JP5354708B2 - 土質安定用薬液 - Google Patents
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Description
・微粒子セメントの配合量:微粒子スラグと微粒子セメントの合計100質量部に対し20質量部の場合、36質量部の場合、52質量部の場合が例示されている。
・水の配合量:微粒子スラグと微粒子セメントの合計100質量部に対し、460質量部の場合が例示されている。
・微粒子セメントの配合量:微粒子スラグと微粒子セメントの合計100質量部に対し20質量部の場合が例示されている。
・水ガラスの配合量:微粒子スラグと微粒子セメントの合計100質量部に対し珪酸ナトリウムとして、81質量部の場合、83質量部の場合、86質量部の場合、89質量部の場合が例示されている。
・水の配合量:微粒子スラグと微粒子セメントの合計100質量部に対し、453質量部の場合、459質量部の場合、472質量部の場合、478質量部の場合が例示されている。
・水ガラスの配合量:微粒子スラグと微粒子セメントの合計100質量部に対し珪酸ナトリウムとして、72質量部の場合、81質量部の場合、90質量部の場合、94質量部の場合が例示されている。
・水の配合量:微粒子スラグと微粒子セメントの合計100質量部に対し、353質量部の場合、355質量部の場合、372質量部の場合、377質量部の場合、381質量部の場合が例示されている。
この中、実施面における効率性、地盤改良の確実性などを鑑みた場合、浸透性の性能は高いほど好ましく、更なる改良が求められているのが現実である。
一方、土質安定用薬液が硬化の際に生じるブリージングは、軟弱地盤に対し地盤改良工法を施して地盤中に硬化体を形成する際、硬化体上層部に未硬化部分を生じ、確実な地盤改良を阻害する原因となるので、ブリージングを生じないことが理想であるが、上記特許文献1〜特許文献3で開示されている土質安定用薬液では、その方策に対して一切言及されていない。
更に、スラグやセメントから構成される土質安定用薬液においては、硬化体上層部では硬化体下層部に比べスラグ分やセメント分が少ない状態で硬化する(いわゆる粗密分離)現象を生じ、その結果地盤中に形成される硬化体の強度が不均一となってしまう場合があり、このことも確実な地盤改良を阻害する原因の一つとなっている。従って、土質安定用薬液が硬化した際、硬化体中のスラグ分やセメント分の粗密分離は少なければ少ないほど(即ち、均一性が高いほど)好ましいものであるが、この点に関しても、上記特許文献1〜特許文献3で開示されている土質安定用薬液では、その方策に対して一切言及されていない。
・浸透性・・・円柱型枠(内径:5cm)内に最密充填した豊浦珪砂層の表面に、調製した土質安定用薬液200mlを流し込んで自然浸透させ、形成された硬化体における、土質安定用薬液の硬化分と砂分が混在している部分の厚み(浸透深さ)が、12cm以上であること。
・ブリージング・・・調製した土質安定用薬液500mlを容器(容量500ml)に入れて静置、硬化体上層部に生じたブリージング水をメスシリンダーに移し取り、その水量を測定し求めたブリージング率が1%以下であること。
・硬化体均一性・・・調製した土質安定用薬液500mlをメスシリンダー(容量500ml)に入れて静置、硬化体におけるスラグ分やセメント分の疎部分を硬化体の色調から目視判定してその体積を測定し、土質安定用薬液全容に対する体積割合として算出した値が20%以下であること。
び水を含有する従来の土質安定用薬液よりも更に浸透性が向上したことに加え、土質安定
用薬液が硬化する際に、ブリージングを生じる事が無く且つ、硬化体の均一性に優れると
言う効果を奏し、これにより、より安全・確実・効率的に地盤改良できると言う特徴を有
する。
なお、本発明の土質安定用薬液では、珪酸ナトリウム100質量部に対しアルミニウム化合物を酸化物(Al2O3)換算で0.07質量部以上0.40質量部以下の割合で含有させることで、浸透性の性能をより向上できる。
本発明の土質安定用薬液に用いる微粒子スラグは、例えば高炉セメント等の製造用原料に用いられる高炉水砕スラグを後述するブレーン値に粉砕調製したものである。
本発明の土質安定用薬液に用いる微粒子スラグのブレーン値は、下限値9000cm2/g以上、好ましくは下限値10000cm2/g以上、一方、上限値15000cm2/g以下、好ましくは上限値13000にcm2/g以下の範囲にあるものを用いる。微粒子スラグのブレーン値が、本発明で規定する範囲の下限値よりも小さい場合は、浸透性および硬化体均一性の性能が不充分であり本発明の目的を達成できない。一方、微粒子スラグのブレーン値が、本発明で規定する範囲の上限値よりも大きい場合は、浸透性の性能が不充分であり本発明の目的を達成できない。
本発明の土質安定用薬液に用いる微粒子セメントのブレーン値は、下限値9000cm2/g以上、好ましくは下限値10000cm2/g以上、一方、上限値15000cm2/g以下、好ましくは上限値13000にcm2/g以下の範囲にあるものを用いる。微粒子セメントのブレーン値が、本発明で規定する範囲の下限値よりも小さい場合および、上限値よりも大きい場合は、浸透性の性能が不充分であり本発明の目的を達成できない。
一方、珪酸ナトリウムの配合量が、本発明で規定する範囲の上限値よりも多い場合は、浸透性および硬化体均一性の性能が不充分であり本発明の目的を達成できない。
・無水塩(粉体)で得る方法例・・・二酸化珪素と炭酸ナトリウムとアルミニウム化合物(例えば、アルミン酸ナトリウム等)をSiO2/Na2Oモル比およびアルミニウム化合物の含有量が上記規定の範囲となるように組合せ融解後、適宜の粒度に粉砕する。
・水溶液(いわゆる水ガラス)で得る方法例・・・JIS K1408で規定される水ガラス製造用カレットと、アルミニウム化合物(例えば、アルミン酸ナトリウム等)を、出来上がりのSiO2/Na2Oモル比およびアルミニウム化合物の含有量が上記規定の範囲となるようにオートクレーブに仕込み、水に溶解させる。
・含水塩(粉体)で得る方法例・・・水溶液で得たアルミニウム化合物を含有させた珪酸ナトリウム(上記)の水分を、例えばスプレードライ等の方法で留去する。
本発明の土質安定用薬液に用いる水の配合量は、微粒子スラグと微粒子セメントの合計100質量部に対し、下限値410質量部以上、好ましくは下限値430質量部以上、一方、上限値450質量部以下の範囲である。なお、珪酸ナトリウムが含水塩や水溶液であった場合は、それらに含まれる水分も水の配合量に加えて計算して調製される。水の配合量が、本発明で規定する範囲の下限値よりも少ない場合は、浸透性の性能が不充分であり本発明の目的を達成できない。一方、水の配合量が、本発明で規定する範囲の上限値よりも多い場合は、ブリージングの性能が不充分であり本発明の目的を達成できない。
この様な減水剤としては、リグニンスルホン酸塩またはその誘導体,オキシ有機酸塩,アルキルアリルスルホン酸塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオール複合体,高級多価アルコールスルホン酸塩,メラミンホルマリン縮合物スルホン酸塩などを主成分とする各種の減水剤,分散剤,高性能減水剤,流動化剤を挙げる事ができる。
また消泡剤としては、高級アルコール系,アルキルフェノール系,ジエチレングリコール系,ジブチルフタレート系,非水溶性アルコール系,トリブチルホスフェート系,ポリグリコール系,シリコーン系,酸化エチレン−酸化プロピレン共重合体系などの各種の消泡剤を挙げることができる。
以下のような手順で土質安定用薬液を調製し、その性能を評価した。
・微粒子スラグ・・・高炉水砕スラグを、表1記載のブレーン値に粉砕調製。
・微粒子セメント・・・普通ポルトランドセメントを、表1記載のブレーン値に粉砕調製。
・珪酸ナトリウム(無水塩)・・・二酸化珪素と炭酸ナトリウム(何れも試薬)を、表1記載のモル比となるように融解し調製。
・水・・・水道水をそのまま使用。
上記のように調製した微粒子スラグと微粒子セメントと珪酸ナトリウムと水を用い、表1の実験条件に示す割合に基づき、珪酸ナトリウムを溶解した水に微粒子スラグと微粒子セメントを投入混練して土質安定用薬液を調製し、下記項目の性能を評価した。
・浸透性・・・円柱型枠(内径:5cm)内に最密充填した豊浦珪砂層の表面に、調製した土質安定用薬液200mlを流し込んで自然浸透させ、形成された硬化体における、土質安定用薬液の硬化分と砂分が混在している部分の厚み(浸透深さ)を測定した。
評価○:浸透深さが、12cm以上であった。
評価×:浸透深さが、12cm未満であった。
・ブリージング・・・調製した土質安定用薬液500mlを容器(容量500ml)に入れて静置、硬化体上層部に生じたブリージング水をメスシリンダーに移し取り、その水量を測定しブリージング率を求めた。
評価○:ブリージング率が、1%以下であった。
評価×:ブリージング率が、1%を超えた。
・硬化体均一性・・・調製した土質安定用薬液500mlをメスシリンダー(容量500ml)に入れて静置、硬化体におけるスラグ分やセメント分の疎部分を硬化体の色調から目視判定してその体積を測定し、土質安定用薬液全容に対する体積割合として算出した。
評価○:疎部分の体積割合が、20%以下であった。
評価×:疎部分の体積割合が、20%を超えた。
各試験における、試験条件、全容1000g中における微粒子スラグと微粒子セメントと珪酸ナトリウムと水の配合処方、試験結果と評価、および総合評価を表1にまとめて示した。
なお、総合評価は下記を示している。
総合評価○:浸透性、ブリージング、硬化体均一性の評価がいずれも○であった。
総合評価×:評価項目の少なくとも一つが×であった。
表1から明らかなように、試験条件が本発明の規定を満たした場合には、浸透性、ブリージング、硬化体均一性の性能基準を全て同時に満たし、本発明の目的が達成された(試験No.2〜5,8〜11,14〜17,20〜21,24〜27,30〜32)。
これに対し、試験条件が本発明の規定から外れた場合には、浸透性、ブリージング、硬化体均一性のいずれか一つあるいは二つ以上が性能基準を満たさず、本発明の目的が達成されなかった(試験No.1,6,7,12,13,18,19,22,23,28,29,33)。
珪酸ナトリウムを、二酸化珪素と炭酸ナトリウムとアルミン酸ナトリウム(何れも試薬)を融解し調製したアルミニウム化合物と珪酸ナトリウム(無水塩)との混合物(表2では便宜的に「アルミニウム化合物含有珪酸ナトリウム」と表記する。)に変えた以外は前記実施例及び比較例(試験No.1〜No.33)と同様に試験を行った。
各試験における、試験条件、全容1000g中における微粒子スラグ、微粒子セメント、アルミニウム化合物と珪酸ナトリウムとの混合物、及び水の配合処方、試験結果と評価、並びに総合評価を、表2にまとめて示した。
これに対し、アルミニウム化合物の酸化物(Al2O3)換算での含有量が、珪酸ナトリウム100質量部に対し、0.07質量部よりも少ない場合、0.40質量部よりも多い場合とも、浸透性の性能を更に向上させる効果は無かった。
Claims (2)
- 微粒子スラグ、微粒子セメント、珪酸ナトリウム、及び水を含有する土質安定用薬液であって、微粒子スラグと微粒子セメントのブレーン値がともに9000cm2/g以上15000cm2/g以下であり、珪酸ナトリウムのSiO2/Na2Oモル比が3.0以上3.8以下であり、微粒子セメントの配合量が微粒子スラグと微粒子セメントの合計100質量部に対し2質量部以上7質量部以下であり、珪酸ナトリウムの配合量が微粒子スラグと微粒子セメントの合計100質量部に対し12質量部以上36質量部以下であり、水の配合量が微粒子スラグと微粒子セメントの合計100質量部に対し410質量部以上450質量部以下であることを特徴とする土質安定用薬液。
- 珪酸ナトリウム100質量部に対しアルミニウム化合物を酸化物(Al2O3)換算で0.07質量部以上0.40質量部以下の割合で含有する、請求項1記載の土質安定用薬液。
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