拘わらず、半製品シートの強度が高いため、製造ラインの速度を上げても、半製品シートの破れ・切れ等の品質低下や製造トラブルを生じることなく、安定的にロール表面からの剥離が可能で、生産性や品質安定性が良好であった。
(2)ポリオレフィン系樹脂として高強度だが低融点である高密度ポリエチレン樹脂を主体とし低強度だが高融点である4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂を20〜50質量%混合使用するようにした実施例1〜3に対して、4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂を10質量%混合使用するようにした比較例4では、ポリオレフィン系樹脂として高密度ポリエチレン樹脂のみを使用するようにした比較例2の場合に比較して、得られた微多孔質フィルムは、高密度ポリエチレン樹脂からの4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂への置換割合が少ない影響で、25℃引張強さは25.9N/mm2と2%の低下に留まったが、150℃引張強さも0.31N/mm2と19%の向上に留まり耐熱特性の向上が不十分であった。また、半製品シートである非多孔質フィルムも、150℃引張強さが0.32N/25mmと3%の向上に留まった。このため、ロール圧延による薄肉化成形時の半製品シートのロール表面への貼り付き現象において、半製品シートの強度が弱いため、製造ラインの速度を上げると、半製品シートの破れ・切れ等の品質低下や製造トラブルを生じやすくなる状況で、生産性や品質安定性を高めることができなかった。
(3)ポリオレフィン系樹脂として高強度だが低融点である高密度ポリエチレン樹脂を主体とし低強度だが高融点である4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂を20〜50質量%混合使用するようにした実施例1〜3に対して、4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂を60質量%混合使用するようにした比較例3では、ポリオレフィン系樹脂として高密度ポリエチレン樹脂のみを使用するようにした比較例2の場合に比較して、得られた微多孔質フィルムは、高密度ポリエチレン樹脂からの4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂への置換割合が多い影響で、150℃引張強さは1.59N/mm2と6.1倍の強度を確保し大幅な耐熱特性の向上が図られたが、25℃引張強さは10.5N/mm2と60%も低下し蓄電デバイス用セパレータとしての強度が不足する状況であった。半製品シートである非多孔質フィルムは、150℃引張強さが1.14N/25mmと3.7倍の強度を確保し、ロール圧延による薄肉化成形工程での生産性や品質安定性が良好であった。
(4)ポリオレフィン系樹脂として高強度だが低融点である高密度ポリエチレン樹脂を主体とし低強度だが高融点である4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂を35質量%混合使用するようにした実施例1に対して、高融点のポリオレフィン系樹脂として4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂に代えてエチレン・ノルボルネン共重合樹脂を使用するようにした比較例1では、得られた微多孔質フィルムは、25℃引張強さは21.0N/mm2と、ポリオレフィン系樹脂として高密度ポリエチレン樹脂のみを使用するようにした比較例2の場合に比較して20%低下したものの、高融点のポリオレフィン系樹脂として同量の4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂を使用した実施例1の場合と同等で、蓄電デバイス用セパレータとしての十分な強度を確保したが、150℃引張強さは0.90N/mm2と、ポリオレフィン系樹脂として高密度ポリエチレン樹脂のみを使用するようにした比較例2の場合に比較して3.5倍の強度を確保し大幅な耐熱特性の向上が図られたものの、高融点のポリオレフィン系樹脂として同量の4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂を使用した実施例1の場合と比較すると36%も劣っており耐熱特性の改善効果が劣っていた。また、半製品シートである非多孔質フィルムは、150℃引張強さが0.25N/25mmと、ポリオレフィン系樹脂として高密度ポリエチレン樹脂のみを使用するようにした比較例2の場合に比較して19%低下し、低融点のポリオレフィン系樹脂の一部を高融点のポリオレフィン系樹脂へ置換したにも拘わらず、耐熱特性の改善効果がまったく見られない状況で、高融点のポリオレフィン系樹脂として同量の4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂を使用した実施例1の場合と比較すると62%も劣っていた。このため、ロール圧延による薄肉化成形時の半製品シートのロール表面への貼り付き現象において、半製品シートの強度が弱いため、製造ラインの速度を上げると、半製品シートの破れ・切れ等の品質低下や製造トラブルを生じやすくなる状況で、生産性や品質安定性を高めることができなかった。
(5)尚、比較例1において「低融点のポリオレフィン系樹脂の35質量%を高融点のポリオレフィン系樹脂へ置換したにも拘わらず、非多孔質フィルム状の半製品シートにおける高温下の機械的強度(150℃引張強さ)において、耐熱特性の改善効果がまったく見られず、むしろ19%低下した」ことの理由については次のように推定した。まず、比較例1に対して、高密度ポリエチレン樹脂からの高融点ポリオレフィン系樹脂への置換割合が同じであり、使用する高融点ポリオレフィン系樹脂の種類のみが異なる、実施例1と比較してみた。完成品の25℃引張強さ(比較例1:21.0N/mm2)について比較してみると、実施例1も21.0N/mm2で同じであることから、「そもそも4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂とエチレン・ノルボルネン共重合樹脂とは、樹脂の持つ強度が異なるから」という理由ではないことが分かる。完成品の150℃引張強さ(比較例1:0.90N/mm2)について比較してみると、実施例1は1.41N/mm2であり36%低いが、比較例2(0.26N/mm2)と比較すると3.5倍であることから、「実施例1には劣るが、比較例2には完全に優る」状況であり、半製品シートの150℃引張強さにおける「比較例2にも劣る」状況とはまったく状況が異なっており、半製品シートの150℃引張強さの現象の主原因が、この完成品の150℃引張強さの現象の中に見出されるとは考えにくい。よって、半製品シートの150℃引張強さにおける「比較例2にも劣る」原因は、「高温下の半製品シート」特有の現象の中に潜んでいる可能性が高いと思われる。本発明の実施例および比較例における通常の場合、原料組成物は、溶融混練押出時に、温度が約240℃にあり、ポリオレフィン系樹脂とオイル状可塑剤とが相溶状態にあり、押出直後のロール圧延による薄肉化成形工程(金属製ロール表面温度が約140℃)によって冷却され約150℃にまで温度低下し、ポリオレフィン系樹脂が結晶化し相溶状態にあったポリオレフィン系樹脂とオイル状可塑剤とが相分離を起こす。オイル状可塑剤と相溶状態にある時は強度を高められない原料組成物中のポリオレフィン系樹脂は、結晶化し相分離を起こすことで強度を高めるようになるが、ポリオレフィン系樹脂の中でも、ポリエチレン樹脂や4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂では、相分離が起こりやすいが、エチレン・ノルボルネン共重合樹脂では、相分離が起こりにくいと思われる。よって、温度が約150℃の半製品シート中のエチレン・ノルボルネン共重合樹脂は強度を高められず、半製品シートの機械的強度が上がらないという現象になったものと思われる。
2a,2b カレンダーロール
3 冷却ロール
4 半製品シート(非多孔質フィルム状シート)
5 ロール圧延による薄肉化成形工程
6 ロール表面に貼り付いた半製品シートを剥離させながら次工程へ搬送される部分
Claims (3)
- ポリオレフィン系樹脂と、オイル状可塑剤と、前記オイル状可塑剤を担持しうる比表面積100m2/g以上の無機質微粉とを主体とした原料組成物を溶融混練しながら押し出したシート状物をロール圧延により薄肉化成形して厚さ100μm以下の非多孔質フィルムとした後、前記オイル状可塑剤の一部乃至全量を抽出除去することによって得られる、前記ポリオレフィン系樹脂と前記無機質微粉とを主構成とした前記ポリオレフィン系樹脂と前記無機質微粉の組成比(質量比)が20/80〜60/40で平均細孔径が1μm以下で空隙率が65体積%以上で厚さが100μm以下の微多孔質フィルムの製造方法において、前記ポリオレフィン系樹脂として、融点が150℃以下である低融点のポリオレフィン系樹脂を主体とし、融点が220℃以上またはビカット軟化温度が170℃以上である高融点のポリオレフィン系樹脂として4−メチル−1−ペンテン系共重合樹脂を20〜50質量%混合使用するようにして、前記非多孔質フィルムの150℃引張強さ(MD方向)が0.4N/25mm以上でかつ、前記微多孔質フィルムの25℃引張強さ(MD方向)が18N/mm2以上となるようにしたことを特徴とする微多孔質フィルムの製造方法。
- 前記低融点のポリオレフィン系樹脂が高密度ポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1記載の微多孔質フィルムの製造方法。
- 前記低融点のポリオレフィン系樹脂が重量平均分子量50万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1記載の微多孔質フィルムの製造方法。
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